2019年12月03日

平塚正幸「東京カカオプロジェクト」

 東京・小笠原諸島で栽培されたカカオを使ったチョコレートが誕生した。
 その名も「TOKYO CACAO」だ。
 埼玉県草加市の平塚製菓が、国産カカオチョコの夢を16年かけ実現させた。
 2019年10月24〜30日、東京都渋谷区の渋谷ヒカリエ(渋谷ヒカリエ ShinQs/B2フードステージ/渋谷区渋谷2-21-1-B2階ShinQs Food内)で限定販売する。

 開発のきっかけは2003年。
 同社の平塚正幸社長(69)がアフリカ・ガーナを訪れ、幹にぶら下がる立派なカカオの実に感動したことだった。
「メード・イン・トーキョー」の発信力と高温の気候から、小笠原を挑戦の地に選んだ。

 2010年に初めて種を千粒植えたが、全滅。
 諦めかけた時、母島でレモンなどの栽培を手掛ける「折田農園」と出合った。
 協力して栽培方法を研究し、日照が調整できるビニールハウスも整備した。

 こうした取り組みが結実し、3年後にカカオの収穫に成功。
 実から取り出した豆の発酵や乾燥の方法も試行錯誤し、2015年にチョコが完成した。
 現在は500本の木を育て、商品化に必要な年間1トンの豆を確保できるようになった。

 チョコは少し酸味が効いたフルーティーな味わい。
 来年以降も秋に販売する計画で、平塚さんは「さらに収穫量を増やし、おいしさを追求していきたい」と話している。

 一箱二枚入りで3000円(税別)。
 二万箱限定で、一人十箱まで購入できる。
 特設サイトで予約も受け付けている。
 問い合わせは、平塚製菓=埼玉県草加市八幡町628、フリーダイヤル(0120)553550=へ。


[写真]
「TOKYO CACAO」と、小笠原産カカオの実を手にする平塚さん=埼玉県草加市で

東京新聞・朝刊、2019年10月22日
できた!夢の東京産カカオチョコ
10月24日から限定販売

(近藤統義)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019102202000140.html

interview(平塚製菓株式会社 平塚 正幸)

夢見ることの大切さを伝えたい

 東京カカオプロジェクトは、チョコレート屋のおやじの夢なんです。
 カカオを日本で育ててみたい、そのカカオでチョコレートをつくってみたいという、いわば私のわがまま。
 私は経営者ですから、普段は会社の利益率や現場の効率に頭をめぐらせています。
 でもそれだけでは正直つまらない。
 夢がなくちゃいけません。
 まわりからどれだけ無謀だと言われても、夢見たことのために工夫し努力する。
 そうすることで、視野は広がり、知見は深まり、新しい人間関係も生まれます。
 そして何より、できなかったことができるようになるわくわく感。
 若い人にもこの感覚を伝えていきたいなと思います。
 このプロジェクトを通じて、私の夢はさらにひろがっています。
 東京産カカオでつくったチョコレートは、きっと新しい「日本らしさ」になる。
 引き続き国内一貫生産で世界に恥じない品質を追求していきます。


カカオを日本で育ててみたい、というシンプルな想い。

 平塚製菓の社長である平塚正幸は、カカオ農園の視察のため2003年にガーナを訪問しています。
 カカオの実が幹から直接鈴なりになっている様に驚き、日本ではほとんど知られていない果物に興味を持ちます。
 最初は「うちの庭に1本あったら」と考える程度。
 でも日本でカカオを育てるには?と調べたり考えたりするうちに、興味は具体的なプロジェクトへとふくらみました。
 2006年にはベトナムのカカオ農園を訪問。
 生産者としての立場と視点での視察でした。

Made in TOKYOのチョコレートなら、きっと世界が驚く。

 通常、カカオは赤道を挟んで南北緯20度以内の地域で栽培されます。
 国内でも平均気温の高い地域がいくつか候補にあがる中、栽培地として選んだのは小笠原諸島。
 成功すれば、Made in TOKYO として世界に日本産カカオを発信できます。
 社長自ら小笠原諸島の役場を訪ね、共に栽培に取り組んでくれる地元の農家さんを探しました。
 プロジェクトに興味を持ったり、協力してくれる人が増え、国産カカオの夢はより具体的に進んでいきます。

最初の大きな挫折

 まずは種が必要です。
 そのため生のカカオを手に入れる必要がありましたが、輸入の前例がありません。
 輸入許可を得るため検疫などの各種手続きや申請に奔走し、やっと生カカオを入手。
 そこから種を取り出し、1,000粒以上を畑に植えました。
 発芽したのは167本。
 好スタートと思っていたのですが、すべて枯れてしまいます
 気候条件はクリアしていたため、原因は不明。
 日本でのカカオ栽培は、やはり簡単なものではありませんでした。

折田農園との出会い

 プロジェクト存続の危機に直面していたとき、折田農園さんに出会います。
 母島で初めてマンゴーの栽培に成功した折田さんは、小笠原の気候を知り尽くしているとともに、困難を乗り越えるチャレンジ精神にあふれた人でした。
 改めて折田さんとともにインドネシアのカカオ農園を視察し、栽培計画を再構築。
 東京カカオプロジェクトは大きな推進力を得て再始動しました。

土壌の徹底的な整備とハウス建設

 カカオにとって最適な土壌をいちからつくり直すことに。
 本土からショベルカーなどの重機を輸送し、開墾とともに水はけのよい土壌を整えます。
 また台風が多く海風も強い小笠原では屋外での栽培は難しいと判断し、ハウスを建設。
 直射日光に弱いカカオのために可動式の屋根を備えたもので、通常よりも背が高い特注品。水
 やりや温度調節など試行錯誤しながら、新しい土壌とハウスで苗は順調に育ち、木もどんどん太く大きくなっていきます。

いよいよカカオの実をチョコレートに

 2013年10月に初めてカカオの実が収穫でき、その後少しずつ収穫量が増えたため、カカオをチョコレートへと加工する工程に取り組むことに。
 そもそもカカオは、中の種を発酵・乾燥させた状態で輸入するのが当たり前でしたから、国内には発酵・乾燥の事例や資料がほとんどありません。
 どのような菌で発酵するのか、どのくらいの温度で発酵するのか、すべて試しながら、研究しながら進めることになります。
 何度も何度も試す中で、ようやく納得できる発酵にたどり着いたのは、研究開始から2年後のこと。

他のチョコレートにはない東京カカオらしい風味を実現

 収穫されたカカオの実は、毎週小笠原諸島からの船便を使ってTOKYO CACAO専用の加工場へと運ばれてきます。
 そしてすぐに新鮮な種を取り出し、発酵・乾燥させ、焙煎、ミリングなどを経てチョコレートに。
 とれたてのフルーツのような豊かな風味と酸味は、まさに東京カカオならではのもの。
 土壌を整え、種から育て、花が咲き、実が大きくなり、ひとつひとつの収穫から、発酵・乾燥の加工まで、すべてを一貫して国内で実現したかけがえのないチョコレートが誕生しました。


https://tokyo-cacao.com/

 11月14日(木曜日)に、史上初となる東京産カカオを使用したチョコレート「TOKYO CACAO」の販売を開始した平塚製菓株式会社の皆さんが、表敬訪問に訪れました。

 平塚製菓株式会社は、戦後にチョコレートの製造をはじめ、1936(昭和11)年には、現在地である草加市八幡町に自社工場を構えました。
 自社工場では、チョコレートやクッキーなどの洋菓子のOEM製造をされているほか、併設のファクトリーショップには期間限定スイーツや、訳あり品、お得な商品など工場直売店でしか買えない商品がラインアップされています。

 11月1日から2万個限定で販売が始まった「TOKYO CACAO」は、「東京産チョコレート作ってみたい」という平塚正幸代表取締役の夢を9年越しに実現したもの。
 東京都小笠原村(小笠原諸島母島)で栽培しているカカオを使用していることから、その名がつけられています。

 近年のチョコレート界のトレンド、「Bean to Bar(単一産地のカカオ豆から作る板チョコ」を超える商品を目指そうと、カカオの栽培から実の発酵・乾燥・焙煎、チョコレートの製品化までを全て国内で手掛ける「Soil to Bar」を目指した「TOKYO CACAO」は、平塚製菓株式会社の夢と作り手のこだわりがつまった、今しか味わえないこだわりの逸品。

 販売開始に当たり、平塚正幸代表取締役は「見よう見まねから始めたカカオ栽培がようやく実を結び、永年の夢だった純国産・東京産のチョコレートを販売することができました。全てを自分たちの手で手掛けた『TOKYO CACAO』の風味を楽しんでもらいたい。」と笑顔で挨拶されました。

 浅井昌志草加市長は、「平塚製菓さんにしか作れない、大人の味のチョコレートです。苦難を乗り越えて夢を実現されたことに敬服の思いです。夢を持ちながら頑張るそのマインドを多くの人びとにも伝えてもらいたいと思います」とお祝いの言葉を述べました。


[写真ー1]
写真左から平塚製菓株式会社 平塚正幸代表取締役、浅井昌志草加市長、同社 平塚みどり常務取締役

[写真‐2]
小笠原諸島母島で生産されたカカオから限定生産される「TOKYO CACAO」。カカオ70%配合で、力強い果実の香りとマイルドな風味が特徴

埼玉県草加市公式サイト、2019年11月22日
史上初!東京産カカオを使用したチョコレート平塚製菓「TOKYO CACAO」販売開始
http://www.city.soka.saitama.jp/cont/s1002/010/010/090/PAGE000000000000062533.html

posted by fom_club at 17:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The strange tale of Japan’s prime minister

TOKYO − The guest list for a controversial state-funded party? Shredded.

Lists of visitors to the prime minister’s office? Shredded.

Journals showing the dangers encountered by Japan’s Self-Defense Forces on duty in Sudan and Iraq? Initially said to have been shredded, although they were later rediscovered.

Important papers relating to a school scandal that threatened to bring down the administration of Prime Minister Shinzo Abe? Some falsified, some shredded.

The Abe administration’s secretive approach to government papers − and an industrial-size shredder that can dispose of 1,000 pages of official documents in a single load − is dominating the headlines in Japan this week, as the opposition and media cry foul.

Abe became Japan’s longest-serving prime minister last week, but his approval ratings are falling on accusations that he used an annual state-funded party over the cherry blossom season to invite hundreds of his supporters and cronies.

On Monday, a group of opposition politicians tried unsuccessfully to gain access to the Cabinet Office to see a massive shredder, reportedly the Nakabayashi NSC-7510 Mark III, that has become the symbol of government coverup in Japan.

Initially turned away, they came back on Tuesday to test the machine and discovered that it could shred an 800-page guest list in just over 30 seconds. On its website, Nakabayashi boasts that the shredder can dispose of 550 kilograms (1,200 pounds) of paper in an hour.

Smaller shredders exist in each department of the Cabinet Office, officials say.

“One wonders just how many pages of official documents are being fed into those machines every day in Kasumigaseki, the seat of Japanese bureaucracy,” the Asahi Shimbun newspaper said in a scathing front-page commentary. “Whenever a scandal surfaces, the bureaucrats’ go-to excuse is that all pertinent documents have been ‘discarded’ or ‘cannot be located.’ Perhaps this is what they have to say to survive under the Abe administration.”

Opposition politicians argue that the guest list for an annual party held by the prime minister to observe cherry blossoms in Tokyo’s Shinjuku Gyoen National Garden in April had grown to an unsustainable size, with 15,000 people invited at a total cost of 55 million yen ($500,000) and with members of the ruling Liberal Democratic Party being rewarded with tickets.

They alleged that members of organized crime groups have been invited − as well as a businessman whose former company has been accused of defrauding the elderly through an investment scheme − to mix with politicians, diplomats, celebrities and other public figures under the blossom-laded trees. Concerns also have been raised about a reception held at a Tokyo hotel on the eve of the outdoor party.

On May 9, Japanese Communist Party member Toru Miyamoto requested that the guest list for the party be released, only to be told that it had already been destroyed to protect the privacy of the invitees.

Now, it has emerged that the 800-page document was shredded on May 9, the same day Miyamoto asked for it, with the electronic record deleted before that day.

Pure coincidence, the government insists: The shredder has to be booked in advance and simply cannot be used at a moment’s notice.

“If we can confirm the guests include people who are not qualified, there is a possibility that such an act could be illegal. In that sense, the list is part of evidence,” said Takahiro Kuroiwa of the Constitutional Democratic Party of Japan, who is part of an opposition team investigating the issue.
In the United States, the Presidential Records Act stipulates that all papers touched by the president have to be preserved as historical records and sent to the National Archives. But there is a different problem in Washington: President Trump’s enduring habit of ripping up papers and throwing them in the trash, according to Politico, which reported that a team of people is tasked with piecing the fragments back together.

Japan has long lagged behind other Western democracies such as the United States in terms of freedom of information, but it did pass a “Law Concerning Access to Information Held by Administrative Organs” in 1999.

The problem, critics say, is that the Abe administration has been systematically breaking those rules and rolling back the law’s provisions since he took office in 2012.

“It seems to be a recurring pattern of tampering with and destroying documents to hide inconvenient facts,” said Koichi Nakano, a professor of political science at Sophia University in Tokyo.

“Also, they seem to have been changing the rules in the other direction, pushing back the clock and also trying to find ways to get away with not being so forthcoming about public records,” he said. “And so this is a mixture of rule-breaking and also rule-changing.”

Nakano said this is partly a result of the personalized control of the government and bureaucracy that Abe is able to exert after more than seven years in power. But it is also a function of the prime minister’s personality, one that just becomes more apparent the longer he stays in power, he said.

“It is a sign of the prime minister’s hubris,” Kuroiwa said.

Although Japanese law stipulates that, in principle, government documents should be kept for at least a year, it allows bureaucrats discretion to destroy them before that date if deemed appropriate. That is one of the problems for the opposition, Kuroiwa said.

Earlier this month, Abe abruptly announced that the cherry blossom viewing party would be suspended next year pending a review. But that announcement has apparently not restored public trust.


The Washington Post, November 27, 2019 at 8:13 p.m. GMT+9
The strange tale of Japan’s prime minister, official documents and a very large shredder
By Simon Denyer and Akiko Kashiwagi
https://www.washingtonpost.com/world/asia-pacific/the-strange-tale-of-japans-prime-minister-official-documents-and-a-very-large-shredder/2019/11/27/f5cf5276-10e8-11ea-924c-b34d09bbc948_story.html

 国の税金を使って、首相が主催する「桜を見る会」をめぐる疑惑が深刻化している。

 政権幹部らの後援者を大量に招待して「私物化しているのではないか」という問題に加え、マルチ商法で知られる「ジャパンライフ」の元会長が招待されたり、反社会的勢力の関係者が参加したりしていた疑惑まで浮上している。

 政府は、公文書である招待者名簿を廃棄したことを盾に説明を拒んでいるが、税金の使われ方は、民主主義の根幹にかかわる。
 政府は、国民から預かった税金を公正に使用していることを説明する責任を負っており、今の政府の姿勢はその責任を放棄していることにほかならない。
 政府は、電子データの復元などあらゆる手段を講じて、国民・市民の疑問に答えるべきである。

 とりわけ、主催者であり、多くの招待客を招いている首相の説明責任は重い。

 安倍首相は11月15日に記者団のぶら下がり取材に応じ、「桜を見る会」前夜に行われた後援会の懇親会費について、政治資金収支報告書に記載のないことは「政治資金規正法上の違反には当たらない」と主張した。
 しかし、明細書などの合理的な裏付けは示されず、その後、記者団が投げかけている追加の質問にもほぼ応じていない。

 また、15日に官邸で行われたぶら下がり取材は、開始のわずか約10分前に官邸記者クラブに通知されたものだった。
 今回の問題を取材している社会部記者や、ネットメディア、フリーランスなどの記者の多くは参加することが困難で、公正さを欠く取材設定だった。

 新聞労連は2010年3月に「記者会見の全面開放宣言」を出している。
 そのなかで示した「質問をする機会はすべての取材者に与えられるべきだ」との原則に基づく記者会見を開き、説明責任を果たすことを求める。
 記者クラブが主催する記者会見の進行を官邸側が取り仕切ることによる問題が近年相次いでいる。
 公権力側が特定の取材者にだけ質問を認めたり、一方的に会見を打ち切ったりするなどの、恣意的な運用のない状態で、オープンな首相の記者会見を行うべきである。

 また、多岐にわたる疑惑を確認するには、十分な質疑時間の確保も必要だ。
 報道機関の対応にも厳しい視線が注がれており、報道各社は結束して、オープンで十分な時間を確保した首相記者会見の実現に全力を尽くすべきだ。

 2011年に民主党政権の菅直人内閣が平日に官邸で行われていたぶら下がり取材を中止して以降、首相に対する日常的な記者の質問の機会がなくなった。
 記者会見の回数も減少している。
 官邸の権限が増大する一方で、説明の場が失われたままという現状は、民主主義の健全な発展を阻害する。
 国民・市民の疑問への十分な説明を尽くすと共に、今回の事態を契機に、首相に対する日常的な質問機会を復活するよう求める。

2019年12月2日 
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 南  彰

新聞労連(日本新聞労働組合連合) 、2019年12月2日
労連声明:オープンな首相記者会見を求める
http://shimbunroren.or.jp/20191202-statement/

posted by fom_club at 08:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする