2020年01月19日

市川由紀乃「懐かしいマッチの炎」

 ラジオでも聞くかなとオンにすると耳に入るのはラジオ深夜便。
 それに流れるいい歌があったので、いっつも誰が歌ってるなんという曲なんだろうな、と思いつつ、思うだけでそのメロデーのおかげで、また深い眠りに入ることができていましたので、分からずじまいだったのですが、ヤッホーくん、分かりましたよって報告してくれました:

懐かしいマッチの炎 / 市川由紀乃

作詞:阿久悠
作曲:幸耕平

ああ 懐かしいあの時代
一本のマッチの炎の中に…

月が雲間に隠れて
二人は影になる
あなたはマッチを擦り
炎でわたしの顔を見る
わたしはフッと吹き消して
月が出るのを待ってという
あなたが火をつける
わたしがフッと消す
何度も何度もくり返し
心を近づけている

ああ 懐かしいあの時代
一本のマッチの炎の中に…

青くゆらめく炎に
あなたの顔がある
涙が光っている
見るなと怒って顔隠す
わたしの軽いいたずらを
恐い顔してとがめている
わたしが火をつける
あなたがフッと消す
いつもといつもと反対ね
心を迷わせている

ああ 懐かしいあの時代
一本のマッチの炎の中に…

一本のマッチの炎の中に…

市川由紀乃さんの新譜『懐かしいマッチの炎』について、キングレコードのチーフディレクター湊尚子さんにお話を伺いました。

―― まずは新曲のPRをお願いいたします

湊尚子さん(ヤッホーくん注): 作詩は阿久悠さんの未発表詩で、タイトル通り懐かしく温かい気持ちになれる心に響く1曲になっています。
「NHKラジオ深夜便」の“深夜便のうた”に決まりまして2019年12月〜2020年1月まで毎晩「NHKラジオ深夜便」の中でオンエアされています。
 “深夜便のうた”に決まったきっかけは、番組制作スタッフの方が一昨年にリリースした『年の瀬あじさい心中』(作詩:阿久悠)を聴いてくださって、その曲に感銘を受けられたそうで、阿久悠さんのなんともいえない懐かしい昭和を語れる歌手だという印象を持ってくださったことがご縁となりました。

―― “深夜便のうた”に選ばれた際、市川さんは何かおっしゃっていましたか?

湊: 昔からご家族と一緒にこの「NHKラジオ深夜便」を聴いていたそうで、その思い出の番組のテーマ曲に自分の曲が決まったということで本当に感動していましたね。

―― 作詩が阿久悠さんということについて何かおっしゃっていましたか?

湊: 実際にお目にかかったことはないそうですが、歌手になる前の幼い頃から阿久悠さんの作品を聴いて、慣れ親しんでいたこともあり、そんな阿久先生が遺された未発表詩にメロディーがついて自分のオリジナル曲になったことはとても感慨深いと話していましたね。

―― 演歌のイメージが強かった市川さんですが、今回はがらりと変わって歌謡曲テイストですね

湊: みなさま“演歌の市川由紀乃”という印象があったかと思うのですが、「NHKラジオ深夜便」のテーマ曲ということで、今まで挑戦したことのなかったことに挑戦したいという気持ちになっていました。
 阿久先生の詩ということもあり、歌謡曲の中でも、たとえば洋楽を聴いていたリスナーの方にも耳馴染みのよいメロディーをつけてもらって、歌唱方法もコブシをきかせない、近くにいる人に語りかけるように優しく歌うなど、トライしたことの無かった方法でチャレンジしていました。

―― レコーディング現場の様子を教えてください

湊: 新しいことにチャレンジすることについて、苦労するより楽しんでいましたね。
 終始笑顔で、とてもリラックスして歌っていたかと思います。

―― ミュージックビデオのコンセプトについて教えてください

湊: 本人が着物を着て歌っている中に男女の物語のシーンをインサートすることで、この楽曲を聴いた方が自分の懐かしい思い出を歌と一緒に思いだして追体験できるような作りにしました。

―― 実際にミュージックビデオをご覧になっていかがでしたか?

湊: 物語の語り手になることを歌だけでなく映像を通して表現できる歌い手にまた一歩ステップアップしたような印象を受けました。

―― 普段の市川さんについて教えてください

湊: とっても面白い方です。
 細かいモノマネが絶妙でいつも場を和ませてくれるムードメーカーですね(笑)。

―― 趣味が”妄想”とあるのですがこれはどういったことですか?

湊: 歌の世界の主人公を妄想して、その主人公になりきるというのが妄想を始めたきっかけだったと思います。
 それがだんだんと忙しい日常生活の中でやりたいことや会いたい人のことをイメージすることにはまっていったのかなと思います(笑)。

―― カラオケで歌う時のコツを教えてください

湊: いつもコブシを回して歌っている方にとっては違ったチャンネルで歌う必があります。
 まずは肩の力を抜いて、さりげない表情で歌えるかが大事だと思います。
 自分の近くにいる大切な人に語りかけるように歌うと良いのではないでしょうか。
 一本のマッチの炎のやわらかい明かりで顔を照らしあって語り合う二人のシーンを描いた歌なのでその情景を妄想して頂ければと思います。


[動画]
市川由紀乃/懐かしいマッチの炎 - フルバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=pPCbYgnRz9M

うたびと、2019年12月26日
新譜!にっぽんのうた〜ノーカット編〜
市川由紀乃「懐かしいマッチの炎」

https://www.utabito.jp/insidestory/3920/

 ヤッホーくんだけではなかったようで、いい歌はいい歌ですよね。
 この歌、レコード大賞で「最優秀歌唱賞」を受賞しておりました:

第61回「輝く!日本レコード大賞」で2019年度の最優秀歌唱賞を受賞した市川由紀乃。
デビュー26年を経て、大きな勲章を手にした彼女がリリースした新曲は、作詞家の故・阿久悠さんが遺した未発表作品。
「大好き」だと話す阿久悠さんの詞の世界について、最優秀歌唱賞を獲得して、これからどんな歌手になっていきたいか、「うたびと」としての決意について聞いた。

―― 新曲『懐かしいマッチの炎』は、「歌謡曲」というイメージがぴったりのスローな曲ですが、お聴きになった時の第一印象は、いかがでしたか。

市川由紀乃: この曲を聴いて、阿久先生の詞を読んだとき、まっさきに浮かんだのが“昭和”という言葉でした。
 私も昭和生まれですので、『ああ、あの頃、いい時代だったなあ』って、いろいろ思い出しました。
 この曲は昭和の香りがするところにとても魅力を感じています。

―― ちなみに昭和という時代からどんなことを連想しますか。

市川: 私はやっぱり歌です。
 今は演歌、Jポップ、歌謡曲のようにアーティストはジャンルごとにそれぞれの領域で活動することが多いですが、昭和の頃は、例えば『ザ・ベストテン』のような、ひとつの音楽番組にいろんなジャンルのアーティストが一堂に集っていたというイメージがあります。
 “流行歌”というくくりの中で、音楽はジャンルに関係なくファンの皆さまの耳にとどいていた時代だったと思います。

――『懐かしいマッチの炎』以外でも市川さんは、阿久さんの作品を集めたカバーアルバム(『唄女<うたいびと>V昭和歌謡コレクション&阿久悠作品集』)をお出しになっています。阿久さんの詞にはどんな印象をお持ちですか。

市川: 阿久先生の歌詞はどの歌も映画のワンシーンを観ているようで、ストーリーが鮮明に浮かんでくるところが好きです。
 曲を聴くと“あの頃”にタイムスリップしたような感覚になれるんです。
『唄女V』ではピンク・レディーさんや山本リンダさんの曲まで歌わせていただいていてレコーディングは本当に楽しかったです。
『懐かしいマッチの炎』も“マッチ”という言葉を通していろんな情景が浮かんできて、やっぱり大好きな阿久先生の世界だなと思いました。
 昭和の時代を生きてきた方は、あの頃はあんなこと、こんなことがあったなぁって思い出しながら、昭和を知らない世代の方は、昭和の雰囲気を感じていただければうれしいです。

―― ところで、今年度のレコード大賞最優秀歌唱賞をお取りになって、改めて今の心境はいかがですか。

市川: 子供の頃からレコード大賞を見てきているので、この賞の重みは分かっているつもりです。
 まさか、自分がいただけるとは思っていませんでしたが、歌い手としては大変、光栄な賞だと思いますので、歌唱賞という名に恥じないよう努力していきたいと思います。

―― 大きな賞をお取りになったわけですが、最後に、これからの目標を教えてください。

市川: 小さい頃から歌手になりたくて、その夢は実現しましたが、まだここがゴールではないし、“うたびと”としての旅はこれからも続きます。
 今年2019年は、各地で災害が発生して、つらい思いをされた方が多かったと思いますが、そういう時こそ歌の力が試される時。
 この曲を聴いて元気が出た、前向きになれたと思っていただけるような歌をうたいたい。
 市川由紀乃の歌を聴くと力が湧く――そう思っていただける存在になりたいと思います。


うたびと、2019.12.25
市川由紀乃独占インタビュー
「昭和の香りがする阿久悠先生の詞の世界に魅力を感じています」

https://www.utabito.jp/interview/3825/

(ヤッホーくん注)湊尚子さん
「いってらっしゃい」
 昨年の2016年末、NHK紅白歌合戦にデビュー23年目で初出場した演歌歌手市川由紀乃(1976年生まれ)さんの背中を押して舞台に送り出した。

「独特の緊張感の中、気丈に歌い切った。夢をかなえた姿はとても美しかった」
 2010年から担当ディレクターとして寄り添い、悲願達成の瞬間を舞台袖から見守った。
 
 小学3年で徳島少年少女合唱団に入り、海外公演にも参加。
 東京芸大声楽科ではプロを志す仲間と切磋琢磨(せっさたくま)したが、レコード会社のディレクターという裏方を選んだ。
 CD制作を手掛け、コンセプト作りから作詞家、作曲家の選定、若手なら歌い方や礼儀まで指導する。
「経験やセンスが物を言う。一番大切なのは歌手との信頼関係」と語る。
 
 キングレコードでの5年目に突然上司から演歌・歌謡曲担当への転向を促された。
 クラシック音楽しか手掛けたことがなかったため不安が募る中、今年2017年4月に83歳で亡くなったペギー葉山さんの担当になった。
 大ベテランは最初から「あなたはどう思う」と意見を聞き、尊重してくれた。
 
「南国土佐を後にして」を最初に提案されたとき「ジャズ歌手に歌謡曲は歌えない」と断ったが、ディレクターの懇願に思いを改め挑んだところ、曲は大ヒットを収めたという裏話を聞いた。
「ペギーさんは『求められるものに応えようと歌った歌が今では財産になっている』と。その言葉に勇気をもらった」と振り返る。
 デビュー65周年記念リサイタルを9月に控え、準備を進めていた最中の訃報だった。

私にとっての『芸能界の母』から学んだことをしっかりと受け継いでいきたい
 
 一昨年の2015年秋、小松島市出身の俳優大杉漣さんが神山町で開いたコンサートを聴きに帰省した。
「自分や古里のことを熱唱している姿に感激した」と語り「将来、徳島出身のアーティストやスタッフで曲が作れたらすてき」と目を輝かせた。


[写真]湊尚子さん

徳島新聞、2017/6/20
湊尚子さん(キングレコードチーフディレクター)
https://www.topics.or.jp/articles/-/4932

posted by fom_club at 10:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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