2020年07月30日

死ぬ権利よりも生きる権利守る社会に

 全身の筋力が徐々に低下する難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症した京都市の女性(51)に頼まれ、薬物を投与して殺害したとして、京都府警は2020年7月23日、嘱託殺人の疑いで、宮城県名取市でクリニックを営む医師、大久保愉一(よしかず)(42)=仙台市=と東京都の医師、山本直樹(43)の両容疑者を逮捕した。
 自身もALSを患うれいわ新選組の舩後靖彦参院議員は23日、コメントを公表した。
 コメントは次のとおり。

◇ ◇ ◇
 事件の報道を見聞きし、驚いています。
 ただ、現時点では正確な事実関係がわかりませんので、事件の内容についてのコメントは控えたいと思います。

 報道を受け、インターネット上などで、「自分だったら同じように考える」「安楽死を法的に認めてほしい」「苦しみながら生かされるのは本当につらいと思う」というような反応が出ていますが、人工呼吸器をつけ、ALSという進行性難病とともに生きている当事者の立場から、強い懸念を抱いております。
 なぜなら、こうした考え方が、難病患者や重度障害者に「生きたい」と言いにくくさせ、当事者を生きづらくさせる社会的圧力が形成していくことを危惧するからです。

 私も、ALSを宣告された当初は、できないことが段々と増えていき、全介助で生きるということがどうしても受け入れられず、「死にたい、死にたい」と2年もの間、思っていました。
 しかし、患者同士が支えあうピアサポートなどを通じ、自分の経験が他の患者さんたちの役に立つことを知りました。
 死に直面して自分の使命を知り、人工呼吸器をつけて生きることを決心したのです。
 その時、呼吸器装着を選ばなければ、今の私はなかったのです。

「死ぬ権利」よりも、「生きる権利」を守る社会にしていくことが、何よりも大切です。
 どんなに障害が重くても、重篤な病でも、自らの人生を生きたいと思える社会をつくることが、ALSの国会議員としての私の使命と確信しています。

2020年7月23日
参議院議員 舩後靖彦

[写真]
山本直樹容疑者を乗せ、京都府警中京署に入る車両=京都市中京区で2020年7月23日午後2時37分

毎日新聞、2020年7月23日 22時12分
「死ぬ権利よりも生きる権利守る社会に」
ALSの舩後参院議員、事件受け

https://mainichi.jp/articles/20200723/k00/00m/040/159000c

障害者の「生」否定するな ALS患者・支援者ら訴え

 全身の筋肉が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の女性患者=京都市=から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして、2人の医師が嘱託殺人の容疑で京都府警に逮捕された事件。
 ALSの当事者や、生活を支える人たちはショックを受けつつ「どんなことがあっても障害者が生きることを否定してはいけない」と訴える。

■ ALS患者「孤独感、孤立感に悩む」
《自身もALS患者で、NPO法人「境を越えて」理事長の岡部宏生さんの話》

 とても残念な事件が起こってしまった。
 患者の背景はわからないが、このような依頼をしなければならなかったとしたら、非常に悔しく、悲しい。

 私は48歳でALSを発症し、死にたいと何度も真剣に思った。
 でも社会の支援を受けて、こうして生きている。
 生きてみようと思えたのは、明るく前向きに他の患者や家族の支援をしている先輩患者を見たからだ。
 あんなふうに生きたいと思うようになった。

 ただ「生きたい」と「生きていける」とは違う。
 介護保険や障害者の生活支援サービスを十分に受けられ、介護者を確保できなければ、すべて家族に頼ることになる。
 経済的なことも含めて家族に負担をかけたくない、と生きることをあきらめる患者は多い。
 私も介護態勢をつくるまでに時間がかかり、ぎりぎりのタイミングで人工呼吸器をつけられた。

「安楽死」には明確に反対だ。
「安楽死」と同じように社会で使われている言葉に「尊厳死」があるが、自分でご飯を食べることや排泄(はいせつ)ができなくなるのは尊厳を失うことなどとされる。
 そうなのか。もしそうなら私は尊厳を失って生きている。

 尊厳という言葉でくくるからわかりにくくなってしまうが、尊厳死を選ぶということは、自分はこういう状態なら生きていたくないということ、つまり自殺そのものだ。
 これから社会の中で安楽死が議論されるなら、自殺をどう考えるのかを明確にしてほしい。

 今回はSNSを通じて患者と医師が知り合ったと報じられている。
 ALS患者は強烈な孤独感や孤立感に悩まされているので、その心の穴を埋めたくてSNSにつながりを求めることがあるかもしれない。
 コロナ禍では今まで以上に孤立しやすく、こうした傾向が強まらないか心配だ。

■ 生きて行くことを支えるのが医師の務めでは
《ALSの母の介護経験があり、難病患者の生活支援に取り組むNPO法人「ALS/MNDサポートセンターさくら会」副理事長を務める川口有美子さんの話》

 障害や病気のある人は大変でかわいそうだから、死んだ方がいい、という意見に賛同する人は世の中にたくさんいる。
 今回の事件で、さらにそう印象づけられてしまうことを懸念する。

 活動的に生活しているALS患者はたくさんいる。
 その患者たちも発症当初は「安楽死したい」と言う。
 体は変化し、人の助けが必要となり、どうやって生きていけばいいのかわからない、と。

 そんな患者を叱咤(しった)激励し、生きていくことを支えるのが医師の務めであるはずだ。
 どんなにつらい症状でも、たとえ治すことはできなくても、生きることを否定してはいけない。

 私はALSだった母を介護し、みとった。
 障害や病気があっても、かわいそうではなく、支えがあれば絶望から立ち直れることを、母との経験やたくさんの人から教えてもらった。
 その後、生きていてよかったと患者が思えるような支援やその方法を広げる活動をしてきた。
 このような事件が起こり、本当にショックだ。

※ 朝日新聞デジタル 2020年07月24日 08時33分


HuffPost、2020年07月24日 10時00分 JST
障害者の「生」否定するな
医師の嘱託殺人事件受け…ALS患者・支援者ら訴え
「患者を叱咤激励し、生きていくことを支えるのが医師の務めであるはず」
「たとえ治すことはできなくても、生きることを否定してはいけない」

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story-als_jp_5f1a2cbdc5b6128e682338a9

 日本医師会の中川俊男会長は2020年7月29日の会見で、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)への嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された事件と、安楽死の議論を結びつけることについて「これを(議論の)契機にすべきではない。慎重にしたい」と述べた。

 中川氏は「今回の事件のように患者さんから『死なせてほしい』と要請があったとしても、生命を終わらせる行為は医療ではない」と強調した。
「そのような要請があった場合は患者さんがなぜそのように思ったのか、苦痛に寄り添い、ともに考えることが医師の役割だ」と述べた。

 終末期医療のあり方については、これまで日本医師会内部で検討を重ねてきたといい、「ALSをもってただちに人生の最終段階ではないことを確認している」とした。
「死を選ばなければいけない社会ではなく、生きることを支える社会をつくる」と訴えた。


[写真]
日本医師会の中川俊男会長=6月、東京都文京区

朝日新聞、2020年7月29日 21時35分
「嘱託殺人、安楽死議論の契機にすべきでない」日医会長
(久永隆一)
https://www.asahi.com/articles/ASN7Y73QNN7YUTFL003.html

 しかし・・・ある政党は・・・一方では人気者を担ぎ上げスピーカー役にし、他方ではカネ、かさむ医療費の削減につながることゆえ推進すべしという優性思想をひろげていくのでしょうか・・・恐ろしいです・・ね、おお、嫌だ、嫌だ・・・

 日本維新の会の馬場伸幸幹事長は7月29日の記者会見で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の嘱託殺人事件を受け、政務調査会に尊厳死を考えるプロジェクトチーム(PT)を設置すると発表した。
 また、ALSを患うれいわ新選組の舩後靖彦参院議員が「生きる権利」の大切さを訴えるコメントを公表したことに関し、「議論の旗振り役になるべき方が議論を封じるようなコメントを出している。非常に残念だ」と語った。


時事ドットコムニュース、2020年07月29日17時13分
維新、尊厳死PT設置へ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072900915&g=pol

・・・生きることを肯定する舩後靖彦参院議員のコメントに「残念だ」と言う。それは「死ね」と言っているのと同じこと・・・背筋が凍るわ。ほんとに怖い政党だな・・・

posted by fom_club at 08:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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