2019年10月15日

台風19号 and/or Typhoon Hagibis

 首都圏を直撃した台風19号。

 断水が発生した神奈川県山北町で、到着した自衛隊の給水車に、県が「待った」をかけ、水が捨てられるという信じがたい事態が起きた。

 人口約1万人の山北町は県の最西端に位置する。
 丹沢湖があり、夏はバーベキュー客で賑わう。
 2019年10月12日夜、台風19号は神奈川県を直撃し、山北町で断水が起きた。
 町は、約20キロ離れた駒門駐屯地(静岡県御殿場市)の陸上自衛隊に「翌日(13日)、給水車を要請するかもしれない」旨連絡していた。
 13日朝4時に、自衛隊から「県知事から防衛相に自衛隊の派遣要請をする必要があります。町は県に依頼してほしい。自衛隊としては、給水車3台を午前6時に出発させます」と連絡があった。

 早速、町の防災課が県に依頼すると、マニュアルを盾に難色を示した。
 県のマニュアルによれば、自衛隊の派遣要請は、どうしようもなくなった時の最終手段だが、山北町の状況は該当しないというのだ。

 給水車3台は午前7時少し前に町に到着。
 県と町で押し問答が続いたが、県は最後まで首をタテに振らず、給水車3台の貴重な水は捨てられた。
 結局、県が別途手配した給水車は2台で、到着も13日の午後と遅れた。

町長「目の前にある水をなぜ捨てなければいけないのか」

 山北町の湯川裕司町長(67)が憤る。

「前夜から断水が発生していて、“どうしようもない状況”でした。午前7時に給水車3台が来てくれて、目の前に水があるのに、なぜ捨てなければいけないのか。いろいろと手続きがあるのは承知していますが、ケース・バイ・ケースで対応できないものか。県民が困っているのですから」

 県は13日午後1時40分、自衛隊に相模原市への派遣要請を出している。
 どうして、わずか数時間前の山北町の給水車に、県はかたくなに抵抗したのか――。
 湯川町長は、
「県には、町が余計なことをしたと見えたのでしょう」
と言う。
 県を差し置いて、町が自衛隊と連携したことがおもしろくなかったのか。
 県は、県民の安全よりも、ちっぽけなメンツを優先させたのである。

「県の職員は威張るだけ。いざという時は他人事で何もしません」
(神奈川県政担当記者)

 9月の台風15号では、千葉県の森田健作知事が登庁せず、初動対応も遅れた。

「森田知事は自民党ベッタリのタレント知事。神奈川県の黒岩祐治知事は、菅官房長官に知事にしてもらったような人です。二言目には“官邸とのパイプ”をアピールし、省庁や市町村は無視して好き勝手やっています。菅長官さえ押さえておけば身分は安泰とタカをくくっているのでしょう」
(前出の記者)

災害大国に、森田氏や黒岩氏のような住民不在のポンコツ首長は不要だ。


[写真-1]
神奈川県山北町は前夜から断水、町の交流施設も屋根まで土砂が(同町提供)

[写真-2]
県民不在(黒岩神奈川県知事)

日刊ゲンダイ、2019/10/15 14:50
台風19号で断水 町の自衛隊給水支援に神奈川県が“待った”
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/263282/

The Japanese prime minister has said typhoon shelters "should be open to everyone" - after two homeless people were turned away during the country's worst storm in decades.

Typhoon Hagibis brought heavy rain and winds of 225km/h (140mph) to Japan at the weekend, killing 66 people.

But when two homeless men tried to use a shelter in Tokyo, they were turned away as they did not have addresses.

The case has caused huge debate in Japan - with not everyone sympathetic.

What happened at the shelter?

As Hagibis took hold on Saturday morning, a 64-year-old homeless man went to a primary school, which was being used as an evacuation centre.
The school was in the Taito ward of Tokyo, which includes San'ya - an area historically home to many labourers, and now homeless people.

According to officials who spoke to the Asahi Shimbun, the man was asked to write his name and address. When he said he had no address, he was turned away.

"I told them that I have an address in Hokkaido [Japan's northern island, hundreds of miles from Tokyo], but they still denied me entry," he said.

The man said he instead spent the night under an umbrella beneath the eaves of a building.

"I wanted them to allow me into the facility because the wind was strong and it was raining," he said.

Another homeless man was turned away later that afternoon.

What was the reaction?

As news spread on social media, there was outrage at the shelter's decision.

"Is this a country that's going to host the Olympics in Tokyo? [in 2020]" asked one Twitter user. "People from abroad would see this and think this is a terrible country."

The San'ya Workers' Welfare Centre, a charity, responded by opening as a shelter on Saturday night.

But others were less sympathetic, suggesting "smelly" or "mentally ill" homeless people should only be allowed into shelters if there was a separate space.

"If you claim your rights, do your duties first," said one Twitter user. "Can you sleep next to a stinking person?" asked another.

Prime Minister Shinzo Abe was asked about the case in parliament and said "evacuation centres should let anyone in who has come to evacuate".
"We will look into the facts and take appropriate measures," he added.
The Taito ward said it would review its procedures to help people without addresses in the ward.

'A visible libertarian streak'

Analysis by Yuko Kato, BBC News, Tokyo

Most of 1,126 homeless people in Tokyo dwell in parks, on the streets, and by the river.

Rarely do they mingle with the rest of the population - but the typhoon brought them to the forefront of our consciousness.

On Saturday night, as the torrential rain and huge gusts of wind were coursing through Tokyo, word began to spread about the shelter in Taito.

Many people were immediately outraged. On the other hand, some voiced concerns about hygiene, while others were concerned about the homeless people's mental condition.

Some were simply scared to share the same space with them.

Social media also showed up the libertarian streak that has become quite visible in Japanese public opinion. Some said the homeless shouldn't benefit from public services because they don't pay taxes.

Many rejected this - not just in terms of human decency - but also pragmatically, as the homeless do pay taxes when they buy something.

How many homeless people are there in Japan?

According to a government survey in January, there were 4,555 homeless people (4,253 male, 171 female, 131 unknown) in Japan.

That was 422 people (8.5%) fewer than the previous fiscal year.

Among all the 47 prefectures, Tokyo had the most (1,126 people), Osaka was second (1,064), followed by Kanagawa (899).

According to the Tokyo government survey from the same period, the Shinjuku ward had the most homeless people (117 people, seven fewer than a year before).

The Taito ward was second with 61 people (69 fewer than the previous year).


[video]
More than seven million people were urged to leave their homes

[photo-1]
Cleaning up in Kawasaki, Japan, after the typhoon

[photo-2]
Shinzo Abe speaking in parliament earlier this month

BBC News, 15/10/2019
Typhoon Hagibis: Homeless men denied shelter in middle of typhoon
https://www.bbc.com/news/world-asia-50052615

・ 台風直撃中に出てこない安倍首相
・ 50人以上亡くなってるのに「まずまずの被害に収まった」と言う二階幹事長
・「国に頼らない防災を」と論陣を張るメディア
・ 台風直撃中に出勤させる企業
・ 避難所からホームレスを排除する台東区
・ 上記の愚行に怒りの声を上げない国民
 日本はもう沈んでいる。

7:17 - 2019年10月14日

posted by fom_club at 22:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

是枝裕和監督「アートと助成金」

万引き家族』大ヒット上映中!
https://www.youtube.com/watch?v=vMP3wysydDs

https://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

世界の是枝監督語る『真実』撮影秘話
https://www.youtube.com/watch?v=Ex6nP72t6c8

是枝裕和『真実』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=FFnCOaBNp6M

https://gaga.ne.jp/shinjitsu/

「あいちトリエンナーレ」問題をめぐって、公権力とアートと助成金の関係を問う議論が活発になっている。
『万引き家族』でカンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)を受賞した際、政府からの祝意を「公権力と潔く距離を保つ」と辞退した是枝裕和監督は、今の状況をどう見ているのだろうか。

是枝裕和監督の最新作『真実』が10月11日に公開された。

主演はフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴ。
共演にジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークを迎え、世界のトップ俳優たちと作り上げた意欲作だ。

撮影は、秋から冬に移り変わっていくパリで10週間にわたりおこなわれた。
クルーのほとんどがフランス人で、飛び交う言語は99%フランス語。日本での普段の撮影とは勝手の違う異文化の中で、どんな風に作品を作り上げていったのか。

完全週休2日制を貫くフランス流の働き方。公権力とアートと助成金の関係について。世界を駆ける是枝監督に、今考えていることを聞いた。

100年前から変わらない街で

― ヴェネチア国際映画祭でも上映され、公開前から注目が集まっています。反応はいかがですか?

 僕の映画はどうも暗いイメージが定着しているようで(笑)、「意外に明るかった」と言ってくださる方が多いですね。
 軽やかな読後感の作品にしたかったので、うれしいです。


― パリの街の色彩の美しさが印象的でした。

 本当に美しい街ですよね。
 何百年にわたる歴史の積み重ねがそのまま残っていて。
「100年前からこの街並みはほとんど変わってないんだろうな」と思うと時間の重みを感じました。
 今回はパリに暮らす人々のお話なので、観光客の目線ではないパリを撮ろうとは意識していました。
 なので、観光スポットは意図的に外しています。


フランス流の働き方を通して考えたこと
― 撮影は1日8時間まで、夜間や土日は休み、夏には3週間のバカンス。フランスでの撮影スケジュールは日本とはずいぶん違ったそうですが、いかがでしたか?

 時間的な制約は最初から聞いていたので戸惑いはなかったです。
 非常に優秀なスタッフたちが集まってくれたので効率よく進められました。
 とはいえ、これまで20年間以上やってきたやり方を変えなければならない部分はやはりたくさんありましたね。


― 撮影が早く終わったとしても、編集作業などを含めると、監督の総労働時間は変わらないのでしょうか?

 いえ、そんなことはないですよ、体力的にはずっと楽でした。
 日本だと24時に撮影が終わって午前2時3時まで編集、なんてことはザラですが、フランスでは撮影が午後8時前には終わるので、その後にある程度作業しても午後10〜11時くらいには終えられます。
 フランス人に言わせれば、それでも十二分に働きすぎですが(笑)。
 その上、土日も休みなんでね。
 休みがあることで台本をブラッシュアップしたり、撮影スケジュールを調整し直せたりするメリットもありました。


― なるほど。詰め込みすぎないからこそ効率がいい面もあるんですね。
 
 そうですね。
 でも、調子がいい時は、夜撮影が終わって「もっと球投げられるのに、肩は大丈夫なのに!5回で代えられてしまった!」と若干物足りない気持ちになることはありましたよ。
 それに僕は、日本の映画の現場の寝食をともにして祭をやっていく感じ、文字通り「同じ釜の飯を食う」雰囲気も好きなんですよね。
 もちろん、そういう現場では誰かに負担を強いている面があるのは間違いないのですが。


「変えていかないと、もう無理ですよ」
― フランスの現場を体験してみて、日本の映画の現場でも取り入れたい点はありましたか?

 好むと好まざるとにかかわらず、変えていかないともう無理ですよ。
 続けられない。
 映画という仕事を、若い人たちが選ばなくなっていくと思います。
 同時に、それって映画産業だけでなく日本全体の問題ですよね。
 フランスでは、映画や演劇、音楽産業に関わるアーティストや技術者は、年間507時間以上働くと、最大12カ月の失業保険を受け取れる――要するに、給料がある程度保証される制度があるんです。
 なので、僕の映画が終わったら演出部も制作部もみんなバカンスに3ヶ月とか行くんですよ。
 制度からして、バカンスを目指して働けるようになっている(笑)。
 今回フランス人スタッフと仕事をしたことで、そもそも労働というものへの考え方が根本的に違うと強く感じました。
 僕の中にも日本人的な「勤勉であることが美徳」という価値観は強くあって、「バカンスのために働いている」フランス人とはまったく異なるんですよね。
 単純にどちらがよい悪いではなく、勤勉さがプラスになることもあるし、「美徳」という言葉の下で搾取されることもある。
 いきなりすべてをフランス流に変えろとはもちろん思いません。
 でも現実問題、現場はもう限界なので、これまでと同じやり方で通用していくとは思わないです。


映画は国境を越えられる
―『真実』は色彩や音楽はフランス映画チックなのに、映像の印象は是枝作品で新鮮でした。これは邦画なのか、洋画なのか、そもそもその区分に意味はあったんだっけ……と考えさせられました。

 いいですね。
「これ、何映画?」と観ている人の価値観を揺さぶりたいです。
 日本では、言語の問題もあって日本人が作って日本人が見ることが前提の映画が多いですが、一口に「フランス映画」と言っても作り手にはいろんな人がいますからね。
 映画って国単位で囲えるようなクローズドなものではないはずで。


― 是枝作品は世界中に届いていますが、世界で戦える作品を作ろうという気持ちは強いのでしょうか。

 戦おうとは思っていないですが、国境をなくしていきたい、積極的に越えていきたい……とは思います。
 映画は国旗を掲げて作るものじゃないですから。


公権力とアートと助成金
―『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した際、文科省からの祝意を辞退したこと、そしてそれに関するコメントが話題を呼びました。「公権力とは潔く距離を保つ」という言葉が非常に印象的だったのですが、今「あいちトリエンナーレ」の件で、公権力とアートの関係はまたクローズアップされているように思います。監督は今の状況をどうご覧になっていますか?

 潔く距離を保つというのは、政治に介入させないという意味です。
 映画が「国益」とか「国策」と一体化した過去を反省するなら、それはお互いに守るべき倫理感だと考えています。
 先進国における文化助成は「金は出すが口は出さない、出させない」が大前提なんです。
 そもそも、文化助成は国の施しではないので。
 未来につながる文化の多様性を、私たちの税金でどう担保していくかという話であって、「助成に頼る」「頼らない」という物言いがまずおかしい。
 政府の顔色をうかがう必要は本来ないはずなんです。
 言うまでもなく、介入させてよいはずがない。

 美術も映画も、すべての人が不快に思わないものを作ることはできません。
 むしろ、みんなが心地よく思うものであれば、市場原理の中でも自然にお金が集まっていくはずですよね。
 そうではないものを価値あるものとして、次の時代につなぐために税金を投じる。
 当然そこには「国益」などという刹那的な基準ではなく、100年後を視野に入れた判断が求められます。


― ご自身も助成金をもらう側として、もっとこうあってほしいという要望はありますか?
 今回の『万引き家族』は文化庁の助成金を頂いております。
 ありがとうございます。
 助かりました。
 しかし、日本の映画産業の規模を考えるとまだまだ映画文化振興の為の予算は少ないです。
 映画製作の「現場を鼓舞する」方法はこのような「祝意」以外の形で野党のみなさんも一緒にご検討頂ければ幸いです。
 以上
(是枝裕和 公式サイトより)

 少なくとも映画関連予算は「これをやってくれ」と言いにくい程度の額ですからね……。
 圧倒的に予算が少ない。
 フランスや韓国の手厚い映画助成と比べると、金額の規模はもちろん発想の根本が違うなと思います。
 映画という芸術をどう豊かにしていくか。
 結果的に、文化的な社会をどう実現するか。そういうある意味で遠回しな投資であって、その先にあるのは目先の国益ではないんですよ。
 そんなチンケな発想に基づいてやるべきじゃない。


― 国のためではなく、文化そのものの発展のために。

 そう。
 映画が歩んできた百数十年の歴史という縦軸と、映画が表現してきた多様性という横軸、両方をより広げていくためにお金を使うからこそ「文化助成」なんです。
 そういう考えの人が選考委員にいることを前提としているんです。
「国のために」を最優先にするなら、それ政府広報ですからね。
 官房機密費ででもやってください。
 僕の件も今回の件も、「そもそも文化助成ってなんだっけ?」「なんのためにあるんだっけ?」を考え直すにはいい教材じゃないでしょうか。
 正直、もうそんな悠長なことを言っている状況ではないのかもしれないですが……


BuzzFeed、2019/10/14 17:01
「国のため」が最優先なら官房機密費でどうぞ。
是枝裕和監督が語る「アートと助成金」

(山崎 春奈 BuzzFeed News Reporter, Japan)
https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/kore-eda

posted by fom_club at 16:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする