2019年06月30日

権力と闘う女性記者

 公文書改ざん、政権への忖度(そんたく)。
 そんなタイムリーなテーマを題材に、権力とメディアの攻防を描いた映画「新聞記者」が2019年6月28日公開される。
 臆することなく不正を暴こうとする記者と、政権維持に苦悩する若きエリート官僚を軸にしたサスペンスタッチのフィクション。
 藤井道人監督(32)は、
「違う立場の二人がともに人としての生き方を問う姿に感じるものがあるはず」
と力を込める。
 
 本紙社会部の望月衣塑子(いそこ)記者の著書「新聞記者」(角川新書)を原案にした。
 藤井監督は、
「ドキュメンタリータッチでなく、フィクションで隠れた真実を描きたいと考えた」
と話す。
 著書で扱った事件や社会問題、メディアの動向について想起させる表現はあるが、当初台本にあった具体的な人物名やニュース映像などは削ったという。

 政権に立ち向かう記者エリカを韓国の女優シム・ウンギョン(25)、内閣府内閣情報調査室(内調)のエリート官僚、拓海(たくみ)を松坂桃李(とおり)(30)が演じた。

 エリカは大学新設を巡る内閣府の不正を示す極秘公文書の真偽を独自に取材。
 一方、拓海は上司の指示で政権維持のための世論操作に疑問を感じながらも従事していた。
 そんな二人が出会い、政権の深い闇を知る。
 エリカは報道機関までが政権の意向に沿おうとする風潮に反発。
 拓海は上司の命に背くと出世の道が絶たれるのではと思い悩んだ末、ある決断をする…。

 藤井監督は、
「二人それぞれ、葛藤を抱えた演技が素晴らしい」
とたたえた。
 エリカの職場のシーンは本紙編集局で撮影した。
 内調の取材はかなわなかったが、
「暗く色を感じさせないオフィスで職員が無言で働くことで組織の異常性を見せた」
と映像表現の工夫を明かした。
「社会や組織に無関心な若者が考えるきっかけになれば」
と願う。

◆ 政権批判はらむ原案 製作二社依頼断る

 河村光庸(みつのぶ)プロデューサー(69)は、
「安倍政権では、森友・加計問題をはじめさまざまな問題が続いた。テレビや一部の新聞の政権への批判性の無さを感じていた時、立ち向かっている望月さんの本を読みぜひ映画化したいと思った」
と意図を説明する。
 映画では具体的な政権批判の描写はないが、
「この作品に参加したらテレビの仕事がなくなる」
と製作会社二社が依頼を断ったと明かす。

 エリカにウンギョンを起用。
「日本人女優では拓海との恋愛を観客が期待してしまうと思い、元々(起用を)考えなかった。彼女の演技は期待通り」
と満足げに語った。


[写真]
映画「新聞記者」の藤井直人監督=東京都千代田区で

東京新聞・朝刊、2019年6月27日
メディア×権力 深い闇に迫る2人 映画「新聞記者」あす公開
(竹島勇)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019062702000213.html

 参院選(7月4日公示―7月21日投開票)が迫る中、安倍政権に渦巻く数々の疑惑や官邸支配に焦点を当てた社会派サスペンス映画が6月28日に公開された。
 東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書を原案にした「新聞記者」だ。

 企画始動から2年弱。
 現在進行形の政治事件をモデルにした作品の上映は異例だ。
 官邸が巧妙に仕掛ける同調圧力によって社会全体が萎縮する中、なぜリスクを取ったのか。
 エグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏に聞いた。

― 参院選目前の公開です。あえて、このタイミングにブツけたのですか。

河村: 政治の季節をもちろん意識しています。
 たくさんの人に見てもらいたいので、参院選を狙いました。
 この6年半で民主主義的な政党政治は押しやられ、官邸の独裁政治化が相当に進んでいる。
 自民党員でさえも無視されている状況です。
 にもかかわらず、安倍政治を支えている自民党員、忖度を強いられている官僚のみなさんには特に見てもらいたいですね。
 単館上映で小さくやると逆に潰されてしまいかねないので、全国150館規模で公開します。

― 製作のきっかけは?

河村: かなり前から政治がおかしい、歪んでいると感じていたのですが、異常だとまで思うようになったのは2年ほど前。
 伊藤詩織さんが告発した事件がきっかけです。

― 安倍首相と親密な関係にある元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に持ち上がったレイプ疑惑ですね。詩織さんの訴えで警察が動き、山口氏は帰国直後に成田空港で逮捕されるはずが、執行直前に逮捕状が取り下げられた。

河村: 逮捕状取り下げなんて、通常はあり得ないでしょう。
 官邸は身近な人間や取り巻きを守るために警察まで動かすのかと。
 衝撃でしたね。
 この国では警察国家化も進んでいる。
 官邸を支える内閣情報調査室(内調)が公安を使ってさまざまな情報を吸い上げ、官邸はそれを政敵潰しに利用しています。
 加計学園疑惑をめぐり、「あったことをなかったことにはできない」と告発した前川喜平元文科次官の出会い系バー通いが官邸寄りの新聞にリークされたり、昨年9月の自民党総裁選で対抗馬に立った石破茂さんの講演会に内調職員が潜り込んで支援者をチェックしたり。
 この作品で内調を取り上げたのは、安倍政治の象徴であると同時に、最も触れられて欲しくない部分ではないかと感じたからです。

― 望月記者の著書が原案ということで配役が注目されましたが、ヒロインは日本人の父親、韓国人の母親を持つ米国育ちという設定。実力派女優として知られる韓国のシム・ウンギョンさんが演じていますね。

河村: この2、3年間で現実に起きた問題を生々しく展開したかったので、当初はリアルな事件をリアルに描こうと思い、実名を使うことも考えたのですが、そうすると作品としての広がりがなくなる。個人史としてではなく、テーマとして官邸支配とメディアの萎縮を扱いたかった。
 映画ならではの表現の自由を生かして普遍性を持たせたかったので、フィクション仕立てにしました。
 一方で、現実にリンクしたリアルなイメージを出すために、望月さん、前川さん、朝日新聞の南彰記者(新聞労連委員長)、元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんの4人が安倍政権の実態や報道のあり方について議論している映像を劇中で流しています。
 映画の設定としては、男女が出てくると作品が盛り上がるし、観客の期待値も上がる。
 ですが、どうしても恋愛関係の進展も期待されてしまう。
 その点で、シム・ウンギョンさんは男女関係という枠組みを乗り越えられる女優で、役柄にぴったりとハマった。
 記者と官僚の緊張感を豊かな表現力で演じてくれました。

「干されるかも」オファー固辞が相次ぐ

― 内調に出向中のエリート官僚に扮した松坂桃李さんは〈「こんな攻めた映画を作るのか!」という純粋な驚きがありました〉とコメントしていましたが、キャスティングでご苦労は?

河村: 役者のキャスティングは実はそうでもなかったのですが、スタッフ集めが難しかったですね。
「テレビ業界で干されるかもしれない」と断ってきた制作プロダクションが何社もありましたし、
「エンドロールに名前を載せないでほしい」という声もいくつか上がりました。
 映画館や出資者など協力してくれた人たちは口には出しませんが、いろいろと風当たりがあったと思います。
 僕自身は圧力を感じたことはありませんが。

― 藤井道人監督にも一度はオファーを断られたそうですね。

河村: 監督は32歳。
 新聞をまったく読まない世代で、政治にも関心がなかった。
 それで、「民主主義国家で生きている以上、政治とは無縁ではいられない。一人一人の生身の生活と政治は切り離せない。政治から遠ざかれば、民主主義からも遠ざかる」というような話をしたんです。
「上から目線ではなく、若者の視点から映画を撮ったら面白いとは思わないか。やってみないか」と。

 すると、監督は俄然ヤル気を出して、東京新聞の購読を始めて、モーレツに政治の勉強を始めた。
 国民が何も知らなければ、権力によって意のままに分断されてしまう。
 そこに「政治に無関心」の怖さがある。
 そうしたことが政治による同調圧力に屈してしまう下地になっていることを監督は悟ったんです。
 うれしかったですね。


― 芸能界にも政治を忖度する雰囲気が広がっているのですか。

河村: 毎年恒例の首相主催の「桜を見る会」があるでしょう。
 官邸は芸能人や文化人をたくさん招待している。
 彼らの間では、呼ばれることが一種のステータスのような雰囲気が出来上がっていますよ。
 官邸はSNSを通じたイメージ戦略にも非常に長けていますよね。
 安倍首相は若者に影響力のある芸能人には積極的に会い、彼らはその様子をツイートする。
 思想的に近い文化人もうまく利用して、安倍政治に都合の良い色に社会を染め上げている印象です。

― 官邸自身も「安倍首相スゴイ!」と言わんばかりの動画を量産し、SNSでバンバン発信しています。

河村: 野党に比べ、実にしっかりとマーケティングができています。
 それと、安倍政権は2つの要素を使い分けている。
 来年の東京五輪開催への期待や、新元号「令和」の祝賀を利用したお祭りムードによる国威発揚。
 非常事態が継続しているという雰囲気づくり。
 要所要所で福島をはじめとする復興を持ち出し、災害に対する危機感を維持させる。
 核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威もあおってきた。
 よく練られたコントロールだと思いますよ。
 これではメディアがいくら政権の腐敗を報道してもかなわない。
 中でも、認可事業であるテレビ局は官邸に服従していると言わざるを得ない状況でしょう。
 結果的にメディアが官邸を守る役割を担っているのが現状です。

― 政権に批判的な言論人はメディアから消え、もの言えば唇寒しの風潮が広がる一方です。

河村: もうひとつ、安倍政治で間違っていると感じるのが、憲法改正が政治目的化していることです。
 憲法は法律の親分という一面ばかりが強調されていますが、憲法はそもそも、国民の代弁者である国会議員や為政者を縛るもの。
 為政者が前のめりに改憲を進めようとしているいまの政治状況は明らかにおかしい。
 なのに、国民レベルではそうした意識は希薄です。
 政治について財界人が遠慮なくモノを言い、学校でも職場でも語り合うようにならないとおかしい。
 そういう社会に戻さないとマズイことになりますよ。


▼ 映画「新聞記者」
 原案は東京新聞社会部の望月衣塑子記者の著書「新聞記者」。
 権力とメディアの裏側、組織と個人のせめぎ合いに迫る政治サスペンス。加計学園問題を彷彿(ほうふつ)とさせる医療系大学の新設をめぐる内部告発を受け、政権がひた隠す暗部を暴こうとする女性記者(シム・ウンギョン)と、出向中の内閣情報調査室で情報操作を強いられる若手エリート官僚(松坂桃李)との対峙(たいじ)や葛藤を描く。

▽ 河村光庸(かわむら・みつのぶ)
 1949年、福井県生まれ。慶大経済学部中退。フリーランスでイベントやCMなどのプロデューサーとして活動後、2008年にスターサンズを設立。
 「牛の鈴音」(2009年)、「息もできない」(2010年)を配給。主な作品はエグゼクティブプロデューサーを務めた「かぞくのくに」(2012年)、企画・製作に携わった「あゝ、荒野」(2017年)、「愛しのアイリーン」(2018年)など。

[写真]
映画「新聞記者」エグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏

日刊ゲンダイ、2019/06/29 10:14
公開日にも確たる意図
映画「新聞記者」なぜリスク取った

(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/257085

 6月28日、東京新聞の望月衣塑子記者をモデルにした映画『新聞記者』が公開された。朝日新聞社が出資していたり、東京新聞も協力的なので、なかなか目立つプロモーションができている。もともと望月記者の官邸追及にインスパイアされているので、望月記者だけでなく新聞労連の南彰委員長も一押しで、新聞労連などもあちこちでPRしている。

 映画は、権力と闘う女性記者を主人公に、国会による巨大な陰謀を暴いていくといったサスペンスだ。望月さんの著書『新聞記者』を原案としてはいるが、中身はだいぶ違う、フィクションだ。巨悪と闘うジャーナリストといった、こういう映画はアメリカではこの間、何本かあったが、日本では、こういう映画がなかったかもしれない。

 望月記者や森加計問題など、実際に起きたことをモチーフにしているのが特徴で、プロモーションを含め、それを意識している。主人公の記者が属するのは「東都新聞」と東京新聞に似た名称だし、実際に東京新聞編集局が撮影に使われたらしい。物語の大事な要素である官僚の自殺も、加計学園疑惑の過程で実際に起きていたことだ。

 そのフィクションと現実を交錯させるために、映画の中に実際の望月記者や前川喜平さんが登場したりと、演出の工夫は随所にみられる。またフィクションとはいえ、映画のテーマが国家や政治権力の恐るべき本質を描き出し、結果的に安倍政権に批判的な作品になっているため、公開に対する逆風が吹き荒れないかと心配する声もあった。

 政治的テーマのプロパガンダ映画でなくあくまでもエンターテイメントとして楽しめるものにする。しかし今の政治状況の中で、いろいろな風圧がかかる恐れはあるのでそれも意識しなければならない。そういう映画にかけた思いをプロデューサーの河村光庸さんに聞いた。 

 以下のインタビューは月刊『創』(つくる)7月号の映画特集に掲載したものの主要部分だ。

望月記者の本にインスパイアされた

 映画『新聞記者』は、東京新聞記者の望月衣塑子さんの著書『新聞記者』(角川新書)が原案になっています。本と映画の内容は違うけれど、望月さんの本にインスパイアされたということです。

 この2〜3年の出来事をモデルにしながら、今の“安倍一強”と言われる異常な政治体制をテーマに描こうと思いました。ただ、多くの人に観てもらうためには、プロパガンダ映画でなく、それをエンタテイメントにしなければいけない。だから脚本作りには力を入れました。

 当初はリアルにするために政治家や官僚などを実名にすることも考えたのですが、そうすると事実を忠実に再現しなければならなくなる。だからそうではなくドラマにしたのです。

 ただ、リアルさを出す工夫はいろいろしています。例えば、望月さん、前川喜平さん、マーティン・ファクラーさんなどに3時間討論していただき、そのシーンを映画に挿入しています。この討論そのものの動画は、映画公開に先立って、5月にネットで公開しています。

 加計学園をめぐる騒動の中で、獣医学部と生物兵器の話が出ていましたが、それもこの映画のモチーフになっています。脚本を作る段階では、そういう話は荒唐無稽と思われるのではないかという声もありましたが、私はそう思っていません。学問の発展は戦争と隣り合わせだというのは歴史的事実だし、私自身、ありえない話ではないと考えています。今の時代の不条理を描くためには、そういう現実にありそうなことがリアルに反映されていることが必要だと思っています。
 
今の政治状況で果たして公開できるのかという声も 

 この2〜3年に実際に起きたことをもとにした映画ですから、今の政治状況の中で果たして公開できるのかという声もありました。あるいは公開したとしても、スタッフがテレビ局などの仕事から干されるのではないかとか、いろいろ心配する声はありました。実際、スタッフをお願いしようとして断られたケースもありました。

 今の官邸支配というのは、内閣人事局、内閣情報調査室、官邸機密費という3つを駆使して情報操作が行われる。しかも重要なのは、直接的な圧力でなく、同調圧力という形でそれが行われることですね。これが大きな特色です。

 そのためにマスコミを分断したり、テレビメディアに圧力をかけたり、といったことが行われているわけです。でも、そういう官邸のやり方に批判的な報道はほとんどなされない。

 そんなふうにマスメディア全体が自粛してしまう雰囲気の中で、映画は比較的自由に作れる。そう思って作ったのがこの映画です。だから政権批判ではあるのですが、ただそれを政治的プロパガンダでなく、エンターテイメントにして多くの人に観てもらわないといけない。だからこの映画は、公開館数も150館と規模が大きくなっています。

 この何年か、アメリカ映画では、『スポットライト』『ペンタゴンペーパーズ』、あるいは『バイス』もそうかもしれませんが、政権を批判するような、メディアをテーマにした作品が幾つか製作されています。ただ日本で、しかも昔の話でなく、今起きている政治状況をテーマにした映画は、ほかになかったと思います。

 例えば森友・加計問題で、役人の自殺が起きていますが、それも重要な要素として映画に盛り込んであります。そういう現実にあったことを盛り込みながら、それをどうやってエンタテイメントにしていくかというところに苦労しました。

 今の政権について描いているので、当初は、この映画は公開できるのだろうか、と心配する声もありました。私は2012年公開の『かぞくのくに』という映画でも北朝鮮の帰国事業をテーマにしたのですが、それも国家と家族の関係をリアルに描いて、ヤン・ヨンヒ監督と、もう二度と北朝鮮には行けないのではないかといった話をしました。
 
安倍一強に反発している人は結構多いことを知った

 『新聞記者』は結局、公開館数も大きくなったし、いろいろな人が協力してくれました。安倍一強と言われる政治状況の中でも、それに対して疑問を感じ、反発している人は結構多いのだなというのが実感です(笑)。

 問題は、若い人が意外と政権を支持していたり、論争をしなくなっていることですね。政治的なものはやっちゃいけないという教育を受けて、避けようとしている。でも私はスタッフにもよく言っているのですが、政治的なものはおいといて、とはいかないんです。あらゆるものがある意味で政治的なんです。

 そういう今の政治状況を描こうと考えていたところへ、2017年秋に望月さんの著書が出版されて、インスパイアされました。内閣記者会としては官邸と激突してはネタがもらえなくなってしまうというジレンマを抱えているのですが、望月さんは社会部記者だから政治部とは違った行動がとれる。望月さんのような記者が現れたわけです。

 当初は、望月さんが菅官房長官とやりあうようなシーンも映画で描くことを考えました。菅さん役を誰にするかとか真剣に考えました。でもそうやってしまうと映画の幅を狭めてしまうかもしれない。ですから望月さんには別の形で登場していただくことにしたのです。

 このへんが最近の2〜3年のことを素材にしている難しさでもありますが、具体的に起きていることの奥に何があるのかを観客には見せないといけない。内閣情報調査室という部署名は実在のまま描いているのですが、あくまでもこの映画は物語だし、映画のラストも、その後どうなったのか観ている人たちに想像してもらうという形にしたのです。あなたならどうする、と観客に問うているわけです。だって映画に描いたような状況は、現実にまだ続いているわけですからね。


Yahoo Japan! News、2019/6/29(土) 20:06
権力と闘う女性記者を描いた映画『新聞記者』の製作者に安倍政権への思いを聞いた
(篠田博之、月刊『創』編集長)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20190629-00132181/

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権力に屈しないメディア

 国際NGO「国境なき記者団」の2019年〈報道の自由度ランキング〉によると、日本は180ヶ国・地域中67位だった。
 9年前は11位。
 近年、事大主義が罷(まか)り通っているのだ。

 これは現代日本の政治やメディアにまつわる危機的状況を描いた作品である。
 日本映画久々の本格的社会派作品として珍重に値する。

 東京新聞の望月衣塑子記者の著書「新聞記者」に触発されたというフィクションである。
 本筋は架空ながら、私たちの知る現実の事件を合わせ鏡に、寒気立つ光景を映し出す。

 東都新聞社に「医療系大学院大学新設」に関する極秘文書が送られてくる。
 医療系大学とは何か。
 認可先が内閣府なのはなぜか。
 だれからのリークなのか。
 社会部の吉岡エリカ(シム・ウンギョン)が取材に当たる。
 一方、外務省から内閣情報調査室に出向中の杉原拓海(松坂桃李)は、敬愛する外務省時代の元上司が調査室にマークされているのを知り、訝(いぶか)る。

 監督が1986年生まれの藤井道人。
 脚本が詩森ろば、高石明彦、藤井。

 その脚本がいい。
 2人を単なる狂言回しにしていない。
 吉岡は日本人の父と韓国人の母の間に生まれ、アメリカで育っている。
 日本で新聞記者になったのには、新聞記者だった父の自死への疑惑がある。
 杉原は現政権維持のための情報操作、政府に盾突く人物の醜聞をでっちあげマスコミに流すような仕事に良心のうずきを感じている。
 父になる日も近い。
 政治家、高級官僚を登場させないのも深い闇を暗示してうまい。
 終盤のサスペンス、「このままでいいんですか」と問うテーマの案配にもそつがない。
 瑕瑾(かきん)がないわけではないが、藤井の冷静な演出、シム、松坂らの好演が補って余りある。

 しかし、最も高く評価すべきはスタッフ、キャストの意欲と勇気と活力だろう。
 権力に屈しない気概だろう。

 ついでに言い添えれば、周囲にこんな声があったという。
「これ、ヤバイですよ」
「作ってはいけないんじゃないか」
 情けない話だ。

◇ 全国で28日公開


朝日新聞、2019年6月28日16時30分
[プレミアシート]「新聞記者」
権力に屈しない気概
(秋山登・映画評論家)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14074401.html

 NHK、日本テレビ、フジテレビだけでなく、テレビ朝日やTBSでも安倍政権忖度が進み、政権批判報道は目に見えて少なくなっている。
 放送法による規制のないネットでも、『真相深入り!虎ノ門ニュース』や『報道特注』、言論テレビなど、逆に極右安倍応援団の政権PR番組が跋扈し、大手のAbemaTVなどでも、安倍政権よりの報道が目立っている状態だ。

 こうした状況を目の当たりにするたびに「市民が支える代替メディア」の必要性を痛感するが、そのヒントになると思われるのが、お隣の韓国の調査報道メディア「ニュース打破」が設立された経緯だ。
 少し前になるが(5月3日)、この「ニュース打破」と韓国のメディア状況を描いたドキュメンタリー映画『共犯者たち』(2017年製作)が上映され、「日本の『共犯者たち』は誰だ? 権力と『マスコミ』」と題されたシンポジウムが開かれた。

『共犯者たち』は、安倍政権に似た独裁的体質の李明博政権が発足早々の2008年、息のかかった“傀儡社長”をテレビ局に送り込もうとする攻防から始まる。
 狙われたのは、日本のNHKにあたる公共放送「KBS」と公営放送の「MBC」。
 検察や警察も動員した政権の攻勢で“傀儡社長”に交代すると、政権批判も厭わなかった報道番組取材班は解散、左遷や解雇に追い込まれる職員も相次いだ。
 この映画のチェ・スンホ監督もMBCを解雇された一人だった。

 2013年に誕生した朴槿恵政権も前政権のテレビ局介入を継続。
 “御用番組”が次々と放送される状況に陥ったが、日本と違い、韓国メディア関係者は反転攻勢に出た。

 社長辞任を求める集会を開いて大規模なストライキを何度も実施。
 経営陣はスト参加者の解雇などで対抗したが、現場から追われたチェ監督ら番組制作者は代替メディア「ニュース打破」を設立。
 既存テレビ局が“政権傀儡社長”下で御用番組を垂れ流すなか、政権批判を厭わない調査報道番組を発信し始めた。

 映画では、チェ・スンホ監督自身が「ニュース打破」の記者として、メディア介入を始めた保守政権に協力したテレビ局関係者(=共犯者たち)に直撃取材をする場面が何度も出てくるが、「ニュース打破」はこの間、KBSとMBCで起きた政権傀儡化についても徹底追及した。

 そして、「ニュース打破」には市民から多くの支援が集まるようになり、約4万人の市民が年に約5億円を出して支える代替メディアに成長した。
 さらには、政権チェックをしていたKBSとMBCもこの動きに押され、内部変革を余儀なくされた。

 そして、なんとチェ監督が社長としてMBCに復帰したのである。
 またKBSでも、時の政権がテレビ局に介入してきた現実を直視し、番組内容を検証する「KBS真実と未来委員会」が設置。
 “政権忖度番組”が垂れ流しにならないようにするチェックシステムが設けられた。

 まさに、弾圧に怯まず声を上げ続けた記者たちが勝利したわけで、政権に言われるがままどんどん押し込まれている日本の状況とは真逆だが、映画上映後のシンポジウムでは、隣国とは思えないほどの日韓メディアの大きな違いがテーマとなった。

 まず、KBSの李鎭成記者がマイクを取り、韓国のジャーナリズムの勝利の大きな要因を解説してくれた。
 李鎭成記者はデモにも参加し、「ニュース打破」で描かれた“政権傀儡社長”が乗った車を多くの職員が取り囲んで辞任を求めるシーンにも出てくるが、大規模なストが繰り返されていく場面についてこう述べた。

韓国で記者がストを打って闘えるのは必ず市民が応援してくれるという確信があるからだ

 一方、日本のメディアの閉塞状況を語ったのは、福島第一原発の吉田昌郎所長(当時)の調書報道を手がけた元朝日新聞記者の木村英昭氏、渡辺周氏の2人だった。
 ちなみに、渡辺氏はこの上映会・シンポジウムを主催したジャーナリズムNGO「ワセダクロニクル」の編集長でもある。

 ずっと政府が秘密にしていた吉田調書のスクープ記事が朝日新聞に出たのは2014年5月20日。
 調書は吉田所長が「われわれのイメージは東日本壊滅」「本当に死んだと思った」などと打ち明けるなど、当時の危機的状況が克明に書かれた重要な資料だったが、事故対応のさなか、福島第一原発にいた東電社員らの9割にあたる約650人が吉田所長の命令に反して10キロ南の福島第二原発に撤退したという朝日の報道が問題にされる。
 そして、当時の朝日の木村伊量社長は「多くの東電社員らがその場から逃げ出したかのような印象を与える間違った記事だと判断した」として吉田調書報道を取り消してしまったのだ。
 渡辺氏は当時の社内の状況をこう振り返った。

「続報で(東電の)所員たちはどう思っていたのかを用意していたのにいきなり取り消した。社員集会や役員説明会で『社長は辞めろ』と訴えても、ほとんど総会屋扱いになってしまった。300人の朝日の社員がいた集会でも、威勢のいい人がパラパラと拍手をするだけで後は黙っていた」

「一部の学者や弁護士やジャーナリストは反対の声を上げて申し入れをしたりはしたが、韓国のような大きなうねりにはならなかった」

 続いて木村氏もこう語った。

「突如として取材班を外され、吉田調書報道の検証の機会を奪われて、取り消されるという事実すら告げられなかった。朝日新聞の組合も動かなかった。原発訴訟に取り組む海渡雄一弁護士が『記事取り消しはおかしい』という批判を書くことについての記者発表をしたとき、『本来弁護士がこういうことをやるのではないが』という前書きから始まった。『当事者のみなさんはどうしたのか』という問いかけが投げかけられた」

NHKにも韓国KBSに導入された政権傀儡化チェックシステムの導入を!

 こうしたメディアの内部状況が報道の政権忖度を進行させる大きな要因になっている。
 特に問題は、韓国のKBSやMBCの役割を担っているNHKの状況だ。

 不正統計問題では、NHKの『ニュースウオッチ9』が3月1日に、根本匠厚労相の大臣不信任決議案で無所属の小川淳也衆院議員が統計不正をアベノミクス偽装と追及した趣旨弁明について、水を飲む場面を3回も挿入するなど悪意しか感じられない編集VTRを放送。
 安倍政権を追及する肝心の主張部分は流さずに、揚げ足を取る政権忖度報道を展開したのだ。
「みなさまのNHK」を標榜しながら実際は「官邸のNHK」と化して大本営発表のような政治的宣伝(プロパガンダ)をしているのに等しい状況なのだ。

 “安倍政権第一・国民二の次”にしか見えないNHKに、“政権忖度番組”の拡大再生産を止めさせるには、「KBS真実と未来委員会」のようなチェックシステム構築までのNHK受信料不払い運動の全国展開が有効だろう。

 2018年度のNHK受信料収入7122億円の0.1%(7億円)が、「ニュース打破」のような市民が支えるクラウドファンディング型代替メディアに回ることになれば、安倍政権忖度番組で溢れかえる日本のメディア空間が一変、韓国のような政権批判番組が一気に増えることになるに違いない。
 環境に優しい商品を購入するグリーンコンシューマーが持続可能社会構築の推進力となったのと同じように、官邸広報機関に堕落して自浄作用も働かないNHKから政権批判を厭わない調査報道機関(クラウドファンディング型代替メディア)へと支払い先を変えることで、政権の暴走に歯止めがかかる健全なメディア空間をつくり出すことにプラスになるのは間違いないのだ。

 すでに、この日の上映会をきっかけに、杉並区の住民たちの間では、市民参加型メディアの立ち上げを企画する動きも出ていると聞く。
 巨大な鉄骨だけは残っているものの機能不全状態に陥っている焼け野原状態に等しい日本のメディア空間に、「ニュース打破」のようなオルタナティブな調査報道機関が育っていってほしい。


[写真]
元朝日新聞の記者だった木村英昭(右)ワセダクロニクル編集幹事とKBSの記者らのシンポジウム

リテラ、2019.06.29 09:48
政権の圧力を押し返した韓国のテレビ記者と、吉田調書報道を「誤報」にされた元朝日新聞記者が語った“日韓ジャーナリズムの差”

(横田 一)
https://lite-ra.com/2019/06/post-4801.html

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政府の圧力があったとして、それで本当に報道が萎縮するのか?

 本紙もメディアの一員だが、日本に報道の自由がないとの実感は全くない。
 見当外れの批判には堂々と反論すべきだ。

 言論と表現の自由に関する国連の特別報告者、デービッド・ケイ氏が、日本では現在もメディアの独立性に懸念が残るとする報告書をまとめ、6月24日に開会する国連人権理事会に提出する見通しだ。

 ケイ氏は2017年5月にも特定秘密保護法の改正や、放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の廃止を求める11項目を勧告した。
 新たな報告書はこのうち9項目が未履行だとしている。

 これに対し、菅義偉官房長官は「不正確かつ根拠不明のものが多く含まれ、受け入れられない」と述べた。
 当然である。
 勧告に法的拘束力はなく、これまでも政府は逐一に反論してきた。

 ケイ氏は2016年に来日した際、外国人特派員協会で会見し、「政府の圧力で日本のメディアが萎縮している」「多くのジャーナリストが匿名を条件に、政治家から間接的なプレッシャーを受けていると話した」などと述べた。

 だが当時も現在も、日々の各紙には政権批判の記事があふれ、テレビではさまざまな立場のコメンテーターが自説を述べている。

 政府の圧力があったとして、それで本当に報道が萎縮するのか。
 日本のメディアはそれほど情けないか。
 不当な圧力があれば、むしろ各紙、各局は、張り切って取材し、報じるだろう。
 それがメディアの矜持(きょうじ)である。
 見損なわないでいただきたい。


産経新聞、2019.6.7 05:00
国連人権理事会 最大級の問題には沈黙か
https://www.sankei.com/column/news/190607/clm1906070002-n1.html

Freedom of expression is in a crisis in Japan.

In a new report released by David Kaye, the United Nation’s special rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression, is demanding that the Japanese government respect the right to assembly and expression, as it continues to apply pressure on things such as the protests surrounding the relocation of MCAS Futenma to Henoko in Nago.

The Japanese government should take Kaye’s criticisms seriously, and completely stop all behavior that threatens freedom of assembly and freedom of expression.

The UN’s special rapporteurs are appointed by the UN Human Rights Council (UNHRC), and is responsible for conducting surveys and observing specific counties for different areas of human rights. It is also required to act independently of any country or other organization. Kaye is an expert in international human rights law and international humanitarian law.

In a report from 2017, it notes that things such as the Special Designated Secrets Act has the potential to undermine journalism in Japan, and it recommends amending the law as well as abolishing amendment 4 of the Broadcast Act, which can be used as a justification for halting a broadcaster’s broadcast.

The report also expresses concern over the pressure the government is applying on the protests against the new base construction in Okinawa, and advised against infringing on the freedom to demonstrate in opposition of public policy, and suggested the government cooperate with the protests and related journalism.

The new report once again criticizes the Japanese government, stating that almost none of the previous report’s recommendations have been implemented.

In a globally recognized position such as Kaye’s, his statements carry a lot of weight. The status of freedom us expression in Japan, and its drastic deviation from global standards, is once again brought into the light of day. It is a situation that should cause great anxiety for the citizens of Japan, because their human rights are being disrespected.

Needless to say, freedom of expression is a basic human right that is foundational to a democratic government. If these rights are arbitrarily restricted, it allows the establishment to easily conceal any damaging information.

If information used for making a decision is not publicly accessible at the time of an election, it brings into doubt the ability to properly examine governing bodies. The result of this is a major destabilizer to the foundation of democracy.

At the construction site for the new military facilities in Henoko, the restriction of anti-base protests and news coverage is striking. At the front gate of Camp Schwab where raw materials are being trucked in, the forceful removal of protesters staging a sit-in by police continues.

Journalists are having their new coverage interrupted, they are being expelled from locations, and they are being forced to cease photography.

Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga rejected Kaye’s report, saying, “We cannot accept this report, which is filled with inaccuracies and unfounded claims.” To make light of the UN’s special rapporteur is inappropriate for a member of the international community. It negatively affects trust in Japan.

We cannot allow the freedom of assembly and expression to be neglected. We suggest the government engage in some serious reflection.

Ryukyu Shimpo, June 7, 2019
Editorial:
UN special rapporteur indicates freedom of expression in Japan in danger; infringing on freedom of expression is inexcusable
http://english.ryukyushimpo.jp/2019/06/11/30532/

Reporters sans frontières (RSF) appelle le Premier ministre Shinzo Abe à respecter le droit à l'information du public japonais et l’invite à donner des instructions en ce sens à son équipe pour qu’elle puisse répondre à toutes les questions des journalistes, sans exception.
Lors d'une conférence de presse le 26 février 2019, le secrétaire général du cabinet du Premier ministre japonais Shinzo Abe, Yoshihide Suga, a publiquement refusé de répondre aux questions d’une journaliste du Tokyo Shimbun, Isoko Mochizuki, au motif qu'il n'était "pas tenu à le faire". Cet incident a déclenché une vague de protestations émanant des syndicats de journalistes, des médias et des partis d'opposition, et le lancement d’une pétition qui a rassemblé plus de 17 000 signatures.

Reporters sans frontières (RSF) appelle le Premier ministre Shinzo Abe à respecter le droit du public japonais à l'information et à faire en sorte que son équipe réponde à toutes les questions posées par les journalistes, sans exception.

≪ Les officiels du gouvernement, qui travaillent au service du public, n'ont pas à faire le tri dans les questions posées par les médias et certainement pas à juger de leur pertinence, insiste Cédric Alviani, directeur du bureau Asie de l'Est de Reporters sans frontières. Les journalistes jouent un rôle essentiel dans le bon fonctionnement des institutions démocratiques et il est à ce titre normal qu’ils posent les questions qu’ils jugent nécessaires dans l’intérêt de leurs lecteurs. ≫

Cet incident est le dernier d’une série d’accrochages similaires entre l’administration Abe et les journalistes du Tokyo Shimbun. Connue pour ses questions sans détours, Isoko Mochizuki, qui travaille pour le quotidien régional depuis 2000, est devenue la bête noire du service de presse et voit presque toujours ses questions rejetées.

Dans une déclaration publiée en décembre dernier et qui visait implicitement cette journaliste, le cabinet du Premier ministre avait été jusqu’à demander aux médias japonais de s’assurer que leurs questions soient ≪ précises ≫ et ≪ basées sur des faits ≫, une consigne à la limite de l’insulte compte tenu du fait qu’il s’agit de deux caractéristiques intrinsèques du travail journalistique.

Le Japon occupait le 67e rang sur 180 pays et territoires au Classement mondial 2018 RSF de la liberté de la presse.
(*)

Reporters sans frontières (RSF), Mis à jour le 6 mars 2019
Japon : le gouvernement n’a pas à juger de la pertinence des questions de la presse
https://rsf.org/fr/actualites/japon-le-gouvernement-na-pas-juger-de-la-pertinence-des-questions-de-la-presse

(*) 63 Niger, 64 Malawi, 65 Malta, 66 El Salvador, 67 Japan, 68 Lesotho, 69 Croatia, 70 Hong Kong, 71 Mongolia

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成果なきG20安倍外交

 安倍晋三首相は2019年6月29日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後、議長として記者会見に臨んだが、予定の30分間を過ぎないうちに司会役が会見を打ち切り、報道陣からは不満も出た。

 首相の会見はG20閉幕後の29日午後2時50分から30分間を予定し、各国メディアに公式日程として通知されていた。
 司会は長谷川栄一首相補佐官兼内閣広報官が務めた。

 安倍首相が冒頭、データ流通に関する国際的なルール作りや海洋プラスチックごみ対策の成果をアピール。
 質疑に入り、日本メディアと外国メディアから交互に2人ずつ指名されたが、計約25分間で終了した。
 さらに1〜2人分の質疑は可能だった。

 首相は、世界貿易機関(WTO)改革、日本の海洋プラごみ対策、イラン情勢、次期議長のサウジアラビアへのアドバイスなどに関して4人の質問に答えたが、手元の答弁案を参照しているような場面もあるなど、会見は終始「安全運転」
 4人目への答弁後、長谷川氏が「予定時間を超過した」として会見を終了し、首相は退席した。


[写真]
G20サミットを終え、記者会見する安倍晋三首相=大阪市住之江区で2019年6月29日午後2時59分

毎日新聞、2019/06/29 16:25
不測の質問警戒?
首相会見、終了予定5分前に打ち切り

(秋山信一)
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/不測の質問警戒-首相会見、終了予定5分前に打ち切り/ar-AADBwTu?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp

「本年、日本では天皇陛下がご即位され、令和の新しい時代を迎えました。令和の意味は美しい調和、beautiful harmoney. お集まりの首脳の協力を得て、大阪サミットでも美しい調和を実現したいと思います」

 28日から2日間の日程で開幕した大阪G20サミット。
 最初の全体会合で安倍首相はこう意気込んだ。
 経済が主要テーマのG20で「美しい調和」って一体何なの?という疑問はさておき、日本が初めて議長国を務め、安倍がホスト役のG20は一致結束とはほど遠いと言っていい。

 3週間後に迫った参院選(7月4日公示、同21日投開票)に向け、慣例を破ってG7前に押し込み、主要国の首脳と肩を並べて“外交のアベ”を演出するべく仕掛けた大舞台にもかかわらず、リーダーシップをみじんも発揮できないまま。
 IMF(国際通貨基金)が、米中貿易戦争の激化で2020年の世界経済の成長率が0.5ポイント下押しされると警告を発しているにもかかわらず、保護主義の暴走を食い止める手だてを打てやしない。
 空前の中身空っぽG20で自爆のバカ丸出しである。

 リーマン・ショックへの対応で各国が協調するために2008年11月に始まったG20サミットは、立ち上げの経緯もあって議題の中心は経済だ。
 保護主義的な動きには結束して反対を示してきた。
 ところが、「米国第一」を掲げるトランプ大統領の参入でシッチャカメッチャカになり、昨年末のブエノスアイレスG20では首脳宣言から初めて「保護主義に対抗」との文言が削除された。
 安倍政権は前例踏襲で逃げを打ち、「自由貿易の促進」でお茶を濁すハラだという。

■ 首脳会談を詰め込むトランプのワンマン

 ホストの務めもちゃらんぽらんなら、個別会談でも成果は見えない。
 日中首脳会談では、中国が沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域で2ヶ月以上にわたって公船を航行させていることに対して自粛を求めたが、習近平国家主席は領有権を主張する従来通りの立場を主張。
 手柄のように報じられている国賓として来春の再来日については、「桜満開など季節の良い時に実現したい」と孔鉉佑駐日大使に事前に漏らされ、習近平には「いいアイデアだ」と上から目線で応じられる始末だった。

 3ヶ月連続で会談したトランプとは、イランや北朝鮮への対応で連携する方針を確認し、貿易交渉の早期妥結で一致した程度で、過去の会談をなぞっただけ。

 来日直前にトランプが吹かしていた「日米安保条約の破棄」については議題にしなかったというから、呆れるほかない。
「個人的な信頼関係」を誇示しておきながら、国益に関わる安全保障について真意をただすこともできない。
 しかも利害調整が複雑な多国間協議を毛嫌いするトランプは、貿易戦争が過熱する中国をはじめとする8ヶ国との首脳会談を詰め込み、G20の運営に支障をきたすほどだ。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

「そもそもG20の議長国は参加国の持ち回りで、安倍首相の力で引っ張ってきたものではありません。安倍政権下での開催は単なるタイミングに過ぎない。国際社会は安倍首相をトランプ大統領のポチだとみなしていますから、米国を説得して『反保護主義』に立ち返る腕力も期待されていないのが実情でしょう」

■ 成果は「日米安保に言及なし」の珍解説

 いくら“アベ様TV”のNHKが実況で盛り上げようとしても、日中、日米首脳会談の空疎さの前ではそれも形無しである。
 NHKは午前11時から約2時間枠で特別番組を生放送。

「G20のメンバーに加え、8つの招待国、国連など9つの国際機関、合わせて37の国や国際機関の首脳らが参加した史上最大規模の首脳会議となります」
と持ち上げ、各国首脳らの会場入りから、安倍の出迎えシーン、記念撮影、首脳特別イベントまで垂れ流した。
 スタジオにはアナウンサー2人に政治部記者、経済部デスク、国際部デスクが詰め、順繰りに解説したのだが、中身がないせいで手持ち無沙汰感がアリアリ。
 日米首脳会談については「議論をスムーズに進めたい思惑もあったと思われ、協力することで一致したということなので目的は果たせたと思われます」といかにも苦しく、その成果は「日米安保に言及がなかった。日米同盟に不満を言っていたトランプ大統領の話について触れられなかった」という珍解説まで飛び出した。

■ 安倍ホストで問題解決の好機は先送り

 29日に開かれる26回目の日ロ首脳会談にしても、北方領土問題の進展はまったく期待できない。
 当初は平和条約締結交渉の大筋合意という青写真が描かれていたが、プーチンは国営テレビのインタビューで「そうした計画はない」と領土返還をハッキリと拒否。
 安倍は取りつく島もなくなった。

 トランプにしろ、プーチンにしろ、会談直前の冷や水なんかは国辱もののレベル。
 G20で政権浮揚のもくろみが完全裏目の政治ショーと化している。
 “外交のアベ”どころか、世界にバカにされているではないか。

「世界経済が岐路に立たされるこの時期に日本が議長国になり、安倍首相がホスト役を務めたことで問題が先送りされてしまった。世界のGDPの9割を占めるG20サミットは国際経済の懸案事項の解決の糸口を探る絶好の機会なのに、安倍首相がトランプ大統領を忖度することで活用できなくなりました。かえって、安倍外交の問題点が浮き彫りになった」
(五野井郁夫氏=前出)

 これでハッキリわかったのは、ペテン首相の口先が通用するのは国内だけということだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏は言う。

「“戦後外交の総決算”を掲げながら安倍首相は理解していないようですが、大規模な国際会議を日本で開催できるのは、戦後一貫して歩んできた平和国家ゆえです。安倍首相が毛嫌いする憲法9条のおかげなのです。安倍首相は憲法改正の参院選争点化を狙っていますが、トンチンカンもいいところ。国際的な役割を振る舞うことができているのは、9条あってこそ。アベ外交の成果では決してありません」

 地球儀俯瞰外交を標榜し、この6年半で世界にバラまいた血税は50兆円を優に超える。
 いくら取り繕っても、虚構政権はもはや限界。

 だまされる方にも限度があることを思い知らせるときだ。


日刊ゲンダイ、2019/06/29 17:00
G20大誤算 最大の見せ場で露呈した「外交の安倍」正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257275

 大阪でのG20首脳会議が閉幕した。 

 首脳宣言に「保護主義と闘う」の文言を盛り込むことはできなかった。
 地球温暖化対策については、EUの要求に基づく、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に沿って行動することを確認することと、協定離脱を表明した米国の主張が両論併記とされた。
 日本外交は目立った成果をまったく上げられず、首脳会議が閉幕した。

 最大の成果は米中両国が、通商協議再開と米国による追加制裁関税発動見送りを確認したことである。
 米国のトランプ大統領は5月5日以降、強硬な交渉姿勢を示してきたが、本ブログ、メルマガで予測してきたとおり、米国が交渉姿勢を柔軟化させる方向に変化が生じた。
 中国は譲歩するべき点は徹底譲歩する一方、譲歩できない点については毅然とした姿勢で米国の要求を撥ねつける対応を示してきたが、この中国の交渉姿勢が効を奏していることが分かる。

 日本の安倍首相は中国の外交交渉姿勢から多くを学ぶべきである。
 米国の命令・要求に一から十まで服従するのでは、日本の主権者の利益を守ることはできないからだ。

 大阪G20が終了して、いよいよ2019政治決戦が本番を迎えることになる。
 G20首脳宣言は、世界経済の成長が弱く、貿易や地政学上の緊張が高まっているとの懸念を示し、「リスクに対応するため、さらなる政策(行動)を取る用意がある」としたが、この宣言内容と日本政府の消費税増税方針とは完全に矛盾する。

 消費税増税に正当性は存在しない。
 消費税増税は日本経済を確実に不況に転落させる主因になる。
 GDPに最大の影響を与える需要項目が家計消費であり、消費税増税は家計消費を一気に押し潰すものであるからだ。
 家計は労働によって得た所得から所得税を納めている。
 労働によって得た所得から税金や社会保険料を差し引いたものを「可処分所得」と呼ぶ。
 家計消費は「可処分所得」を用いて行われる行為だ。
 消費税は家計が可処分所得を用いて消費をする際に、消費金額の一定比率を税金として徴収するものだ。
 消費すると懲罰が課せられる。
 その比率が半端でない。
 消費金額の10%が税金として巻き上げられる。
 完全な二重課税でもある。
 消費税の名称を「消費懲罰税」とするべきだ。

 税金を納めたあとの可処分所得で買い物をすると、さらに消費金額の10%を税金で巻き上げられる。
 しかも、食品等の生活必需品も非課税でない。
 こんな施策を強行すれば日本経済が深刻な大不況に陥ることは明白なのだ。

 消費税で吸い上げられた資金によって社会保障が拡充されることはない。
 消費税の税収を社会保障に充当するような説明がなされているが、実態はまったく違う。
 新たに増税した税収を社会保障に充てても、従来、社会保障に充当されていた別の財源を社会保障支出以外の支出に充当しまうことができるので、このような説明はまったく意味を持たない。
 そもそも、社会保障支出の国庫負担金額は消費税収よりもはるかに多いので、消費税収が社会保障支出の国庫負担金額を超えるまでは、消費税の税収を社会保障に充当するという説明は可能なのだ。

 言葉のマジック、まやかしに騙されてはならない。

 消費税が導入されてから27年間の税収推移を説明してきたが、消費税の税収は社会保障にも財政再建にも充当されてこなかった。
 ひたすら、法人税減税と所得税減税に充当されてきただけなのだ。
 日本政府が財政破綻の危機に直面しているというのも真っ赤な嘘である。
 財務省は国のバランスシートを公表して、2018年3月末時点で国が568.4兆円の債務超過であるとしている
https://bit.ly/2KTtb83
 しかし、この計数のなかの公共用財産150.3兆円が極めて少額の計上になっている。
 国民経済計算上の一般政府の生産資産は591.9兆円であり、両者の乖離が極めて大きい。
 政府の財政バランスは国・地方を合わせて考察することが必要で、地方政府を含めた一般政府ベースで、政府は39兆円の資産超過なのである。

植草一秀の『知られざる真実』2019年6月29日 (土)
成果なきG20安倍外交と消費税増税強硬の矛盾
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-b95d7f.html

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G20

OSAKA, Japan: Washington is pressuring allies at the G20 to reject strong climate change language in the meeting’s final statement, despite furious opposition from EU countries, a French presidential source said Friday.

“Three or four (countries) are under American pressure to water down the message,” a French presidency source told reporters in Osaka, where leaders of the Group of 20 are holding a two-day summit.

The source declined to name the countries being targeted by Washington, though Brazil under its new President Jair Bolsonaro and oil-producing Saudi Arabia are both considered climate change sceptics.

Climate change is shaping up to be one of the most contentious issues at the gathering, with Europe fiercely opposed to any watering down of previous G20 statements on the subject.

Washington is opposed to any endorsement of the Paris climate deal, an agreement from which it plans to withdraw.

In recent years, the roadblock has been overcome by 19 of the members endorsing language backing the Paris deal and Washington adding its own line referring to its plan to leave the agreement.

“That’s what we managed to get after a difficult fight in Hamburg and Buenos Aires, and what we want to confirm here, at a minimum,” the source told reporters.

“The Americans are trying to weaken the message and to rally to their position a number of states,” the source added.

“That would mean no longer 19+1 but 18+2 or 17+3... and that for us is unacceptable.”

At a meeting in Osaka on the summit sidelines on Friday, European leaders agreed that “we cannot accept a text that waters down what we got during the last two G20s and weakens the Paris accords,” the source said.

French President Emmanuel Macron has already said that removing a reference to the Paris deal would be a “red line” for Paris, threatening to refuse to sign the final communique.


[photo]
Shinzo Abe, Japan's prime minister (C) speaks during a working lunch at the G20 summit in Osaka on June 28, 2019.

New Straits Times, Published: June 28, 2019 @ 3:45pm
US pressuring G20 allies on climate language: French official
By AFP
https://www.nst.com.my/world/2019/06/499871/us-pressuring-g20-allies-climate-language-french-official

OSAKA: “Delinquents” one day, “terrific relationship” the next: Donald Trump has undergone a remarkable transformation from bashing the world’s leaders at home to schmoozing happily like someone at a school reunion.

As if fundamental differences between the world’s top powers over trade, foreign policy and the environment were not enough, Trump raised fears of an explosive summit by taking aim at all and sundry ahead of the trip.

But it was all smiles, praise and positive body language in person in Osaka as world leaders heeded Japanese Prime Minister Shinzo Abe’s call for “beautiful harmony” – a reference to Japan’s new era name.

As leaders gathered for a group photo, Trump chatted warmly with Russian President Vladimir Putin, patting him gently on the back as they parted ways.

At a meeting with Abe and Indian Prime Minister Narendra Modi, Trump opted for a jovial fist bump instead of an awkward three-way handshake.

Controversial crown prince of Saudi Arabia Mohammed bin Salman greeted Trump with a warm smile, a robust handshake and a pat on the hand, with the two talking like old pals after the photo.

And journalists hoping for fireworks in Trump’s many bilateral meetings were also disappointed with the US president seemingly on very best behaviour at least for the public parts of his interactions.

Chancellor Angela Merkel, with whom Trump has clashed bitterly before, was “a fantastic person”, “a fantastic woman” and “a great friend of mine”.

He said he had a “very, very good relationship” with Putin, even risking a gag about alleged Russian interference in the US election.

Asked by a journalist whether he would warn Putin about influencing the presidential vote next year, he smiled and wagged his finger playfully at the Kremlin strongman, saying: “Don’t meddle in the election, president, don’t meddle.”

And the bromance hit fever-pitch when he met Brazil’s Jair Bolsonaro, who has been dubbed the “Trump of the tropics.”

“He is a special man, doing very well, very much loved by the people of Brazil,” Trump said, smiling broadly.

For his part, Bolsonaro told the US president: “I have been a great admirer of you for quite some time, even before your election.”

Bolsonaro immortalised their encounter in a photo posted on his official Twitter account, showing him posing alongside Trump in the US leader’s characteristic pose: a jaunty thumbs up.

It was all such a contrast from only two days earlier when he systematically shot down several of America’s most cherished and long-standing alliances.

He mocked Tokyo and Berlin over defence – calling Germany “delinquents” for not paying enough into NATO and calling into question the military ties with Japan that have stood since World War II.

“If Japan is attacked, we will fight World War III. We will go in and protect them with our lives and with our treasure,” he told Fox Business Network before leaving for Osaka.

“But if we’re attacked, Japan doesn’t have to help us. They can watch it on a Sony television.”

The barrage did not stop even onboard Air Force One as he tweeted about “unacceptable” Indian tariffs on US goods that he was determined to stop.

China also came under fire, with Trump issuing his now-standard threat to slap tariffs on all Chinese imports if no trade deal were struck in Osaka.

Contacts between Trump and Xi were brief on Friday with an “extended” meeting expected on Saturday.

But even here, Trump sounded upbeat saying he was looking forward to a “productive” meeting and a “very exciting day”.


[photo-1]
France's President Emmanuel Macron (L) talks to US President Donald Trump beside Japan's Prime Minister Shinzo Abe (R) as they attend a meeting on the digital economy at the G20 Summit in Osaka on June 28, 2019.

[photo-2]
Japan's Prime Minister Shinzo Abe (L) shakes hands with China's President Xi Jinping as they attend a meeting on the digital economy at the G20 Summit in Osaka on June 28, 2019.

[photo-3]
U.S. President Donald Trump speaks with Saudi Arabia's Crown Prince Mohammed bin Salman during family photo session with other leaders and attendees at the G20 leaders summit in Osaka, Japan, June 28, 2019.

New Straits Times, Published: June 28, 2019 @ 6:09pm
Oh-saka: Fist-bumps and love-ins for Trump at G20
By AFP
https://www.nst.com.my/world/2019/06/499931/oh-saka-fist-bumps-and-love-ins-trump-g20

Japan’s prime minister, Shinzo Abe, may have described the G20 summit as a success on Saturday afternoon, but the two days that the leaders of the world’s 20 richest economies spent in the rainy-season humidity of Osaka also magnified deep and potentially unbridgeable divides on everything from climate change to the future of western liberalism.

The G20 nations, Abe said, “have a responsibility to squarely face global problems and to come up with solutions through frank dialogue”. Their communique, which had looked in doubt 24 hours earlier as the EU and the US sparred over how to describe the climate crisis, went some way towards meeting his demands.

Their compromise enabled 19 of the 20 leaders to reaffirm their commitment to the Paris agreement, but left enough room for Washington to attempt to justify its increasing isolation from the global effort to reduce greenhouse gas emissions with a reference to the harm it would inflict on “American workers and taxpayers”.

The “frank dialogue” Abe craved proved more problematic, however.

The opening day of the summit was overshadowed by the China-US trade war, the presence of Saudi Arabia’s crown prince, Mohammad bin Salman, and for British audiences at least, Theresa May’s confrontation with Vladimir Putin over the Salisbury novichok poisonings.

Putin had already angered Donald Tusk, among others, by declaring in a Financial Times interview published at the start of the summit that liberalism was obsolete.

It was a theme he returned to on Saturday evening, when he claimed that immigration had infringed on other people’s rights, and attributed Trump’s 2016 election victory to disenchantment with mainstream liberal ideals.

“The liberal idea has started eating itself,” Putin told reporters in Osaka. “Millions of people live their lives, and those who propagate those ideas are separate from them. People live in their own country, according to their own traditions, why should it happen to them?”

But as the G20 leaders headed home, there was also cause for cautious optimism.

Trump and the Chinese president, Xi Jinping, stepped back from the trade war precipice – at least for now – during their highly anticipated meeting, while all but one of the G20 leaders decided not to cross French president Emmanuel Macron’s “red line” on the climate crisis and included a reference to their “irreversible” obligations under the Paris agreement. There was also a commitment to stop adding to plastic waste pollution of the world’s oceans by 2050.

Inevitably, it was left to Donald Trump to take some of the sheen off Japan’s first G20 summit with a Saturday morning tweet that set off speculation he was about to meet North Korea’s leader, Kim Jong-un, along the heavily armed peninsula that has divided the Korean peninsula for 55 years.

Trump proposed that he and Kim leader meet at the demilitarised zone [DMZ] to shake hands and “say hello” during his visit to South Korea on Sunday.
Donald J. Trump
After some very important meetings, including my meeting with President Xi of China, I will be leaving Japan for South Korea (with President Moon).
While there, if Chairman Kim of North Korea sees this, I would meet him at the Border/DMZ just to shake his hand and say Hello(?)!
7:51 AM - Jun 29, 2019

North Korea described the offer as very interesting, but said it had yet to receive an official invitation.

“I am of the view that if the [North Korea-US] meetings take place on the division line, as is intended by President Trump, it would serve as another meaningful occasion in further deepening the personal relations between the two leaders and advancing the bilateral relations,” North Korea’s KCNA news agency quoted the country’s first vice foreign minister, Choe Son-hui, as saying.

Trump told reporters: “We’ll be there and I just put out a feeler because I don’t know where he is right now. He may not be in North Korea. If he’s there, we’ll see each other for two minutes, that’s all we can, but that will be fine.”

He said he would have no problem stepping into North Korea if he met Kim for a handshake and to “say hello”.

Trump stepping over the line of demarcation separating North and South Korea would be hugely symbolic, echoing a similar gesture made by the South Korean president, Moon Jae-in – with Kim’s encouragement – when they met at the DMZ last year.

“Sure I would, I would. I’d feel very comfortable doing that. I’d have no problem,” Trump said, adding that he believed Kim followed his Twitter account. “I guess he does because we got a call very quickly,” he said.

If Kim accepts the invitation it will be the leaders’ first meeting since their denuclearisation summit in Hanoi in February ended without an agreement.

Some North Korea watchers interpreted Choe’s comments as a sign that the meeting will go ahead. Commenting on the KCNA reports, John Delury, a North Korea expert at Yonsei University in Seoul, tweeted: “Not to put too fine a point on it, but this is North Korean for ‘yes’”.

The South’s presidential Blue House said nothing had been confirmed at this point and added: “Our position, which hopes for a dialogue between the US and North Korea to take place, remains unchanged.”

Trump and Kim have met twice, first in Singapore last June and again in Hanoi in February. Neither summit has produced a comprehensive agreement that would see North Korea abandon its nuclear weapons program in exchange for sanctions relief.

But a photo opportunity on the DMZ, no matter how symbolic, is unlikely to go far in resolving their differences on denuclearisation, according to Scott Seaman, director of Eurasia Group Asia.

“For talks to have real legs, either Kim must credibly commit to denuclearisation or Trump must credibly agree to allow Kim to keep some of his nuclear weapons,” Seaman said. “Without a shared end goal, creating a viable roadmap to reaching it will remain impossible.”

Hours after making his impromptu overture to Kim – and months after their denuclearisation summit in Hanoi ended in failure – Trump emerged from a meeting with Xi to declare that US trade negotiations with China were “right back on track”.

He said the US would not impose further tariffs in an ongoing trade war that other world leaders had said could threaten the global economy, and added that the world’s two biggest economies would restart negotiations on a trade deal.

The US president told a press conference that he and his Chinese counterpart had had a “great meeting”.

“We will continue to negotiate, and I promise that at least for the time being we won’t be adding additional [tariffs] … We’re going to work with China to see if we can make a deal. China will consult with us and will be buying a tremendous amount of food and agricultural products, and they’re going to start doing that almost immediately.”

Trump had said at the start of the meeting that he was open to a “historic fair trade deal” with China. “We are totally open to it,” he told Xi, who called for “cooperation and dialogue” instead of confrontation.

Trump added: “We want to do some things that will even it up with respect to trade. We were very close but something happened where it slipped up a little bit,” in a reference to the failure of previous talks.

In their declaration, the G20 leaders avoided criticism of Trump-style protectionism but committed themselves to realising “free, fair and non-discriminatory” trade and to “keep our markets open”.


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The delegates in attendance at the G20 summit in 2019

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Vladimir Putin and Shinzo Abe

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Theresa May did not attempt to mask her discomfort while shaking hands with Vladimir Putin.

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Donald Trump announced that the US would not impose further tariffs on China.

The Observer, Published: Sat 29 Jun 2019 16.52 BST
Trade wars, tweets and western liberalism: G20 summit wraps up in Osaka

Shinzo Abe declares Japan’s first G20 a success, but the summit revealed deep divides

By Justin McCurry in Osaka
https://www.theguardian.com/world/2019/jun/29/g20-summit-osaka-japan-trade-wars-liberalism

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2019年06月29日

現役の記者による鼎談

この国に新聞記者は必要なのか──?
現代日本の政治やメディアを取り巻く状況を「デイアンドナイト」の藤井道人がサスペンスエンタテインメントとして映像化した「新聞記者」が6月28日に封切られる。
原案は、東京新聞社会部に所属する望月衣塑子の著書。
国家権力の闇に迫ろうとする新聞記者・吉岡を「サニー 永遠の仲間たち」のシム・ウンギョン、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務を与えられたエリート官僚・杉原を松坂桃李が演じた。
映画ナタリーでは朝日新聞社、毎日新聞社、時事通信社で活躍する現役の記者を招き鼎談を実施。
映画担当として毎年数百本の作品を鑑賞し、数々の映画評を執筆してきた石飛徳樹、鈴木隆、小菅昭彦に、リアルに描かれているという新聞記者像や血の通った人間としての官僚描写について忖度なしで話してもらった。
また、今作のような政治サスペンスがこの時代に製作されたことに意味があると語る3名。
トークは日本映画界の未来へと伸展していく。

ああいう新聞記者はいる(鈴木)


─ 今回、現役の記者の方に映画「新聞記者」を語っていただきたく思い、朝日新聞社の石飛徳樹さん、毎日新聞社の鈴木隆さん、時事通信社の小菅昭彦さんに集まっていただきました。この話を引き受けていただいたということは、総合的には映画に対してポジティブな印象をお持ちということでいいんでしょうか?

鈴木隆: この映画が製作されたということ自体には非常にポジティブです。
 ただ、内容に関してはいくつか言いたいことがあります。

小菅昭彦: 私も同じです。
 今の時代にこの映画を作ったことには感心しますけど、1本の映画として考えると気になるところはあるなと。

石飛徳樹: そうですか?
 僕は全面支持したいです。
 政治サスペンスとしてこれだけ面白いエンタテインメントを作ってくれたということが素晴らしいですね。
 エンタメ作品として合格点に達していると思います。

─ 皆さんそれぞれの見解があるようですね。

小菅: 劇中で政府が裏で進めているあることが発覚するんですが、それを受け入れられるかどうかが評価の分かれ目な気がします。
 もちろんフィクションではあるんですけど、全編通して日本の政治を覆う状況を示す要素がいくつか入っているじゃないですか。
 リアルなムードで攻めていくんだろうなと思っていたところに、現実とは乖離しているんじゃないかという話が出てきたので。石飛さんはそこは気にならなかったですか?

石飛: フィクションとしてはありだと思います。
 エンタメ映画なので、あれくらい風呂敷を広げてもいいと思う。
 最初に謎があって、謎を軸に1つひとつ物語を積み重ねていく流れがよくできていると感じました。
 企画を最初に聞いたとき、反権力の人しか観に行かなかったら嫌だなと思っていたんですけど、脚本がよく練られていてしっかりとエンタテインメントになっていますし、オリジナルストーリーとしても素晴らしい。

鈴木: 私も政府が秘密裏に行っている計画が明らかになる部分はほとんど気にならなかったですね。
 ただ、内閣情報調査室(以下:内調)が暗い部屋で淡々と人々が働いている場所として描かれているんですけど、そこにもう少し工夫が欲しいと思いました。
 もちろんリアルでなくてもいいんですが。

石飛: 僕は雰囲気がかっこいいなと思いましたけどね。

─ 新聞社の描かれ方はいかがでした?

石飛: 昔の新聞社はすごく画になりやすかったんです。
 人がたくさんいて、原稿用紙に殴り書きして、走って誰かに渡すみたいな。
 でも最近はみんなパソコンに向かって仕事をしていて、鉄火場になることも少ない。
 普通のオフィスと変わらないから映像化しにくいなと考えていたんですけど、全体を暗くしてパソコンの画面が浮くような形にして見せているのが工夫だなと思いました。

鈴木: 雰囲気は出ていましたよね。
 シム(・ウンギョン)さん演じる記者・吉岡と北村(有起哉)さん演じる上司・陣野のやり取りはリアルに近い。
 陣野が部下にやらせるだけやらせて、実権は握っているところとかね。

石飛: 先走る吉岡に対して「俺は一応止めたぞ!」みたいな。

鈴木: ああいう新聞記者はいる。

小菅: 作品によっては登場する記者の描かれ方に「おいおい……」と思うものもありますけど、今作ではそれがなかった。
 傲慢で不遜な人物として描写されるのが典型なんですが。

鈴木: 我々世代は確かにそうかもしれないけど、最近の若い子はきっとそうでもないよね。

小菅: 吉岡のダサダサな感じもよかった。
 僕らを見ればわかると思うんですけど、記者ってダサい系の人が多いんですよ(笑)。
 取材対象しか見えなくなり、どんどん迫っていくマニアックな感じがリアルで、そういう人のほうが記者としては優秀だったりする。
 でも社内ではちょっと変な人として扱われてるみたいな。
 シムさんは表情の出し方もうまいし、野暮ったさをうまく出しているなと思いました。

正義の新聞記者が暴れ回る話ではない(小菅)

─ 官僚側の描写についてはいかがでしょうか。

鈴木: 「新聞記者」というタイトルではあるけど、正直政府側の話のほうが面白いなとは思いました。
「内閣情報調査室」というタイトルでもよかったかもしれない(笑)。

小菅: それは僕らが記者のことを知っている立場だからだと思いますけどね。
 でも確かに官僚の描写はよかった。
 政府の人間って何を考えているかわからないロボットのような描かれ方をされることが多いんですが、今回は松坂さんが血の通った人間としてエリート官僚の杉原を演じている。

石飛: 彼は葛藤が半端じゃないですよね。
 杉原が決断しないと世に情報が出ていかないですから。
 彼はそれによって仕事を失うリスクもある。

小菅: だからこそ本田(翼)さん演じる妻との家庭の描写が生きてくる。
 杉原が住んでいる景色のいい家は高級官舎という設定ですかね?
 家庭人としての姿が描かれていることで杉原の感情の揺れ動きが見えますし、それを失うかもしれないというハラハラ感がサスペンスになる。

石飛: 仕事にかまけていて家庭がおろそかになっているというのは今もっとも重要な問題じゃないですか。
 杉原の携帯に妻からLINEがぶわーって来てるところとか、罪悪感で胸が苦しくなるような思いでした。
 思わず目をそらしましたね(笑)。

一同: ははははは(笑)。

小菅: それにしても松坂さんはうまい。
「秘密 THE TOP SECRET」でも狂気の淵にいる演技をしていましたけど、彼は明るい青年じゃなくてこういう役のほうがいい。

鈴木: 役者としてこの役を引き受けたのもすごいこと。

石飛: そうですね。あとは田中(哲司)さんが最高で。

小菅: 怪演と言っていいですよね。

鈴木: 田中さん演じる多田はもっと見たい。
 内調ではあんなに冷酷無比だけど、家庭ではよき父だったりするかもしれないし。

石飛: うん、なぜあんな怪物になったのかという物語をスピンオフで観たいです。

小菅: それってキャラクターに膨らみがあるってことですよね。
 紋切り型になっているとそういう関心は湧かないですから、キャストが充実している証拠だと思います。

─ 確かにキャラクターそれぞれに背景を感じられて、新聞が正義、官僚が悪という単純な描かれ方にはなっていないです。

小菅: 一番わかりやすいのはその描き方なんですが、この映画を観た人はそうは思わないですよね。
 新聞記者が権力に立ち向かっていく話と思っている人が多いと思うんですけど、それだけではなくて官僚の視点も描かれた人間ドラマになっている。
 だから押し付けがましい作品になっていない。
 正義を振りかざす記者が暴れ回る話なんでしょ?と思っている人にこそ観てほしい。

石飛: 記者を正義として描くやり方では、この時代に絶対ヒットしないと思います。
 今、新聞記者は相当嫌われていますし(笑)。
 そんな中で、吉岡や陣野のような新聞記者を描いてくれたことがうれしいです。
 こういう映画は最近少なくて、被害者のところに押しかけて「今の気持ちを教えてください」みたいな記者ばかり登場することが多い。
 新聞記者になりたいという人も減るよなと嘆かわしく思っていたので。

小菅: 新聞記者を1つの枠に当てはめて語るケースは多いですよね。

石飛: 僕らの世代は権力と闘うことがかっこいいと思っていた。
 民主主義国家であれば権力を監視するのが当たり前のことだと疑っていなかったんだけど、今は違いますよね。
 権力を批判すると「どうして政府の邪魔をするんだ」「なぜお上の言うことに逆らうんだ」と。
「万引き家族」でカンヌ国際映画祭のパルムドールを獲った是枝(裕和)監督が文科省の祝意を辞退したときも、「国から助成してもらっているのになぜ逆らうのか」という声があった。
 そんな現状の中で、この映画がどんな受け入れられ方をするのかはすごく気になります。

面白い政治ものがあったらヒットするのか、今試されている(石飛)


─ 鈴木さんと小菅さんは冒頭で、今の時代にこの映画が作られたことに感心しているとおっしゃっていましたが、それはどういう理由からでしょうか?

鈴木: 映画人が政治を扱った映画を作ることを自主規制してますよね。
 もしくは上から言われて規制せざるを得なくて、それが常態化している。
「どうせ当たらないだろう」と作り手側も思っている人が多い中、この作品はそれを打破する可能性を秘めているなと。

小菅: うん、私もそう思います。

石飛: おそらく政治的圧力というよりも、プロデューサーたちが政治をネタにすると当たらないと思っているから作られないんじゃないか。
 面白い政治映画があったらヒットするんじゃないかと、それが今試されているような気がしています。
 アメリカにはエンタメとして成立している政治ものってあるじゃないですか。
 スティーヴン・スピルバーグの「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」だったり、ロブ・ライナーの「記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜」だったり。
 日本だと良心的なドキュメンタリーはありますけど、観客の大半はもともと関心の高い人です。
 映画というのは多くの人たちが楽しめるメディア。
 その特性を生かさない手はないと思っていたのも今作を全面支持する理由ですね。


鈴木: 「止められるか、俺たちを」という映画の中で、新宿のバーで大島(渚)一派と若松(孝二)一派が飲んでいるシーンがあるんです。
 そのときに、大島監督が作っている作品について「どうせ観るのは同じような人だけ」と言及される。
 当時で言うと反体制的な人たちのこと。
 今、石飛さんが言ったのはまさにそういうことだと思うんです。
 今の日本の映画監督はあえて政治を描かないことに非常に長けている。
 そういう現状を踏まえると、ヒットしてほしい、観てほしい作品であるし、極めて価値が高いと思います。

小菅: この映画が政治ものの第一歩になればいいですよね。
 政治ドラマではあるけど、人びとの苦悩が描かれているから人間ドラマとしても面白いですし。
 非常に理不尽な状況に立たされたときに「あなたならどうしますか?」という問いを提示してくる。

鈴木: 確かに人間ドラマになってはいるんだけど、やっぱり政治ドラマと打ち出してほしい気持ちはあるなあ。

小菅: 政治ドラマと言いすぎることによって人が観に来なくなったら嫌だなと思って。
「左翼の人が観に行く映画でしょ?」みたいな。

石飛: 松坂さんや本田さん見たさに映画館に行って、思わず彼らの行動に感動してしまうという展開はうれしいですよね。
 僕も若い頃にそういう経験をしたことがありますし、それが映画の原初の魅力だと思うので。

鈴木: 昔はエンタメとして成立している政治ものってありましたもんね。
 山本薩夫の「華麗なる一族」「金環蝕」とか。

小菅: 黒澤(明)さんの「悪い奴ほどよく眠る」や松本清張さん原作の社会派サスペンスとかね。
 いつ頃からなくなってしまったんだろう。

この作品がスタート地点(石飛)

─ 今後こういった映画は増えていくと思いますか?

石飛: 今作の興行次第じゃないですかね。

鈴木: 映画界ってある意味いい加減だから、これが当たれば増えると思います(笑)。
 でも駄目だったらしばらくは出てこないかもしれないね。
「やっぱり当たらなかった」とプロデューサーや映画会社の人が思ってしまったら。

小菅: いろいろなパターンを試してほしいとは感じますね。
 例えばブラックコメディとか。
 トライするのはなかなか難しいかもしれませんが、試しているうちにいつかヒットの鉱脈にぶち当たることがあるかもしれない。
 そうなっていないのは日本映画界の問題でもあるんでしょうけど。
 あとは政治との向き合い方において、なぜ思考停止に陥りがちになっているのかを明らかにする映画を作ってほしいなと思います。
 今の政権に全幅の信頼を持っている人は意外なほど多い。

石飛: 江戸時代に戻ったのかと思いますよね。
 これだけ問題が次々明るみに出ているのに毎回自民党が選挙で勝ちますから。

鈴木: こういう作品を観るのは、今の政治や社会状況に対して意識の高い人が多いのかもしれないけど、それでもやっぱり繰り返し作って伝えていくしか方法はないでしょうね。

石飛: 例えば朝日新聞を読んでいる人は朝日の考えに共感している人が読んでいる。
 では、我々が書いたものをどうやって考え方の異なる人たちに読んでもらうのかと言うと、それが非常に難しい。
 そういう意味でも万人に開かれた映画の力は重要ですよね。


小菅: 政治というのは題材としては間違いなく面白い。
 もっともっと作られていけば見せ方にも工夫が生まれて、面白い作品が誕生していく。
 恐れずに作っていってほしいです。

石飛: まさにこの作品がスタート地点ですね。

★「新聞記者」公式サイト
https://shimbunkisha.jp/

★「新聞記者」 (@shimbunkisha) | Twitter

映画ナタリー
石飛徳樹・朝日新聞 x 鈴木隆・毎日新聞 x 小菅昭彦・時事通信社 鼎談
取材・文 / 小澤康平 撮影 / 奥富敏晴
https://natalie.mu/eiga/pp/shimbunkisha/

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今井良

「官邸直轄スパイ機関」とも言える「内閣情報調査室」。
日本の情報機関の先駆けとなった「内閣情報調査室」は、官邸機能強化と特定秘密保護法成立に伴い、大幅に権限を拡大し、存在感を強めている。
現在、国内・国際・経済・総務の4部門を構成する約250人の内調スパイが安倍総理の手足となって、経済から軍事までありとあらゆる情報を収集・分析し、政策判断を支える。
ただし、その実態は秘匿性が高く謎に包まれてるのが現状だ。
NHK、民放テレビ局でディレクター、警視庁キャップ、ニュースデスクなどを歴任した今井良氏が著書『内閣情報調査室』にて、その秘密に迫っている。
ここでは、公安警察や公安調査庁と競合する内閣情報調査室の組織や活動について具体的に触れた一節を紹介する。

※ 本稿は今井良著『内閣情報調査室 公安警察、公安調査庁との三つ巴の闘い』(幻冬舎新書)より一部抜粋・編集したものです
※ 文中の年齢、肩書きなどは2019年6月時点のものです。

内調のライバル組織、権力を行使して徹底調査を行う「公安警察」

 内閣情報調査室は、日本国のためのスパイ活動を行う情報機関ですが、実は他にも同じ役割を担う機関が存在しています。
 内調のライバルとも言える「公安警察」と「公安調査庁」です。

 公安警察は、その名の通り日本の警察組織における公安部門で、全国でおよそ10万人の公安警察官がいます。
 小説やテレビなどでおなじみの通称「公安」は、一般的には公安警察を指しています。

 公安警察の捜査活動は、ずばり「国益に関わる組織犯罪を摘発する」ことです。
 1970年代には極左暴力集団による爆弾テロが相次ぎ、公安警察は総力を結集してほぼすべての集団を壊滅させています。
 昨今では産業スパイ、国際テロ活動が公安警察の阻止すべき対象となっています。

 公安警察官は、「追尾」「秘撮」「秘聴」「視察拠点設置」と呼ばれる独特の手法を用いて、対象となる個人や組織への「基礎調査(=キチョウ)」を徹底して行います。

 氏名・住所はもちろん、勤務先、交友関係、趣味嗜好、よく利用する飲食店など、警察権力を行使して対象者を丸裸にするのです。
 内調にも、出向しているノンキャリアの優秀な公安警察官が数多く存在し、幹部であるキャリアを補佐しています。

内調のライバル組織、法務省の外局である「公安調査庁」

 公安警察庁は法務局の外局で、1952年に破壊活動防止法、いわゆる破防法を執行する行政機関として誕生しました。
 公安警察のように強制捜査権は持ちませんが、破防法の団体規制を請求するための調査権が与えられています。

 破防法27条には「公安調査官は、この法律による規則に関し、規定する基準の範囲内において、必要な調査をすることができる」との文言があります。
 この「必要な調査をすることができる」という一文が、公安調査庁のスパイ活動のテリトリーを拡げる根拠となっています。

 公安調査庁の組織は大きく2つに分かれており、国内の公安動向を調査する調査第一部、海外の公安動向の調査・情報機関との連絡を行う調査第二部から構成されています。

 内調には、公安警察と同じように、公安調査庁からの出向者や転籍者が多数存在しています。
 1997年の公安調査庁の大規模な組織改正時には、内閣情報調査室が50人もの公安調査官を受け入れて話題になったこともあります。

内調、公安警察、公安調査庁で「競合」するスパイ活動

 内調と公安警察、公安調査庁は、それぞれの機関に国内外のスパイ活動を担当する部署があるため、活動の領域が「競合」します。

 例えば、内閣情報調査室では、国際部門が海外のスパイ活動につながるすべての情報収集・分析、つまりカウンターインテリジェンスを担当していますが、公安警察や公安調査庁にも同様の部署があります。

 公安警察には、外国によるスパイ行為防止の任務を担う「外事警察」があります。
 警視庁の組織を例に挙げると、公安部外事一課・外事二課・外事三課が国別に分かれて、防諜活動を行っています。

 さらに、公安調査庁でも、調査第二部が海外のスパイ活動に関する情報収集を担当しています。
 第一担当から第四担当まで国別に分かれて、情報収集を行います。
 公安調査官のスパイ活動は、追尾や監視などは行いますが、公安警察が行うような強制力が伴う通信傍受はできません。

 したがって、人から得る情報「ヒューミント(ヒューマンインテリジェンス)」が主流となります。
 この点は、内調の国際部門のスパイたちも同じです。

 整理すると、以下のようになります。

【内閣情報調査室】
【国内部門】 公安警察の公安一・二・三課、公安調査庁の調査第一部と競合
【国際部門】 外事警察、公安調査庁の調査委二部と競合

 日本の3つの情報機関は、まさに三つ巴でスパイ活動を展開しているのです。

現場での激しい攻防 内調スパイVS.公安警察官・公安調査官

 そのため、内調のスパイ活動の現場では、時に公安警察官や公安調査官との激しい衝突が繰り広げられています。

 例えば、公安警察官が内調スパイを尾行するよう指示を受けることは珍しくないと言います。
 理由は明らかではありませんが、公安捜査関係者によれば「対立する機関の追っかけ(追尾)をやることはよくある」らしいのです。

 また、調査対象だった極左暴力集団などの衰退を受けて、「政治への接近」を組織命題として進めてきた公安調査庁では、内調との競合領域が増えてきています。
 事情を知る内調関係者によれば、政治関係者からの情報収集の現場で、内調スパイと公安調査官による協力者の奪い合い、相互の中傷が勃発しているといいます。

ある内調関係者はこう語ります。

「同じ協力者をめぐり、対立する公安調査庁の調査官のことをあえて報道関係者にリークしたことがある。マスコミに知れ渡ることだけでその調査官を放逐することができる。逆に同じことをされた同僚もいた」

 時に稚拙に見える、こうした行動を取ってしまうほど、情報を得ることに関してはお互いに譲れない部分がある3つの情報機関。
 その覇権争いトップに立つ内閣情報調査室が、日本の情報機関の未来の一角を成すことは間違いないでしょう。


2019年06月27日
「日本3大スパイ組織」
内閣情報調査室、公安警察、公安調査庁のライバル争い

今井 良
https://shuchi.php.co.jp/article/6539

6月28日、29日の日程で行われる「G20サミット」。
会場となる大阪では、大規模警備が行われている。
テロ対策の切り札として、機体と操縦者の位置を特定できるとされる「ドローン検知器」が取り入れられ、さらに様々な情報をもとにしたテロなどの兆候(通称「兆」きざし)をインテリジェンス活動に活用しているという。
菅義偉内閣官房長官がサミット会場「インテックス大阪」を事前に電撃視察するなど、官邸もG20警備に前のめりな姿勢を見せた理由は何なのか。
ジャーナリストの今井良氏が解説する。


G20は来年の東京五輪に向けての警備前哨戦


「今後の都市部における大規模警備の試金石になると考えています」

 今月2019年6月20日。
 大阪府警本部の会見室で、府警本部長の石田高久警視監が記者クラブ員たちを見渡しながらこう述べた。

 石田府警本部長は今月28、29日に開催される20カ国・地域首脳会議、通称「G20サミット」の大阪府内の警備に警察官約3万人態勢で臨むことを明らかにした。
 兵庫県内などを含めると最大約3万2000人が投入される計算になる。

 内訳は大阪府警が約1万2000人、46都道府県警から大阪への特別派遣部隊が約1万8000人、兵庫県内などが約2000人。
 大阪での大規模警備は1995年のアジア太平洋経済協力会議「APEC」以来となる。

 石田本部長は1985年に警察庁に入庁。
 生活安全部門畑が長い経験豊富な警察キャリアである。
 その石田本部長には異色の経歴がある。
 2001年には、翌年の日韓共催のサッカーワールドカップ大会に関わり、「2002年ワールドカップサッカー大会日本組織委員会セキュリティ部長」を務めている。
 つまり、国際スポーツイベントの警備は経験済なのである。
 この石田本部長を配置した人事は、日本警察トップの栗生俊一警察庁長官の強い意向とされている。
 さらに政府関係者によると、栗生長官は官邸幹部から、G20での警備強化を下命されていたという。

「警察組織内部では、今回のG20は来年の東京五輪に向けての警備前哨戦との見方が大勢を占めている。世界中のVIPが一堂に会するサミットだから、警備における緊張の度合い、責任は東京五輪に匹敵するものだ」
(政府関係者)

人工島・咲洲には検問所 地域住民は証明カードを所持

 官邸が前のめりするG20警備。
 それを象徴したのが、菅義偉内閣官房長官が今月22日、大阪市のサミット会場を電撃視察したことだった。

 会場となるのは、人工島・咲洲の国際展示場「インテックス大阪」だ。
 咲洲には2万4000人が生活しているが、24日現在、各所に検問所が設けられているほか、地域住民は、住民であることを証明する専用のカードを所持しているという。

 サミット会場で菅長官は、各国要人らの警護や会場周辺の警備に当たる警察官や海上保安官に対し「陸と海の両面の警戒を徹底してほしい。サミットの成否は皆さんの双肩にかかっている」と激励したのだった。

 菅長官は「準備が整いつつあることを確認した。会議の成功に向けて政府一体で準備に万全を期したい」と記者団に語っている。

「これで空気が入った。つまりG20警備に失敗は絶対に許されないということを全ての警察官が認識した」
(警察庁関係者)

ドローンショックが、トラウマとして残ったまま

 サミットという政治の花舞台ということもあったが、菅長官がここまで警備に神経を尖らせるのには訳があった。

 先月、都内の皇居周辺などで夜間、目撃されたドローンとみられる飛行物体。
 警察当局は結局、飛ばした人物を割り出すことが出来ていない。
 加えて、夜間のドローン捕獲作戦も弱点があるということが明らかになってしまったのだった。

「当時は皇室行事が控えており、機動隊の精鋭による、捕獲網を使ったドローン迎撃部隊、それに妨害電波を発するジャミングガン部隊を皇居周辺に配備していたにも関わらずドローンの飛行を許してしまった。ドローンショックが警察当局にトラウマとして残ったままなんだ」
(警察庁関係者)

 ちなみにドローンショックは警察にとって初めてではない。
 かつて、官邸屋上に10日間以上も墜落した小型ドローンが放置されていた事件があった。
 この時には警戒責任者の機動隊幹部が左遷されたほか、逮捕された男が、危険物をドローンに装着・散布しようとしていたことも逮捕後に判明。
 警察庁には激震が走ったのだった。
 この警備史上最大の盲点とも言える、官邸ドローン事件で最も憤っていたのが、菅長官だったとされている。

 そうした「ドローン警備」の方針が徹底されているにもかかわらず、大阪では2件の「ドローン事件」が起こっていた。

なぜ大阪ではドローン操縦者を特定できたのか?

 サミット会場の咲洲で小型無人機ドローン2機を無届けで飛ばしたとして、大阪府警は13日、府ドローン禁止条例違反の疑いで、操縦した男性2人から任意で事情を聴いた。

 府警警備部によると、13日午後0時半ごろに大阪府の60代男性が、午後2時15分ごろに京都府の30代男性がそれぞれドローンを飛ばしていた。
 2人は「条例で規制されているとは知らなかった」などと話している。
 いずれも応援部隊の警察官が発見。
 操縦者を特定した。

 大阪府ドローン飛行禁止条例は今年4月に施行。
 サミット期間を含む5月29日から6月30日までの約1ヶ月間、咲洲などの周囲300メートル、関西空港の周囲1000メートルで、届け出することなくドローンを飛行させた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。

 さらにそのわずか5日後の18日。30代の男性が午後に小型無人機ドローンを無届けで飛行させていたことが判明。
 大阪府警は府ドローン禁止条例違反容疑で今後、男性を書類送検する方針で、男性は「テスト飛行だった。写真を撮ろうと思っていた」と話しているという。

 大阪府警の佐藤隆司警備部長は「サミットの安全開催に向けて、条例違反には厳正に対処する。発見したら110番などにご協力をお願いします」とのコメントを発表している。

 この2件。
 実はドローンが飛行しているところをいずれも警戒中の警察官が発見していた。
 そこに今回のG20サミット警備のポイントがあった。

「ドローン位置検知器が導入されたようだ。ノウハウがある警視庁特科車両隊のベテラン隊員らが大阪入りしており、指導にあたっている」
(警察庁関係者)

 警察庁関係者によると、ドローン検知器とは日本警察が最も秘匿する対ドローン用の新型資機材だ。
 ドローンの発する電波を特別に探知。
 その位置を特定するという。
 機体と操縦者の位置を特定できるとされており、ドローン対策の切り札と位置付けられている。

「兆(きざし)情報」をAIでリアルタイムに収集・分析

 ドローン対策に加えて、東京五輪を前に警察庁が本格的に導入するのが、AI・人工知能を活用した警備である。
 警察庁関係者が明かす。

「具体的には、会場やその周辺のあらゆる防犯・監視カメラ、更に一部の警察官が装着するウェアラブルカメラの映像の分析にAI技術を活用すれば、異常事態などを自動的に検知し、警察官、機動隊部隊を急行させることで安全性確保につなげることが可能になるほか、カメラに記録された規制場所への不審者の立入りや不審物件の置き去りなどを自動的に見付け出し、不法事案を未然に防止することができるようになる」

 加えてG20サミット警備では、「兆(きざし)情報」をAIでリアルタイムに収集・分析することで、突発的な襲撃者の出現等の情報を事前に把握することができる。
 公安関係者によると兆情報とは、公安警察当局が集めた、テロリストなどや関連する人物についてのストック情報とされている。
 この兆情報にAIの技術を掛け合わせることで、襲撃者を事前に予測し身柄確保するという「予測型警備」が可能となり、G20サミットが、その実践の場となりそうなのである。

「カメラシステムによるビッグデータ収集、それに警察が持つ兆情報がAIを通じて、更に進化を遂げるものとなり、事前にテロを防ぐことができるようになる」
(公安関係者)

 更にインフラシステムなどを狙うサイバー攻撃に備えているという。

「1995年の大阪でのAPEC警備の時と一番違うのは、ネット社会になっていること。サイバー攻撃に一分の隙も与えない」
(公安関係者)

 空前の警備は果たして機能するか。
 日本警察の真価が問われている。


文春オンライン、2019/06/28
G20大阪サミット開幕
テロ対策の切り札は「ドローン検知器」と「兆情報」

今井 良
https://bunshun.jp/articles/-/12509

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映画「新聞記者」

 2019年6月28日のG20大阪の初日、フォトセッションです。
 突然ですが問題です。
 国際舞台では存在感を消し去ることで有名な安倍さんですが、この時安倍さんは何回人と接触(会話や握手、ハグ等)するでしょう?
 大ヒント。議長国です。最初から立っています。中央です。
 ↓ 答えはこちらで


7:18 - 2019年6月28日

尾張おっぺけぺー
https://twitter.com/toubennbenn
 凄まじい無視のされ方。
 握手を求められたのはたった一人。
 ほとんどの首脳が、安倍に目を向けるとか、会釈をすることもなく、ごくごく自然に素通りしてゆく。
 こういう人を日本の有権者は、首相に選んだのだ、ということですね。


内田樹さんが未来のための公共をリツイートしました

『新聞記者』とっても面白かったです。
 ぜひご覧ください。
 ふつうの場面から内閣情報調査室に切り替わると、どよんと薄暗い青みがかった単色画面になるんです。
 そこに出て来た人たちの内面が環境を変成するというと・・・おお、ドイツ表現主義ではないですか。
『カリガリ博士』ですよ、これ!
未来のための公共
 松坂桃李さんとシム・ウンギョンさん主演、映画「新聞記者」。
 未来のための公共の抗議の映像も使われているらしい(55秒のところ)。
 今日から新宿ピカデリーで公開です。
 映画『新聞記者』予告編 https://youtu.be/Mtn5pEGEC0w @YouTubeより

4:25 - 2019年6月28日

 メディアではG20でのアベ賛歌とばかりで、「大阪トラック」ばかり!
 これが日本のメディアなんだ、それでいいのかな、と思いつつ、6月29日(土)のヤッホーくん、昨日の金曜日どうにかこうにか山歩クラブ「かわらばん文月号」の発送依頼を終えたので、ビックカメラの上、「角川シネマ有楽町」に映画「新聞記者」を観に行ってきたのです。
 ビックカメラの開店10時なのにもう開くのを待つ行列ができ、10時半上映で館内の椅子に座って周りを見渡したら、もう満席。

 望月衣塑子の著書「新聞記者」を原案とする本作。
 国家権力の闇に迫ろうとする新聞記者・吉岡にシム・ウンギョンが扮し、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務を与えられたエリート官僚・杉原を松坂が演じている。

 シム・ウンギョンは、
「情報があふれる今の時代、どのように自分の道を切り開いて生きていくのか。それぞれ伝えたいメッセージはあると思いますが、真心で感じてくださるとありがたいです」
と観客に呼びかけた。

 松坂は公開初日を迎えた前日、本作の公式サイトがサーバーダウンしていたことを報告する。
「作品を表現するのにしっくりする言葉がまだ見つからないですが、観てくださった方々の感想がこの映画のすべてかなと。昨日、公式サイトがパンクしたらしいとスタッフさんから聞いて、それだけ熱量のある作品なんだと改めて実感しています」
と反響に驚いた。

 杉原の妻を演じた本田翼は、本作で松坂と初共演。
 松坂への印象を、
「静かな方。しゃべらなくても平気で、一緒にいて居心地のいい雰囲気を持っている方です」
と表現する。
 司会者から「ゲームの話で盛り上がっていたと聞きましたが」と尋ねられると、本田は、
「この映画のテーマ的にあえて触れないでおこうとしたんですけど……ゲームの話をよくしました(笑)。松坂さんはカードゲームをやられているようで」
と遠慮がちに告白。
 松坂も、
「あの夫婦の仲はゲームの話でできあがりました(笑)」
と苦笑しながらうなずいた。

 監督・藤井道人は本作のメガホンを取るにあたり、オファーを2度断っていたことを明かす。
「若い世代の目に政治はどう映っているのかと聞かれたとき、『正直興味ないです』と断ったんです。でも逆に、この国に生きる1人の人間として、どうして今まで避けてたんだろうって気付くことができました」
と監督を引き受けたきっかけに言及。
 倉持大輔役の岡山天音は、
「なじみのない言葉がたくさん出てくるので、新聞社を見学したり資料を読んだり、いろいろな方向から準備をしました」
と振り返り、陣野和正役の北村有起哉は、
「“骨太”とか“社会派”と言われますが、それは観る方々に決めていただくもの。こういうときこそ、僕たちは毅然とした態度で皆さんに感謝すべきだと思っています」
と心境を語った。
 またドラマ「日本ボロ宿紀行」に続いて藤井と組んだ神崎俊尚役の高橋和也は、
「コメディタッチな作品から今回は意欲的で挑戦的な作品に。現場では監督にお任せして、自分はとにかく一生懸命演じるだけでした」
と信頼をうかがわせる。

 舞台挨拶では「もし自分が新聞記者だったら」というテーマで、オリジナルの記事の見出しを発表するコーナーも。
 シム・ウンギョンは「お祝い!公開!新聞記者!!」と書かれたフリップを見せ、無事に公開を迎えた安堵と喜びをあらわにする。
 松坂は「素敵な回答のあとに出しづらい」と渋りながら「テレビが……!?」と書かれたフリップを披露。
「最近テレビが故障してうんともすんとも……。リモコンの電池をクルクルやったりしても点かないし。非常に困っている状態なんです」と述べ、プライベートな回答をしてしまった恥ずかしさから「もうやめたい!」と嘆いた。


[写真]
「新聞記者」公開記念舞台挨拶にて、左から北村有起哉、岡山天音、シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、高橋和也、藤井道人。

映画ナタリー、2019年6月29日 12:46
松坂桃李「新聞記者」公式サイトのパンクに驚く「それだけ熱量のある作品だと実感」
https://natalie.mu/eiga/news/337671

映画「新聞記者」にも登場する内調とは一体どんな組織か。官邸を知る記者や元官僚が対談
ハフポスト日本版
2019/05/23 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=IrbMBzQhgn8

望月衣塑子記者や前川喜平氏ら、安倍政権の圧力について語る。映画「新聞記者」公開に合わせ
ハフポスト日本版
2019/06/01 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=WlxLehRWgbE

posted by fom_club at 16:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

老後2000万円不足の真犯人

年金官僚による乱脈な使い込み、政治家によるバラ撒きと大規模リゾート施設の建設、そして5000万件の消えた年金記録――
2000万円の老後資金不足を招いた政治家と官僚による「年金破壊」は、この国に年金制度が誕生した時から計画され、80年かけて実行されてきた壮大な収奪劇であった――。
ジャーナリストの武冨薫氏が、この80年の自民党や官僚のあまりにも杜撰な歴史をリポートする。

「せっせと使ってしまえ」


 戦時色強まる1940(昭和15)年の秋、厚生年金(当時は労働者年金保険)の創設を発表する記者会見で厚生省の年金官僚・花澤武夫氏はこう演説した。

労働者の皆さんが軍需生産に励んでこの戦争を勝ち抜けば、老後の生活が年金で保証されるだけでなく、いろんな福利厚生施設によって老後の楽しみを満たすことができる。年金の積立金の一部で1万トン級の豪華客船を数隻つくり、南方共栄圏を訪問して壮大な海の旅を満喫いたしましょう

 翌日の朝刊各紙は社会面に5段ぶち抜きで報じ、労働者年金は“夢の年金”を求める国民の声を背景に1942(昭和17)年に創設。
 2年後に厚生年金と名称を変えた。

 日本の年金制度は戦費調達が目的だったとされるが、正確ではない。
 年金官僚は年金資金でアウトバーンや労働者住宅を建設した同盟国・ドイツのヒトラーの手法に倣い、創設当初から流用を考えていた。

 冒頭の「豪華客船演説」を行なった花澤氏は初代厚生年金保険課長を務め、引退後、『厚生年金保険制度回顧録』(昭和63年刊)でこう語っている。

法律ができるということになった時、すぐに考えたのは、この膨大な資金の運用ですね。(中略)この資金があれば一流の銀行だってかなわない。今でもそうでしょう。何十兆円もあるから、(中略)基金とか財団とかいうものを作って、その理事長というのは、日銀の総裁ぐらいの力がある。そうすると、厚生省の連中がOBになったときの勤め口に困らない。何千人だって大丈夫だと

 当時の厚生年金は保険料を20年支払えば55歳から受給できる積立方式で、花澤氏の計算では年金資金は60年間の総額が450億円(現在価値で350兆円)に上ると弾いていた。

20年先まで大事に持っていても貨幣価値が下がってしまう。だからどんどん運用して活用したほうがいい。何しろ集まる金が雪ダルマみたいにどんどん大きくなって、将来みんなに支払う時に金が払えなくなったら賦課方式(*注)にしてしまえばいいのだから、それまでの間にせっせと使ってしまえ。それで昭和18年11月に厚生団を作ったのです

【*注/現在の高齢者の年金を、次の世代が納める保険料で払う仕組み。「世代間扶養」と呼ばれる現在の日本の制度】

 厚生団は厚生年金病院や厚生年金施設を運営する財団法人だ。
 初代理事長は厚生省保険局長。年金制度ができたときから“天下り利権”がセットで用意されたのである。

この戦争で勝てばいいけれども、もし敗けて、大インフレでも起こったら、でももうその時はその時だと。外国をみても、どこの国も積立金はパーになってしまった〉(同前)

 すさまじい証言である。
 徴収した保険料は最初から使い果たすつもりだったことがうかがえる。
 敗戦後のインフレで年金は実質「パー」になり、戦後の混乱の中で、軍需工場で働いていた人々の保険料納付記録が散逸し、現在に続く最初の「消えた年金」が発生した。

票を買え、ハコ物を建てろ

 年金官僚と政治家たちは戦後復興とともに本格的な“年金共栄圏”づくりに走り出す。
 1954(昭和29)年に厚生年金法を全面改正し、支給開始年齢を55歳から60歳支給に引き上げた。

 さらに安倍首相の祖父、岸信介氏が首相に就任すると国民年金法(65歳支給。25年加入)を成立(1959年)させ、厚生年金と合わせた「国民皆年金制度」をつくって会社員以外にも保険料徴収の網をかけた。
 岸氏は戦前、東条内閣の商工大臣として労働者年金制度の発足に深くかかわっている。
 厚生年金の支給を5年遅らせ、新たな年金を創設すれば保険料だけがじゃんじゃん入ってくる仕組みを十分わかっていたはずだ。

 折しも高度成長期が始まり、保険料収入が潤沢になると、自民党は選挙で老人票を“買収”するため今度は年金大盤振る舞いを始めた。
 国民年金に加入できない高齢者に保険料負担ゼロでもらえる「福祉年金」を創設、さらに保険料を10年払えばもらえる「10年年金」、5年でもらえる「5年年金」を次々に創設した。
 田中角栄首相が登場すると「福祉元年」を掲げ、福祉年金の支給額を月5000円から1万円へと倍増させた。

 政治家が湯水のように金を使うのを年金官僚たちが指をくわえて見ているはずがない。
 こちらは年金保険料で厚生年金会館という名のホテル、プール、スケート場などの年金施設を全国265か所に建設し、天下り財団に運営させた。

 その中核の「厚生年金事業振興団」(厚生団から改称)は病院、看護学校を含めて100以上の施設を運営し、職員約5400人、天下り官僚120人という巨大財団に成長した。
 年金から投じられた金額は建設費・運営費合わせて約1兆5000億円にのぼる。
 官僚OBの給料や退職金まで年金丸抱えだった。

 年金利権で味を占めた政治家と官僚がガッチリ手を組んで次に進めたのが悪名高い大規模年金保養基地「グリーンピア」事業だ。
 総額2000億円をかけて1980年代までに全国13か所のリゾートホテルを建設、候補地選びや業者選定に厚労族議員が幅をきかせ、年金官僚は新たな施設運営法人「年金福祉事業団」をつくって天下り先を増やした。
 1か所の予算が200億円で計画されたグリーンピアは、政治家にとって垂涎の巨大公共事業だった。
 有力な厚労族議員の数だけ事業が増やされ、13か所のうち9か所が歴代の厚生大臣経験者の地元に誘致された。
 だが、どの施設も大赤字で閉鎖後に二束三文で売却され、建設費の97.5%が損失となっている。

 建設費2000億円をはじめ、借入利息や管理費など総額3800億円を政治家や天下り役人たちが食い散らしたのである。
 霞が関で“満腹事業団”と呼ばれた年金福祉事業団は、グリーンピアの他に年金積立金の運用や住宅融資を手がけ、トータルでなんと4兆円を超える損失を出している。

上は「袖の下」、下は「サボリ」

 年金危機が表面化してもシロアリ官僚たちの年金蚕食は止まらず、“袖の下”や年金着服が横行した。
 関東の年金施設建設工事の入札をライバル企業と争った設備会社の役員は、厚労族の大物議員の勉強会で紹介された厚労省の課長に口を利いてもらって受注に成功した。
 後日、“お礼”として2万円入りの商品券を50箱、菓子折と一緒に紙の手提げ袋に詰めて厚労省本庁舎を訪ねた。
「そこに置いておいて」
 挨拶すると課長は中身を確認もせずにアゴで自分の席の後方を指したという。
「こちらは非常に緊張したが、課長は慣れているようにみえた」
 2000年代の初め頃、筆者が設備会社役員から聞いた証言である。

 上が袖の下なら、下はサボりと着服だ。
 年金業務を行なう旧社会保険庁(現在は日本年金機構に改組)では、労使間で「働かない協定」が結ばれていた。

〈1人1日のキータッチは5000回以内〉
〈窓口装置を連続操作する場合(中略)操作時間45分ごとに15分の操作しない時間を設ける〉――
など87項目におよぶ。
 端末のキータッチ5000回で打てる文字はA4判で2枚程度。
 かかる時間は30分ほど。
 それで1日の主な仕事が終わる。
 役人の間で「楽園」と呼ばれていたが、職員約1万7000人の給料は年金会計から支払われてきた。

 そのうえ、年金窓口では、職員が現金で納付された年金保険料を着服する事件が何度も起きた。

 1985年の基礎年金制度の導入の際、厚労省から全国の市区町村に対して「年金台帳廃棄命令」が出され、その後撤回されたものの、推定5億件の膨大な資料が処分されたとみられている。
 後に大問題となる「消えた年金記録」の解明を阻む最大の原因となった。

 この廃棄命令は悪徳官僚による保険料ネコババを一斉に“証拠隠滅”するためだったという見方が強い。

香典や事故の賠償金まで

 そして年金財源が枯渇するダメ押しとなったのは、1997年から始まった新たな手口の年金流用だった。

 年金官僚は「財政構造改革の推進に関する特別措置法」の改正で年金財源を「事務費」に使える規定を巧妙に盛り込むと、それまで以上に大手を振って年金の金を使い始めた。

 社保庁長官の交際費や香典の支出、公用車(247台)の購入、職員の海外出張費から、職員が起こした交通事故の賠償金、職員用宿舎の建設費(新宿区の3LDKで家賃約6万円)などに年金の金が湯水のように使われた。

 それだけではない。
「職員の福利厚生」の名目で、社保庁職員専用のゴルフ練習場の建設やクラブの購入費、テニスコート建設、マッサージ器(395台)購入などに総額1兆円近い金が消えたのである。

 年金官僚には国民の「老後資金」を預かっているという責任感が完全に欠けていた。

「年金100年安心プラン」という国民騙しのスローガンで大改悪が進められた2004年の小泉年金改革の際に一連の年金官僚たちの乱脈ぶりが発覚し、社保庁や厚生年金事業振興団などの廃止論が高まると、天下り団体側はよりにもよって年金のカネで自民党の厚労族議員に献金攻勢をかけ、政官一体となって抵抗したのである。

 そしてついに、年金官僚たちのサボタージュで「消えた年金」記録が5000万件に上り、年金未払いになっていることが突き止められると、時の第1次安倍政権が倒れた。

 消えた年金は10年以上かけて現在までに3000万件の照合が行なわれ、それだけで未支給額が2兆7000億円だったことがわかったが、まだ照合できない記録が2000万件近く残っている。
 年金制度の歴史に詳しい社会保険労務士・北村庄吾氏が語る。

政府は年金危機を少子高齢化のせいにしているが、それだけではない。政治家と官僚が年金積立金を長年にわたって使い込み、制度の根幹を滅茶苦茶にしてしまったことが最大の原因の一つです

 国民の老後資金は、こうして「消えていった」のである。

※ 週刊ポスト2019年7月5日号

マネーポスト、2019年6月27日 7:00
老後2000万円不足の真犯人
年金10兆円を散財した自民党と官僚80年史

(武冨薫)
https://www.moneypost.jp/553270

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稲葉剛

 ヤッホーくん、「年越し派遣村」や「もやい」に取材に行ったことがありました、あれからもう10年も経つのですかぁ〜

2019年03月29日「誰一人、路頭に迷わせない東京をつくる」
2019年03月18日「綿野恵太」
2019年02月21日「年越し派遣村から10年」
2019年02月09日「森永卓郎さん『とてつもない大転落』」
2018年10月21日「対米従属論の流行」
2018年03月21日「香山リカ」
2017年05月05日「こどもの日に考える」
2014年05月08日「モヤイ像」
2010年12月30日「飯盛山」

 稲葉剛(いなば・つよし、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授)さんが、怒っています。
 ヤッホーくんのこのブログ、2019年06月27日付け日記「築地とカジノ」と関連しますのでご参照ください。

 本日(6月28日)、立教大学がカジノ推進イベントについて内容の「一部変更」を発表しました。

[6/28 14:50追記:内容変更]
グローバル・リーダーシップ育成プログラム第7回東京オープンフォーラム『日本統合型リゾート〜健全社会のIRを目指して』
https://www.rikkyo.ac.jp/events/2019/07/mknpps000000v1hi.html

 本日の発表は、以下のようにまとめられます。

・ 7月6日に学内で開催する予定であった公開シンポジウムは学外に会場を変更する。

 会場変更の理由は「主催のマカオ大学が、よりアクセスの良いコンパクトな会場で、皆様と近しく知見や課題を共有できる形で開催したいとの主旨で判断した」からである。

・ マカオ大学主催の3日間のIR人材研修プログラムへの共催は取り消さない。一部のプログラムは予定通り、学内で開催する。

・ 当初の予定から登壇者が変更になったこと、豊島区が後援を取り消したこと、イベント内容が立教にふさわしいものなのか等、この間、指摘されてきた問題点には全く言及していない。

 カジノ経営者3人が講演する学生無料の公開シンポジウムの学内開催がなくなったことは歓迎すべきことだと思います。
 しかし、学内外からの批判が強まったこと、豊島区が「中立性がない」と判断をして後援を取り消したことが学内開催の中止に影響したことは明らかであるにもかかわらず、そのことに全く触れていないのは不可解でしかありません。
 立教大学は豊島区が中立性がないと判断したイベントを強行するのでしょうか。

 私は個人サイトの記事において、今回のイベントの問題点を以下のようにまとめていました。

 立教カジノイベントの何が問題なのか?

1.7月6日(土)に予定されている公開シンポジウムは、カジノ業界のPRイベントでしかなく、学術研究の要素はない。そもそも立教に限らず、教育機関で開催するのは不適切である。

2.公開シンポジウムの登壇者が大学の部長会で承認された内容から変更になっているという指摘があり、立教大学当局は説明をする責任がある。

3.公開シンポジウムは、3日間のプログラムの一部だが、カジノ業界の人材育成を目的とするプログラムに協力をすることが立教大学の教育理念とどう合致するのか、大学当局は説明をする責任がある。

 このうち、1については学内での開催はなくなりましたが、立教大学が共催して同じような内容のイベントが学外で開催されるならば、カジノPRに協力するという点では変わりありません。

 また、本日の大学当局の発表は、2、3の疑問についても全く答えていません。
 立教大学当局は学内外からの批判をどう受け止めているのか。
 なぜ登壇者が変更になり、豊島区が後援を取り消すという前代未聞の事態を招いたのか。
 受講料15万円を徴収して、カジノ業界の人材を育成するプログラムに協力することが、立教の教育理念や建学の精神とどのように整合性がとれるのか。
 引き続き、説明を求めていきたいと思います。

「#立教はカジノに魂を売るな」キャンペーンに引き続き、ご注目ください。

2019年6月28日
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授
一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事
稲葉剛


稲葉剛公式サイト、2019年6月28日
立教カジノイベントの「一部変更」に関する見解 〜学内開催の中止は歓迎するが、数々の問題点は解消していない
http://inabatsuyoshi.net/category/opinion

「立教カジノイベントの何が問題なのか?」のなかで、稲葉剛さんは大学の建学の精神を想いおこそうと次のようなことを述べておられます:

 仮に大学で開催しても問題のない学術研究イベントだとしても、立教大学が共催するからには、立教の教育理念との整合性は問われるべきです。
 立教大学の建学の精神や教育理念について、現総長の郭洋春教授は大学のホームページで以下のように語っています。
 立教大学の物語は、1874年 聖書と英学を教える私塾「立教学校」から始まります。
 当時の日本は実利主義の傾向が強く、物質的な繁栄を目指す風潮にありました。
 このような時代の流れに危機意識を抱き、西洋の伝統的なリベラルアーツカレッジをモデルとして、心の豊かさとリーダーシップをあわせもち、世の中に自ら貢献できる人間を育むべく、立教は今日まで歩んできました。
 現代のグローバリズムは、より便利に、ライフスタイルの多様化を促す一方、過剰な競争にさらされる面もあります。
 立教で学ぶ人は、そこでためらうことなく、他者に手を差し伸べられる人に育ってほしい。

 私塾「立教学校」は、アメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が設立しました。
「実利主義」や「物質的な繁栄を目指す風潮」に「危機意識」を抱いて学校を開いた創設者が、145年後、その学校がカジノ人材の育成に力を入れていると知ったら、何と言うでしょうか。

 また、郭洋春教授自身も昨年、読売新聞への寄稿の中で、大阪のIR構想について、
「カジノはマカオなど各地にある。カジノは果たして、日本でしかできない体験だろうか。周辺の飲食店などの需要を奪うマイナス面も出てくるだろう」
と懸念を表明しています。
・・・独自の観光資源 発掘を(郭洋春 立教大総長)

 郭教授には、経済学者としての見解との整合性についても語っていただきたいと思います。
 問題のシンポジウムの開催まで、あと2週間を切りました。
 ぜひ学内外から立教大学当局に対して、声をあげていただけるとありがたいです。


2019年6月25日
立教大学の建学の精神に反する

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2019年06月28日

「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼

玉の宮居は 名のみにて
あれにぞあれし 大殿に
三歳の月日 凌ぎつつ
民のかまどを にぎはし給ふ
その大御めぐみ

雨降りしきる あしたにも
風ふきすさぶ 夕にも
大御身の上は 忘られて
民のうへのみ 思ほし給ふ
その大御心

仁徳天皇(唱歌)〜山口采希〜
https://www.youtube.com/watch?v=1HHSH9Qp4aE

喜びと悲しみに 情熱が肩を組む
うつむいた日は過ぎた 時が来たまっしぐら
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ

ひたぶるに駆け抜けた 根こそぎのなにくそで
どん底も手を伸ばし 風一つ掴んだる!
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
揺るがぬ魂 日の丸が行くぞ

行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ

行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
白地に赤く 日の丸が行くぞ

行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
揺るがぬ魂 日の丸が行くぞ


行くぞ!日の丸!、作詞作曲:山口采希
https://www.youtube.com/watch?v=EFVymDH2Q5g

春の訪れ 風も和やかに
薫り高く 梅の花のように
うるわしき日々を 
ありのままに
咲き誇る
令和の御代に
和らぎの日々を
それぞれの心
満ち足りて
咲き誇る
令和の御代に
心寄せ合う
令和の御代に


令和の御代 〜やまぐちあやき〜
https://www.youtube.com/watch?v=gOLQLip-ND0

「愛国行進曲 」- 山口采希
https://www.youtube.com/watch?v=DGw_50OnNJ8

 2019年5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼(以下、「児童朝礼」)が行なわれました。
「児童朝礼」では、小田村直昌校長が「天皇陛下がお代りになった話と126代目であること、元号も日本古来から続いているお話」(泉尾北小HP)をしています。
 新天皇を「126代」とすることは、神話上の神武天皇なども含む数え方をしており、歴史的事実に反し皇室が「万世一系」であるかのように教えることに他なりません。

 その後、「児童朝礼」では「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏(「教育勅語」を歌にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場しました。
 そこで山口氏は、明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。
 どちらも神話上の天皇を賛美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌です。
 さらに「仁徳天皇」を歌う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話をしました。
 これは、戦前の皇国臣民化教育の定番教材で、子どもたちを「臣民」に仕立て上げていったものです。
 2015年2月、愛知県一宮市教育委員会は、「建国記念の日」を前にした全校朝会で「民のかまど」の話をした市立中学校校長を注意をしたこともありました。

 しかし、大阪市立泉尾北小学校のHPには、この「児童朝礼」の様子が紹介されており、小田村校長は山口氏の歌・話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲストでした」と絶賛しました。
 HP記事の最後には、小田村校長が山口氏の書いた色紙をもった写真も掲載されています。
 その色紙には、「皇紀2679」と書かれています。
「皇紀」は神話上の天皇である神武天皇に由来するもので、戦後は公教育でも行政文書でも一切使用されていません。
「皇紀」を使った色紙の画像を公立小学校のHPに載せることは不適切です。

 山口氏は、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。
「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本軍の姿を彷彿とさせます。
 外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと私たちは憂慮します。
 大阪市がめざす「多文化・多民族共生教育」に反するものです。

 公立学校の児童朝会での山口氏の歌や話は、戦前の教育勅語教育を小学校に露骨に持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあり、明らかに憲法違反です。
 公立学校でこのような集会が行われていること自体、全国的に例を見ません。

 泉尾北小に山口氏を呼び、「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼を行ったのは小田村校長です。
 小田村校長は大阪市の民間人校長として5年目(泉尾北小では2年目)で、任命したのは市長と教育委員会です。
 小田村校長は、大阪市立小学校校長になってから、右派団体である「学ぼう会北摂」で講演をしたり、龍馬プロジェクト会長の神谷宗幣氏のインターネット番組に登場し、大阪市の人権教育や歴史教育を「偏向教育」と批判している人物です。
 今回の「児童朝礼」は、小田村校長が意図的に実施したことは明らかです。

 私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田村校長に対して抗議します。
 小田村校長を任命し、「児童朝礼」を実施させた大阪市教委の責任を追及します。
 小田村校長と大阪市教委は、同校の保護者・子どもに対してはもちろんのこと、大阪市民に対する説明と謝罪を行ってください。

■ 呼びかけ団体 
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会


憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文に賛同をお願いします!
大阪での教育破壊、2019-06-22 13:39:36
https://blog.goo.ne.jp/text2018/e/d38d0b9db3b732f513ac0f2157615101

 確かにこれはひどい。
 こんな事態を看過して極右ナショナリズム勢力をのさばらせてはならない。
 しかも、こういうバカげたことの中心にいるのが、維新政治の申し子というべき「民間人校長」(小田村直昌)である。
 広く、抗議の声を集約して、インターネット署名を集めたい。ぜひご協力を。

 いやはやなんとも、というほかはない。

 大阪市教委は、事態を把握していないのだろうか。
 見て見ぬふりなのだろうか。
 府教委はどうなのだろう。

 内閣が天皇賛美一色であり、それを可視化した儀式を行うから、こんな校長が出て来るのだ。
 衆参両院が、全会一致で天皇就任の賀詞決議などするから、こんなことが許されると思う輩が出てくる。

 この公立小学校の天皇礼賛行事。
 ごく例外的な跳ね上がりの孤立した行動と軽視できないのではなかろうか。
 これを許す時代の空気の反映とすれば、怖ろしいことなのかも知れない。


澤藤統一郎の憲法日記、2019年6月23日
大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』への抗議署名に賛同を
http://article9.jp/wordpress/?p=12844

 子どもちに渡すな!あぶない教科書大阪の会伊賀さんからの提起です。
 大阪市立泉尾北小学校で起こったゆゆしき事態に対して呆れているだけでは、おそらくますますこのような学校は広がっていくかもしれません。

 いま、私たちに必要なことは、憲法を遵守すること。
 憲法に背くようなことが行われていれば、それをきちんと指摘し、教育の場での憲法違反を決して許してはいけないことだと思います。

 ぜひ、憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文に賛同をお願いします!


グループZAZA、2019-06-22 20:26:15
(「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該14名によるブログです)
憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文に賛同のお願い!
https://blog.goo.ne.jp/zaza0924/e/d9486de7ad121e53fc389df1b25d792e

 大阪では安倍が支援した私立の森友学園の幼稚園の教育が「戦前回帰」として問題になりましたが、それと同じことを、「改元・代替わり」を利用して、公立の小学校で行っているのです。

 これはまさしく戦前回帰であり、決して許されるものではありません。
 これは戦前同様の「少国民」育成であり「皇民化教育」そのものです。
 戦前も忖度校長・忖度教員・忖度文化人が生まれましたが、
<最後に!私のオリジナル曲「行くぞ!日の丸!」と「令和の御代」を歌わせて頂きました>
と言うに当たっては、今また同じことが繰り返されつつあります。

 しかし、かつての忖度〇〇は戦後大恥をかきました。
 結局彼らにはしっかりした考えはなく、たんに当時の支配者らに気に入れられたかったのです。
 当時の風潮におもねったのです。
 そして、その出世欲から多くの児童・生徒や人々を犠牲にしたのです。
 その歴史を彼らは知らないのでしょうか。
 しかし、チコちゃんならぬ私たちは知っています。

 全国の皆さん、大阪の皆さん、
 私たちは黙っていないで立ち上がり、暴露・宣伝しましょう。
「再び私たちは騙されないぞ!」
「再び若者を天皇の赤子にはしないぞ!」
「私たちは天皇の臣民ではないぞ!」
「主権者は天皇ではなく私たちだぞ!」
と。
 そして、現代の忖度〇〇に大恥をかかせましょう。
 彼らは実際に生きている人間よりも、神話や天皇、権力や旗・歌を大事にしているのです。
 まったく不道徳なことです。
ーーーーーーーーーー
 大阪の会の伊賀です。

 大阪市内の大正区の学校で露骨な教育勅語教育を行っていることがわかりました。
 愕然としました。

■ 5月連休明けの8日に大阪市立泉尾北小学校で「新天皇ご即位記念集会」が行われていました。
 その様子が、その場で歌を歌った山口あやきという歌手のブログに載っています。
 彼女は護国神社や右翼集会で歌を歌ている人物で、その内容をみれば教育勅語教育そのものの集会です。

■ 山口あやきブログ
《今日は大阪市立泉尾北小学校の全校集会「新天皇ご即位記念集会」で歌わせて頂きました(*^^*)》
https://ameblo.jp/ayaki0416/entry-12459876448.html

■ 泉尾北小の小田村直昌校長はいわく付きの民間人校長です。
 その小田村直昌のインタビュー番組を見つけました。
 主催しているのは、教科書の集会でも紹介した龍馬プロジェクトの神谷宗幣です。
 小田村校長が学校で何をやっているか、詳しく分かります。
 今回の全校集会はその一環であることがはっきりと分かります。

 例えば、国旗・国歌問題に限っても
・ 4,5,6月に各学級で国歌、市歌、校歌を授業で教えさせる。それを学級便りで保護者に伝える。
・ 運動会で国歌を歌い、国旗を子どもに掲揚させる。
・ 毎日、委員会の子に国旗の掲揚、降納をさせる。
・ 創立記念集会で国歌を歌わせる。
・ 終業式で国歌を歌わせる。
・ 終了式では、国歌、市歌、校歌を歌わせる。

 ウルトラ右翼です。
 しかも彼は大阪市では、すでに3年間、関目東小で民間校長をやっており、2018年度からは継続で今の泉尾北小に赴任しています。
 市教委は、彼の思想を把握した上で、校長を継続させたのです。
 その責任は重大です。

 しかも赴任した大正区は、区長が右翼の吉田康人です。

 この二人で大正区の教育を大きく変えさせせようとしている可能性があります。
 来年の中学校教科書採択が極めて危険です。

■ 神谷宗幣の番組での小田村直昌のインタビュー動画をぜひ、みてください。
 あまりにもひどいです。
https://www.youtube.com/watch?v=fIAFEDXE1ns
ーーーーーーーーーー


レーバーネット、Last modified on 2019-06-10 11:09:50   
[渡部通信]
小学校で「新天皇ご即位記念集会」

http://www.labornetjp.org/news/2019/1560132589339staff01

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生きていて良かったと思える社会を

生きていて良かったと思える社会を

https://youtu.be/AU5TIn2na3E?t=17





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東京福祉大学

「イマだけ、カネだけ、自分だけ」満開で壊れゆくこの国の風景。
 朝から愕然としているヤッホーくんです。ヤッホーくんのこのブログ、2019年03月27日付け日記「提出書類にうその内容」をお読みください!

「実態はまるで派遣会社ですよ・・・」
 外国人留学生を受け入れる学校関係者が、カメラの前で暴露した。
 留学生を囲い込み、日本語はほぼ教えず、地元企業へと紹介。
 法律上限の週28時間以上働かせ、地域ぐるみで留学生が“食い物”にされているというのだ。
 背景にあるのが、国が掲げた「留学生30万人計画」。
 日本語学校で借金を抱えた学生が専門学校・大学へと移り、授業にも出ず失踪状態で働き続ける現実も―。
 実態を独自取材。

出演者
佐藤由利子さん (東京工業大学准教授)
指宿昭一さん (弁護士)
武田真一 (キャスター) 、 栗原望 (アナウンサー)


[写真]
学べない留学生.jpg

NHK、2019年6月27日(木)放送
クローズアップ現代
留学生が“学べない”
30万人計画の陰で

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4300/index.html

 約1600人の留学生が所在不明となっていた東京福祉大(東京・豊島)に対し、文部科学省などが2019年6月11日、研究生の受け入れを当面停止するよう指導した。
 同省の調査では、急ごしらえの教室や入学直後からの所在不明といった同大のずさんな実態が判明している。
 国が外国人労働者の受け入れ拡大にかじを切る中、社会の不信を招きかねない不透明な留学に厳しい姿勢を示した形だ。

 研究生が多く通う同大の王子キャンパス(東京・北)。
 文科省の調査などによると、メインの1号館、2号館の周辺では、銭湯などが入居する雑居ビルやマンションの一室を改修して教室としていた。
 ある教室では机のすぐ横にトイレがあり、授業中に関係のない学生が出入りして利用する姿もあったという。

 同省担当者は、
「留学生が急激に増え、急ごしらえで作っていた。こうした環境をきちんと是正すべきだ」
と強調する。
 同大では2016年度から留学生の入学者数を急増させた。
 2018年度までの3年間で約1万2千人を受け入れたが、うち1610人が所在不明、700人が退学、178人が除籍になっていた。

 受け入れを特に拡大していたのは、留学生のなかでも正規課程の準備段階とする学部研究生だ。
 以前は2桁程度だったが、2016年度は1201人に増加。2017年度は1907人、2018年度は2656人に膨らんだ。
 研究生は本来は大学入学相当の日本語が求められるが、同大は出願要件を低く設定。
 日本語学校を卒業しても日本語能力が足りず、大学などに進学できない留学生の受け皿になっていた。

 職員1人当たりの学生数は2015年度に43.8人だったが、2018年度には100.6人に。
 欠席者や所在不明者への対応などがおろそかになったとみられる。
 2018年度に入学した研究生のうち、同年4月中に66人が所在不明になったという。

 政府は外国人労働者の受け入れを拡大し、留学生もグローバル戦略の一環として2020年をめどに30万人とする計画を掲げている。
 文科省は大学などによる留学生のずさんな在籍管理を看過すれば、不法残留や不法就労が横行し、受け入れ拡大に支障が出かねないと判断した。
 このため文科省などは、在籍管理が不適切な大学には留学生受け入れを認めない新制度を導入する。
 新制度では所在不明者数などが目立つ大学を文科省が指導し、改善されない場合は「在籍管理非適正大学」として法務省に通告。
 法務省は改善するまでの間、新規に入る学生への留学の在留資格の付与をしない。

 東京福祉大は11日、
「文科省の指導を真摯に受け止め、改善に努める」
とコメントした。

◆ 留学生増、他大学も調査 経営改善の思惑も

 留学生を安易に受け入れ、適切な管理を怠っている大学は東京福祉大だけではない。
 文部科学省は同大のほかにも、所在不明者などが一定数を超える複数の大学を調査中だ。
 専門学校が定員を上回る留学生を入学させる事例も出ている。

 背景には、少子化で18歳人口の減少が続いていることがある。
 大学進学者は、2017年の約63万人が2040年には2割減の約51万人になると推計されている。
 私立大の4割は既に定員割れの状態だ。
 大学などには留学生の獲得に力を入れ、経営改善につなげたいとの思惑もある。

 大学や専門学校に進学する前段階となる日本語学校への留学生の急増と、質の変化も影響しているようだ。
 留学生総数は2011年の約16万4千人から、2018年には約29万9千人に増加。
 なかでも日本語学校への留学生は約2万6千人から約9万人へと急増した。

 東京工業大の佐藤由利子准教授(留学生政策)によると、日本語学校ではこの間にベトナム、ネパールといった「非漢字圏」からの留学生が増加。
 全体の18%から63%までに拡大した。
 中国、韓国といった「漢字圏」の学生より日本語習得が難しく、日本語学校を出ても進学できない学生が増えているという。

 佐藤准教授は、
最近は『アルバイトをしながら日本語を学べる』などと勧誘し、日本語学校に多くの留学生を送る業者もある。留学あっせん業者の質の管理など、国は根本から留学生受け入れ政策を見直す必要がある
と指摘している。


[写真]
机のすぐ横にトイレがある東京福祉大の教室(東京都北区)

日本経済新聞、2019/6/11 23:13
ずさん運営の東京福祉大
留学生、入学直後に不明も
教室は雑居ビル、机の横にトイレ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45980550R10C19A6CC1000/

渦中の東京福祉大、元教授が緊急記者会見

 大量の留学生が行方不明となった東京福祉大学(東京都豊島区)。
 同大学の教授だった田嶋清一氏は2019年4月10日に記者会見を開き、元総長である中島恒雄氏が「金儲け」のために留学生を大量に受け入れていたと告発した。

 同大学では、2018年度に「研究生」として受け入れた留学生3200人のうち、688人が行方不明となっている。
 2016年度からの3年間では累計で1400人が所在不明になっているという。

「研究生」とは、学部の正規課程に進学するための準備として、日本語や日本文化を学ぶ留学生のことを指す。
 授業に出席するのは、週に10時間以上でよいという。

 同大が大量の留学生を受け入れたのは、収入の確保が目的だったのではないかと指摘されてきた。

「そしたら、ガバチョガバチョじゃん」

 田嶋さんは2011年9月に行われた会議の議事録と録音データを公開。
 実際に、中島氏から「金儲け主義」とも思えるような発言があったと指摘した。
 議事録によると、経営学部の新設を目指す会議の中で、中島氏は以下のような発言をしている。
「120億の金が入るわけだよ、専門学校で。大学より大規模になっちゃう、もうかるの。何でそれをやらんの。聞いてんだよ、おい」

「そいで4年間やりゃあ、上手にやりゃ、おまえ、今の勝手な試算だけど、120億入るって。どうだ伊藤、すごいだろ、おまえ。このアイデアは」

「そしたら、ガバチョガバチョじゃん」

(表記は全て議事録ママ)

 これ以外にも中島氏は、“いくら儲かるのか”という話を繰り返ししている。
 田嶋氏は、「学校運営の目的が、教育や研究ではなく、金儲けにすぎなくなっている」と中島氏を批判した。

出所後も大学の経営に関与

 中島氏は2008年1月に強制わいせつ罪で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受けている。
 それ以降、表向きは大学の教育と研究に関与してこなかったが、実際には影響力を保持し続けていた。
 今年2019年3月末の職員研修会にも参加し、大学側に問題はないことや報道が誤っていることを主張していたという。

 女子留学生への不適切な行為もあったという。
 田嶋氏は、
「十数年前から自宅に女子留学生を宿泊させています。中島氏に近しい人物によると『留学生たちに夜の相手をさせている』といいます」
と話す。
 裁判で意に反した性行為があったことを認められた留学生がおり、彼女には(中島氏から)示談金を支払われています。

「留学生30万人計画」の影で留学生が食い物にされている

 指宿昭一弁護士は、
「こういう大学があってもいいのか」
と同大のあり方を批判する。

「留学生は金儲けの道具ではありません。『留学生30万人計画』の影で、こうした不適切な学校に食い物にされる留学生が後を絶ちません。大学と中島氏の責任を明確にするべきでしょう」

 2008年に策定された「留学生30万人計画」。
 留学ビザの発給基準も緩和され、2018年5月には、大学や日本語学校などに在籍する外国人留学生が約29万8000人に達した。
 こうした拙速な受け入れが、大量の留学生の行方不明というひずみをもたらしたと考えられる。


[写真]
写真中央が田嶋清一氏

ハーバービジネスオンライン、2019.04.10
留学生大量失踪の東京福祉大、元教授が緊急会見。
元総長が「120億のカネが入るわけだよ」と会議で発言。
金儲けのために留学生受け入れか

https://hbol.jp/189873/

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2019年06月27日

富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策

 金融庁のワーキンググループが、
「平均的な高齢者が退職後の30年間を生きる場合、年金収入だけでは2000万円不足する」
「自助の充実が必要」
との報告書をまとめた問題で、小池晃参議院議員(共産)が、安倍晋三首相を追及する動画がネット上で話題となっている。
 この動画は、大企業や富裕層への税率を上げ、それを財源に年金制度の立て直そうという国会でのやり取りを紹介したもので、今月6月10日にツイッターに投稿されてから、既に443万回以上、再生されている。

○ 443万回再生動画の中身

 動画が紹介したのは、今月6月10日の参議院決算委員会での小池議員と安倍首相のやり取り。
 同委員会で、小池議員は、金融庁ワーキンググループ報告書について、
「百年安心だと言っていたのが、いつの間にか人生百年の時代だから年金当てにするなと、自己責任で貯金せよと。国家的詐欺に等しいやり方ですよ」
「この貧しい年金制度をどうするのかを真剣に考えるのが政府の責任なんじゃないですか」
と追及。

 これに対し、安倍首相から、
「小池さんは、それをどうすればいいとおっしゃっているんでしょうか」
と聞かれた小池議員が対案を述べるところから動画は始まる。
別班マン
【年金破綻の正体】
GPIFが株で儲けた金は何処へ行ったのか
共産党 小池晃議員
「庶民が払う消費税を上げるのではなく内部留保金400兆円もある大企業の法人税を上げて財源を作るべきだ」
自民党 安倍首相
「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策だ」
2019年6月10日 参議院決算委員会
20:11 - 2019年6月10日

小池議員:

「だから、私たちはこれをしっかり底上げしようではないかと言っている。
 財源も、法人税について、大企業にせめて中小企業並みの基準で法人税の負担を求めれば、これ4兆円出てまいります。
 それから、株で大変なもうけを上げている富裕層の皆さんに平等に所得税を払ってもらう、そして所得税の最高税率を上げていく。
 これで3兆円の財源出てまいります。
 こういった財源を私ども示して、年金の底上げをやろうじゃないかということを提案していますから」

安倍首相:

それは全く馬鹿げた、政策なんだろうと、こう言わざるを得ない。間違った政策だと思いますよ、それは。日本の経済自体が相当のダメージを私ははっきり言って受けると思います」

小池議員:

「実際、安倍政権になってから6%年金削っているんですよ。
 何を胸張って言っているんですか。
 さらに、これからだって、今、はっきり増えないと言ったけど、減るわけでしょう。
 マクロ経済スライドで。
 明らかに減るんですよ。
 それをこの報告書では正直に言ったのに、慌ててまた隠している。
 私はこういう姿勢こそが年金不安をあおっていくんだと思いますよ。
 やっぱり正直に認めるべきですよ。
 これから年金はどんどんどんどん目減りしていきますと。今の生活水準は保障できなくなりますと」

「私は、そういったことを正面から問うて、じゃ、F35に1兆円使うとか、そういったことが許されるのか。
 笑っている場合じゃないでしょう、菅さん。
 やっぱり税金の使い方見直さなきゃいけないでしょう。
 こんな貧しい年金で」

「何を平然とこれが将来世代のためだなんて言えるんですか」

「こんな年金の問題をそのままにしておいたら、それこそ将来不安をあおり、内需を冷え込ませ、消費を抑えていく。
 で、消費税を更に増税する。
 こんなことをやったら、日本の経済、大破綻になりますよ。
 私は、今必要なのは、税金の使い方、集め方を根本から切り替えて、大企業にもちゃんと物を言って、内部留保400兆円もあるんだから、しっかり負担をしてもらうべきじゃないですか。
 そして、株で大もうけをしている人たちには、所得1億円を超えるとどんどんどんどん所得税の負担が下がっていく、こんな逆転現象やめようじゃないですか。
 今回の金融庁のこの報告を機に私は真剣に考えるべきだと思いますよ」

○ 大企業・富裕層優遇の安倍政権

 実際の国会中継を観てみると、安倍首相が「馬鹿げたこと」と言っているのは、マクロ経済スライド*をやめることについてであり、ツイッター上にあげられた動画のこの部分については、実際のやり取りを歪めた恣意的な編集だと言えよう。
 ただ、小池議員の「富裕層や大企業にかける税率を上げて年金の財源とすべき」という主張に対し、安倍首相は以下のように反論している。

「ただいまの財源については、それは全く私は信憑性がはっきり言ってないと思いますね、全然、それは。日本の経済自体が相当のダメージを私ははっきり言って受けると思います。
 言わば、経済は成長どころかマイナス成長になるかもしれないし、それによって税収はこれは逆に減っていくだろうし、これ、収入が減れば保険料収入は減っていくことにつながっていくんだろうと思います」

 つまり、全体の文脈からすれば、ほぼツイッター上の動画の通りだとも言えるだろう。

 安倍首相は、大企業や富裕層への増税に対しては「日本の経済自体が相当のダメージを受ける」と否定的であるが、安倍政権が参院選後に行う消費税の税率引き上げは、GDPの6割を占める個人消費の落ちこみにつながり、日本経済に深刻な悪影響が及ぶと、多くのメディアや専門家から指摘されている。

 アベノミクスでの円安誘導の下、トヨタのように輸出の多い大企業は過去最高益を叩き出すものの、報道各社の世論調査では「景気の実感を感じない」との声が大多数、むしろ原材料費のコスト増などによる物価上昇の中で、実質賃金は低下し格差は拡大している。
 また、今回の金融庁ワークグループの報告書にも書かれているように、高齢者が年金だけでは生活できなくなること自体は、経産省の審議会など政府の他の報告からも明らかだ。
 安倍首相の姿勢が、「大企業・富裕層を優遇」「庶民に対しては冷淡」と受け取られているからこそ、小池議員とのやり取り動画に、注目が集まっているのだろう。

* マクロ経済スライド

年金給付額の伸びを物価上昇率より0・9%分抑える仕組み。少子高齢化が進んでも年金財政が維持することが目的であるが、年金給付額は実質目減りする。

[動画]
生活できる年金に底上げを
https://www.youtube.com/watch?v=pp3hsB1-Fo4

Yahoo! Japan News、2019/6/27(木) 12:00
安倍首相「消費税上げても大企業・富裕層に増税はダメ」
443万回再生の動画が暴露、年金の「国家的詐欺」

志葉玲
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190627-00131821/

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参院選は2019年7月4日公示、21日投開票

 もはや国会は議論する場でもないのか。
 言論の府として存在意義を自ら問い直す必要がある。

 通常国会が幕を閉じ、2019年7月4日公示、21日投開票の参院選が事実上スタートした。

 与党の横暴がこれまで以上に際立った国会だった。
 衆参両院の予算委員会が3月に予算案が通過した後、一度も開催されなかったことが象徴的である。

 予算委は首相ら全閣僚が出席して、国政に関する全般をチェックできる場だ。
 その時々の主要議題を巡り、与野党が攻防を繰り広げてきた歴史がある。

 衆参両院規則は「3分の1以上」から要求された場合、委員会を開くことになっている。
 それなのに野党が要求しても与党は開催を拒否し続けた。

 委員長は「与党が出席せず流会になる」などとして応じなかった。
 委員長は与党を説得するのが筋だったはずだ。

 与党の手法は、参院選を前に「不都合な現実」を国民に見せないよう「問題にふたをする」ものだ。
 国会の役割放棄である。

課題は山積なのに

 予算委は昨年、予算案通過から5月末までに集中審議を7回開いた。
 今国会は衆院が3月1日、参院が3月27日が最後だ。

 それ以降、問題は噴出した。

 安倍晋三首相に対する「忖度(そんたく)」発言をして塚田一郎氏が国交副大臣を、失言が重なった桜田義孝氏が五輪相をそれぞれ更迭された。
 首相の任命責任に対する見解は国会で説明されていない。

 経済も悪化の懸念が高まった。
 米中貿易摩擦で海外経済が停滞して輸出や生産が弱含みとなり、政府は月例経済報告で、国内景気の総括判断を引き下げた。

 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は早期の利下げを示唆し、欧州中央銀行(ECB)も緩和の構えだ。

 日銀は6年以上、大規模緩和を続けており、緩和の余地は限られている。
 政府の現状認識や今後の対応策、10月に予定される消費税引き上げが与える影響などを、予算委で議論する必要があった。

見えない外交方針

 外交問題も説明していない。

 対北朝鮮では、拉致問題の進展を前提としてきた従来の方針を転じ、条件をつけずに金正恩朝鮮労働党委員長との会談に臨む方針を示している。
 それでも、北朝鮮から芳しい反応はない。

 対ロシアでは、展望が全く描けていない。
 北方領土問題で安倍首相は「私とプーチン大統領の手で必ず終止符を打つ」と繰り返してきた。
 それなのに、プーチン大統領は「早期解決は困難」との見通しを示している。

 手詰まり感がある外交問題にどう臨むのか。
 首相は国会で明らかにするべきだった


 米国との関係も同様だ。

 5月にはトランプ大統領との首脳会談が開かれた。
 焦点だった貿易交渉で、トランプ氏は農産品の関税の撤廃か大幅な引き下げを要求している。
 自動車の対米輸出制限も検討するという。

 トランプ氏は「参院選までは取引を待つ」と表明した。
 政府はどこまでを譲れない線として交渉するのか不透明だ。
 このまま参院選に突入するのは、国民に白紙委任を求めることに等しい。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡る防衛省の調査ミスもあった。
 候補地を決める過程への疑念は残ったままだ。

議論避ける無責任

 終盤国会で焦点となったのが、金融庁金融審議会の報告書に端を発した年金問題である。

 報告書は少子高齢化で今後、年金水準の調整が見込まれることを指摘して、老後の蓄えが必要とした。
 麻生太郎金融担当相は「誤解を招く」として報告書を受け取らなかった。
 誤解があるのなら詳しく説明するべきだ。

 年金財政の健全性をチェックする財政検証も公表されていない
 将来見通しを判断する有力な材料になる。
 5年前の前回は6月3日に公表したのに、今回は公表時期も明らかにしていない。

 予算委の代替として6月19日に開かれた党首討論では、質問は年金の将来性に集中した。
 野党党首4人で計45分しか時間がない中、安倍首相は質問をはぐらかし、真正面から答えなかった。

 閉幕を受けたきのうの記者会見で、安倍首相は年金問題について「不安をあおるような無責任な議論はあってはならない」と述べた。
 議論をすり替えてはならない。
 政府が具体的な議論から逃げるから不安が消えないのである。
 無責任なのは政府と与党だ。

 首相は会見で、憲法改正を参院選の争点に位置付ける考えも表明した。
「(憲法の)議論すら行われない(野党の)姿勢で本当に良いのかどうか。国民の皆さんに問いたい」と述べている。

 国政の重要課題を議論しない首相や与党の姿勢こそ、問われるべきだ。
 言い繕って国民に現実を見せない政治に未来を託せるのか。
 しっかりと見極める必要がある。


信濃毎日新聞・社説、6月27日
国会が閉幕
問題にふたをする政治

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190627/KT190626ETI090005000.php

 耳を疑うような失言や放言が相次ぎ、国会議員の資質が問われた国会だった。

 議論すべきテーマに正面から向き合おうとしない「国権の最高機関」(憲法41条)の在り方が問われる国会でもあった。

 通常国会がきのう閉幕した。
 事実上、参院選の号砲が鳴った格好だが、その前にこの国会を振り返っておく必要がある。
 率直に言えば憲政史に汚点を残した国会とさえ思えるからだ。

 「統計不正」で幕を開け、「年金不信」で幕を閉じる形となったのが象徴的である。
 いずれも現在進行形の問題である。

 厚生労働省の毎月勤労統計に端を発した統計不正は、政府が公表する数値の信頼性を根底から揺るがす問題だ。
 調査方法の変更やデータ補正が長年、秘密裏に行われ、2度の政権交代をはさんでも見破られなかった。

 厚労省の特別監察委員会による検証は統計担当者が対外的にうその説明をしているのに「隠蔽(いんぺい)の意図までは確認できなかった」というお粗末さで、かえって国民の不信を増幅させた。

 ここは国会の出番だったはずだ。
 ところが、参考人招致を巡って与党が難色を示すなど、立法府が与野党の別なく行政府の責任を追及する姿勢に欠けた。
 野党の力量不足も否めず、尻すぼみになってしまった。

 国会終盤に噴き出した「老後資金2千万円」の問題は、年金に対する国民の高い関心と根強い不信を浮かび上がらせた。

 老後には公的年金以外に2千万円の蓄えが必要−と指摘した金融庁金融審議会の報告書に対し、麻生太郎財務相兼金融担当相は「政府のスタンスとは違う」として受け取りを拒否した。

 野党は森友・加計(かけ)学園問題に連なる安倍晋三政権の「隠蔽体質」と批判している。
 予算成立以降、野党が再三要求しても衆参両院で予算委員会を開こうとしなかった政府と与党のかたくなな姿勢は確かに疑問だった。

 解散風にあおられて右往左往し、政権側に足元を見透かされた野党の非力も問われよう。

「総理とか副総理が言えないので私が忖度(そんたく)した」と言い放ち辞任に追い込まれた国土交通副大臣。
 国会でしどろもどろ答弁を繰り返した揚げ句、震災復興より同僚議員が「大事」と発言して更迭された五輪担当相。
 極め付きは北方領土を戦争で取り戻すことの是非を元島民に問い詰め、衆院初の糾弾決議を突き付けられた丸山穂高氏だった。

 有権者が選挙で国会議員を選ぶ。
 ごく当たり前のことが民主主義にとっていかに大切か
を知らされた思いがする。
「言論の府」が劣化しているとすれば、まず私たちの1票から立て直す必要があろう。


西日本新聞・社説、2019/6/27 10:30
通常国会閉幕
「言論の府」の劣化を憂う

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/522063/

 通常国会が6月26日に閉幕し、参議院議員通常選挙が7月4日公示、21日投票の日程で実施されることが確定した。

 安倍内閣は2019年10月の消費税率10%への増税を強行する方針を明示し、参院選に挑む。

 安倍自公に対峙する野党勢力は32の1人区で候補者を一本化する調整を終えている。

 同時に、消費税増税について、消費税増税を阻止することを共通公約に明示した。

 参院選の最大争点は消費税増税の是非ということになる。

 このことをすべての日本の主権者に浸透させる必要がある。

 消費税増税阻止で足並みを揃えた野党各党は、参院選を通じて、消費税増税阻止の意思を明示することを主権者に徹底的に呼びかけるべきだ。

 第2次安倍内閣が発足して6年半の時間が経過した。

 この間の経済政策運営を安倍内閣はアベノミクスと称しているが、アベノミクスの成果は惨憺たるものである。

 この実績を明示して、今後の経済政策運営について、主権者の意思を問うことが重要だ。

 この6年半の実績として挙げられることは、

1.実質GDP成長率平均値が+1.3%であったこと

2.法人企業利益はほぼ倍増したこと

3.一人当たり実質賃金は約5%減少したこと

である。

 経済全体の運営は「不可」である。

 民主党政権時代の成長率平均値は+1.7%だった。

 民主党時代も日本経済は低迷していた。

 しかし、安倍内閣下の日本経済の実績はこれを大きく下回る。

 他方、大企業を中心に企業収益は倍増した。

 これと対照的なのが労働者の実質賃金で、約5%も減少したのだ

 経済が超低迷するなかで企業利益が倍増したことは、労働者への分配所得が著しく圧迫されたことを意味する。

 企業にとってアベノミクスは天使の政策だが、一般市民にとってアベノミクスは悪魔の政策だ。

 この悪魔の政策に拍車をかけるのが消費税増税である。

 消費税増税によってもっとも深刻な打撃を受けるのが、所得が少ない階層、所得を得ていない階層である。

 厚生年金を多額受領できる世帯でも、老後資金が2000万円不足することが明らかにされた。

 国民年金だけの世帯では老後資金は4500万円不足し、年金を受給できない世帯では老後資金が9800万円不足する。

 こんな地獄絵図のような日本社会を容認するのか。

 これを問うのが今回の参議院議員通常選挙である。

 消費税増税強行を掲げて安倍内閣与党は参院選に勝利できると考えているのか。

 今回の参院選は日本政治を刷新する最大のチャンスになる。

 このチャンスを確実に掴まなければならない。

 目の前にあるチャンスをものにするには、しっかりと両手で掴むことが必要だ。

 安倍内閣は選挙に負けないために何をしてくるか。

 まず考えられることは、徹底的な情報統制である。

 徹底的な情報統制とは、主要メディアに政治問題を取り扱わせないことだ。

 テレビの報道番組は、本来、すでに政治問題の特集で放送時間の大半が占拠されていなければおかしい。

 国政選挙が目前に迫っているのだから当然のことだ。

 老後資金の不足、そして、10月の消費税増税の是非について、徹底的な考察、論議が必要なのだ。

 ところが、主要メディアは、政治問題を一切取り扱わない。

 時間を割いているのは、実刑が確定した人物が逃走した話と、吉本興業などの芸能プロダクションに所属する芸人が反社会勢力のパーティーに直営業=闇営業を行っていたことだ。

 これらの素材は、官邸筋から提供される。

 テレビメディアが政治問題を取り扱うのを阻止するために、ネタを提供するのだ。

 大事なことは、消費税増税問題を徹底的に論じること。

 そして、参議院議員通常選挙に主権者が全員参加することだ。

 消費税が争点になり、投票率が90%を超えれば、間違いなく安倍自公与党は大敗する。

 これを確実に実現しなければならない。


植草一秀の『知られざる真実』2019年6月27日 (木)
官邸ポリス発闇営業ネタ電波ジャックにご用心
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-398f05.html

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あまりにも「勉強」を軽視している日本人

日本が立たされている苦境の根本を探ると、何が見えてくるのか。
どのようにすれば、この苦境から抜け出せるのか。
近著『知的生産術』で生産性を高める働き方を説いた出口治明氏と、同じく近著『日本人の勝算』で日本が再び「一流先進国」に返り咲く方法を明らかにしたデービッド・アトキンソン氏。2人の対談が2019年6月に実現した。
その模様をお届けする。

なぜ日本人は、ここまで「のんき」なのか


出口治明: アトキンソンさんが以前書かれた「日本人の議論は『のんき』すぎてお話にならない」という記事を読ませていただきました。
 そこで述べられているとおり、日本が置かれている状況は非常に厳しいのに、それを理解している人が少なすぎます。
 僕もまったく同感です。
 平成の30年間のデータを見ると、日本がいかに危機的な状況にあるかは一目瞭然です。
・ GDPの世界シェアを購買力平価で計算してみると、約9%から4.1%に減少。
・ IMDの国際競争力は1位から30位に陥落。
・ 平成元年には時価総額の世界トップ企業20社のうち、14社が日本企業だったのに、今はゼロです。
 これで危機感を持たないほうがおかしいと思います。
 ただ、僕もアトキンソンさんがご著書で常に述べておられるとおり、日本人の実力はこんなものではないと信じているので、なんとか奮起してほしいと考えています。
 日本人がこんなにものんきになってしまったのは、高度経済成長の成功体験が大きすぎたことにあるのではないかと私は考えていますが、アトキンソンさんはどうですか。

デービッド・アトキンソン: いちばんの原因は、日本人が「分析をしない」ことにあると思います。
 たしかに高度経済成長期、日本のGDPは世界の9%弱まで飛躍的に伸びました。
 それは事実です。
 しかしそのとき、「日本ってスゴイ!」と喜ぶだけで、何が成長の要因だったかキチンと検証しませんでした。
 さらには「日本人は手先が器用だから」とか、「勤勉に働くから」とか、「技術力がある」からなど、直接関係のないことを成長要因としてこじつけてしまい、真実が見えなくなってしまったのです。

出口: データで検証してこなかったのですね。

アトキンソン: そうです。私が卒業したオックスフォード大学に、リチャード・ドーキンスという生物学の先生がいます。
 私は彼の講義を聴講したことがあるのですが、面白いことを言っていました。
 彼によると、人間の脳は、アフリカの大草原に暮らしていたときとあまり変わらないのだそうです。
 どういうことかと言うと、草原で暮らしていた当時の人類は、丈の高い草の中で何かの音が聞こえたら、反射的に逃げます。
 なぜなら、「あの音は何だ!?」と考えたり、エビデンスやデータを取って調べ始めたりすると、ライオンに襲われて食われてしまうからです。
 条件反射で逃げるという行動が進化したのです。
 そのためデータを取ったり、エビデンスを確認したりしてロジカルに考えることが、人間のDNAの中には組み込まれていないのだそうです。
 ドーキンス教授流に言うと、「高度成長した=日本人すごい」「技術力があるから日本経済は復活する」「ものづくりで大丈夫」と直感的に決めつけてエビデンスやロジックを求めない頭の使い方は、こういう野生時代から進歩していない、と言えます。

最大の問題は「マネジメント層」にある

出口: 例えば高度成長期には、日本は年平均7%も成長したのですが、その成長に何が寄与したのか分析できていないのは、おっしゃるとおりですね。
 分析すれば人口増加の寄与度がいちばん大きかったという、アトキンソンさんが分析したとおりの結果が出ます。
 しかし、こういう当たり前の分析を行わずに「日本人は器用だから」「協調性があるから」「チームワークがあるから」成長したと思い込んで、根拠なき精神論のままこれからもやって行こうとしても、世界の新しい変化に対応できるはずがありません。
 驚くことに、いまだに「欧米の強欲な資本主義とは違い、日本の経営はすばらしい、三方よしだ」などと言う評論家や学者がいるのも事実です。
 僕は彼らにいつも、次のように質問しています。

「日本の経営がすばらしいのなら、なぜアメリカ、ヨーロッパ、日本という3つの先進地域の中で、日本の成長率がいちばん低いのか」
「なぜ日本人は年間2000時間も働いているのに、1%しか成長しないのか」
「なぜヨーロッパは1500時間以下の短い労働時間で2%成長しているのか」

 まともな答えが返ってきたことは一度もありません。
 この問いの答えは、日本のマネジメントがなっていないということ以外にはないのですが、それを的確に答えられる人が実に少ない。
 こういう当たり前のことを、「原点から考える」訓練ができていないところがいちばんの問題ではないかと思います。

アトキンソン: 日本の所得が少なく、生産性も低い。
 その結果、社会保障制度が不健全になってしまったというのも、労働者の問題ではなく、マネジメントの問題です。
 1990年代以降の生産性向上要因を分析すると、人的要素も物的要素もほかのG7諸国とほとんど変わりません。
 しかし、マネジメントが最も関係する生産性向上要因(全要素生産性)は、諸外国ではものすごく伸びているのに、日本ではほとんど伸びていません。
 つまり、日本に決定的に不足しているのはマネジメントだということは、はっきりとエビデンスとして出ているのです。
 やはり、日本の経営者は才能がない。失われた30年の根本原因はマネジメントが悪いから、それに尽きます
 こういう話をすると「衝撃的です」と言われてしまう。
 なぜこれが「衝撃的」なのか。
 私は政府関係者と話をする機会が多いのですが、日本経済を議論するときにテーブルに座っているのは、日本という国家のマネジメントをやっている国会議員と、企業のマネジメントをやっている経団連や経済同友会、または商工会議所の人たち。
 つまりは日本のマネジメントを中枢でやっている人たちです。
 日本経済の問題点について彼らと議論をしても、マネジメントに問題があるというものすごい単純なことは、なかなか理解してもらえません。
 なぜなら、彼らにとっては自分たちが悪いと認めることになるからです。

「ロジカルに考える」という当たり前ができていない

出口: 日本のマネジメントがダメなのは、データを軽視し、自分の経験(エピソード)や思い込みだけで物事を判断してしまうからだと思います。
 例えば、いま世界を席巻しているのは、GAFAでありユニコーンですよね。
 しかし、そういう企業を強欲資本主義の象徴だと思っている日本の経営者がいっぱいいます。
 僕はそういう人たちに、よくGoogleの人事部の話をします。
 Googleの人事部は社員の管理データのうち、国籍・年齢・性別・顔写真、これらすべてを消してしまったそうです。
 そんなものは必要ないからと。
 人事を決めるのに必要なのは、今やっている仕事と過去のキャリアと将来の希望だけ。
 男か女か、歳はいくつだとかは一切関係ないというのが彼らの考え方で、こちらのほうがはるかに人間的です。
 世界の優れた企業は社員をとても大事にしている、だからこそいいアイデアがどんどん出てくるという好例だと思います。
 日本の会社は社員を大事にしていると思っている経営者が少なくありませんが、それは本当でしょうか。
 きちんとデータで確認した人はいるのでしょうか。
 僕には単なる思い込みであるとしか考えられません。

アトキンソン: 日本という国のマネジメントを行っている役人も、思い込みに縛られて、楽観的というかはやり言葉に流されて、考え方が甘い傾向があります。
 以前、霞が関の会議に出席した際、「ロボットとAIなどの日本の最先端技術によって、日本経済は復活する」などと話していました。
 ですが最先端技術は、ずっと以前からあるのです。
 それが今まで普及してこなかったのはなぜかという産業構造の問題を検証することなくそんな主張をされても、論理が通っているとは思えません。
 たとえ最先端技術があっても、誰も使わないならないのと同じです。
「普及」こそが問題なのです。
 AIさえあればうまくいくというのは、念仏さえ唱えていれば極楽浄土に行けるという話と変わりません。
 しかも、それに気がつく人すら誰もいない。
 で、私が自分の意見をぶつけてみると、何か「宇宙人が来た」みたいな反応されました。
 その会合の後で「さすが外人さんは見る目が違いますね」といったことを言われたのですが、外人だから考え方が違うのではありません。
 手前味噌ですが、「脳みそを使っている人」と「使っていない人」の違いなのではないかと最近よく思います。
 国籍が違うのはたまたまです。

出口: 僕も地域おこしの政府の審議会などによく呼ばれるのですが、面白いものを作ったり、面白い人を呼んでくれば、その地域の関係人口が増えるからやるべきだという話がよく出ます。
 そのこと自体は正しいのでしょう。
 しかし、日本全体で見れば人口が減っていくのだから、そうやって地方に来る人を増やしてもゼロサムゲーム以上にはならない。
 出生率を上げるとか、訪日外国人を増やすにはどうしたらいいかなど、国全体の話をしなければ全体最適にはなりません。
 また、東京は豊かだから、東京からもっと地方へ人やお金をシフトしようと言う人もいます。
 しかし、東京は日本でいちばん生産性の高い場所です。
 それでも香港やシンガポールとの競争には負けつつある。
 日本のエンジンである東京を弱くするという発想は、どう考えてもおかしい。
 むしろ、東京をもっと強くして、香港やシンガポールを圧倒しなければいけないという発想を持たないと、地域も発展しません。
 こんな議論を僕はいつもするのですが、すると「おっしゃっていることはよくわかりますけれども、この審議会は地域おこしのことをやっているので……」という話になってしまいます。
 僕は日本人ですが、どちらかと言うと変わったキャリアの持ち主です。
 だから「出口さんのような変わった人の意見を聞けて面白いですね」と、アトキンソンさんと同じようなことをよく言われてしまいます。
 僕にしてみれば、数字・ファクト・ロジックで考えたら、誰でも思いつく普通の意見を言っているだけなのですが、社会常識と合わない意見は、外国人だったり変人の意見ということになってしまう。
 これが、この国の根本的な衰退の原因のように感じます。

アトキンソン: 本質を無視してしまうのは、大問題です。

出口: アトキンソンさんは哲学者デイヴィッド・ヒュームの故郷、イギリスのお生まれですよね。
 ヒュームという人は、因果関係を徹底的に疑った人なので、今度似たような議論になったら「ヒュームを1回読み直してから議論しませんか」と言うのがいいかもしませんね。

アトキンソン: 最近いつも、こう言っています。
「首の上にある重い塊を、皆さん毎日毎日運んでいるのですから、たまには使ったらいかがですか」って。
 重いんですから(笑)。

あまりにも「勉強」を軽視している日本人

出口: 実は最近、アトキンソンさんに倣って「日本人はなぜ勉強しないのか」をデータで分析したのですが、答えは割と簡単でした。
 まず、第1に大学進学率が低いのです。
 確か52%ぐらい。
 日本は大学に行かない国です。
 OECDの平均が6割を超えていますからね。
 さらに大学の4年間でほとんど勉強しません。
 これは企業の採用基準が悪い。
 採用のときに大学の成績や読んだ本のことは一切聞かずに、ボランティアの経験を話してごらんなどと言っているわけです。
 だから、エントリーシートに書くためにボランティアをやるというような、本末転倒な状況が生まれてくるのです。
 さらに大学院生は使いにくいなどと言って企業が採用しないから、大学院に行く人が少ない。
 日本の大学院生の比率は先進国の中で最低レベルです。

アトキンソン: 大学で何を学ぶのかについても、誤解している日本人が少なくありません。
 以前、ある大学の方から「ロジカルシンキングの授業をつくりたい」と相談されたことがあります。
 あぜんとしました。
 これまで何を教えていたのでしょうか。
 大学で学ぶべきことなど、「ロジカルシンキング」以外にはありません。
 サイエンス、経済、法律、文学などは、もちろんそれ自体大切ではあるものの、基本的にはロジカルシンキングを学ぶための「材料」です。
 材料が現実の仕事に生かせるとは限りませんが、ロジカルシンキングは必ず、その後の人生に生きてきます。

出口: 本来なら、大学を出た後でもロジカルシンキングの能力は伸ばせます。
 しかし、就職したら年間2000時間労働で、飯・風呂・寝るの生活。
 勉強する時間などありません。
 さらに2000時間労働した後で、同僚同士で飲みに行ってお互いに調子を合わせて時間を浪費
する。
 日本は構造的に勉強できない国になってしまっているのです。
 この状況をどこから直せばいいかと言えば、意外と簡単です。
 経団連の会長や全銀協の会長が、大学の成績で「優」が7割未満の学生の採用面接はしないと宣言する。
 あるいは卒業してから成績証明書を持って企業訪問させればいいのです。
 成績採用になったら、さすがに勉強するようになるでしょう。
 それから、残業規制を強化して徹底的に勉強させる時間をつくればいいのです。
 こうやって、無理やりにでも行動を変えさせない限り、日本の低学歴化は是正されません。
 新しい産業やイノベーションを起こすには、基本的にはダイバーシティーと高学歴が必要です。
 高学歴というのは、ドクターやマスターといった学位を持っているということではなく、好きなことを徹底して勉強し続けるという意味です。

人間の限界を理解し、データとロジックで補強せよ

アトキンソン: 出口先生もご存じだと思いますが、アメリカの経営学の学会では、マネジメントが完全にサイエンスになっています。
 なぜそうなったのかというと、そもそも人間の頭をそのままにしておく、すなわち草原の本能のままでは、ろくなモノができないからです。 だから大学が必要で、経営者教育も必要で、株主がいて助言させる。
 社長の勝手な思い込みで好き勝手にさせないようになっているのです。
 たった1人の頭の中で、データもエビデンスもロジカルシンキングもなく精神論だけでやるどうなるか。
 歴史を振り返ると、大当たりする可能性もゼロではありませんが……。

出口: でも、確率的に言ったらたいてい失敗しますよね

アトキンソン: そうです。たいてい失敗します。
 今の日本の経営者がまるでなっていない理由は、大草原に住んでいた頃の頭のままで経営をしようとしている、ただ単にそれだけだと思います。
 別に人間として能力が低いわけではありません。
 人口増加によって、日本の経営者は一見すばらしく見えていました。しかし人口が減少するようになったために、その弱点が表面化してきたのだと思います。
 人口減少という危機に直面している以上、極めて高度な経営が求められています。
 しかし今の経営者は、自分たちが変わらないといけないということに気づいていないのです。
 ほかの先進国ではすでにこのことに気がついています。
 人間の限界を理解している。
 ビッグデータはその象徴的なものだと思いますが、とにかくデータで徹底的に分析することによって、勝手な思い込みをする人間の欠点を取り除く経営が進んでいるのです。

出口: 今日お話をさせていただいて、日本のマネジメントの問題を改めて考えさせられました。
 マネジメントのトップ、つまりリーダーたちが勉強して意識を変えれば、日本も変わると思います
 その意味でも、リーダーこそアトキンソンさんの本をきちんと読んで、根拠なき思い込みを捨てなければいけませんね。

東洋経済 On Line、2019/06/26 6:00
日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか
「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談

(出口 治明 : 立命館アジア太平洋大学(APU)学長 / デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長)
(構成:小関敦之)
https://toyokeizai.net/articles/-/288272

デービッド・アトキンソン(1965年イギリス生まれ。日本在住30年)
『新・観光立国論』(東洋経済新報社、2015年6月)山本七平賞、不動産協会賞受賞
『日本人の勝算』(東洋経済新報社、2019年1月)など著書多数

出口治明(1948年三重県生まれ)
『生命保険入門 新版』(岩波書店、2009年12月)、
『人類5000年史T』(ちくま新書、2017年11月)、
『「全世界史」講義T、U』(新潮文庫、2018年6月)、
『仕事に効く教養としての「世界史」T、U』(祥伝社)、
『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』(角川oneテーマ)、
『教養は児童書で学べ』(光文社新書、2017年8月)、
『ゼロから学ぶ「日本史」講義T』(文藝春秋)など

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築地とカジノ

立教大学がカジノ経営者らを招いて共催するカジノのシンポジウムの後援を、豊島区が「事前に知らされていた内容と違うし、中立的な内容ではない」として、取り消したことがわかりました。

立教大学がマカオ大学と共催して開く予定のカジノを巡る国際シンポジウムに、学内外から批判が上がっている問題。

立教大学がマカオ大学と共催で開く予定の国際シンポジウム「ビジネスモデルとしての日本型IR」のポスター。カジノの経営者や観光庁の審議官ら、カジノ推進派と考えられる人々ばかりが登壇する。一番下に、豊島区が後援する旨が記載されていた。

このシンポジウムの後援をしていた豊島区が、「内容が中立的でないし、申請書類と内容が変わっている」として、6月26日付けで後援を取り消していたことがわかった。

立教大学にも同日付けで取り消しを通知した。

豊島区はBuzzFeed Japan Medicalの取材を受けたことで調査を始め、後援申請時の書類にあったものから内容が変わっていることに気づいたという。

課題も含めて学術的に考えるシンポと聞いていた

豊島区が後援をやめたのは、マカオ大学が主催し、共催する立教大学の池袋キャンパスで7月6日に開く予定の国際シンポジウム「ビジネスモデルとしての日本型IR」。

後援を承認した同区文化観光課の宮下あゆみ課長によると、立教大学から提出された後援申請の書類には登壇者の名前がなく、IR(カジノを含む統合型リゾート)の課題も含めて、学術的に議論する内容だという旨が記載されていたという。

「IR整備法に係る政令も閣議決定されたことですし、課題を話し合うのにいいチャンスだと思って承認しました」と宮下課長は説明する。

ところが、取材で見解を問われて、シンポジウムの内容を確認したところ、カジノ経営者3人と観光庁の審議官が登壇することがわかり、「後援申請時に知らされていた内容と違うし、明らかに中立的な内容ではない」と判断。後援申請を取り消すことを26日に決め、立教大学に通知した。

宮下課長は、「公的機関ですので、あくまでも中立的な立場を守らなければならず、後援するのはふさわしくないと判断しました。内容がこちらの知り得ないものに変えられていたことについて、大学側には困るということも伝えました」と話す。

立教大学は未だ取材に答えず

このシンポジウムは、4月25日に開かれた学部長会で承認された。

この時の提案書では、登壇するのはカジノ経営者らではなく、マカオ大学の研究者3人とカジノコンサルタントという内容となっていた。
承認後にシンポの内容が変わっていることについて、学内で手続きを疑問視する声が出ている。

また、「ギャンブル依存症問題などへの配慮がなく、バランスに欠けている」などとして、批判の声が上がっていた。

BuzzFeed Japan Medicalは立教大学に、内容を決めた経緯や批判の声への見解について、21日にメールで質問状を送っているが、未だ回答はない。

回答があり次第、報道する。


Buzzfeed News、2019/06/26 15:11
立教大学の国際カジノシンポ
豊島区が後援を取り消し「中立的な内容ではない」

岩永直子 BuzzFeed News Editor, Japan
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/toshimaku-kouen-torikeshi

 東京都港湾局が、東京都内にカジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致候補地とし10ヘクタール以上の未利用地のある都心部の3地区をリストアップして選定評価を行い、臨海副都心青海(あおみ)地区が最適地とし、施設配置や事業採算性などの調査報告書をひそかに作成していたことが2日、本紙の取材で明らかになりました。

 本紙は都にカジノに関する調査報告書の開示請求を行い、港湾局が三菱総研に委託した「臨海副都心における公共空間の一体利用等調査報告書」(A4判143ページ、2015年3月)と、みずほ総研が2018年3月に都に提出した「臨海副都心青海地区北側開発に関する調査委託報告書」(A4判60ページ)を入手しました。

 三菱総研の調査報告書は、大規模なMICE(会議場・展示場)の候補地として、築地市場跡地(23ヘクタール)、臨海副都心・青海地区北側(10〜30ヘクタール)、品川・田町間(10〜13ヘクタール)の3地域を比較検討しています。

 その結果、総合評価で青海地区北側を「◎」とし、築地市場跡地は「△」、品川・田町間は「×」と判定。
 また、国内他都市とのカジノ立地評価も行い、市場規模は臨海副都心が◎、横浜市・山下埠頭(ふとう)と大阪・夢洲(ゆめしま)は○としています。

 報告書は、臨海副都心青海地区でカジノつきとカジノなしの案を比較検討。
 MICEの整備・運営は独立採算が困難であるため、「収益のエンジン」としてカジノの必要性を強調しています。

 さらに、世界最大級のMICE・IRのあるシンガポールのマリナベイサンズと同等の国際会議場と展示場の合計床面積が3ヘクタール、カジノ(1.5ヘクタール)を備えたハイグレードホテル3300室、大規模商業施設(13ヘクタール)などを想定。
 来客数や自動車交通量の予測、施設建設費や事業採算性を試算し、建設費は最大3600億円としています。

 みずほ総研報告書は、三菱総研報告書をもとに、青海地区北側の広場やプロムナード(遊歩道)をMICE施設用地に転用する案を検討。
 31階建ての国内最高級ホテルの3階に1万5000平方メートルのカジノを併設して、世界最大級のIRを整備、建設費は最大で3527億円とし、事業採算性を試算しています。


しんぶん赤旗、2019年6月3日(月)
都、カジノ候補地ひそかに検討
調査報告書作成 臨海副都心・青海「最適」

(岡部裕三)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-03/2019060301_03_1.html

 東京都は2019年1月23日、豊洲市場(江東区)の開場に伴い閉場した築地市場(中央区)の跡地について、再開発方針の素案を公表した。
 核となるのは、国際会議場や展示場の機能を持つ国際的な交流拠点。小池百合子知事が掲げた「食のテーマパーク」構想の面影は消え、国に税収を奪われる危機感もあって「稼ぐ東京」を前面に打ち出した。
 
「食のテーマパークを超え、ウェルネス(健康)とか文化や伝統などを含めた形で築地に展開する」

 小池氏は23日、報道陣にこう話し、市場を残すことにこだわった2年前とは異なる見解を示した。
 2017年7月の都議選では「築地は守る」と訴え、都民ファーストの会を大勝に導いた。

 そして「築地は守る」基本方針として食のテーマパーク構想を打ち出したが、豊洲市場に観光拠点を整備する事業者が「競合する」と反発。
 小池氏は「一つの考え方」とトーンダウンし、事業者に陳謝して豊洲での事業を継続してもらった経緯がある。
 このため、方針変更は時間の問題だった。

 築地場外市場で約80年間続く鮮魚店で働く女性は、
「小池知事に裏切られた思い。国際会議場なんて期待していない」。
 すし店の男性従業員(68)は、
「街のにぎわいが戻ってくれたらいい」
と淡々と話した。

■ 遠回り

 跡地は2020年東京五輪・パラリンピックで駐車場として使用。
 素案ではその後、跡地を民間に貸し付け、4つのエリアに分けて段階的に整備する。
 浜離宮恩賜庭園沿いに国際会議場を、隅田川沿いには船着き場を設置。
 大規模な集客施設も盛り込んだが、「具体的には民間の提案になる」(都幹部)という。

 大規模な展示場は国内に少ない。
 国内最大の東京ビッグサイト(江東区)は年300件程度のイベントがあり「ほぼ満杯の状態」(担当者)。
 幕張メッセ(千葉市)やパシフィコ横浜(横浜市)も稼働率は高く、中小企業が商談できる展示会のニーズは高い。

 だが、展示場の整備は2022年ごろに事業者を募集し、開業時期は未定だ。
 全体の完成は2040年代を見込み、およそ20年後。
 都は業界団体から展示場を増やすよう要望を受けていたが、「築地は守る」方針に引っ張られ、結果として遠回りしたことになる。

■ 税金

 都は国による税の偏在是正措置で、2020年度は新たに2500億円、2021年度以降は年4600億円の減収となる。
 さらに、跡地には一般会計から5600億円の税金を投じ、年100億円近い豊洲市場の運営赤字などに充てる。
 跡地を民間に貸し付けることで、収入をどれだけ増やせるかも課題だ。

 都の試算では跡地を段階的に貸し付けた場合、2029年度以降は年154億円の収入があり、2063年度に合計額は5700億円になるという。
 都の担当者は「周辺への経済波及効果も考えられる」とそろばんをはじくが、目算通りとなるかは未知数だ。

 築地の跡地利用を巡っては「カジノを誘致するのでは」という臆測もあるが、小池氏は「素案の中にカジノという言葉は出てきていないので、その方向性でいきたい」と説明。
 現時点では検討しない考えを示した。

 素案は都民の意見を募った上で、3月末までに正式決定する。


東京新聞・朝刊、2019年1月24日
築地跡地に国際会議場
「食」構想消え「稼ぐ」場に

(石原真樹、長竹祐子)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019012402000136.html

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2019年06月26日

北方領土問題を巡る日ロ交渉

RAUSU, Japan − Kimio Waki remembers the day in 1945 when Soviet soldiers burst into his home, “machine guns in their hands, and with their shoes on.” He was just 4 years old. “They ransacked the house,” he said. “I’m left with my memory of fear.”

Waki and his family were among 17, 000 Japanese living on the southernmost Kurile Islands − known in Russia as the Kurils − when Soviet troops invaded after Japan had announced its surrender in World War II. Over the next four years, all of the Japanese either fled or were forcibly evicted.

More than seven decades later, Japanese Prime Minister Shinzo Abe has embarked on a quixotic dream to persuade Moscow to return at least some of the islands, with President Vladimir Putin first dangling − then seemingly withdrawing − the prospect of a deal.

There had been hopes the two leaders might have signed a framework agreement on the sidelines of the Group of 20 summit, which begins June 28 in Osaka. But that dream has died, experts say.

“A deal to settle the territorial dispute − that’s really not on the table anymore,” said James Brown, an associate professor at Temple University’s campus in Japan.

Instead, Russia is now proposing to deepen economic cooperation by introducing visa-free travel for residents of the Russian island of Sakhalin and Japan’s island of Hokkaido, which lie west of the disputed smaller islands.

The idea has met a mixed reception in Japan, experts say. Japan’s Foreign Ministry fears it might be seen as recognizing the disputed islands as part of Sakhalin, and reduce pressure to resolve the dispute over sovereignty.

Waki, now 78, is one of a dwindling number of elderly Japanese people who remember life on islands referred to by Japan as its Northern Territories.

Sixteen miles apart

At a viewpoint above the Japanese town of Rausu, Waki points out the nearest island − Kunashiri in Japanese, Kunashir in Russian − and the mountain at the base of which his family lived and harvested seaweed from the seashore. It is just 16 miles away, clearly visible across the water.

In the first few years of Soviet occupation, he remembers playing with Russian children, kicking stones and catching fish with their bare hands in a local river, and sharing their bread and canned food.

Then the order came: Gather by the shore and wait. He and his family were to be evicted. Packed into a Russian cargo boat, they went first to Sakhalin, before finally being sent to Japan. He remembers talk of babies dying and being dumped in the latrines. He recalled being so ill and malnourished that his parents nearly left him behind.

In 1951, Tokyo renounced all rights to the islands as part of the San Francisco Treaty that brought an end to the U.S. occupation.

But Japan’s government says that treaty didn’t apply to the four southernmost islands of the chain, and the dispute has dogged relations with the Soviet Union and Russia ever since.

Last year, Putin and Abe reignited hopes of a deal, and negotiations have been going on ever since. Japan promised economic engagement and investment in Russia’s Far East as part of the package.

For Abe, it’s personal, a legacy handed down by his father, Shintaro, who was Japan’s foreign minister in the 1980s, one of the main diplomatic quests of his premiership.

He has even agreed to negotiate on the basis of a 1956 deal between the two countries: a promise made by the Soviet Union that it would eventually hand back the smallest islands − Habomai and its surrounding rocks, and the island of Shikotan.

'Two-island solution'

That offer was rejected by Japan at the time, because it would leave the two largest islands, and 93 percent of the disputed territory, in Russian hands. Brown says Abe’s willingness to consider a “two-island solution” is a major concession.

But as Japan’s position has softened, Russia’s has hardened, experts say.

Russian Foreign Minister Sergei Lavrov repeatedly demanded that Japan begin by recognizing de facto Russian sovereignty over all of the disputed islands. Late last month, the foreign and defense ministers of both countries met, only to trade accusations about military buildups.

Japanese Foreign Minister Taro Kano called Russian missile exercises and its deployment of fighter jets to the disputed islands “unacceptable,” while Lavrov complained that Japan’s plans to deploy the U.S.-made Aegis Ashore missile defense system on other islands pose a “potential threat.”

If a treaty were ever signed, Japan might lose interest in political and economic engagement, Brown said, while Putin could well suffer a domestic backlash from nationalists and a blow to his reputation as the “gatherer of Russian lands.”

“Putin has been playing a well-thought-out game here − to give Abe the impression a deal is possible,” Brown said. “That gives [Abe] an incentive to promote economic cooperation, but also creates a divide” with Japan pursuing a pro-Russian policy while other industrialized nations take a harder line with Moscow.

When Waki arrived in Japan, he remembers the neon lights: He had never seen electricity before. Steadily, his family built a new life here, and he now has two daughters and two grandchildren living in Japan’s northern prefecture of Hokkaido.

With their families settled here, and no prospect of work on the islands, he acknowledged that the 6,000 surviving former residents would be too old now to permanently return to their former homes. Meanwhile, over seven decades, the Russians have settled in. There are now more than 17,000 living on the islands, and many were born there.

On each of his six trips back, Waki says the infrastructure there gets a little better. Next month, Russia will open a seafood processing plant on the island of Shikotan.

Waki has seen his hopes raised and dashed over many decades. Despite all the talking, the two sides do not seem to get any closer on the fundamental issues.

“It’s just like railway tracks,” he said. “They don’t cross.”


[photo-1]
An old ship thrown out by storm on the beach of Yuzhno-Kurilsk in the Kurile Islands. Ownership of four of the islands is disputed between Japan and Russia.

[photo-2]
Kimio Waki, 78, stands at an observatory in the Japanese town of Rausu, pointing out on a map where he lived as a young boy on the island of Kunashiri before being evicted by Soviet troops shortly after the end of World War II. The island, visible on the horizon, is still claimed by Japan, and the dispute is a major bone of contention with Russia.

[photo-3]
A view from the window of a residential building in Yuzhno -Kurilsk on the Tyatya volcano, in the Kurile Islands. Ownership of four of the islands is disputed between Japan and Russia.

The Washington Post, Published: June 22, 2019
Japan's dream of an island deal with Russia appears to slip out of reach
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japans-dream-of-an-island-deal-with-russia-appears-to-slip-out-of-reach/2019/06/21/54d4fca8-8c05-11e9-b162-8f6f41ec3c04_story.html

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は2019年6月26日までに、北方領土問題を巡る日ロ交渉に関する特集記事を掲載、日本が目指していた20ヶ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)におけるロシアとの平和条約大枠合意の希望はついえたとした上で、安倍晋三首相が「2島プラスアルファ」という大きな譲歩をしたにもかかわらず、プーチン・ロシア大統領は逆に態度を硬化させたと指摘。
 プーチン大統領が日本の経済協力に向けた意欲を引き起こすため、取引が可能との印象を与えてきたとも強調した。

 記事は「ロシアと合意するという日本の夢は手の届かないところに滑り落ちたようだ」との見出しで、旧島民のルポやテンプル大学日本キャンパスのジェームズ・ブラウン准教授(政治学)のインタビューなどから構成。

「領土問題解決の取引はもはや(交渉の)テーブルにはない」とのブラウン准教授のコメントを挙げた上で、ロシアが北方領土を含むサハリン州と北海道の間のビザなしでの自由往来制度創設を提案しているものの、日本側は北方領土のロシア帰属を認めたととられかねないことを危ぐしているとした。

 平和条約交渉に情熱を注いだ故・安倍晋太郎元外相を父に持つ安倍首相は、領土問題解決を個人的使命ととらえて交渉に臨み、昨年、条約締結後の歯舞、色丹2島の日本への引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を行うことでプーチン大統領と合意。

 その後、2島返還だけで合意する用意があるとする「大幅な譲歩」をしたが、ラブロフ外相は「第二次世界大戦の結果を認めるべき」と主張。
 プーチン氏は条約締結で、国内の民族主義勢力からの反発と、ロシア領土の保護者とのイメージを損なうことから、逆に態度を硬化させた。

 また、プーチン氏は、取引が可能であるかのような印象を安倍首相に与えるため「綿密に練られたゲーム」を行っているが、こうしたことで安倍首相からロシアとの経済協力への意欲を引き出す一方、ロシアに強硬姿勢を示すほかの西側諸国と日本との溝は深まっているという事情も紹介している。


47News, 2019/6/26 12:04 (JST) updated
北方領土「安倍首相の夢、ついえる」
ワシントン・ポスト紙、プーチン氏「綿密なゲーム」

(共同通信=太田清)
https://this.kiji.is/516446948369597537?c=39546741839462401

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日米同盟是が非か

President Donald Trump has recently mused to confidants about withdrawing from a longstanding defense treaty with Japan, according to three people familiar with the matter, in his latest complaint about what he sees as unfair U.S. security pacts.

Trump regards the accord as too one-sided because it promises U.S. aid if Japan is ever attacked, but doesn’t oblige Japan’s military to come to America’s defense, the people said. The treaty, signed more than 60 years ago, forms the foundation of the alliance between the countries that emerged from World War II.

Even so, the president hasn’t taken any steps toward pulling out of the treaty, and administration officials said such a move is highly unlikely. All of the people asked not to be identified discussing Trump’s private conversations. While Trump’s repeated criticism of security pacts around the world has alarmed allies from Seoul to Paris, he hasn’t moved to withdraw from such agreements the way he has with trade deals.

Exiting the pact would jeopardize a postwar alliance that has helped guarantee security in the Asia Pacific, laying the foundation for the region’s economic rise. Under the terms of its surrender in World War II, Japan agreed to a pacifist constitution in which it renounced the right to wage war.

Japanese Chief Cabinet Secretary Yoshihide Suga said Tuesday in response to a question about the Bloomberg News report that the security framework was at the core of the country’s alliance with the U.S. “There is no talk at all of a review of the Japan-U.S. security alliance as has been reported in the media,” Suga said, echoing a statement by the foreign ministry.

Scrapping the treaty would risk ceding security of the Western Pacific to China and potentially spurring a fresh nuclear arms race, if Japan decided it needed to protect itself from nuclear-armed neighbors. It would also call into question the U.S.’s military commitments to Australia, the Philippines, South Korea, Taiwan and a host of other allies around the world.

Meeting With Abe

The president will make his second trip to Japan in a matter of weeks on Wednesday when he travels for the Group of 20 summit in Osaka. He’s expected to again meet with Japanese Prime Minister Shinzo Abe, who enjoys as good a relationship with the mercurial and unpredictable American president as any foreign leader.

Yet as with many U.S. allies, there are growing tensions between the countries over Trump’s attitude toward trade. The president has said he may enact tariffs on imports of foreign cars, calling them a threat to national security -- an allegation called preposterous by automakers and many U.S. lawmakers.

The question of whether an American president can withdraw from a ratified treaty without congressional approval is unsettled. President George W. Bush withdrew from the Anti-Ballistic Missile Treaty in 2002 without lawmakers’ consent.

Trump regards Japan’s repeated efforts to move a large U.S. military base in Okinawa as a sort of land-grab, the people said, and has raised the idea of seeking financial compensation for American forces to relocate. Trump’s focus on the U.S. defense pact with Japan may foreshadow broader scrutiny of American treaty obligations across the world, two people familiar with the matter said.

The White House communications staff declined to comment Monday night.

The president has said in private conversations previously that he has Japan’s back and is aware of the U.S.’s obligations under the treaty. But, as with his stance on other multilateral agreements, he wants the relationship to be more reciprocal.

“The U.S.-Japan alliance has never been stronger,” Trump told sailors and Marines last month aboard the USS Wasp, an amphibious assault ship at the naval base in Yokosuka, shared by the U.S. and Japan’s Self-Defense Forces. “This remarkable port is the only one in the world where an American naval fleet and an allied naval fleet headquartered side by side, a testament to the ironclad partnership between U.S. and Japanese forces,” he said.

At the same time, the president has long expressed skepticism of arrangements such as the North Atlantic Treaty Organization and the United Nations. He withdrew from the Trans-Pacific Partnership trade agreement and the Paris climate accord, both agreed by President Barack Obama, and has re-negotiated the North American Free Trade Agreement.

The U.S. defense treaty with Japan was first signed in 1951 along with the Treaty of San Francisco that officially ended World War II. The defense pact, revised in 1960, grants the U.S. the right to base military forces in Japan in exchange for the promise that America will defend the island nation if it’s ever attacked.

For decades after the war, Japan refrained from developing offensive capabilities such as long-range bombers, aircraft carriers and nuclear weapons. But Abe, a relatively hawkish leader, believes his nation should take a more robust role in its own defense. He pushed through a controversial interpretation of the constitution to allow Japanese forces to come to the aid of allies.

Japan is buying advanced F-35 fighter planes from the U.S. and will fly some of them off warships effectively refashioned as aircraft carriers, its first since the war. In May, the country’s ruling Liberal Democratic Party recommended the government eventually raise defense spending to about 2% of gross domestic product, in line with NATO recommendations for its members and a threshold Trump has said should be a minimum for U.S. allies.

‘Cornerstone of Peace’

There are currently about 54,000 U.S. military personnel based in Japan, a permanent troop presence that allows the U.S. to more easily project force across the Pacific. U.S. Forces, Japan, calls the arrangement “the cornerstone of peace and security in the Pacific” on its website.

It isn’t clear how those forces would be affected if Trump withdrew from the treaty. The president has frequently complained that U.S. allies hosting American bases don’t pay enough money for what he considers a privilege, and he could seek to negotiate a new or revised treaty that entails more Japanese financial support for the U.S. military presence.

While the president did not refer to the base by name in his recent conversations, there has been a running dispute surrounding Marine Corps Air Station Futenma on Okinawa. The American presence has been controversial for more than two decades, since three servicemen raped a 12-year-old Okinawan girl in 1995. Local people still attribute the presence of the base to higher rates of crime and accidents in the area, according to the Council on Foreign Relations.

James Carafano, vice president of foreign and defense policy studies at the Heritage Foundation, said he doubts the U.S. will withdraw from the treaty with Japan.

“There’s nothing that says we have to abide by treaties for all eternity,” Carafano said. “I just doubt we will revisit U.S. policy on the U.S.-Japan strategic alliance,” which he also referred to as the “cornerstone” of U.S. foreign policy in Asia.

Abe reached a deal in 2013 with Obama to move the base out of Okinawa as early as 2022 if a replacement could be constructed. But Trump believes the land underneath the base is valuable for development, and has told confidants the real estate could be worth about $10 billion, the people said.

He considers the situation another example of a wealthy country taking advantage of the U.S., the people said.


[photo-1]
Douglas MacArthur and Chester William Nimitz aboard the USS Missouri to sign Japan’s formal surrender in 1945.

[photo-2]
The USS John S. McCain destroyer at the Yokosuka Naval Base in Japan.

[photo-3]
Donald Trump aboard the USS Wasp at Yokosuka Naval Base on May 28.

Bloomberg, Updated on ‎2019‎年‎6月‎25‎日‎ ‎17‎:‎06‎ ‎JST

Trump Muses Privately About Ending Postwar Japan Defense Pact

President wants compensation for Okinawa Marine base move

Japan says there’s been no talk of reviewing the alliance

By Jennifer Jacobs
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-06-25/trump-muses-privately-about-ending-postwar-japan-defense-pact

 ドナルド・トランプ大統領が、日米同盟破棄の可能性についての考えを側近に示していたと、ブルームバーグが6月25日に報じた。
 ブルームバーグのジェニファー・ジェイコブ記者は、スクープと題して自身のTwitterでもこのことを伝え、3つの情報筋からの話だとつづっている。
Jennifer Jacobs
Scoop: Trump has mused about withdrawing from a longstanding defense treaty with Japan that he thinks is unfair to US, per 3 sources with direct knowledge.
The treaty, signed more than 60 years ago, forms foundation of alliance between the countries that emerged from WW2.
11:28 - 2019年6月25日

 日米同盟は、日本が攻撃された場合にアメリカが日本の防衛義務を負うことを規定しているが、逆にアメリカが攻撃された場合は、日本の自衛隊はアメリカを防衛する義務を負わない。
 ブルームバーグによると、トランプ大統領は、この点について、一方的でアメリカにとって不公平だと考えていると、情報筋が明かしたという。
 日米同盟は、第二次世界大戦後に署名された日米安全保障条約に盛り込まれる形で、約60年にわたって日米関係の基盤となっている。
 トランプ大統領は、同盟破棄に向けた具体的な措置はとっておらず、政権当局者も、実際には起こりえないことだと話しているという。
 ブルームバーグの情報筋は、トランプ氏の個人的な会話だとしている。


ハフポスト、2019年06月25日 13時03分 JST
「トランプ大統領が、日米同盟破棄の可能性を側近に示していた」ブルームバーグが報道
ブルームバーグの情報筋は、トランプ氏の個人的な会話だとしている。

(M田理央)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d1198d1e4b0aa375f51d4f4

 トランプ大統領が日米安保条約を破棄する可能性に言及したことについて、日本政府はよほど慌てたのだろう。
 菅官房長官はきのう25日の記者会見でこう言ったらしい。
 「米国政府の立場と相いれないもの」だと。
 なにをふざけたことを言っているんだ。
 トランプ大統領は米国そのものではないのか。
 米議会はトランプ大統領に逆らえず、トランプ大統領に異を唱えるものは閣僚であろうが側近であろうがたちどころに更迭される。
 そんなトランプ大統領が言ったことが、米国政府の立場ではないとでもいうのか。
 そんな事を言っていると安倍政権はトランプ大統領にたちどころに「お前はクビだ!」と言われてしまうぞ。

天木直人のブログ、2019-06-26
トランプ大統領の発言は米国政府の発言ではないと言った日本政府
http://kenpo9.com/archives/6123

 ついに来るべきものが来たか、という思いだ。
 「ホルムズ海峡を通過する船舶を守るのは米国ではなく日本だ」と発言し始めたあたりから、怪しくなって来たと思っていたら、ついにトランプ大統領が口走った。
 「日米安保条約を破棄する考えがある」と。
 側近との私的な会話でトランプ大統領がそう語ったというのだ。
 米ブルームバーグ通信が24日報道した。
 その理由がふるっている。
 日米安保条約は米国にとって不公平だ、不満だからだ、というのだ。

 もしこの発言が本当なら、日本国民は怒らなければいけない。
 不公平なのは日本にとってだからだ。
 なにしろ、日米同盟は日本を守るためのものではなく、米国の軍事目的が優先されるものだからだ。
 そんな同盟関係にのために、日本は主権を放棄させられ、日本の血税は湯水のように使われて来たからだ。
 これ以上日本にとって不公平な条約はない。
 日米同盟を破棄したいのは日本の方だ。
 このトランプ大統領の発言の真偽を確かめることこそ、安倍政権が国民にとって果たすべき喫緊の政治的義務である。
 ところが、安倍政権は、確かめもせず、すかさずトランプ大統領の発言を否定し、「日米同盟を重視する米国政府の立場は不変だ」と強調した。
  
 メディアは意図的にトランプ大統領の発言報道を抑制し、野党は寂として声がない。
 唯一発言したのは共産党の志位委員長だが、その言い方があまりにも情けない。
 日本共産党はもともと安保反対だから痛くも痒くもない、むしろ歓迎だと。
 そんな自慢をしている場合か。
 即刻安倍政権に日米安保破棄を迫るべきだ。
 「日米安保は日本にとって是が非か」
 
 この戦後最大の政治テーマが、トランプ大統領の一言によって今度の参院選の最大のテーマに急浮上した。
 いや、そうさせなければいけない。
 対米自立を掲げる「オリーブの木」にとって神風が吹いた。
 日米安保を否定し、憲法9条を日本の国是とすることを公約として掲げる新党憲法9条が実現する時は今をおいてほかにない。


天木直人のブログ、2019-06-26
こんどの参院選の最大のテーマに急浮上した「日米同盟是が非か」
http://kenpo9.com/archives/6122

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2019年06月25日

朝ドラに牧野富太郎を

植物をかんさつした牧野富太郎
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005300603_00000

 山歩クラブのお散歩会は、6月23日の「牧野記念庭園」訪問でした。
 あの強烈な印象からまだ抜け出せないでいるのが、ヤッホーくん!
 
エピソード1 土佐の植物少年 東大鮮烈デビュー

 少年のころから故郷 土佐(高知)の植物を調べていた牧野富太郎。
 22歳で上京、その博識と情熱で東大理学部植物学教室に出入りできるようになります。
 それまで外国の学者が決めていた植物の名を、富太郎が「ヤマトグサ」で日本人として初めて命名。
 28歳の若さで日本の植物学界のトップに立ちます。

エピソード2 あらん限りの妻の愛

 カネに糸目をつけず買った本は5万冊以上。
 借金苦で引っ越しすること30回。
 そんな富太郎をしっかり支えたのが妻の壽衛(すえ)でした。
 糟糠の妻 壽衛が病で余命いくばくもない時、富太郎は笹の新種を発見「スエコザサ」と名づけます。
 そして次の句を詠みました――「世の中の あらん限りや スエコ笹」


エピソード3 誕生!夢の植物図鑑

『牧野日本植物図鑑』富太郎78歳の時の大著です。
 この大図鑑をつくるため、富太郎は標本募集のチラシを日本全国に配布。
 10万点を超える標本を確保し研究著述に活用、ぼう大な種類の草木が図鑑に掲載されました。
 日本じゅうのすべての植物を明らかに……富太郎生涯の夢がここに実現したのです。

参考文献

『牧野日本植物図鑑』(北隆館)、http://www.hokuryukan-ns.co.jp/makino/
『牧野富太郎自叙伝』(講談社学術文庫)
『MAKINO〜牧野富太郎生誕150周年記念出版〜』(高知新聞社編 北隆館、2014年1月)
『牧野富太郎〜植物博士の人生図鑑〜』(コロナブックス 平凡社、2017年11月)


歴史秘話ヒストリア、2019年1月23日(水)放送
「私は植物の精である」
牧野富太郎 夢の植物図鑑

http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/369.html

植物の精 牧野富太郎

 今夜は「牧野富太郎」の秘話をお届けいたしました。
 1500種以上の新種に学名を与えた牧野は「牧野日本植物図鑑」という欧米の専門家をもうならせるような金字塔を打ち立てた、日本植物学の父と呼ばれる人です。
 牧野はみずからを「植物の精」と語っていたそうですが、人間の側から植物を観察していたのではなく、植物の側に立っていたのだと思うと、偉大なる業績についても“なるほど”と思えてしまいますよね。

牧野の植物図鑑の魅力

 牧野は、「植物観察会」によって全国に植物ファンを育てます。
 そしてそのネットワークを使って、さらに日本の植物の実態を把握していく活動を展開しました。
 書簡のやりとりなどで牧野と接触した当時の植物ファンの中からは、後進となる植物学者が誕生しています。
 牧野の情熱と知識のほどが、植物を愛好する人々をどれほど魅了したことでしょうか。
 こうして日本全国の愛好家の熱い思いが託された「牧野日本植物図鑑」は、牧野という人物のあまりある魅力を凝縮したかのような一冊になりました。
 私も実際に図鑑を拝見させていただきましたが、植物だけにとどまらない鳥や昆虫などの深い知識がちりばめられていて、牧野の手によって編まれたこの一冊の背景にある「知」の深遠さをかいま見た気がしました。

牧野を支えた妻

 牧野の偉業を語るからには、妻・壽衞(すえ)の支えのことを書かなければなりません。
 壽衞の働きがなければ、牧野の偉業もなしえなかったと思うからです。
 しかし、壽衞の献身はけっして苦行ではなく、その日々に悲壮感はなかったといいます。
 牧野に対して常に敬意を持ってさまざまな作業を引き受けていた壽衞は、牧野と同じように植物を愛おしく思っていたのではないでしょうか。
 再現ドラマにおける2人が亡くなるそれぞれのシーンが、まるで重なって見えたのは私だけではないと思います。
 植物への愛を共有した2人の“好きなコト”への真摯な向き合いかたに心打たれました。

「植物の精」は“イモータル”

 牧野の生涯を追ってみて、根っこに“好き”があることが、これほど豊かな知識と魅力を生み出すことをあらためて知りました。
 損得勘定などは超越して、シンプルに好きであることが原動力になると、これほどまでにパワーが生まれるということに、人間の面白みを感じます。
 好きなコトをとことんまで追いかけ続ける。。。そんな牧野の青春は、まさに“イモータル(不滅)”です。
「牧野日本植物図鑑」は“現役”の図鑑だといいます。
 牧野の偉業は、現在も、そして未来へも語り継がれ、好きなコトを追いかける人たちを励まし続けてくれるのではないでしょうか。


NHK 関西ブログ、2019年01月23日 (水)
[井上あさひ]
牧野富太郎 夢の植物図鑑
http://www.nhk.or.jp/osaka-blog/historia/313114.html

「『朝ドラに牧野富太郎を』の会」発足会ぜよ!
 2018年7月10日(火)は、「『朝ドラに牧野富太郎を』の会」発足会やったがやき。

 牧野富太郎博士は、高知県佐川町生まれで、日本の植物分類学の父とも呼ばれる世界的な学者で、博士に関する書籍は4000を超えて発刊されちゅうといわれちゅうばあやに、県外での知名度はあんまり高うないがよ。

 ほんじゃき、牧野富太郎博士の植物学に関する功績を広うに全国に広めるために、是非NHKの朝の連続ドラマで取り上げていただきたいっちゅうことながやき。

 2022年4月にゃあ牧野富太郎生誕160年を迎えるき、その記念に合わせて放送を実現していただけるよう、NHKさんにお願いをしょうと、この日に「『朝ドラに牧野富太郎を』の会」発足し、署名活動を開始するっちゅうことながよ。

 さてまず、当会の事務局次長の松田さんの呼び掛けで、12時に副会長のワシと、牧野植物園の小松さんと葉山庵の和田さんと、高知新聞社佐川支局長の森田さんの5人が「大正軒」さんに集まって、打ち合わせを兼ねて「鰻の蒲焼き定食」をいただいたがやき。

 相変わらずマンボ(松田さん)が暴走してしゃべくりまくり、案の定あんまり打ち合わせにゃあならざったがよ。

 ほんで、13時過ぎばあからは発会式の会場となる「名教館(めいこうかん)」にて、みんなあで準備をしたがやき。

「『朝ドラに牧野富太郎を』の会」の会長は佐川町の堀見町長さんやけんど、残念ながら出張で欠席やって、会長代理の中澤副町長さんがお越しになり、ワシと共に副会長の牧野植物園の水上園長さんもお越しになったがよ。

 もう1人の副会長の越知町の小田町長さんは、残念ながら欠席やったがやき。

 その他、20名ばあの方々が会場に来場され、開会前にまずは松田さん作詞の「スエコザサ」の演奏のビデオが流されたがよ。

 ほんで14時ちょい過ぎに開会となり、中島事務局長さんの司会にてスタートしたがやき。

 まずは西日本豪雨災害に対するお見舞いの言葉らあがあり、「『朝ドラに牧野富太郎を』の会」について、簡単にご紹介があったがよ。

 続いては、会長代理の中澤副町長さんから、ご挨拶のお話があり、続いて副会長の水上園長さんから、ご挨拶のお話があったがやき。

 お次は、副会長のワシから、ご挨拶のお話をさいてもうたがよ。

 牧野富太郎博士は、佐川町の造り酒屋「岸屋」に生まれ、当時の銘柄は「菊の露」やったがやけんど、酒屋は人手に譲り、最終的にゃあ司牡丹の蔵の一部になっちゅうがやき。

 そんな縁もあり、司牡丹じゃあ6年前の2012年の「牧野富太郎生誕150年」記念に、「ハナトコイシテ」(特別純米酒)を発売しちゅうがよ。

 また、10年以上前やろか、日本青年会議所シニアのお歴々が高知に来られた際、ワシらあ高知青年会議所シニアのメンバーがご案内役を仰せつかり、牧野植物園をご案内さいてもうたことがあったがやき。

 そん時に、ホールにて牧野富太郎博士の生涯をご紹介するビデオをご覧になられたお歴々の皆さんが、みんなあ目頭をおさえもって出て来られたがよ。

 牧野博士の生涯は、それっぱあ感動する、人の心を打つっちゅうことやき、まさに朝ドラにうってつけやっちゅうことながやき!

 だいたいそんなお話をさいてもうたがよ。

 その後は、中島事務局長さんから、本日の署名についての説明や、質疑応答らあがあったがやき。

 続いてはいよいよ署名で、まずは会長代理の中澤副町長さん、お次は副会長の水上園長さん、お次は副会長のワシっちゅう順番で、署名をさいてもうたがよ。

 こうして発足会は無事終了し、その後はみんなあ佐川町観光協会やら、司牡丹酒造やらに移動し、署名をいただきまくったがやき。

 さあこれから1年間で1万人の署名を目指しますきに、皆さんご協力、何とぞ宜しゅうお願い申し上げますぜよ!

 ちなみに署名用紙は、牧野植物園さんに後日置かれる予定で、司牡丹の「酒ギャラリー ほてい」には7/11より置かれちょります。

 土佐の高知の土佐の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、
http://www.tsukasabotan.co.jp/
 司牡丹酒造株式会社


司牡丹社長blog「口は幸せのもと」、2018年07月12日
http://blog.livedoor.jp/tsukasabotan/archives/51945660.html

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2019年06月24日

税金泥棒

そもそも国民の権利は、納税の「対価」なのか

 近年、納税額の少ない人間を「税金泥棒」と呼ぶ言説が登場し話題になっている。
 この興味深い言説が登場した経緯を簡単に振り返ってみよう。

 金融庁のワーキンググループによる報告書−−「平均的な高齢夫婦の場合、毎月およそ5万円の赤字が続き、退職後の30年間でおよそ2000万円の不足が生じる」、「若いうちから積立、分散、長期の投資などを奨励」−−を受けて6月4日に麻生太郎財務相が記者に対して、「100まで生きる前提で退職金って計算したことあるか?」と説教を始めた映像に国民の多くが面食らった。

 報告書に示される、威圧的な文字列に恐慌を覚えたこともさることながら、なぜこの財務大臣は、「100年安心」という建前を反故にする内容をこうまで偉そうに語ることができるのだという困惑が広がった。

 さらに「選挙が近い」という党派的な理由で自民党がこの専門家による報告書の受け取りを拒否することによって、議論そのものを拒絶するに至り、困惑は怒りとなり、その一端として「年金デモ」なるものも発生した。

 これに対して実業家の堀江貴文氏が18日にtwitterで発した一言「ほんとそんな時間あったら働いて納税しろや。税金泥棒め」がこの話題の始まりである。
 堀江氏は翌日のツイートで、デモ参加者を税金泥棒と呼んだ真意を次のように説明している。

このデモに参加している奴の大半は実質的に納税している額より給付されている額の方が多いんだよ。それを税金泥棒って言ってんだ

 堀江氏の説明により、明確になったその真意は、しかし国民の権利の基礎づけについての日本社会の危うい理解を可視化することになった。
 国民の権利は、納税の義務と表裏一体のものであり、受ける福祉よりも納税額が低い者は、この理解によれば「税金泥棒」となる。

 この理解に従うなら国民の権利は納税額により伸縮自在なものとなる。
 もしこの理解に立つならば、老人福祉も、障害者福祉も、生活保護も成り立たないはずである。
 福祉を必要とする者とは税金泥棒の別名なのだから。
 そして、もしこの理解に立つならば、高額納税者は、搾取され報われない悲劇の人びとということになる。

 当然こうした権利についての見解は、近代において我々が採用した国民国家の原則から見てまったく間違っている
 権利とは伸縮するものではないし、そもそも納税の対価ではないからである。

「特権」という伸縮する自由


「権利と義務は表裏一体の関係である」−− 義務とは、「軍役」のない日本では納税になろう−−というのが現代社会に蔓延する最大の誤解の一つである。
 この誤解は、特権(Privileges)と権利(Rights)の区別がついていないことによって生じている。
 特権とは、中世から初期近代にかけて存在した封建社会における法概念である。

 3世紀から5世紀にかけて発生した、いわゆる「ゲルマン諸部族の大移動」により、古代以来のローマ帝国の衰亡は決定的なものになった。
 この「大移動テーゼ」にまつわる歴史学的にデリケートな検討はここでは傍に置き、ローマ帝国衰亡以降のヴァンダル人、フランク人、アングロ・サクソン人などのいわゆる「蛮族国家」の統治秩序が要するにいかなるものであったかを概観しよう。

 旧ローマ帝国領を割拠支配していた彼らの中の豪族は、自らの安全を守るために互いに主従関係を結んでいった。
 豪族それぞれがその地域で略奪を行った末に、統治を行うに至った創業者であった。
 元来が略奪者であった彼らは常に資産の安寧に大きな不安を抱えていた。
 自分の資産を正当化する客観的な基準が存在しないからである。

 そこで彼ら豪族たちは、より強力な豪族たちと複雑な主従関係を重ねていく。
 それゆえ豪族たちそれぞれの立場は極めて多様であった。
 彼らにとっての自由は、今日の我々が理解する自由とは異なる。
 それは端的に特権の数である。

 特権とは、それぞれの主君との関係における義務(功績)と各自の領地の大きさ、婚姻関係と相続から推定されるパワーを足し合わせたものである。
 つまり彼らの特権(=自由)は伸びたり縮んだりするのだ。
 特権とは、それがどれほど強大であろうともあくまで相対的なものであり、何より不安定なものであった。

 そのような彼ら豪族たちにとって、カトリック教会という信用機関がどれほど重要であったかを想像するのは難しいことではない。
 教会は、時代の要請に応えて両剣論や王権神授説(ともに教会と国家権力の関係についての教説)を編出してくれた。
 こうして900年ほどの時が流れるうちに、ローマ帝国を焼燬(しょうき)した彼ら「蛮族」は、皇帝、国王、貴族、騎士、聖職者となっていた。

 多様(「人間一般」というものは存在しない)で、グローバル(今日の国境も国語も存在しない)で、実力(運も含めて)のみがものを言うこの世界を、希望に満ちた時代だと考えるなら、その人の思考回路には深刻な問題があると考えるべきだろう。

 封建法と教会法という、既得権益者が恣意的に作り上げたコードが、愚かな新参者の個別的な才覚などたちどころに陳腐なものにしてしまう。
 競争の勝者は、自身の競争を嫌う。
 しかし彼らは愚か者の忠勤を強く求める。
 彼らは愚か者が競争することについてもとても喜ぶ。

 現代に生きる我々がここ20年で目にしてきた光景とよく似ているこの時代は「暗黒時代」と呼ばれる。
 こう考えると、封建法と教会法に類する抑圧の体系が現代にないとは言えないような気がしてくる。

権利の発見−− 野蛮人と狂信者からの解放

 啓蒙思想とは、上で見たような人間存在の桎梏(しつこく)から個人を解放する思想である。
 17世紀から18世紀にかけて展開した啓蒙思想の系譜をここに書き連ねる紙幅はないので、我々はジョン・ロックに簡単な説明を求めよう。

 ロックは『統治二論』の「第一論文」において、最初の人間アダムの子孫に対する父権を根拠とする王権神授説を否定した。
 父の罪(現世における功績)が子に引き継がれないのだとすれば、身分という概念は原理的に消滅する。
 彼は「個人」を析出したのだ。

 そして「第二論文」において、自然状態という、法や社会ができる前の状態を思考実験し、個々の人間が生まれながらに持っている権利(自然権)を特定した。

 まず人間が人間であるための権利として「生命」が挙げられよう。
 しかし、かりに生まれたその瞬間に地下牢に幽閉されて老衰するまで飼育されていたならば、生命に実質はない。
 生命が生命であるためには、「現れる」ことが必要だ。
 だとすると「自由」も生命に当然付随する権利であるはずである。

 しかし生命と自由は、それだけでは実質化しえない。
 親の庇護化にある子供が、権利の十全な担い手となることができるだろうか。
 すると、「財産」が必要になる。
 すなわち「生命」・「自由」・「財産」が、人間が人間であるがゆえにもつ権利であるということになる。

 ちなみに、ロックが特定した自然権が、十分に考えられたものであることは、現代の刑法の仕組みを思い出せばよく分かる。
 人間の自然権を抑制する刑罰は、すべて「生命」・「自由」・「財産」に関するものである。
 これらの自然権は、神によって人間に「等しく」与えられたものであり、もちろん納税の対価ではない。


 そしてロックの「第二論文」の革命性は、ここから始まる。
 共通の権利を持つ人間(中世にはこの概念自体がなかったか、せいぜい曖昧であった)は、本来は統治権力を必要としない。
 しかしながら、この人間の権利は、しばしば恣意的に侵害されるのである(中世がそうだった)。
 そこで理性を有する人間は、各人が生まれながらに持つ自然権を保全するための警護者を創設することにした。
 これが「社会契約」による国家の創設である。

 すなわち国家とは、社会契約の当事者となった人間(国民)の自然権を保全するためのものであり、中世に見られた「特権」の発生を抑制する体系なのである。
 かりに国家が国民の自然権の警護者たりえなかった場合は、国民は「天に訴える」権利を留保する。
 社会契約を結び直すのだ。
 これを「革命権」という。

 人間の権利は、ただ抽象的に認識するだけではいけない。
 我々が野蛮な実存から脱するためには、啓蒙の原則にもとづいて国家を再編しなければならない。
 18世紀後半の市民革命はその端的な事例だが、革命に隣接した諸国もそれぞれの経緯で国民国家を採用していくことになった。
 それは統治原則における近代化を意味していた。

 お分りいただけるだろうか。

 国民国家とは、本質において、市民の最低限の幸福と社会支援を約束する福祉的(welfare)なものであり、それはアメリカ合衆国ですらその憲法の前文で認めているところである。
 国民国家とは、実力者たち(例えば貴族)の特権や、聖職者の教権(来世の賞罰を餌にした脅迫)に対して、人間が生まれながらにしてもつ権利を保全するための仕組みなのである。
 それ以外の国家形態は、国民に対する簒奪行為なのである。


 人類の歴史には、様々な国家の形態が存在してきたのであり、国民国家というのは、ユーラシア大陸の片隅のヨーロッパで近代に誕生したものであるに過ぎない。
 しかしながら近代とは、無数の国家のモデルから、この国民国家を採用する営みであったことを忘れてはいけない。

 我々は、部族国家も、教権国家も、中世の制度化された暴力支配も選ばなかったのである。

道徳原理の主催者としての人間

 しかし、鋭敏な読者はすでにお気づきだろう。ジョン・ロックが人間に自然権を与えたという「神」は、キリスト教の神なのではないかと。
 この神を特殊キリスト教的なものから引き離し、より普遍的な「創造者」とすることを仮定したとしても、それはあくまで人間の創作に過ぎないのではないかと。

 もし人間に権利を付与したそのような絶対者が存在しないのだとすれば、「自然権を持つ人間が、社会契約により国民国家を創設する」という話はすべて戯論なのではないかと。

 これは、ドストエフスキーが『カラマーゾフの兄弟』の中で、イワン・カラマーゾフに語らせた問題である。

「もし神が存在していないならば、人間の営みに価値などないのではないか」

 啓蒙思想家は、すべての人間が「生命」・「自由」・「財産」という権利を有するというが、それは歴史的事実とは異なるし、それを保護するために国家が存在するという立論自体がおかしいのではないか。

 しかし我々近代人は幸いなことに、イマヌエル・カントを得た。
 カントは、『純粋理性批判』によって、神を用いずとも人間が道徳原理の主催者になり得ることを明らかにしている。
 カントによれば、人間は理性的存在であるがゆえに、創造者と同等の立場を得ることができるのだという。

 我々は『カラマーゾフの兄弟』で、腐臭を発する遺体を残して死んだゾシマ長老が、イワンを「不幸な人」と片づけていることに着目しなければならない。
 カントによって、人間は、物質的存在としては「葦のように」脆くとも、尊厳においては宇宙よりも偉大な存在であることを思い出すことができたのである。

 こうしてロックが積み残した最後の課題が解決された。
 人間は理性によって社会契約を結ぶことができる。
 国民国家の国民に対する義務は、思想家の主張ではない、規範的なものである。
 そして、この規範こそが、現代において忘れられているものなのである。

規範は忘れられやすい


 野蛮とは何か。
 それは理性が導く道徳原理を省みないことである。
 理性が導く道徳原理とは、「人格はあくまで目的であり、人格をモノとして扱わないこと、人格を何らかの目的のための手段として用いないこと」、これである。

 ロックは、人間の自然権は、「生命」・「自由」・「財産」と言った。
 ここから具体的な原則が導かれる。
 人格を財産の客体にしてはいけない。
 かりに同意があっても、人間をモノとして扱う行為は排除しなければならない。

 野蛮人(という言葉が悪ければ貴族と言ってもよい)とは、これを排除しない人びとのことである。
 これは知能の問題ではなく、規範意識の問題である。
 野蛮人には規範への敬意がない。
 そして彼らはしばしば極めて有能である。

 表面的な意味で「客観的」であることがしばしば体制に阿(おもね)る態度を導くのには理由がある。
 規範的な知性を抜きにして、数字を眺めるのは、幼児が火を眺めるようなものである。
 容易に騙されるのだ。

 15世紀後半から17世紀にかけて展開した大航海時代のヒット商品に、アフリカ人奴隷があった。
 アメリカでは1619年にヴァジニア植民地でオランダ商人から購入したのが始まりと言われている。
 1661年以降、法的に奴隷制が整備されていき、1865年にアメリカ合衆国憲法修正13条が成立するまで続いた。

 アフリカ人奴隷の使役とその終焉についての解釈には、看過し得ない謬説がある。
 それは、「奴隷労働は、経済的に合理的なものではなく、産業の発展につれて自由労働に入れ代わっていった」というものである。

 しかしそんなことは決してなかった。
 奴隷労働は経済的にとても合理的だったのである。
 バリントン・ムーアが『独裁と民主政治の社会的起源』の中の「アメリカ資本主義の三つの発展形態」と題する節で論じているように、プランテーション経営は、目的合理的な資本主義の精神の賜物なのである。

 アメリカで奴隷制を終わらせたのは、経済的な合理性ではない。
 連邦政府の軍事力である。
 大西洋世界でアフリカ人奴隷売買が終焉したのは、大陸諸国における奴隷禁止法やイギリスにおける判例の積み重ねである。
 決して奴隷労働が経済的に合理的ではなかったからアフリカ人奴隷がいなくなったのではない。
 国家が禁止したからいなくなったのである。

 それゆえ気をつけなければいけない。
 皮膚の色で可視化される奴隷労働がなくなったことは、奴隷労働そのものがなくなったことを意味しない。
 現代においても、より巧妙に、より合法的に、時には民主的な外観を装いさえしながら、かつてはアフリカ人奴隷が行なっていたような労働形態は生き残っているのではないか。

 南アフリカのプロテスタント神学者ジョン・W・デ・グルーチーは、『キリスト教と民主主義』の中で、資本主義がある種の貴族制を導く可能性を指摘している。
 それはそうだろう。
 貴族は資産形成、ことにその「資産を運用」することにかけては、歴史的に証明された実力を持っている。

 彼らは、そもそも多様で、グローバルで、実力主義者である。
 才腕ある彼らが必要ならば国家さえ利用したことは、19世紀の植民地帝国の歴史が雄弁に物語っている。
 しかし必要がなくなれば彼らは、国民など見捨てるだろう。
 グローバリズムというのはよくできたアリバイである。

 人間の権利は、「自然権」を考えれば分かる通り、本来は国家などを超えて普遍的にすでに存在しているものである。
 しかし、我々が想像されうる、国家を超えた「コスモポリス」の市民になる日は、遥か先のことと認めるしかない。

 まずは、国民国家という規範の城塞で、国民の権利を保全するべく目の前の諸問題の解決に当たるべきだろう。
 というのは、我々は、なぜか一番重要な原則を忘れがちだからである。
 現に、「国民国家とは国民の権利を保全するために存在している」という原則を見事に皆が忘れていたではないか。
 おそらく、忘れさせる仕組みが存在するのである。

 最後に一言私見を述べると、資本主義は素晴らしいものだが、それはあくまで国民国家の条件に敬意を払うことが前提である。
「いや、野蛮人でけっこう」という合理的な経済人もいるかもしれない。
 しかし、「けっこうではないのだ。その労働形態と賃金体系と雇用条件は国民国家の原則に反するので改めてください」と応えなければならない

現代ビジネス、2019.06.24
納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか
私たちはこの達成をすぐに忘れてしまう

石川 敬史
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65447

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山歩クラブのお散歩会は牧野記念庭園!

 ミナカタクマグス(1867-1941)はその名前からなんとかなじみはあっても、マキノトミタロウ(1862-1957)はあんまりよく分かんないと決め込んでいたヤッホーくん。

 今日水無月23日、沖縄慰霊の日に強烈な一撃を受けてきました。

 そうなんです、9人で山歩クラブのお散歩会。

「牧野博士は高知出身であり参加したかったのですがザンネンです」というメッセージを後にお邪魔したのでした。

 一撃のひとつ、博士は生涯助手で教授様なる肩書とは縁のない貧苦と子だくさんを過ごしたこと。

 ふたつ、坂本龍馬が脱藩した一ヶ月後に生まれ、龍馬も共に「いごっそう」、その気性を生涯貫いたこと、

 みっつ。奥様、壽衛の献身、お子様の気苦労に思い至したこと。

 ヤッホーくんの頬にはもう熱き涙が。

 江戸ちゃん、好日好処を選んでいただき、一度は来たかったという望月さんと共に「ありがとう!」と言わせてください。
 では次回まで、お元気で、ヤッホー!


 以上が昨23日、ヤッホーくんから発信された一斉報告メールでございました。

※ ミナカタクマグスは南方熊楠で、マキノトミタロウは牧野富太郎ですよね。

[写真-1]
牧野富太郎胸像を前にして ☟

牧野博士胸像.JPG

[写真-2]
スエコ笹を前にして ☟

スエコ笹歌碑.JPG

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23日は「慰霊の日」

 6月23日。
 全国で沖縄だけこの日は公休日(土日と重なった場合は振り替えなし)と定められ、国の機関以外の役所や学校が休みになる。

「慰霊の日」

 おびただしい数の住民を巻き込んだ地上戦が繰り広げられた沖縄で、組織的な戦闘が終わった日とされ、犠牲になった人たちに祈りをささげる日だ。

 毎年、沖縄では県主催の慰霊祭が開かれ、正午になるとあちこちで一斉に黙とうが行われる。甲子園予選を兼ねた高校野球の試合も中断され、球児たちが脱帽して目を閉じる光景は風物詩のようなものになっている。

 すっかり県民に浸透したメモリアルデーだが、一方で、制定された由来や変遷を知る人は案外少ない。平成最後の年、慰霊の日の「そもそも」をまとめた。

■ 初めは6月22日だった!

 慰霊の日が公休日として定められたのは、沖縄が米統治下にあった1961(昭和36)年にさかのぼる。

「沖縄戦没者慰霊奉賛会」(現在の沖縄県平和祈念財団)が、「戦没者慰霊の日」を制定するよう琉球政府へ陳情した。

 陳情では6月23日を慰霊の日にするよう提案している。その根拠は、沖縄に配備された日本軍の牛島満司令官と長勇(ちょう・いさむ)参謀長が自決した日で、「軍司令部の機能が崩壊および全軍の組織ある防衛戦闘終止で玉砕の日に相当する」とある。

 その後、琉球政府立法院で「住民の祝祭日に関する立法」が審議される過程で、23日ではなく22日を慰霊の日と決定。他の祝祭日と一緒に公布された。

 なぜ軍人が自決した日を選んだのか?陳情書で23日だったのがどうして22日に変わったのか?当時の会議録を調べてもはっきりとした理由は探せなかった。だが、議論の痕跡を見ることはできた。

「(米軍資料を訳した)琉球新報の記事によると6月22日午前4時前後に牛島中将が切腹して終了したことになっております」

「いつやるかということは相当の異論があるわけです。占領をアメリカが宣言した日をやるのか、あるいは事実上日本軍が崩壊した日をやるのか。あるいは軍司令官が死んでしまったその日をやるのか」

「アメリカが占領したというよりも日本側が完全にザ・エンドしたという日を求めるのが妥当かと思います。住民はそのときには勝利者の側ではないのです。日本の軍隊が消滅した日を探してその日とすべきじゃないですか」

 とはいえ、「琉球政府創立記念日」や「国際親善の日」、「平和の日」などが活発に論議されたのに対し、「慰霊の日」は案外すんなりと話が進んだようだ。

 当時立法院議員だった古堅実吉さん(88)はこう振り返る。

「最高指揮者の司令官の自決とともに全てが収まったという意味合いは最初から持っていなかった。しかし組織的な戦闘が終了したということについて異存はなかったように思う。司令官が死んだのが22日、だから慰霊の日を22日にしたほうがいいというつなぎはすんなりいった」

 こうして、慰霊の日は「6.22」として産声を上げた。

■ 6月23日に変更された背景は?

 慰霊の日が「6.23」になったのは、最初の制定から4年後のこと。

「住民の祝祭日に関する立法」の改正により、慰霊の日の変更について再調査が行われた。
 その際、参考人として呼ばれた沖縄観光協会事務局長の山城善三氏がこう発言している。

「戦争史を研究しておりますが、それによるとちょっと一日のずれがあるのではないかというふうな感じをいたすのであります」

 自決した日について、沖縄で編集されたほとんどの書籍が22日午前4時半とあるのに対し、大本営や東京で出版されたものは23日午前4時半とあると説明。さらに、沖縄戦時の高級参謀だった八原博通(やはら・ひろみち)氏に直接聞き取りし、はっきり23日だと答えたという。

 山城氏の証言を元に、「慰霊の日は23日とする」と定めた条例が公布された。

 古堅さんは「22日だ23日だということにかんかんがくがく論議するということはなく、『ああそうか、ならそのように変えたらいいじゃないか』というふうにして23日に変わった。自信を持ってというよりは、関係した軍部の上層部が内情を知っていてそう言うなら、という程度だった」と話す。

■ 日本復帰でも影響を受けた

 沖縄が日本復帰した1972年。日本の法律が適用されるため、慰霊の日を含む沖縄独自の休日が法的には休日から除外されることになった。

 しかし条例により県職員は継続して慰霊の日を休みとして認められ、市町村などもそれにならった。さらに1974年には県が「『慰霊の日』を定める条例」を公布し、「6.23」は県民の休日として広く浸透していくことになった。

 1972年の慰霊の日を巡る動きは、当時の新聞などを見てもとりたてて大きな話題にはなっていない。当時、県の職員だった大城貴代子さん(78)は「アメリカと日本では制度が違う。日本に復帰することで身分や賃金の保証はどうなるのかや、物価の変動の方が関心が高かったのかもしれない」と回想する。

 山口県出身の大城さんは青年団の交流で沖縄出身の夫と知り合い、結婚を機に沖縄へ移住した。最初に「慰霊の日」を知ったのは、沖縄に渡ってすぐのころ。夫や青年団のメンバーと戦後初の慰霊塔でもある「魂魄の塔」の慰霊祭に参加したときだ。

 沖縄戦で多くの犠牲者が出たことは知っていたが、土地の人たちの悲しみを肌で感じた。

「家族や友人といった身近な人がどこで亡くなったか分からないから毎年来ているという人もいた。沖縄戦を忘れないために休日にして、皆が喪に服すというのはすごいことだと思いましたよ」

■ 平成は「休日廃止」で大論争

 時代は進み、1988年。慰霊の日を休みにするのはやめようという動きが出た。

「日本人は働き過ぎ」と国際的批判を浴びていた日本は、この年、週休2日制の推進のため国の機関に土曜閉庁を導入した。同時に、地方自治法を改正。自治体の休日も国の機関に合わせることを義務付けたため、地方独自の休日が認められないことになった。それは「慰霊の日」が休日でなくなることを意味し、大きな関心をよんだ。

 平成元年の1989年6月、県議会へ「慰霊の日」の休日廃止を盛り込んだ条例案が提出されると、反発のうねりはみるみる大きくなっていく。

「法定休日がなくなれば一家そろって慰霊祭や平和行進に参加できなくなる」

「地方の独自性を否定し、地方の文化や生活を踏みにじるものだ」

 当時の紙面にも強い批判の言葉が並ぶ。

 県職員労働組合、遺族連合会、県教職員組合といった各団体、学者や法曹関係者などが次々と抗議の声を上げ、知念高校では休日の賛否を問うアンケートが行われるなどまさに全県的な運動に波及していった。

 時の西銘順治知事はこうした反発に対して、かたくなに廃止を主張した。議員たちは県民感情に配慮し、与野党を超えて「休日存続」で足並みをそろえた。結局、議決されないまま持ち越され続け、1990年には県議会史上初めて、県知事提案に対して「廃案」とする事態に。西銘知事は「撤回する気はない」と対抗、議論は平行線をたどった。

 局面ががらっと変わったのは、1990年6月23日。内閣総理大臣・海部俊樹氏が歴代首相として初めて県主催の「沖縄全戦没者追悼式」に参列した。

 その場の会見で首相は「従来通り県職員の休日として存続できるよう検討する」と明言。予期せぬタイミングで国側が特別措置≠フ道を示したことで、西銘知事も一気に「休日存続」へ方向転換、間もなく自治大臣への要請に赴いた。

 大田昌秀知事に代わった1991年、国会で「特別な歴史的、社会的意義を有し、住民がこぞって記念することが定着している日」であれば休日にできるとした地方自治法の改正が可決された。県も条例を改正し、それまで通り慰霊の日は県職員の休日となり、市町村や学校現場も続いた。

 当時の琉球新報はこの流れを「県民世論の逆転サヨナラ勝ち」と表現した。

 県庁の各職場でも、組合が労働者へ共闘を呼び掛けるオルグ活動が盛んに行われていたといい、大城さんは「存続が決まったときは特別にお祝いしたような記憶はないけれど、『よかったね』『頑張ったかいがあったね』と喜んだのは覚えている」と懐かしむ。

■ 戦後73年の「慰霊の日」

「慰霊の日」の根拠となった牛島司令官と長参謀長が自決した日については、今でも議論されている。
 1986年に見つかった米軍の資料では、複数の捕虜の証言により自決は6月22日午前3時40分だと明記されている。2人の遺体を確認し、糸満市摩文仁に建てられた墓標を書いたという人も22日だと断言している。

 そもそも軍人が自決した日を沖縄戦が終結した≠ニすることに疑問を投げ掛ける人も多い。牛島司令官は自決前に各部隊へ「最後まで敢闘せよ」との言葉を残して徹底抗戦を指示。このため、彼らの自決後も軍人や住民に多くの犠牲者が出ることになったからだ。

 日本軍と連合国側双方の代表が沖縄で降伏文書にサインした9月7日を慰霊の日とすべきだと主張する人もいる。

 1989年に公休日廃止の議論が沸いたとき、教育現場では「慰霊の日で休校になっても遊んでいては意味がない。単なる普通の休みととらえている子が多いのではないか」「平和教育は慰霊の日だけの問題ではなく日常生活の中で常に語り合わなければならない」といった懸念の声があった。

 これは30年たった今も変わらない課題だ。

 慰霊の日の制定に立ち会った古堅さんは、14〜19歳の少年が集められた「鉄血勤皇隊」として沖縄戦に動員された後、捕虜になってハワイへ送られた経験を持つ。毎年、慰霊の日には摩文仁にある沖縄師範学校の慰霊塔「沖縄師範健児之塔」での慰霊祭へ足を運び、犠牲になった旧友たちを思う。

「一緒に立っておって吹っ飛ぶも者もいればけがをしないで済む者もいる。そういう中で偶然生き残った者として、どんな生き方をするのか死ぬまで問われ続ける問題です。二度と戦世を引き起こしてはならんという立場に立たされている者がね、慰霊やそれに関わるような問題についていささかもないがしろすることは許されないですよ」

 戦後73年。
 また一つ、平成という時代が終わる。
 薄れゆく戦争の記憶をつなぐ「慰霊の日」はこの先も特別な日であってほしいと願う。

琉球新報、2018年6月23日 05:00
慰霊の日ってどんな日?
沖縄県民なら誰もが知っているメモリアルデーには紆余曲折の歴史があった

(デジタル編集担当 大城周子)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-744196.html

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Kiroro、玉城千春さん

未来へ - Kiroro(キロロ)
https://www.youtube.com/watch?v=f6Eyu2V4iDs

ほら 足元を見てごらん
これがあなたの歩む道
ほら 前を見てごらん

あれがあなたの未来
母がくれた
たくさんの優しさ
愛を抱いて
歩めと繰り返した
あの時は まだ

幼くて 意味など知らない
そんな私の手を握り
一緒に歩んできた
夢はいつも
空高くあるから

届かなくて 怖いね
だけど追い続けるの

自分のストーリー だからこそ諦めたくない
不安になると
手を握り 一緒に歩んできた

その優しさを 時には嫌がり
離れた母へ素直になれず

ほら 足元を見てごらん
これがあなたの歩む道
ほら 前を見てごらん
あれがあなたの未来
その優しさを 時には嫌がり
離れた母へ素直になれず

ほら 足元を見てごらん
これがあなたの歩む道
ほら 前を見てごらん
あれがあなたの未来

ほら 足元を見てごらん
これがあなたの歩む道
ほら 前を見てごらん
あれがあなたの未来
未来へ向かって
ゆっくりと歩いて行こう


2019年6月23日に開館30年を迎える沖縄県糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」で来館者の感想文を収めた文集が毎年1回発刊され、ことしで30冊を数える。
日本国内だけでなく、海外の来館者も含め、掲載された感想は8889編に上る。
その中には県出身デュオ Kiroro のボーカル、玉城千春さん(42)の感想文も収められていた。

ひめゆり平和祈念資料館の感想8889編に

 当時18歳で、読谷高校の3年生だった玉城さんは、
〈自分逹がもし、あの頃に生まれていたら…〉
などと元学徒たちの戦争体験に同世代の自分の姿を重ね、
〈きょうのこの涙を刻んで二度と戦争はおこさないようにします〉
と平和への誓いをつづっている。

 玉城さんは取材の中で、元ひめゆり学徒を含むすべての沖縄戦体験者に対し、
「皆さんが今生きている。語り継いでる。それが平和の象徴」とメッセージを寄せ、
「私も親として、しっかり語り継いでいきたい。戦争で失ったたくさんの命のためにも」
と改めて誓った。

 感想文は、初めて資料館を訪問した1995年夏ごろのもの。
 同じ10代だった元学徒の証言に触れた感想を、
〈これほどまでに、ひさんな物とは知らずにいました。ここへきてみて自分がタイムスリップした気分で、すごくこわい〉
と率直な思いを記し、
〈いろんな国の人とたくさん交流して戦争のおそろしさ、平和の大切さを理解し合えたら〉
と続けた。

 玉城さんは、
「時間が無い中で慌てて書いたのを覚えている。なんて子どもっぽい文章だろう。小学生から今もそうですが、気持ち先行で変わってないな」
とはにかみ、
「言葉にすればするほど悲しくなった。だから、これからどうするか。あの頃私は最後に書いたんだと思う」
と振り返った。

 音楽活動の中で命の大切さや平和への思いなどを歌に込めてきた玉城さん。
 取材を機に、改めてひめゆりの塔へ献花し、資料館を訪れこう感じたという。

「これがそう、と言える事はありませんが、(歌に)つながっていると思います」

沖縄は祈りに包まれる日

 23日は「慰霊の日」。
 多数の住民を巻き込み、苛烈な地上戦となった沖縄戦の組織的戦闘が終わり、74年を迎えた。
 県内各地で20万人超の犠牲者を悼む催しが営まれ、恒久平和を誓う。


沖縄タイムス、2019年6月23日 06:00
きょう沖縄「慰霊の日」
Kiroro玉城千春さん、高3の夏に誓った思い

(社会部・新垣玲央)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/436309

高校3年生の時に初めて訪れた糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」で、反戦平和への誓いを感想文につづった Kiroro のボーカル玉城千春さん(42)に、当時の心境などを聞いた。

― いま、当時の感想文を読んで。

玉城千春さん: 元学徒の言葉は沖縄戦を必死に生き延びた生の声。
 その言葉たちをそこで知り、とても胸が苦しく、絶対に戦争をしてはいけないと、この感想文で自分に誓いを立てたのだと思う
 小さな誓い、想(おも)いですが、沖縄、日本、世界の方々と戦争ではなく、平和な交流を広げるために何かできたらと、考える種をもらったんだろうな。
 それが歌。
 歌はどこでも歌える。
 言葉も越える。
 自由。
 あの頃の私からメッセージが届いたんだ、と思いました。

ー 資料館で感じたこと。生き方や考え方に影響は。

玉城: 夢を描いて入った、楽しいはずの学校。
 どんな未来になるだろうと、心弾ませる女学生たちの仲間、すべてを悲劇へと向かわせたのは、戦争。
 自分たちではどうする事もできない。
 いろんな恐怖や憎しみ、悲しみを味わってしまった。
 生き残ることさえも、生き残ってしまったと生きていることが後ろめたいと、そんな風に思わせてはいけない。
 生き残ってくれたからこそ語り継いでほしい。
 戦争は本当にすべてを奪うもの、戦争を起こしてはいけないと。
 平和を願うことがどれだけ儚(はかな)い日があったかと。

 言葉にすればするほど悲しくなった。
(資料館内に並んでいる)写真の彼女たちが、
『今、そこは幸せ?』
『今、あなたは幸せ?』『今、そこは平和?』
『今、学校楽しい?』
って、いろいろ聞いている気がしました。

 今もそうですが、戦争のモノクロ写真を見ると聞こえてくる。
 それを歌詞にしてるし、後悔のないように生きていこうと思うので、きっと生き方、考え方に影響しているんだろうな。

― ひめゆり資料館とは。

玉城: 戦争を体験していない私たちにとって、戦争を自分の体験のように感じ、考えることができる場所。
 今の生活、不自由なく暮らせることが、あの頃は当たり前ではない、絶対に戦争はいけないと、平和の願いを誓うことができた場所。

 亡くなった方々の命の重さ、生き残って証言を残す方々の想いを多くの人に知ってほしい!


沖縄タイムス、2019年6月23日 08:00
「今、そこは幸せ?」ひめゆりの彼女たちが聞いている気がした
Kiroro玉城千春さん

(聞き手=社会部・新垣玲央)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/436320

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2019年06月23日

本当の幸せ

本当の幸せ
糸満市立兼城小学校6年 山内玲奈

青くきれいな海
この海は
どんな景色を見たのだろうか
爆弾が何発も打ち込まれ
ほのおで包まれた町
そんな沖縄を見たのではないだろうか

緑あふれる大地
この大地は
どんな声を聞いたのだろうか
けたたましい爆音
泣き叫ぶ幼子
兵士の声や銃声が入り乱れた戦場
そんな沖縄を聞いたのだろうか

青く澄みわたる空
この空は
どんなことを思ったのだろうか
緑が消え町が消え希望の光を失った島
体が震え心も震えた
いくつもの尊い命が奪われたことを知り
そんな沖縄に涙したのだろうか

平成時代
私はこの世に生まれた
青くきれいな海
緑あふれる大地
青く澄みわたる空しか知らない私
海や大地や空が七十四年前
何を見て
何を聞き
何を思ったのか
知らない世代が増えている
体験したことはなくとも
戦争の悲さんさを
決して繰り返してはいけないことを
伝え継いでいくことは
今に生きる私たちの使命だ
二度と悲しい涙を流さないために
この島がこの国がこの世界が
幸せであるように

お金持ちになることや
有名になることが
幸せではない
家族と友達と笑い合える毎日こそが
本当の幸せだ
未来に夢を持つことこそが
最高の幸せだ

「命どぅ宝」
生きているから笑い合える
生きているから未来がある

令和時代
明日への希望を願う新しい時代が始まった
この幸せをいつまでも


[動画]

琉球新報、2019年6月23日 13:30
沖縄全戦没者追悼式・平和の詩「本当の幸せ」
(全文)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-941638.html

令和元年6月23日

沖縄県知事 玉城デニー

 戦火の嵐吹きすさび、灰燼に帰した「わした島ウチナー」。県民は、想像を絶する極限状況の中で、戦争の不条理と残酷さを身をもって体験しました。

 あれから、74年。忌まわしい記憶に心を閉ざした戦争体験者の重い口から、後世に伝えようと語り継がれる証言などに触れるたび、人間が人間でなくなる戦争は、二度と起こしてはならないと、決意を新たにするのです。

 戦後の廃墟と混乱を乗り越え、人権と自治を取り戻すべく米軍占領下を生き抜いた私達ウチナーンチュ。その涙と汗で得たものが、社会を支え希望の世紀を拓くたくましい営みをつないできました。

 現在、沖縄は、県民ならびに多くの関係者の御尽力により、一歩一歩着実に発展を遂げつつあります。

 しかし、沖縄県には、戦後74年が経過してもなお、日本の国土面積の約0.6パーセントに、約70.3パーセントの米軍専用施設が集中しています。広大な米軍基地は、今や沖縄の発展可能性をフリーズさせていると言わざるを得ません。

 復帰から47年の間、県民は、絶え間なく続いている米軍基地に起因する事件・事故、騒音等の環境問題など過重な基地負担による生命の不安を強いられています。今年4月には、在沖米海兵隊所属の米海軍兵による悲しく痛ましい事件が発生しました。

 県民の願いである米軍基地の整理縮小を図るとともに県民生活に大きな影響を及ぼしている日米地位協定の見直しは、日米両政府が責任を持って対処すべき重要な課題です。

 国民の皆様には、米軍基地の問題は、沖縄だけの問題ではなく、我が国の外交や安全保障、人権、環境保護など日本国民全体が自ら当事者であるとの認識を持っていただきたいと願っています。

 我が県においては、日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小が問われた1996年の県民投票から23年を経過して、今年2月、辺野古埋立ての賛否を問う県民投票が実施されました。

 その結果、圧倒的多数の県民が辺野古埋立てに反対していることが、明確に示されました。

 それにもかかわらず、県民投票の結果を無視して工事を強行する政府の対応は、民主主義の正当な手続きを経て導き出された民意を尊重せず、なおかつ地方自治をも蔑ろにするものであります。

 政府におかれては、沖縄県民の大多数の民意に寄り添い、辺野古が唯一との固定観念にとらわれず、沖縄県との対話による解決を強く要望いたします。

 私たちは、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去と、辺野古移設断念を強く求め、県民の皆様、県外、国外の皆様と民主主義の尊厳を大切にする思いを共有し、対話によってこの問題を解決してまいります。

 時代が「平成」から「令和」へと移り変わる中、世界に目を向けると、依然として、民族や宗教の対立などから、地域紛争やテロの脅威にさらされている国や地域があります。

 貧困、難民、飢餓、地球規模の環境問題など、生命と人間の基本的人権を脅かす多くの課題が存在しています。

 他方、朝鮮半島を巡っては、南北の首脳会談や米朝首脳会談による問題解決へのプロセスなど、対話による平和構築の動きもみられます。

 真の恒久平和を実現するためには、世界の人々が更に相互理解に努め、一層協力・調和していかなければなりません。

 沖縄は、かつてアジアの国々との友好的な交流や交易を謳う「万国津梁」の精神に基づき、洗練された文化を築いた琉球王国時代の歴史を有しています。

 平和を愛する「守禮の邦」として、独特の文化とアイデンティティーを連綿と育んできました。

 私たちは、先人達から脈々と受け継いだ、人を大切にする琉球文化を礎に、平和を希求する沖縄のチムグクルを世界に発信するとともに、平和の大切さを正しく次世代に伝えていくことで、一層、国際社会とともに恒久平和の実現に貢献する役割を果たしてまいります。

 本日、慰霊の日に当たり、国籍や人種の別なく、犠牲になられた全ての御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、全ての人の尊厳を守り誰一人取り残すことのない多様性と寛容性にあふれる平和な社会を実現するため、全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します。

 御先祖から譲り受けてぃ、太平(平和)世願い愛さしっちゃる肝心、肝清さる沖縄人ぬ精神や子孫んかい受き取らさねーないびらん。

 幾世までぃん悲惨さる戦争ぬねーらん、心安しく暮らさりーる世界んでぃし、皆さーに構築いかんとーないびらん。

 わした沖縄御万人と共に努み尽くち行ちゅる思いやいびーん。

We must pass down Okinawa's warm heart we call "Chimugukuru" and its spirit of peace,inherited from our ancestors,to our children and grandchildren.

We will endeavor to forge a world of everlasting peace.

I am determined to work together with the people of Okinawa.


琉球新報、2019年6月23日 12:40
玉城デニー知事の平和宣言(2019年慰霊の日)
(全文)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-941524.html

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花あれバこそ 吾も在り

 牧野は幼い頃から自然界を好み、数多くの草木に触れて来た。

 そして心楽しく日々を送り、人間社会から受けるストレスを癒すために、植物を長年の「心友」として、「師匠」として、「恋人」として、それらの存在する自然界に親しむことで、牧野は心豊かな人生を送ろうとしたのである。

 牧野を象徴した代表的な歌は、次の二つで最も有名である。

 また、牧野自身もお気に入りの歌で、自宅の床の間にも、都々逸「草を褥(しとね)に木の根を枕 花と恋して五十年」と、和歌「朝夕に草木を吾れの友とせハ こゝろ淋しき折ふしもなし」との二幅を掛け、それを背に仕事に励んでいた。
 牧野を研究する者であれば、一度は耳にした事のある歌であろう。
 また、現存する牧野揮毫の品の中でも極めて数多く、色紙や書幅として現代に残こっている。

草を褥に木の根を枕 花を恋して五十年


朝夕に草木を吾れの友とせばこころ淋しき折ふしもなし


 1927(昭和2)年11月、札幌からの帰途、仙台で見つけた新種の笹に、「スエコザサ」と命名した。
 牧野邸はそれが繁茂し藪となっていた。
 牧野がしばらく眺めていると、苦労を掛けた妻の事が忍ばれた。
 妻壽衛が亡くなったのは牧野が理学博士の学位を受けた翌年、1928(昭和3)年2月23日のことであった。
 時に牧野富太郎67歳、妻壽衛病没享年55歳。
 2年前にやっとの思いで家を建てたばかりであった。

 13人の子供を抱え、長い困窮を極めた生活の中にあって、生涯牧野の研究に自らの欲望を抑えつつ、支え続けてくれた妻へ深謝し、次の歌を記念歌として詠んだのである。

家守りし妻の恵みやわが学び 世の中のあらん限りやスエコ笹


 心残りの牧野富太郎は妻壽衛の死後、中々その死を受け止めることが出来なかった。

「壽衛、お前は亡くなったが、この世がある限り、お前に 代って、このスエコザサは繁茂するから、ゆっくり休んでくれよ」と、嘆いたのであろう。
 生活苦を乗り越え献身的に支え続けてくれた妻に対して、これまで植物学の研究を継続できた喜びと感謝の気持ち、そして、「これからは、それがもう出来なくなるのだなー」と嘆く気持ちが離れて仕舞うからである。
 東京谷中霊園内の天王寺墓地にある牧野富太郎の墓碑の脇に並んで建つ壽衛の碑に先の句が刻まれている。

 牧野の歌の中に、人生の浮き沈みの瀬を詠み込んだ、「沈む木の葉も流れの具合浮かぶその瀬もないじゃない」がある。
 苦労や困窮する毎日の「沈む瀬」に対して、
1937(昭和12)年1月に朝日文化賞を受賞した時、
戦後の1946(昭和21)〜1948(昭和3)年の仕事が充実した安泰期や
皇居に参内して昭和天皇への植物の御進講、
そして、1950(昭和25)年10月の日本学士院会員に推選された時
そんな時には「浮かぶ瀬」として、同じように詠じている。

 この歌は誰しもが持つ人生訓のようで、牧野の歌の中でも非常に惹かれる歌の一つである。

沈むその葉も 流れのぐはひ 浮む其瀬乃 奈いじやない


 牧野富太郎は、僕の植物名は、「鵜の目鷹の目草(ウノメタカノメソウ)」だと云う。
 その命名は東京植物同好会の人々が付けた名であった。
 それは、何しろ牧野が植物を採集する時は、普段の優しい眼が異様に輝き、目の色を変えて探す。
 その仕草が鵜の目鷹の目になると云う故事に因んだものであった。
 牧野等は次の「植物採集行進歌」を作っている。
 全五首の内、元歌三首は常谷幸雄が、その修正を本田正次が行い、末二首を牧野富太郎が作った。

根掘り片手に胴籃さげて、今日は楽しい採集よ、採つた千草の優しい花も、やがて知識の實を結ぶ

國の為なら草木も採れよ、君は一本 僕二本、積り積つて腊葉の山が、末は御國を輝やかす

異國に誇る草木の數よ、すべて知らねば國の恥、心一つに力を合はせ、調べ上げましょ我がフロラ

多き草木を原料に使ひ、産業工業盛んに起こし、民の暮しを一層善くし、國の富をも殖しましょ

草木可愛の心をひろめ、愛し合ひましょ吾等同士、思ひ遣りさへ この世にあらば、世界や平和で萬々歳


 山野にある植物の中には、食用植物、薬用植物、染料植物もある。

 道端にある雑草についてもこれらの知識を持てば、親しみも深まり、一生涯を豊に出来ると「植物の精」牧野富太郎は云う。

結網は何んな草でも直ぐ判かり

頭腦の中 仕入れの草木數知れず 幾ら賣つても品切れはせず


 牧野富太郎は、普段は老や翁と呼ばれることは勿論、自ら揮毫の際そのような字を用いる事をすごく嫌っていた。

 ただ、牧野は生涯ハゲイトウの様で在りたいと望み、敢えて「老少年」と書に雅号と共に書き添える事があった。
「老少年」とは、ハゲイトウの葉は初めのうちはあまり綺麗でないが、晩秋になると上部が一番綺麗になる。
 学名をアマランサスといい、「萎れない」や「色あせない」の意味を持つ。
 その事から中国人即ち、『大和本草』では、ハゲイトウを「老少年」と名付けたと牧野は云う。

 つまり、いつまでも赤々と燃える葉は、枯れぬ不老不死を意味し、その粘り強さと自らの晩年とを重ね合わせていたのである。

 牧野富太郎の生涯は、「草を褥に木の根を枕 花を恋して九十年」と、植物に明け植物に暮れた生涯で、いつまでも老いぬ童顔童心の「老少年」であった。

 晩年は次の歌が口癖であったと云う。

憂鬱は花を忘れし 病気なり

学問は底の知れざる技芸也

綿密に見れば見るほど新事実


 牧野富太郎の人生を顧みると、号を「結網」として、20歳の時、抱懐して書いた「赭鞭一撻」の精神をその後忠実に実行する事で確たる方向性を導き出した。

 そして自分自身を「植物の愛人」として生まれ、あるいは「植物の精」と呼び、日蓮のような偉人ならば、草木を本尊とする宗教を建てることが出来たと憚らなかったのであった。

草を褥に木之根を枕 花と恋して九十年


 99歳の長寿を全うした師匠でもある本草学の泰斗、伊藤圭介翁を意識していた。

 学者は死ぬまで日夜孜々として学問を研鑽する義務があると、最後まで頑張っていたが、どうやら、百歳までの道のりが段々険しくなって来た事を自ら覚っていたようだ。

花あれバこそ 吾も在り

百歳に路尚ほ遠し 雲霞


牧野富太郎研究所公式サイト
「植物の精」が好んだ自作の歌
http://makino-tomitaro-kenkyujyo.com/link/mt/mt_2.html

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2019年06月22日

金子勝「セーフティネット」

 長い間、慶應義塾大学経済学部にお世話になりました。この2018年3月末をもって、義塾を退職することになりました。

 もともと財政学、地方財政論を出発点にして、制度論的なアプローチから仕事をしてきました。
 初期はイギリス財政史の仕事が中心でしたが、その後、日本でさまざま大きな出来事が起こるようになりました。

 1990年代以降、バブルの崩壊に対して本格的な不良債権処理を怠ったため、1997年11月に北海道拓殖銀行や山一證券が経営破綻する中、金融危機が進行するに至りました。
 私が慶應義塾大学に赴任したのは、そうした頃でした。
 少子高齢化と労働市場の規制緩和に伴う格差の拡大によって、社会保障制度の動揺がひどくなってきました。
「グローバルスタンダード」という奇妙な議論が持ちこまれました。
 こういう中で「セーフティネット」論の知的革新や「反グローバリズム」論を展開することになりました。

 その後、「失われた20年」と言われるように、日本経済は「長期停滞」に陥りました。
 私は、その原因究明を行う中で、2003年5月にイラク戦争が起き、石油価格が高騰し、2008年9月15日に住宅バブルがはじけリーマン・ショックが発生します。
 その発生前から、バブル崩壊に警鐘を鳴らすことに努めましたが、残念ながら状況は改善しませんでした。
 そして、2011年3月11日に東日本大震災が起き、福島第一原発事故が発生します。
 ところが、事故責任も原因究明も十分に行われないまま、原発再稼働に向かっていきます。
 技術革新も産業の国際競争力も衰えていき、「長期停滞」は「長期衰退」へと変わっていきます。
 そこで、エネルギー転換と産業構造の転換について考察を進めていきました。
「脱原発成長論」です。

 本来やってきたイギリス財政史の仕事は疎かになってしまう一方で、たまたま激動期に遭遇したためでしたが、いま日本が抱える問題に正面から取り組めたことは自分の研究の幅を広げてくれたと思っております。

 ただ物事の進むスピードがあまりに速く、しばしば厳密な意味で学術的ではない論考を書いたり、具体的な政策論を展開したりすることになりました。
 それでも、同僚たちは目をつむって許してくださりました。
 いまは、私のわがままを許容してくださった慶應義塾大学の懐の深いリベラリズムの伝統に心から感謝するばかりです。

 それから、長い間に、多くの優秀な学生・院生に出会うことができました。
 彼らの活発な議論に教えられることが数多くありました。
 私の人生にとって、それは、かけがえのない貴重な財産になっております。
 改めて深く感謝しております。
 ありがとうございました。

プロフィール

 1952年東京都生まれ。
 1980年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(単位取得退学)。
 東京大学社会科学研究所助手、茨城大学人文学部助教授、法政大学経済学部助教授、同教授を経て、現在に至る。
 著作は
・『市場と制度の政治経済学』(東京大学出版会、1997年)、
・『現代資本主義とセーフティネット』(編著、法政大学出版会、1996年)、
・『反経済学』(新書館、1999年)、
・『市場』(岩波書店、1999年)、
・『セーフティネットの政治経済学』(ちくま新書、1999年)、
・『長期停滞』(ちくま新書、2002年)、
・『経済大転換』(ちくま新書、2003年)、
・『閉塞経済 金融資本主義のゆくえ』(ちくま新書、2008年)、
・『逆システム学』(共著:児玉龍彦、岩波新書、2004年)など


慶應義塾大学公式サイト、熟練教員が語る「経済学部の普遍の姿」
教授 金子 勝(2017年度退任)
https://www.econ.keio.ac.jp/about/t_interview/金子-勝

 マルクス経済学出自の論客としては実に久々の大物である金子勝氏の八面六臂の活躍によって、「セーフティーネット」なる用語はすっかり人口に膾炙した。
 しかしながらその内実はいまだ十分に理解されているとは言い難い。
 本書は同時期に出た姉妹編『反グローバリズム』『市場』(ともに岩波書店)とともに、金子氏がこの言葉で一体何を語らんとしているかを教えてくれる。

 金子氏のいうセーフティーネットとは、市場の円滑な作動を支える制度的な枠組み、具体的には労働市場にとっての雇用保険や社会保障、金融市場における預金保険機構や中央銀行制度のことであるが、それだけであれば特に目新しい話ではない。
 昨今の緊縮財政・規制緩和路線においても、そのような意味でのセーフティーネットの必要性は否定されていない。

 しかしながら緊縮財政・規制緩和路線、あるいは「市場原理主義」にとってセーフティーネットはいわば必要悪である。
 つまり、経済効率の観点からすれば市場の自由なはたらきに全てを任せ、それを制約する制度や政策はない方がよい。
 にもかかわらず実際には、市場原理の徹底が行われえないのは以下のような理由による。

 すなわち、市場における競争は敗者を生む。
 敗者が単なる企業であれば倒産すればすむが、生身の人間であればそうはいかない。
 倒産した企業に雇われていた労働者やその他その企業によって生活を支えられていた生身の人間に、企業とともに競争の敗者として市場からの撤退を求めることはできない。
 現代社会においてそれは「死ね」と言うに等しいからだ。
 経済的に効率の悪い個人に対しても生存権が確立している現代社会の市場経済は、その生存権によってたがをはめられている、と。

 このように捉えられた「セーフティーネット」とは、市場からの脱落者を救うものであり、そこで問題とされているのは市場自体のセーフティーではない。
 セーフティーネットがなくては困るのは市場から脱落しかねない経済的弱者、であって、経済的強者や市場という仕組みそのものはセーフティーネットがなくても困らない、というよりセーフティーネットはかえって負担、足かせになる。
 更にこのような観点からすればセーフティーネットは、それにつけ込む不正、救済機能をだまし取るモラルハザードの温床でもある。


 だが金子氏によれば「セーフティーネット」とはそのようなものではない。
 社会保障制度にせよ金融政策にせよ、「市場原理主義」が考えるように市場の効率性を犠牲にして市場からの脱落者をすくい上げるのではなく、まさに市場からの脱落者を救うことによって市場の効率的なはたらきを保障する、市場そのものを支えるネットなのである。

 たとえば「市場原理主義」にとってセーフティーネットは、競争圧力を緩和することによって企業の技術革新、新事業へのチャレンジへの意欲を削ぐものであるのに対して、金子氏によれば、まさにセーフティーネットの存在によって多少の失敗でも許容されるがゆえに、企業は大胆な革新への試みに乗り出すことができるのだ。

 このような金子氏の主張は傾聴に値するし、その観点からする政策提言もまた迫力に富むが、弱点もある。
 ことに「市場原理主義」との対決において理論的な急所はセーフティーネットとモラルハザードの関係をどう捉えるか、であるが、氏の議論は「市場原理主義」の、あるいは主流派経済学のモラルハザード論を十分には批判し得ていない。
 どのような前提をおけば主流派のセーフティーネット論が妥当なものとなるのか、それに対して金子氏の意味でのセーフティーネット論が妥当するのはいかなる想定の下でか、そして現実の経済においてはどちらの想定がよりリアルなのか、が十分には明らかではない。

 曲がりなりにもシンプルでわかりやすい「市場原理主義」の理論に対して、実は金子氏は積極的な代替理論を提示していない。
 肝心の所で氏が提示する説明は「サーカスの綱渡り」とか「臓器移植」といった直観的には分かりやすいが理論モデルとは到底言えない比喩の域にとどまっている。

 これに対して例えば小野善康(1951年生まれ、大阪大学特任教授(常勤)名誉教授)氏は、金子氏の言う「市場原理主義」、主流派経済学を「供給側の経済学」と名付け、それに対して独自のケインズ解釈に基づく「需要側の経済学」の立場から、どのような場合に「市場原理主義」の市場観が適切で、どのような場合に不適切か、を丁寧に腑分けしている(『景気と経済政策』岩波新書、ほか)。
 金子氏に欠けているのは小野氏が行っているような明快な理論的腑分けである。
 私見では小野氏の議論は容易に金子氏の意味でのセーフティーネット論へ読み替えが可能であり、いかなる場合にケインズ政策は市場の規律を歪ませるモラルハザードを生み、いかなる場合に積極的な挑戦をかき立てる金子氏の意味でのセーフティーネットとなるのか、を明らかにしてくれるものである。
 金子セーフティーネット論は、例えばこのような議論に学び、明晰判明な理論的基礎をもったものに鍛え直される必要があるだろう。


金子勝『セーフティーネットの政治経済学』(ちくま新書)
[評者]稲葉振一郎(1963年生まれ、明治学院大学社会学部教授)
『論座』(朝日新聞社)2000年1月号
http://www.meijigakuin.ac.jp/~inaba/kaneko.htm

規制改革推進会議は第5次答申を2019年6月6日に安倍首相に提出、政府はこれを受けて規制改革実施計画などが6月末にも決める見込みだ。
農協改革について自己改革を促すなどの内容だが、同会議はこの間、林業や水産業などにも企業参入などを基本として改革を提言するなど現場に影響の大きい改革を進めていこうとしてきた。
こうした政策の本質と農業、農村がどう新しい時代に向かうべきか、金子勝立教大学特任教授に聞いた。

◆ 大規模化は衰退への道

ー 規制改革推進会議などの政府諮問機関の答申を受けて「骨太の方針」など、6月末は政府が当面の政策を決定する時期です。この間の農業、農協改革もこうした諮問機関の意見が大きく影響しています。問題はどこにありますか。

金子: 規制改革推進会議をはじめとした官邸主導の政策決定に一貫しているのは、規制緩和をして市場機能を強め、大規模化して生産性を上げればすべてうまくいく、というドグマです。
 農業分野でいえば、TPP11と日欧EPAの発効で牛肉、豚肉、チーズなどの輸入が大量に増えてきていますが、政府は、対策はすでに決定しているという。それはみな大規模化のための補助です。
 しかし、こういう考え方は的外れであることは数字的にも明らかです。
 農地面積は減り、耕作放棄地も増えていますが、一戸あたりの規模は拡大し、平成22年の2.19haが30年には2.98haになっています(農業経営体、全国平均)。
 酪農、畜産も飼育農家数は減っていて飼養頭数も減っていますが、1農家あたりの頭数は増えている。

 これはどういうことかといえば、どんどん弱小業者を淘汰して1戸あたりは規模拡大していても産業としての農業自体は衰えているということです。
 しかし、規制改革推進会議の発想は基本的に水産業も林業も大手が参入すればうまくいくという、大規模化信仰、生産性向上信仰なんです。
 そこには持続可能なかたちで農業を維持していくという発想がない。
 結果として規模は拡大しているけれども、産業としては衰退している。
 そこにどういう間違いがあるのかということを現実に即して見なければいけないのに、現実と無縁な一部の専門家と称する人たちが真ん中に座ってドグマを振り回していることが失敗を招いている。
 規模拡大のための補助金を受けた経営だけが生き残っていくとしても、海外とはくらべものになりませんから、そうなると、結局、日本農業は生き残れなくなってしまう。
 小規模な農家がどんどん淘汰されて大規模農家だけになり最後はそれもやっていけなくなる。
 今の政策で本当に日本農業を守れるのかということです。

◆ 戦略なき新自由主義

−「新自由主義」の問題ということでしょうか。

金子: 価格を通じた市場メカニズムが一定の調整機能を持つのは確かです。
 しかし、新自由主義は個人間や地域間の格差を拡大するという問題だけでなく、この間違ったテーゼのもっとも問題なのは、産業戦略の失敗について責任を負わないということです。
 規制緩和をして市場に任せればいい、それでダメになったら自己責任だ。
 こういうロジックです。
 みな市場の責任であり政府の責任ではない。
 これは「不作為の無責任」です。


 要するに日本には産業戦略がない。
 市場メカニズムに任せれば新しい産業が生まれるという根拠のない言説がふりまかれました。
 日本の進んだ技術、などと今もテレビでいいますが、進んだ技術などほとんどなくなってしまった。
 スーパーコンピュータ、半導体、液晶、スマホ、カーナビなどなど、今やリチウム電池でさえ主導的地位を失いかけている。
 エネルギーも情報通信(IT)、バイオ医薬など先端産業をみな放棄して残っているのは自動車だけになって、それが日米FTA交渉で狙われている。


 結局、バブル崩壊後の銀行の不良債権問題で企業トップや官庁の責任を問えず、経営者がほとんど責任を取らないで逃げ切る中で、本当に必要な産業構造の転換に向かっていかなかった1990年代初めの頃から問題です。
 そして福島原発事故が起きても企業と行政の責任を問えなかった。
 結果、エネルギー転換でも遅れをとった。
 市場に任せればいいという新自由主義ではうまくいかない。
 そして、景気が悪くなると財政出動と金融緩和を繰り返す。
 本質的に病んでいるところに手を突っ込まないのです。
 
◆ 有効求人倍率と地方衰退

― しかし、たとえば、有効求人倍率が全都道府県で1倍を超えたなど、政権はアベノミクスの成果を強調します。

金子: 都合のいい数字の取り上げ方です。
 人口が増え成長していた時代には求職者が大幅に減ることはなく、景気がよくなれば求人数が増えるから、有効求人倍率は景気がいいという指標でした。
 しかし、現在は、とくに地方では人口減少が進み、求職者もどんどん減っています。
 そして団塊の世代のリタイアでポストは空く。
 つまり、分母(求職者)が小さくなっている中で、求人数が同じであれば有効求人倍率は上がるに決まっているわけです。
 だから、有効求人倍率は景気の指標という面だけではなく、人口減少が厳しい地域衰退の指標にもなってしまったということです。

― 農業、農村を含め日本社会にはどういう発想が求められますか。

金子: 農業でいえば競争の仕方は規模拡大だけではなくて、兼業の機会を増やしたり6次産業化のような垂直統合を進めることで農家の生活を成り立たせるというのが本来のやるべき改革で、それが農業の産業戦略ではないですか。
 地方の工場がどんどん空洞化していくとしたら、エネルギー転換してドイツやデンマークのように小規模なエネルギーを農家がどんどん作っていって、それで副収入を得る。
 それと自分の農業を合体させれば十分にやっていけるといった新しい経営モデルを現実に即して作るべきだと思います。

 ドイツはエネルギー転換をめざしシーメンスのように小さいエネルギーをAIでコントロールしたり、無人工場などファクトリーオートメーションを進化させたり、新しい交通システムを開発したりして生き残っています。
 北欧諸国はスエーデンのエリクソン、フィンランドのノキアとか、5Gの問題でいえば今やファーウエイと対抗できるのはこの2つです。
 これらはみんな国家戦略的にイノベーション投資をしています。
 
◆ 小規模分散型社会へ

 新しい経営モデルづくりはコンピュータ技術の発展によって地域分散ネットワーク型社会に変わってきていることに着目すべきです。
 今までのような重化学工業の集中メインフレーム型、規模、ロットを大きくして単価を下げるという方式はもう限界に達している。
 逆にコンピュータやAIが発達すれば小さな経営でも十分に効率性が上がる。
 JAも直売所をネットワーク化させていけば、お互いに買い合って足りないところを埋めることができるようになります。

 分散型ネットワーク社会では、食と農、福祉、エネルギーといった人間の基本的ニーズに関わることは地域分散型でやっていくということになります。
 地元で売れるものは地元で売り、ロットの大きいものは大都市に出荷するというように。
 エネルギーも外から買って大手の電力会社にお金を払うよりは自分たちで発電して外に所得が漏れないようにして、余った電力を売っていくというようなことが望ましいモデルです。

 環境や安全を大事にしたら小規模零細のほうがずっと優位です。
 ヨーロッパをはじめ世界の流れはそうなっています。
 ただ、どうしてもコスト高になるから、そのコストをどこで吸収していくかといえば必然的に6次産業化せざるを得ないということになる。
 そういう競争の仕方があります。
 環境や安全という価値を貫いていくなかで競争のロジックを働かせていくとドグマとはまったく違う世界が生まれる。
 小規模分散型がむしろ正しい。
 そうすると意思決定にみんなが参加できる。

 新自由主義の本当の問題点と、日本の産業の衰退状況の中で、ドグマが一人歩きしている政策のあり方を根本的に批判して、それに対抗する農家経営モデルを立てて現場に即した対抗策をきちんと突きつけていかないと、状況が変わっていかないと思います。

農業協同組合新聞、2019.06.19
[新自由主義への対抗]
地域分散型へ農村から転換を
環境とエネルギー 小規模が優位性

(金子勝立教大学特任教授)
https://www.jacom.or.jp/nousei/closeup/2019/190619-38295.php

 米FRBが“利下げ”に踏み切る可能性が高まり、一気に“円高”が進んでいる。
 2019年6月20日の円相場は一時、1ドル=107円台半ばと1月上旬以来の円高・ドル安水準となった。

 大企業の想定為替レートは1ドル=108円だけに、この先、輸出企業の業績が急速に悪化する恐れがある。
 しかも、FRBは年内に2回“利下げ”するとみられている。

 さっそく、日銀の黒田総裁は「物価上昇の勢いが失われたら、躊躇なく追加緩和を実施する」と会見で発言している。
 もう一段、金利を下げる可能性があるということだ。

 しかし、すでに日銀は“マイナス金利”を導入している。
 これ以上、金利を下げる余地があるのか。
 しかも、地方銀行が軒並み業績を悪化させるなど、異次元緩和の“副作用”が表面化している。
 地銀の大きな運用先だった10年国債の金利がゼロになってしまったため、運用難に陥っているのだ。
 さらに、超低金利によって、長期と短期の金利差がなくなり、利ザヤを稼げなくなっている。

 はたして、これ以上、金利を下げて日本経済に効果があるのか。

「究極の“金融緩和”は、ゼロ金利です。マイナス金利にしてしまうと、むしろ“金融引き締め”になりかねない。金融緩和とは、マネーの流れを良くして、融資を活発にすることです。ところが、マイナス金利を導入すると、マネーの流れが悪くなり、融資が停滞してしまう。銀行の体力が奪われ、貸し出し余力が小さくなるからです。金融緩和を目指すのなら、金利を上げるべきです」
(経済評論家・斎藤満氏)

 1980年代、アメリカの「貯蓄貸付組合」(S&L)という金融機関が経営危機に陥った時、FRBは長期金利と短期金利の差を拡大することで、危機を乗り切っている。
 ところが、日銀は正反対のことをやっている。
 黒田日銀によって地銀は息の根を止められるのではないか。


日刊ゲンダイ、2019/06/21 14:50
円高加速でマイナス金利拡大も
黒田日銀は地銀を潰すのか

(金子勝)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/256641

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この国の政治のレベルを著しく引き下げているのは誰なのか

蓮舫議員: 豊かな生活のためではなく、足らな、足らざる部分のために、もっと働け、節約しろ、貯めろ。公助から自助に、総理、いつ転換したんですか?  

安倍総理: あのー、先ほど、麻生大臣はですね、えー、老後に月5万円、30年で2000万円の赤字であるかのように表現した点については、国民の皆様に誤解や不安を与える不適切な表現であったと考えているという風に、えー、述べたはずでございまして、えー、先ほども、そのように述べておられたと、こう思います。ま、事実、そのように書いて、えー、そのような誤解を与えたと思います(黄信号)。

 ま、そこで、そこでですね、そこで、え、あのー、100年安心ということについて、申し上げますと、これはですねー、えー、高齢期のね、生活は多様であってですね、それぞれの方が望ましいと考える生活水準や働き方の希望、収入、資産の状況なども様々であります。ま、現在でもですね、えー、国民の老後所得は公的年金を、え、中心としつつですね、しつつ、えー、稼働所得、そして、仕送り、企業年金、個人年金、財産所得などが組み合わさっているのが実態であるとこう、えー、わ、我々は理解をしてます。ま、その上でですね、その上において、年金、年金100年安心が嘘であったというご指摘でございますが、そうではないということを今、申し上げさせておきたいと(赤信号)。

 これ重要な点でありますから、もり、申し上げたいと思いますが、ま、こ、この、国民の、ろう、老後所得の中心となる公的年金制度についてはですね、将来世代の負担を過重にしないために保険料水準を固定した上で長期的な給付と負担の均衡を図るマクロ経済スライドによりですね、一定の給付水準を確保することを前提に、これ持続可能な、えー、制度に改めたものであります。ま、これは平成16年の大改革でありまして、マクロ経済スライドを導入する。つまり、平均余命が長くなればですね、当然、給付が増えていく。一方、同時にですね、えー被保険者の数がどうか。これ減っていけば、当然これは、えー、収入も減っていく。で、そのバランスが大切であって、それがマクロ経済スライドであります。こっからが大切なんですよ。で、そこでですね、アベノミクスの進展によって、えー、もはや、デフレではないという状況を反映し、今年度の年金は0.1%の・・・(赤信号)

※ 1段落目は背景や経緯に過ぎず、黄信号とした。
 ちなみに、これ以降の安倍総理の答弁は全て赤信号である。

※ 2段落目と3段落目は論点すり替え。

 2段落目
  質問内容:いつ年金は公助から自助に転換したのか
   ↓
  答弁内容:老後所得の構成

 3段落目
  質問内容:いつ年金は公助から自助に転換したのか
   ↓
  答弁内容:マクロ経済スライドの説明

※ 答弁開始から2分以上が経過してもマクロ経済スライドの説明を続け、「こっからが大切なんですよ」と質問と関係ない話をまだ喋る様子の安倍総理。委員会室はざわつき始め、さすがに石井みどり委員長も注意する。

※ これ以降、安倍総理は厚顔無恥話法と論点すり替え(マクロ経済スライドの説明)を交互に繰り返すのみのため、解説は最小限にとどめながら、やりとりを書き起こしていく。

石井委員長: 答弁は簡潔に願います。

安倍総理: これですね。年金についてはちゃんと説明しなければ、不安を煽るだ、だけの結果になってるんですよ。これって、説明させないっていう態度は、おかしいと思いますよ。

✳︎ 約20秒中断

 100年安心がね、100年安心が、ではないということを仰ったわけでありますから、政府としては、大切な点でありますから。

✳︎ 約30秒中断

 いや、今、い、い、委員長から、委員長から、皆さんね、年金っていうのは制度の説明ですから少しは時間がかかるんですよ。スローガンを言い合うことではないんですよ。で、100年、100年安心ではないという非常に重要な点を指摘されましたから、それに対して反論するのはですね、不安を煽らないためにも、これ大切ではないでしょうか。

 で、そこでですね、簡単にお答えを致します。簡単に致します。アベノミクスのですね、進展によってですね、もはやデフレではないという状況が出てきたことを反映してですね、本年度の年金は0.1%の増額改定となりました。で、これはですね、これは、未調整だった分も含めて、将来世代のためのマクロ経済スライド調整を行なった上でなお、現在の支給額がプラスの改定になったものであり、(赤信号)

※ 1〜3段落目は厚顔無恥話法(ご飯論法同様、上西充子教授が考案)の一種と考えられる。この厚顔無恥話法は自分に非があるのに相手に責任転嫁するような発言を行い、そこだけ切り取った映像がテレビで流されることで相手の印象を悪くする。言ったもの勝ちの印象操作である。

※ 4段落目は論点すり替え(マクロ経済スライドの説明)一辺倒になる。

安倍総理: これですね、皆さんにとって、都合が悪い説明だと遮るんですか? 皆さんにとって、都合の悪い説明だと遮るの? で、これはですね、いいですか? いいですか? で、私が答えますから、い、いいですか?

※ →赤信号&厚顔無恥話法

 これは、これまで未調整だった分も含めて、ま、将来世代のためのマクロ経済スライド調整を行なった上でなお、現在の受給額がプラスの改定になったものでありまして、現在の受給者、将来世代の相互にとってプラスとなるものであります。

※ →赤信号=論点すり替え(マクロ経済スライドの説明)

 で、今、正確に制度についてですね、説明させて頂いているんですが、「とめろよ!」とかですね、「やめろよ!」とか、大きな声を出すのはね、皆さん、やめましょうよ。で、なお、デフレが、で、なおですね、

※ →赤信号&厚顔無恥話法

石井委員長: ご答弁は簡潔にお願いします。

安倍総理: いや、すいません、委員長ですね、委員長ですね、ああいう大きな声を出されていると・・。いや、わ、私がですね、答弁し始めて、10秒くらい経った段階でそうやって大きな声を出されたら、説明できないじゃないですか。これ、皆さんにとって、都合が悪い答弁だからですか?じゃあ、い、よろしいですか?

※ →赤信号&厚顔無恥話法

 いや、つまりですね、マクロ経済スライドによって、マクロ経済スライドによって、100年安心という、まあ、そういう年金制度が出来たということなんです。それ、給付、いいですか、これ、給付と負担のバランスですから。それを調整するものができた。そうして、今年度においてはプラス改正ができた。かつマクロ経済スライドも発動された。マツドウさ、マクロ経済スライドが発動されたということが大きなポイントであるということがこれ、多くの方がご理解頂いてないんで申し上げさせて頂きたい。こう考えております。

※ →赤信号=論点すり替え(マクロ経済スライドの説明)

蓮舫議員: 総理の説明がいかに言い訳じみているのか、よくわかりました。

■ □ ■

 結局、安倍総理は「マクロ経済スライド」という言葉を9回も連呼して説明し続け、100年安心の根拠として0.1%の増額改定を挙げたが、これは年金支給額が月5万円の場合、月50円(=5万円×0.1%)の増額に過ぎない。
 蓮舫議員が「言い訳じみている」と一刀両断したのも無理はない。

 また、質問に答えない安倍総理に対して野党議員が抗議の声をあげると、総理は厚顔無恥話法を繰り返した。
 この厚顔無恥話法は最近の総理答弁の大きな特徴となっており、昨年末の入管法の質疑においても散見された。
 その様子は以下の動画で確認できる。

★ 山尾志桜里議員vs山下法相&安倍総理 2018年11月26日(入管法強行採決前日) 衆議院予算委員会(動画の3分2秒〜)

【幻の単純労働】山尾志桜里議員vs山下法相&安倍総理 2018年11月26日(入管法強行採決前日) 衆議院予算委員会
https://www.youtube.com/watch?time_continue=182&v=VFmpbnfcs8A

★ 有田芳生議員vs山下法相&安倍総理 2018年12月6日(入管法強行採決前日) 参議院法務委員会(動画の1分54秒〜)
https://www.youtube.com/watch?time_continue=115&v=dtQ0vo4krzg

 これらの共通点は、質問と関係ない話を延々と続けて、耐えかねた野党議員が抗議の声をあげると「待ってました」と言わんばかりにオーバーリアクションで反応し、あたかも野党議員が答弁を妨害する悪者で、総理は被害者であるかのように装う。

 そして、総理の発言(野次はやめてください、冷静に議論しましょうよ、など)だけを切り取った映像がテレビに流れることで、「真剣に答弁をする安倍総理」と「答弁の邪魔をする野党」という事実とは異なる印象を視聴者に与えている。

 この子供騙しへの対抗策は、国会質疑をノーカットで見ることに尽きる。

 幸い、ご飯論法の考案者でもある上西充子教授が代表を務める国会パブリックビューイング(YouTubeチャンネル)や、筆者が信号無視話法分析を公開しているYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」は共に、1つの場面をノーカットで流している。

 この国の政治のレベルを著しく引き下げているのは誰なのか、判断に役立てて頂きたい。

ハーバービジネスオンライン、2019.06.21
マクロ経済スライドと9回も連呼した安倍総理。
蓮舫議員による6・10年金質疑を信号無視話法分析

犬飼淳
https://hbol.jp/195122

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2019年06月21日

自民の参院選向け対策

【東京】
 自民党本部が夏の参院選に向け、野党やメディアを批判する記事をまとめた「対策本」を国会議員らに配布している。
 政府が米軍普天間飛行場の代替施設建設として進める名護市辺野古沿岸の埋め立て工事を、地元紙が「新基地建設」と表現していることを「偏向」と断じるなど、沖縄に関する記述も並ぶ。
 専門家は、
自身の主張と異なるものを全否定する態度
と指摘している。

■ 執筆者や運営は不明

 編集・発行は「テラスプレス」。
 インターネットサイト「terrace PRESS」に掲載された記事を加筆修正してまとめたとするが、執筆者やサイトの運営母体は不明。
 党関係者によると、冊子は発行元から提供を受け、党は制作に関わっていないという。

 本紙の社説も取り上げ、
「普天間飛行場の移設を『新基地建設』などと書く偏向ぶり」
と糾弾した。
 ただ「新基地建設」は県内の新聞・テレビなど複数のマスコミが使うほか、県も正式に使っている用語。
 強襲揚陸艦の接岸も可能な護岸や弾薬庫など、現在の普天間飛行場にはない機能を備えるためだ。

■ 自民議員からも疑問の声

 辺野古を絡めた野党批判もある。
 反対運動に「過激派」が入り込んでいるとし、立憲民主党の枝野幸男代表を、
「革マル派活動家が浸透しているとされるJR総連などから献金を受けており、革マル派に近いといわれている」
と表現。
 根拠を示さず伝聞調でJR総連や枝野氏を革マル派と印象付け、よだれを垂らす枝野氏のイラストを添えた。

 こうした内容に、自民国会議員からも、
「ひいきの引き倒しもいいところ」
「品を欠く」
といった疑問の声が漏れている。

 専修大学の山田健太教授(言論法)は、
「自身の主張と異なる考えを全否定する態度は、政権党として残念」
と批判。
自らへの批判を偏向報道と決めつける姿勢は、批判報道をフェイクニュースと非難し、社会の対立を煽(あお)り分断を深める米国の状況も想起させる。批判を謙虚に受け止め政策に生かす、本来の政党の在り方を取り戻すことを期待する
と指摘した。
 冊子は「フェイク情報が蝕(むしば)むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」のタイトルで、A5判142ページ。
「トンデモ野党のご乱心」「フェイクこそが本流のメディア」「安倍政権の真実は?」の3章で構成されている。


沖縄タイムス、2019年6月21日 04:50
沖縄の新聞を「偏向」と糾弾
自民の参院選向け対策本「フェイク情報が蝕むニッポン」
よだれ垂らす枝野氏の絵も

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/435484

 講談社の月刊誌『ViVi』が6月10日、自民党の新たな広報戦略「#自民党2019」とのコラボレーションで始めた広告企画をウェブ上で発表した途端に“炎上”した。
 同誌の主要読者対象である若い女性向けにウェブ上で
「みんなはどんな世の中にしたい?自分の想いを #自民党2019 #メッセージTシャツプレゼント のハッシュタグ2つをつけてツイートすると、メッセージTシャツがもらえるよ!」
(10日付の同誌公式ツイッターアカウントより)
と告知した記事広告(版元側が作成した記事だが、スポンサー=この場合は自民党=が広告費を払って内容に関与)をめぐり、参院選間近ということもあり、
「特定の政党に肩入れするのか」
「Tシャツ配布は公職選挙法に抵触するのではないか」
といった批判を世間全体から浴びる格好となった。

 講談社といえば女性誌のほかコミックや文芸、さらには『週刊現代』『FRIDAY』などを発行しつつ政権批判にも果敢に挑んできた伝統を持つ雑誌ジャーナリズムの雄でもある。
 その講談社にしてなぜそうした企画を通してしまったのかとの批判が起こるのも無理からぬところだが、当の『ViVi』はこの騒ぎに関しては当初から完全に沈黙。
 講談社広報室も外部からの取材に当初、
「政治的な背景や意図はまったくございません」
(『毎日新聞』ウェブ版11日付)
と回答し、逆に自民党側の、
「批判も含めたいろんな声が出ることは想定していた」
(同前)
との思惑に乗ってしまったことをさらに批判されて以降はこちらも沈黙状態。
 小説『美しい顔』の類似表現問題を本誌(4月12日号と5月17日号)で報じた私の取材申し込みには、
「岩本さんの取材はお断りします」
とたちまち電話を切る始末だった。
 なお本誌編集部から今後の同企画の予定などを広報室に尋ねたところ、
「さまざまなご指摘を踏まえてTシャツを配布するかどうかについては改めて検討中です」
などの回答があった。

ダウンロード違法化拡大問題で接点が生まれた?

 それにしても講談社がなぜこうした企画を引き受けたのかについては、すでに背景を憶測する声が出始めている。
 前記「#自民党2019」の責任者は同党衆議院議員で現在は選挙対策委員長を務める甘利明氏だが、同氏はコミックなどのいわゆる海賊版対策をめぐり今春議論を呼んだ著作権法改正による「ダウンロード違法化」対象範囲拡大問題(本誌2月15日号参照)では自民党の知的財産戦略調査会長として関わっていた。

 一方の講談社は前述の通りコミックも含めた出版業界の代表的な企業(経団連にも加盟)で海賊版の影響を最も受ける立場にもあり、同社の野間省伸社長がこの問題でも内閣府の知的財産戦略本部の会合を通じて関わっていた。
 ただ野間氏は2月に行なわれた講談社の決算報告会の席上、対象範囲拡大について、
「著作者の創作意欲を委縮させるようなことがあってはならない」
と慎重な姿勢を表明。
 このあたりから世論の流れも「範囲拡大反対」に傾き、最終的に著作権法改正案提出が今春は見送られた経緯がある。
 今回の『ViVi』記事広告の背景には、このあたりで自民党と講談社の間に何らかの関わりが生まれたこともあるのではないか
(同社広報室は問い合わせに対しこれを否定)。

 もとより背景としては雑誌全体の退潮に伴なう出版業界の苦境も指摘されよう。
『ViVi』も例外ではなく、現在の実売部数は6万3681部(日本ABC協会による2018年7〜12月発売号調査データより)と、数十万部を誇った往時の勢いは見る影もない。
 ただ『ViVi』は他方、近年ではネットを使った若い女性層への訴求に成功し、それを広告営業面でも上手く活用した雑誌でもある。
 それだけに、若い有権者たちにアピールしたい自民党にそこを上手く活用された格好と言える。
 その意味では講談社に限らず、今後は他の出版社でも同様の事態が持ち上がる可能性を否定できない。
 きわめて悩ましい問題を今回の騒動は提示しているとも言える。


週刊金曜日、2019年6月20日4:42PM
『ViVi』自民党広告で炎上 
甘利明氏と講談社の接点!?

(岩本太郎・編集部、2019年6月21日号)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2019/06/20/antena-502/

 6月10日開始の、女性ファッション誌 ViVi のキャンペーンに注目が集まっている。

 同誌の企画ページには、【PR】 として
「社会はわたしたちが作っていくのだから、自分の意見を自信持って発言してみてもいんじゃない?
 今回は ViVi girl 9 人に、どんな社会にして行きたいか聞いてみました」
とあり、雑誌モデルがTシャツを着た写真が掲載されている。

 そのTシャツ背面には、各モデルが目指す社会のスローガンが、右肩には自民党ロゴが入っている。
「自分の気持ちを #自民党T2019 #メッセージTシャツプレゼントの二つのハッシュタグをつけて Twitter もしくは Instagram に投稿」すると、抽選でTシャツがプレゼントされる。

 自民党の PR でありながら、同党の政策説明がないこと、
 他党の参加がない自民党単独企画でありながら、講談社が「政治的意図はない」と腑(ふ)に落ちない説明をしていること、
などの問題が指摘されているが、私が気になるのは公職選挙法との関係だ。

 同法199条の2以下は、公職の候補者等による選挙区内での「寄附(きふ)」を禁ずる。

 まず、Tシャツは、チラシや政策集と異なり、経済的価値がある。
 人気モデルのオリジナルデザインともなれば、通常のTシャツより高価値にもなり得よう。
 抽選とはいえ、これを候補者等が行えば、公選法199条の2以下の「寄附」に当たるのは当然だ。

 では、「寄附」の主体は誰か。

 このキャンペーンは、自民党のプロジェクト事務局主催だ。
 当然ながら、自民党は、今年の参議院選挙の全国比例代表区・選挙区で候補を擁立予定だ。
 参議院選挙の迫るタイミングで、「自民党2019」とのキーワードでプレゼントを行えば、たとえ党名義でも、立候補予定者による寄附とみなされる懸念がある。

 また、候補者等の「後援団体」は、199条の5で選挙区内での「寄附」が禁止されている。
 一般の政党は、候補者支援以外の政治活動もするため、「後援団体」に該当しないとされる。
 しかし、今回の事務局は、2019年プロジェクト限定のもので、今年の選挙の自民党候補者の後援団体とみられる可能性もあろう。

 この企画への著名人コメントには「違法性がない」とか「警察は検挙しないだろう」と言ったものが目につく。
 確かに、刑事罰を実際に受けるのは、特に悪質で違法性が明確な行為に限られる。
 しかし、
「検挙されなければ違法性がない」わけでも、
「起訴されなければ違法行為をしてもよい」わけでもない。

 もちろん、政党が、雑誌に広告を出したり、ファッションモデルの意見を聞いたりすることは否定されるべきではない。
 今回の企画も、プレゼントを差し控え、自民党の政策責任者が、モデルの政治的な意見を真面目に聞き、党の政策を説明するなどの内容であれば、公職選挙法上の疑念は生じなかっただろう。

 講談社が、今指摘したような企画を、他の主要政党にも提案し、実現していたら、若い人の政治への関心を高める企画として称賛されたのではないか。

 ファッション誌は、若い人に情報を届ける重要なメディアであるだけに、政策論ではなく、物で釣るかのような、今回の企画展開は残念だ。


沖縄タイムス、2019年6月17日 11:26
[木村草太の憲法の新手(106)]
ViViキャンペーンと公選法
自民単独企画に寄附の疑念
モデルTシャツに経済価値

(首都大学東京教授、憲法学者)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/433621

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”2度目の政権ブン投げ”か

ヤッホーくんのこのブログ、次の日付の日記をぜひご参照ください。

★ 2018年11月04日「ヘゲモニーを握った日本型ネオコン勢力」
★ 2019年06月06日「2007年は『美しい国づくり元年』!」
★ 2019年06月06日「荒廃が一層すすむ田畑、森林や浜」

 国会会期末になって急浮上した「老後2000万円」問題に大揺れとなっている政府、自民党(*)。
 参院選への影響を少しでも抑えようと火消しに躍起だが、今や風向きは完全に変わり、永田町では、
「歴史は繰り返すじゃないが、あの時と状況がソックリになってきた」
との声が漏れ始めた。

◇  ◇  ◇

「あの時」とは第1次安倍政権が退陣した2007年のことだ。
 今年と同じ4年に1度の統一地方選と、3年に1度の参院選が重なる「亥年」で、当時の安倍首相は7月の参院選を控え、国会で「消えた年金問題」の厳しい追及にさらされていた。

 まさに「消された報告書問題」でつるし上げを食らっている今と同じだが、重なる状況はこれだけじゃない。

「被災自治体と緊密に連携し、余震や土砂災害など二次災害への警戒を継続するとともに、国民への的確な情報提供、災害応急対策に万全を期してほしい」

 2019年6月18日夜に山形県沖を震源とするM6.8(暫定値)の「新潟・山形地震」を受け、首相官邸で関係閣僚会議を開いた安倍。
 菅官房長官も「官邸が司令塔となり、関係省庁が一体となって対応に万全を期していきたい」と強調していたが、2007年も大地震があった。
 2007年7月16日に発生した「新潟県中越沖地震」(M6.8)だ。

 当時の安倍は異例の対応を取った。
 閣僚懇談会で、
「復旧事業費を把握するため国の職員が調査に全面協力するなど、スピード感を持って対応してほしい」
と矢継ぎ早に指示を出し、予定していた参院選の選挙演説を中止して新潟に直行。
 避難所などを訪れたのだが、逆に
「わざとらしい」
「災害を選挙利用している」
と被災者の怒りを買い、支持率はさらに低下。
 結局、参院選で自民党は歴史的惨敗を喫し、安倍は9月に「総裁ブン投げ辞任」することになったのだ。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。

「確かに今と2007年の状況は恐ろしいほど似ています。2007年は支持率が右肩下がりで、負のスパイラルに陥りましたが、今回はどうか。前回と異なるのは、同じ年金問題でも今回は、高齢者の生活に直結する問題であり、投票所に足を運ぶ層にとって深刻ということです。これは投票行動を大きく左右すると思います」

 年金不足の事実は隠したいから、報告書は受け取らないし、なかったことにする。
 そんな破廉恥政権に震災対応を任せられるはずがない。
 どんなに被害が起きていても、平然と「問題ナシ」と言い出しかねないからだ。
 驕れるものは久しからず。
 2度目の政権ブン投げが現実になる日は遠くない。


[写真]
2007年中越沖地震 柏崎市の避難所で避難所で女の子を励ます安倍首相

日刊ゲンダイ、2019/06/20 15:00
2007年と状況酷似
安倍政権“2度目の政権ブン投げ”3つの予兆

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/256519

(*)
 異常なキレ方だった。
 2019年6月10日に開かれた参院決算委員会。
 老後資金2000万円不足の金融庁報告書を巡り、「『100年安心の年金』はウソ」と野党に追及され、ムキになって反論する安倍首相の態度は特にヒドかった。

 民主党政権時代の悪口を長々と答弁する安倍首相に、野党席から「ちゃんと答えろ」とヤジが飛ぶと、駄々っ子のように「質問に答えてるじゃないですか!」と大臣席で激怒。
 審議ストップ中も「質問時間を返せ」と言われると、「何言ってんですか!」と顔を歪めていた。
 さらに、立憲民主党の杉尾秀哉議員にヤジを飛ばされると即反応。
「あなたは何も分かってない!分かってない!」
と杉尾議員を指さしながら怒りを爆発させていた。

 安倍首相は2013年3月の参院予算委で、民主党(当時)の小西洋之議員から、質問で指をさされ
「人を指さすのはやめた方がいいですよ。これは人としての初歩ですから」
とたしなめていた。
 自身が発言した「人としての初歩」を忘れるほどのブチ切れぶりとは、よほど年金問題を突っ込まれたくないのだろう。


[写真]
10日、参院決算委での安倍首相は不機嫌極まりない面持ちで…

日刊ゲンダイ、2019/06/12 14:50
安倍首相“指さし・暴言”連発の異常
委員会審議の中断中に

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255924

(*)
 2019年6月3日、金融庁の金融審議会が発表した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書が波紋を起こしている。
 報告書の中で、高齢夫婦が30年間、ほぼ年金に頼る生活を送った場合、約2000万円が不足するという試算が示されていたのだ。
 年金に何が起こっているのか?
 閣僚らの発言を集めてみた。

麻生太郎 副首相兼財務相
「(年金だけでは)あたかも赤字ではないかと表現したのは不適切だった」

朝日新聞デジタル 6月7日

 金融庁の報告書は、総務省の家計調査のデータを使った試算として、年金暮らしの高齢夫婦の場合、年金だけでは「毎月の赤字額は約5万円」と指摘。
 不足額を老後の20〜30年間まかなうために、1300万〜2000万円の蓄えが必要になるとしていた。
 それに備えて、積立て投資などによって資産形成を国民に呼びかける趣旨だった。

SNSで批判が巻き起こると態度が一変

 麻生氏も発表当初は報告書の内容を受けて
きちんとしたものを今のうちから考えておかないかんのですよ」(テレ朝news 6月4日)などと肯定的な発言をしていたが、SNSなどで、
「2000万円を自助努力で準備しろというのか」
「年金だけでは安心して暮らせないのか」
などと批判が巻き起こると態度が一変。
 7日の記者会見では、
(年金が)月20万円のところを、豊かに暮らすため25万円にするには5万円足りない、65歳で(老後が30年間とすると)、だいたい2000万円という話だ
と報告書の試算について語り、
あたかも赤字だと表現したのは不適切だった
と述べた。
 公的年金だけでは老後の生活資金が足りなくなる。
 だから、資産形成のために「自助」したほうがいいというのが報告書の提言である。
 だが、ここから政府は躍起になって報告書そのものを否定しはじめる。

「誤解を与える内容だった」
安倍晋三 首相
「不正確であり、誤解を与える内容だった」
「『年金100年安心がうそだった』という指摘には、『そうではない』と言っておきたい」
NHK政治マガジン 6月10日

 6月10日の参議院決算委員会では、野党側から、
「『年金制度は100年安心だと言っていたのはうそだったのか』と国民は憤っている」
と指摘されたが、安倍首相は
「そうではない」
と退けた。
 「100年安心」というキャッチフレーズは2004年、小泉純一郎内閣が人生100年時代の到来を想定し、100年間持続できる制度を目指して年金改革を行ったときに生まれたもの
 ここで言う「安心」とは、年金制度が持続する「安心」であって、人びとが年金で「安心」して暮らせるという意味ではない。
 15年前は、年金制度が安心なら人々の暮らしも安心だったのかもしれないが、現在はそうではないのである。

 また、安倍首相は報告書について「不正確」だと述べたが、何が不正確だったのだろう?

安倍晋三 首相
「積立金の運用は大きくプラスになっておりますし、マクロ経済スライドも発動されましたから、言わば『100年安心』ということが確保された」

テレ朝news 6月10日

 こちらも参議院決算委員会での発言。
「マクロ経済スライド」とは、現役世代の減少や平均余命の伸びにあわせて、自動的に年金水準を引き下げていくという仕組み。
 年金給付額を減らすから年金制度は破綻することがないので「100年安心」というわけだ。

 とはいえ、積立金の運用は心許ない。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による公的年金の運用は、2018年10月〜12月の3ヵ月間だけで14兆円規模の損失となった。
 年金資産の市場での運用を始めた01年度以降の累積の黒字額は56兆円超、運用を見直した14年10月以降でも15.4兆円近くの黒字を維持しているが、「『100年安心』ということが確保された」とは言い切れないだろう。

 だが、安倍首相はあくまでも「100年安心」と繰り返している。
 年金制度の「100年安心」が人びとの100年の人生が「安心」だと思わせているようでもある。

「年金制度は『負のスパイラル』」08年に麻生氏が言っていたこと

麻生太郎 副首相兼財務相
「政府がどんなに『100年安心』と謳っても、自戒を込めて言えば、もはや信用する人は誰もいないのだ。年金制度はまさに『負のスパイラル』に陥っている」

『中央公論』2008年3月号

 ちなみに、これは麻生氏が首相になる直前に記した文章。
 このときのほうがよっぽど真摯に年金問題に取り組もうとしていたように見える。

麻生太郎 副首相兼財務相
「世間に著しい不安と誤解を与えており、これまでの政府の政策スタンスとも異なりますので、正式な報告書としては受け取らない」

FNN PRIME 6月11日

 6月11日、麻生氏は異例の発表を行った。
 金融庁の報告書が「世間に著しい不安と誤解」を与えたので「受け取らない」というのだ。
 報告書は、そもそも金融相(麻生氏)の諮問を受けて議論が始まったもので、大学教授や金融機関の代表者ら21人の委員が12回にわたって議論を重ねた。
 通常はこの後、金融審議会の総会で了承され、担当大臣に報告されるが、今回はこの手続きの前だったため、「公式な文書ではない」としたのだ。

 フジテレビの風間晋解説委員は「政府にとって、不都合な真実が明るみに出てしまった報告書」と表現し、「これはちょっとまずいということで、報告書はなかったことにしようとしていますけど、この状況は隠せないわけですよね」とコメントした(FNN PRIME 6月11日)。
 麻生氏の受け取り拒否に対して、野党は一斉に反発。
 立憲民主党の枝野幸男代表は「選挙前では都合が悪いから受け取らない、撤回しろと。あ然とせざるを得ない」、
 国民民主党の玉木雄一郎代表は「不都合なことをなきものにしていたら、ますます老後の暮らしが不安になっていく」
とそれぞれ批判している(FNN PRIME 6月12日)。

二階俊博 自民党・幹事長
「参院選を控え候補者に迷惑を及ぼさないよう党として注意しないといけない」

日本経済新聞 6月11日

 自民党は11日、林幹雄幹事長代理が金融庁の三井秀範企画市場局長を党本部に呼んで撤回を求めた。
 二階氏は撤回を求めた理由について、参院選が理由だとストレートに告白している。
 年金問題が争点とならないよう火消しを急いだのだ。

萩生田光一 自民党・幹事長代行
「不安や誤解を広げるだけの報告書であり、評価に値しない」

産経新聞 6月11日

 前後して、与党幹部からは相次いで報告書への批判が飛び出した。
 報告書を批判しても国民の将来への不安が和らぐわけではないのに……。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、
「第1次安倍政権時に参院選で惨敗した“消えた年金問題”を想起させることから影響を避けるため一斉に動いたのだろう」
と解説している(スポニチ 6月12日)。

「数字を示すのは大賛成」と橋下氏

橋下徹 元大阪市長
「これを聞いて“ふざけんじゃねえ、この政治”と言うんだったら、問題を解決するような政治を選ぶのも国民の責任」

Abema TIMES 6月11日

 AbemaTVの番組に出演した橋下氏は、
「公平に検証したデータを元に、“人生設計として、いくら貯めておかないといけない”という数字を示すのは大賛成」
とした上で、
「金額が大きすぎると思うのなら、累進課税の税率をもっと高くして、所得の再分配をしっかりやるような政治を選んでいかないといけない」
と語った。

 なお、6月11日には政府による経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の原案が明らかになったが、高齢者の年金を削減する在職老齢年金制度の見直しについて明記されているものの、高齢者への給付の削減や負担増の具体策には踏み込んでいない。
 政府関係者は参院選後の秋以降に医療や年金などの抜本的な改革を進めるとしている(産経新聞 6月11日)。
 こちらでも反発が高そうな議論を先延ばしにして、とりあえず選挙を先に済まそうとしているようだ。

森山裕 自民党・国対委員長
「政府は受け取らないと決断した。報告書はもうない」

毎日新聞 6月12日

 驚くべき発言も飛び出した。
 金融庁の報告書を森山氏は「もうない」と一蹴し、報告書をめぐる国会の予算委員会開催に否定的な考えを示した。
 自分たちにとって都合の悪いものは、あるものでも「ない」と主張する。
 何が何でも年金問題を参院選の争点にしたくないということだろう。

 日本総研の西沢和彦氏は、
「報告書の撤回などせず、厳しい現実を政府が正面から語ればいいだけ。野党にも同じことがいえる」
と厳しく批判している(中日新聞 6月12日)。

 選挙の争点隠しのため「なかったこと」にするのではなく、どうすれば人びとが「安心」して暮らせるようになるのか、解決策の議論を積み重ねてほしい。


文春オンライン、2019/06/14
「年金制度は『負のスパイラル』」
2008年に麻生太郎氏が言っていたこと

大山 くまお
https://bunshun.jp/articles/-/12366

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麻生太郎君不信任決議案

立憲民主、国民民主、共産、社民、社会保障を立て直す国民会議の野党5会派は2019年6月20日、麻生太郎財務相兼金融担当相に対する不信任決議案を衆院に提出した。
不信任決議案では、夫婦の老後資金として公的年金以外に「約2000万円が必要」と試算した金融庁の金融審議会ワーキンググループの報告書を麻生氏が受け取らなかったことについて「前代未聞の暴挙」と批判。
麻生氏の財政再建への取り組みが不十分などと指摘し、
「これ以上、麻生氏が財務相の座に居座り続けることは、国民生活をさらに崩壊させ、国益を損ない続ける」
などとした。

参院でも、立憲民主など野党4会派が同日午前に麻生氏の問責決議案を提出した。

不信任決議案は以下の通り。


財務大臣・金融担当大臣麻生太郎君不信任決議案

[理由]

 金融担当大臣の麻生太郎君をめぐっては、何より大問題なのは、「老後資金二千万円不足問題」において、自らが大臣として諮問した結果、出された金融審議会市場ワーキング・グループからの報告書が、自らの意に沿わないので受け取らないという前代未聞の暴挙に出たことである。
 麻生君は、政府のスタンスと異なるという意味不明の見苦しい言い訳をしたが、実際には厚生労働省の資料を基にした議論の結果出された報告書で、政府の従来の姿勢を踏襲したことは明らかであり、政府のスタンスうんぬんの言い訳は付け焼き刃の事実誤認も甚だしい思い込みに過ぎない。
 諮問を受けて真剣に議論した委員にも全くもって失礼極まる暴言であり、この一点をもってしても大臣の資格はない。

 麻生君は、資質に対する根本的な疑念や傲慢極まる数々の言動への批判が絶えることはなく、そもそも大臣たる職にふさわしい人物では全くない。
 金融政策の行き詰まりも明らかであり、一刻も早くその職を辞するべきであることは、数々の世論調査の結果を見るまでもなく、明白である。
 国民の怒りと不信感を増長させ、政治不信を極限まで高め続けている麻生君に、これ以上、金融担当大臣の任を続けさせることは許されない。

 財務大臣の麻生太郎君をめぐっては、資質に対する疑念、傲慢な言動への批判は絶えることがなく、財務大臣の職にあるべき人物ではない。
 その失言の類いは、例を挙げればきりがないが、今年になっての「子どもを産まなかった方が問題」発言は、過去にも繰り返されており、形ばかりの謝罪の言葉は、空虚に響くだけである。

 人の税金を使って学校に行った、セクハラした次官は女性にはめられて訴えられている、自民党勝利は北朝鮮のおかげ、ヒトラーはいくら動機が正しくてもだめ、ナチス憲法に変わって誰も気づかなかったあの手口に学んではどうか、アルツハイマーの人でも分かる、など、その口から発せられる言葉は、耳を塞ぎたくなるほどの暴言・放言のオンパレードであり、もはや大臣にあたいしないどころか、政治家の任にもない。
 麻生君の人間性すら疑わざるを得ない。

 更には、いわゆる森友問題をめぐる決裁文書の改ざん、隠蔽(いんぺい)や、不十分としか言いようのない調査と処分、佐川国税庁長官の辞任、福田事務次官のセクハラ問題と辞任、国会からの提出要求資料の廃棄など、財務省を巡ってあまりにも多くの問題が噴出し続けた。
 どの問題一つをとっても財務省全体を揺るがす大問題であり、財務省に対する国民の信頼は、もはや地に落ちている。
 その責任者は麻生君その人であり、何度辞任しても足りないほどの罪状であると断じざるを得ない。

 麻生君は、こうした数々の大問題に対して他人事のような答弁、発言を再三にわたって繰り返し、大臣としての責任感をみじんも感じさせず、看過し難い。国民の怒りと不信感を増長させ、政治不信を極限まで高めた麻生君に、これ以上大臣の任を続けさせることは許されない。
 本来ならば、自らが財務大臣の職を辞すべきところ、そのような責任感すら全く持ち合わせていない。

 麻生君は、財務大臣の最も重要な職責である、財政再建への取り組みが全く不十分である。
 我が国の財政は悪化の一途をたどっている。
 プライマリーバランスの黒字化目標は、2025年度に5年も先送りされている。
 しかも、今年度予算は、財政制度等審議会の
「平成時代の財政運営の失敗と過ちを二度と繰り返してはならない」
旨の建議を一顧だにせず、過去最大の100兆円の大台を超える予算を編成した。
 このように、財政規律は、緩みっぱなしであり、麻生君の責任は極めて重いと言わざるを得ない。

 これ以上、麻生君が財務大臣の座に居座り続けることは、国民生活をさらに崩壊させ、国益を損ない続けることである。
 麻生君が一刻も早く辞することが、効率的かつ透明な行政と健全な日本経済と国民生活を取り戻すことの第一歩となる。

 以上が、本決議案を提出する理由である。


毎日新聞、最終更新 6月20日 18時23分
野党5会派
麻生副総理兼金融担当相の不信任決議案を衆院に提出
 
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190620/k00/00m/010/147000c



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2019年06月20日

ユネスコ・エコパーク「甲武信」(山梨県、埼玉県、長野県、東京都)

 ヤッホーくんのこのブログ、次の日付の日記をどうかご参照ください:

☆ 2013年06月08日「青山士」
☆ 2013年11月21日「大蔵経寺山716m」
☆ 2014年11月27日「丹波川→多摩川→玉川→六郷川」
☆ 2018年03月30日「江戸川の花筏」

 ユネスコのエコパークに山梨など1都3県にまたがる甲武信ヶ岳周辺地域が登録されました。
 山梨県内では2014年の南アルプスに続き2ヶ所目となります。

 甲武信ユネスコエコパークとして登録されたのは秩父多摩甲斐国立公園を中心とした山梨県や埼玉県など1都3県にまたがる約19万ヘクタールの地域です。

 この地域には甲武信ヶ岳や昇仙峡があり甲府市や山梨市など県内では8つの市と村が含まれています。

 フランス・パリで開かれているユネスコの会合で先ほど登録が決まりました。

 エコパークは、手つかずの自然の厳格な保護を目的とする世界自然遺産とは異なり、自然と人間社会の共生を目指すものです。

 この地域は絶滅危惧種のチョウなど、希少な生き物が数多く生息し水源地として保全していることなどが評価されました。

 エコパークは国内では10ヶ所目、県内では2014年の南アルプスに続き2ヶ所目です。


[動画]

テレビ山梨、2019.06.19 19:00
甲武信ヶ岳周辺がユネスコエコパーク登録決定
http://www.uty.co.jp/news/20190619/5953/

 本日2019年6月19日、パリ(フランス)で開催された「第31回ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画国際調整理事会」において、埼玉県及び関係自治体から推薦していた「甲武信(こぶし)」(構成地域:山梨県、埼玉県、長野県、東京都)の生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)への登録が決定されました。

1.ユネスコエコパークの概要

 生物圏保存地域(国内呼称:ユネスコエコパーク、英名:BR:Biosphere Reserves)は、生物多様性の保全、持続可能な利活用、学術研究支援を目的として、1976年(昭和51年)にユネスコが開始した事業で、登録は各国からの推薦を受けて「ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画国際調整理事会」が審議・決定することになっている。

〇 2018年(平成30年)7月現在における登録総数は122か国、686地域。
〇 今回、「甲武信」が登録され、国内10か所目となった。
※ ユネスコエコパークに関する概要は別紙1(PDF:520KB)も参照のこと。

2.甲武信の概要

 甲武信ヶ岳、金峰山、雲取山等の日本百名山が連なる奥秩父主稜を中心とした広大な山脈地域であり、荒川、多摩川、笛吹川、千曲川を含む主要な河川の水源地となっている。
 また、豊かな地層と岩石の種類により育まれた環境に多様な動植物が生息し、特にチョウ類の希少種の宝庫となっている。
※ 甲武信に関する概要は別紙2(PDF:1,088KB)も参照のこと。

★ 日本のユネスコエコパークは以下の10か所である(2019=令和元=年6月現在):

 それらの核心地域や緩衝地域 は、国立・国定公園や国有林の保護林として保全されている。
☆ 1980(昭和55)年登録:
・「志賀高原」(長野県、群馬県)
・「白山」(富山県、石川県、福井県、岐阜県)
・「大台ヶ原・大峯山・大杉谷」(奈良県、三重県)
・「屋久島・口永良部島」(鹿児島県)
☆ 2012(平成24)年登録
・「綾」(宮崎県)
☆  2014(平成26)年登録
・「只見」(福島県)
・「南アルプス」(山梨県、長野県、静岡県)
☆  2017(平成29)年登録
・「祖母・傾・大崩」(宮崎県、大分県)
・「みなかみ」(群馬県、新潟県)
☆ 2019年(令和元年)登録
・「甲武信」(山梨県、埼玉県、長野県、東京都)


埼玉県公式サイト、2019年6月19日19時
「甲武信(こぶし)」がユネスコエコパークに登録されました!
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2019/0619-04.html

 山歩クラブは発足間もない頃、3泊4日で甲武信岳を縦走していました。
 あの頃、いっしょに山歩きを楽しんだ仲間たち、元気にしてますか〜?
 次は、あの時の山歩クラブとは違うコースを辿っていますが、ご紹介!

[コース]
西沢渓谷入口−近丸新道登山口−戸渡尾根出合−主稜線出合(P1869)−木賊山−甲武信小屋−甲武信岳(2475m)−甲武信小屋−木賊山−戸渡尾根分岐−徳ちゃん新道分岐−西沢山荘(徳ちゃん新道登山口)−西沢渓谷入口

 奥秩父の百名山の最後は甲武信岳だ。
 甲武信岳は、本州の中央分水嶺にあり、甲斐・武蔵・信濃の三国境にあることから名づけられた山である。
 以前は、「拳」という字が当てられていたこともあるという。
 深田久弥は、コブシという名前のよさ − 歯切れのよい、何か颯爽とした山を思わせると書いている。
 それに、千曲川(信濃川)、荒川、笛吹川(富士川)という大きな河川の最初の一滴がこの山から生み出されているというのもいい。

 奥秩父の主稜線を縦走するという壮大な登山もあるが、日程的なことを考えると日帰りにしたい。
 その場合、毛木平から信濃川の源流を遡って山頂に立つのが最も登りやすいが、アプローチが遠いのが難点である。
 そこで、アプローチのよい中央本線沿いから西沢渓谷入口に行き、登りは近丸新道、下りは徳ちゃん新道を利用するという若干の変化を加えたピストンコースを選択することにした(標準コースタイム9時間20分)。
 頂上に祠もなければ、三角点もない。奥秩父でも、甲武信より高い峰に国師や朝日があり、山容から言ってもすぐ北の三宝山の方が堂々としている。甲武信は決して目立った山ではない。にもかかわらず、奥秩父の山では、金峰の次に甲武信をあげたくなるのはどういうわけだろうか。おそらくそれはコブシという名前のよさ−歯切れのよい、何か颯爽とした山を思わせるような名前のせいかもしれない。(中略)甲武信岳から、千曲川、荒川、笛吹川、三つの川の源流が出ている。その点から言っても、甲武信は奥秩父のヘソと言いたい山である。頂上に降った一滴は、千曲川に落ちて信濃川になり日本海に入る。他の一滴は荒川に落ちて大東京を貫流し東京湾に注ぐ。さらに次の一滴は笛吹川に落ちて富士川となり太平洋のものとなる。
(深田久弥「日本百名山」より)

 前回の大菩薩嶺に続き、東京出張の翌日を利用して奥秩父の百名山最後の甲武信岳に登山することにした。
 日帰り登山とするためには、前日に山梨市内のビジネスホテルに泊まり、レンタカーを利用することにした。
 適当な時間の公共交通機関がないためだ。
 午前5時に起きてホテルを出発し、山梨駅前のコンビニで水・食糧を調達し、笛吹川沿いにR140を北上する。
 この道は秩父往還(雁坂みち)で、雁坂トンネルを越えると三峰山に至る。
 昨年雲取山に登ったときの登山口である。
 雁坂トンネル手前には広瀬湖というダム湖があり、ここから甲武信岳を眺望できる。
 とはいっても見えるのは手前の木賊山であろう。
 木賊山に向かって鶏冠尾根と戸渡尾根が延びているのが見える。
 道の駅「みとみ」(三富)にも大きな駐車場があったが、さらに少し入ったところに西沢渓谷の入口(東沢山荘)があり、少し下ったところに登山者用の無料駐車場があったのでここに車を駐めることにした。
 雁坂トンネルに至る国道が大きくカーブした橋(西沢大橋)の下である。

 歩き始めるとすぐに西沢渓谷の入口ゲートがある(標高1100m)。
 右手にナレイ滝を見ながらナレイ沢橋を渡って進むと西沢渓谷への周回路分岐点に立派な休憩舎とトイレがあった。
 さらに進むと、甲武信岳登山道入口(戸渡尾根コース)と書かれた大きな看板が立っていた。
 ここが近丸新道の入口である。
 この登山道を拓いた日原近丸氏に因んで名づけられたそうである。
 この登山道は左手にヌク沢を見下ろしながら、ヌク沢左岸をトラバースしながら進むことになる。
 登山道を進んでいくと、何やらレールのようなものが出てきた。
 これは鉱石運搬軌道が通じていたもののようだ。
 歪んだレールや埋もれた枕木が往時を思い起こさせる。
 途中で崩壊地があることから、登山道は一旦登った後、再び下がってきて軌道跡に戻ると、行く手に大きな堰堤が見えてきた。
 この堰堤の手前でヌク沢に下りて、渡渉して右岸に渡る。

 ヌク沢の渡渉点の手前で沢が分岐していて、その間の尾根を登ることになる。
 渡渉点までは、緩やかなトラバース道であったが、ここからは突然急登が待っていた。
 樹林帯の中に続く木の根の階段のような道をどんどんと登っていく。
 太陽が昇ってくると気温が上がってきて、次第に暑くなり、玉のような汗が噴き出てくる。
 先行していた男性2名の登山者を追い越して進むと、左手の樹間から端正な山が見えた。
 おそらく乾徳山(2031m二百名山)の尾根伝いにある黒金山(2231.6m)であろう。
 ふうふう言いながら急登を進むと、やがて道が平坦になったかと思うと、戸渡尾根に出合った(8:00)。
 ここから徳ちゃん新道が分岐している地点である。
 ここの標高は1869mであるから、すでに半分以上登ってきたことになる。
 ここで下山してきた登山者と話をすると、今朝は山頂付近から富士山も眺望できたとのことであった。

 戸渡尾根出合からは樹林の中を進むと、前方に主稜線が見えてきて、木賊山が望める。
 あそこまで登るのだと思うと気合いが入る。
 少し下るとすぐに登山道の両サイドはシャクナゲが出てきた。
 5月から6月にかけての時期だと花がたくさん咲いていることだろう。
 そんなことを思いながらどんどん登っていくと、いつの間にかシャクナゲの樹木は消えてしまい、周囲は針葉樹の樹林の中だ。
 P2111は小さな広場になっていて、下山してきた親子が休憩していた。
 ここからは木の根の階段がある急登の登山道が続いている。
 喘登しながら登っていくと、ぱっと視界の広がったガレ場に出てきた。
 ここからは富士山や広瀬ダムが見渡せるということだったが、すでにガスが登ってきていて眺望がなかった。
 休むこともなく、緩やかになった登山道を進むと、奥秩父主稜線縦走路に出てきた。
 右に辿ると破風山に至るが、左にとって樹林の中を緩やかに登っていくと、鶏冠尾根の分岐があった。
 しかし、通行止めと書かれていた。
 登山地図には「鶏冠尾根を下らないこと 岩稜多く危険」とあったので、下りが禁止されているのだろう。
 さらに進むと木賊山の山頂に到達した。
 小さな広場に三角点がぽつんとあるだけで眺望はない。

 木賊山山頂からは少し下降していくが、やがて樹林から抜け出ると、ガレ場に出てきて、前方に甲武信岳のピラミダルな山容が飛び込んできた。
 さすがに百名山とされただけの品格がある。
 再び樹林の中に入り、トラバース気味に進むと、甲武信小屋に着いた(9:50)。
 まだ10時前なので、そのまま甲武信岳山頂に向かうことにした。
 樹林の中をジグザグを切りながら15分ほどの登りで山頂に到達した。
 すでにガスが出てきていたので富士山の眺望は得られなかったが、大きな山名標柱がデンと立っていた。
 ここから得られるはずの金峰山などの眺望もガスのため見えなかったが、すぐ近くの三宝山(2483.3m)だけは大きく見えた。
 山頂で休憩していると、若い山ガールがトレランの恰好で登ってきた。
 毛木平から登ってきたそうで、下山は西沢渓谷に降りるという。
 眺望がなかったため、甲武信小屋まで降りてランチタイムにした。

 甲武信小屋前のベンチで30分あまりのランチタイムを過ごした後、ピストンで下山することにした。
 木賊山直下のガレ場に戻ったが、ガスで靄っている。
 木賊山へ登り返して、戸渡尾根分岐から戸渡尾根に入る(11:45)。
 樹林の中の登山道をひたすら下っていくと、徳ちゃん新道の分岐点まで戻ってきた(12:35)。
 下りは徳ちゃん新道を降りることにしたが、この登山道は甲武信小屋の主人である山中徳治氏が拓いたことからそう呼ばれているそうである。
 尾根道であるだけに比較的明るい登山道が続いている。
 右手に鶏冠尾根を見ながら下っていく。
 途中で尾根から左手に別れる箇所があり、これを見落とさないようにする必要がある。
 徳ちゃん新道は単調である。
 どんどん下っていくと、西沢山荘(休業中)に降りてきた。
 ここが徳ちゃん新道の入口になっている。
 あとは林道を歩くと、近丸新道入口を通過して、西沢渓谷の入口まで戻ってきた。

<コースタイム>
6:15 西沢渓谷入口−6:30 近丸新道登山口−7:05 ヌク沢渡渉点−8:00 戸渡尾根出合(P1869)−9:30 主稜線出合−9:35 木賊山−9:50 甲武信小屋−10:05 甲武信岳(2475m)10:40−10:50 甲武信小屋(昼食)11:25−11:40 木賊山−11:45 戸渡尾根分岐−12:35 徳ちゃん新道分岐−13:30 西沢山荘(徳ちゃん新道登山口)−13:50 西沢渓谷入口


山好き的日々@京都北山、2013年 08月 08日
甲武信岳−奥秩父の「へそ」に登る
https://kitayamawa.exblog.jp/20935131/

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天木直人、アメリカ大使に向けてアメリカ大使館前で英語でメッセージを発表

A message to the US ambassador about tanker attack suspicion from former Lebanese ambassador Amaki

https://www.youtube.com/watch?v=Ps_oR_LCZKQ

最近のオマーン湾でのタンカー攻撃、アメリカは、使用された専門知識と技術を理由に、この攻撃をイランによるものとしているが、真実はどうなのか。

イラク攻撃と同じようなことを繰り返さないために、何ができるのか。

16年前のイラク戦争時、戦争に加担することをやめろと主張して当時の小泉首相に解雇された、元レバノン特命全権大使で、オリーブの木共同代表の天木直人氏が、アメリカ大使に向けてアメリカ大使館前で英語でメッセージを発表。

天木氏による解説付き。

関連動画
Al Jazeera English
https://youtu.be/1M9mkITgnvI

Fox business
https://youtu.be/VRWgsdQIDC8
https://youtu.be/Qs5ZkjeqgcY

CNN
https://youtu.be/WFcjzKAcC-c
https://youtu.be/EfTO20loHeM

Guardian news
https://youtu.be/7Gz08OQUnms

PBS News Hour
https://youtu.be/T_8d8RA1S5Y

ANN news
日本タンカーに攻撃
https://youtu.be/mjLS7ObIqCo

チャンネル桜
タンカー攻撃であぶない!日本のエネルギー安保
https://youtu.be/dLpy8b1Tszw

KAZUYA ch
タンカー攻撃は誰がやった?米国の自作自演?それとも第三国?
https://youtu.be/F496hdVrrLI

及川幸久
タンカー攻撃 誰かが嘘をついている
https://youtu.be/a4jgNrMTiEA

文化人放送局
タンカー攻撃!アメリカとイランが和平の道に進むものを妨害する勢力!
https://youtu.be/Ob3tXy4DSwU

すごいぞJAPAN
日本タンカー攻撃に英米だけでなく中東のあの国もイランを批判!
https://youtu.be/6cnWoCXXNyg

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党首討論

 国民の間に不安が広がる公的年金制度について議論を深める場だったにもかかわらず、内容の乏しい45分だった。
 目に余ったのは説明責任を果たそうとしない首相の姿だ。

 今国会初となる安倍晋三首相と野党4党首による党首討論がきのう2019年6月19日開かれた。

 野党トップがそろって取り上げたのは、公的年金だけでは老後の生活費が2千万円不足するという金融庁の審議会報告書だ。

 立憲民主党の枝野幸男代表は「安心ばかりを強調し、国民の不安に向き合っていない」と政府の姿勢を追及。
 騒動になるや麻生太郎金融担当相が報告書の受け取りを拒否するなど「見たくない事実をなかったことにする」政権の体質を批判した。

 首相は「大きな誤解が生じた」と釈明しつつも、「100年安心」をうたった年金制度の今後や、受け取らなかった理由を丁寧に説明することはなかった。

 この問題で改めて浮き彫りになったのは、不都合な真実は封印してしまおうとする政権の体質である。
 重なるのは森友学園への国有地売却を巡る文書改ざん、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)問題などである。

 報告書に関連して、国民民主党の玉木雄一郎代表が年金財政の健全性をチェックする「財政検証」の公表遅れをただしたのはそのためだ。

 安倍首相は「政局とは関わらず、しっかりと検証し、報告してもらいたい」と答えたが、人ごとのような言いぶりだった。
 選挙に勝つことを優先し参院選後に先送りしようとしているのなら「争点隠し」にほかならない。
□ □ □

 昨年2018年6月以来、約1年ぶりの開催となった党首討論は、その形骸化も浮き彫りになった。

 安倍首相の答弁は相変わらず論点のすり替えが目立ち、自らの実績をアピールする場面も多かった。
 野党の追及もいまひとつ迫力に欠け、議論はかみ合わなかった。

 与野党トップが威信を懸けて直接対決する党首討論は、英国議会の「クエスチョンタイム」を参考に2000年に導入された。

 与野党は2014年に「月1回実施」で合意。
 しかし約束は守られず、45分という1回の討論時間の短さも指摘されている。


 野党勢力が分散したこともあり今回一番長かった立民でも持ち時間はわずか20分。
 国会審議の活性化という当初の目的に立ち返れば、回数と時間を増やす必要がある。
□ □ □

 党首討論では触れられなかったが、防衛省が秋田市に計画している「イージス・アショア」を巡る報告書の誤りなど議論すべき問題は山積している。
 トランプ米大統領が日米貿易交渉の8月合意に言及したことについても、農業や畜産分野で大幅譲歩するのではないかとの疑念が広がっている。

 国会は衆参両院とも3月から安倍首相が出席する予算委員会が開かれていない。

 参院選を前に予算委を開催し、国民の疑問に答えるべきだ。
 国政の重要課題について有権者に判断材料を示す責任がある。


沖縄タイムス・社説、2019年6月20日 05:00
[党首討論]
目に余る首相の不誠実
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/434997

志位委員長が会見で批判

 日本共産党の志位和夫委員長は19日、国会内で記者会見し、同日の党首討論で、年金を自動的に削減する「マクロ経済スライド」を廃止し、「減らない年金」にするために、高額所得者の保険料負担のあり方を見直す具体的な提案を行ったにもかかわらず、自民党総裁の安倍晋三首相が何ら答えなかったことを強く批判しました。

 志位氏は、「マクロ経済スライド」により年金が平均的な高齢夫婦世帯で30年間で約1600万円も減らされ、「ただでさえ貧しい年金が、いよいよ貧しくなるということが、いま問われている最大の問題だ」と指摘。

「わが党として、どうやって『マクロ経済スライド』を廃止し『減らない年金』にするのか、その財源をどこに求めるのか」についての一つの提案として、
▽ 年金保険料は、年収約1000万円が上限額となっているが、これを健康保険と同じ年収約2000万円まで引き上げる
▽ 高額所得者の年金給付の伸びを抑制する仕組みを導入する
――ことにより、毎年約1兆円の保険料収入が増え、それを「マクロ経済スライド」の廃止にあてるという「ごく常識的で、非常にシンプルな提案」をしたものだと述べました。

「総理からは私の提案に対する答えがまったくなかった。そして相変わらずの『マクロ経済スライド』の説明を繰り返し、私たちの『中止せよ』という提案を、また『ばかげた策』と言った」
と指摘。
「全体を通じて、貧しい年金をもっと下げようという、まさに『ばかげた政策』が『マクロ経済スライド』だということがはっきりした」
と強調しました。

 志位氏は「年金問題での政府の対応は言語道断だ」と述べると同時に、「批判とともに、どうやってこの貧しい年金を安心の年金にしていくかの対案を、野党の側も示さないと国民の期待にこたえることにならない。私たちとして責任をもって提起した」と語りました。

とんでもない勘違い首相の7兆円答弁

 会見で、志位氏は、首相が苦し紛れに、「日本共産党が、『マクロ経済スライド』を廃止するために7兆円が必要といった」かのような答弁を行ったことについて、「とんでもない勘違い」の答弁として、次のように述べました。
 なお、安倍首相は、何を勘違いしたんだかわかりませんが、わが党が『マクロ経済スライド』をなくすために7兆円が必要だと言ったかのような、とんでもない勘違いの、頭の中がとっちらかっている答弁をされました。私たちは、そんなことを一度も言っていません。

 私たちの7.5兆円の財源論というのは、党首討論での発言でも述べたように、『くらしに希望を――三つの提案』を全体としてパッケージで実行するために必要な財源論として提起しています。そのなかでの『低年金の底上げ』という課題を実行するために7000億円が必要となるという文脈との関係で、これまでの質疑のなかで、大企業や富裕層に応分の負担を求めるということをいってきましたが、今日、提起した『マクロ経済スライド』廃止のための財源論は、保険料収入を増やすという提案で、この筋とはまったく別の話なのです。

 首相は、まったく違う筋の話を急にもちだして苦しい答弁をしましたが、これはとんでもない勘違いの答弁なのです。

 もし『マクロ経済スライド』をなくすのに7兆円かかるということが本当だとすると、『マクロ経済スライド』によって7兆円の年金を奪うということになりますから、大変なことに本当はなるはずなのですが、そこらへんの矛盾はお構いなしのむちゃくちゃな答弁だったと思います。

しんぶん赤旗、2019年6月20日(木)
[党首討論]
「減らない年金」への具体的提案に首相まったく答えず
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-20/2019062002_01_1.html

 党首討論が行われたが論議は極めて低調だった。
 安倍首相は聞かれたことに答えない。
 政権を担う資格がないとしか言いようがない。
 党首討論が実施されるのは、昨年6月以来、ほぼ1年ぶり。
 何のための国会なのか。
 国会は主権者の代表者による議論の場である。
 その国会が議論を行わない。
 職務怠慢である。
 主権者は職務怠慢の国会議員を追放するべきである。
 国民の前に議論を公開するテレビでの国会中継もほとんど行われない。

 唯一、衆参両院の予算委員会と党首討論だけがテレビ中継されるが、これも、決定するのは国会の議院運営委員会である。
 議院運営委員会の委員多数を与党議員が占有するから、与党の意向でテレビ中継も十分に行われない。
 NHKが公共放送であると主張するのなら、NHKは視聴者の視点で国会中継を積極的に行うべきである。

 党首討論を1年に1度しか行わないことも異常である。
 しかも、討論の時間が短すぎる。
 安倍首相は質問を受けるのに、質問されたことに答えずに関係のない発言を繰り返し、時間を潰してしまう。
 見るに堪えない党首討論だ。
 党首討論の時間を3時間程度に拡大するべきだ。
 そして、発言時間については、ベルを鳴らして、均等にするべきだ。
 公正なルールを定めて、ルール厳守で党首討論を行うべきだ。

 公的年金の運用手法が2014年10月31日に変更された。
 リスク資産のウェイトが一気に引き上げられた。
 外貨運用、株式運用の比率が大幅に引き上げられたのだ。
 国内債券60%、国内株式12%、外国債券11%、外国株式12%だった資金配分比率を、
 国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%に変えた。
 国内債券での運用比率が60%から35%に引き下げられ、外貨での運用が40%、株式での運用が50%に変更された。

 その結果、2015年3月末の資金運用残高137.5兆円が2016年3月末には134.7兆円に減少してしまった。
 2018年3月末の運用資金残高は156.4兆円だったが、2018年末には151.4兆円に減少してしまった。
 昨年10−12月期には、わずか3ヶ月で15兆円もの損失を計上した。

 日本の年金制度は極めて貧弱である。
 しかも、年金保険料と年金給付額をバランスさせるために、今後年金を受給する者は、自分が支払った保険料分の年金さえ受け取ることができなくなる。
 財産権を保障しているなら、公的年金からの離脱を認めるべきだ。
 その資金を自分で管理して老後資金に充当する方が得になる。
 支払った年金保険料分の年金を受給できない制度は、脱退の自由があれば存立し得ない。
 しかし、日本では、その存立し得ない年金制度への加入を強制している。
「恐怖」によって年金制度への加入を強制するという、いびつな現実が存在している。

 その年金では老後の生活は成り立たない。
 金融庁のワーキング・グループによる報告書は、毎月21万円の年金を受け取ることができる夫婦が30年生存すると、2000万円の自己資金が必要になることを示したものだ。
 このモデルケースの生活支出を前提にすると、国民年金の加入者では不足資金が4680万円に達してしまう。
 無年金の夫婦では不足資金が9360万円に達する。
 金融庁報告書は、この現実を国民に知らせる効果を発揮した。

 麻生大臣が報告書を受け取っても受け取らなくても、この事実に変化は生じない。
 国民の老後生活はバラ色どころか真っ暗闇なのだ。
 このような日本政治の存続を許すのか、それとも、この日本政治を刷新するのか。
 この問いに判断を下すのが2019政治決戦である


植草一秀の『知られざる真実』2019年6月19日 (水)
安倍首相低調さと答弁拒否際だった党首討論
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-d4b651.html

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2019年06月19日

「1人で死ね」はやめようと書いた理由

川崎市で起きた児童ら20人の殺傷事件の後、「1人で死ねばいい」という言葉をめぐる論争が起きました。
そのきっかけとなった記事を書いたのは、生活困難者らの支援に取り組んできたNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典さんです。
「『1人で死ね』と言わないで」と呼びかけた真意を、藤田さんに聞きました。

― 藤田さんは、事件当日の昼に「1人で死ぬべきだ、という非難は控えて」というネット記事を配信しましたね。なぜですか。

藤田: 僕たちは年間約500件の相談を受けています。
 親との関係に悩んだり、精神疾患でつらい思いをしていたり。
『社会は助けてくれない』と孤立感を抱え、苦しい境遇にある人たちが大半です。
 事件をきっかけに『1人で死ぬべきだ』というメッセージが流れると、彼らは絶望を深め、自殺に誘導されてしまうのではないか。
 そう懸念し、すぐに記事を書きました。

― 無関係の人たちを犠牲にする悲惨な事件を起こした人物にも、「1人で死ねばいい」と怒ることはいけないのでしょうか。

藤田: 僕も『1人で死ね』という怒りは自然な感情だと思います。
 暴力は絶対に容認できない。
 強い言葉で非難したいという気持ちに駆られることは、よく分かります。
 しかし、その感情をそのままネットやテレビなどの公共空間に流し、このような言葉が積み重なれば、社会に憎悪が広がってしまいます。
 孤立感を抱く人たちは『やはり社会は何もしてくれない』と追い詰められるかもしれない。
『1人で死ねばいい』という言葉は、社会を分断するだけだと思います。

― 記事に対しては、賛同する人が多かった一方で、批判の声もあがりました。

藤田: 僕が考え込んでしまったのは、『怒りの感情に水を差してほしくない』『怒らせてほしい』という批判が多かったことでした。
 『被害者や遺族の気持ちを考えろ』『加害者を弁護するのか』という意見です。
 僕は犯罪被害者の遺族の支援もしてきましたが、ほとんどの遺族が語るのは『二度とこんな事件は起きてほしくない』『他の人に同じ悲しみを経験してほしくない』という言葉です。
『1人で死ね』という言葉が、遺族を代弁するものとは思えません。

― 藤田さんは記事の中で「次の凶行を生まないため」と書きましたが、孤立している人が追い詰められると暴力に及ぶという論理には、少し飛躍も感じます。

藤田: はい、僕も今回の事件は本当にレアケースだと思います。
 社会に絶望した人が凶行を起こすのは非常にまれです。
 ただ、もし今回の加害者にシンパシーを感じる人がいて、『1人で死ね』という言葉を受け取ったことで社会に不信感を募らせ、攻撃性を持たせてはいけない。
 そう考え、発信しようと思ったのです。
 しかし実際は、ひっそりと1人で命を絶ってしまう人が大半だと思います。

― なぜそう考えるようになったのですか。

藤田: 僕がやっている社会福祉学では、すべての命が社会にとって意味がある、と考えます。
 いま、社会に居場所がない、生きづらいと感じている人たちは、実は社会の欠点を一番よく分かっているのではないでしょうか。
 だから彼らの声を聞くことは、より良い社会へと変えていくためにとても大切なのです。
 例えば、身体障害のある人にとって街が出かけづらい場所である時、その不便さを解消すると、みんなにとって暮らしやすい街になります。
 生きづらさを抱える人たちは、社会を変える主体になりうるのです。
 こうした声を生かし社会構造や行政へ働きかけ、社会を変えていくことを『ソーシャルアクション』と言います。
 日本は海外に比べ、ソーシャルアクションが非常に少ない。
 ましてや、彼らを責め立てて死へ追い詰めるのはおかしいと思います。
 ただ日本では、生きづらさを感じる人が実は多数派なのではないでしょうか。
 その人たちが互いに攻撃し合って分断が深まっているように感じます。


― 川崎の事件後、元農林水産事務次官が「周囲に迷惑を掛けたくない」と、息子を殺害したとされる事件が起きました。「1人で死ね」という言葉の裏表のような事件にも見えます。

藤田: 恐れていたことが起きてしまったと思いました。
 彼は息子を『社会に害悪を与える存在』として捉えてしまったことに加え、第三者に助けも求められなかった。
 この事件も川崎の事件も、日本社会に根強い『一つだけの価値観』に苦しんだ末の犯行であるように思えてなりません。
 川崎の事件の容疑者は51歳、元次官の息子は44歳。
 日本では、その年代の男性なら『働いて稼ぎ、家族を持って実家には暮らさないもの』、『家庭問題は自己責任』という価値観が、いまだに社会規範のように捉えられています。

― なぜ、家庭の問題を第三者へ相談しづらい現状が生まれるのでしょうか。

藤田: 家庭問題は自分で解決すべきだという『規範』に縛られ、世間体を気にして助けを求められなくなってしまう、というのはあるでしょう。
 さらにこうした価値観は社会保障制度にも見られます。
勤労は美徳』という考えは日本でまだ強く、いわゆる現役世代の無職者への支援が手薄で、まず就労支援へ誘導します。
 さらに家族による扶養を優先し、自立のための公的な住宅補助は極めて限られているため、家族がその人の生活をまるごと抱え込まざるを得なくなります。
 家庭内暴力や、高齢の親が年金で子どもの生活支援をするという状況は、『家族の中で解決すべきだ』と追い立てられる中で起きてしまっています
 社会が支援し、家族に負担をかけないような制度へ改めるべきです。
 欧州には住宅手当を支給し、子どもが実家に頼らずに自立を模索できるような制度があります。

― 相談機関側の問題もあるのでしょうか。

藤田: 残念ながら相談機関への不信も強いのが現状です。
 社会保障制度のメニューが少ないため、相談に来てもらっても、実際に提示できる選択肢があまりないことが一因です。
 そして、ひきこもりの状態から無理やり引っぱり出したり、生活保護費の多くをむしりとったりするような、劣悪な支援団体も現実的に存在します。
 せっかく第三者へ助けを求めたのに、これでは次には相談したいとは思えなくさせています。

― 社会で支える制度は大切ですね。

藤田: 誰しも、社会で『認められたい』『居場所がほしい』という自己承認欲求を持っています。
 社会での疎外感が強いと、『自分は社会で価値がない人間だ』と思ってしまいます。
 それに対し、住宅手当などの公的支援は『あなたに生きてほしい』という社会のメッセージになるのです。
『勤労』でなく『生存』自体を価値と捉える制度にすることで、人は『生きていいんだ』と思えます。
 それが社会の信頼関係を取り戻すことにつながります


― では一連の事件に衝撃を受けた私たちはどうすればいいでしょうか。

藤田: 凶悪事件が起きた時の社会の受け取り方が、日本と海外では少し違うと思います。

 例えば2015年にパリでテロが起きた時、多くの人は『私たちの社会が起こしてしまった』と捉えました。
 しかし日本では、当事者やその家族、または行政に責任を求める風潮があります。


 そうなんだろうか、これは僕ら社会の問題じゃないだろうか、僕らも当事者ではないだろうか――というメッセージも、先日の記事では伝えたかったのです。
 感情的な強い言葉を発信しないだけでなく、事件の背景や社会の問題点を考え、僕たち一人ひとりは何ができるか考えること

 これが、悲劇を繰り返さない一歩になるのではないでしょうか。
 自分が大事にされていると思わなければ、他人を大事にすることは難しいのです。

朝日新聞、2019年6月19日20時00分
「1人で死ね」はやめようと書いた理由
藤田孝典さん

(聞き手・藤田さつき)
https://digital.asahi.com/articles/ASM6G4H4MM6GUPQJ00J.html

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原田ケンスケ

「若者の声を政治に」―この言葉は政治の世界で20年以上は繰り返されてきた。
 18歳選挙権への法改正後、政治の側もさまざまに若い世代へのアプローチを強化している。

 原田ケンスケは、いわばこれまでの「若者と政治をつなぐ」動きの中心にいた人物だ。
 学生時代からさまざまなNPOの立ち上げに携わり、若い世代と現役政治家とのつなぎ役として、誰よりも現場で汗を流す“ハラケン”と親しまれてきた。

 これまでの活動では、「中立であること」をモットーに、超党派の議員にバランスよく働きかけていた原田。
 しかし、今年1月、ついに彼は立憲民主党という「政党」に所属し、故郷である岡山で政治活動をスタートさせた。

 岡山の現場を回って感じた、現場ならではの壁。
 現在の「地方創生」への違和感。
 これまで追求してきたテーマである「若者と政治」だけではない、新たな課題と展望が見え始めた原田に、今現在の率直な想いを聞いた。

「若者と政治」の中心人物、「ハラケン」の原点

− 原田さんは学生団体ivoteやNPO法人YouthCreateを設立するなど、「若者と政治をつなぐ」活動フィールドではトップランナーといっていい存在です。これまでの活動の原動力を聞かせてください。

原田: なんだろう…子どもの頃から、とにかく周囲の人とわいわい話し合って、色々と企画を実行するのが好きだったんですよ(笑)
 中高時代に下宿していた寮でも自然に寮長になっていたし、体育祭とかでも、実行委員長とかやっちゃうタイプで。
 先生側が一方的になくそうとした部活対抗リレーを、全校生徒にアンケートをとることで存続させたりしました。
 学生時代のことなんで、他愛もないことも多かったですが、自分が「おかしいな」と思ったら、他の人の意見も聞いてみる。
 そしてそこから共通の課題が浮かび上がれば、改善するためのアクションをする。
 そうすれば、「変わらない」と言われているたいていの物事も動かせる。
 そういう感覚は昔からありましたね。

議員事務所インターンで感じた違和感。オバマの大統領選がヒントに

− 大学で若者と政治をつなぐ活動を始めたきっかけは?

原田: 最初は、せっかく大学で東京に出てきたんだから、大きなところで「政治」に触れてみたいなって、国会議員の事務所でインターンを始めました。
 当時の自分にとっての政治家は、「寮長のすげえでかい版」くらいの意識でした(笑)
 ただ、その時後期高齢者の医療制度の議論のされ方に違和感を感じて。
 社会保障っていうのは、若者にも高齢者にも同じように関係する話なはずなのに、そこに若い世代の意見が不在だった。
 そのまま議論が進んじゃうことがすごく変に感じて。

− その違和感はその後、どういう行動につながりましたか?

原田: 2008年、オバマ大統領が誕生した選挙戦があった。
 報道を見ていると、黒人初の大統領ができるかもしれないと、若者がすげえ盛り上がってるわけですよね。
 当時は日本でもいよいよ初の本格的な政権交代が起こるかもれない、という時期。
 なのに、日本の若い人たちは盛り上がりがない。
 調べてみると、アメリカは若者と政治を繋げる団体がいっぱいある。
 だから、どの政党が良いとか、政権交代目云々以前に、まずは若者が投票に行くような文化を作ろう、と活動をスタートしました。

「自民党と参議院は何が違うんですか?」−−政治に関心ない若者にもアプローチ

− 印象に残っている企画は何でしょう?

原田: 一番記憶に残ってるのは、「居酒屋ivote」です。
 普通の3000円飲み放題みたいな居酒屋に、学生40人くらいと各党の国会議員5人くらいに来てもらって、飲むだけの企画。
 こういうことをすると、政治に興味がない同世代も来てくれるんですよ。
「飲むだけなら難しそうじゃないし、ちょっといってみようか」って。
 そこで初めて「政治も人間が動かしているものなんだ」と気づくんです。

− 同世代の参加者からの反応はどうでしたか?

原田: 国会議員に、「自民党と参議院は何が違うんですか」って質問した参加者もいたなあ(笑)
 でも、僕はそういう人が来てくれたのが嬉しかった。
 環境問題とか貧困とかの他の分野では感度が高くても、政治には疎いって人は多い。
 だったら、それを嘆くんじゃなくて、有効なアプローチを考えればいい
 政治の話にちょっと付き合ってくれる素地は、どんな人にでもあるんです。
 深い話まではできないけど、「なんか政治気になるよね」とか「俺らどうせ年金もらえないっしょ」みたいな声は出てくる。
 ピシっとスーツ着て、有名な政治家呼んで講演会します、といった団体はすでに各大学にあって、それはそれで大切な活動です。
 でも、政治に関心がない人への広がりはない。
 相手に「こうあるべき」という主義主張を押し付けるんじゃなくて、「こうありたい、こうあってほしい」という思いをくみ取って、形にしていくことの大切さを学びました。

「若者の政治離れ」ではなく「政治の若者離れ」

− ハラケンさんは「若者の政治離れ」ではなく「政治の若者離れ」という言い方を各所でしています。その意図は?

原田: 一般的には「若者の政治離れ」という単語が使われるけど、それって若者が悪い感じがしませんか?
 若者が政治から離れていったみたいに聞こえる。
 いやいや、政治側がそもそも変わってないだけだろう、って突っ込みたくなる。
 この何十年間、政治側は若者に、自分たちの活動について知ってもらおうとか、若者が政治に関心を持つような教育とかをほぼやってきてない。
 それって政治が勝手に若者のニーズを逃してるってことですよね。
 自動車メーカーに例えれば、50年間同じ車を出して売れるわけがない。
 これは政治側の怠慢だと思う。

子育て世代の行き場のない想いを、行政につないだ

− 最近では、子育て世代が政治にどう関われるかが分かる冊子を作っていましたね。

原田: 5年くらい前から同世代の友人が結婚してお子さんを持って、「子どもができたらどの街に住めばいいの?」とか、「次の選挙で誰に入れれば子どもの将来、今後の日本良くなるの?」といったことを聞いてくるようになりました。
 子育ては政治に関心を持つタイミングです。
 生まれた子どもの将来を考えて、関心を持たざるを得ないんだけど、政治のことは良く知らないし、誰も教えてくれない。
 そこで、子育て世代と社会を繋ぐ活動をしているKURASORUという団体と一緒に、「子育てと政治をつないだら」という冊子を作りました。
 1冊目は子育てに関する政治の動きと税の使われ方とかを解説したハンドブック。
 2冊目はどうやって政治や行政に声を届ければよいのか分かる実践事例を紹介した上で、いま自分にできるアクションを見つけるワークブックです。

− 反響はどうでしたか?

原田: 実際に自治体窓口に、育児環境についてクレームじゃないかたちで「こう思ってるけどどうでしょう」と届けにいったら、結局現状は変わらなかったけど、窓口の人が真摯に話を聞いてくれて、嬉しかったという声がありました。
 やっぱり、特に都市部では「なんで保育園が十分にないんだ」っていう怒りはあると思うんですよね。
 でも、怒りを怒りのまま「政治ダメだよね」ってぶつけても、社会が変わるとは限らない。
 行き場を見失った「怒り」を、行政との建設的な関係づくりに変換する視点が必要とされてるんだ、と思いました。
 大きな問題ほどすぐさま解決には繋がらないけど、行政窓口に話をしに行った人は話をきちんと聞いてもらえて、これらか先に進みそうな第一歩を踏み出せた、と感じたから嬉しかったんでしょう。
 地方行政の場で、このモデルを作れたのはとても良かったです。

立憲民主党に賭ける

− これまでは政治的には中立な立場で活動してきたハラケンさんが、なぜ今回、立憲民主党から政治家を目指そうと決めたのですか?

原田: これまでの活動の根底には、国債が積み増していき、次の世代の人たちが受け取れる社会保障が減っていく事態を何とかしたい、という思いがありました。
 でもこの10年間、改善されなかった。
 現在の政治は社会保障について、リスクや負担の分かち合いを正面から取り上げない。
 しかも若者は政治への関心が薄いから、結果的に社会全体での議論が先延ばしされてしまっているように見えます。

− 立憲民主党ではなく、与党側から出るという選択肢はなかったですか?

原田: 他の政党でも、若者参画政策や若者支援政策の議論が進んできています。
 けれど昨年、自民党の若手議員たちが政策を発表した中で、「こども保険」という提言がありました。
 これは社会保険料率を上げて、教育無償化の財源にしようという構想です。
 そうではなくて、社会全体で子育てをしようとするならば、老いも若きも、負担は平等にする、という価値転換への問いかけから逃げているように感じてしまいました

− 立憲民主党の理念は、ハラケンさんが共感するところが大きかった?

原田: そうです。
 子育て世代を支えるために社会で負担を分かち合わないと、昭和のように右肩上がりではないこの時代、持続可能な発展は見込めない、という立憲民主党の考えに共鳴しています。
 これまでは弱かった、若者の立場を起点にした声を上げていくことで、社会全体で健全な議論ができるはず。
 だから政治方針のひとつに、「若者の力を強くする」を掲げています。

「立場の違い」を対話のスタート地点に

− とはいえ、政治活動で語りかける対象の年齢層は幅広いはずです。ハラケンさんのその理念に対して、反応はどうですか?

原田: 実際に岡山県内を回っていると、「若者ばかりでなく高齢者のことも考えて」とご意見をくださる方がたくさんいます。
 でも、僕としてはそのつもりなんです。
 高齢社会で増える医療や介護のニーズに、働き手としてこたえられる若い世代が暮らしやすい社会は、その労働力に支えられる高齢者にとっても良い社会のはずです。
 たとえば岡山県でも公共交通機関の縮小は、自家用車を運転できない高齢者にとって死活問題ですし、地方活性化のためにも活路を見出さないといけない重要課題です。
 公共交通機関での自動運転など、もっとテクノロジーを活用していく必要がありますが、これにも若者の力が役立つと思います。

− 世代を超えた対話は難しそうに思えます。

原田: 世代間のさまざまな違いは一見「対立」に見えるけれど、僕はチャンスだと思うんです。
 高齢者と若者の意見、どちらが正しいかなんて、簡単には言えない。
 だから「対立」に見えることが起こったら、そこを若者を含むいろんな世代が政治をより良くするための対話のスタート地点にすべきなんです。
 若者の政治参加は、若者世代の利益を代弁して、より有利になるための手段じゃない
 これまでは政治に取り入れられにくかった若者の声も入れば、次の世代に責任をもつ議論がもっとできる、ということです。

ハラケンから見た「地方創生」の限界

− 県内各地を回られて、現在の「地方創生」についてどう考えていますか?

原田: 競争主義に陥っていて、自治体間の連携がとれなくなっている。
 たとえば、合計特殊出生率目標をはじめとする目標を定めた計画を出しなさいと言われ、それが認められれば、補助金がおりる制度です。
 だから「隣の自治体が教育無償化したらうちも」とか、財源の議論を無視して子育て政策がチキンゲームになっている。
 特に自治体間の連携の欠如を痛感したのは、昨年の西日本豪雨の被災です。
 国と地方の役割分担が課題に挙がっています。
 たとえば独居高齢者がどこに住んでいるか、自治会に渡しておくとか、についてどこまで共有してよいとするのか決まっておらず、それがもとで被災者が増えてしまったそうです。
 地方分権はもちろん良いのですが、国が最低限の基準や枠組みを示しておくべきだと思います。

− 課題にはどんなものがあるでしょうか?

原田: 岡山市や倉敷市以外では、やはり人口流出への危機感が強いです。
 若者の雇用の場がないのはもちろんですが、教育機関の少なさも、子育て世代が出て行く、かつ流入がない要因になっている。
 岡山県の瀬戸内海沿いは太平洋ベルトの一部で、重工業が集積していますが、近年は海外の新興国の勢いに押されています。
 県北は農業が中心ですが、衰退の克服が課題です。

地方創生のその先へ−−付加価値型への転換は地方から

− 岡山の伸びしろ、可能性はどこにあると考えていますか?

原田: いま注目しているのが、岡山県最北端の西粟倉村です。
「平成の大合併」のさなかでも合併せず、独立した村として自立を選んだ村です。
 林業が盛んで、村の面積の95%が森林。
 人口1500人ほどのうち、移住者が200人もいるんです。
 しかも1990年のピーク以降人口は減り続けていたのに、2017年には人口増に転じました。

− なぜ、そんなにその地域は元気なのでしょう?

原田: 地元の資源である林業を生かし、外部の人を積極的に受け入れているんです。
 もともと林業は職人の世界で、シロウトが口を挟める所ではなかった。
 でも林業の6次産業化、県外からの移住起業支援をして、人をどんどん呼び込んだ。
 たとえば木材家具は、購入先にまで届ける物流費が高いことが課題でした。
 でもぎりぎり宅急便で送れるサイズにして、物流経費を大きく下げるなど工夫しています。
 これまでの林業関係者だけではなかなか思いつかないことを実現しているんです。
 新興国の台頭で、日本はただ安いモノを作るだけでは経済が成立しなくなっています。
 地域に合った産業で、ほかとの差別化が必要になってきている。
 西粟倉村のような、今までになかった発想を取り入れることは、ほかの地域にも広げていきたいし、岡山県の風土は日本全体から見ても平均的だから、岡山でできれば全国に広げていけるのではないかな。

「新しい時代に、新しい政治を」の意味

− キャッチフレーズの「新しい時代に、新しい政治を」に込めた意図は?

原田: 政治への信頼が、多様な世代の議論による政策づくり、つまり「新しい時代」に必要不可欠ということです。
 今まで政治に対して市民が何を求めていたかと言うと、具体的に言ってしまえば自分の街に高速道路を通してくれることだったわけですよね。
 目に見える利益を自分たちのもとに持ってきてくれるのが、政治家だった。
 でも、今は明確にそんな時代じゃない。
 多少は道路やリニアができるかもしれないけど、少子高齢化の成熟社会では、政治が何かを明確に与えてくれる存在ではなくなっていく。
 これまでの延長ではない新たな発想を持たなければならない。
 見方によっては、社会保障が成り立たないから税金を上げるとか、政治は自分たちから何かを奪っていく存在にも見えます。
 少ない財源をやりくりし、最大限の効果を出すには、政治は市民から信頼され、ともに社会をつくるパートナーだと意識しないといけない。それには情報公開が必須だし、負担が増えるかもしれない、といった苦しい説明もきちんとする必要があります。


− 今後の活動の展望は?

原田: 僕らの活動は今まで市民活動として小さなものだったけど、居酒屋ivoteや子育て世代向けの冊子づくりといった経験を応用したら、もっともっと国政に市民の意見を取り入れられると思う。
 僕の国政進出のミッションである、世代間をつなぐ対話の場づくりは、新たな挑戦です。
 これからもっと岡山の人たちの話を聞き、自分の経験を活かす方法を考えていきたいです。

※ 原田ケンスケ KENSUKE HARADA

 1986年岡山県津山市生まれ。倉敷市立万寿東小学校、愛媛県愛光中学、愛光高校、東京大学法学部卒。20代の投票率向上を目指し、在学中に学生団体ivoteを創設。卒業後の2012年には、インターネット選挙運動解禁を目指して「OneVoiceCampaign」を展開した。同年設立したNPO法人YouthCreateでは「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。地方議員と若者の交流会「VotersBar」を始め、現在も全国で展開中。
 2014年衆議院選挙時には、有権者がTwitterで政党に質問できる「ASK NIPPON 2014」を手掛けた。全国約70の中学、高校で1万人以上の10代に主権者教育の出前授業を実施。選挙権の18歳への引き下げに向けて文科省と総務省が国内の全高校生に配布した副教材の執筆にも携わった。同年から地元の岡山大学で実践デモクラティックラーニングの講師として、大学生の主権者教育を進めた。
 プライベートでは海外にも観戦に行くほどのサッカー好き。バックパック旅行ではバルカン半島、中東、南アジアなど30ヶ国をめぐった。

[動画]
今年2019年1月、岡山市内で行われた記者会見の様子

[写真-1]
「居酒屋ivote」で、各党の国会議員と。右から3番目が21歳のころの原田

[写真-2]
大学を卒業してからもNPOを立ち上げ、若者の政治参加について活動、発信を続けてきた。写真は若者力大賞受賞式で、それまでの取り組みについて講演している様子

[写真-3]
西粟倉村の視察

立憲民主党・インタビュー、2019年6月5日
「若者の政治参加」のその先へ−−
政治NPOのトップランナーが、故郷・岡山から国政へ挑む

https://cdp-japan.jp/interview/29


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2019年06月18日

ダメな安倍内閣によく似合うダメな国民ではダメだ

 2019年6月11日(火)に「TPPプラスを許さない!全国共同行動」主催の院内緊急集会「STOP!日米FTA−わたしたちの暮らしを守ろう−」が開かれた。
 第1部で金子勝氏と孫崎享氏による講演が行われ、第2部では安田節子氏に加わってくださり、パネルディスカッションが行われた。
 私は第2部でコーディネーターを務めさせていただいた。

 第1部では、まず孫崎享(東アジア共同体研究所所長)氏が「日米通商交渉をどうみるか」と題して、現在の日本と米国の政治状況の分析をもとに本年夏以降の日米合意可能性について話された。
 5月の安倍・トランプ首脳会談後に、トランプ大統領が農産物の関税引き下げを含む日米協議を8月に妥結させる意向を示した。
 孫崎氏は現在の日米交渉が最悪の組み合わせになっていることを指摘した。

 最悪の組み合わせとは、
 日本からむしり取れるものはすべてむしり取ろうとする米国大統領と、
 米国から要求されれば、何の抵抗も示さずに言いなりになって何でも差し出す日本の首相、
という組み合わせだ。


 米中の貿易戦争が勃発しているが、技術面ではすでに中国が米国を凌駕していることが客観的データに寄って裏付けられている。
 その経済の現実を覆い隠すために、米国が「政治力」で中国を抑圧しようとしているのが現状であるとの認識が示された。

 世界秩序は大きく変化している。
 安倍政権はその変化に目を向けることなく米国に追従し続け、官僚機構はこれに盲従し、メディアは安倍支持への偏向を続け、経済界が追随する。
 しかし、根源的には日本の国民の責任が大きいわけで、ダメな安倍内閣によく似合うダメな日本国民という図式が成立してしまっているのではないか。

 孫崎氏は日本全体の現在の風潮、空気全体を厳しく指弾した。
 日米同盟=米国の核の傘という「信仰」が存在するが、これも現実妥当性を失っている
 世界情勢の変化を直視することが重要だと指摘した。

 立教大学大学院特任教授の金子勝氏は、交渉能力のない日本政府が日米貿易交渉において譲歩を重ね、食の安全や農業を危機に陥れる恐れがあると指摘された。
 金子氏は、現在の状況が第二次世界大戦前と酷似していることを指摘した。
 ポピュリズムの象徴と言えるトランプ大統領が危機の象徴である、とした。
 関税引き上げ、ドル切り下げが進行するに連れて貿易も縮小していく。
 また情報通信分野においては、米国企業のプレゼンスが大幅に低下している現実がある。

 日本は旧産業・企業を重視し続けているが、日本企業の凋落は目を覆うばかりである。
 日本政府が米国に組み込まれ続ける対応を続ければ、日本産業が崩落することは間違いない。


 同時に、大規模化一辺倒の日本の農業政策が日本農業の力を低下させ続けている。
 これからは、拠点に集中するのではなく、分散型の持続可能なネットワークを構築する必要があると提言した。

 第2部のパネルディスカッションでは、安田節子氏が、
「日本はGATTウルグアイラウンド交渉以来、譲歩を重ねてきており、とりわけ安倍内閣は国内での規制緩和を率先して推進している」
と指摘された。

 トランプ米国大統領は日本に対して、TPP以上の譲歩を求めており、日本政府はこれまで聖域とされた重要5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物)の輸入拡大とともにGMO、食品添加物、農薬などにおける安全性にかかる規制緩和を積極的に推進している。

 食の安全に関する米国の主張は「科学主義」に基づいているが、食の問題への対応に必要な基本姿勢は「予防原則」である

 米国流の「科学主義」に基づく対応を日本政府が採用してしまっており、日本の食の安全が完全に崩壊しつつある
 安田氏はこの点への強い警戒を呼びかけた。

 安田氏はさらに、
日本での農薬使用量は世界最高水準に達しており、国民の命が侵されている。全耕地面積の0.5%でしかない有機農業を拡大し、日本は有機農業立国を目指すべきだ。そのために、まず、食品の農薬使用を表示させる必要があると訴えた。この主張は荒唐無稽だと批判されたが、現実にフランスで農薬使用を表示する法案が上院に提出されており、同じ考えを持つ人々が世界に存在することに勇気づけられた」
と述べた。

 現実は危機的であるが、ものごとを真剣に考え、現実を是正するために行動する者が存在する。
 運動を継続して、日本政府の間違った対応を正してゆかねばならない。


植草一秀の『知られざる真実』、2019年6月17日 (月)
ダメな安倍内閣によく似合うダメな国民ではダメだ
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-541cea.html

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石油利権

 安倍晋三首相がイランの最高指導者アリー・ホセイニー・ハメネイと会談した6月13日、2隻のタンカーがオマーン沖で攻撃を受けたという。
 日本の国華産業が運行する「コクカ・カレイジャス」(パナマ船籍)とノルウェーのフロントラインが所有する「フロント・アルタイル」(マーシャル諸島船籍)で、前者は魚雷、後者は磁気機雷によるもので、タンカーの乗組員44名はイランの救助隊に救助され、ジャースク港に移送されたと伝えられている。

 イランを安倍首相が訪問した主な目的はドナルド・トランプ米大統領のメッセージをイラン側へ渡すことにあったのだろうが、ホルムズ海峡を経由して運ばれる石油への依存度が高い日本の懸念も伝えたようだ。

 1908年にペルシャ(現在のイラン)で石油が発見されるとイギリス支配層はAPOC(アングロ・ペルシャ石油)を創設、利権を手にした。
 1919年にイギリスはペルシャを保護国にする。

 1921年にはレザー・ハーンがテヘランを占領、その4年後にカージャール朝を廃して王位についた。
 これがパーレビ朝のはじまりである。
 この新王朝を介してイギリスはペルシャを支配した。

 1935年に国名がペルシャからイランへ変更、それにともなってAPOCはAIOC(アングロ・イラニアン石油)になる。
 名称に関係なく、イギリスの支配層がイランの石油で儲けるための会社だ。

 イギリスはパーレビ朝を利用してペルシャの石油を支配したのだが、その仕組みが第2次世界大戦後、1950年代に入ると揺らぐ。
 イギリスによる収奪に対する不満が高まり、1951年にムハマド・モサデクが首相に選ばれた後、議会ではAIOCの国有化を決める。
 その直後にアバダーン油田が接収された。

 しかし、イギリスの圧力でモサデクは翌年に辞任するが、庶民の怒りを買うことになって5日後にはモサデクが再び首相になった。
 その間、AIOCは石油の生産と輸送を止めて抵抗している。

 現在、トランプ政権は似たようなことを実行している。
 イラン産原油の輸送を止めるため、消費国に買うなと命令したのだ。
 が、それが困難な国も存在する。
 そこで日本、韓国、トルコ、中国、インド、台湾、イタリア、ギリシャに対してアメリカ政府は猶予期間を設定したが、それが時間切れになる。
 中国はイランからの石油輸入を続けそうだが、他の国はアメリカからの圧力に抗しきれないかもしれない。

 今回のタンカーに対する攻撃についてマイク・ポンペオ国務長官はイランが実行したと非難したが、例によって証拠は示していない。
 単なる「お告げ」だ。

 この攻撃はネオコンの拠点と言われる​ブルッキングス研究所が2009年に出した報告書​に基づいていると指摘する人もいる。
 アメリカ軍による空爆を正当化するイランによる挑発を示せれば良いのだが、この報告にも書かれているように、世界の人びとに気づかれず、イランにそうした行為をさせるよう仕向けることは非常に難しい

 ​そうした難しい工作は2015年に合意されたJCPOA(包括的合意作業計画)から始まるとする見方​がある。
 アメリカ大統領だったバラク・オバマがこの作業計画に参加したのは、アメリカがイランの核開発を巡る対立を平和的に解決しようとしているとアピールするためだというのだ。

 オバマはポール・ウォルフォウィッツが口にしていた侵略計画に基づき、2011年春にリビアとシリアを侵略する。
 使われたのはサラフ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵(アル・カイダ系武装グループ)。

 ウォルフォウィッツを含むネオコンが1980年代から考えていた計画はイラクのサダム・フセイン体制を倒して親イスラエル国を築いてシリアとイランを分断、次にシリア、最後にイランを制圧するというものだ。

 2001年9月、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された直後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺ではイラク、シリア、イランのほか、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンが攻撃予定国に加えられる。

 リビアが狙われた理由として石油利権が指摘されているが、それ以上に大きな理由は、ムアンマル・アル・カダフィがアフリカを欧米から独立させるために独自の通貨(金貨)を導入する計画を立てていたことにあると言われている。

 オバマはネオコンの計画に従って動いていた。
 そのネオコンはロシアを再支配するだけでなく、イラン制圧を予定していたのだ。
 6月13日のタンカー攻撃が誰の利益になるかは明白だろう。


櫻井ジャーナル、2019.06.14 14:34:28
安倍首相がイランを訪問している最中に引き起こされたタンカー攻撃
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201906130000/

 オマーン沖で攻撃されたタンカーのうち国華産業が運行する「コクカ・カレイジャス」は魚雷、ノルウェーのフロントラインが所有する「フロント・アルタイル」は磁気機雷に攻撃されたと報道されていたが、国華産業の堅田豊社長は6月14に開かれた記者会見の席上、​2発目の攻撃の際に乗組員が「飛来物」を目撃していた​ことを明らかにした。
「間違いなく機雷や魚雷ではない」という。

 ドナルド・トランプ政権に限らず、アメリカの政府はこうした際、詳しい調査を行わずに断定的な主張を繰り返す。
 証拠を明らかにしないことも少なくないが、明らかにしても怪しげなものだ。
 2003年にイラクを先制攻撃する前、ジョージ・W・ブッシュ政権は「大量破壊兵器」の脅威を宣伝、証拠らしきものを示していたが、すべてインチキだった。

 今回、トランプ政権も似たことを行っている。
 その宣伝活動で中心的な役割を果たしているのはマイク・ポンペオ国務長官だが、この人物、​自分が嘘つきだということを公言​している。

 6月には重要な集まりが続く。
 すでに終了しているが、6月6日から7日にかけてはサンクトペテルブルクで国際経済フォーラムが開催されてロシアと中国とのつながりを再確認させ、6月14日から15日にかけては中国とロシアを中心とするSCOの首脳会談がキルギス共和国で開かれている。
 そして6月28日から29日にかけては大阪でG20首脳会議。
 6月13日には安倍晋三首相がイランの最高指導者アリー・ホセイニー・ハメネイと会談している。

 イランとの関係を深めているロシアや中国が存在感を示す会合や催しにぶつけるようなタイミングでタンカーへの攻撃は引き起こされた。

 本ブログでも紹介したが、ネオコンの拠点と言われる​ブルッキングス研究所が2009年に出した報告書​には、アメリカ軍による空爆を正当化するイランによる挑発をどのように実行するべきかが書かれている。
 世界の人びとに気づかれず、イランが挑発しているように見える演出をするということだ。

 今回もそうしたシナリオに沿った動きをポンペイたちは実行しているように見えるが、過去のこともあり、見え見え。
 以前ならアメリカを恐れて騙されたふりをする国が大半だったろうが、今は情況が違う。
 アメリカ中央軍が公表した「証拠写真」を証拠として不十分だとドイツの外相にも言われている。


櫻井ジャーナル、2019.06.15 12:59:53
米政府はタンカー攻撃で反イランの宣伝を始めたが早くもほころび
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201906150000/

 オマーン沖で攻撃された国華産業が運行する「コクカ・カレイジャス」(パナマ船籍)から機雷を除去している「イランの船員」を撮影したという映像をアメリカ中央軍が公表したが、本ブログでも伝えたように、国華産業の堅田豊社長は6月14に開かれた記者会見の席上、​攻撃の際に乗組員が「飛来物」を目撃していた​ことを明らかにし、「間違いなく機雷や魚雷ではない」と語っている。
 今後、アメリカからの圧力で証言が変わる可能性もあるが、14日に行われた証言の重要度は揺るがない。

 公表した「証拠写真」について、​ドイツの外相も証拠として不十分だと語り​、国連事務総長は真に独立した調査が必要だとしている。
 アメリカ政府に同調、主要国の中でイランを非難しているのはイギリス位だろう。

 イギリスは2003年3月にアメリカ主導軍がイラクを戦略する際にも協力していた。
 この攻撃はアメリカの統合参謀本部でも大義がない上作戦が無謀だとして反対意見が強く、予定された2002年には実行できなかったと言われている。

 そうした中、2002年9月にイギリスのトニー・ブレア政権は「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書、いわゆる「9月文書」を作成、その中でイラクは45分でそうした兵器を使用できると主張する。
 その直後に文書の内容がリークされ、サン紙は「破滅から45分のイギリス人」というタイトルの記事を掲載した。
 開戦の後押しだ。

 この報告書をアメリカのコリン・パウエル国務長官は絶賛していたが、大学院生の論文を無断引用したもので内容もイラクの脅威を正当化するために改竄されていたことが後にわかる。
 それでも強引にジョージ・W・ブッシュ政権は戦争を始めた。
 1980年代からネオコンが主張していたことが実行されたのである。

 そうした実態はすぐ明るみに出された。
 BBCの記者だったアンドリュー・ギリガンは2003年5月29日、ラジオ番組で「9月文書」は粉飾されていると語る。
 さらに、サンデー・オン・メール紙でアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したと主張した。

 ギリガンが「45分話」の疑惑を語って間もなく、彼の情報源が国防省で生物兵器を担当しているデイビッド・ケリーだということがリークされる。
 実際、2003年5月22日にギリガンとロンドンのホテルで会っていた。
 そのためケリーは7月15日に外務特別委員会へ呼び出され、17日に死亡した。
 今でも他殺だと考える人は少なくない。


櫻井ジャーナル、2019.06.16 13:11:54
タンカー攻撃で米国に同調している英国はイラクへの侵略でも米国に協力していた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201906160000/

 オマーン沖でタンカーを攻撃したのはイランだとアメリカ政府は批判、イギリス政府が同調しているのだが、証拠はない。
 ドイツの外相や国連事務総長がイラン批判に参加しないのはアメリカの支配層が信頼されていないからだ。

 世界制覇を目指すネオコンは支配の重要な要素であるエネルギー資源を独占するため、中東を制圧しようとしてきた。
 その手始めとしてイラクのサダム・フセイン体制を倒そうとしたのだ。
 これは1980年代に言われていた。

 フセイン体制を倒してイラクに親イスラエル国を築き、トルコ、イラク、ヨルダンという親イスラエル国帯を作り上げようとしたのである。
 当時、トルコは親イスラエルと見なされていた。
 この帯で自立志向の強かったシリアとイランを分断、両国を個別撃破するということだ。

 ベンヤミン・ネタニヤフを含む大イスラエルを目指す勢力にとってもイランは制圧の重要なターゲット。
 宗教的なライバルであるサウジアラビアもイランの破壊を目指している。

 ドナルド・トランプ政権はイランを倒すために同国の石油輸出を阻止しようと考え、世界の国々を脅している。
 イランの石油をホルムズ海峡から外へ出さないということだろうが、イランはアメリカがイラン産原油の輸出を阻止するなら、ペルシャ湾から石油を誰も運び出せなくすると警告している。

 イラクでの経験から考え、​イランを占領するためにアメリカ軍は約240万人を導入する必要があるとも推計​されている
 予備役を投入してもアメリカ軍にそれだけの戦力はない。
 核攻撃で破壊するという手段もあるが、そうなると人類の存続が問題になる。

 アメリカ軍がイラン占領を目指さなくてもペルシャ湾からの石油輸出は難しくなるだろうが、それだけでなくサウジアラビアなども無傷ではいられない。
 当然、原油相場は暴騰する。

 中東から石油が手に入らなくなり、価格が暴騰するとアメリカの石油産業が復活するという見方がある。
 コストの高いアメリカのシェール・ガスやシェール・オイルがビジネスになるということだが、こうした展開はロシアも経済的に潤す。
 ベネズエラの石油をアメリカが支配できていれば、アメリカの立場はさらに強くなっただろうが、これは失敗した。

 言うまでもなく、原油価格が高騰すれば石油を使う産業はダメージを受け、アメリカ社会も大きな影響を免れない。


櫻井ジャーナル、2019.06.16 18:00:06
ホルムズ海峡周辺での戦乱で原油価格が高騰、米石油産業が潤っても社会は崩壊
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201906160001/

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ホルムズ湾タンカー攻撃

「アメリカとイランの橋渡しができるのは世界で安倍首相だけ」という掛け声は、一体なんだったのか──。
 関係が悪化しているトランプ大統領とイランを仲立ちすべく、2019年6月13日、イランの最高指導者・ハメネイ師と会談をおこなった安倍首相だが、またしても「外交の安倍」なる看板が羊頭狗肉にすぎないことを世界中に知らしめてしまった。
 何しろ、何の成果も示せなかったばかりか、会談とタイミングを合わせたかのように、日本の海運会社が運航するタンカーがホルムズ海峡で砲撃を受けるという事件が起こったのだ。
 この事件についてアメリカのポンペオ国務長官は、「米政府はイランが攻撃の背後にいたと判断している」として、「日本に対する侮辱だ」と語った。

 一方、イランのザリフ外相は、
〈米国が一切の物的証拠も状況証拠もなく即座にイランを非難したことは、安倍晋三首相によるものも含め、Bチームが妨害外交というプランBに動き、イランに対する経済テロを隠蔽しようとしていることを明確に示している〉
とTwitterに投稿。
 「Bチーム」とは、ジョン・ボルトン米大統領補佐官やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、アブダビ首長国のムハンマド・ビン・ザイド皇太子を指すもので、5月にもザリフ外相は、
「『Bチーム』が米国に戦争をさせようとしている。自殺行為だ」
として非難していた。
 今回の安倍首相の「伝書鳩」外交を、ザリフ外相は「Bチーム」の妨害外交のひとつと見なしているようなのだ。
(【6月16日編集部追記】その後ザリフ氏は「いくつかの誤解を説明する必要がある」として〈#B_Team is sabotaging diplomacy (including important and constructive visit of PM @AbeShinzo〉「Bチームは(安倍首相の重要かつ建設的なイラン訪問を含む)外交を妨害している」とツイートを修正)

 現段階ではタンカー攻撃に本当にイランが関与していたかどうかは断定できないし、ポンペオのコメントはイラン攻撃の口実に利用しただけかもしれないが、少なくとも、安倍首相のイラン訪問がアメリカとイランの関係修復に何の役にも立たなかったことは間違いない。
 それは安倍首相との会談後、ハメネイ師がTwitterにこんな投稿を連投したことからも明らかだ。

〈我々は、安倍晋三の善意と真剣さは疑いません。しかし、あなたが米大統領から伝えられたことについていえば、私はトランプをメッセージのやり取りをするにふさわしい相手とは思っていない。トランプへの返答はありませんし、彼に答えるつもりもありません〉
〈安倍晋三氏よ、アメリカ大統領は数日前にあなたと会って、イランについても話した。しかし、日本から帰国した後、彼はすぐにイランの石油化学産業に制裁を科しました。これが誠実なメッセージですか? これで彼が嘘偽りのない交渉をする気があるということが示されると?〉
〈安倍晋三氏よ、あなたは、トランプは米国との交渉がイランの進歩につながるだろうと話していたと、そう言いましたね。我々の進歩は、交渉や制裁解除がなくとも、神の恵みによってなされゆくのです〉

 トランプ大統領の「伝書鳩」として赴いたのに、ゼロ回答どころか、ハメネイ師の怒りを可視化してしまった安倍首相。
 しかも、笑うに笑えないのは、この「伝書鳩」役はトランプに押し付けられたわけではなく、安倍首相から手を挙げて立候補したものであるということだ。
 なんと、2016年にトランプが大統領に就任する前にはじめて会談した際、安倍首相は「自分ならハメネイ師に会うことができる」と持ちかけ、トランプも「そうなのか、ハメネイ師に会えるのか」と返答したのだという(朝日新聞デジタル11日付)。
 つまり、原油の輸入国として長く友好を築いてきた日本とイランとの関係を、安倍首相はトランプに取り入るためのカードとして最初から用意していたのである。

 ところが、その結果はご覧の通り、ものの見事に玉砕。
 いや、それどころか、安倍首相がトランプの代弁者として振る舞った結果、築き上げた日本とイランの友好関係にもヒビが入った可能性さえあるだろう。

 さらに悲惨なのは、安倍首相とハメネイ師の会談直前に、米財務省がイラン関連企業などへの追加制裁を発表したこと。
 ようするに、安倍首相は当のトランプ大統領から梯子を外されてしまった、というわけだ。

安倍は「トランプへの返答はないし、答えるつもりもない」とあしらわれたのに岩田記者は

 そもそも、アメリカとイランの関係は、トランプ大統領が、イランが核開発を制限する見返りに経済制裁を一部解除した多国間合意から一方的に離脱したことで一気に緊迫化した。
 オバマ前大統領が取り付けた成果を御破算にするという幼児的なその行動はエスカレートし、米軍が中東地域に空母を派遣するなど、いつ軍事衝突が起きてもおかしくはないほどの危険な状況に陥っている。

 だが、安倍首相はトランプ大統領の核合意離脱を他国の首脳たちのように非難することもなければ諫めることもせず、それどころかトランプをノーベル平和賞に推薦する始末。
 そんな「トランプの犬」でしかない安倍首相の話にイランがおいそれと応じるわけがなく、ハメネイ師の「完全拒否」は当然過ぎる結果なのだ。

 しかし、驚くべきは、安倍首相の「外交やるやる詐欺」だけではない。
 こんな大失敗に終わったにもかかわらず、御用メディアと安倍応援団は「大成功」と安倍首相のイラン訪問を伝えているのだ。

 たとえばNHKの岩田明子記者は、2019年6月13日の晩放送の『ニュース7』で、こう解説した。

「ハメネイ氏が外国の首脳と会うことは多くなく、日本政府は伝統的な友好国のトップであり、なおかつトランプ大統領とも緊密な関係を維持する安倍総理大臣の助言を重視していることの表れだとみています」
「安倍総理大臣は一連の会談でイラン側の真意を引き出すことができたと受け止めている」

 どう考えても「安倍首相の助言を重視」している人物が、「トランプへの返答はないし、答えるつもりもない」とあしらうはずがない。
 しかし、岩田記者はそうした解説はせず、「(安倍首相は)トランプ大統領の真意を正確に伝えた」とアピールに励んだのだ。

 まったく頭がクラクラしてくるが、じつはこうした無理矢理な安倍イラン訪問礼賛は、NHK岩田記者だけではない。
 多くのマスコミがイランでの会談以前から今回の会談への期待感を煽り、「アメリカとイランの橋渡しができるのは世界で安倍首相だけ」と必死に喧伝していた。

田崎史郎は「安倍さんは米から何かカードを貰っている」と噴飯解説

 その典型が、12日放送の『ひるおび!』(TBS)。
 安倍首相のPRマン・田崎史郎氏が登場し、
「トランプさんとイランの首脳部と双方から信頼されているのが、安倍総理しかいないんですよ」
「イランから見てもアメリカから見ても、安心して任せられる人が、いまは安倍総理しかいない」
と強調していた。

 イランが安倍首相のことを「安心して任せる」などとはまったく見ていないことが判明したいまとなっては、田崎氏の解説がいかに空っぽなのかよくわかるが、さらに田崎氏はこんなことも述べていた。
「(トランプ大統領が)来日したときの首脳会談では、安倍さんが(イランに)行くことについて、ボルトン(米大統領補佐官)さんは『グッドタイミング』と言っているわけですね。だから何かカードを貰っている可能性はある」

 カードを貰うどころか、安倍首相は手ぶらでトランプのメッセージをただ伝えるという外交の無能っぷりを見せつけただけなのだが、しかし、安倍応援団としては期待を煽りに煽り、当事者から事実が突きつけられても「安倍首相の助言を重視」などと言い張って押し通せば、それで成功なのだ。

 これは、安倍首相や官邸もまったく同じだ。
 とにかく外遊に行きまくって“やってる感”を演出し、安倍応援団に「大成功」とPRさせれば、国民なんて簡単に騙せると考えているのだろう。

 そして、実際には、ロシアのプーチン大統領にはコケにされ、北朝鮮との糸口もなく、トランプ大統領にはゴマをするだけすっても梯子を外されるという失態を繰り返しても、国民はまだ“外交の安倍”というイメージを信じ込んでいる。
 一体いつになったら目が醒めるのだろうか。


リテラ、最終更新 2019.06.16 01:10
安倍イラン訪問でNHK岩田明子記者がフェイク解説!
ハメネイ師は「怒りのツイート」してるのに「安倍首相の助言を重視」
https://lite-ra.com/2019/06/post-4773.html

イラン沖のホルムズ海峡で6月13日、日本企業が運航するタンカーが攻撃を受けた。
日本企業が絡むこともさることながら、安倍首相がハメネイ師と会談するタイミングをとらえて起きた出来事に衝撃が走った。
この事態から浮かび上がるメッセージは何か、駐イラン大使を務めた経験を持つ孫崎享氏に聞いた。

− 孫崎さんは今回の件をどう見ていますか。

孫崎: 安倍晋三首相による仲介外交が機能しなかったことを示していると思います。
 今回のタンカーへの攻撃が本当にイランによるものかどうかは分かりません。
 しかし、同様の事態が頻発している事態を見ると、イランにつながる勢力による可能性が高いと思います。
 現在のイランは穏健派よりも保守強硬派が力を持っている。
 強硬派が米国に譲歩しない意思を示すために実行したと見ることができます。
 安倍首相がイランを訪問し、ロウハニ大統領や最高指導者のハメネイ師と会談しても、強硬派の動きをとどめることはできなかったわけです。
 安倍首相が仲介役を果たすつもりなら、トランプ大統領が訪日し、会談した際に、イラン核合意に復帰するよう説得すべきでした
 緊張が高まった発端は、米国が2018年5月に同合意から離脱したことですから。
 しかし、安倍首相とトランプ大統領がイラン核合意復帰をテーマに話し合ったとの報道はありませんでした。
 安倍首相と会談した後、ハメネイ師は想像以上に強硬な発言をしました。
「トランプ氏を、メッセージを交換するに値する人物とみなしていない」
と語り、米国との対話を拒否しました。
 この発言からも安倍首相のイラン訪問が成果を上げなかったことが分かるでしょう。

ー 今回の攻撃が、イランにつながる勢力だったとして、安倍首相がイランを訪問しているタイミングで、日本企業が運航するタンカーを狙ったことは何を示すでしょう。
 比較的良好な日本との関係を壊すことになれば、イラン強硬派にとっても好ましい話ではないのでは。

孫崎: 私は、日本企業が運航する船であったのは「たまたま」だと見ています。攻撃された船はパナマ籍で、日の丸を掲げていたわけではないでしょう。

偽装工作の可能性は低い

ー 米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)ら対イラン強硬派が、事態をかく乱するため偽装工作を行った、という陰謀論的な見方があります。

孫崎: 私はその可能性は低いと思います。
 ホルムズ海峡を航行する船舶が5月に最初に攻撃されたとき、私も陰謀論が頭に浮かびました。
 しかし、同様の事態が頻発しているのを考え合わせると、陰謀論は難しいと思います。
 暴露する可能性が高くなるようなことをするのは考えづらいですから。

ー 米国ではなく、サウジアラビアなどの反イラン勢力が偽装に手を染めるケースは考えられますか。

孫崎: そちらもないでしょう。
 理由は米国のケースと同様です。

ー 2015年に成立した安保法制が議論されていた際、ホルムズ海峡が封鎖されるケースが議論の俎上に乗りました。今後、そうした事態が起こる可能性はあるでしょうか。

孫崎: イランが1ヶ月に1回、一時的に封鎖する、といったことはあるかもしれません。
 しかし、継続的に行うことはないと思います。
 イランが取る行動は、警告的なものにとどまると考えています。


日経ビジネス、2019年6月14日
「機能しなかった安倍外交」示すホルムズ湾タンカー攻撃
(聞き手 森 永輔)
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/061400059/

 安倍首相がイランを訪問しハメネイ師と米・イランの仲介をしているまさにその時に、ホルムズ海峡を通過していた日本企業のタンカーが何者かに襲撃された。
 これほど明確な有事は無い。
 そして米国はすかさず、その攻撃はイランの仕業だと発表した。
 米国がそういうなら日本はそれを信じるしかない。
 なぜならば日本には独自に判断する能力はないからだ。
 軍事情報のすべてを米国に委ねてきたからだ。

 だから、安倍政権は直ちに自衛隊をオマーン沖に派遣して日本企業の保護に努めなければいけない。
 なぜなら、安倍政権は安保法を強行採決して自衛隊による海外での邦人保護、救済活動を可能にしたからだ。
 いまここで自衛隊が活躍しないなら、活躍する時はない。
 なんのための安保法強硬採決だったのかということだ。

 ところが、驚くべき事に、安倍政権の岩屋防衛大臣はあっさりと「そのニーズはない」と言っておわりだ。
 まさしく安保法強行採決は、日本の防衛のためではなかったということだ。

 そして米国は同盟国の日本が攻撃されたのだから、直ちに軍事行動を起こさなければいけない。
 安倍政権は安保法を強硬採決して集団的自衛権の行使を可能にした。
 はれて米国が襲われた時に米国の為に軍事行動を日本は行えるようにした。
 もはやただ乗りではない。
 だったら米国も日本が襲われた時にそれを米国への攻撃とみなして軍事行動を起こさなければ本物の同盟関係とは言えないからだ。
 しかも米国はいち早く、イランが攻撃したと世界に公言した。

 しかし、米国は動こうとしない。
 米国が直接に被害を受けない限り、イランと戦争をする気はないからだ。

 これを要するに、日米同盟関係の実態は、決して米国と日本がお互いに軍事協力をして助けあうという、本来の同盟関係ではなく、「好きな時に、日本国内の好きな場所に、好きなだけの米軍を展開する」ことを認めた、米国軍隊に対する日本の一方的協力関係に過ぎないということなのだ。
 その不都合な事実が、今度のタンカー事件で見事に暴露されたということだ。

 今度の事件の教訓は何か。
 それは、日米同盟は日本の安全保障に役に立たないということだ。

 いまこそ日本はジャパン・ファーストに立ち戻って、自主・自立した外交を始める必要があるということだ。

 伝統的に良好だったイランとの関係を重視し、米国に対してイラン合意を守れと求めることだ。
 一方的破棄や一方的制裁は許されないと迫ることだ。
 そして中東情勢の安定化の為に、イランとの対話を始めよと米国に迫ることだ。

 対米従属からの決別だ。 

 それしかない。


天木直人のブログ、2019-06-18
安倍イラン仲介外交の失敗が見事に暴露した日米同盟のウソ
http://kenpo9.com/archives/6102

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岩田華怜

 核兵器廃絶への願いを世界に伝える長崎発の平和活動「高校生平和大使」を題材にしたミュージカルが今夏、上演される。
 主演を務めるアイドルグループ「AKB48」元メンバーの岩田華怜(かれん)さん(21)が2019年6月13日、長崎市を訪れ、現役の平和大使たちとともに街頭で署名を呼びかけた。

 高校生平和大使は毎年、国内外で集めた核廃絶を求める署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けている。
 1998年、インドとパキスタンの相次ぐ核実験を機に長崎で始まり、昨年までに約178万筆の署名を届けてきた。
 昨年はノーベル平和賞候補にもなった。

 そんな平和大使をモチーフにしたミュージカル「Sings!〜微力だけど無力じゃない〜」(*)が今夏、東京で上演される。
 岩田さんが演じるのは、被爆した祖母を持つ長崎の高校生。
 悩みながらも平和大使の一員になり、核廃絶を世界に訴えようと仲間たちと模索するストーリーだ。

 岩田さんはこの日、JR長崎駅前で平和大使の高校生らと並んで署名を呼びかけた。
 30分間、道行く人に「署名にご協力をお願いします」と声をかけ続けた。

 仙台市の自宅で東日本大震災を経験した岩田さん。
 劇中では「(原爆で)長崎がどこかへ行ってしまった」という趣旨のせりふがあるが、震災後の東北の街を見てまさに同じことを感じたという。
 署名に先立ってミュージカルのPRに訪れた長崎市役所では、
「原爆も震災も二度と起こってほしくない」。
 そのうえで、
「平和のことを真剣に考え、自らの意思で活動する平和大使を全国の人に知ってもらえたら」と語った。

 特定秘密保護法やLGBTなど、現代社会をテーマにオリジナル作品を演じる東京都の劇団「ミュージカル・ギルドq.」の主催。
 公演は8月8〜12日、渋谷区文化総合センター大和田の伝承ホールで。


[動画]
元AKB48岩田さん 高校生平和大使と署名活動

[写真]
長崎駅前で署名活動をした岩田華怜さん(左)=2019年6月13日午後6時7分、長崎市

朝日新聞、2019年6月14日00時51分
元AKB岩田華怜さん「核兵器NO」
高校生と署名活動

(森本類、横山輝)
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20190613003849.html

 核兵器廃絶を訴える署名を国連欧州本部に届けるなどしている高校生平和大使を題材にしたミュージカルの上演を前に、主演を務めるアイドルグループAKB48の元メンバーで、女優の岩田華怜さん(21)が2019年6月14日、被爆の実相を知り今後の演技に生かそうと、被爆者の山川剛さん(82)と長崎原爆資料館(長崎市平野町)で面会し、話を聞いた。

 山川さんは長崎に原爆が投下された経緯や、最新の推計で世界に1万3880発の核弾頭があること、長崎に原爆が投下された年月日を尋ねた調査で、正答率の全国平均が2割台だった現状などを紹介。
 山川さんは、
「1945年に初めて地球上に核兵器が生まれた。核兵器が人類を滅ぼすか、人類が核兵器を滅ぼすかの選択を迫られるスタートになった年」
とし、74年前について学ぶ意義を強調した。

 この後、岩田さんは館内を見学。
「こうして学ぶことによって、正答率が上がっていく未来を私たちがつくっていくしかない。東京に帰ったら、周りにできる限り伝えたい」
と話した。

 岩田さんはミュージカルのPRに長崎を訪問。
 13日夕には高校生1万人署名活動実行委のメンバーらとJR長崎駅前高架広場で30分間、署名への協力を呼び掛けた。
「とても緊張した。これを毎週やってるみんなはすごい」
と若い世代の熱意を感じていた。

 ミュージカル「Sings!〜微力だけど無力じゃない〜」は、主人公の平和大使の成長や、20年以上にわたる平和大使の軌跡を描く。
 8月8〜12日に東京都渋谷区の文化総合センターで上演される。


Yahoo! Japan News、2019/6/15(土) 12:38配信
平和大使ミュージカル 主演の元AKB48岩田さん
被爆の実相 学び、伝える
(長崎新聞社)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190615-00000006-nagasaki-l42

 元AKB48で女優の岩田華怜(21)が、核兵器の廃絶を願う活動を揶揄(やゆ)され、
「何もしないくせに、頑張っている人達を笑わないで」
と反論した。

 岩田は、核兵器廃絶を求めて署名活動を行っている長崎発の平和活動「高校生平和大使」をモチーフにした今夏上演のミュージカルで主演を務める。
 13日には長崎市内で高校生たちとともに街頭で署名を呼びかけた。

 そうした活動に、ネット上で、ごく一部から心無い言葉も投げかけられたが、岩田は自身のツイッターで
自分たちができることから始めて、何が悪いんですか?唯一の戦争被爆国である日本、長崎の高校生たちの活動は、絶対に無意味じゃない。私も今回の作品に出逢って、改めて思いました。未来の平和を造っていくのは、今生きている私たちなんですよ
と反論。
「何もしないくせに、頑張っている人達を笑わないで」
と怒りをにじませた。


日刊スポーツ、2019年6月16日11時36分
岩田華怜、平和活動やゆに怒り
「無意味じゃない」

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201906160000256.html

(*)ストーリー

 杉崎真理亜は長崎東洋高校の2年生。
 ある日、親友の吉村美里から1 枚のチラシをみせられる。
 それは高校生平和大使募集のチラシだった。
 高校生平和大使の世話役をしていた高校教師・坂田秀幸からぜひやってみないかと強引に誘われる。
 どうするか悩んでいる真理亜に祖母の麻子は自分の長崎原爆の体験を語り聞かせ、
「一度しかない人生だから思い切りやってみなさい」
と背中を押す。

 そして選考会の日。
 真理亜は、応募してきた高校生たちの意識の高さに気おされてしまうが、美里らの応援に後押しされ、思いのたけを自己アピールに込めて話したことで見事平和大使に選ばれる。
 ところが真理亜は自分だけが選ばれたのに納得せず、全員がジュネーブに行けないかと訴える。
 しかし、それが無理だと知り落ち込む真理亜を逆に全員が励まし、そしてジュネーブに行く真理亜らに長崎県内の高校生全員から署名を集めて託そうというプランを思いつく。

 そこから高校生たちの奮闘が始まる!
 主人公・杉崎真理亜の成長を通して20年間にわたる高校生平和大使の活動の軌跡を描いたミュージカル!


http://musical-guild-q.com/14/

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2019年06月17日

「自己責任」という呪いの言葉

 ・就職氷河期に世に出た世代を放置して、日本社会は大きなリスクを負った
 ・同様の世代を再び生まないためにも、日本の雇用システムは刷新が必要だ
 ・自己責任と突き放さず、個人の状況に即した多様性のある支援策を講じたい

◇ ◇ ◇

 「ロストジェネレーション」という呼び名を、これほど長期にわたって使い続けるとは思ってもみなかった。

 1993年から2004年ごろまで新卒の求人倍率が極めて低かった時期に社会に出た世代。
 第2次ベビーブームの団塊ジュニアを含む約2千万人である。
 朝日新聞が2007年1月に同名の企画を連載し、この名が広まった
 就職氷河期世代と呼ばれることも多い。

 就職活動の時期にずれもあるため、現在は33歳から48歳ぐらいだ。
 社会の屋台骨として活躍する年頃だが、少なからぬ人が不安定雇用や低賃金にあえいでいる。
 今も「ロスト=失われた」世代という名が当てはまってしまう。
 それが、この世代の現実なのである。

 シンクタンクの日本総研がロスジェネ世代の苦境を詳細に浮かび上がらせた。
 男性では非正規雇用や、無業で求職もしていない非労働力人口の割合が年長世代よりも高く=グラフ=、中高年引きこもりの増加とも関連しているとみられる。

[グラフ]
大卒者の求人倍率の推移/非労働力人口比率(男性)/消費支出

 賃金面でも、正規雇用を含めて他世代より低い。

「高齢貧民街」の恐れ

 今この世代に注目が集まるのはなぜか。
 巨大な人口の塊を不安定な状況に置き、日本社会はボディーブローのようにダメージを受けているからだ。

 表面化した問題の一つは経済への悪影響である。
 子どもの教育費や自宅購入などで消費が盛んなはずの40代になっても、団塊ジュニアは上の世代と比べて支出額が低く、経済成長の足かせとなっている=グラフ=。

 人口動態への負の影響はさらに深刻だ。
 団塊の世代(第1次ベビーブーム)と、その子にあたる団塊ジュニアに引き続く、戦後3度目の出生数の山は生じなかった。
 少子化の原因は多岐にわたるものの、不安定雇用と低賃金という重しが、ロスジェネから次世代を育む力をそいだのは間違いない。

 この世代が高齢化する20〜30年後、日本の人口曲線は上部が膨らんだ「棺(ひつぎ)形」になる。
 単身で高齢化したロスジェネたちを支える現役世代はやせ細り、介護や医療を支える人手が絶対的に不足する。
 加えて、これからも不安定雇用が続けば、老後に生活保護を受ける人が急増するだろう。

 これは日本社会の持続可能性を損なう時限爆弾だ。

自力で暮らせない高齢者が多く生まれ、現役世代が支えられなくなる。高齢貧民街ができかねない

 山田昌弘・中央大教授(家族社会学)は最悪の事態を予想する。

■ 不安定雇用の先頭に

 なぜ、この世代は落とし穴から抜け出せないのか。
 二つの理由がある。

 まず挙げられるのが、非正規雇用の拡大だ。
 バブル崩壊後の規制緩和で派遣労働の対象職種が広げられ、正規、非正規という身分制度のような分断が労働市場に生まれた。
 雇用の不安定化は、その後の世代にも及んでおり、ロスジェネはその先頭走者となった。

 そして最大の原因は、日本独特の雇用慣行である。
 新卒時の一括採用、年功序列、終身雇用は、戦後の高度成長を支えたと言われる。
 まっさらの若者を会社が丸抱えして職業教育を施し、労働力を確保する。
 右肩上がりの時代には一定の効用があっただろう。

 だが、バブル崩壊後の長期不況で、この雇用システムは矛盾をあらわにする。
 年長世代の雇用を守ろうとする日本企業の多くは、世代間のバランスを顧みずに新規採用を絞り込んだ。
 その後に景気回復しても、新卒の採用が優先され、この世代は見捨てられた。

 今になって経済界は新卒一括採用や終身雇用の廃止を唱え始めている。
 企業側にのみ有利な変更は社会の混乱を招くだけだが、再び氷河期世代を生み出さないためにも雇用システムを刷新する努力は避けられない。
 一つの会社にすべてを委ねるような雇用関係は、いまや女性の社会進出や働き方改革にとっても大きな障壁となっている。

 一方で、中年になったロスジェネを救済するには雇用改革では遅すぎる。
 危機的な状況に、政府もようやく重い腰を上げた。
 安倍政権は、経済財政諮問会議の提案をもとに、今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案に就職氷河期世代への支援策を盛り込んだ。
 今後3年間で正規雇用を30万人増やす目標を定め、集中支援プログラムを設けるという。

「穴埋め」という打算

 この世代に手厚い公的支援を投じることに異論はない。
 だが、政策の方向性については疑問符がつく。

 なぜなら、ロスジェネ世代を「人手不足の穴埋め」と見なす打算が、あからさまに感じられるからだ。
 諮問会議による新しい呼び名「人生再設計第一世代」に対して、「上から目線だ」などとネット上で批判と憤慨が集まったことに、それは表れている。

 自らもこの世代である日本総研副主任研究員の下田裕介さん(39)は言う。

「労働力の不足した業界で氷河期世代を活用したいという計算が透けて見える。この世代が長い間、どんな状況に置かれていたのかを理解しなければ、当事者たちの尊厳を傷つけかねない」

 この世代の救済策に緊要な二つの視点を、下田さんは挙げる。
「個々の実情に添った支援」と「多様な自立のあり方」である。

 非正規でも一定のスキルを身につけてきた人から、無職のまま孤立している引きこもりの人まで、支援が必要なロスジェネにも幅がある。
 それを一律の再教育プログラムに押し込んでも効果は限られる。
 支援団体などと手を携え、経験値や本人の希望に応じた細やかな対応が必要だ。
 非正規職が多く、男性以上に低賃金労働を強いられている単身女性への支援も欠かせない。

 加えて、長時間労働も辞さない従来型の正社員に「引き戻す」ことだけが自立への道なのか、再考が必要だろう。
 正社員と非正規の差別的な待遇格差を改めたうえで、多様な働き方と公的支援の組み合わせを模索したい。

ぼろぼろになった昭和のレールを無理に続けようとして、その犠牲になったのがロスジェネなのでは。社会のレール自体を変える必要がある

 ロスジェネ世代の研究者で、非正規の非常勤講師を長く務めた教育学博士の舞田敏彦さん(42)はそう指摘する。

 単線のレールに乗らなければ、人生を踏み外す。
 そんな社会のあり方を根本から変えることは、他の世代にとっても大きな意味を持つはずだ。

■ 日本のリスク体現「炭鉱のカナリア」 多様性ある支援、他世代にも意義

 不安定雇用に悩むロスジェネ世代の人たちから時折、こんな言葉を耳にし、胸を突かれる。

 すべて自分のせいなんです、と。

 この世代が社会に出たころ、いわゆる「イラク人質事件」を機に、自己責任という言葉が飛び交った。

 格差と競争主義の色に染まり始めた日本社会で、結果はすべて個人が負うべきだという意識が拡散した。

 その風を正面から受けたのがロスジェネだった。

甘えている、おびえて立ちすくんでいる、などと言われ、若者側の問題で安定した仕事に就けないという考えが主流でした。そのため、若年労働市場の根本的な改革は放置された
と本田由紀・東京大教授(教育社会学)は振り返る。

 同じころ、グローバル化経済によるコスト引き下げ競争にさらされた先進各国は、移民労働力の受け入れで人件費を削った。
 日本でその役割を担ったのは、非正規労働者だった。

 その意味で、この世代は時代の犠牲者である。
 人生の半分近い年月を置き去りにされ、自分は世の中に認められていない、という感覚を持つ人も多い。

 いわれのない不平等を放置すると、社会自体が傷む。
 それは、消費の落ち込みや人口減少に限らない。
 この世代で埋もれた人的資源の総量は計り知れない。

 自己責任を徹底し、不平等を看過する風潮は、社会全体の安定性を損ねる。
 いま、この国に必要なのは、ロスジェネ世代を支援すると同時に、すべての人に平等な機会を与える仕組みを改めて築くことだろう。

 ロスジェネはいわば、日本社会が直面した困難を体現している。
 この世代は、危機の到来を身をもって知らせる「炭鉱のカナリア」だったのである。

朝日新聞・記者解説、2019年6月17日05時00分
ロスジェネ、凍る世代
「昭和型」脱し、社会のあり方再考を

編集委員・真鍋弘樹
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14058764.html

「自己責任」という呪いの言葉を大椿ゆうことともに断ち切りましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=LuenTErNP2Y&feature=youtu.be

https://twitter.com/takahashiryouhe/status/1140437017249009664

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Bob Hawke and 1989 Tiananmen Square massacre

A lot of people wouldn’t be here if it wasn’t for Bob Hawke. They would be, like my mother was in 1989 as she watched the TV, somewhere unknown. Somewhere between unmoored and trapped, feeling sick to the stomach.

Like many Chinese-Australians, Ai Ling Zhou was here on a student visa when the soldiers went into Tiananmen Square. She had friends in the crowd, and assumed they had died. She had been here for two years, and had been feeling a kind of hope. Not any more. On her visa, time was running out.

With the former prime minister’s passing, the night Bob Hawke let thousands of Chinese students stay is a moment parents around the country will be telling their children and their families. They are sharing stories and tributes and sadness.

I asked my mother about it. She was 25. It was six days of darkness.

“Before Tiananmen we found it very exciting,” she said. “The students were occupying the square for a lengthy period, and the government didn’t do anything. The Berlin Wall had fallen, the USSR had dissolved, Gorbachev visited China. We thought China was happening. We thought China was going to move into democracy.

“Out of the blue that morning the news came that tanks rolled into Tiananmen Square, and there were shootings and there was bloodshed and all of a sudden we just felt, when we saw the news, our hearts just shrank all of a sudden. It was just so sad.

“We left China for political reasons. And when the students were occupying Tiananmen Square, we thought China had hope, and we might go back. I remember all of a sudden, it felt as if I was in a war. As if the war had come to us. That sort of feeling, you’re so scared, you try and hold on to your family members. We felt trapped.”

Hawke made the announcement six days later. He had seen what happened. He read the cables. And he told the country what they said, how the tanks “reduced them to pulp”.

He gave my parents four years. He cried and he didn’t consult the cabinet. “When I walked off the dais,” Hawke said later, “I was told: ‘You cannot do that, prime minister.’ I said to them, ‘I just did. It is done.’”

My mother found out on the TV.

“At the time, immigration law was very strict, we saw no way we could stay in Australia and we didn’t know where to go. We felt very sad. Lost. He made the announcement very quickly. He cried on TV.

“And that was very touching, we saw the human side of him. We saw humanity. The prime minister of Australia weeping. They let us stay for four years, unconditionally. Which allowed us to work, and Medicare access.”

I asked her if she saw it live. She can’t remember, and tells me to stop asking.

“Maybe not. We had a very busy life! We were working two jobs.

“I felt there was a light at the end of the tunnel, for our lives. We were really in a dark tunnel for those six days, until he made the announcement.”

Migrants understand how precarious life can be at times like this. The importance of tiny slips of paper with years of life on them. She was the same age then as I am now. It is the bittersweet blessing of the second-generation migrant that I didn’t realise that until now, and took it for granted my entire life.

At the time, degrees from Chinese universities were not recognised. She had a bachelor’s in material engineering, but it did not matter.

“Because our degrees weren’t recognised, we felt devalued,” she says. “At the time, a lot of people really, really felt we had no hope in our life. Like ants in society. When your degree is not recognised, you don’t know where to go. But that changed everything for us.”

After 1993, Paul Keating transferred the visas to permanent residency. I was born in 1994, and she went back to uni as a new mother. She had waited for years with the uncertainty. “I was almost 30 years old and wanted to do everything in one go.”

She became a professor of economics at the University of Sydney. This explains why she keeps mentioning Keating. (“I still preferred Keating, he was more serious and had more vision,” she says. “Now is not the time,” I say).

“I immediately liked him so much,” she says. “Even later on, when I was working in a cafe as a waitress, I heard the radio, he was saying ‘no Australian children should be living in poverty by 1990’ – I truly believed. And all the other people just laughed at me, and said ‘How could you believe such a statement. It will never be true.’ I think perhaps I was believing because of the those earlier events, the June 4th announcement.”

As the tributes to Hawke keep flowing, his staunch opposition to racism recurs, because it feels like it has been missing. It is something my mother feels only in retrospect.

“His time was before John Howard’s time, and before Pauline Hanson’s time. Howard at the time, as opposition leader, that was the first wave of anti-Asian sentiment.

“And Bob Hawke stood on his feet. That was really good. He didn’t play the game with Howard, he didn’t race to the bottom. He didn’t participate in that.”

But Hawke of course, is still the original, and a giant.

They are sharing memories of him now, her to me, and her friends to each other.

“A lot of my Chinese friends are so sad. And they were saying, a politician may have done a lot of things, but the only things that people remember most is when humanity shines.”

The Guardian, Last modified on Fri 17 May 2019 09.04 BST
'We saw humanity': a Chinese student on the day Bob Hawke wept over Tiananmen

Ai Ling Zhou was 25 when Hawke allowed her and thousands of other Chinese students to stay in Australia after the 1989 Tiananmen Square massacre. On the day after Hawke’s death, her son Naaman Zhou asked her to look back
https://www.theguardian.com/australia-news/commentisfree/2019/may/17/bob-hawke-tiananmen-chinese-students

"We'll miss you, Bob" - social media floods with tributes for Hawke memorial service

The Sydney Opera House - and its steps - were inundated today with people bidding farewell to the former Prime Minister


https://www.sbs.com.au/news/the-feed/we-ll-miss-you-bob-social-media-floods-with-tributes-for-hawke-memorial-service

Chinese-Australians have thanked Bob Hawke for granting them asylum as they join the nation in paying tribute to the Australian icon in a public memorial service.

https://twitter.com/SBSNews/status/1139317938744201218

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Chernobyl tragedy

There is a line in the television series Chernobyl that comes as no surprise to those of us who reported on the 1986 nuclear disaster in what was the Soviet Union – but that still has the power to shock:

“The official position of the state is that global nuclear catastrophe is not possible in the Soviet Union.”

It was not possible, so in the days and months after the world’s worst such accident, on 26 April, the Kremlin kept up its pretence. It dissembled, deceived and lied. I began investigating Chernobyl in the late 1980s after Ukrainian friends insisted authorities in the USSR were covering up the extent of the human tragedy of those – many of them children – contaminated by radiation when the nuclear plant’s Reactor 4 exploded, blasting a cloud of poisonous fallout across the USSR and a large swathe of Europe.

When photographer John Downing and I first visited, the Soviet Union, then on its last political legs, was still in denial about what happened despite president Mikhail Gorbachev’s new era of glasnost.

The Chernobyl miniseries is a compelling account of how the disaster unfolded, based largely on the testimony of those present, most of whom died soon afterwards. It rings true but only scratches the surface of another, more cruel reality– that, in their desperation to save face, the Soviets were willing to sacrifice any number of men, women and children. Even as radiation spewed out of the plant from the burning reactor core, local people told John and me how they had seen Communist apparatchiks in the area spirit their families to safety in Moscow while the residents were being urged to carry on as if nothing had happened. In Pripyat, the satellite city built for Chernobyl workers, windows were left open, children played outside, and gardeners dug their allotments.

The plume of deadly radioactive dust was just a harmless steam discharge, residents were told. It was 36 hours before the city was evacuated, by which time some were already showing signs of radiation sickness.

On the TV news on 29 April – more than three days after the catastrophe, with the reactor fire still burning – Chernobyl was the sixth item. “There has been an accident” the female presenter stated. “Two people have died”. Schoolchildren in Byelorussia and Ukraine – the worst hit by fallout – were instructed to continue with their May Day celebrations and parades, even as the rain brought radioactive particles down on them.

Today, Chernobyl is a tourist attraction. Thousands of visitors traipse around the ghost city of Pripyat, taking snaps of the crumbling housing blocks, parched swimming pool, schoolrooms, abandoned funfair and overgrown streets. The first time we visited, it seemed post-apocalyptic. We found homes still furnished, with personal belongings lying around. People had been told to take only what they needed for two or three days. It looked as if they had just vanished into thin air. Outside, the public-address system was still playing maudlin music and the funfair, with its bumper cars and brightly-coloured ferris wheel, was beginning to rust.

As we drove through the 30km exclusion zone, where, in 1990, 20,000 people still lived and worked, into the “dead zone” – a 10km circle around the plant – we stopped at checkpoints to be scanned for radioactive particles. Every time the scanner either failed to work and was given a good kicking – and still didn’t work – or it would wail alarmingly and be swiftly unplugged. There were no explanations except for: “It’s safe”.

If John or I put a toe off the designated path, the scientist accompanying us would drop the “it’s safe” line and scream “no, no, no … not there. There’s not safe.” Scientists estimate the contaminated area will not be safe for 24,000 years, give or take a thousand.

At the entrance to Reactor 3, next to the concrete sarcophagus hastily thrown over Reactor 4, the scanners were equally silent as we pressed our hands into the vertical pads.

(An executive from the UK company that supplied the machines later called me to claim the Soviets had turned up the dose levels to avoid triggering an alert.)

At the Chernobyl Research Centre, a short distance from the power plant, scientists showed us pine saplings grown from seeds from the nearby “red forest” where the trees glowed after absorbing radiation and had to be dug up and buried. The saplings were all bizarre mutations, some with needles growing backwards. There was no sign of wildlife, not even birds. The researchers spoke of mice with six toes and deformed teeth.

The Soviets were not the only ones who lied. France’s authorities hid information about the radioactive cloud over its territory, and Hans Blix, then director general of the International Atomic Energy Authority (IAEA)– still accused of minimising the dangers following the catastrophe– released a statement that settlements around Chernobyl would “be safe for residents” before long. Dissident scientist Andrei Sakharov was also deceived. “To my shame, I at first pretended that nothing much had happened,” he said.

Many doctors insisted there had been a spike in the number of cancers and leukemias. Children had been born with rare deformities including “frogs’ legs”, their hips twisted outwards. Others had heart defects, and thyroid cancers thought to have been caused by radioactive iodine.

Yet officials insisted that all this was “poor food and poverty” and unrelated to Chernobyl.

In bare, prison-like hospitals, parents would thrust children at us and beg us to take them to the UK or plead for medicines or money for medicines. Oncologists told us they were so short of chemotherapy drugs they would give one sick child half a protocol and another the other half, condemning both. Yet officials would say it was “anecdotal evidence” and nothing to do with Chernobyl. We were welcomed by dozens of desperate families, good Soviet citizens who had little but would put what little they had on the table to show us hospitality, and who could not understand why their leaders could not explain why their children were dying of radiation-linked diseases except to say “it’s not Chernobyl”.

For me, one particular girl, Oksana, and her family, encapsulated the human tragedy. On 1 May 1986, the teenager and her school friends were ordered out on to the streets of the Ukrainian capital Kiev to take part in traditional parades. Oksana’s father, a singer, was told it was his “patriotic duty” to go with his male voice choir to Chernobyl to sing to the “clean-up” workers. He told us he had been more scared of the still raging reactor fire than the silent, invisible killer he was breathing in and out.

Oksana’s parents pressed cakes, local “champagne”, brandy and vodka on us and talked about their only child’s unexplained “sickness”. In the next room, Oksana lay dying, a skeletal figure staring blindly at the ceiling, who bore no resemblance to the smiling blond girl in a photograph on the mantlepiece. She did not speak and did not appear to respond to anything or to move, except to blink slowly every few minutes.

Oksana died, as did many others –but because no data was kept from before the disaster, nothing can be proven. Today, as the TV series points out, the official number of directly attributable victims of Chernobyl is 31. Other, “unscientific”, estimates vary from 4,000 to 93,000.

John and I returned several times to Chernobyl. When I went back for the 30th anniversary three years ago, and interviewed Pripyat residents evacuated to the town of Slavutych, all told of friends and relatives who had died prematurely after the disaster: more “anecdotal evidence” of the ongoing Chernobyl tragedy.

Now my photographer friend John Downing has terminal lung cancer. “I often wonder if Chernobyl had anything to do with it,” he told me. Like many others, he will never know. John reminded me of a scientist we met in Moscow. The man had spent some time in Chernobyl. “I’ll never forget. He took a notebook out of his desk and ran a Geiger counter over it, which started crackling like mad. Four years on, and it was still highly radioactive,” John said.

Today, 33 years on, Vladimir Putin has dismissed the TV miniseries as US misinformation and reportedly said Russia will make its own “version” blaming the CIA. Like radiation, Kremlin propaganda has a long half-life.

Poison legacy

Chernobyl was to be the largest nuclear plant in the world, with 12 reactors.

Years before the catastrophe, a KGB report highlighted flaws in the RBMK reactor.

The radioactive elements released in the explosion are active for between 30 and 24,000 years – an environmental threat for centuries.

Up to 600,000 people, known as ‘liquidators’, took part in the clean-up. Some were ordered to shovel fatally radioactive graphite, working in shifts of 90 seconds each.

About 350,000 people from more than 200 villages were evacuated.

The last reactor was shut down in 2000.


[photo-1]
The remains of the Chernobyl nuclear power plant after the explosion.

[photo-2]
In a scene from the TV series, doctors treat casualties.

[photo-3]
Visitors walk in the ghost city of Pripyat during a tour in the Chernobyl exclusion zone.

[photo-4]
John Downing photographing children from Chernobyl in a nearby hospital.

[photo-5]
Oksana is held by a family member.

The observer, Last modified on Sun 16 Jun 2019 09.06 BST
The truth about Chernobyl? I saw it with my own eyes…
Kim Willsher reported on the world’s worst nuclear disaster from the Soviet Union. HBO’s TV version only scratches the surface, she says
https://www.theguardian.com/environment/2019/jun/16/chernobyl-was-even-worse-than-tv-series-kim-willsher

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2019年06月16日

JK business

On a humid Wednesday night the streets of Kabukicho, Tokyo’s most famous red light district, hum with people. Some are tourists, here to gawp and take selfies, but others are customers. Adverts for clubs flash and sing and girls dressed as maids hold signs offering deals for local bars.

In a grubby shopfront a perky cartoon featuring a cute Mr Men-style creature offers part-time work. The ad, which has an alarmingly catchy jingle, doesn’t specify what the work is, but it doesn’t need to: the answer is all around us on the brightly lit billboards advertising the charms of male and female bar hosts.

Tokyo is famous for its fairly wild red light scene. You can find anything from a handsome man to make you cry and wipe away your tears to a maid to pour your drinks and giggle at your jokes and an encounter in one of the notorious “soapland” brothels.

You can also pay to spend time with a schoolgirl. Services might include a chat over a cup of tea, a walk in the park or perhaps a photograph – with some places offering rather more intimate options.

Or at least, you can for now – unless the people inside the garish pink bus have their way.

Run by the charity Colabo since October 2018, the pink bus appears in strategically chosen spaces in the city once a week; tonight it is parked outside Shinjuku town hall. Volunteers hope to use it to provide a safe space for school-age girls at risk of being lured into the joshi kosei, or JK business, as the schoolgirl-themed services are known.
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“JK business scouts tend to be men in their 20s and 30s,” says Yumeno Nito of Colabo. “They are very aware of trends and are good at knowing the girls’ economic status by looking at their clothes and makeup.” Poverty and low self-esteem are often factors in the manipulation of young girls by scouts, Nito says.

Run by the charity Colabo since October 2018, the pink bus appears in strategically chosen spaces in the city once a week; tonight it is parked outside Shinjuku town hall. Volunteers hope to use it to provide a safe space for school-age girls at risk of being lured into the joshi kosei, or JK business, as the schoolgirl-themed services are known.
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“JK business scouts tend to be men in their 20s and 30s,” says Yumeno Nito of Colabo. “They are very aware of trends and are good at knowing the girls’ economic status by looking at their clothes and makeup.” Poverty and low self-esteem are often factors in the manipulation of young girls by scouts, Nito says.

The term “JK business” has become a catch-all for cafes, shops and online agencies which provide a range of “activities”, many of which are not overtly sexual. Young women in school uniforms can be offered for reflexology and massage treatments, photography sessions and “workshops” in which girls reveal glimpses of their underwear as they sit folding origami or creating jewellery.

But while many of these have a strict no-touch policy, a proportion do lead to physical encounters. And while non-physical encounters may make up the majority of reported cases of JK activity, the fact that sex does not take place does not mean no harm is done.

In 2016, Maud De Boer-Buquicchio, the UN special rapporteur on child sex trafficking and sexual abuse, raised serious concerns about Japan’s JK and pornography industry. She highlighted the lack of up-to-date official data and called for a comprehensive strategy to tackle the root causes of exploitation, noting that other forms of popular Japanese entertainment, including “junior idol culture”, are worrying examples of children being treated as sexual commodities.

“We almost allow men to say: ‘Yeah, I’m attracted to young children, as young as 14, 15,’” says Shihoko Fujiwara, founder of Lighthouse, a charity working to end human trafficking in Japan. “Even on TV, comedians will say: ‘I like to date junior high school girls.’ People make fun of those comments, but still they are made.”

Japan’s anti-prostitution laws broadly prohibit the sale and purchase of sex, but there are significant loopholes, of which establishments such as soaplands take full advantage. Crucially, in the case of JK businesses, Japan has no specific anti-trafficking laws in place. Ordinarily, a child under 18 involved in sex work is automatically considered trafficked, with harsh penalties for those responsible.

Pornography laws relating to children are also limited – they do not, for example, cover manga, anime, or virtually created content, allowing games such as 2006’s controversial (and now no longer available) RapeLay, in which the player stalks and attempts to rape a single mother and her two school-age daughters.

In 2017, with the Olympics approaching, the police cracked down on the rising number of JK businesses across Tokyo.

A new ordinance requires JK businesses to be registered with the police, and prohibits the employment of girls under the age of 18. JK businesses cannot be located within 200 metres of schools, nurseries, hospitals or other public buildings, and no one under 18 can distribute fliers for the businesses, or recruit other teenagers.

Inspector Hiroyuki Nakada, deputy manager of the Juvenile Support Division, says the police are confident that their strategy is working. But he says educating children on the dangers is also key: “It’s not enough just to control.”

Nakada says that thanks to the new, tight regulations, just three shops were prosecuted and fined last year.

“Over the past two years, since the ordinance came into force, we haven’t seen [underage] girls [in JK businessess]” says Nakada. “[Officers] have visited these shops, but they haven’t seen girls. But we think maybe there’s a loophole, maybe there are girls working, but they are probably adults who are wearing uniforms ... they call it JK business but they are probably pretending to be schoolchildren.”

Critics argue that business owners have found new ways to circumvent the law. The problem may now simply be less visible; more owners operate online, away from physical shops and cafes, and some may have simply opened new businesses under different guises.

“After the issue of JK business regulation in 2017 some shops are still operating but under a different name, such as ‘cosplay cafe’,” says Yumeno Nito of Colabo. “JK business owners are cunning and systematic.
“They are also very good at social media so they put an advert on blogs or Twitter, Line where the girls will see them. The shop opens a Twitter account and they follow girls using it.”
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Fujiwara agrees, and says she is concerned that, forced underground, the industry may become even more dangerous: “Some women’s groups would even say JK businesses [were] protecting young women from being harmed because you provide space, and so if something wrong happened to the girl always the shop manager can intervene. But if a child is meeting a sex buyer in a hotel, who is going to protect them?”

It was the success of Please Don’t Take off My School Uniform that some argue sparked the notorious 1990s trend for buru sera – teenage girls selling their unwashed uniforms, underwear and swimwear. From this sprang the practice of enjo kosai, or compensated dating, in which middle-aged men offered financial support to teenage girls in return for sexual relationships. This practice then became diversified and commodified into what is now know as JK business.

Nito points out that the police emphasis on educating children does nothing to tackle the demand side of the JK business: “It is necessary to focus on offenders and not only on child victims. It is necessary to educate and regulate adults or offenders who buy girls a lot more than educating children.” With the Rugby World Cup and the Olympics due to happen in Tokyo in quick succession, both charities are concerned about the potential impact of thousands of curious tourists.

Another major issue is sex education in Tokyo’s schools. “There’s no sex education,” Fujiwara says baldly. “You can’t mention ‘intercourse’ or ‘sex’, but they have to somehow teach about HIV and contraception – how do you teach that without saying ‘sex’? ”

Although the police might count it a victory that some JK businesses no longer employ those under 18, Nito argues that it does not touch the root of the problem. Even if the girls offering JK services are of legal age, it contributes to a dangerous and pervasive culture of the sexualisation of minors. After all, they are pretending to be underage schoolgirls, feeding an appetite for the illicit buying of pornography and making real schoolgirls more vulnerable.

“A society that commercialises and consumes underage women as a sexually high-value commodity has a problem,” says Nito. Until that problem is addressed, Colabo’s pink bus looks set to remain a fixture under Tokyo’s red lights.

[photo-1]
A young woman hovers in the doorway of one of Kabukicho’s information centres, which give recommendations for bars and sex shops.

[photo-2]
Colabo’s pink bus, part of the the charity’s effort to reach out to vulnerable school-age girls.

[photo-3]
AKB48’s Mion Mukaichi (left) and Mayu Watanabe.

[photo-4]
Eighteen-year-old cafe worker Airi chats with a customer. She is not a high school student, but she says wearing the uniform at the cafe makes her more popular.

[photo-5]
Police officers verify the age of girls working in Tokyo’s Akihabara district.

[photo-6]
Advertisements for host and hostess clubs in Kabukicho.

The Guardian, Last modified on Sat 15 Jun 2019 10.00 BST
Schoolgirls for sale: why Tokyo struggles to stop the 'JK business'

The persistent practice of paying underage girls for sex-related services, known in Japan as the ‘JK’ business, has seen charities step in where police have come up short

By Tash Reith-Banks in Tokyo
https://www.theguardian.com/cities/2019/jun/15/tokyo-pink-bus-campaign-seeks-to-protect-schoolgirls-from-escort-scouts-jk-business

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古賀野々華

RICHLAND, Wash. −
Nonoka Koga was a little shocked when she arrived as an international exchange student at Richland High, home of the Bombers.

There on the gym floor was a big green “R” over a mushroom cloud from an atomic bomb.

The school logo seemed to be everywhere, Koga said.

She is from Fukuoka, Japan, not far from Nagasaki. To her, the mushroom cloud is a reminder of those who lost their lives in Nagasaki and Hiroshima, Japan, where the U.S. dropped two atomic bombs during World War II.

They died “to ensure the peace we have today,” she said.

But in Richland the mushroom cloud is a point of pride for many students and alumni.

It is a reminder of those who worked long hours near Richland in the barren, dust-blown shrub steppe on a secret mission to produce the plutonium for the atomic weapon dropped on Nagasaki, helping to end the war.

“Proud of the cloud” is a familiar chant.

If Koga had spent the year in Japan rather than Richland, she would have participated with other students in an annual peace day to learn about and reflect on the devastation and terror of the atomic bombing of Japan.

She kept expecting that there would be a school assembly to address such a serious subject, she said.

It didn’t come, and she didn’t ask about the mushroom cloud.

She was not fluent enough in English when she arrived to have a serious discussion. She was afraid she would be bullied or teased if she spoke up.

Koga didn’t discuss her feelings about the mushroom cloud until the atomic bombing came up in her U.S. history class.

It prompted her to discuss her perspective with Shawn Murphy, a photography class teacher who had mentored and encouraged her.

With his help, she came up with a script and the courage to share her thoughts with her classmates during a recent broadcast on AtomicTV − the school’s morning announcement program.

She’d learned about her classmate’s culture and history over the school year. Now she wanted to share some of her own.

Her grandparents lived about 30 miles from Kokura, where the bomb with Hanford plutonium was planned to be dropped.
But as the plane carrying the “Fat Man” bomb flew over Kokura, the cloud cover was heavy and the decision was made to instead bomb the backup site, Nagasaki.

“I am here today because of a cloudy day,” she told her peers in the video.

Her grandparents were safe, but 80,000 civilians − children, women and men − were killed unjustly in Nagasaki, she said.

“Should we have pride in killing innocent people?” she asked in the video. That cloud rising from the ground is made up of what it destroyed, the city and the people, she said.

She heard there were some complaints after the video was shown. But many people, students and teachers, told her they were proud of her.

“We’re just so proud she would stand up and be bold enough to say something that people disagree with,” said Sarah Landon of her host family.

Officially, despite the many mushroom cloud logos, the school’s mascot is the B-17 Bomber like the one Hanford workers pitched in with a day’s pay each to buy during the war.

It was a good year, with many friends and memories made, Koga said. She’s OK with being a Bomber.

“I am not trying to change your mascot, but just help you consider a perspective that is more personal,” Koga said.


Published June 9, 2019 at 11:30PM
Japanese exchange student speaks about mushroom cloud logo at Washington high school
By Annette Cary, Tri-City Herald (Kennewick, Wash.)
https://www.bendbulletin.com/localstate/7220593-151/japanese-exchange-student-speaks-about-mushroom-cloud-logo

ロゴ ☟

ロゴ.jpg

 アメリカ西部ワシントン州の地方紙に、ある日本人留学生の勇気ある行動を伝える記事が掲載され反響を呼んでいます。
 留学先の高校のロゴマークに原子爆弾でできたキノコ雲のデザインが使われていることに1人、疑問の声を上げたのです。

 ワシントン州のリッチランドは、長崎に投下された原子爆弾に使われたプルトニウムが生産された町で、地元の高校のロゴマークにキノコ雲のデザインが使われるなど、住民の多くはその歴史を誇りとしてきました。

 福岡県の高校3年生、古賀野々華さんは、こうした背景を知らないまま、交換留学で現地の高校に通うことになりました。

 しかし、学校に通う中で、ロゴマークや町の歴史について知り、地元の人たちの原爆に対する考え方を学ぶ中で、みずからが原爆についてどう感じているかを伝えたいと思うようになったということです。

 そして、学校の教師やホストファミリーの後押しを受けて、先月30日、放送を学ぶ生徒たちが、校内向けに制作する動画に出演し、自分の意見を伝えました。

 動画で古賀さんは、
「リッチランド高校では、キノコ雲のロゴは皆に愛され、いろんな所に掲げられています。自分にとってのキノコ雲は犠牲になった人と今の平和を心に刻むものです。キノコ雲の下にいたのは、兵士ではなく市民でした。罪のない人たちの命を奪うことを誇りに感じるべきでしょうか」
と問いかけています。

 古賀さんの勇気ある行動は、地元の新聞などが報じ、ツイッターではロゴマークの是非をめぐり議論が起きるなど反響を呼びました。

 留学を終えて帰国した古賀さんは、
「私1人だけが周りと全く違う意見を持っていて、英語もパーフェクトに話せない中、本当に伝わるのかとか、どんなリアクションが返ってくるのか考えてしまい、動画を公開する前の日は恐怖や緊張を感じました。あの動画がなければ、日本側の意見は一生知ることがなかったと言われ、本当にやってよかったと思いました」
と話しています。

ツイッターで反響も

 ツイッターには、古賀さんの行動をたたえる声や、キノコ雲のロゴマークへの批判が投稿されるなど反響を呼びました。

 英語のツイートの中には、
「ロゴマークを変える時が来たのではないか。これは平和のために活動する人への侮辱になる」
とか、
「今は1945年ではない。このロゴマークに違和感を覚えない人はあわれだ」
などといったキノコ雲のデザインに批判的なコメントが目立ちます。

 一方、
「長崎や広島につながりのある人たちにとっては受け入れがたいことかもしれないが、あれらの爆弾は、他の多数の日本人の命を救うことにつながった」
とか、
「戦争を終わらせたというのは誇りに思ってよいことだと思う」
という投稿もありました。

 また、アメリカ在住の被爆2世だという女性は、
「学校のロゴについての議論を通じて、私の母や家族のように、あのキノコ雲の下にいた人たちの存在を伝えてくれた日本人留学生のことを誇りに思います」
と古賀さんの行動をたたえました。


[動画]

NHK News Web、2019年6月13日 14時44分
原爆キノコ雲のロゴに疑問
日本人留学生の行動に反響
米西部

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190613/k10011950881000.html
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人が人を「不良品」なんて言ってはいけない

 人が人を「不良品」なんて言ってはいけない
『ワイドナショー』での松本人志さんの発言のことだ。
 強い言葉に酔うのはやめよう。
 論旨に理解できるところがあっても、それだけで全てが無効化されてしまう。
 なぜ人を不良品として扱ってはいけないのかについて書きたい。

 かつて日本には「優生保護法」という法律が存在した。
 1940年に制定された国民優生法が戦後改められ、1948年に優生保護法として施行された。
 優生を保護するために行われたのは、もちろん劣性の排除。
 遺伝性と思われる精神疾患、身体疾患に対し、強制的な中絶や不妊手術「優生手術」を行った。
 まさしく人を不良品扱いした法律だ。
 もちろん、うちの子と同じ難聴や聾の人たちにもこの優生手術が行われた。

 この法律は1996年まで存在していたという。
 たかだか20数年前。
 ひどい話だな、と思うかもしれないけれど、もっと驚くのは、この旧優生保護法に違憲判決が出たの今年の5月なこと。
 まだ一ヶ月も経ってない。
 未だに賠償責任が認められず係争中である、今現在の問題なのだ。
 これって、ほとんどの人がそうだと思ってきたからこそ、この状態が存置されきたのではないか。
 少なくとも、僕を含めたほとんどの人が目を背けてきたのは間違いない。

 また、松本さんの発言に対し、「ナチスの優生思想に近い」という反論も見かけた。
 なんで「日本の優生思想」ではないんだろうか。
 80年前の外国ではなく、現在の日本で起きている問題なのに。
 人に「不良品」という言葉を発した人も、それを「ナチス」という言葉で批判する人も、同様に当事者だし、同様に欺瞞的ではないか。
 強い言葉に酔うのはやめよう。

 次男は昨年、僕が38歳のときに生まれた。
 次男の難聴は遺伝性だ。
 僕も妻も、日本人の2%にある劣性の遺伝子を持っていたから、次男は難聴になった。
 もし一昔前に遺伝子解析の技術があったら、僕も妻も優生手術の対象者だ。
 つまり、38年生きてきたら、突然不良品になったのだ。
 そんなこと、想像もしていなかった。

 もちろん現在も優生手術が行われているわけではない。
 でも、優生思想を80年も放置してきたこの国においては、みんな全く気がついていないだけで、いつでも誰でも不良品にされる可能性があるってことじゃないか。
 大げさな考えだとは思えない。
 松本さんはもちろんだけど、それを擁護する人も、さらには批判する人もみんな、そのことを自覚しているのだろうか。
 僕は全くしていなかった。

 もう一つ例を出したい。
 次男の難聴がわかって、書籍を読んだり、聾学校の先生や、聾者の話を聞いて知ったことだけど、日本のほとんどの聾学校では、2000年代半ばまで手話が禁じられていたそうだ。
 代わりにどうするかというと、口話法といういわば読唇術。
 聾や難聴の人たちは手話をしないよう後ろ手にされ、このめちゃくちゃ難しい口話法を厳しく教えられてきた。

 30代以上の聾や難聴の人にとっては本当に辛い記憶のようで、その話を聞くことが多い。
 口話法があまりにも難しいせいで身に付かず、手話もちゃんと習えなかったため、聴者とも聾者ともコミュニケーションができなくなり、孤立してしまう人も少なくないそうだ。
 ある聾学校の先生も、その時代の反省をしきりに話していた。

 聾や難聴の人にとっての第一言語は、日本語ではなく日本手話だ。
 口話教育は聴者が聾や難聴の人を「不良品」と決めつけ、聴者に無理にあわせようとした結果ではなかったか。
 こんなのも全部、自分が関わるまで知るよしもなかった。
 これが、たかだか十年くらい前まで、公教育の現場で行われてきたのだ。

 改めて思うけど、国ってかなり適当にできている。
 国家の本質が善であるなら、こんな不正義が起こるわけない。

 僕は「不良品」発言について、上記の理由から心底下品だと思うけど、そこまで批判するつもりもない。
 僕が松本さんに言えることがあるとすれば、ちょっと国家というものを信用しすぎているんじゃないか、ということ。
 政権に寄り添った発言しかしなくなるのも、首相と飲みに行くのも個人の自由だと思うけど、自分のしていることを自覚しているのかなと思う。

 芸人は反権力であれ、なんてことをいうつもりもない。
 僕は、この国はよくできているし、結構いい国だと思っている。
 でも国家というものを野放しにしてはいけないというのは、300年以上前にジョン・ロックって人が言ってからずっと民主主義の約束事だ。
 憲法は国家を縛るためにある
 世界中で立憲主義を採用している国が圧倒的に多いのは、国家というものがそもそも暴走を孕んでいるためだ。

 思想の左右に関係なく、政権やどの政党を支持するかと関係なく、国家という権力は監視しなければいけない。
 そして、不正が起きないよう批判的なスタンスでなくてはいけない。
 特にメディアにとっては、メディア論の教科書の1ページ目に出てくるくらい権力の監視は重要なことだ。
 メディアはもちろんメディアに関わる影響力のある人たちは、その責任を重く受け止めなければいけない。
 それを怠ればどういうことになるか?

 旧優生保護法と口話教育の問題がその証左だ。

 首相と飲みに行ったり、首相と組閣ごっこ写真を撮ったり、政権与党から広告費をもらってファッション誌にヨイショ記事を作ったりして、監視や批判なんてできるのかな。
 少なくとも、僕は自信ない。
 勝手なようだけど、だからこそそういう人たちを信用できない。
 いや、でも絶対に無理でしょう。
 こういう話を書くのにある程度の覚悟が必要な社会の空気も、ほんとうに嫌だ。
 ああ、嫌だ。だから書いた。

 最後に、ある日突然「不良品」になった当事者として書いておきたい。
 変な話だけど、次男の難聴がわかってほっとしたことがあった。
 それは、自分がレイシストではなかったことだ。
 もちろん、無自覚な差別をしていないか、常に考える必要はある。
 でも、差別的な行為や言葉を嫌悪する自分でいたから、難聴の次男も不良品の自分も嫌悪せずにいられる。

 38年生きてきて、いきなり「不良品」になったのだ。
 どんな人だってなる可能性がある。
 もしこれを読んでいる人が、自覚的にだれかを差別をしているのなら、まず自分のためにやめることを勧める。


note、2019/06/13 16:23
社会から突然「不良品」にされた話
大熊信
https://note.mu/daikuma/n/n613ee62f5f69

 またも「ダウンタウン」松本人志(55)の問題発言が世間を騒がせている。

 2日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜・前10時)で、松本は川崎市の登戸駅近くで発生した無差別襲撃事件の容疑者(51)に関して、「不良品」という言葉を使用。「人間が生まれてくるなかで、どうしても不良品って何万個に1個(生まれる)。これはしょうがないと思うんですよね」とし、さらに「もうその人たち(=不良品)同士でやりあってほしいですけどね」とまで踏み込んだ。

 この発言には放送直後からネット中心に批判が殺到。「人間を生まれついての不良品と見なす人間観。そうした見方が歴史上どれだけの不幸を起こしてきたかを少しでも知っていれば、口に出せるものではない」「確かに犯人がやったことは最悪だが、人間には生まれながらの絶対的な『不良品』なんていない」という意見から「松本さんの言葉は、まともではない人は排除すべきという優生思想そのものでは?」という声まで出た。

 2019年6月7日、東京・台場の本社で行われたフジテレビの定例社長会見でも当然、松本の「不良品」発言に対する局トップの見解が問われた。

 26日の株主総会で会長兼CEO(最高経営責任者)に就任する予定で、これが最後の定例会見となった宮内正喜社長(75)は、
「番組制作のことですので…。石原取締役」
と、制作・編成担当の石原隆取締役(58)に答えを託した。

「生放送ではない収録番組で、こうした内容が放送されたが…」
と強調した質問に対して、石原氏は、
「ご指摘のとおり、そうした発言が放送されました。さらにご指摘のとおり、事前に収録している番組でございまして、生放送ではございません」
と潔く認めた。
 その上で、
「事前に収録した際に我々としては、その発言の中に差別的な意味合いは含まれていないという判断で(放送した)―。いろいろな意見を戦わす、議論する番組でございますので、そう言った差別的意図はないということが伝わるだろうと思って放送したつもりですが、放送後にそうした批判が出ていることも認識しております」
と続け、
「今後は我々がそう言った意図でなくても、そうしたご批判として受け取られる可能性があることに関しては、きちんと我々も受け止めて、今後の番組ではそう言ったご批判を番組作りに生かしていきたいと思っています」
と答えた。

1月にも

 私には、このやり取りに大いに既視感があった。

 1月25日、東京・帝国ホテルで行われた同局の定例社長会見でも同様の問答があった。
 同月13日放送の「ワイドナショー」でも、松本は共演の指原莉乃(26)に対し、「お得意の体を使って」などと発言した。

 番組では、NGT48(当時)の山口真帆(23)が昨年2018年12月、男性ファン2人に自宅に押しかけられる被害を受けた事件について、松本中心にトークを展開。
 指原が、
「誰がトップなのか、誰が仕切っているのか本当に私ですら分からない状態」
と同グループの現状を訴える流れの中、松本の「それはお得意の体を使って何とかするとか」という発言が飛び出したのだ。

 明らかに女性蔑視である以上に、そもそも松本自身が女性という存在をどう見ているのかまで疑われるような暴言。
 それだけに放送直後から
「ひど過ぎるセクハラ発言」
「芸人だから何を口にしてもいいわけではない」
などなど、数多くの批判の声が上がった。

 松本自身、翌週20日の同番組で、
「今日をもって無口なコメンテーター。新しいジャンルで。ギャラ泥棒になっていこうかなと思ってますけど」
と、まず笑わせ、番組が収録放送だったため集まった「問題の発言をカットして放送すべきだった」などの意見に対して、
「なんでカットせぇへんねん(という声)もあったが、基本的にこの番組は、ボクの言うことをできるだけカットせずに使っていきたいという暗黙の了解というか、決めてはないですけど、そういう番組なんですよ」
と説明。
 その上で「体を使って」発言をカットしなかった理由を、
「鬼のようにスベっていたから。鬼のようにスベったら逆に恥ずかしくて言えないですよね。あんだけスベっていたら恥ずかしくて早く家に帰りたい」
と明かしていた。

 SNS上などでの炎上についても、
「炎上はこの先もしていくと思うんです。それはしようがない。炎上で得られるものもあるし。なるほどなって、こんな大火事になるんや。その大火事になった時に本当に大切なものが見えてくるし。持ち出して逃げなアカンものが何なのかもわかるし」
とし、最後に、
「(相手と)親しくても、テレビに出たら堅苦しくしゃべらなアカン世の中になってきたのかな」
と疑問も投げかけた。

 その直後の定例会見だっただけに「松本さんの発言を社長として、どう捉えているのか?」という質問が当然、出た。
 宮内社長は、
「放送責任は局にある。出演者同士の(親しい)関係性から来る言葉だったが、視聴者の受け止め方は多様化している。そのバランスを測ることもテレビの大切な仕事だと思うし、我々は時代の変化に敏感でなければならない。今後は今回の反響を参考にして、常に視聴者の思いに敏感でなければならない。そうした姿勢で番組制作に努めるよう、現場に指導しているところです」
と反省の弁を述べた。

 重ねて、怒りをあらわにした女性記者から、
「事前収録の番組だっただけに制作サイドが(カットするなど)編集もできたのでは?」
と聞かれた石原氏は、
「事前収録でございます。当然、(松本の発言の是非がスタッフ間で)議論になった結果、あの放送になった。番組自体が松本さんたちの発言をそのまま生かす形を取ってきた。なるべく出演者の意見を生かす形で構成されることを原則としてきたが、今後はますます慎重に考えて放送していかないといけない。そうした話を制作現場としている最中です」
と制作の総責任者として現場の改善に乗り出していることを明かした。

 その上で「番組の編集権、放送責任はフジテレビが持っている」と、あくまでも自局の責任であることを強調。
「今までのやり方は通用しないと思っていますし、今後、あらゆる角度から、こういった受け取られ方をするかも知れないということとか、これまでと違った今までは考えてこなかった角度からの検討も必要であると考えています。ウチのスタッフ間でまず方針を決め、現在、出演者の方々と話し合っております」
と明かしていた。

 このやりとりを受け、私は「フジテレビ社長も猛省の松本人志『体を使って』発言…残された大きな課題とは」と題したコラムを報知webにアップ。
「松本の自由自在のフリートークを制限してしまっては『角を矯めて牛を殺す』の例えもあるように、番組自体のストロングポイントが消失してしまう危険性まではらんでいるのは確かだ。表現の自由は最も守らなければならない権利であり、行き過ぎた自粛の動きが“言葉狩り”につながる危険性もあるだろう」
とも書いた。

 しかし、この考えは甘かったようだ。5か月を経て、またも松本の“暴言”は繰り返された。
 1月と同じ質問を投げかけられた石原氏は、この日も、
「指原さんのことについてもそうした話が出ました」
と5か月前の騒動を振り返った上で、
「出演者のある種の鋭い切れ味のせりふ回しと言いますか、言葉の選び方が一つの売りにもなっていると思うのですが、同時に傷つく人がいたり、今回のような批判を受けるということに対して、改めて我々が認識しなければいけないなと思っています」
と反省の弁を述べた。

 その上で、
「番組自体が意見を言えない番組になってしまうのはナンセンスなので、非常に難しい舵取りではありますけれども、そこの所を作り手として収録の際、慎重に見極めていくということしかないかなと思っています」
と話した。

 私の意見も石原氏と全く同じだ。
 松本の「不良品」発言は決して許されるものではない。
 今回、傷つけられた人の多さを思うと、きちんとした本人の謝罪が必要だとも思う。
 言いっ放しで済ませていいとは決して思わない。

 問題はもう一つ。
「生放送ではなく、収録なのにそのまま流されてしまった」という点にもある。
 立て続けの「体を使って」発言、「不良品」発言と自身の根本的な物の考え方を見直す必要があるのは確かな松本だが、「基本的にこの番組は、ボクの言うことをできるだけカットせずに使っていきたいという暗黙の了解がある」という1月の発言とは裏腹に「あまりにヤバければ、局側がカットするやろ」と言う甘えのようなものもあるのではないか。
 二つ目の言葉は全く私の想像の産物だが、そうとも考えないと、もはや炎上しての売名など全く必要のないお笑い界の大物が、ここまでの過激発言を繰り返す理由が見あたらないのだ。

 松本がナチュラルに言いたいことを言い、「炎上で得られるものもある」とまで開き直るなら、問題発言をストップする、オンエアしないための最後のカギは、フジの制作陣にこそ委ねられていることになる。

「この発言はひどい」「常識的にあり得ない」「傷つく人がいる」―。
 そんな言葉とともに勇気を持って松本の発言をカットする。
 編集時に収録部分のチェックを行う作り手たちにこそ最後の壁になってもらうしかない。

 この日の石原氏の真剣そのものの表情での「作り手として収録の際、慎重に見極めていくということしかない」という発言を聞いた瞬間、私は心の底からフジの制作陣にエールを送る気持ちになった。


スポーツ報知、2019/6/8(土) 11:16配信
繰り返される松本人志の問題発言…
「不良品」という言葉は果たしてカットできたのか?

(記者コラム・中村 健吾)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190608-00010001-spht-ent&p=1

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ウズベキスタン

ウズベキスタン

1泊2日でウズベキスタンのサマルカンドを観光してみた!
https://www.youtube.com/watch?v=FxMJ88qQf2w

ウズベキスタン
https://www.youtube.com/watch?v=k5LR_ooEOe4

シルクロードの交易路として栄えたウズベキスタン。
ティムール帝国時代に築かれた美しいモスクや霊廟が建ち並ぶサマルカンドは、青の都と称され世界中の人たちが一度は訪れたいと憧れる街です。
そんなウズベキスタンで知られざる日本との縁と、この国の魅力をレポートしてきたミステリーハンターの平田薫さん(1989年生まれ)にお話を伺いました。

「世界ふしぎ発見!」の取材班が取材攻め!?
親日国ウズベキスタン

 日本では、ウズベキスタンというと日本とあまりご縁のない国と思われている方が多いのではないでしょうか。私もそうでした。
 ですがウズベキスタンの方たちは日本と日本人にとても好印象を持ってくださっていて、行く先々で温かなおもてなしをして頂きました。
 ウズベキスタンは親日国なのです。
 そしてなぜ親日の方が多いのかということは、多くの方にお伝えしたいことのひとつです。
 現地で取材をしていて、ウズベキスタンの方はみなさんご存知なのに、日本ではそのことが殆ど知られていないことに少し申し訳ない気がしてしまいました。

 ウズベキスタンの方たちが日本に親しみと関心を持って下さっていると感じたのは、みなさんに親切にして頂いたからだけではありません。
 私たちは何度も現地の放送局から取材を受けました。
 そしてテレビに出演すると翌日には街行く人が「あなた昨日テレビに出ていたわね!」と声をかけてくださるのです。
 それほど長い時間出演していたわけではないので、一体私って何の有名人!?と思ってしまいました(笑)。

 また自ら案内役を買って出てくださったアジズ・アブドウハキモフ(Aziz ABDUKHAKIMOV)副首相には大変お世話になりました。
 世界遺産や遺跡などの有名スポットではない、ウズベキスタンの魅力を感じられる所を教えて頂きました。
 アジズさんは、日本に留学されていたこともあり、とても日本語がお上手なのですが、留学なさっていたのが若い頃なので時折若者言葉を使うことも(笑)。
 気さくなお人柄もあって、国政のトップの方というのをついつい忘れてしまうほどでした。
 ですから緊張することもなく、ご一緒していてとても楽しかったです。
 そしてかつてのアジズさんのように日本留学を夢見る子どもたちにも会え、日本への想いが聞けたのも嬉しかったです。

女子のテンションが上がる!
雑貨天国ウズベキスタン


 サマルカンドで世界遺産のモスクなどを見た時、建物の美しさにも魅了されましたが、私が最も心惹かれたのはタイル一枚一枚に描かれた細かな文様の美しさです。
 市場で売られている陶器も素敵で、荷物が重たくなるのも覚悟でけっこう買ってしまいました(笑)。
 今、鮮やかな色彩のお皿は部屋に飾り、多分お茶などを入れるものだと思うのですが、紺色の柄のボウルをご飯茶碗として使っています。
 ウズベキスタンは、お買い物がめっちゃ楽しい国でした!
 可愛い雑貨がたくさんあるだけでなく、どれもびっくりするほど安いのです。
 女性の方は特に市場に行くとテンション上がると思いますよ!

 陶器だけでなく、刺繍や織物も素敵でした。
 ウズベキスタンの伝統刺繍のスザニ Suzani を取材した時には、みなさんの技術と根気の強さに感動しました。
 私も趣味で刺繍をしますが、根気がないから大作は作れません(笑)。
 ウズベキスタンでも手刺繍は少なくなって、ミシンで施すことも多いそうです。
 でも手縫いの刺繍はカーブするところが可愛らしく味があって、やはり違うと感じました。
 時間をかけて丁寧に仕上げている手刺繍は100年以上持つそうで、完成すれば代々受け継げる宝物になることも素晴らしいと思いました。

 実は、このスザニの取材の時に撮影用に美しい刺繍が施されたジャケットをお借りしたのですが、そのジャケットを撮影後にプレゼントしてくださったのです!
 刺繍好きの私にはこの上ない贈り物でした。
 その後、山間部で取材をした時に、用意していた衣装では寒かった時もあって、早速着させて頂き重宝しました。
 これからも大切に愛用したいと思います。
 今回の取材では、こういった贈り物を幾度となく頂き、旅人をもてなすというシルクロード時代からの伝統スピリットに感銘を受けました。
 また訪れたいと感じるたくさんの魅力がある国でした!

☆ 日本とウズベキスタンの絆を感じられる場所、日本語学校と抑留者資料館についてご紹介します。

旅行者でも先生になれる!
日本語学校「NORIKO学級」


 駐在員だった大崎夫妻が設立した「NORIKO学級」は、子どもだけでなく大人も無料で日本語が学べる日本語学校です。
 日本語での会話や日本の文化について教えられるのであれば、資格や年齢の規定はなく、学生でも旅人でも先生になれます。
 ボランティアの先生は随時募集しています。
 また、今後の活動についてはNORIKO学級Facebookページにて随時告知されています。

● 日本語学校「NORIKO学級」
住所:151-300 152, Fergana street, Rishtan city, Fergana region, Uzbekistan

現地の方たちから長く敬愛されてきた
日本人について知ることができる資料館


 ジャリル・スルタノフ館長が、私費で建設した資料館。
 展示されている貴重な資料は、スルタノフ館長自身が長年かけて日本人抑留者を知る現地の人や当事者から話を聞き集めたもの。
 そして資料館の近くには、ウズベキスタンの地で亡くなった抑留者の日本人墓地もあり、こちらも現地の墓守によって美しく整備されています。
 資料館と共に訪れれば、日本人がウズベキスタンに刻んだ歴史をより深く感じられます。

● 日本人抑留者資料館
住所:20, Yakkasaray street, Yakkasaray district, Tashkent city, Uzbekistan


[動画]
ウズベキスタン👀驚きの地下世界!? &平田薫が陶芸に挑戦✨『世界ふしぎ発見!』6/15(土)オフショット[TBS]
https://www.youtube.com/watch?v=0LzscLIKE2o

TBSテレビ・世界ふしぎ発見 !、2019年6月15日 よる9時から放送
シルクロードのど真ん中に 「日本」がいっぱい!?
青の都ウズベキスタン

https://www.tbs.co.jp/f-hakken/onair/190615.html

西遊記の三蔵法師も立ち寄ったというシルクロードのオアシス国家、中央アジアのウズベキスタン。
現在はイスラム教徒が多数を占めるが、「8000年前には農耕が行われていた」とも言われる長い歴史の中で、仏教文化が栄えた時期もあった。
砂漠に埋もれていた仏教遺跡が今まさに各地で発掘されつつあり、ウズベクの観光関係者は「仏教」をキーワードに日本からの来訪者を待っている。
この目で確かめるべく、同地を訪ねた。

気温50度、砂嵐も


 季節にもよるが、首都タシケントへは成田空港からウズベキスタン航空が週2便、直行便を飛ばしている。
 それに乗れば約8時間半で到着だ。
 時差が4時間あるので午前中に日本を出ても、到着したウズベクはまだ真っ昼間だった。

「日本より暑いかもしれないけれど、何と言うか『暑さの種類』が全然違うんです」

 出発前、東京でウズベク大使館のハサノフ書記官から聞いてはいたが、空港を出ると、確かに暑い。
 しかし、確かに東京とは違う。
 カラカラに渇いているから、何だか爽やかだ。
 汗をかかない。

 滞在中、ウズベク国内をあちこちめぐったが、中部ブハラで同行者が日本から持ち込んだ温度計は50度を超え、ついに壊れた。
 日本の温度計は50度を超えるのは「想定外」らしい。
 50度といっても、日陰に入ればクーラーなしでも一息つける。
 日差しさえ避ければ、どうということはない。
 出された果物は糖分が凝縮されていて、とにかく甘い。
 孫悟空も食べただろう。

 タシケントに一泊して、まず目指すは、日本人も発掘に大きく関わる仏教遺跡の宝庫で、アフガニスタンとの国境の町、テルメズ。
 国内便で1時間強、あっという間の旅だ。

 しかし、到着した私たちを待っていたのは、国境を越えて吹いてくる「アフガン風」だった。
 空は一面、黄灰色。
 空港の外が見えない。
「さあ、どうしよう」

柔軟なイスラムの国

 砂嵐が空を覆っていたが、「すぐ終わることもあれば、何日も続くこともある」。
 特に驚いた様子もなく、ウズベキスタン当局者は説明する。
 テルメズの空港ロビーでしばし待っていると、なるほど、何だか終わってきた。
 小さなつむじ風がまだ砂の渦を巻いて路上を進んでいるが、さあ、仏教遺跡へ出発だ。
 空港から市内への道路は新しくてきれいだった。
 ところが、案内してくれる当局者たちと、まず向かった先はレストラン。
 まあ、確かに昼食時だった。
 すると、出てきたのは一口大の小さな透明なグラスに入った、これまた透明な液体。
 私はこれを知っている。
 ウオツカではないか。
 ウズベクには古き悪しきソ連文化が息づいている。
「皆さん、仕事中でしょう」という言葉は、大きな笑い声にかき消された。
 と言うより「イスラム教徒でしょう?」

 滞在中、あちこちで、随分と「柔軟なイスラム」と出会えるのがウズベクだ。
 国際テロ組織アルカイダ、過激派組織「イスラム国」と過去15年、日本の報道は「イスラム」と言えば過激派一色だった。
「酒は厳禁」「偶像崇拝禁止」「女性は顔をベールで覆う」「一日に何度もお祈り」「断食がある」

 すっかり固定観念を植え付けられていたことにウズベクでは気付かされる。
 同行者によると、こうしたイスラムの義務についてウズベク社会では「やりたい人はやる。干渉はしない」という個人主義が基本だそうだ。
 統計にもよるが「世界人口の4分の1がイスラム教徒」といわれる。
 柔軟さがなければ、これほど多くの人を引き付けられないだろう。
 昼間から酒を口にしても、道中ひとたびモスク(イスラム礼拝所)に立ち寄れば、腰を据え、手のひらを上にして、誰もが真剣に祈る。
 この切り替えは見事だ。

 日本人も正月は神社、結婚式は教会、葬式は寺に行く。
 その時々、自分の気分に合った最適な選択をして生きていて、矛盾は感じない。
 ウズベクの人々を見ているうちに、分かり合えるような気になる。

砂に守られ、残った傑作

 「ガンダーラ」
 テルメズは今から1900年もさかのぼったころ、中央アジア一帯を席巻したガンダーラの世界の一部だった。
 日本の特定の世代にとっては1970〜80年代、音楽界を席巻したバンド「ゴダイゴ」の旋律で思い出すはずだ。
「ガンダーラって何だろう」
 子供の頃、謎めいた思いを抱いた。

 紀元前5世紀ごろ、今のネパール出身のシャカ族の王子ガウタマ・シッダールタによって仏教は誕生した。
 高校の世界史では、仏教について「当初は仏像は存在しなかった」と習う。
 仏像が登場したのは、紀元1世紀頃のガンダーラ地域(中心は現在のパキスタン北西部ペシャワル)というのが有力説の一つ。
 アレクサンドロス大王の遠征後、残されたギリシャ文化と融合し、クシャーナ朝(1〜3世紀)で開花したのがガンダーラ美術で、ガンダーラ美術の世界は現在のウズベキスタンにも広がっていた。
 ただ、このクシャーナ朝、どんな国だったのか実はよく分かっていない部分も多い。
 だから謎めいているのは大人になった今も同じだ。

 その謎めいた存在を自分の目で確かめられるのがテルメズなのだ。
 郊外にある遺跡「ファヤズ・テパ」。
 土でできた迷路のような構造は、ガンダーラの時代をしのばせる僧院跡だ。
 埋もれていた砂の中から発掘された。
 天文観測所のような丸いドームの中にはストゥーパ(仏塔)が残る。

 ソ連時代の1960年代に存在が確認され、少しずつ全体像が分かった。
 専門家が「祈りの場、勉強部屋、台所…」と、土の壁で区切られた間取りを説明してくれた。
 往時には大勢の僧が修行していたらしい。
 この遺跡からは、ガンダーラ美術の傑作である三尊仏が極めて良好な保存状態で見つかっている。
「入り口の部屋で、突っ伏した状態だった」ため、砂に埋まった顔がきれいに残ったという。
「米国の有名な美術館が『その三尊仏と同じ重さの金塊と交換してくれ』と交渉してきたが、当時のソ連がその価値に気付いて断った」と説明を受けた。
 おかげで三尊仏は今、首都タシケントの「ウズベキスタン歴史博物館」で見ることができる。
 博物館最大の目玉展示品だ。
 高さ1メートルにも満たないこの小さな仏像から始まり、東へ東へと伝わって、奈良の東大寺で752年、高さ16メートルの大仏となって開眼したと思うと、感慨もひとしおだ。
。。。
世界遺産で暮らす日本人教師

 アフガニスタン国境を離れ、北東へ200キロ、ウズベキスタン中部にある世界遺産の古都、ブハラを訪ねた。
 薄黄色の石でできた丸屋根の建物が、青い空の下に連なっていた。

「ウズベクは治安だけは良いのです」

 東京で聞いていた通り、ブハラの町の中心部はのどかだった。
 車は少ない。
 大きな体のおじさんが大通りの中央でうつぶせに倒れ、うなっていた。ぎっくり腰か。
 商店主や集配人が次々集まってきて、エイヤエイヤっと腰を伸ばすマッサージをしてあげていた。
 これは効きそうだった。ウズベク式マッサージか。

 ここにも仏教遺跡の痕跡が残っている。「マゴキ・アッタリ・モスク」。
 第2次大戦前夜、ソ連の学者が地中から発見したモスクだ。
 もともと仏教の寺があった場所に建てられている。
 ゾロアスター教の寺も過去にはあったらしく、破壊と再建を繰り返した歴史が刻まれている。

 この街で暮らす日本人女性と出会った。
 熊本県出身の大塚麻里子さん(32)。
 国際協力機構(JICA)から派遣された日本語教師だ。
 この日は、折り紙教室を行っていた。

 シルクロードの中心ウズベクは多民族国家だ。
 ウズベク人だけの国ではない。
 旧ソ連時代、共通言語はロシア語だったが、今は若い世代ほどロシア語が通じない。
 もともと中央アジアの国境はスターリンが勝手に引いただけで、ブハラにもタジク人をはじめさまざまな人種が混ざり合って暮らしている。

 この状況での大塚先生の授業はたくましい。
 日本語が分かるようになった生徒に、ウズベク語やタジク語、ロシア語に次々通訳させて指示を出す。
 動きだせば「ここ、もう1回折る、こうやって」と直接日本語で指導。実践的だ。

 座学だけではない。
「マツケンサンバをマスターした子もいる」という。
 頭から浴びた紙吹雪を終了後はみんなで掃除。
 そこまでが大塚先生の教えだ。
「たとえ学校でいじめられても、ここへ来れば仲間がいる。生徒一人一人の居場所がある教室を目指している」
と大塚先生。
「日本語を入り口に、違う世界に自分を広げてほしい」
と語り掛けている。
。。。
日本人にもっと知ってほしい

 旅の間、帯同してくれたのが日本語通訳のハサン・カシモフさん(24)だった。
 首都タシケントのウズベキスタン国立東洋学大学の日本語学部卒。
「電話で話していると日本人みたい」
と同行した日本人から称賛されていた。
 将来の日ウズベク関係を背負って立つ逸材だ。
 母はロシア語の教師。
 結婚したばかりの妻は中国語、妹はトルコ語を専攻しており、一族で旅行すればシルクロードを東から西へ横断できる「言語一家」と言える。

 中学を卒業する際、進学先選びであちこちの高校を見学して回った。
 その際、出会った日本語教師に心酔。
 師事するために選んだのが同大付属高校で、高校から大学と一貫して日本語教育を受けてきた。
 日本語弁論大会を勝ち抜き、難関を突破して国費留学生となった。
 2012年から1年間、東京学芸大に通っている。
 ウズベクにはない海が見える風景と並んで、心に残る日本の思い出は、なぜか友人と行った埼玉県の「越谷レイクタウン」だ。
「あそこは楽しかった」と振り返る。

 そんなハサンさんにとって、日本で暮らしていて、
「同じ旧ソ連構成国でもロシア、ウクライナ、ベラルーシくらいまでは、まだ地図でどこにあるか分かってもらえるのに『ウズベキスタン』と言っても『え?』『どこ?』という反応が本当に多かった」
のは衝撃だった。
「もっとウズベキスタンについて日本の人たちに知ってもらいたい」というのが切なる願いだ。

 ブハラの古い商店街では、軒先に座っていた小学生の女の子が「日本の方ですか、お名前は」「どちらからいらっしゃいましたか」と話し掛けてきた。
 どうやら大塚先生の教え子らしい。
 驚くこちらの表情を見て笑っている。
 客引きもかねて実践あるのみ。
 なかなかよく鍛えられている。

 ウズベク語は、トルコ語や韓国語同様、文法が日本語に似ていて、日本語と同じような順番で話せる。
 だから簡単だというわけではないが、
「『私は学校に行きます』と言う場合『私は・学校・に・行きます』を順番にウズベク語に置き換えればいい。助詞の『に』もウズベク語にある」
とサマルカンドの田原さん。
 いわく「たった時差4時間の同じアジア」である。
 せっかくいろいろ近いのだから「もうちょっと身近に感じてほしい」と田原さんも日本に呼び掛けている。


時事ドットコムニュース
未知の「仏教国」ウズベキスタン
(時事通信外信部 松尾圭介)
https://www.jiji.com/jc/v4?id=201510uzbek0001

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2019年06月15日

トランプのパシリ

金子勝『平成経済 衰退の本質』(岩波新書、2019年4月)
負の遺産の30年、脱却できるか?

 どのように政府が粉飾しようとも、日本の経済は、平成の30年の間に明らかに衰退を遂げた。
 なぜこうなってしまったのか。

 著者は、世界的な資本主義の変質から説き起こし、金融自由化とグローバリゼーションの中で新自由主義が浮上してきた流れを論じる。
 その中で日本は、バブル経済崩壊後の不良債権や経営破綻(はたん)、そして原発事故の処理において、経営者も監督官庁も責任逃れと失敗のごまかしを繰り返してきた。
「構造改革」と規制緩和は、新産業の創出をもたらさず、逆に社会保障と地域財政に打撃を与えた。
 皮肉にも、過去からの日本の「無責任の体系」(トップが責任をとらないこと)が、市場と一般市民の自己責任を重視する新自由主義と共振してしまったのである。

 失敗の集大成とも言うべきものがアベノミクスである。
 日銀の超低金利政策と国債・株式の大量購入は、“出口のないネズミ講”と化している。


 オリンピックや万博などのイベント誘致は、古い産業と「ゾンビ企業」を延命させ、産業の新陳代謝をむしろ遅れさせている。
 有効な処方箋を打ち出せてこなかった経済学の現状に対しても、著者は厳しい批判を投げかける。

 格差拡大に不満を募らせる各国の国民は、トランプを典型とするポピュリズム政治を生み出したが、これについても日本は特殊である。
 著者曰(いわ)く、演説や答弁の能力が低い安倍晋三首相は、成果の出ない見せかけのスローガンだけを次々に掲げ、国民の中に無力感とニヒリズムを浸透させるという黙従型のポピュリズムを作り出している。

 本書の分析は読者を暗澹(あんたん)とさせるだろう。
 しかし著者は、日本の現状から脱却するための具体的な提案を終章で示している。

 そこから先を引き受けるべきは幅広い国民である。
「われわれに残された時間は多くない」
と著者は締めくくる。

 平成は終わった。
 しかしその負の遺産が、私たちの肩に重くのしかかっている。


朝日新聞、2019年6月15日05時00分
評者・本田由紀(東京大学教授・教育社会学)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14056411.html?rm=150

 慶応義塾大学名誉教授の金子勝氏が6月14日、ツイッターを更新した。

「何しにイランに行った?」と題し、イランを訪問中の安倍晋三首相(64)に言及。

「アベはトランプのパシリでイランに米国と交渉するように言いに行った。トランプは、イランは『準備が整えば』米国に交渉を要請してくると述べたが、ローハニ大統領(ハメネイ師も)は、イランには米国と交渉する意向はないと述べた。外交の成果?」
とつぶやき、安倍首相が仲介の役割をまるで果たせなかったことを厳しく批判した。

 訪問中には日本が運航するタンカーが攻撃を受けるなど、融和どころか、逆に日本との緊張も高まっている。


東スポWeb、2019年06月14日09時31分
慶大名誉教授・金子勝氏
イラン訪問の安倍首相は「トランプのパシリ」

http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tokyosports/entertainment/tokyosports-1432830

 人生100年時代に向け、金融庁がまとめた「資産寿命」の指針案がヒンシュクを買っている。
 指針案によれば、年金だけが収入の無職高齢夫妻(夫65歳以上、妻60歳以上)だと、家計収支は平均で月約5万円の赤字となり、蓄えを取り崩しながら20〜30年生きた場合、1300万〜2000万円が必要になる。

 ところが、日銀の金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」(2017年=2人以上世帯)によると、20〜70代の全世帯で3割前後が貯蓄ゼロだ。
 貯金額の中央値は50代400万円、60代601万円、70代600万円。
 平均値は50代1113万円、60代1411万円、70代1768万円だった。
 中央値と平均値で700万円超の乖離がある。
 つまり、一部の富裕層が多額の貯金を持つ一方で、半数以上の人が大した貯蓄がない。
 しかも株式や不動産を保有しない人は、マイナス金利下で貯蓄を目減りさせている。

 年金で生活するのは無理だから資産運用して金融所得を得ろというのは、自己責任論の最たるものだが、金融庁の指針案は日本の格差社会の深刻さをまったく見ていない。

 官製相場といわれるように、日銀のETF保有率が75%に達し、株価を維持してきた。
 だが、タリフマン(関税男)のトランプ米大統領によって世界経済は分断され、その煽りで株価は下落している。
 TOPIXが1350ポイント、日経平均株価が1万8000円を割り込むと、日銀の持ち分は赤字になる。
 だから、庶民に投資信託の運用を勧めているのか。
 虎の子をはたいて、庶民が株価を買い支えよと言っているようなものだ。
 自らの政策の失敗を国民に押し付けようとしているのか。

 米中貿易戦争の煽りを受けて、昨年の国内公募の追加型株式投信(ETF、DC専用、ラップ専用、設定後1年未満を除く)の中で、純資産総額(残高)が100億円以上の735本のうち、プラスリターンを確保したのはわずか50本だったという。
 高額の株式投信はほとんど赤字なのだ。

 金融庁のいい加減な議論に乗っかったら、ババを引かされ、ツケを負わされるのは目に見えている。
 騙されてはいけない。


日刊ゲンダイ、2019/06/12 06:00
「資産寿命」の指針案 金融庁の議論に乗ったらババを引く(*)
(金子勝・立教大学大学院特任教授)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255858

 この間、安倍首相は実に67回も外遊しているが、ことごとく失敗に帰している。

 原発セールス外交は、ベトナム、台湾、リトアニア、トルコ、英国と建設中止・中断に追い込まれている。

 話し合いを拒否してJアラートを鳴らし、各国に北朝鮮との断交を求めてきた結果、北朝鮮問題では全く「蚊帳の外」だ。
 拉致問題を解決するために日朝首脳会談をすると言っても、全く見通しが立たない。

 先に訪ロした際も、面前でプ−チン大統領に領土問題を棚上げした平和条約締結を主張されても反論できなかった。
 いまや北方領土ではロシアの軍事訓練が行われている。

 9月26日に行われた日米首脳会談で実質FTA交渉に引きずり込まれたことも同じだ。
 もともと安倍政権はTPP交渉参加に断固反対だったはずが、公約を反故にして交渉に参加した。
 トランプ政権が一転してTPP離脱を表明すると、TPP11を成立させ、トランプ政権をTPPに復帰させるとした。
 しかし、2国間FTA交渉を求めるトランプ政権の前に押し切られ、これはTAGでFTAではないとごまかす。

「自国中心主義」を掲げて強引な要求を重ねるトランプ政権に対して、安倍首相は外交の場で何も主張できず、相手の言いなりなのである。

 これまでも1980年代以降の日米構造協議で次々と先端産業を譲り渡してきたが、いまや貿易黒字の7割を占める自動車をターゲットにする。
 アメリカ側はアベノミクスのアキレス腱を突いて「為替条項」を持ち出す。
 もし円安に触れれば、日銀の金融緩和が止められ、国債や株価が暴落し、急速な金利上昇を招きかねない。
 そうなれば、国債費が膨張して財政危機に陥り、国債価値が毀損して日銀も年金も金融機関も巨額の損失を抱え、日本経済は動きがとれなくなる。
 首根っこをつかまれ、結局、安倍政権は農産物を取引条件にするだろう。
 今や日本のドル建てGDPは落ち込んだまま。
 地域経済も疲弊している。
 何も主張できない安倍外交を止めなければ、日本経済は破壊される一方になってしまう。


農業協同組合新聞(JAcom)、2018.10.18
日本経済を破壊する安倍外交
プーチン大統領の突然の提案に苦笑いしか返せなかった安倍首相。
新たな日米通商交渉でも何も主張できなければ日本経済全体が破壊されると金子教授は警鐘を鳴らす。

(金子勝・立教大学大学院特任教授)
https://www.jacom.or.jp/nousei/tokusyu/2018/10/181018-36438.php

(*)
 今の高齢夫婦世帯は平均で、毎月の支出と年金などの収入の差額5万円を資産の取り崩しで賄っており、30年で2千万円が必要になる。
 そんな数字を示した金融庁審議会の報告書受け取りを、麻生金融相が拒否した問題で、きのう衆院財務金融委員会が開かれた。

 麻生氏は、
「あたかも公的年金だけでは足りないかのような誤解、不安を与えた。年金は老後の生活の柱という政府のスタンスと違うので受け取らない」
との説明を繰り返した。

 受け取らないのだから報告書そのものが存在しない。
 そんな理屈で、与党は衆参予算委員会の開催にも応じていない。

 だが、報告書を封印すれば国民の不安が消えるわけではない。
 国会での論戦を避ける姿勢こそが、年金制度への信頼を傷つけていることを、政府・与党は自覚すべきだ。

 たしかに、支出の平均値を生活に必要な額のようにとらえ、収入との差額を、報告書が「不足」「赤字」と表現したのは乱暴だった。
 その点は政府が丁寧に説明する必要がある。

 ただ、
「今後、社会保障給付は低下することから(貯蓄を)取り崩す金額が多くなる」
と審議会で指摘したのは、他ならぬ厚生労働省だ。
 政府もこれまで、私的年金の拡充などの政策を進めてきた。

「公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか考えてみることが重要」
という報告書の主張は、政府のスタンスと異なるわけではない。

 政府・与党が繰り返す「年金100年安心」は、現役世代の保険料負担に上限を決め、収入の範囲内で年金をやりくりして100年間は給付と負担が均衡するようにしたに過ぎない。
 人口減少や長寿化が進めば、それだけ給付は抑制される。

 政府は現役世代の手取り収入額の5割という年金水準を約束しているが、これも65歳時点の数字だ。
 実質的な水準低下はもらい始めてからも続く。

「十分な年金をもらえるのか」という国民の不安をどう解消するのか。
 政府は、70歳まで働ける環境の整備や、年金の受給開始を遅らせると年金額を増やせる仕組みの拡充、非正規雇用の人の厚生年金加入を広げることなどを、次の年金改革の柱にする考えだ。

 それでも不十分となれば、所得が低い人のための手立てをさらに考えるのか、現役世代の保険料の上限を見直すのか。

 そうした議論の材料となるのが、5年に1度の年金財政検証だ。
 前回は6月上旬に公表されたが、今回は遅れている。
 早く公表し、議論を深めることが、国民の不安に応える第一歩だ。


朝日新聞・社説、2019年6月15日05時00分
報告書「拒否」
不信あおる政府の逃げ

https://www.asahi.com/articles/DA3S14056585.html

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Abe, a messenger boy and/or a sheepish messenger has gone to Iran!

・・・Further to the article from the Washington Post published on June 14 at 12:59 AM, following the text written by Ishaan Tharoor as under・・・ 

[Video]
The U.S. Central Command released a video June 13 it says shows Iran removing a mine from a targeted tanker. (U.S. Central Command via AP)(*)

What transpired earlier could have been quite momentous, too. Abe’s visit to Iran marked the first trip made by a Japanese prime minister to the Islamic Republic since the country’s 1979 revolution (though it’s Abe’s second − he accompanied his father, then-Foreign Minister Shintaro Abe, in 1983). His arrival came after apparent encouragement from President Trump and conversations with the leaders of other countries in the Middle East that are similarly antagonistic toward Iran. Abe was determined to start the process of rapprochement.

“Middle Eastern peace and stability is essential not only for this region, but for the prosperity of the world,” Abe said in televised remarks Wednesday while standing alongside Iranian President Hassan Rouhani. “Nobody wants war. Japan wants to do all it can to relieve tensions.”

But while his aspirations were clear, his potential for achievement on this trip was less so. Neither the Iranian regime nor the Trump administration is prepared to meet the conditions expected of the other side. The United States seeks a wholesale revision of supposedly malign Iranian activities and support for militant groups in the Middle East. And Iran wants an end to U.S. sanctions and the return to the understandings of the nuclear deal. Just a day before Abe’s arrival in Iran, the United States issued a statement that encapsulated the surreal state of play, scolding Tehran for apparently breaching the nuclear deal that the Trump administration has already unilaterally rejected.

Amid such an impasse, Abe could complain of being dealt a rough hand. But it was believed he was bringing proposals, possibly agreed upon following consultations with Trump and U.S. officials, that could at least help ease tensions − if not push through a real diplomatic breakthrough.

“What Abe can do depends on what Trump has given Abe,” Kazuo Takahashi, professor of international politics at the Open University of Japan, told Bloomberg News. “If he’s going as a messenger boy, he’s shaming himself in front of the world’s public opinion. I don’t think he’d take such a political risk without some ideas of inducement for the Iranians offered by the Americans.”

[Video]
While meeting with Japanese Prime Minister Shinzo Abe in Tehran June 13, Iranian Supreme Leader Ayatollah Ali Khamenei disparaged President Trump. (IRINN)

But, for now, it looks as though the risk hasn’t paid off. On Thursday, Abe met Iranian Supreme Leader Ayatollah Ali Khamenei and emerged from the session reiterating Iran’s commitments to peace and not building or using nuclear weapons. His Iranian interlocutors, though, made clear the emphasis of the discussions, rejecting any notion of dialogue with the United States − and making Abe look like a sheepish messenger.
Several Iranian websites published these pictures of what they described as “a message that didn’t reach”
− Ali Hashem علي هاشم (@alihashem_tv) June 13, 2019

“I do not consider Trump, as a person, deserving to exchange messages with,” Khamenei’s website quoted him as saying. “We will not negotiate with the United States.”

And then the tankers exploded, prompting the evacuation of stranded sailors and accusations from all sides. “It is an awkward ‘coincidence’ and suggests that Abe’s visit is little more than a photo op with zero impact on tensions,” Jeff Kingston, a professor at Temple University’s campus in Tokyo, told my colleague Simon Denyer.

Whatever Abe’s efficacy, the incident marks a worrying escalation. “This is a way station to a wider conflict breaking out between Iran and the United States,” said Ali Vaez, Iran project director for the International Crisis Group.

“If Iran was behind it, it is very clear the maximum-pressure policy of the Trump administration is rendering Iran more aggressive, not less. If Iran was not behind it, then it’s clear some other actor in the region could be trying to engineer a Gulf of Tonkin incident,” Vaez added, referring to the clash in the South China Sea in 1964 that led the U.S. government to falsify the intelligence it used to justify the Vietnam War.

Still, the Japanese prime minister may have an ongoing role to play. “Abe may continue to serve as a go-between for Tehran and its rivals − particularly with the Group of 20 summit approaching,” Tobias Harris, senior vice president of Teneo, a D.C.-based global advisory firm, said in an emailed statement. “But reducing the risk of escalation will require a fundamental shift in the strategies of both Iran and the U.S. and its regional allies, a shift that Abe is unlikely to be able to accomplish.”
While I very much appreciate P.M. Abe going to Iran to meet with Ayatollah Ali Khamenei, I personally feel that it is too soon to even think about making a deal. They are not ready, and neither are we!
− Donald J. Trump (@realDonaldTrump) June 13, 2019

On cue, Trump chimed in, backing away from earlier statements that he was prepared to sit down for talks with Iran. “They are not ready, and neither are we!” he tweeted.


(*)
 もう少し時間をかけて分析した方がいいと思います。タンカーがもうすぐサウジに着くので傷口を調査もできるし。
 なんか、腑に落ちないですね。 イランだと思っている日本人は少ないのではないかな、ネットとか見ると。
 とにかく、アメリカの話を鵜呑みにせず、日本は中立維持がベストだと思います。

Japanese Prime Minister Shinzo Abe has called on Iran to play a role in ensuring peace in the Middle East.

Mr Abe is in Tehran, hoping to ease tensions between Iran and the US.

He is the first Japanese prime minister to visit Iran in four decades and is due to meet Supreme Leader Ayatollah Khamenei.

Iran has been angered by sweeping US sanctions imposed after President Trump abandoned a deal in which the Iranians agreed to curb their nuclear programme.

What happened?

Dozens of hard-line students protested outside Tehran's Mehrabad International Airport over Mr Abe's efforts to ease tensions between the US and Iran.

Mr Abe was greeted by Iranian president Hassan Rouhani and they held talks, before giving a joint press conference where the Japanese leader called for calm in the region.

"Amid rising tension, it is essential for Iran to play a constructive role in strengthening peace and stability in the Middle East, so that this region won't be destabilised further or accidental clashes won't happen," Mr Abe said.

Mr Rouhani said that Iran did not want conflict with the US but that it would give "a crushing response" if it were attacked.

Why has Abe gone to Iran?

Officially, Japan and Iran are marking the 90th anniversary of their diplomatic relationship this year.

Much more significant is that the trip comes shortly after US President Donald Trump made a state visit to Japan, a key US ally.

US relations with Iran nosedived over Washington's withdrawal from the 2015 nuclear deal over Iran's nuclear programme.

Tensions escalated further when the US sent an aircraft carrier to the region, raising fears of a military confrontation.

There are hopes that Mr Abe might be able to engage in some diplomacy between the two sides, dialling down tensions and getting them to talk to each other.

Just one day before heading off, the Japanese prime minister spoke to Mr Trump on the phone and exchanged views on Iran, a spokesperson for Mr Abe told reporters on Tuesday.

What's the Iran nuclear deal?

Essentially, in 2015 Iran agreed to limit its nuclear programme in return for sanctions being lifted.

The deal was done under the Obama administration though, and Mr Trump withdrew from it last year.

The US reinstated unilateral sanctions while other signatories to the 2015 deal - like the EU, Russia and China - still hope to keep the agreement alive.

In retaliation for sanctions reinstated by the US, Iran last month announced it would suspend some commitments.

On Tuesday, the International Atomic Energy Agency (IAEA) said Iran was increasing its production of enriched uranium though it's not clear when it will reach a limit set under the 2015 deal.

Why does it matter to Japan?

Tokyo has never been part of the Iran agreement but that does not mean it isn't affected.

Japan used to import oil from Iran. Following fresh US sanctions it has bowed to Washington and stopped those imports.

"Japan supports the 2015 agreement and is unhappy that the US pulled the plug and thinks it's a really big mistake," explains Professor Jeff Kingston, director of Asian Studies at Tokyo's Temple University.

"But it has no real say in the matter, so when US imposed sanctions it's not surprising that Japan followed."

While Tokyo can do without Iranian oil for now, any conflict in the Middle East would probably drive up oil prices and that would naturally affect Japan a lot.

Since the end of World War Two, Japan has always pursued what's dubbed an omni-directional foreign policy.

What that means for the Middle East is that Tokyo is trying to talk to everybody, stay friends with everyone, to make sure it can still get oil.

Can Japan mediate between the US and Iran?

Observers doubt that Mr Abe has much leverage to make a difference.

"My take is that the chances of brokering a 'deal' between Iran and the USA are close to zero," Professor Robert Dujarric, head of the Institute of Contemporary Asian Studies in Tokyo, told the BBC.

While unlike the West, Japan is free of historical or religious baggage when it comes to talking to Iran, "Mr Abe will still not be seen as an honest broker by Tehran," explains Mr Kingston.

A good mediator would be someone seen as impartial by both sides, but Mr Abe and Mr Trump have just met in Japan and for long have prided themselves on their good friendship.

"Given his close ties with Washington, why would Iran accept that Mr Abe is objective?" Mr Kingston says. "Iran will see Japan as clearly tied to Trump and the US alliance."

Most observers therefore expect very little from the trip and government officials have also been dialling down expectations.

On Tuesday, Japanese media cited unnamed government sources saying Mr Abe was not going as a mediator and did not have a quick fix to end the crisis.

Will it boost Abe's image back home?

Most analysts see the real purpose of the trip in his domestic agenda.

It might not yield much in terms of US-Iran tensions, "but it's good for Mr Abe," explains Mr Dujarric. "It shows the voter that he is a world statesman."

And that is important for the Japanese prime minister. Elections for the upper house are coming up in July and there is speculation Mr Abe might call a snap general election if he is confident he will win it.

"The international diplomacy is part of the art and theatre of politics for Mr Abe," says Mr Kingston. "He is good at that."

Mr Abe came to office on a promise to restore Japan amid a feeling that the country's best years might be behind it.

As prime minister, he portrays himself as reviving the economy and as boosting the country's standing on the international stage.

Yet so far, his international diplomatic activity has yielded little results, experts say.

Tokyo has been sidelines in the negotiation with North Korea while talks with Russia over a group of disputed islands have also stalled.

But given that all these diplomatic issues - including the Middle East tensions - are notoriously difficult, there's actually very little risk or downside for the Japanese prime minister, observers say.

"He won't be seen as failing to resolve them but rather as trying to do something," says Mr Kingston.

"Foreign policy doesn't win elections, but it helps to make Mr Abe look more substantial than he is."


[Video]
The BBC’s Paul Adams looks at the recent developments behind the US-Iran tensions

[photo-1]
Will Ayatollah Khamenei be this friendly given Mr Abe's close US ties?

[photo-2]
Mr Trump and Mr Abe met in Japan earlier this month

[photo-3]
Japan has tried to maintain good relations with all of the Middle East

[photo-4]
Mr Trump and Mr Abe are friends in politics and on the golf course

[photo-5]
Shinzo Abe sees himself as restoring Japan to strength

BBC, Published: 12 June 2019
Japan's Shinzo Abe in Tehran for talks amid US-Iran tensions
https://www.bbc.com/news/world-asia-48578314

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安倍首相の害交

 日本は民主主義が発達してるから警察も丁寧とかお花畑なことを言っているネトウヨや冷笑系がポツポツ観測されますが、警察がおとなしいのは日本人が従順な羊だからですよ。
 1989年、バブル真っ最中の大阪府警の様子をごらんください。
 この機動隊は30年後、沖縄で現地の人を「土人」と罵りました。


https://twitter.com/i/status/1139378884535705600

 これは香港ではないのです。
 こうしたメディアが報じない現実・・・では、

Khamenei.ir

U.S. president met & talked with you a few days ago, including about Iran. But after returning from Japan, he immediately imposed sanctions on Iran’s petrochemical industry. Is this a message of honesty? Does that show he is willing to hold genuine negotiations?

2:39 - 2019年6月13日

Donald J. Trump

While I very much appreciate P.M. Abe going to Iran to meet with Ayatollah Ali Khamenei, I personally feel that it is too soon to even think about making a deal. They are not ready, and neither are we!

11:21 - 2019年6月13日


Japanese Prime Minister Shinzo Abe arrived in Iran on Wednesday for a two-day trip that was aimed at cooling tensions in the region. And then things blew up.

On Thursday, two tankers carrying petrochemicals, one of which was a Japanese-owned ship, came under suspected attack in the Gulf of Oman. The incidents compounded the already simmering hostilities in what’s possibly the world’s most pivotal maritime corridor. After the United States slapped sweeping sanctions on Iran’s energy industry, the threat of disruption flared in the Strait of Hormuz − the narrow body of water linking the Persian Gulf with the Gulf of Oman and the Arabian Sea. About a third of the world’s oil tanker traffic passes through the strait, including an estimated 80 percent of Japanese oil imports.

The United States was quick to point the finger at Tehran. Late Thursday the U.S. military released a video it says shows Iranian forces removing an unexploded limpet mine from the Japanese vessel after the blast. A U.S. defense official had told my colleagues that they believed the attacks were carried out by divers using such mines. Last month, similar strikes, which U.S. officials also blamed on Iran, hit oil tankers in roughly the same area. On Thursday, Secretary of State Mike Pompeo described the incident as an “unacceptable escalation” by the Iranian regime.
Secretary Pompeo
It is the assessment of the U.S. government that Iran is responsible for today's attacks in the Gulf of Oman. These attacks are a threat to international peace and security, a blatant assault on the freedom of navigation, and an unacceptable escalation of tension by Iran.
3:27 AM - Jun 14, 2019

[Video]
The U.S. Central Command released a video June 13 it says shows Iran removing a mine from a targeted tanker. (U.S. Central Command via AP)

But Iranian Foreign Minister Javad Zarif tweeted that the timing of the attack seemed intended to undermine the “extensive and friendly talks” held this week with Abe. “Suspicious doesn’t begin to describe what likely transpired this morning,” Zarif said.
... ... ...
https://www.washingtonpost.com/world/2019/06/14/shinzo-abes-mission-iran-ends-flames/?utm_term=.2dd9cf3ec141

 安倍首相のイラン訪問は衝撃的な安倍・ハメネイ会談で終わった。
 正直言って私はここまで厳しくハメネイ師が米国を非難するとは思わなかった。
 今度の安倍首相のイラン訪問に意味があったとすれば、このハメネイ師のトランプ不信、いやトランプ拒否の姿勢を明らかにしたことだ。
 安倍首相は、このハメネイ師の強硬姿勢を、嘘をつくことなくトランプ大統領に伝え、日本は十分にその役割を果たした、後はあなた(トランプ大統領)が危機回避の為に正しい判断をしてくれる事を期待するだけだと伝えて、米・イランの対立から手を引くべきだ。
 これしかない。
 この事を、メディアは一致団結して安倍首相に訴えるべきだ。

 ところがメディアの対応はまるで逆だ。
 ハメネイ師の強硬な態度は、「米国に足元を見られないように、あえて米国への不信感と敵対心を強調した側面もある」(朝日)などと楽観的な勝手読みをし、成果焦らず関与を続けよ(産経)、橋渡しの第一歩だ(日経)などと書いている。
 G20サミットが緊張緩和に向けた次の重要なステップになる(産経)などと、安倍パフォーマンス外交を後押しまでしている。

 それにしても、日経新聞が教えてくれた、トランプ大統領の安倍首相にイラン訪問を命じた次の言葉には驚かされる。
 「今すぐにでもイランに行ってほしい」
 「この一週間は他の問題はいいからイランの事に集中してほしい」
 ここまで強く言われた安倍首相は、勝算も戦略も何もなくイラン訪問を決断するしかなかったということだ。
 そしてハメネイ師に一蹴されたのだ。
 何度も繰り返すように、中東外交だけは対米従属を止めなければいけない。
 リスクが高すぎる。


天木直人のブログ、2019-06-14
安倍パフォーマンス外交を打ち砕いたハメネイ師の交渉拒否
http://kenpo9.com/archives/6087

 今度の安倍首相のイラン訪問の背景に何があったのか。
 この真実に迫るのはとても重要である。
 そして、メディアが報じることだけではもちろんわからない。
 わからないが、様々な憶測がなりたつ。
 限りなく想像が膨らむ。

 私はハメネイ師が米国をあしざまに言って米国との対話を拒否した事は米国にとって思惑通りだったのではないかと思う。
 いや、そう思えてならないのだ。
 米国がいつの日かイランを攻撃するかどうかはわからないが、間違いなく米国はイランを悪者にして、米国のイランに対する強硬姿勢の正当化を図ろうとしている。

 私が注目したのは、安倍首相がハメネイ師と会って見事に仲介に失敗したにもかかわらず、トランプ大統領が安倍首相の仲介努力を褒めたたえたことだ。
 すなわち、トランプ大統領は安倍首相がハメネイ師と会談した事に謝意を表明している。
 明らかに安倍首相が仲介に失敗したというのにである。
 なぜか。

 それはトランプ大統領は初めから安倍首相に仲介など期待していなかったのだ。
 成果がない事はわかりっきっていたのだ。
 それでも安倍仲介外交を絶賛している。
 なぜか。

 シナリオ通りだったからだ。
 日本という友好国の首相がわざわざ訪問し、仲介努力をしているにも関わらずハメネイ師は仲介に応じる気配はまるでなかった。
 それどころか、すべては米国のせいにして安倍首相の面目を潰した。
 イランという国は、友好国の日本でさえ説得に応じない無礼で頑なな国である事を、日本国民に見せつけ、そして世界に知らしめることになったのだ。

 まさしくこれが安倍仲介外交の猿芝居だったということなのではないか。
 安倍首相がイランから恥をかかされたこと自体が、私や日刊ゲンダイが批判するように安倍外交の失敗ではなく、ハメネイ師の強硬姿勢を引き出したと言う意味でトランプ大統領の命令に忠実に役割を果たした立派な対米従属外交だったのだ。
 おりから日本のタンカーが攻撃さえ、それを行ったのはイランだとポンぺオ国務長官は発表した。

 そしてたったいま、この原稿を書いている時にテレ朝の報道ステーションが報じた。
 まもなく安倍首相がトランプ大統領と電話会談すると。
 「うまくやってきました」
 「よくやった」
 おそらくこんな電話会談ではないかと私は思うのである。


天木直人のブログ、2019-06-14
イラン叩きの道具に使われた安倍首相
http://kenpo9.com/archives/6088

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