2011年08月17日

生き延びる知恵と力

 8月17日朝日新聞朝刊の文化欄にノーベル文学賞大江健三郎(1935年愛媛県生まれ)の「定義集【広島・長崎から福島へ向けて】」というコラムがありました。

『「20世紀は人為的に作り出した核エネルギーで殺人を行なった世紀です。これは種族としての人の命のつながりを絶つことです。人体に与える影響を知りながらそれを行動として行なった科学者や為政者を僕は許せません」とS医師がいった』

 S医師とは肥田舜太郎先生で1917年広島生まれ、大江健三郎が引用した箇所は林京子(1930年長崎市生まれ)『被爆を生きて−作品と生涯を語るー』(発行日は2011年7月8日、岩波ブックレット)。

 肥田舜太郎先生が内部被爆を語る動画はこちらでぜひご覧下さい。『2011/04/24 原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ』からです。
http://www.youtube.com/watch?v=tCV3beH_IWI

 そして林京子さん。
長崎での被爆体験を描いた小説「祭りの場」で芥川賞を受賞した作家・林京子さんへのインタビューがブックレットになりました。
 このブックレットについては1年程前からご相談していたのですが、実際にインタビューが行なわれたのは、東日本大震災、そして福島原発事故が起きた後の4月でした。
 林さんは、ご自身の経験を個人的な経験にとどめることなく、人間全体にかかわる問題として深く掘り下げ、書き続けて来られた方です。
 その「核と人間」の問題が、最悪の形で我々の眼前に突きつけられた今、一人でも多くの方に林さんの言葉にふれていただきたいと思っています

(上掲ブックレットの聞き手、島村輝(フェリス女学院大学文学部日本文学科教授)
http://www.ferris.ac.jp/educations/research-activities/teacher-works.html

 6月23日木曜日付け日本経済新聞16面にも、林京子さんは登場しておられました:
私は1945年8月9日に被爆したひとりの被爆者の目で大震災後、原子力発電所の事故を見てきました。
 今、感じるのは全身が震える程の絶望と憤怒、落胆です。
 ああ、この国は確かに被爆国であった。
 なのに、何も学習していなかったのだと。
 事故の後、最初に『内部被曝』という言葉がニュースから聞こえてきたときは涙があふれました。
 私たちは60年以上もそれと闘ってきたのですから。
 
いったい何て国だろう…
 友人たちの死は何だったのだろう…

 あんなに打ちのめされたことはありませんでした。
 放射能の影響は、何十年たって現れるかわかりません。
 住民の健康調査をきちんとしてほしい。
 必要ならどこまでも逃げるべきだし、もうすでに独自の線量を測る人がいるように、自分の身は自分で守る覚悟が必要です


 ぜひ全文をお読み下さい。
 こういう貴重なブログのメッセージを教えてくれる、庶民もたしかにおられます。 

 「バビントンなピアノライフ」さん:
http://babington.exblog.jp/m2011-08-01/
 「里山のフクロウ」さん:
http://minoma.moe-nifty.com/hope/2011/07/post-b159.html
 「Shima教授の生活と意見」さん
http://blog.livedoor.jp/insectshima/archives/52305257.html

 朝日新聞の大江健三郎のコラムの副題は、『庶民、生きのびる力を得る』

posted by fom_club at 19:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
林京子さんの『被爆を生きて』の聞き手を務めさせていただきた、フェリス女学院大学の島村と申します。丁寧にお読みいただき、ご感想ばかりでなく、他の方のブログでの感想までご紹介いただき、心から感謝いたします。林さんと一緒にこうした仕事をすることができて、巡り合わせを有難く思っています。

折角ですので、もう一つ感想のアップがあったブログ「地底人のひとりごと」をご紹介させていただきます。

http://blog.goo.ne.jp/titeijin30-03/e/b635658b3a766133065ebd15c047f46c

安全・安心で平和に生きていける世の中がくるよう、微力ながら尽くしたいと思っています。よろしくお願いします。
Posted by 島村 輝 at 2011年08月19日 10:52
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