2019年12月05日

「アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和」

 ヤッホーくんのこのブログ、読者諸氏にはもう何度も出会っておられることとは思いますが再度、「日記」を再掲しておきます:

☆ 2010年12月30日「飯盛山」
☆ 2010年12月31日「年納め」
☆ 2014年06月26日「ドーナツ外交」
☆ 2016年03月04日「慈響の調べ」
☆ 2019年06月14日「爆弾よりも食料を」
☆ 2019年10月10日「中村哲医師、アフガン名誉国民に」
☆ 同日、ふたたび中村哲医師「アフガニスタンに生命の水を」

 今日、ふたたび中村哲医師・・・

『アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和』予告編
 朗読:吉永小百合/収録時間:30分+35分
 ¥2,700円(+税)/2016-11発売
 企画:ペシャワール会/制作:(株)日本電波ニュース社
 アフガニスタンは、本来は豊かな国であった。
 2000年に大干ばつが起こるまでは、穀物自給率93パーセント、国の8割は農民であった。
 1979年末の旧ソビエト軍の侵攻によるアフガン戦争、2001年の9.11テロ事件への欧米軍による報復戦争。
 戦乱と干ばつの続く中で、中村医師とアフガン人スタッフは、「緑の大地計画」を企図して1,600本の井戸を掘り、更に独自の灌漑方式で長大な農業用水路を建設。
 砂漠化し荒廃した土地16,000ha以上を緑に甦らせたプロジェクトを、さらにアフガニスタン全土に拡大できるよう、日々奮闘し続けている。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=2rzxrCtvcys&feature=emb_logo
 アフガニスタンの大地から水が消え、多くの命が奪われていきました。
 それから15年、大地はよみがえり、再び人びとの営みが始まっています。
 それを支えた一本の用水路は、現地の農民と日本人の手で作られました。
 完成を前に、アフガニスタンから届いたメッセージです。
 遠く離れた私たちとアフガニスタンの人びと、その間に見えた一つの輝きとはどのようなものだったのでしょうか。

 幕開けは、吉永小百合さんの朗読でした。
 中村哲医師のたたかいを伝える新しいDVDです。
『アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和』、通算3作目の記録動画になります。

 2001年、米英などのアフガン空爆の下で決死の食糧支援に取り組んだ中村医師らは、その後、農業の再建に全力を集中していきます。
 鍵となるのは「用水路」。
 乾き切った大地に大河クナールから水を引き入れる。
 激流に堰を積み上げ、荒れた砂漠に長大な水路を築く。
 一見して無謀。
 なにしろ率いるのは、土木にはシロウトの日本人医師。
 重機も、コンクリートも、鋼も、専門的な技術者すらも用意できない中で、どうして用水路を造ることができるのか。
 しかし、崩壊する農業の再建がなければ、飢饉と戦乱から命を守り平和を取り戻すことはできない、そんな固い信念で中村医師とペシャワール会、そしてアフガンの農民たちの格闘が始まります。
 名付けて《緑の大地計画》。
 今回のDVDは、灌漑(用水路建設)事業に焦点を当てながら、この緑の大地計画に取り組んできた15年近い日々を振り返るものです。

 それにしても、この15年は何という闘いだったことか。
 ガンベリ砂漠に広がる豊かな緑とたわわな実りは、圧倒的です。

 DVDは、「本編・緑の大地計画の記録」と「技術編・PMSの灌漑方式」に分かれています。
 あえて技術編を置いたところに、もしかしたらこの作品に込められた意図、思いがよく現れているのかもしれません。
 今回の作品は、現地の格闘の記録を総括すると同時に、それが次の時代、アフガンの人々自身の自立した力と努力に受け継がれるべきことを強く意識して作られたものです。

 どんな思いも、どんな熱意も、どんな覚悟も、地に足の着いた技術に支えられなければ、農業を、暮らしと命を支えることはできない。
 強い倫理観と固い使命感に支えられた中村医師の実践の根っこに、技術への強い関心と信頼があることを改めて知らされます。
 “哲さん”の頭の中ではある種の技術論、技術史が形を取りつつあるのではないかとさえ、感じます。
 ただしそれは、自然を征服しようとするのではなく、自然の前に謙虚に折り合いをつけ、権力や特権を支えるのではなく、人びとの自治と結びつくことのできる、流行りの言葉でいえば持続可能な技術です。

 ぜひご覧になってみてください。
➡前2作を紹介したこのブログの記事
・『アフガニスタン 干ばつの大地に用水路を拓く』
・『アフガンに命の水を ペシャワール会26年の闘い』
https://ikejiri.exblog.jp/11480719/


練馬区議会議員(市民の声ねりま)池尻成二
https://ikejiriseiji.jp/『アフガニスタン%E3%80%80用水路が運ぶ恵みと平和』%E3%80%80/

 アフガニスタンやパキスタンで人道支援活動に長年取り組んできた中村哲医師(73)が4日、銃撃されて亡くなった。

 現地の報道などによると、中村さんは現地時間4日朝、アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードを車で移動中、何者かに襲われ銃弾を受けた。
 病院に運ばれいったんは回復に向かったが、容体が悪化し息を引き取った。
 同乗していた運転手や警備員らも死亡したという。

 中村さんは福岡県出身で九州大学医学部卒。
「麦と兵隊」「花と龍」などで知られる作家火野葦平のおいでもある。
 NGO「ペシャワール会」(事務局・福岡市)の現地代表と、ピース・ジャパン・メディカル・サービスの総院長などを務めていた。

 アフガニスタンやパキスタンで30年以上にわたって、医療や農業用水路の建設などに携わってきた。
 その活動は国際的に評価され、2003年には「アジアのノーベル賞」ともいわれるフィリピンのマグサイサイ賞を受賞。
 国内でも菊池寛賞やイーハトーブ賞などを受けている。
 今年10月にはアフガニスタンのガニ大統領から名誉市民証を授与された。

 アフガニスタン大使館はホームページに次のようなコメントを掲載した。

「中村医師はアフガニスタンの偉大な友人であり、その生涯をアフガニスタンの国民の生活を変えるためにささげてくださいました。彼の献身と不断の努力により、灌漑システムが改善され、東アフガニスタンの伝統的農業が変わりました」

 中村さんは9月にいったん帰国し、用水路建設に取り組む現地職員らと農業関連施設を訪れたり、講演会をしたりした。
 その後、再び現地に入っていた。

 中村さんは1984年にパキスタンでハンセン病などの医療支援を開始。
 アフガニスタンに活動の場を移し、「飢えや渇きは薬では治せない。100の診療所よりも1本の用水路が必要だ」などとして、水利事業や農業支援に力を入れてきた。

 本誌記者もかつて中村さんを取材したことがある。
 対テロ戦争の名目で武力行使が続いていることが、アフガニスタンを混乱させていると訴えていた。

「現地は危険だと言われるが、いくら武器を持っていても安全にはなりません。現地の人たちに信頼してもらうことが大切です」

 2008年には「ペシャワール会」の男性が武装グループに殺害される事件も起きた。
 中村さんは警備員をつけるなど安全確保に注意しつつ、現地の人たちと直接ふれ合うことを続けてきた。

「診療するうちに、待合室で亡くなる貧しい子どもの姿を何人も見てきました。大干ばつに襲われ栄養状態が悪い子どもたちを救うには、医療だけでは足りません。用水路をつくって農業を支援する必要があったのです」

 アフガニスタン東部で「マルワリード用水路」の建設に2003年に着手。
 建設資材の不足などに悩まされながらも、全長25キロ超の用水路を10年に完成させた。
「緑の大地計画」としてさらに農地を復活させるべく、活動を続けていたところだった。

 70歳を超え体調も万全ではなかったが、最後まで自ら現地で動くことにこだわった。

「私は日本では邪険にされることもありますが、現地の人たちはとても優しくしてくれます。日本よりもお年寄りを大事にしているからです。あと20年は活動を続けていきたいですね」

 取材では、心配をかけてきた妻や子どもら家族に感謝する言葉もあった。

「帰国した時にお茶漬けを食べたり、風呂に入ったりすると安心します。日本に残して苦労をさせてきた家族に、罪滅ぼしをしたいと思うこともあります」

 妻の尚子さんは4日報道陣に、「今日みたいな日が来ないことだけを祈っていました」と答えたという。

 ペシャワール会は、「事業を継続するのが中村さんの意志でもある」として、人道支援活動を続けていく方針だ。


※ 週刊朝日オンライン限定記事

[写真-1]
アフガニスタンの干ばつ被害について説明する中村哲さん=2018年

[写真-2]
アフガニスタンで活動する中村哲さん=2012年

[写真-3]
中村哲さんらが乗っていたとみられる車

dot.asahi、2019.12.4 22:03
銃撃された中村哲医師 が生前、本誌に語っていた夢
「現地では優しくしてもらっている」

(週刊朝日・池田正史、多田敏男)
https://dot.asahi.com/wa/2019120400098.html

 NGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)が2019年12月4日、突然の銃弾に倒れた。
 苦しむ人たちに向き合い、医師の役割を超えて農業支援にも活動を広げていった中村さん。
 現地・アフガニスタンでも高く評価されていただけに、交流があった人たちは「なぜ」と言葉を失った。

 福岡市のペシャワール会事務局で4日、記者会見した広報担当理事の福元満治さん(71)は悲痛な面持ちで「正直、信じられない。無念でしかたない。この事業は中村哲という人物でなければできなかった」と語った。

 干ばつにあえぐ大地に用水路を造り、1万6500ヘクタールの農地を潤した。
 現地の住民は中村さんに「畏敬(いけい)の念を持っていた」という。

「30年以上やって現地の信頼が一番のセキュリティーだった。(事件は)アフガンのことを思うとありえないこと」

 今後の活動については、「あくまで続けるのが中村医師の遺志であると思っている」としながらも、「事業を拡大していくのはなかなか難しいのではないか」とも話した。

 中村さんは「自分は好きで勝手なことをしているので、家族には迷惑をかけたくない」と周囲に話していたという。
 妻の尚子さんは報道陣の取材に「いつも家にいてほしかったが、本人はこの仕事にかけていた。いつもサラッと帰ってきては、またサラッと出かけていく感じでした。こういうことはいつかありうるとは思っていたが、本当に悲しいばかりです」と話した。

「あまりに大きな損失」

 中村さんの生き方に感銘を受けてきた多くの人たちからは、突然の死を惜しむ声があがった。

「えっ、亡くなったんですか」

 アフガニスタンなどで人道支援をする国際NGO「JEN」(東京都新宿区)の木山啓子事務局長は絶句した。

「世界にとってあまりに大きな損失です」

 現地の人々の健康を考えるなら、医療だけではなく穀物の栽培や灌漑(かんがい)など持続可能な解決策が大切だと、日本で会った時にアドバイスされた。

「素晴らしい人をこんな形で失うなんて」

 福岡県朝倉市の徳永哲也さん(72)は、中村さんが地元の取水堰(ぜき)「山田堰」の近くに座り込み、何時間もながめていたのを覚えている。
 中村さんは同じような堰をアフガンにつくり、農地の再生を目指した。
 徳永さんは今秋、地元の土地改良区の理事長を退任。
 会の活動に協力するつもりで、4月には中村さんとアフガンの農地を視察していた。
 中村さんには武装した政府の警護者が常に付き、渋滞で止まった車をどかせるなど厳重にガードしていた。
「政府がいかに中村先生を大事にしていたか。こういう状況の中での銃撃など信じられない」と絶句した。

「活動がどうなるのか、影響は計り知れない。混乱して今は何も考えられない」

 上智大学の東大作(ひがしだいさく)教授は、2009年から1年間、国連アフガニスタン支援ミッションの政務官を務めた。
「日本人に好意を持つアフガン人が多いのも、中村医師の活動が広く知られているから。一緒に働いた若者はみんな誇りに感じていた」と話す。

 2001年の米同時多発テロ後、米英軍はアフガンを空爆した。
 タリバーン勢力は2005年ごろから息を吹き返し、2008年には国土の7割が「政府ですら危なくて行けない地域」だったという。
 干ばつも進み、水がなくても育つケシに頼るようになり、麻薬産業だけで生きる若者も増えていった。

「その中で、中村さんは灌漑事業がいかに重要かを、村長、市民、時には反政府勢力を1人ずつ説得し、進めていった。他の人にはまねできないこと」と言う。

 先日は国連難民高等弁務官だった緒方貞子さんが亡くなった。

「アフガニスタンをいかに良くすべきか考えていた2人を同時期に失った。大きな損失だ」

 中村さんの著書『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る ― アフガンとの約束』(岩波書店、2010年2月)の聞き手を務めたノンフィクション作家の澤地久枝さんは、
「足元から震えがのぼってきます。東京から、できるだけのサポートをしたいと思ってきましたが何と残念なことでしょう。私自身の気持ちの整理がつかず、言葉もないというのはこのことです。でも、中村先生が何より残念でいらっしゃるでしょう」とコメントを寄せた。


※ ペシャワール会 http://www.peshawar-pms.com/index.html
※ 国際協力NGO「ジェン(JEN)」https://www.jen-npo.org/

[写真]
アフガニスタン東部ジャララバードで4日朝に銃撃された車両。日本の人道支援NGO「ペシャワール会」の現地代表で、医師の中村哲さんらが乗っていた(現地住民提供)

朝日新聞、2019年12月5日06時00分
中村医師の妻
「いつかありうるとは思っていたが…」

https://digital.asahi.com/articles/ASMD456YQMD4TIPE01V.html

posted by fom_club at 10:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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