2020年01月25日

首相答弁の問題は、中身よりもその幼児性にある

 公選法違反容疑で強制捜査が入った自民党・河井案里議員と夫である河井克行・前法相に持ち上がった、「安倍マネー1億5000万円」問題。
 昨年の参院選で広島選挙区から新人候補として自民党から出馬した案里議員の選挙に、なんと自民党本部が1億5000万円も投入していたという疑惑だ。

 昨日おこなわれた参院代表質問では、立憲民主党・福山哲郎議員がこの問題を取り上げ、「考えられない金額。自民党総裁として事実かどうか答えてください」と迫り、「安倍総理の秘書が少なくとも4人、広島の選挙に手伝いに入っていたという報道もあるが、これも事実か」と問いただしたのだが、安倍首相はこの質問をスルーして答弁しなかった。

 なぜ質問に答えられないのか、答えは明白だ。

 そもそも、これほどの巨額を動かせるのは、自民党でも安倍首相か菅義偉官房長官、二階俊博幹事長しかいない。

 そして、本サイトで繰り返し言及しているように、この問題の選挙は安倍首相のことを下野時代に「過去の人」呼ばわりした自民党の重鎮・溝手顕正氏を蹴落とすために、2人区の広島選挙区に安倍官邸が主導して案里氏を擁立。
 福山議員が言及したように、安倍首相は自ら案里氏の応援に駆けつけるだけではなく、地元・山口の安倍事務所の筆頭秘書をはじめ少なくとも4人の秘書を案里氏の選対に送り込んでいたといわれている。

 つまり、選挙を私怨を晴らすために使い、その資金として1億5000万円という異常な巨額を投じていたのだ。
 実際、溝手陣営が党本部から受けた選挙資金は1500万円だといい、じつに10倍もの差となっている。
 溝手氏の支援者もテレビ朝日の取材に対して「ひどすぎる」「『新人だから倍』くらいなら許容範囲かもしれないけど『10倍』はおかしい」と憤りをあらわにしていた。

 あまりにも露骨な安倍首相の肩入れぶり──。
 一方、安倍首相による復讐劇の“刺客”となって当選した案里議員は、昨日、「いただきましたが、違法ではありません」と大見得を切った。

 だが、案里議員がそう抗弁する他方で、この金の流れをめぐっては、公選法247条違反(選挙費用の法定額違反)にあたるのではないかという声もあがっている。

 選挙では各陣営が使う選挙費用については公選法で上限が定められ、上限額は選挙の種類によって異なる固定額と選挙人名簿に登録された有権者数などによって算出される。
 これは選挙の公平性を担保するためのものだ。
 法定額を超えて支出すると、出納責任者が3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金になり、連座制の適用によって候補者も当選無効となる。

 そして、昨日23日おこなわれた野党合同ヒアリングに出席した総務省の自治行政局選挙部の担当者は、参院広島選挙区の場合、選挙費用の法定上限は「4700万円くらい」と述べた。
 つまり、自民党本部が投入した1億5000万円の約3分の1だ。

 案里議員は「違法性はない」と言うが、1億5000万円を選挙資金として投入されながら、支出をその3分の1におさめたとは考えにくい。実際、この問題をスクープした23日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、〈異常な「金満選挙」は選挙中から注目を集めていた〉と報じ、1回1500〜2000万円ほどかかるビラのポスティングを公示前から何回もおこなっていたことを自民党の広島県議が証言し、「菅義偉官房長官が演説に来たときは駅から数百メートルにわたって看板が立てられるなど、とにかく物量がケタちがい」とも述べていた。

河井選対に送り込まれた安倍首相の秘書4人も違法選挙を黙認か

 案里氏の選挙ではすでに車上運動員、いわゆるウグイス嬢に対して法定上限額である日当1万5000円を超える3万円を支払っていたと報道され、このほかにも〈陣営の一員として選挙運動をした男性会社員に対し、約86万円を支払った〉という疑惑も浮上(共同通信2019年12月29日付)。
 また、案里氏の選対を取り仕切っていたといわれている夫の克行氏が関与するかたちで、複数の選挙運動員に違法な報酬を支払っていたという疑惑を「週刊文春」も伝えている。
 1億5000万円という巨額資金は、ほかにも違法行為に注ぎ込まれていなかったのか、さらなる追及も必要だろう。

 このような違法性が濃厚な「金満選挙」が、「安倍マネー」である1億5000万円が原資になっていたとしたら、これが大問題であることは言うまでもない。
 そして、安倍首相の責任は極めて重大だ。
 前述したように、安倍首相は秘書を最低でも4人も送り込んでおり、違法な選挙実態を知りながら見て見ぬふりをしていた可能性すらある。

 繰り返すが、この問題選挙は安倍首相の私利私欲のための復讐選挙だったのだ。
 そこで金に物を言わせて運動員を買収し、不当な選挙をおこなわれていたという疑惑にくわえ、その金の出処が安倍自民党だったのである。
 これはある意味、昨年の参院選や一昨年の総裁選のために「桜を見る会」を使い、税金で地元関係者や地方議員を接待してきたやり方と通底するものだ。
 金さえあればどうにでもなる──これが安倍首相のやり口ということなのだろう。

リテラ、2020.01.24 10:49
河井案里議員の「安倍マネー1億5千万円」はやっぱり違法!
安倍首相に嫌われた対立候補にはわずか10分の1の金額で「ひどすぎる」と激怒

https://lite-ra.com/2020/01/post-5222.html

 通常国会がようやく始まり、衆参両院で2020年1月23日まで2日間にわたって代表質問が行われた。
 積み上がる疑惑から逃げ回り、51日ぶりに国会答弁に立った安倍首相の発言の空疎なことと言ったらなかった。
 老眼鏡をかけて手元のペーパーに始終目を落とし、官僚作文を棒読み。
 安倍が疑惑のド真ん中にいる首相主催の「桜を見る会」をめぐる公金私物化問題、成長戦略の柱に掲げるIR(カジノを含む統合型リゾート施設)を舞台にしたカジノ汚職、2閣僚辞任に関する説明責任。
 野党の厳しい追及にマトモに答えようとしなかった。

 桜疑惑の招待者名簿の再調査については「調査で廃棄を確認。改めて調査を指示することは考えていない」とし、ホテルニューオータニで破格の会費5000円で催された前夜祭の明細書開示は「ホテルは公開を前提としての資料提供に応じかねるとのこと」。
 招待者名簿が公文書管理法で義務付けられた管理簿にも、政府ガイドラインで定められた廃棄簿にも未記載だった問題を受け、内閣府の歴代人事課長6人を厳重注意処分にして幕を引こうとしている。
 それでいて、いまだに民主党政権を当てこすりだ。
 2011〜2017年分の管理簿未記載は「両年(2,011年と2012年)の措置を前例として漫然と引き継いだ」と釈明し、民主党政権の対応が未記載の発端だったというのだ。
 官僚のせい、ホテルのせい、野党のせい。
 透けて見えるのは異常なほどの自己愛、敵への攻撃性、自己中心の論理。
 そこからは軽さ、品のなさ、薄っぺらさが滲み出ている。

■ ムキになり「指摘はまーったくあたりません!」

 IR担当の内閣府副大臣だった衆院議員の秋元司容疑者の逮捕については、「捜査に影響する可能性があり、詳細なコメントを控える」。
 昨年2019年7月の参院選をめぐる公選法違反疑惑で広島地検の捜査対象となっている河井克行前法相と妻の案里参院議員の件は、「捜査に関する事柄については答えを控える」といった具合だ。

 耳タコ答弁を崩したのは、23日の衆院本会議での共産党の志位委員長による質問だった。
 自衛隊の中東派遣をめぐり、「安倍政権の対応は米国の『お先棒担ぎ』そのものだ」と批判。
 すると、安倍は「米国のお先棒を担いでいるとの指摘はまーったくあたりません!」とムキになって反論した。
 齢65、一国を背負って立つトップの子供じみた言動にはア然とするほかない。
 野党を揶揄し、責任を押し付け、この期に及んでもオレ様気取り。
 もはや首相答弁の問題は、中身よりもその幼児性にあるのではないか。


■ 言動は「子供の言い合い論理」と専門家

 臨床心理士の矢幡洋氏が言う。

「安倍首相の言動は子供の言い合い論理に近いものを感じます。悪さを注意された子供が〈オマエだってやってるじゃないか!〉と筋違いの反論をすることがある。指摘された事実に焦点を当てず、論点をズラしてごまかそうとするのです。こうした傾向は自己愛性パーソナリティー障害の特徴と合致します」

 医学事典によると、自己愛性パーソナリティー障害には、誇大性、称賛への欲求、共感欠如の持続的パターンが認められるという。
 具体的な診断基準はこうだ。
▼ 自分の重要性および才能についての誇大な、根拠のない感覚
▼ 途方もない業績、影響力、権力、知能、美しさ、または無欠の恋という空想にとらわれている
▼ 自分が特別かつ独特であり、最も優れた人びととのみ付き合うべきであると信じている
▼ 無条件に称賛されたいという欲求
▼ 特権意識
▼ 目標を達成するために他者を利用する
▼ 共感の欠如
▼ 他者への嫉妬および他者が自分を嫉妬していると信じている
▼ 傲慢、横柄――。

 驚くほど、安倍の人格と一致する。

「自己評価が非常に高く、自分をおとしめるような事実を受け入れようとしないのが特徴です。不都合な事実を突きつけられると、自分以外の外部のせいにして責任転嫁することが多い。自分のプライドを守ることが主目的で、言い合いに負けたくない心理が先に立つ。ですから、事実に基づく議論は成立しません。自己愛型の人は政治家として危うい。折れるべきところで折れないので、周りにイエスマンしか残らなくなります」
(矢幡洋氏=前出)

 ちなみに、人口の0・5%が自己愛性パーソナリティー障害を有していると推定されていて、女性よりも男性に多いという。

■ 支持率が下がればガクッといく

 安倍の任期は7年を超え、昨年2019年11月20日に通算在職日数で戦前の桂太郎を抜き、憲政史上最長となった。
 自民党総裁任期は2021年9月まで。
 東京五輪後の8月24日まで政権を維持すれば、連続在職記録でも大叔父の佐藤栄作を抜いて単独1位に躍り出る。
 その任期の長さを考えれば愕然とする人品骨柄(じんぴんこつがら)だ。

 安倍に関する著書もある政治評論家の野上忠興氏はこう言う。

「養育係の久保ウメさんは幼少期の安倍首相について、〈自己主張、自我が人一倍強い〉〈わがまま勝手で、こうと言ったらテコでも動かず、すねやすい〉と言っていました。夏休み最終日に〈宿題は終えたの?〉と聞くと、〈うん、やった〉と答えるのに、実際は全く手つかず。ウメさんが徹夜をして左手で仕上げたそうです。祖父は岸信介元首相。両親は外相を務めた安倍晋太郎氏と、岸の長女の洋子さん。政治家の家庭に生まれたため、多感な時期に両親が不在なことが多く、その寂しさからオレはオレなりにやっているんだと開き直るようになったようです。攻めに強く守りに弱い政治スタイルは、謝ることが嫌だから。自分がかわいすぎて、指弾されることに我慢ならない。再登板以降、言行不一致のその場しのぎがあまりにも目立ちます」

 こういう首相だからこそ、周囲をオトモダチで固め、批判を決して許さず、ライバルを徹底的に潰し、ここまでやってきたのだろう。

 大学入試改革をめぐる「身の丈」発言で大炎上した萩生田文科相も、経産相時代に安倍の意を受けて韓国叩きに鼻息が荒かった世耕参院幹事長もオトモダチ。
 その結果、日韓関係は戦後最悪に陥り、2019年の貿易統計(速報)で対韓輸出額は12.9%減の5兆441億円に縮小。
 全体の貿易収支は1兆6438億円の赤字で、2年連続の赤字となった。

 公選法違反疑惑の河井克行もアベ応援団のひとりだ。
 2012年の自民党総裁選で克行が鳩山邦夫氏(故人)を説得し、鳩山主宰の「きさらぎ会」を安倍支持でまとめた。
 案里が初出馬した選挙戦では、党本部が案里陣営に1億5000万円を支給する超VIP待遇。
 その2ヶ月後に克行は初入閣した。

 一方、官邸主導で擁立した案里の滑り込み当選のあおりを受け、落選の憂き目に遭ったのが溝手顕正前参院議員だ。
 第1次安倍内閣で防災担当相を務めながら、野党時代に安倍を「過去の人」と評し、首相再登板を公然と批判。
 恨み骨髄の安倍は溝手の参院議長就任の芽を摘み取り、国会からも追い出した。
 ここにきてポスト安倍に再浮上するライバルの石破茂元幹事長に対する冷遇もあからさまだ。
 年末に収録されたBS番組で「ポスト安倍」の候補として岸田文雄政調会長、茂木外相、菅官房長官、加藤厚労相に言及。
「ぜひ競い合いながら、自民党にはたくさんの人物がいると国民に思っていただけたら」とか言っていたが、世論の支持が最もアツい石破は論外だといわば公言したわけである。

「世論調査では桜疑惑の政府説明に7割が納得せず、IR整備に6割が反対しているのに、内閣支持率がガタ落ちすることはない。〈他に適当な人がいない〉という消極的選択と野党の体たらくの結果ですが、果たして本当にそうなのか。安倍首相は〈政治は結果だ〉と言いますが、これまでどんな結果を出したのでしょうか。内閣の最重要課題に掲げる北朝鮮による拉致問題は解決の見通しが立たず、北方領土返還はむしろ遠のいている。戦後最長の景気拡大を喧伝していますが、経済指標は景気後退を示唆しています。安倍首相が唯一のよりどころとする支持率が下がればガクッといく」
(野上忠興氏=前出)

 消極的支持を積極的不支持に変える潮目にきている。


日刊ゲンダイ、2020/01/24 17:02
また野党を揶揄の首相答弁
任期の長さとは反比例の幼児性

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268071

 選択的夫婦別姓導入を訴えた野党の衆院代表質問に、自民党の杉田水脈議員が「だったら結婚しなくていい」とヤジを飛ばした問題が炎上している。
 立憲民主、国民民主、共産の野党3党の有志議員は2020年1月24日、大島理森衆院議長に発言者の特定を求める申し入れ書を衆院に提出。
「選択的夫婦別姓の制度がないために苦しむ人の心を傷つけ、憲法が保障する結婚の自由を否定する暴言だ」とし、謝罪と撤回を促すよう要求した。

「一昨年の〈LGBTは“生産性”がない〉との主張で猛バッシングにさらされて以降、杉田さんはイメージ回復に躍起だった。所属する首相派閥・細田派の先輩議員の稲田朋美さんとネット番組の企画で新宿2丁目を訪れ、当事者に涙ながらに〈本当にごめんなさいね〉と謝罪したり、稲田さんが共同代表を務める女性議連にも参加して未婚ひとり親支援にも熱心だった」
(与党関係者)

 猫かぶりしたところで、多様性を否定して差別を肯定する極右思想は隠し切れないのだろう。
 当の本人はどうしているかといえば、トンズラだ。
 杉田氏のツイッターによると、きのうは航空自衛隊防府南基地(山口県防府市)で行われた第14期一般空曹候補生過程卒業式に出席。
 日の丸をバックに祝辞を伝え、卒業生との祝賀会食にも参加したそうで、こうツイートしている。

〈最後は、皆様の今後の活躍と自衛隊の憲法明記を祈念し万歳三唱。参列者全員で拍手でお見送りしました〉

 衆院本会議に出席し、党本部などに姿を見せていたおとといは、スマホを耳にピタリと押し当てて報道陣の問いかけをガン無視。
 “エア電話”と揶揄される始末だ。
 問題のヤジとは無関係ならスパッと否定すればいい。
 そうでないのなら、国民の代表たる国会議員だ。
 国民が知りたがっている発言の真意を説明する責任がある。
 報道対応するつもりはあるのか。

「特に今のところ、予定はないです。党からの連絡? 本人でないとわからないと思います。本人は地元の山口に戻っています。戻り? 月曜か火曜か……」
(杉田水脈事務所)

 野党時代の杉田氏は兵庫6区を地盤としていたが、安倍首相の推しで2017年衆院選に比例代表(中国ブロック)で立ったことで山口県連入り。
 首相のお膝元でヌクヌクとは見上げたものだ。
 いっそのこと居ついたらどうか。


日刊ゲンダイ、2020/01/25 14:50
杉田水脈議員「夫婦別姓ヤジ」で安倍首相お膝元に雲隠れ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268123

posted by fom_club at 20:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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