2011年08月27日

聖職の碑

 木村大作(1939年生まれ)の『誰かが行かねば、道はできない(2009年、キネマ旬報社)』の読書が続いております。
 木村は、1975(昭和50)年の6月、緒形拳、下條アトムがつつじ畑の中を歩くシーンの撮影から入った映画がありました。それが『八甲田山(製作は橋本プロダクションと東宝映画、シナノ企画との提携)』でしたね。
 撮影は、「八甲田で見たことは、誰にもしゃべってはならない」まで、長い時をかけてキャメラが回され続け、1977(昭和52)年8月4日公開されました。
 木村は、この映画で初めて、メイン・キャメラの大作に取り組み、それに情熱を傾けたのでございました。

 その映画公開から1年たった1978(昭和53)年7月9日からキャメラを回した映画がありました。
 それが、同年9月23日から公開された『聖職の碑』だったのです。
 製作は東宝映画とシナノ企画、監督、撮影は『八甲田山』と同じコンビ、出演は鶴田浩二、三浦友和、岩下志麻、北大路欣也、田中健。

 閑話休題、「シナノ企画」って、創価学会関連および一般映画の企画・製作・興行をする会社だっったんですね、今日8月27日土曜日、はじめて知りました。

 それはともかくこの原作は、新田次郎の山岳小説『聖職の碑』でした。1976(昭和51)年、書き下ろしで講談社から出版されています。

雨の実景を撮るため、舞台となる駒ケ岳の標高2850mの所にある<宝剣山荘>へ60日常駐させたんだ。でも、結局使える雨のカットは1カットしか撮れなかった…
 校長先生役の鶴田浩二さんは下の駒ヶ根という町にいて、われわれが山荘から撮れそうなときに呼ぶシステムだったんだけど、それは失敗だった。
 鶴田さんは、呼ばれるとヘリで上まで行く。
 でも、われわれは天気の悪いときを狙っているんだから、そういうときにはヘリが飛ばないんだ(笑)』


 この映画『聖職の碑』の舞台は、いまから100年ほども前の8月27日の朝のことでした。
 11月14日マルセル・プルースト『失われた時を求めて』第1部刊行。自費出版だった…ウイキより。へえぇ〜、そんなムカシのことなのですね。その翌年、東京駅が、そして日本橋三越本店が落成、世界に目を向ければ第一次世界大戦勃発!

小説「聖職の碑(いしぶみ)」で知られる1913(大正2)年の中央アルプス駒ケ岳の遭難で、中箕輪尋常高等小学校(現箕輪中学校)の登山を率い、死亡した赤羽長重(ちょうじゅう、1871-1913)校長の遺品展が、伊那市創造館で開かれている。
 遭難時に着用していたとされるサングラスやシャツを展示。人となりや教育方針も紹介している。
 同館によると、赤羽校長は県内で教壇に立つ一方、文学や社会政策の通信教育を受け、新しい知識を得ようとしていた。
 遭難した登山では、携行品など登山計画を書いた冊子を子どもたちに配布。
 展示された冊子には、登山を通して自然や道徳を学ばせようとしていたことをうかがわせる記述もある。
 捧(ささげ)剛太館長(52)は「100年前であっても、赤羽校長は登山の安全に気を使っていた。その人となりは現代に通じる部分がある」と話している

(2011年8月5日付け信濃毎日新聞、「聖職の碑」 伊那で校長遺品展より)
http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/node_192489

 伊那市にある創造館(伊那市荒井3520 Tel 0265-72-6220)では、8月3日水曜日から9月4日日曜日まで、≪赤羽校長の眼鏡≫展が開催されています(入場無料)。
 赤羽長重は、この木村大作がキャメラを回した映画『聖職の碑』では鶴田浩二が演じた旧中箕輪尋常高等小学校長なのです。
 今回、駒ケ岳集団登山の遭難の際に着用していたものと伝えられている眼鏡やシャツを中心に、関連資料から教育者・赤羽長重の人物像とその教えを探る内容とのことです。下のウエブサイトのPDFファイルを開いてぜひお読み下さい。下↓参照:
http://www.inacity.jp/view.rbz?nd=1288&of=1&ik=1&pnp=47&pnp=379&pnp=1288&cd=10065

 この遭難の話しは、深田久弥の『日本百名山(1964年、新潮社)』「木曽駒が岳」にも出てまいります。

 山歩クラブ7人の侍は、今回の雨、風、霧という三重苦の天候不順で、遭難を避けようと8月22日月曜日に下山し、普段だったら予定行程を組めないときこそチャンス、とその山域をめぐるプチ旅をするのですが、伊那市創造館に向かうにも、アシがなく断念しましたね。
 それでも「朝キン」で鍛えたアシの持ち主であるヤッホー君だけは、駒ヶ根商工会館1階で新宿行き高速バスの予約し直しをしている間に、安楽寺、三和森公園と歩いていたそうです。

posted by fom_club at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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