2020年01月18日

「検察動け」市民が抗議

「意外にも」と言うべきか、「不運にも」と言うべきなのか、安倍晋三首相の通算在任日数が2019年11月20日、憲政史上最長を記録する。

 大臣たちの不祥事などで、第1次政権を投げ出した「あの時」とは、想像もできない「安倍政権の長寿」である。

 それなりに「人気」もある。
 しかし「バカの一つ覚え」のように主張する「デフレからの脱却」は早々と頓挫。
 経済は長〜い停滞。
 所得格差が広がっている。

 貧乏国なのに、後進国にカネをばらまき、トランプ大統領の命令で「兵器爆買い」までしているのに、当のアメリカにも、ロシアにも、中国にも(「世界中から」と言ってよいほど)バカにされ、外交は「合格点」にほど遠い。

 その上、次々に起こる災害に何ら打つ手≠ェない。

 なのに長持ち≠キる。なぜだろう?

「長寿の秘密」を探すのはいとも簡単である。

 次々に不祥事が続く内閣だが、この8年間、国会議員は逮捕・起訴されていない。
 どれも立件されれば「政権の命運」が尽きるような大事件なのに、なぜか、検察は真っ黒けの悪党≠無罪放免にしている。

 つまり、検察を味方にしたから安倍内閣は生き延びているのだ。


×  ×  ×

 逮捕されるべき国会議員はいた。
 例えば「甘利明・元経済再生担当相」である。
 甘利氏と元秘書2人は2013〜2014年、千葉県の道路工事の用地をめぐり、工事を担う都市再生機構(UR)との間で補償交渉をしていた千葉県の建設業者から現金計600万円を受け取っていた。

 当方から見れば「ワイロ」である。
 正確には「あっせん利得処罰法違反」である。
 業者は「600万円は口利きの報酬だった」と正直に証言したが、東京地検は甘利氏の「政治資金としてきちんと処理するように指示した」という言い訳を認め、甘利氏と元秘書2人を不起訴処分(容疑不十分)にした。

 法務省の幹部が「口利きなんて常時、永田町界隈(かいわい)でやっていること」と、政権側に立って「捜査」に口をはさんだ!と雑誌などで批判されたが......その「不起訴」で安倍政権は助かった。

 下村博文・元文部科学相の政治団体「博友会」が学校法人「加計(かけ)学園」の秘書室長から政治資金パーティーの費用として200万円を受け取ったことを隠していた。
 これも捜査対象になったが、東京地検特捜部は不起訴処分とした。

「検察の正義」はどこへ行ってしまったのか?

×  ×  ×

「検察の正義」は風化した。
「検察の独立」を守っていた人びとが......文字通り「身体(からだ)を張って」守っていた検事たちが、突然「時の内閣の意向」を忖度(そんたく)する普通のお役人≠ノなってしまった。

 多分、原因は「人事」だろう。

「政治主導」という名目で、安倍政権は、霞が関の官僚群を「人事」で支配した。
 各省庁の局長級以上の幹部候補を官邸がリストアップ。
 各省庁の人事にことごとく介入。
 首相(官邸)が最終決定する。

 法務省も例外ではなかった。

 検察首脳人事は政治的中立の不文律から、政権の影響を排除した独自の序列で決める。
 例えば、国民の安心・安全を担う検察の顔「検事総長」選びは現職の検事総長が総長OBらの意見を聞きながら次の検事総長候補を最終決定する。
 ところが、安倍政権は違っていた。
 2016年7月、当時の法務事務次官が、後任の事務次官の人事原案の承認を官邸に求めたところ、官邸はそれを拒否。
 原案では、地方の検事長に転出させることになっていた「安倍寄りの人物」を事務次官にした(事務次官は検事長を経て検事総長、というケースが多い)。

 安倍政権は「独立性」が求められるはずの「検察人事」を手に入れた。
 検察は、この日から「安倍政権の言いなり」なった。

×  ×  ×

 安倍政権は検察人事を握ることで長期政権を手に入れ、結果として「悪が栄える世の中」を作った。
 その最たるものが「森友学園への国有地不当廉売」事件である。

 いまさら、説明することもないだろう。
 大阪地検特捜部は国有地の大幅値引き売却に対する背任や決裁文書を改ざんした虚偽有印公文書作成など全ての容疑について、財務省幹部ら38人全員を不起訴処分とした。

 改ざんを命令された職員は悩み続け、自殺したというのに......命令した財務省理財局長(当時)・佐川宣寿(のぶひさ)氏は嫌疑不十分!

「巨悪」に立ち向かうハズの検察が自ら「巨悪」になってしまったのだ。


サンデー毎日、2019年12月 1日号
牧太郎の青い空白い雲
安倍首相"史上最長"を可能にした「検察の不正義」

http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2019/12/01/post-2358.html

 検察がフツーに仕事をしていたら、日本はまだ法治国家でいられた。

 違法の限りを尽くした安倍政権。
「桜を見る会」疑惑は、明白で大胆で大規模な公職選挙法違反だ。
 それもアベ首相本人の犯罪なのである。

 だが検察は動く気配がない。
 小物は摘発するが、巨悪は眠らせたままだ。

「桜を見る会 疑惑にメスを!」

 不正義を許してはならないと思う市民たちが、今夕(2020年1月16日)、検察庁前で抗議の声をあげた。
(主催:憲法9条を壊すな!実行委員会 街頭宣伝チーム)

 参加者たちは代わる代わるマイクを握り、検察の尻を叩いた。

 埼玉県加須市から足を運んだ年金生活者(80代・男性)は「韓国の検察と比べると日本は最低だ」と声を張り上げた。

 都内在住の団体職員(40代・女性)は「あなたたちが従うのは法です。プライドを取り戻して下さい」と訴えるように言った。

 有名DJのRさん(男性・60代)はズバリ責めた―
「法の番人が民衆の敵。権力のケツ舐め。ちゃんと仕事をしろ。女房、子どもは泣いてるぞ」。

 都内の主婦(50代)は静かな口調のなかにも厳しさを込めた―
「アベさんは罪人です。検察官の皆さん。あなたたちの仕事は犯罪にメスを入れることではないのですか?」

 夜の帳もすっかり降りた霞ヶ関に「アベを捕まえろ」の叫び声が幾度もあがった。

 検察官たちには声が聞こえているはずだ。
 矜持があれば、動くだろうに。


[写真-1]
プラカードを持つ男性は「検察は無能」と斬って捨てた。=16日夜、検察庁前

[写真-2]
しんしんと冷え込む中、市民たちは検察の尻を叩き続けた。=16日夜、霞ヶ関

田中龍作ジャーナル、2020年1月16日 21:41
「検察動け」市民が抗議
アベの犯罪にメスを

https://tanakaryusaku.jp/2020/01/00022074

 一昨日2020年1月14日、学者グループ13名が、代理人弁護士51名を立てて、安倍晋三を東京地検特捜部に告発した。
 告発罪名は背任罪(刑法247条)。
 私も告発代理人の一人として,地検に赴き告発状を提出した。

 告発状全文は、下記URLを開いてご覧いただきたい。
http://article9.jp/wordpress/?p=14139

 昨日1月15日、国会で桜疑惑追及の中心メンバーの一人、宮本徹議員から私の事務所に電話での問合せがあって、澤藤大河弁護士が応接した。

 問合せの趣旨は、告発罪名が公職選挙法違反や政治資金規正法違反ではなく、なぜ背任だったのか、ということ。
 さらには、「法律家グループは、公職選挙法違反や政治資金規正法違反では告発は困難と考えているのか」と疑念あってのことのようだ。

 なるほど、これまでメディアで発信された見解からは、そのような誤解もありえようか。
 改めて、なぜ今桜疑惑で背任告発か。
 飽くまで現時点での私見だが、整理をしておきたい。

1 ことの本質は、安倍晋三の国民に対する裏切りにある。
 この国民からの信頼を裏切る行為を法的に表現すれば、背任にほかならない。
 桜疑惑を犯罪として捉えようとすれば、内閣総理大臣が国民から付託された任務に違背する行為として、背任罪が最も適切なのだ。

 森友事件・加計学園事件に続く桜疑惑である。
 なぜ、国民がこれほどに怒っているのか。
 それは、内閣総理大臣たる者の国政私物化である。
 国政私物化とは、国民が信頼してこの人物に権力を預け、国民全体の利益のために適切に行使してくれるものと信頼して権限を与えたにも拘わらず、その人物が国民からの信頼を裏切って私益のために権限を悪用したということである。
 この国民から付託された信頼を裏切る行為を本質とする犯罪が、背任罪である。
 背任罪告発は、ことの本質を捉え、国民の怒りの根源を問う告発であると考えられる。

2 にもかかわらず、これまで安倍晋三の背任を意識した議論が少ない。
 この告発によって、まずは大きく世論にインパクトを与え、世論を動かしたい。
 単に、「安倍晋三は怪しからん」というだけの漠然とした世論を、「安倍晋三は国民の信頼を裏切った」「これは背任罪に当たる」「背任罪で処罰すべきだ」という具体的な要求の形をもった世論とすることで、政権忖度で及び腰の検察にも本腰を入れさせることが可能となる。

 検察審査会の議決の勝負になったときには、この世論のありかたが決定的にものをいうことになる。

3 国民の怒りは、国政私物化の安倍晋三に向いている。
 安倍本人を直撃する告発が本筋であろう。
 公職選挙法違反・政治資金規正法違反・公用文書毀棄等々の告発の場合、主犯はそれぞれの事務の担当者とならざるを得ない。
 報告書の作成者、会計事務責任者、当該文書の作成者等々。
 そこから、安倍晋三本人の罪責にまで行き着くのが一苦労であり、さらに調査を重ねなければならない。
 しかし、背任罪なら、安倍晋三の責任が明らかというべきなのだ。
 何しろ、「桜を見る会」の主催者であり、内閣府の長として予算執行の責任者でもある。
 そして、何の功績もなく大量に招待させたり、あるいは招待もなく会に参加させた安倍晋三後援会の主宰者でもあるのだ。
 両者の立場を兼ねていればこそ、国民に対する信頼を裏切って行政を私物化し、国費を私的な利益に流用することができたのだ。

4 しかも、安倍晋三に対する背任告発は、報道された事実だけで完結している。
 基本的に告発状に記載したもの以上の未解明の事実が必要というわけではない。このことは、野党の責任追及に支障となることがないことを意味している。

 国会で、安倍晋三やその取り巻きに、「告発されていますから、そのことのお答えは差し控えさせていただきます」という答弁拒否の口実を与えることはありえない。

5 背任罪は、身分犯であり、目的犯であり、財産犯でもある。
 信任関係違背だけでは犯罪成立とはならない。
 身分と目的を充足していることには、ほぼ問題がない。
 財産犯であるから、被告発人安倍が国に幾らの損害を与えているかが問題となる。
 これを予算超過額とした。合計 1億5200万円である。

 厳密には、招待すべからざる参加者に対する飲食費の特定が必要なのかも知れない。
 しかし、それは告発者に不可能を強いることになる。
 参加者名簿を破棄しておいて、資料の不存在を奇貨とする言い逃れは許されない。
 このことに関して、昨年2019年5月13日の衆議院決算行政監視委員会議事録に、次のような、宮本徹議員の質問と、政府参考人(内閣府大臣官房長)の回答がある。
○ 宮本委員: 予算を積んでいる額は、今のお話では、2013年1718万円、2014年以降ことしまで1766万円。支出を聞いたら、3000万円、それから3800万、4600万、4700万、5200万と。ことしはもっとふえていると思います。
 予算よりも支出が多いじゃないですか。これはどこからお金が出てきているんですか。

○ 井野靖久政府参考人(内閣府大臣官房長): お答えいたします。
 桜を見る会につきましては、準備、設営に最低限必要となる経費を前提に予算を計上しているところでございます。
 他方、実際の開催に当たりましては、その時々の情勢を踏まえまして必要な支出を行っておりまして、例えば、金属探知機の設置等のテロ対策強化でありますとか、参加者数に応じた飲食物提供業務経費などがございまして、結果的に予算額を上回る経費がかかっております。
 このように、支出額が予算額を上回った分につきましては、内閣府本府の一般共通経費を活用することにより経費を確保しているところでございます。

○ 宮本委員: 情勢によってとかいって招待客をどんどんどんどんふやして、予算にもないようなお金をどこかから流用して使っているという話じゃないですか。とんでもない話じゃないですか。しかも、招待客の基準が全く不透明なんですよね。
 安倍政権を応援している「虎ノ門ニュース」というネット番組があるそうです。レギュラー出演している方がブログに書いておりますが、いつも招待をもらっていたが、ことしは例年と異なり、ネット番組「虎ノ門ニュース」の出演者全員でというお招きだったので、虎ノ門ファミリーの皆さんとともに参加しましたと書いてあります。
 こうやって政権に近い人をどんどんどんどん呼んで参加人数が膨らんで、予算にもないような支出がどんどんどんどんふえているという話じゃないですか。
 こういう支出のふやし方というのは、官房長官、国民の理解は決して得られないんじゃないですか。

○ 菅国務大臣: 桜を見る会については、準備、設営に最低限必要と考えられる経費を前提に予算を計上しているところであり、来年度以降についても、これまでの計算上の考え方、実際の支出状況などを踏まえつつ対応していくことになるだろうというふうに思います。
 また、この桜を見る会は、1952(昭和27)年以来、内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日ごろの御苦労を慰労するとともに、親しく懇談される内閣の公的行事として開催をしているものであり、必要な経費については予算から先ほど言われましたように支出しているということであります。

○ 宮本委員: 功労、功績といいますけれども、「虎ノ門ニュース」の皆さんがどういう功績があったのかわからないですけれども、安倍内閣になってから、それまで一万人前後であったのが1万8200人にふえているわけですよ、参加者が。
 功労を上げた人が急にふえた、政府の基準からいって、そういうことですか。

○ 海江田委員長: 答弁は。(宮本委員「官房長官です」と呼ぶ)菅官房長官、指名していますから。もう時間がありません。時間が過ぎておりますので、手短に。

○ 菅国務大臣: いずれにしても、各府省からの意見を踏まえて、幅広く招待をさせていただいているということであります。

○ 海江田委員長: もう時間が過ぎていますから、手短に。

○ 宮本委員: こういうやり方は、国民の納得は絶対に得られないですよ。

 つまり、最低限必要となる見込みの経費を前提に予算を計上し、支出額が予算額を上回った分については、「一般共通経費」で補填しているという。
 問題は明らかだ。
 予算で最低限必要なことはできるのだ。
「桜を見る会開催要領」に従って、招待者1万人枠を遵守していれば、「一般共通経費」の「活用」は不要なのだ。
 最初から「一般共通経費」の「活用」を前提として予算を組むことなどありえないのだから。
 国会が承認した予算を漫然と超過することは許されない。
 どのような事情で、何に、幾らかかったかの特定と、根拠となる証票がなければ、「一般共通経費」からの支出が許されるはずはない。

 被告発人安倍晋三が遵守しなけばならないのは、「桜を見る会開催要領」と予算である。
 日本とは、内閣総理大臣自らが法を守る姿勢をもたない情けない国なのだ。
 まずはこの人物の背任罪の責任を徹底して追及しよう。


澤藤統一郎の憲法日記、2020年1月16日
なぜ、今、安倍晋三告発罪名が背任なのか。
http://article9.jp/wordpress/?m=202001
posted by fom_club at 15:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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