2013年04月01日

櫻川事蹟考

 昨日の日曜日、常陸の国に愛車を走らせたヤッホー君。
 春の寒空に凛として咲き誇っていた桜川の桜を観てきました。
 あの桜の花弁に吸い込まれるように眠りについて、夢までが桜色に染まっていたといいます。

 ところで、この桜川の桜には、ムカシ、たいへん素晴らしい功績を残した人物がいらしゃいました。
 ムカシの佐野藤右衛門!でしょうか、それ以上の桜守でしょうか、名を「石倉重継」とおっしゃいます(1875〜1938)。
 
氏は、1875(明治8)年10月30日西茨城郡西那珂村(現桜川市)西飯岡28番地に、旧笠間藩士石倉又一の長男として生まれました。父又一氏は、明治5年教育制度発布のとき笠間小学区(郡)取り締まりとして、初等教育の創設発展に努められた人です。
 重継氏は、1890(明治23)年茨城県立中学校(元県立水戸一高)に入学するも翌年中退し、その後文学を志して上京します。
 上京後は苦学の傍ら栗田寛、鈴木重嶺、上村涼松、福羽美静、尾崎紅葉等に師事し、文学、国文学、和歌、俳句などの教えを受けました。
 1894(明治27)年6月、和歌の最初の師である笠松良昌翁を浅草小島町の邸に訪ねた時、桜川古跡の現況を問われ、重継の出生地からわずか一里の地にあるこれについて答えることが出来ませんでした。
 すると、笹村翁から「和歌を研究しようというするほどの者になればこのように有名な花の名所が、しかも郷里にある桜川の歴史について知らないのは何事か」と叱咤され、これに赤面した重継氏は、その後櫻川事蹟の調査に全力を注ぐことになります。
 苦しい日々の労働に従事する傍ら、ひたすら『櫻川事蹟考』の資料収集と執筆のため、筆舌に尽くせぬ苦労を重ねながら草案を完成させたそうです


 その後のことですが(あのぉ〜、ヤッホー君にも「秀峰」という父から授かった号があるんですけど…〜…):

石倉重継氏は、翠葉と号し、別号を「掃雲亭」のち花笠庵と改めましたが、1927(昭和2)年3月、旧笠間藩主牧野越中守貞喜君の俳号「諷詠堂金英」の諷詠堂の号を牧野家から授かり、諷詠堂とも号しました
(桜川のサクラ)
http://www.sakuragawanosakura.jp/index.html 

 
 『諷詠堂桜川顕揚記念碑碑文』を熟読しましょう:

常陸国桜川は古来桜花の名区也 紀貫之の之を詠しより謡曲にうたわれて其の名喧伝せられしも年移りて 漸く荒廃に属したるを水戸源黄門 笠間牧野貞喜の両公及び同藩加藤桜老之を慨して保存法を講じたりしも終に埋没 人の顧る者なし 千年の名匠空しく 野禽をして悲しむるに至りぬ

 諷詠堂石倉翠葉宗匠は桜川の畔に生まれし縁により いたく之を嘆惜し独力顕揚に志すこと三十余年 終に三好学博士を動かし名勝保存指定地に列せしむ

 その功労美且偉なりと言うべし頃日門下の諸子並びに付近の有力者 各資を出して句碑をつくり以って桜花と共に宗匠の為に不朽ならしめんとし予に文を嘱す

 予欣んで之を記す
 芋銭
 昭和八年四月 日


 芋銭って日本画家で横山大観に認められ日本美術院会員となった「河童になりたかった男」、小川芋銭(1868〜1938)のことであることが碑の裏面で分かります。
 それにしても桜花と、これを生涯を捧げ守ろうとする誠意努力の良いお話だとお思いになりませんか。
 「自然を大切に」というのが口だけのキャンペーンやスローガン、マニフェストでなく、それを活動として血と汗と涙を自ら流して取り組む人間があればこその、自然と人間の絆ですよね、いたく感動しました。

 もうひとつ、「サクラサク里プロジェクト」制作(桜川市観光協会協賛)の『桜川のサクラ』より:

日本に自生する桜(自生種)はたった9種類(山桜、大山桜、霞桜、江戸彼岸、大島桜、豆桜、丁子桜、高嶺桜、深山桜)しかありません…
 現在日本の桜の8割はソメイヨシノと言われていますが、このソメイヨシノが生まれる江戸末期までは、サクラと言えば自生種の「山桜」のことを指していました…
 これだけ日本全土に広がったソメイヨシノですが、成長の早さ故か60年と言われる短い寿命から、近年各地で枯死するものが目立ってきました。
 補植にまたソメイヨシノを使うのか、それとも他の品種を使うのか、画一的なサクラの風景から、多様性を求めて、流れは後者にあるようです


 「サクラサク里プロジェクト」については、こちら、下↓をご参照ください:
☆ まずは公式ブログ:
http://blog.livedoor.jp/sakurasakusato/
☆ そして茨城県県西地方総合事務所総務課企画振興室との2007年3月インタヴュウ記事「いばらき地域づくりねっと」が:
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/kikaku/chikei/interview/sakurasakusato/sakurasakusato.htm

posted by fom_club at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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