2019年10月22日

マリリン・モンロー「七年目の浮気」

 プロテスタントやカトリックなど国内のキリスト教の教団や教派団体が2019年4月30日、東京都新宿区で記者会見し、天皇代替わりの一連の儀式を国事行為・公的行事として行なうことは「憲法上、国民主権の基本原理や政教分離原則に違反し、国家神道の復活につながる」と主張した。
 各団体は、5月1日にある「剣璽(けんじ)等承継の儀」は神道神話に基づく神器を引き継ぐ儀式と指摘。
 10月の「即位礼正殿の儀」で新天皇が「高御座(たかみくら)」に立つことは、天孫降臨神話に基づき天皇が生き神の性格を帯びる意味を持つと述べ、両儀式が国事行為として行われることは「政教分離原則に違反する」と主張した。
 11月に新天皇が臨む大嘗祭(だいじょうさい)についても、「皇室の私的宗教行事」だとし、国費の支出に異議を唱えた。


朝日新聞、2019年4月30日19時54分
即位巡る儀式「政教分離に違反」
キリスト教団体が会見

(編集委員・北野隆一)
https://www.asahi.com/articles/ASM4Z3CYDM4ZUTIL008.html

 2019年10月22日の午後1時から、天皇が即位を国内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が国事行為として行われる。
 海外からの賓客や各界の代表ら約2000人が参列する中、高御座に天皇が登壇して「お言葉」を述べる。
 その後、安倍首相が「寿詞」と呼ばれる祝辞を読み、万歳三唱の発声をする段取りだ。
 即位関連儀式のハイライトであり、安倍にとっても大舞台である。

 同日に予定されていたパレード「祝賀御列の儀」は台風19号の甚大な被害を考慮して11月10日に延期になったが、11月14日から15日にかけては皇位継承の伝統儀式「大嘗祭」が皇室行事として行われる。
 一連の儀式は来年2020年4月まで続く。

「慶事に水を差すつもりはありませんが、安倍政権は皇位継承を必要以上にイベント化しているのではないか。天皇即位の関連費は総額166億円に上る。平成の即位関連費と比べて3割も増額されています。台風19号の被害対応には7億円しか支出しないのに、即位イベントや東京五輪に巨額の血税をつぎ込むことに国民の理解を得られるでしょうか。そもそも、即位の礼や大嘗祭は皇室神道の祭祀であり、公費の支出は、憲法が定める政教分離の原則に反するという見方もある。当の皇室からも、大嘗祭を国費で賄うことに異論が出たほどです」
(政治評論家・本澤二郎氏)

 昨年2018年11月、誕生日会見での秋篠宮の発言が注目された。
 政府が国事行為として行う即位の礼については立場上、意見を言えないが、宗教色が強い皇室行事の大嘗祭は、国費ではなく「内廷費」で賄うべきだと訴えたのだ。
「宗教行事と憲法との関係はどうなっているのかという時に、私はやはり内廷会計で行うべきだと思っています」と、憲法の政教分離原則との関係に踏み込み、内廷費の範囲で、身の丈に合った形で行うのが本来の姿ではないかと指摘。
「すっきりしない感じというのは、今でも持っています」と語った。

 この秋篠宮の発言について、憲法学者の水島朝穂早大教授は昨年2018年12月のネットコラム「直言」で、こう書いていた。 

<天皇(現上皇)は簡素なものを望んでいるというが、それは単に費用的なものだけでなく、自らがかかわった昭和天皇からの代替わりとは違った形、すなわち、日本国憲法の純粋象徴天皇制らしい形を考えているのではないか。
 安倍首相(背後にいる日本会議など)は限りなく戦前型の天皇を求めているので、そこでも現天皇が描く「天皇像」とは距離が出てくる>

 皇室行事と政教分離については、平成の大嘗祭の際にも議論があった。
 当時は昭和天皇の崩御にともなう即位だったこともあり、十分な議論の時間がないまま前例を踏襲した格好だが、今回の即位関連行事には官邸の意向が色濃く反映されているように見える。

明治憲法の天皇像復活は改憲の助走か

「本来は皇室の私的な宗教行事である即位や大嘗祭を国の行事にして、国家主義的な意義を強調したのが明治時代の長州閥です。安倍政権は、明治の天皇像を復活させようとしている。今回の即位関連行事を大がかりなイベントにして天皇の権威を高めることは、神格化を進めて改憲につなげる助走のようにも見えます。外交は八方塞がりで、日韓関係の悪化は日本経済にも悪影響を及ぼしている。景気低迷は深刻で、経済指標の数字もごまかせなくなってきました。地震や台風の被災者に冷淡な政権に対する不満もたまっている。そうした諸問題にフタをする奥の手が天皇の政治利用ですから、あまりに悪辣と言うほかありません」
(本澤二郎氏=前出)

 同じことは、即位礼正殿の儀に合わせた実施を強行した恩赦にも言える。
 19日の朝日新聞が、26年ぶりの恩赦がどのように決まったか、その内幕を書いていた。
 法務省は当初、「合理性がなく、恩赦は実施すべきではない」と反対していたという。
 恩赦は、行政権による司法権の介入になる。
 2004年には犯罪被害者等基本法が施行されるなど、被害者感情を重視する社会の流れも強まっている。

 現憲法下では、恩赦は天皇の国事行為だが、実施は内閣が決める。
 そのため法務省は「皇室の慶弔と恩赦実施の関連性はない」と指摘。
 一律に罪を免じる政令恩赦は「社会への影響が大きく、三権分立を揺るがしかねない」と訴えた。
 だが、官邸側には恩赦を実施しないという選択肢はなかった。
 まず「恩赦ありき」で、どういう内容なら国民が納得できるかという方向で「令和の恩赦」が決まったというのだ。

 恩赦の対象になる55万人すべてが安倍支持者になるとはかぎらないが、政権の人気取りには違いない。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)もこう言う。

「歴史的に見て、恩赦は権力者による支配の手段として使われてきました。大日本帝国憲法では、天皇の大権事項とされていた。戦前の天皇と同じことを政府が実施するわけです。天皇の名を政治利用しているという批判は免れません。しかも、閣議決定の直前まで恩赦の具体的な内容は知らされなかった。どのような議論があり、どうやって対象基準や規模を決めたのか不透明なままです。国民主権の原則から言えば、政府がやることはすべて国民に明らかにしなければなりません。恩赦の対象者には公選法違反者も含まれています。そこに政治的判断が働いていないと言い切れるのでしょうか。国民への丁寧な説明がないまま、官邸主導で何でも決めてしまう。残り任期が少なくなってきたことで、安倍政権の独裁体質に拍車がかかってきたように感じます。ここへきて、緊張が高まる中東地域への自衛隊派遣を検討すると言い出したことも危険すぎる。憲法を無視する独裁政権が、いよいよ総仕上げにかかってきました」

■ 調査目的の自衛隊派遣という裏口に唖然

 菅官房長官は18日の会見で、中東地域での航行の安全確保に向けて、自衛隊の艦船などを派遣する検討を始めると明らかにした。
 18日に開かれた国家安全保障会議で安倍が検討を指示したという。

 米国が参加を求める「有志連合」とは別に、「ホルムズ海峡周辺に調査目的で自衛隊を独自に派遣する」というのだが、実に姑息で危ういやり方だ。

 官邸が考えているのは防衛省設置法に基づく「調査・研究」を根拠にした派遣で、国会の承認を必要としない
 民間船舶の護衛もできないが、自衛隊法に規定された「海上警備行動」に比べて武器使用の権限は不明確。
 現地で軍事衝突に巻き込まれれば、一気に憲法が禁じる交戦状態に陥る可能性もある。
 自衛隊関係者から「隊員の安全確保への不安は拭えない」という懸念の声が上がるのは当然だ。

「米国とイラン双方の顔を立てる苦肉の策なのでしょうが、その場しのぎの対応は、今後に大きなツケを残しかねません。いよいよ戦争への参加が迫ってくる。かつてのPKO協力法案は審議が大紛糾し、3国会かけて成立しました。それより危険な中東への派遣を“裏口入学”のような手法で官邸が独裁的に決めてしまうのは恐ろしいことです。国会軽視が甚だしいし、政権の最後にやりたかったことを全部やってやろうと居直り、あらゆる角度から戦後民主主義を壊しにきているとしか思えません。長期政権が7年目になり、その横暴は目も当てられなくなってきました」
(金子勝氏=前出)

 マリリン・モンローの白いドレスがめくれ上がるシーンで有名な映画「七年目の浮気」の原題は「The Seven Year Itch」といい、浮気の虫を「7年越しのうずうず感」と表現している。
 政権も7年目となると「独裁うずうず感」に歯止めが利かなくなってきたということか。

 それと同時に、関電の原発マネー還流事件や、有権者買収疑惑などが報じられた菅原経産相を筆頭に醜聞まみれの新閣僚、マラソン・競歩会場の変更を余儀なくされる東京五輪の大誤算など、嘘で塗り固めてきた政権の綻びも次々と露呈している。

 不穏なムードはラグビーW杯や即位儀式のお祭り騒ぎで蹴散らし、即位の儀礼にともなう外交アピールで国民の目をごまかす算段だろうが、もくろみ通りにいくかどうか。

 ここまで問題が積み重なると、どんなに取り繕ったところで悪あがきで終わるのではないか。
 7年目を迎えた政権の黄昏は濃くなる一方だ。


日刊ゲンダイ、2019/10/21 17:00
即位の礼・恩赦も官邸主導
天皇政治利用の悪政ゴマカシ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263568

 即位の礼を10月22日に控え、キリスト教関係団体が21日、東京都内で記者会見し、宗教色の強い即位関連行事に公金を支出して国事行為として行なうことについて「政教分離の原則に反して違憲だ」と主張した。
 会見した日本キリスト教協議会などプロテスタントやカトリックの各団体は、一連の儀式の中でも特に11月14日からの大嘗祭は天皇を神格化し、宗教色が強いと指摘。
「宗教的儀式に国が関与することは国家神道の復活を意味し、信仰の自由を脅かす」と訴えた。


東京新聞、2019年10月21日 21時00分
即位巡る儀式「政教分離に違反」
キリスト教団体が会見

(共同)
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019102101002423.html

 他国の元首の即位や葬儀の式典に、国を代表して誰を派遣するかは重要な外交の一つである。
 だからこそ、今度の即位礼の儀に各国はそれにふさわしい人物を派遣することを決めた。
 財政的に苦しい小国が駐日大使を参加させて済ませるのはやむを得ないが、ほとんどの国は本国政府から、あるいは皇族、あるいは三権の長、あるいは元首、もしくは元首に準じる人物を派遣している。
 日本が仲間入りしているG7のメンバー国はもちろんそうだが、中国は王岐山国家副主席、そして史上最悪の関係にある韓国でさえ李洛淵首相が参列する。

 ところが、日本が最も重要国と見なす米国だけが、チャオ運輸長官(1953年、台湾の台北市で生まれる。夫は共和党上院院内総務)の派遣で済ましている。
 当初はペンス副大統領が出席するという報道があったが、いつの間にかチャオ運輸長官に代った。
 誰が考えても、これは日本軽視ではないのか。
 しかもである。
 安倍首相はトランプ大統領を何が何でも令和天皇の国賓第一号として歓待した。
 その答礼としてペンス副大統領の参列は礼儀だろう。
 そして安倍首相もそれを期待していたに違いない。
 しかし、理由も明らかにされないまま、いつの間にかチャオ運輸長官に変更された。
 米国の自動車をもっと買えと言うつもりなら悪い冗談だ。

 ところが、この異例な変更にもかかわらず、メディアは一切その事に触れようとしない。
 なぜか。
 それは安倍外交の大失態になるからだ。
 ここまでトランプ大統領に迎合してきた安倍首相だ。
 しかも令和の即位礼を誰よりも重視している安倍首相である。
 その令和の即位礼をトランプ大統領は軽視したのだ。
 安倍首相にとってこれ以上面目を失う事はない。
 だからメディアは、安倍首相に忖度して一切書かないのだ。

 はたしてチャオ運輸長官と安倍首相が会談する時、安倍首相はチャオ運輸長官に何と語りかけるのだろう。
 メディアはその会談をどう報じるのだろう。
 韓国の李洛淵首相との会談と並んで、私が最も注目するマラソン首脳会談である。


天木直人のブログ、2019-10-22
メディアが書かない米国の即位礼軽視
http://kenpo9.com/archives/6318

 ではここで「七年目の浮気」!
The Seven Year Itch-Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=fJgC549mpRk

 ついでに「三年目の浮気」も!
https://www.youtube.com/watch?v=-TuFqVLDxZU


posted by fom_club at 12:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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