2013年04月08日

1967年10月31日

 ヤッホー君のこのブログ、この間の先月のこと、3月28日付け日記「1946年11月3日」をご参照ください。
 いったいどんな暮らしぶりだったのか、そのなかで鶴見俊輔はある出会いをします。
 それは、丸山真男であり、彼の書いた論文であり、丸山真男が戦争中にどんな仕事をしていたかを知る契機になったのでございます:

『当時は食糧難の時期で、丸山さんも「復員して帰ってきたとき、家で出してくれた銀シャリがうまかった」とか言っている時代だった。それからその翌年の1947年に、丸山さんが書いたもので感心したのは、「陸羯南-人と思想」という評論だったんだ…
 この三っつの論文を揃えると、戦中から戦後に、丸山さんが日本の同時代に対してどういうふうに対していたか、よくわかる…
 アメリカやヨーロッパから手の汚れていない理論をひっぱってきて、その権威を借りて日本の現状を批判するのじゃないんだよ…
 「日付のある判断」なんだ…
 デモクラシーってものは、占領軍が入ったとかでデモクラシーになっちゃったから、それに便乗していこうという考え方と、デモクラシーを自分でつくるという考え方とでは、質的違いがある…』

(『戦争が遺したもの』(前掲書、176-186頁)

 故デリダ氏のヤッホー君への遺言みたいな言葉−「日本人である、なんて誰もいない、君が日本人になるんだよ」が未だにアタマに残響として残っていることと響きあう考えにぶっつかりました。

 いやぁ、鶴見俊輔…
 いや、その鶴見俊輔があげた丸山真男の三っつの論考って、何でしょう。
 この新曜社から2004年に出版された本を読んで、原典にあたってみましょうよ、あっちゃこっちゃ、もうマスゴミまで 'paranoid rhetoric' がはびこっているイマこそ。

 いやぁ、鶴見俊輔のこんな生の映像がでてきましたのでご紹介。
 含蓄のある生の言葉ばかりです。

 ひとつは、75歳のとき、1997年3月15日に放送されたNHK教育『未来潮流』から。
『哲学者・鶴見俊輔が語る日本人は何を捨ててきたのか』より(関川夏央との対談)
http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=GNSaMLU3jMM&feature=endsc
 
 もうひとつは80歳のとき上梓した詩集『もうろくの春』(編集グループSURE工房、2013、3150円)が上梓されたあとの時期です。
 
『鶴見俊輔・永遠の感覚』(関川夏央との対談)

http://www.youtube.com/watch?v=1pjUpSyvees
 
 詩集の申し込みは直接、工房へ。
http://www.groupsure.net/books/mouroku.html
 
 ところで、日本国憲法公布の1946年、施行の1947年から、時代は下って30年後、じゃないんですねえ、たったの20年後、1967年10月31日。
 吉田茂の「国葬」があった日のこと。
 鶴見俊輔は、何をしていたのか、と申しますと:

当日は吉田茂の国葬の日だったんだよ。
 だから警察や機動隊は学生運動なんかの警備に行っていて、映写機やカメラマンを積んだ車が誰何されなかったんだ。
 そして撮影となって、最初に吉川は、ベ平連側は小田が代表して、一人で演説するのを写したらいいと言ったんだ。
 ところが小田はそのときは、そんな映画に出たら、もう逮捕されると思っていたわけ。
 即興の力はあるんだけど、別に恐れを知らない豪胆な英雄とか、そういうタイプじゃないんだよ。
 それで小田は、4人集めて一緒に写れというわけ。
 それで小田と私に加えて、開高健と日高六郎を夜中に呼び出したんだ

(鶴見俊輔、同書、366頁)

 そうなんです、ベトナム戦争がありました。
 1964年8月トンキン湾事件、1965年2月の米軍による北ベトナム爆撃(北爆)開始により本格化し、1973年3月の米軍撤退完了、1975年4月サイゴン陥落まで続きました。
 そのとき、日本で草の根ミンシュシュギとして活動したのがベ平連!
 4人の米軍兵士が1967年10月、横須賀に停泊中の米軍空母イントレピッド号から脱走してきました。
 ベ平連は、彼らを匿い、そしてこのことを公表するための映像づくりに着手するのですが、その日は、皮肉にも、平和憲法交付の名演説をぶった吉田茂の「国葬」と重なってしまったのです。
 (その後兵士は、ソ連(当時)への脱走に成功し、さらに脱走兵の受け入れを行なっていたスウェーデンに脱走兵は逃れていきます)

posted by fom_club at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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