2015年05月16日

湯河原で文学散歩

 ヤッホー君、15日(金)、16日(土)と湯河原への一泊二日の湯の旅。
 あのぉ、「旅装船越」の跡地探検ではございません。

船越.jpg

 初日は、不動滝、大滝ホテル、だるま滝、町立湯河原美術館、光風荘、こごめの湯、万葉公園、独歩の湯、観光会館、と湯河原温泉を徘徊。

不動滝.jpg

 上の写真は「不動滝」。
 下の写真は「町営美術界」に展示されておりましたが、湯河原を表す万葉の歌です(万葉集巻き14・相聞歌3368・詠み人知らず):

足柄の 土肥の河内に 出づる湯の 世にもたよらに 子ろがいわなくに


万葉の歌.jpg

 いろんな発見がありまして、びっくり、びっくり、ますます湯河原が気に入りました。
 気に入るどころか移住された方も:

 私は温泉が好きとか、それが魅力で湯河原に移ったのではありません。
 なにより新幹線が止まらないその駅は、大型の商業施設がなくて、休日以外は乗降客も少なく、ホームからは四季折々の自然の移ろいが見え、感じられ、そのたたずまいは、懐かしさが漂よう旅先の駅であり、山と川と海のある「四季彩のまち」は、静かで、おだやかな自然が香り、文学が薫る、その空気感が気に入ったからでした。
 それは、前に住んでいた都内の文京区とつながり合う不思議な懐かしさを感じたことでもありました。
 この湯河原に住み、滞在して物語を生んだ多くの文人や画家は、
 ☆ 夏目漱石、
 ☆ 国木田独歩、
 ☆ 芥川龍之介、
 ☆ 山本有三、
 ☆ 与謝野晶子、
 ☆ 島崎藤村、
 ☆ 谷崎潤一郎、
 ☆ 丹羽文雄、
 ☆ 小林秀雄、
 ☆ 水上勉。
 画家では竹内栖鳳、安井曽太郎などなどですが、文豪・夏目漱石は湯河原を舞台にした晩年の小説『明暗』を、芥川龍之介は『トロッコ』。
 国木田独歩は『湯河原ゆき』。
 島崎藤村は名作『夜明け前』を温泉で静養しながら5年ほどかけて執筆したそうです。
 文京区ゆかりの文人には、樋口一葉、石川啄木、夏目漱石、森鴎外、宮沢賢治、泉鏡花、佐藤春夫、宇野浩二、久保田万太郎、幸田露伴、永井荷風などですが、文京区と湯河原を想い、遥かな時の流れを感じながら、それらの面影を追い、忍ぶ文学散歩は、なにげない風景や光景が、特別なものに思えて、見えてきて、愛おしく、慈しむ気持ちがおのずと湧てきます。
 若いときは、便利でにぎやかな都会の方が良く、ついこの間までは湯河原に住むなどとは、まったく思いもしませんでした。
 年を重ねるということは、こうした?ことでもあるのでしょうか。
 湯河原は町ですから役所ではなく町役場です。
 この役場というひびきも気に入りました。
 私は今村ですから、村には役場が似合います。

(2013.6.15、東京デザイン専門学校・今村昭秀学校長のコラム)
http://www.tda.ac.jp/column/2013/

国木田独歩
 独歩は晩年に3回、旧「中西」に保養に訪れ、短編小説を書きました。
 好意を持った旧「中西」の女中が嫁いだのを聞き、悲恋の情を綴ったのが『湯河原より』。
 また、3回目の保養で書いた『湯河原ゆき』の中の

「湯ケ原の渓谷に向かった時は、さながら雲深く分け入る思いがあった」という一節は、万葉公園内の独歩文学碑に刻まれています。

島崎藤村
 代表作『夜明け前』は、資料集めから執筆まで大変な苦労を要しました。
 夫の健康を気づかう静子夫人の勧めにより、藤村は年4回の原稿提出後の数日間は、伊藤屋旅館でゆっくりくつろぐようになりました。
 伊藤屋旅館には藤村詩碑が今も残されています。

夏目漱石
 漱石の最後の小説『明暗』は、朝日新聞に188回まで連載、その死によって未完となった作品です。
 170回からは舞台が湯河原に転じ、自らも逗留した温泉旅館「天野屋」や「不動滝」が作品中に登場しました。


町営美術館.jpg
 
 写真はその「天野屋」の看板。
 イマは「町営美術館」になったその一階に掲げられていました。

与謝野晶子
 日本女流文学界を代表する与謝野晶子は、昭和初期頃、度々吉浜の旧「真珠荘」を訪れました。
 同荘の庭の大島桜をこよなく愛し、


吉浜の 真珠の荘の山ざくら 島にかさなり 海に乗るかな


をはじめ、湯河原にちなんだ多くの歌を詠みました。
(湯河原町公式サイト、名所旧跡)
http://www.town.yugawara.kanagawa.jp/kankou/leisure/historic-place.html



posted by fom_club at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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