2019年10月17日

ダムスキー・デマゴギーやスーパー堤防デマゴギーは、防災投資を歪め人を殺す殺人言論

 今日10/14(月)の茨城新聞2面記事([写真]参照)。
 台風19号で緊急放流した
・ 国管理の美和ダム(長野県)、
・ 県管理の高柴ダム(福島県)、
・ 県管理の水沼ダム(茨城県)、竜神ダム(茨城県)、
・ 県管理の塩原ダム(栃木県)、
・ 県管理の城山ダム(神奈川県)
の6ダムは、事前の水位調節を実施していなかった。
 国土交通省は対応が適切だったかどうか調べる方針。

[写真]
https://pbs.twimg.com/media/EGzWSe2U4AEdFnl.jpg
午前10:33 ・ 2019年10月14日

「人災ではないのか」――。
 台風19号の豪雨で水位が上がったダムの「緊急放流」を巡り、こんな声が出始めている。
 国交省によると、全国52河川73ヶ所で堤防が決壊。
 神奈川県の相模川の支流では、親子が増水した川に流され死亡する事故が発生した。
 被害拡大の背景には、治水事業に関する“行政の怠慢”が透けて見える。

「緊急放流」は異常洪水時防災操作と呼ばれ、ダムの貯水量が豪雨などの影響で満杯になった場合に、流入量と同じ量の水を放出する措置のこと。
 要するに、ダムの決壊を防ぐため、ダムからあふれた水を川に流し込む操作だ。

 国交省によると、今回、緊急放流は2019年10月12日夜から13日未明にかけ、国が管理する美和ダム(長野)や県が管理する城山ダム(神奈川)など計6ヶ所で実施された。
 相模川上流の城山ダムでは12日午後9時半から緊急放流が行われたために水位が上昇。
 相模川支流の串川では同日午後10時半ごろ、家族4人が乗った車が転落し、全員が遺体となって発見される事故が起きた。

■ 西日本豪雨の教訓を生かせず

「緊急放流」と死亡事故との因果関係は不明だが、昨年2018年7月の西日本豪雨でも同様の事故が発生している。
 愛媛県のダムを緊急放流した後、河川が氾濫し、浸水被害が拡大。
 9人の犠牲者が出たのだ(ヤッホーくん注)。

 この被害を受け、国交省は昨年2018年12月、「異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」の提言を公表。
 有識者が<直ちに対応すべきこと>として、次のように指摘している。

<あらかじめ利水者の理解や協力等を得て、洪水貯留準備操作(事前放流)の充実を図り、より多くの容量を確保すること>

 これはダムが満杯になってから慌てて放流するのではなく、事前に余裕を持って放流して備えておくことを勧めている。
 ところが、国交省によると、「緊急放流した6ダムでは事前の水位調節(事前放流)はしていなかった」(水管理・国土保全局河川環境課)というのだ。

「事前放流は、発電や工業、農業などの目的で河川水を利用する利水者との協議が必要です。事前放流後に水位が回復しなければ、利水者との権利問題が発生してしまうからです。なぜ、6ダムで事前放流が実施されなかったのかは不明です」
(前出の河川環境課)

■ ダムに依存した治水事業

 国交省はあくまで、事前放流できる環境を整えてきたと説明するが、西日本豪雨災害の教訓を生かせず、今回も緊急放流に踏み切ったとすれば「人災」と批判の声が出るのも当然だ。
 ダム建設などに反対している水源開発問題全国連絡会の遠藤保男共同代表もこう指摘する。

「緊急放流はダムで抑え切れなくなった水があふれ出ることと同じなので、本来なら、ダムの水が流入する河川の治水整備を優先しなければならない。そもそも、国がダムに依存した治水事業を進めてきたのが間違いなのです。川の容量の限界にダムからあふれた水が加われば、決壊するに決まっています。ダム優先の治水計画の“しっぺ返し”ですよ」

 国や自治体の怠慢によって、犠牲を強いられるのは国民だ。


[写真]
神奈川県相模川の支流では、親子4人が亡くなった

日刊ゲンダイ、2019年10月17日 09時26分
台風19号“緊急放流”6ダムで事前放流せず
国交省・自治体に問われる重大責任

https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-438179/

(ヤッホーくん注)

 昨年2018年7月の西日本豪雨で緊急放流をした鹿野川(かのがわ)ダム(愛媛県大洲市)をめぐり、住民グループ「ダム放流を考える大洲市民の会」(代表=奥島直道弁護士)は2019年10月15日、大規模な浸水被害に責任があるとして、ダムを管理する国などを相手取り、損害賠償を求める訴訟を年内にも起こす方針を決めた、と発表した。

 鹿野川ダムは昨年2018年7月7日、満水に近づいたため緊急放流を実施。その後、肱(ひじ)川流域の大洲市で約3千戸が浸水し、5人(災害関連死1人含む)が死亡した。
 奥島代表は「なぜ事前放流をしっかりして大量の放流を避けようとしなかったのか。放流や浸水範囲についての情報提供は十分だったかなどを問いたい」としている。
 現在、原告予定者は奥島代表ら5人。
 今後、肱川の流域住民に訴訟への参加を呼びかけ、年内に第1次訴訟を起こすという。

 国土交通省四国地方整備局の担当者は「緊急放流は規則に基づいて行った。当時の操作について、これからも住民に丁寧に説明していきたい」としている。


[写真]
西日本豪雨の際に緊急放流した鹿野川ダム=愛媛県大洲市

朝日新聞、2019年10月15日21時27分
西日本豪雨の緊急放流巡り提訴へ「国に浸水被害の責任」
(亀岡龍太)
https://www.asahi.com/articles/ASMBH5W1FMBHPTIL02D.html

 前回、10月12〜13日にかけて関東甲信越奥州に大被害を及ぼし、現在も進行中の台風19号による災害についてそれに便乗したデマゴギーの一つ目を紹介し批判しました。

2019.10.16
被害収まらぬ中飛び交う「ダム翼賛論」が間違いである理由
牧田寛
https://hbol.jp/204207

 今回現れた災害便乗デマゴギーは多種多様に及んでいますが、その代表的なものをあと二つご紹介します。

「八ッ場ダムは素晴らしい、ガンダムだ」という幼稚な翼賛デマゴギー

 関東地方直撃から一夜明けて13日になると各地で深刻な水害と被害が明らかになり始めました。
 災害は、とくに夜間に起きた場合被害の深刻な場所からの情報が発信されにくくなり、夜が明けるまで被害状況が分かりません。

 13日朝の時点で関東甲信越、奥州での甚大な水害被害が明らかとなり、「ダムに感謝」などと言うお気楽な言説は通用しなくなり始めました。
 そこに美味しいネタが転がり込みました。

◆ 鉄橋、渓谷沈みゆく古里 八ッ場ダム水位38メートル上昇(2019/10/12 読売新聞 群馬地域ニュース)

◆ 八ッ場ダム、一気に「満水まで10m」……台風で54m上昇(2019/10/13 読売新聞 全国ニュース)

 八ッ場ダムは、この10月に試験湛水(たんすい)をはじめ、38mの水位になった時点で台風19号の影響で大雨となり、13日朝までに347ミリの雨で54m水位が一挙に上がり、満水位から10mを残すまでになったと報じられました。
 本来は3ヶ月かける湛水が1日半で満水位近くまでなされたことになります。

 記事そのものはどうと言うことも内容ですが、「ダムスキー・デマゴーグ」達は早速これに飛びつき、暴虐の限り暴れ回りました。

 八ッ場ダムは無敵だの八ッ場ダムに感謝しろだの、しまいには八ッ場ダムはガンダムだとまで言いつのる始末、その余勢でダム懐疑派の市民団体や市民へ集団ストーカー行為まで行っています。

 この記録は、八ッ場ダムがガンダム無双を意味するのでしょうか。

へそで茶を沸かす「八ッ場ダム無双」論

 結論は正反対、八ッ場ダムの投資効果の著しい低さと脆弱性を意味しています。
 ガンダムどころか宇宙に放り出された丸裸のフルチン兵隊です。

 今回は試験湛水中で精々38mの水位でしたが、それが1日半で満水位寸前まで水位が上昇すると言うことは、八ッ場ダムは集水面積に比して貯水能力が著しく不足していることを意味します。

 今回も仮に通常水位で事前に水位を下げていたとしても多目的ダムであるために水位低下には限りがあります。
 その状態ですと、今回の豪雨では短時間で「ただし書き操作」(緊急放流)に追い込まれた可能性があります。

 また利根川水系における八ッ場ダムの治水寄与は中流で10〜15cm程度、下流では5cm程度であることはよく知られており、今回八ッ場ダムの治水効果が最大限発揮されたとしても全く意味がありません。
 利根川は、既存の治水設備、施設によって氾濫を起こした栗橋近辺(渡良瀬川合流点)以外は1m程度の余裕がありました。
 栗橋近辺の氾濫については、八ッ場ダムがあっても無くても無関係とされています(*)し、実際、氾濫してしまっています。

<(*)但し、正確には今後の分析が待たれる>

 そもそも論として、きわめてパラメータ(変数、ここでは条件のこと)が多い治山治水において、現在進行中の洪水に対して翌日には「八ッ場ダム無双」などと言い出すのは、たんなる「夢想」であって、「へそで茶を沸かす」ことです。

 しかも八ッ場ダムが試験湛水開始直後であったのは偶然、「たまたま」です。
 これは福島核災害において「たまたま」工期遅れで四号炉のピットが満水で、「たまたま」ピットのハッチが壊れ、四号炉使用済核燃料プールに水が流れ込み、露天でのジルコニウム火災が起きなかったという奇跡と変わりません。
 この四号炉の奇跡は、合衆国が最も恐れた四号炉使用済核燃料プール溶融による東日本の居住不能化を阻止した僥倖(ぎょうこう)と言うべき奇跡でした。

 「ダムスキー・デマゴーグ」のいう八ッ場ダム無双論は、単なる偶然にただ乗りしたデマゴギーです。
 余りにもビジュアルに影響されやすくチョロすぎます。
 そして八ッ場ダムで今回行われたことは、ダム建設、運用において世界的にきわめて重要とされる教訓を無視しています。

試験湛水をゆっくり慎重に行うのは歴史からの教訓

 筆者は、試験湛水中のダムが一夜でほぼ空の状態から満水になったことを美談と報じるメディアと、それを赫々たる戦果と受け取るダムスキー諸氏が、ダム災害でも最も著名なものの一つ、バイオントダム災害(*)を思い浮かべもしていないことに心底呆れかえります。
 試験湛水をなぜゆっくりと慎重に行うのか、それを忘れ去ってしまえば、ダムは大量殺戮の凶器に転じます。
 従って八ッ場ダム管理事務所の判断は、現状では誤っていると言うほかありません。
 今はたまたま上手くいっているように見えるだけです。

<(*)完成直後、湛水中にダム湖畔で地滑りの見つかったバイオントダム Diga del Vajont では、1963年に突如大規模な山体崩壊が起こりダム湖畔に大量の土砂が流入、ダム湖の水は津波となってダム堤体を乗り越え、下流の集落を破壊し尽くした。死者だけでも2000〜3000人と確定値が出せていない。湛水中の地滑りは、日本国内でも珍しくなく、近くは大滝ダム(奈良県)で異常察知による試験湛水中止の後に発生している。他にもダム湖畔での道路や鉄道の崩落など、国内だけでも枚挙にいとまが無い。
※ 参考文献@ 1963年 バイオントダムの災害 平野吉彦 新潟大学、
http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/11551/1/10_27_0005.pdf
※ 参考A バイオントダム Wikipedia 日本語版>

定番スーパー堤防デマゴギー

 さて最後は、定番のスーパー堤防デマゴギーです。
 これは「ダムスキー・デマゴーグ」で無く「安倍自公親衛隊」が垂れ流しています。

 要は、「スーパー堤防という凄い堤防を建設中止して妨害したのは民主党政権だ。蓮舫議員がその首魁だ。民主党、蓮舫は人殺し」というも
のです。
 毎年洪水が起きると必ず現れる安倍自公親衛隊の定番デマゴギーです。

 荒川下流河川事務所の説明に示されるように、スーパー堤防は、越流による破堤、決壊を抑止する為に堤体後背法面を300m前後ときわめて大きく取ったもので、今回都内で見られた越流(氾濫)に対しては、既存の堤防と全く効果は変わりません。

 日本の堤防は、基本的に土作りで、越流が起きると急速に侵食されて決壊する恐れがあります。
 また、水位が上がるとパイピングと言って堤防の基部を水が通り、侵食して破堤することがあります(*)。

<(*)肱川大水害でも大洲市街地でパイピングが見つかっている。パイピングは、そのメカニズムがまだ正確には分かっていない>

 スーパー堤防は、堤体を極端に太くし、後背法面の斜面を極端に緩やかにすることによって越流時の浸食やパイピングによる浸食を防ぐという単なる物量主義です。

 スーパー堤防デマゴーグが垂れ流すような、越流を万全に防ぐようなスーパーな堤防、おそらく中に巨人がいるような凄い壁は、この世に構想すら存在しません。
 真っ赤な嘘です。
 TVまんがの見過ぎでしょう。

官僚の誇大妄想「スーパー堤防」という世紀の愚策

 そもそもスーパー堤防構想が現れたのは1987年、世紀の愚策であり、日本経済大崩壊の元凶とまで批判されている前川レポート(1986)年に便乗した中央官僚の誇大妄想の産物に過ぎません(ヤッホーくん注1)。

 では、現在大水害に見舞われている千曲川沿線はスーパー堤防があれば助かったのでしょうか。
 答えは否です。

 防災土木の誇大妄想と言うべきスーパー堤防は、1987年計画開始時に利根川、江戸川、荒川、多摩川、淀川、大和川の五河川873kmが対象で千曲川や肱川などの河川は一切対象ではありません。

 スーパー堤防は、幅700m〜1kmを河川沿いに延長延長数十から100km以上の人口丘陵の上に集団移転するものです。
 しかも一度更地にして再開発しますので、都市は根こそぎ10年単位の期間、機能を失います。

 人口密集地でこのようなことを行うのはシムシティ(SimCity、都市開発シミュレーションゲーム)では可能ですが、現実には不可能です。

 この中央官僚の誇大妄想と言う他ない「リアル・シムシティごっこ」こと高規格堤防(スーパー堤防)事業は、事業開始22年後の2009年に事業進捗率僅か1%という惨状でした。
 これは、事業完成までに単純計算で2000年かかることになり、防災事業としては完全に無意味です。

 結果、民主党政権による事業仕分け対象となり、当然事実上の事業廃止となりました。
 ところが、野田政権によってこの誇大妄想は総延長120kmと大幅に事業縮小の上で復活し、今も防災資源を蚕食(さんしょく)しています(*)。

<(*)実際に予算化したのは安倍政権>

 事業進捗は相変わらず思わしくなく、事業完了は500年後とされています。
 防災事業としては全く無意味です。

 定番スーパー堤防デマゴーグは、否定されれば逃げ、そしてまた同じデマゴギーを垂れ流します。
 面子もいつも決まっていて、人を欺すのが趣味なのか、商行為としてデマゴギーを垂れ流していると思われます。

 そもそもが世紀の愚策、前川レポートの残渣であり、官僚の誇大妄想の産物が防災土木利権で止められなくなった完全に有害無益な代物です。
 そして安倍政権で無く、じつは野田政権が再開を決めた代物です。

 日本の河川土木技術の後進性(過度の保守性)を体現する単なる大艦巨砲主義、後世の笑いものとなるだけでしょう。

防災とは100年の計であり総合的な技術体系である

 防災において、例えば堤防は10年単位、ダムは25年一区切りで整備が行われるものです。

 今回の災害は、とくに都心を見ると、堤防に加えて分水、多数の地上・地下遊水地、排水ポンプ、樋門、防水壁といったさまざまな治水設備が補い合って大水害を防いでいます。
 もちろん利根川水系上流のダム群も「ただし書き操作」に入ること無く、治水を分掌しています。

 別にダム無双やら夢のスーパー堤防やらが決定打となっているわけではありません。
 地道な積み上げが首都の驚くべき治水機能を担っているのです。
 これは300年近い関東における治水事業の成果であって、なにやらムーンショット(ヤッホーくん注2)を狙ったキワモノによるものではありません。
 ビジュアルの弱い地味な事業の集大成なのです。

 そして水は弱いところを狙います。
 今回、多摩川水系が大きな洪水負荷を受けましたが、結果、二子多摩川の世田谷区側が越水しました。
 しかしここはなぜか多摩川下流域唯一の無堤箇所でした。
 無堤箇所や暫定堤防があれば水はそこを突破します。
 多摩川で無堤など言語道断の「自殺行為」であって、死にたく無ければ、財産を失いたくなければ、速やかに堤防を完成すべきです。
 一方でこれに便乗して世紀の愚策であるスーパー堤防を建設するなどといった悪質な便乗行為も許されません

 いまだに継続中である台風19号による関東甲信越奥州広域水害は、歴史的なものになる可能性があります。
 気候変動によって日本は、平安時代末期のように本土の一部が亜熱帯化しつつある可能性があり、今後大きな災害が頻発する恐れがあります。

 一方で防災に割り振れる資源には限りがあります。

 橋本政権による公共投資予算大幅減から下げ続けた防災予算は、菅政権時代に漸く底入れし、安倍自公政権においても菅政権と概ね同水準で推移しています。

 一方で安倍政権では国土強靱化と称して大型事業へ偏重した投資がなされており、今後に禍根を残します。


 ダムスキー・デマゴギーやスーパー堤防デマゴギーは、防災投資を歪め人を殺す殺人言論です。
 このような愚劣なことはいい加減止めにしていただきたいものです。


ハーバー・ビジネス・オンライン 2019/10/17 08:33
八ッ場ダム、スーパー堤防……。
幼稚な翼賛デマは防災・治水を軽視する愚論
◆『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』〜超緊急特集・2019年台風一九号(Hagibis)による水害について−2

<文/牧田寛(まきた ひろし、著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授)>
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/八ッ場ダム、スーパー堤防……。幼稚な翼賛デマは防災・治水を軽視する愚論/

(ヤッホーくん注1)「戦争いらない 多摩市民連合」ブログ
「前川レポート」
前川春雄(1911−1989)元日銀総裁
[参考ウエブサイト]
https://ameblo.jp/tamasiminrengoujimukyoku/entry-12242619715.html

(ヤッホーくん注2)ムーンショット
「ムーンショット型」研究支援という壮大な的外れ
再び失敗へと歩みだす内閣府の科学政策
為政者が「アクティブ運用」するな

伊藤隆太郎 朝日新聞記者(科学医療部)
[参考ウエブサイト]
https://webronza.asahi.com/science/articles/2019062400002.html

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知事抹殺の真実

 2015年5月10日(日)「原発がこわい女たちの会」結成28年のつどいに元福島県知事・佐藤栄佐久氏をお迎えして「原発問題と地方の論理」の講演をしていただきました。
 2006年に汚職事件の追及で知事辞職。
 その後逮捕され2012年最高裁は検察、弁護側双方の上告棄却を決定、有罪が確定した。
 著書に「知事抹殺―つくられた福島県汚職事件(平凡社)「日本劣化の正体」(ビジネス社)等があります。


20150510
佐藤栄佐久氏「原発問題と地方の論理」in 和歌山市
https://www.youtube.com/watch?v=ssZPLw2nlc8

 5期18年務めた福島県の佐藤栄佐久元知事(77)が「謎の収賄事件」で突然、政治生命を絶たれてから10年。
 “冤罪”まがいの「収賄額0円」という前代未聞の有罪判決が確定しているが、なぜ佐藤がつぶされたのか。
 ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」(安孫子亘監督)が2016年11月中旬、福島県を皮切りに全国で上映される。

 佐藤は“福島のとげ”と言われ、地方分権、道州制、そして原発で国に物申す知事だった。
 とりわけ原発に関しては、原発立地県の知事として安全を最優先させ、東電や国に厳しい態度を取った。
 2003年には、トラブル隠しの東電では安全が確認できないとして、東電の原発全17基を稼働停止したこともあった。

 映画には佐藤自らが出演し、ありもしない嫌疑で、最初から“佐藤つぶし”ありきの国策捜査が行われた様子がテンポよく描かれている。

 2016年10月12日の試写会で佐藤は、
「(収監されていた)“巣鴨”から出てきた時以上の気持ちだ。皆さんの顔を見てエネルギーをいただいた。これから本当の戦いが始まる。政治活動などは考えていないが、私はどなたもできない経験をした。それを伝えていきたい」と話した。

 取り調べや裁判の再現、インタビュー中心の映画には、当時の新聞紙面がたくさん使われていたものの、ニュース映像はほとんどなかった。
 安孫子監督が事情を明かしてくれた。

「10年前の事件当時の映像が欲しかったが、貸してくれる放送局がなかった。この件には触れるなという“お達し”でもあるのか、一様に下を向いていた」

 国策捜査と報道の闇についてもよくわかる作品である。


[写真]
試写会であいさつをする佐藤栄佐久元福島県知事

日刊ゲンダイ、2016/10/17 04:37
映画「『知事抹殺』の真実」が描く国策捜査と報道の“闇”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191719/

原発事故のツケが電気料金値上げという国民負担に回される流れができつつあるが、福島県ではいまも復興の道筋が見えてこない。
県知事時代に国の原発政策に異議を唱えた佐藤栄佐久氏(77)に福島の“現在”を語ってもらった。

*  *  *

「たとえ千年かかっても2千年かかっても、元の福島に戻してもらいたい」

 佐藤氏は郡山市の自宅で静かな口調で語り始めた。

 福島県では現在も8万人以上が避難生活を余儀なくされ、福島第一原発の廃炉まで40年もの歳月を費やすと見られている。
 メルトダウンした核燃料(デブリ)の取り出しは困難をきわめ、賠償金や除染費用などの総額は21.5兆円の国の試算を上回る見方もある。

 それでも国は、ひたすら原発再稼働を追求している。
 だが、一方で政府の強硬姿勢にあらがうように鹿児島県と新潟県で“脱原発派知事”が誕生した。
 佐藤氏が力強いメッセージを送る。

「国や電力会社が何と言おうと、県民のための知事なのです。国策に振り回される必要はない。もし電力会社にコントロールされるような人だったら、県民は選ばなかったわけですから。ただし、“原子力ムラ”はすごい力でかかってきますから、そのときこそ、精神力と知事としての真価は試されます。『国といつでもけんかするよ』という意気込みが必要です」

 自らそうした姿勢を体現してきた佐藤氏は、参議院議員を経て1988年、福島県知事選に当選。
 以来、18年にわたって県政に携わってきた。
 しかし、2006年9月、実弟の会社が関与したとされる汚職事件の追及を受け、5期目の途中で辞任。
 同年10月に身に覚えのない“収賄事件”で東京地検特捜部に逮捕される。
 およそ3年間にわたる審理の末、東京高裁が認定したのは「収賄額0円」。
 それにもかかわらず、2012年に最高裁で懲役2年・執行猶予4年の有罪判決が確定した。
 玉虫色の司法判断に対して「国策捜査」ではないか、と疑問視する声が後を絶たなかった。

 事件後、佐藤氏は真相を明かす手記『知事抹殺―つくられた福島県汚職事件』(平凡社)を2009年に出版。
 その著書をもとに自ら出演したドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」が今秋完成し、来年2017年1月から全国で順次、上映会が実施される予定だ。

 映画では、捜査や裁判での尋問シーンが克明に再現されていく。

 佐藤氏や関係者への取り調べは過酷をきわめた。厳しい追及に堪えかねたのか、3人の関係者が自殺を図った。佐藤氏が続ける。

「私は一円のお金も受け取っていません。けれども検察官は自殺者が出たことを伝えてくる。私の支持者や部下がそのような取り調べを受けていると考えると、身を切られる思いがした。メディアも当局の見立てどおりに報じるばかり。検察官の巧妙な誘導もあって、私は虚偽自白をすることで早く事件を終わらせようと考えたのです」

 裁判では否認に転じ、検察側と争う。
 しかし、佐藤氏自身の金銭授受が認定されない収賄額0円の収賄罪で有罪となる。

「事件はあきらかに冤罪です。しかも、原発事故とは無関係ではないのです」

 今回の映画制作を企画した会社社長、三田公美子氏は語気を強める。

「復興とか再生とか言いながら、国は五輪招致に浮かれ、原発事故などまるでなかったかのように振る舞っています。原発にブレーキをかけた知事を辞職に追い込んでいったありさまを思えば、福島の原発事故は起こるべくして起きたのです。私たちは事故が風化することを何より懸念しています。仲間たちが知事のもとに集まり、映画を作ろうという話がまとまっていきました」

 佐藤氏は知事に就任してすぐに福島第二原発の事故に直面した。
 2011年の福島第一原発事故から20年以上も前のことだ。
 事故は隠されたまま、情報は東京電力から通産省(現・経済産業省)、資源エネルギー庁を経てようやく県に伝えられた。
 佐藤氏が振り返る。

「地元の自治体は目の前の原発に何の権限も持たず、情報伝達も一番後回しにされたのです。こんなことがあってはならない。私は『同じ目には二度と遭うまい』と心に誓ったのです」

 その後、東電のデータ改竄や事故隠しが相次ぎ、佐藤氏はプルサーマル許可を凍結。
 2003年4月には福島県内の原発10基が全停止する事態に至る。

「私は、大手メディアから“原発を止めたわがままな知事”に仕立て上げられていきました。首都圏大停電の恐怖をあおり、中央との対立の構図が作られていったのです。メディアも検察と同根です。これが伏線となり、国策捜査へとつながっていったのだと思います」

 佐藤氏の言葉を受け、この映画を監督した安孫子亘氏が語る。

「事件は、栄佐久さんを社会的に抹殺しただけでは済まない悲劇をもたらしました。映画を見て頂いた方に、この事件を裁いてほしい。そして事件がもたらした現実を直視して頂きたい」

 映画の中で、事件の取り調べ時に検察官が関係者に言ったとされる言葉が、象徴的に使われている。

知事は日本にとってよろしくない。抹殺する

 原発事故の責任は誰が負うべきなのか。
 その答えのありかを、この映画は暗示している。

※ 週刊朝日  2016年12月23日号


[写真]
佐藤栄佐久・元福島県知事

dot.asahi、2016.12.16 11:30
収賄額0円の収賄罪…“抹殺”された福島県元知事が“現在”を語る
https://dot.asahi.com/wa/2016121400206.html

 この知事を抹殺してほんとうによかったのか
 今さら言っても仕方がないけど、佐藤栄佐久さんが知事をそのまま続けていれば、原発事故への対応もちがっていたし、福島もいくらかは前に進めていたのに。
 時々福島に戻る僕に、福島の人が同じことを言う。
 いったい、誰が何のために栄佐久さんを抹殺したのかな。
 僕もそれが不思議でならない。
 だって栄佐久さんは原発政策の是非など言ってたこと、ないもの。
 栄佐久さんが繰り返し言っていたのは、
・ 何があっても県民の安全を第一にする、
・ 地方自治を確立して共生の社会を創る、
・ 福島の美しい自然を未来に手渡してゆく、
それだけだよ。
 今回の原発事故で、それこそ全部抹殺されたけどね。
(西田敏行)


ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」公式サイト
http://eisaku-movie.jp/

https://www.youtube.com/watch?v=ZC78mYQZaoQ

 ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」の佐藤栄佐久元福島県知事、安孫子亘監督、企画の三田公美子さんをお迎えして、映画について語っていただきます。

▼ゲスト:佐藤栄佐久(元福島県知事)
     安孫子亘(映画監督)
     三田公美子(企画室・コア代表取締役、下村満子生き方塾事務局長)
▼聞き手:下村満子(ジャーナリスト)


2017/02/21[知事抹殺]の真実
https://www.youtube.com/watch?v=PbWUyaihZiw

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