2019年04月30日

映画『主戦場』は、戦後日本政治の流れにもフォーカス!

 戦中の日本軍による慰安婦問題を題材にした映画『主戦場』が、反響を呼んでいる。
 出演者には杉田水脈衆院議員やケント・ギルバート氏、藤岡信勝氏、テキサス親父ことトニー・マラーノ氏、櫻井よしこ氏などといった従軍慰安婦を否定・矮小化する極右ネトウヨ論客が勢揃い。
「慰安婦はフェイク」と喧伝する歴史修正主義者たちと、慰安婦問題に取り組むリベラル派の学者や運動家らがスクリーンのなかで“激突”するドキュメンタリー作品だ。
 同作の見所は何と言っても、慰安婦問題をめぐる国内外の“論客”を中心とする30名余りへのインタビューだろう。

 櫻井よしこ氏ら“極右オールスターズ”の面々は、
「慰安婦は売春婦だった」
「合法であり犯罪ではない」
「慰安婦像設置の背景には中国の思惑がある」
などの主張を展開。

 これに対して、吉見義明・中央大学名誉教授や「女たちの戦争と平和資料館」の渡辺美奈事務局長、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の尹美香常任代表らが反論を展開する。

 出演者らは顔を付き合わせて討論するわけではないが、論点を明確にして構成されていることで主張の対立点や強度を意識しやすく、ハイテンポなカット割りも相まって飽きさせない。
 映画は双方の主張を取材や資料を用いて細かく比較・検証し、その矛盾や恣意性を明らかにしていく。

 とくに、本サイトがオススメする同作の鑑賞法は、歴史修正主義者の口から発せられる主張のトンデモさをじっくりと吟味することだ。

 たとえば保守派の重鎮で、慰安婦否定論者の加瀬英明氏(日本会議代表委員)の場合、
「慰安婦問題に関して正しい歴史認識をしている歴史家は?」と聞かれて、
「私がそのひとり」
と自認する。
 しかし驚くことに、加瀬は慰安婦問題研究の第一人者のひとりである吉見名誉教授のことは、
「知りません」
と嘯く。
 それどころか、保守派の歴史家である秦郁彦・千葉大学名誉教授の著書すら
「読んだことない」
「人の書いたものあまり読まないんです。怠け者なもんで」
などと宣うのだ。

 ちなみに、加瀬氏は「『慰安婦の真実』国民運動」という団体の代表も務めている。
 この極右団体は昨年2018年、監事(当時)の藤井実彦氏が台湾で慰安婦像を蹴り、大きな国際問題になったことも記憶に新しい。
 他にも、同会は加瀬氏自身の名義で地方地自体が慰安婦問題を扱う映画を後援することにクレームをつけている。
 そんな人物が、基本的な慰安婦研究すら、
「知らない」
「読んだことない」
などと恥ずかしげもなく開陳するのだから、呆れてものも言えない。

 もちろん、右派のトンデモはこれだけではない。

 右派陣営のインタビューからは明確な人種差別・性差別の意識が浮かび上がる。

 たとえば杉田水脈は“米国での慰安婦像設置のバックにいるのは中国”などと言い出し、
「どんなに頑張っても中国や韓国は日本より優れた技術が持てないからプロパガンダで日本を貶めている」
と陰謀論を全開。さらには、
「日本が特殊なんだと思います。日本人は子どものころから嘘をついちゃいけませんよと(教えられてきた)」
「嘘は当たり前っていう社会と、嘘はダメなのでほとんど嘘がない社会とのギャップだというふうに私は思っています」
とヘイトスピーチを連発する。

 また、テキサス親父は、
「慰安婦像を見に言ったとき、私は(像の顔にかぶせるための)紙袋を持って行った。それがふさわしいと思ってね。ブサイクのガラクタには紙袋がお似合いだ」
などと笑いながら語り、テキサス親父のマネージャーである藤木俊一氏は、
「フェニミズムを始めたのはブサイクな人たちなんですよ。ようするに誰にも相手されないような女性。心も汚い、見た目も汚い。こういう人たちなんですよ」
と言い放つ。

 映画のなかでもナレーションで、
「差別意識が元慰安婦は偽証しているとの考えに繋がっているようだ」
とはっきり指摘されていたが、まさにその通りとしか言いようがないだろう。

暴かれるIWG報告書の虚構と櫻井よしこの調査費支払いの事実

 慰安婦問題をめぐる右派の性差別的・人種差別的な態度については、映画の後半でも「元修正主義者」と紹介される女性が証言する。

 保守界隈に身を置いた立場から否定主義者たちの振る舞いについて語るのだが、実はこの女性は、数年前まで「ネクスト櫻井よしこ」として保守論壇で注目を浴び、実際、右派の月刊誌にも何度か寄稿したことのある人物。
 だが、あるときから「ナショナリスト」たちの主張を疑うようになり、今は距離を置いているという。
 さらに、この女性が“否定主義者の嘘”を告白する場面は、映画『主戦場』のハイライトのひとつとなっている。
 詳しくは劇場で直接見ていただきたいのだが、ここでは予備知識として、あるいは鑑賞後のための補足情報として記しておこう。

 はじまりは、産経新聞が2014年11月1日の紙面で〈著名な米国のジャーナリストが日本の慰安婦問題の調査に本格的に取り組み始めた〉として、マイケル・ヨン氏というフリージャーナリストを紹介したことだった。
 これに続けて産経は、同月27日付で「慰安婦『奴隷化』文書なし 米政府2007年報告に明記」と題した記事を掲載。
 ともに古森義久・ワシントン駐在客員特派員による署名記事である。
 書き出しはこうだ。
米政府がクリントン、ブッシュ両政権下で8年かけて実施したドイツと日本の戦争犯罪の大規模な再調査で、日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や「女性の組織的な奴隷化」の主張を裏づける米側の政府・軍の文書は一点も発見されなかったことが明らかとなった

 記事の言う「大規模な再調査」というのは、2007年に米政府がまとめた「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班米国議会あて最終報告」(通称・IWG報告書)のことを指している。
 産経は、
〈慰安婦問題の分析を進める米国人ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏とその調査班と産経新聞の取材により、慰安婦問題に関する調査結果部分の全容が確認された〉
として、IWG報告書のなかに「慰安婦関連は皆無」だったことを根拠に
〈日本側の慰安婦問題での主張の強力な補強になることも期待される〉
と書いた。

 マイケル・ヨン氏は「IWG報告書をスクープ」ともてはやされ、「正論」(産経新聞社)や「週刊文春」(文藝春秋)でも、
「報告書は『20万人の女性を強制連行して性奴隷にした』という事実が一切ないことを証明している」
などと触れ回った。
 これ以降、保守界隈では
「結果的にIWGは『慰安婦を軍が強制連行などして性奴隷とした証拠はなかった』とするもの」
(ケント・ギルバート)
などとして広く流通。
 ようするに、IWG報告書は右派陣営から“慰安婦問題の犯罪性を否定する切り札”として扱われてきた。

 ところが、である。
 映画『主戦場』では、このIWG報告書をめぐる右派の言説が見事にひっくり返される。
 実は、前述の「元修正主義者」の女性こそ、ヨン氏とは別の米国人とともにくだんの報告書を「発見」した人物で、いわば真のオリジネーター。
 その彼女が、映画のなかで後悔の言葉とともに語るのが、“IWG報告書をめぐる右派の宣伝がいかに虚構であるか”という具体的な説明なのだ。

 しかも、映画のなかでは名指しこそされていないが、マイケル・ヨン氏は慰安婦問題をめぐって、普通では到底考えられない額の「調査費」まで受け取っていたとされる。
 実際、ヨン氏は自身のブログに
〈櫻井女史らは、私に調査をするようにお金を支払った〉
と記しているのだ。
 あまりに生臭い話だが、映画ではこの「高額調査費」問題についても監督が櫻井氏に直撃しているので、ぜひ櫻井氏の“反応”をスクリーンで確認してほしい。

『主戦場』ミキ・デザキ監督が本サイトに語った「どっちもどっち」批判

 ちなみに、映画の公開前には、出演者に極右歴史修正主義者やネトウヨ文化人が多数ラインナップされていることから「否定派の宣伝になるのではないか」との懸念の声もネット上で散見された。
 だが、この映画は単なる「両論併記」で終わらない。

 本作が映画デビュー作となるミキ・デザキ監督は、1983年生まれの日系アメリカ人2世。
 日本での英語教師やYouTuber、タイでの僧侶経験もあるという異色の映像作家だ。
 2013年にYouTubeで日本社会のなかのレイシズムの存在を指摘したところ、ネトウヨに炎上させられた。
 そうしたなかで、朝日新聞の植村隆・元記者に対するバッシングを目の当たりし、慰安婦問題への関心を高めたという。
 両陣営から介入されないため、クラウドファウンディングで資金を集めて『主戦場』を製作した。

 デザキ氏は本サイトの取材に対し、
「両方の主張のどちらがより筋が通っているかを比較するべき」
と語る。

「論点を並べて“どっちもどっちだ”というやり方は、実のところ政治的なスタンスの表明に他なりません。慰安婦問題に関しては、いま日本では右派の主張がメインストリームになっている。そこに挑戦を示さないことは、彼らの言いなりになるということであり、その現状を容認することに他なりませんから。日本のメディアの多くは両論併記を落としどころにしていますが、それは、客観主義を装うことで、語るべきことにライトを当てていないということ。単に並べるだけでなく、比較することで生まれる結論があります」

 従軍慰安婦をめぐる否定派/肯定派の「論争」にスポットライトを当てながらも、決して“どっちもどっち”にならない映画『主戦場』。
 終盤では、日本の歴史修正主義の背景にある極右団体「日本会議」や安倍晋三首相に連なる戦後日本政治の流れもフォーカスされる。

 一般公開に先駆けて行われた日本外国特派員協会での上映会後の質疑応答では、デザキ監督に対し否定派の言論人から批判的な質問も飛んだ。
 4月19日には、日本会議が、
〈この映画には、日本会議に関して著しい事実誤認が含まれている〉
などとする声明をHPで公表。
 4月25日発売の「正論」ではケント・ギルバート氏が、
「とても見るに値しない映画」
などとこき下ろしている。
 まさに大慌てといった感じだが、ようするに、それだけ否定論者たちの核心に迫った映画だということだろう。
 いずれにせよ、判断するのは観客だ。

リテラ、2019.04.27 11:30
慰安婦問題検証映画『主戦場』で極右論客たちが衝撃のトンデモ発言!
櫻井よしこ、杉田水脈、テキサス親父、加瀬英明…

https://lite-ra.com/2019/04/post-4682.html

posted by fom_club at 18:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本母親連盟

 2019年2月26日、くにたち市民芸術小ホールで開かれた日本母親連盟西東京地区主催の講演会に参議院議員の山本太郎氏が登壇。
 同連盟の関係者の非科学的な言動や、ニセ科学と指摘されている「ホメオパシー」との関係、右派団体「倫理法人会」や「日本会議」等との関係などを指摘し、今夏の参院選において同連盟からの支援は受けないと断言した。

 日本母親連盟は、昨年2018年設立された政治団体。
 代表者の阪田浩子氏は、神奈川県倫理法人会・女性副委員長。
 日本会議代表委員を務める加瀬英明氏を会長とする「国家ビジョン研究会」のメンバーでもある。
 顧問の医師・内海聡氏は、宗教団体「サイエントロジー」とともに反精神医療運動を行なうほか、反ワクチン運動やホメオパシーにも関わる。

 山本氏は講演で、いわば「敵地」に乗り込んで右派とニセ科学・ニセ医療の人脈・思想が交錯する日本母親連盟の実情を面と向かって指摘し、自らとの立場の違いを突きつけた形だ。
 ネット上では、「正しいカルトの叩き方」などと称賛の声も挙がっている。

日本母親連盟はネトウヨ?

 日本母親連盟は、昨年2018年8月に前出の内海氏がブログで設立を表明した。

〈目先の目標としては47都道府県に一支部、一地方議員(市議会議員や町議会議員や県議会議員)とし、来年にある統一地方選挙および参議院選挙での議席獲得を考えます。〉

 Facebook等で「目標1000万人!メンバー募集中」と宣伝し、所在地や代表者などを明確にしないまま全国に支部を設立したと称して多数のFacebookページを開設。
 同連盟のメールマガジンによれば、今年1月時点で41支部が開設されている。

山本太郎氏の講演で明確になった日本母親連盟マニフェスト

 日本母親連盟は、「薬に頼らない医療の推進」「ワクチン及び検診強制の禁止」「近代史教育の強化」「原発稼働ゼロおよび原発廃炉の推進」「生活保護システムの見直しと不正受給の徹底調査」「外国に依存しない国造りの推進」「憲法改正および憲法9条問題については議論を深める」といった内容の「マニフェスト」を掲げる。
 これらを「ネトウヨ的」と指摘する声もあった。

 この点はわかりにくいかもしれないが、それを明確にして見せたのが、今回の山本太郎氏の講演だった。

日本母親連盟流「反原発」の正体

 2月26日の講演会は、前半が、山本氏の政治活動を描いたドキュメンタリー映画『BEYOND THE WAVES』(アラン・ドゥ・アルー監督)の上映会。
 後半が、約2時間にわたって山本氏が会場との間で政治や政策について質疑を行うという構成だ。

 午後7時10分頃から始まった質疑で山本氏は、フロアからの質問や話題提供を受ける形で貧困対策や経済政策を語り、安倍政権を批判した。
 特に消費税をめぐっては、消費税の減税や撤廃ではなく税率の凍結を主張する野党の戦略も批判し、野党に消費税減税を政策とすることを求める署名活動を呼びかけた。

 クライマックスは、質疑の残り20分というタイミングで唐突に訪れた。フロアの男性のこの質問。

「山本太郎さんは日本母親連盟から選挙に出るんですか」

 山本氏が
「日本母親連盟に入られている方、どれくらいおられますか」
と問いかけると、ほぼ満員となった定員270席の会場では来場者の3〜4割が挙手。
 半数以上が、会員ではない人々だ。

「お話を聞きたいと言われる方は、スケジュールが合えば行きます。考え方が違う人とでも話はしようと思います。ですが、いまお尋ねがあったのは、選挙も一緒にやるんですかということなんですが、(日本母親連盟と)選挙を一緒にやるというのは難しいなというのが私の見解です」
(山本氏)

 山本氏は、もともとこの講演で日本母親連盟について話すつもりでいたようだ。

スクリーンに映し出された怒涛のスライドショー

「日本母親連盟と山本太郎の考え方の相違」

 そんなタイトルがスクリーンに映し出される。続いて、こんな文章が前提として示される。

「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由。それ自体を批判しているわけではなく、個人を攻撃する意図はありませんという前提条件を最初にご了解下さい」

 ここから、日本母親連盟が掲げる政策や関係者の発言などを具体的に指摘し批判する、怒涛のスライドショーが始まる。

「(『原発稼働ゼロおよび原発廃炉の推進』という政策は)これだけ読めば山本の考えとズレはないと思うんですけども、一方で、今年2月の母親連盟神奈川県支部の発足集会で母親連盟の顧問(杉田穂高氏=歯科医)の発言を見てみると、こうです」

 スライドで、その発言が映し出される。

〈311福島大震災、あれはやられたんです。(略)福島からはるか離れた海洋上にいた空母があるんです。アメリカの。個々の乗組員もすごく被爆して、みんなガンになってるんです。(略)海底に核爆発を起こして、みんな被曝したから〉

 これについて山本氏は、東日本震災の震源が宮城県の東南東130km付近であり、地震発生時にその空母(ロナルド・レーガン)がいた位置が日本の東方約1500キロの西太平洋だったことを指摘。

「ちょっと、話がよくわかんないといいますか……」(山本氏)

 ここで再び、先程の前提条件を読み上げる山本氏。

「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由(以下略)。けれども、そういう方が顧問にいるところと一緒に選挙をやるというのは、なかなか考えづらい」

 次に、母親連盟の顧問ではないが、顧問である人(内海聡氏)を応援している由井寅子氏の発言が紹介される。

〈放射能に対してどのように振る舞うべきなのかが、理解されるでしょう。(略)放射能を信頼することです。(略)そしてその自信の中で病原体や放射能に負けない免疫力を取り戻すことができるのです。そしてそのときに病原体がその存在意義を失い消滅するように、原発も核兵器も消滅していくと思うのです。(略)〉

「なんか信仰か何かなのかなあと一瞬、思っちゃうんですね。これ、安倍昭恵さんとも同じような主張なんですよね」
(山本氏)

 安倍昭恵氏のFacebook投稿が紹介される。

私は放射能に感謝の気持ちを送ります。ありがとう・・・

 会場からは笑い声。

「考え方は自由なんですよ」
(山本氏)

 話は由井寅子氏に戻る。
 病気の原因とされる物質を極限まで希釈した水を砂糖玉(レメディー)にたらし、それを飲むことで病気が治るとするホメオパシーの主張を山本氏が説明。
 由井氏が代表を務めるホメオパシー医学協会のウェブサイトにある由井氏の文章が示される。

〈今回の原発事故は私たち日本人が敗戦と共に失ってしまった民族の誇りと愛国心を取り戻す大きなチャンスでもあるのです。そのためにはウラニウムのレメディーとプルトニウムのレメディーが必要でありホメオパシーは必要なのです〉

「で、実際にこの由井さんの団体が商品化されているものが、福島の土を採取して作られたホメオパシーレメディなんですね。それって、まあ、いいんですけどね。選びたい人は選んで、選びたくない人は選ばないっていうのはアリなんですけど、ちょっと理解に苦しむ部分があるなというのが、私の気持ちです。で、この母連の代表の阪田(浩子)さんという方と東京支部長も、由井寅子氏に協力を仰いでいたと」
(山本氏)

 母親連盟東京支部長のブログが示される。

〈ホメオパシーの基本キットが全国に行き渡るように…というのが、寅子先生の願いです。私たちも賛成!〉

「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由(以下略)」
(山本氏)

倫理法人会、日本会議、歴史修正主義……

「で、その(日本母親連盟代表の)阪田さんという方は、倫理法人会の関係の方であると。阪田氏の現在の肩書で気になるのは、『神奈川県倫理法人会・女性副委員長』の経歴であると。倫理法人会は、一般社団法人「法人倫理研究所」が企業経営者向けに展開する自己啓発セミナーのこと。倫理研究所は、あの日本会議の有力構成団体である。これ、歴史修正主義に詳しいジャーナリストの上杉聰さんのお話。倫理研究所の活動から、日本会議の運動に目覚めた中小企業経営者は多く、その最たる事例が、倫理法人会が主催する『朝起き会』で愛国運動に目覚め、日本会議にのめり込んだ籠池泰典夫妻(菅野完氏による調査)」

 安倍昭恵氏と並んで写る籠池夫妻の写真が映写される。

 続いて山本氏は、日本母親連盟の「マニフェスト」への批判に移った。
 対象となったのは、「メディカルゴールド免許制度の実施」「近代史教育の強化」「児童相談所のシステム見直し」「生活保護システムの見直しと不正受給の徹底調査」「水と土地を外国に渡さない施策」「憲法改正及び憲法9条問題については議論を深める」。

「メディカルゴールド免許制度」は、健康維持に取り組み病院に1年間通わなかった人の保険料を減額するシステムだ。

「自ら健康な状態を維持することには異論はないが、一方でこれは『保険の自己責任化』の主張にも繋がりかねない。弱者切り捨てのために利用される恐れがある」
(山本氏)

「近代史教育の強化」については、日本母親連盟は、歴史の指導要領を改定し、国が一部費用を負担して「近代史の専門家」を学校に外部招聘するとしている。

「『南京大虐殺はなかった』『従軍慰安婦はデマ』といった歴史修正主義的な主張を展開する、日本会議系の保守系諸団体は、近年、そのような主張をする『保守系論壇人』を『近代史の専門家』と名乗らせ、行政内部や学校現場に派遣する活動を活発化させている。政策の『近代史の専門家』がどのような人々を指すのか判然としない」
(山本氏)

 山本氏は、ウェブメディア「トカナ」に掲載された前出の杉田氏(日本母親連盟顧問)のインタビュー記事を示した。

〈連合国側は500年も続いた欧米による支配の歴史を知られたくなかったし、それを覆そうと試みた日本の貢献を封印し、何もかも日本軍が悪かったという洗脳をしたかったのです。(略)日本バッシングはまだまだ続きます。昨今、日韓関係において問題になっている慰安婦問題や南京虐殺をめぐる歴史にも、見直されるべき点が多数ある。(略)自ら真実を主張することを固く禁じられた状態が、70年以上経った今も継続している。これはもう、人々がウソの歴史に徹底的に洗脳されていることにほかなりません〉

「政治的な主張や思想信条等は、いかなるものであっても、個人の自由。たとえ、それが論理的な矛盾、非科学的なものであっても、究極的には『それを信じる』ことは自由ですけどね、はい」
(山本氏)

「児童相談所のシステム見直し」は、児童相談所が児童虐待を防止する役割を果たせていないため改革するというのが、日本母親連盟の主張だ。
 山本氏は、この主張については否定しなかったが、代わりにこんな問題を指摘した。

「この母親連盟の内海さんの著書には、親の体罰を肯定する記述というのもあるんですね。『児童相談所の怖い話』の中には、ケツバットだけで5年間、(子供と)完全隔離というケースがあると。『体罰の是非はどうあれアザが出るほどケツバットすることの是非が問われることはあるかもしれないが、親の非を挙げるとすれば、それだけである』と。十分じゃないですか? ありえないでしょ? ケツバットしてケツにアザができるほどやるというのは。この本では、内海さんと『体罰の会』の会員と、この事例の父親が対談したと。児童相談所に問題があることは確かだけど、その問題と体罰を肯定することとは全く別問題です」
(山本氏)

「体罰の会」は、「子供には体罰を受ける権利がある」と主張する団体で、会長は日本会議代表委員・加瀬英明氏。
 加瀬氏は、日本母親連盟の阪田浩子代表がメンバーとなっている「グローバル政策研究所」の会長でもある。

 日本母親連盟の「水と土地を外国に渡さない施策」は、水道民営化に反対するというもの。
 山本氏はこれについて「全く異論なし!」と言い切ったが、その後にこんな話が続く。

オカルトやスピリチュアリズムのひとつだと明確な指摘

「けれどもですね、日本母親連盟の神奈川県支部の集会での神奈川県市部長の水道民営化反対についての発言を聞いてみると、ちょっと首を傾げてしまう部分がありました」
(山本氏)

 スクリーンに、その発言内容が映し出される。

〈今日、私はお水を持っているんですけど、これは『マザー・ウォーター』と呼ばれています。どんなお水かと言うと、多分、7、8年くらい前に南極に世界の長老たちが集められたことがありました。『グレート・シャーマン』と言われるような人たちですね。彼らが南極に集められて、地球のために儀式をしたんです。その儀式をしたときに彼らが受け取ったメッセージが、『地球の水の波動をもとに戻しなさい、波動を原初のものに戻しなさい』ということだったそうで、地球の波動を原初のものに戻すために造られたのが、このマザーウォーターなんです。(略)私はこのマザーウォーターと水道民営化ってたいへんつながっているなあって思うんです〉

 会場から、クスクス笑い声が起こる。

〈水というのは情報を記憶する媒体でもあるので、水に記憶されている情報自体がダメだから、リセットしなさいという話なんですね。(略)ある日突然、品川区の水質が下がったことがあったんですが、ちょうど湾岸戦争が起こった日だったんですね。人間活動の中で一番ダメなことは戦争なのですが、その戦争という周波数を水が吸い込んで、それが一気に広がったんですよ。なぜなら世界は水でつながっているから! そういうこともあって、水の波動をもとに戻しなさいという長老たちのメッセージを受け取っておるわけですけれども、そんなことまで含めて母連としてはやってきたいな、というふうに今、思っています〉

「じゃあ、湾岸戦争以降に起こった戦争を見てみましょう。アフガン戦争、イラク戦争、レバノン戦争、シリア内戦、リビア内戦、クリミア紛争、グルジア紛争、シエラレオネ紛争、コンゴ内戦、エチオピア紛争、スロベニア内戦、クロアチア内戦、コソボ紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦(『防衛ハンドブック』から)……。これもう、品川の水飲んだら死にますよ(笑い)」
(山本氏)

 さらに、この「水の記憶」という主張は安倍昭恵氏が信じるオカルトやスピリチュアリズムのひとつでもあると山本氏は指摘した。

マニフェストを一つ一つぶった斬り

「生活保護システムの見直しと不正受給の徹底調査」については、一刀両断だ。

「今までの話は、まあ自由ですからいいですけど、この主張には賛同できません」

 高齢者や障害者などの生活を支える唯一のセーフティネットを見直すべきではないとした上で、不正受給は世帯にして2%、金額では0.45%しかないことを提示。
 この政策に限っては、その主張を支える背景や「裏の論理」ではなく政策自体を批判した。

 そして最後に憲法問題。
 日本母親連盟は、憲法9条について明言を避けると「マニフェスト」に記載している。

「ちょっと待ってください。いままで、どういう主張をされてましたっけ? 『食、医療、環境、教育、保育などの問題を広く社会に投げかける、啓蒙活動を行い、子どもたちの未来のために母親や女性たちの力で健康な社会を生み出す』という主張があるにもかかわらず、憲法のところになると、なんで9条なんですか? 今のままの憲法でいいならこんなこと書かなくてもいいし、どちらかと言うと考え方からしたら憲法13条(個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉)だったりとか25条(生存権とそれを実現するための国家の義務)であったりとか。そういうところに行きそうだけども、そういうところに触れないで9条以外触れないということは、9条に本当は興味があるんじゃないの?という見え方をしてしまうんですよ。で、会員募集時に『憲法9条については言明しない』といって会員を集めるのは、日本会議系諸団体の常套手段です(菅野完氏の調査による)」
(山本氏)

会場からは大きな拍手

「善良な意図で母親連盟に接近した人が、スピリチュアルな運動や右派の改憲運動、愛国運動に動員されるのであれば、それは、あの『日本会議』がやっているのと同じこと。母親連盟の極端な主張を知った上で信じて賛同するならそれは皆さんの自由ですが、山本太郎の政治活動とは接点を持ちません。という話でした」
(山本氏)

 会場からは大きな拍手。

「みんなが実際に自分がやっている運動に関して了解した上でやるって、これ基本中の基本なんですけども、やっぱり、私もうかつなこと結構いままであったんですよね。よくわからずに『一緒にやろう』みたいな話で『やりましょう!』ってやってったら、『ちょっと、ちょっと待って、え〜っ!?』みたいなことがあったから、一人ひとりがどういう団体と関っていくのか、どういう人とつながっていくのかということも含めて、世の中を一緒に変えていけたらなあという風に思います。団体からの応援は一切受けないです。東電の応援も受けません。東電が応援してくれるかは知りませんよ。すべての団体の応援は受けません。ただ、団体ではなく、人として応援してくださる方は拒みません。個人で応援してくださる方の応援は拒みませんが、団体からの応援は受け付けないんです。という話でずっとやってきている状態なので、(日本母親連盟と)一緒にやるということはないです。すいません、こんな答えになっちゃって。ありがとうございます」
(山本氏)

 会場からの「山本太郎さんは日本母親連盟から選挙に出るんですか」という一言の質問に、30分近く費やして答えた山本氏。
 最後に改めて、消費税減税への理解を求めて、講演を締めくくった。

 会場からは、改めて大きな拍手が贈られた。
。。


ハーバー・ビジネス・オンライン、2019.02.28
山本太郎氏、日本母親連盟を支持者の面前でぶった斬り!
藤倉善郎
https://hbol.jp/186874/

 そして同じ筆者による後日談も:

あの「日本母親連盟」の決起集会

 3月23日、東京・神保町の学士会館で、政治団体「日本母親連盟」による記者会見と政治資金パーティーが行なわれた。
 記者会見の取材に訪れたメディアは「やや日刊カルト新聞」(鈴木エイト主筆と藤倉善郎総裁=筆者)のみ。
 複数のメディアが同時に取材するのが通常の記者会見だが、この日は同紙による「独占取材」となった。

 また会見後に開かれたパーティーには、事前に申し込み参加料金を入金していた筆者と鈴木氏に対して、日本母親連盟側が入場を拒否。
 当初、定員を400名としていたものの100人程度の申し込みしか集まらなかった政治資金パーティーは、取材者を入れずひっそりと開催された。

 日本母親連盟については今年2月26日、参議院議員・山本太郎氏を招いた同連盟主催の講演会で、壇上の山本氏から同連盟の保守運動やニセ科学との関連性や共通点などを暴露され、幹部や会員たちが大混乱する騒ぎがあった。
 同連盟内ではこれを「226事件」と呼んでおり、今回の政治資金パーティーに関連して同連盟監事がFacebookで「いままで通り妨害があるかもしれませんが、粛々と進めてまいりたいと思います」などと投稿し、警戒していた。

平成最後の「226事件」

 日本母親連盟が「226事件」と呼ぶ騒動は、「山本太郎氏、日本母親連盟を支持者の面前でぶった斬り!」として既報の通り。
 まずは、それ以降、今回の政治資金パーティーまでの流れを整理しておこう。

 山本氏の講演会は、同連盟主催の講演会に招かれた山本議員が、「山本太郎の政治活動とは接点を持ちません」と語って、同連盟とともに選挙を戦う意思がないことを、その場で宣言したもの。
 東日本大震災を米軍が核兵器によって発生させたかのように語る同連盟関係者の発言、同連盟への支持を表明したホメオパシー業者の実態、同連盟の関係者と日本会議の構成団体である倫理法人会とのつながり、同連盟のマニフェストと山本氏の考えとの相違や問題点等々を約20分にわたってスライドで指摘した。

 山本氏から事前に通告されていなかった内容だったこともあって、同連盟の幹部や会員たちは大混乱。
 講演終了後に、同連盟の阪田浩子代表がステージ上でマイクを持って「補足説明」を行ない、終了後には会場に残った会員たちが立ち話をしながら気を取り直そうと必死の様子だった。

 この講演の様子を山本氏の関係者が「ツイキャス」でネット中継。
 その動画を他のユーザーがYouTubeに投稿し、講演2日後にハーバー・ビジネス・オンラインで筆者による講演リポートが掲載された。
 このリポートには、「やや日刊カルト新聞」の鈴木エイト主筆による代表への直撃インタビューも含まれていた。

 これらがネット上注目されたことで、日本母親連盟側はさらに混乱する。

 同連盟は公式サイトに〈日本母親連盟は他の政治団体、宗教団体とは一切関係ありません〉などとする声明文を掲載(参照:日本母親連盟)。
 同連盟の幹事・内海聡氏は、Facebook上で〈やや日刊カルト新聞も入ってきているので、計画的であり共同作業での組織潰しです〉と断定したほか、阪田代表に直撃インタビューした鈴木氏について、このように書いた。

〈「やや日刊カルト新聞のインチキライター。日本のマイナー組織潰しで必ず出てくる輩たち〉

 講演についても、こう断定した。

〈完全なタッグ組んでヤラセでやってるからね。質問者も参加者も拍手もそう。打ち合わせ拒否のいわゆる講演テロ〉

 講演会の参加者や、講演会での山本氏への拍手まで「サクラ」だったかのような話になってしまっている。

 筆者と鈴木氏は、ともに「やや日刊カルト新聞」で活動する間柄で、山本氏の公演会も一緒に取材した。
 しかし筆者も鈴木氏も、講演での質問者が誰なのかは知らない。
 また講演前に山本太郎氏や事務所とは一切接触していない。
 山本氏の講演会後に秘書と名刺交換をしたのが、はじめての接触だ。
 筆者たちが山本氏側と共謀して報道した事実はない。

 筆者たちは、YouTubeに講演の動画を投稿した人物が何者かも知らない。
 その人物はTwitterで、こう説明している。

〈(山本氏の関係者による)ツイキャスをキャプチャーしてましたがこんな面白くて痛快な動画なので速攻でアップしました。編集はしてなく事務所にも許可取ってない〉

 ネット上で講演の内容を伝えた動きが山本氏側と連携していたとする証拠は一切示されず、むしろ全く無関係の動きであることを示す情報しかない。
 にもかかわらず母親連盟幹部は、これを組織的謀略であるかのように会員たちにアナウンスした。
 有り体に言えば「デマゴーグ」だ。

 やがて同連盟会員たちの間では、2月26日の山本氏講演会は「226」とか「226事件」と呼ばれるようになる。
 同連盟の3月8日付「本部メールマガジン<第9号>」には、こう書かれている。

〈226事件にはびっくりのマザリーメルマガ編集部でしたが、その後もバッシングが続く一方で、支援者も確実に増えています。フタッフ希望者、各地のイベントの申し込みも増えており、「太郎さん、宣伝してくれてありがとう!」と思っております〉

 今年、新たな元号がスタートする。
 平成最後の「226事件」である。

「記者会見」なのに独占取材

 では、「226事件」でむしろイベント申し込みが増えたという同連盟の記者会見や政治資金パーティー「日本母親連盟マザリー設立決起パーティー」はどれほどの盛り上がりになるのか。
 取材する身としては当然、気になるところだ。

 3月23日のパーティーを控え、前述の内海氏は日本母親連盟の支援組織である「日本父親連盟」のFacebookページに、こう投稿した。

〈3月23日に日本母親連盟の記者会見が学士会館であります。また、その後設立記念パーティーがあります。すでに226でサクラをやった人間たちや、妨害デマ記事を書いた人たちがいたことがわかっていますが、そのような人からパーティーの申し込みがあったりします。もちろん丁重にお断りしておりますが、母連の女性陣はいささか不安が強いようです。
 そこで募集したいのですが、父連で当日にパーティーのガードマン的仕事をしていただける方がいれば、私のほうに連絡をお願いします。パーティーには参加費が本来かかるところ、もちろん無料でパーティーにご招待いたしますが、時間外でガードマン的な仕事をしていただくことが条件です〉
(参照:「日本父親連盟」Facebookページ)

「226事件」を受けて「戒厳令」が敷かれ、敕命が發せられたのである。

 筆者と鈴木氏は事前にパーティー参加を申し込み、前払いの料金1万円と懇親会費5000円を入金していた。
 ところがパーティー前日までに、2人には同連盟から〈本パーティーは日本母親連盟の関係者を対象としております〉〈おいでいただいても、ご入場いただくことはできません〉などとするメールが送られてきていた。

 筆者と鈴木氏は、同連盟の設立直後から「メルマガ会員」になっている。
 立派な「関係者」である。
 メールを無視して、当日、まずはパーティー前の記者会見場におもむいた。

 名前を告げると、受付担当者から「今日はこちらからお招きしたメディアの方のみとなっております」と、入場を断られた。

「政治団体の記者会見で、そちらが選んだメディアと記者しか入れないんですか」
と筆者が食い下がる。
 単なる政治団体ではない。
 選挙での候補者の擁立や支援を表明している政治団体だ。
 それが、自分たちが指名したメディアにしか記者会見を取材させないのであれば、「国民の知る権利」を大きく損なう。

 奥から阪田代表が出てきた。

「じゃあ取材を受けますから、その代わりにパーティーのほうはご遠慮いただくということで納得いただけますでしょうか」(阪田氏)

「パーティーの話は後で。いまは記者会見の取材に来ているので」(藤倉)

 取材を受けるかどうかは、取材・報道の自由、国民の知る権利、政治団体としての説明責任等々に対する同連盟の姿勢の問題だ。
 パーティー参加の可否を条件とする取引などもってのほか。
 筆者たちは、パーティーについては「要望は承りました」とだけ答え、回答は保留。
 それとは関係なく記者会見を取材させてもらうことで話をつけた。

「記者の方たちは直接おいでいただけていなくて、(会見を)動画で撮らせていただいてそれを(メディア各社)にお送りするということになっているんです」(阪田)

 すでに会見場には十人強の人々がいたが、全員が日本母親連盟関係者。報道陣はゼロだった。

「質問とかはこの場ではなしですか」(藤倉)

「特にする予定はなくて、私たちのお話だけさせていただくことになるんですけど」(阪田)

「わかりました」(藤倉)

 こうして、「記者会見の独占取材」という前代未聞の取材が実現した。
。。。

ハーバー・ビジネス・オンライン、2019.03.26
日本母親連盟の記者会見と決起集会、メディアも参加者もごくわずか
藤倉善郎
https://hbol.jp/188750

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令和が beautiful harmony ?!

beautiful harmonyという名の異論の抑圧

 5月1日から元号が「令和」に変わる。
 令和は英訳すると 「beautiful harmony」なのだそうだ。
 最初、「令和」の「令」が「命令(command、order)」を意味する言葉として外国メディアで紹介されたため、外務省があわてて「beautiful harmony」だと対外的に発表したらしい(朝日新聞4月3日:令和の令、政府「命令を意図せず」 海外の報道を否定)。

「和を乱すな」という「命令」なのか、「美しい調和」という「願い」なのか。
 後者なのだとしても、それが「同調圧力」=「異論の抑圧」につながることには警戒が必要だ。

 実際のところ、政府がみずから先導して、同調圧力を強め、異論の抑圧を始めている現状がある。
 気配を感じる感度が強い人は、既に注意喚起している。

異論を抑圧する内閣サイバーセキュリティセンターの要請

 4月25日に、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)による、サイバーセキュリティ関連の注意・警戒情報発信用の公式アカウント(@nisc_forecast)が、こうツイートした。

”【お願い 1/3】ニュージーランド、及びスリランカのテロ事件を受けてお願いします。事件発生時のSNSでの情報拡散は、攻撃者にとって狙い通りの恐怖と悪名の拡散であり、みなさんの感情がハッキングされていることになります。拡散しないようにしましょう。続”
(内閣サイバーセキュリティセンターのツイートより)

”【お願い 2/3】また二次的には、それにかこつけて、偽情報で、国、宗教、思想、人種を分断し互いに攻撃し合うように仕向ける投稿が行われています。我々が拡散しなければ、少なくとも情報面では、こういった攻撃を弱めることができます。続”
(内閣サイバーセキュリティセンターのツイートより)

”【お願い 3/3】SNSやネットを恐怖と悪名の拡散の場にせず、楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすることで満たせるように、ぜひご協力ください。仲間、友だち、家族のみなさんにも、このお話を共有してくださいね。”
(内閣サイバーセキュリティセンターのツイートより)

 この3番目のツイートに対し、コラムニストの小田嶋隆氏は28日9:48に、こうツイートしている。

”私がいまさらのように、《「より正義を語らないほう」を選ぶ》のtwを蒸し返したのは、「内閣サイバーセキュリティセンター」のtwに通底する何かを感じたからです。 「ほっこり、楽しく、幸せに」は、もちろん望ましい態度ではある。でも、それって、政府が上から推奨すべきことではないぞ。断じて。”
(小田嶋隆氏のツイートより)

”国民が「ほっこり」できるための環境を整えるのが政府の仕事であることは否定しない。ただ、お上が国民に向けて「ほっこり」を推奨するのはスジが違う。政府がそれを言うと、「文句を言うな」「不満を持つな」「現状に満足せよ」「政府の指示に従え」というメッセージになる。ヤバい。”
(小田嶋隆氏のツイートより)

 小説家の盛田隆二氏も28日10:50に、上記の内閣サイバーセキュリティセンターの3つ目のツイートに対し、こうツイートしている。

”確かに「楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすること」で満たされた世界は望ましいけれど、現実には楽しくない報道が溢れています。SNSはそれらを受けて個々人が発信するツールでもあります。政府による「ほっこりするツイートを」という要請は、国民が有する表現の自由と齟齬をきたします。要注意です”
(盛田隆二氏のツイートより)

”たとえば、トランプ大統領が安倍首相とゴルフを楽しんだというツイートを、内閣サイバーは「楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすること」と受け取るのかもしれませんが、そのように受け取らない人も多いでしょう。政府はSNSの発信内容に関し、国民に要請すべきではありません”
(盛田隆二氏のツイートより)

 小田嶋氏は、政府が異論の抑圧に動くことに異を唱え、盛田氏は、政府がSNSの発信内容に関して国民に要請することは国民が有する表現の自由と齟齬をきたすと指摘している。
 いずれも大事な指摘だ。

 テロ対策として、差別や人権侵害にあたる投稿を行わないように、と政府が求めることは問題ないだろう。
 けれども、上記の内閣サイバーセキュリティセンターの投稿は、差別や人権侵害にあたる投稿を行うなとは言わない一方で、SNSを「楽しいこと、幸せなこと、ほっこりすることで満たせるように、ぜひご協力ください」と求めている。

 そのような要請は何を抑圧するか。
 異論を抑圧し、正当な批判を抑圧するのだ。

「令和」発表の記者会見で安倍首相が行った異論の抑圧

 それは読み込みすぎだ、と思う人がいるかもしれない。
 けれども、私はそうは思わない。
 内閣サイバーセキュリティセンターのアカウントの認識不足だとも思わない。
「令和」への改元の機会をとらえて、異論を抑圧し同調圧力を強めていこうという政府の方針が、確かに背後にあるはずだ。
 根拠を示そう。

 4月1日に「令和」という新元号が発表された際の安倍首相の記者会見を確認してみよう(参考:首相官邸HP「平成31年4月1日 安倍内閣総理大臣記者会見」)。

 菅官房長官による新元号発表とは別にわざわざ記者会見をひらいた安倍首相は、万葉集の文言に言及した上で、
「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められております」
と語った。
 誰がそのような意味を込めたのか、主語を曖昧にした形で。

 自らが政権を担う時代を命名したわけでもないのに、安倍首相が記者会見をひらき、「込められた意味」を語るのにも違和感があるが、さらに問題なのは、そのあとの質疑応答で安倍首相が語ったこの部分だ。
 変わるべきは変わっていかなければなりません
 平成の30年間ほど、改革が叫ばれた時代はなかったと思います。
 政治改革、行政改革、規制改革
 抵抗勢力という言葉もありましたが、平成の時代、さまざまな改革がしばしば大きな議論を沸き起こしました。
 他方、現在の若い世代、現役世代はそうした平成の時代を経て、変わること、改革することをもっと柔軟に前向きに捉えていると思います。
 ちょうど本日から働き方改革が本格的にスタートします。
 70年ぶりの労働基準法の大改革です。
 かつては何年もかけてやっと実現するレベルの改革が、近年は国民的な理解の下、着実に行なわれるようになってきたという印象を持っています

(太字は筆者)
 働き方改革関連法は「令和」の元号を発表したこの4月1日に施行された。
 元号とは何の関係もないその法の施行に安倍首相が言及したのは、この記者会見の幹事社である産経新聞社の最初の質問に答える中において、だ。
 映像で確認できるように、安倍首相は原稿を読んでいる。
 事前に用意された質問と答えであったことは明らかだ。

「かつては何年もかけてやっと実現するレベルの改革が、近年は国民的な理解の下、着実に行われるようになってきたという印象を持っています」
と安倍首相は語っている。
 具体的に名指しはしていないが、文脈的にはそれは、働き方改革関連法を指していることは明らかだ。
 ではそれは、「国民的な理解の下」に成立したのか。

 決してそんなことはない。
 主要野党はそろって、高度プロフェッショナル制度の創設に反対し、法案からの削除を求めた。
 労働者がその制度を求めているという立法事実はないことを国会審議の中で明らかにした。
 労働者のニーズを聞いたとされるヒアリングで、高度プロフェッショナル制度は労働時間、休憩、休日、深夜業の規制がなくなる働き方であることをちゃんと説明したのかと問うた福島みずほ議員に対し、山越敬一労働基準局長(当時)は、
「いずれにいたしましても」とその質問をスルーした。

「全国過労死を考える家族の会」の方々が安倍首相に面会を求めても、政府は面会要請のFAXを官邸に送ったか否かも明言せず、「このあと面会を」と求める柚木道義議員の質問に対しては、加藤勝信厚生労働大臣(当時)が抗議の声にかき消される中で平然と別の内容の答弁を続けた。

 その一連の経緯を、私は国会パブリックビューイング「第1話 働き方改革―高プロ危険編−」に解説つき映像記録として残した。

●【街頭上映用日本語字幕版】国会パブリックビューイング 第1話 働き方改革−高プロ危険編−(収録映像一覧情報あり)

 また、高度プロフェッショナル制度の削除を家族会の方が求めているとの柚木議員の指摘に対し、安倍首相が高度プロフェッショナル制度を「など」の言葉の中に隠して、あたかも過労死の悲劇を二度と繰り返さないために働き方改革の法改正をするのだと言わんばかりの極めて不誠実な答弁をしたことも、国会パブリックビューイング「第2話 働き方改革―ご飯論法編―」に解説つき映像記録として残した。

●【街頭上映用日本語字幕版】国会パブリックビューイング 第2話 働き方改革−ご飯論法編−(音質改良版)(収録映像一覧情報あり)

 国会議員だけではない。
 労働組合のナショナルセンターである連合も全労連も、高度プロフェッショナル制度の創設には反対の声をあげていた。
 新聞の社説も高度プロフェッショナル制度が長時間労働を助長し過労死を増やすことに懸念を示し、慎重な審議を求める主張を掲載していた。
 テレビやラジオでも、懸念の声や反対の声は紹介された。
 私も論陣を張った。

 にもかかわらず、安倍首相は元号「令和」発表時の記者会見で、働き方改革に向けた法改正が、
「国民的な理解の下、着実に行われるようになってきた」
という印象操作を行った。
 これは事実に反する、悪質な印象操作だ。
 少なくとも高度プロフェッショナル制度については、「国民的な理解」などされていない。
 理解を得る努力も政府は行っていない。
 逆に、国民を欺く答弁、論点ずらしの答弁、時間つぶしの答弁を繰り返してきた。

 この記者会見では、さりげなく「抵抗勢力」という言葉も使われている。
「改革」に反対する者を「抵抗勢力」と名づけることによって、あたかも政府の改革に反対する者は「変わるべき」ものに固執する「抵抗勢力」のように位置づけられた。
 そして、「抵抗勢力」の声は小さくなり、「改革」は、
「国民的な理解の下、着実に行われるようになってきた」
かのように印象づけた。
 それが今、安倍政権が行っていることであり、その安倍政権が「令和」を「beautiful harmony」と英訳したわけだ。

 この記者会見における「異論の抑圧」の動きも、国会パブリックビューイングでは4月9日の新宿西口における街頭上映で取り上げた(下記の映像参照)

●「多様な働き方を選択できる社会」とは!?働き方改革関連法の4月に施行を受けて #国会パブリックビューイング 2019年4月9日

異論の抑圧に警戒を

 新元号の制定からしばらくは、お祝いモードが続くのだろう。
 けれども、そのお祝いモードの中で「同調圧力」=「異論の抑圧」の空気が作られていくことには、十分な警戒が必要だ。
 政府は明らかにそのような空気を作ろうとしている。
 一部のメディアもそれに同調し、加担しているように見える。

 小川淳也議員(立憲民主党・無所属フォーラム)は、3月1日の根本厚生労働大臣不信任決議案趣旨弁明の中で、政府は良い数字ではなく悪い数字にこそ目を向けるべきで、そこにある社会の矛盾にこそ目を向けるべきであることを語った(下記映像の1時間38分54秒より)

●【字幕つき映像】3月1日衆議院本会議 根本厚生労働大臣不信任決議案趣旨弁明 小川淳也議員(立憲民主党・無所属フォーラム)#国会パブリックビューイング
 もし、この国の総理大臣が、
「良い数字はもういいから。そこはうまくいってんだろう? 悪い数字はないのか。そこに困っている国民はいないか。そこで抱えている社会の矛盾はないか」
 そう問いかける内閣総理大臣がいれば、そもそも、こんな不毛な数値論争は、起きてないじゃないですか。
 表面的な言葉だけでなく、数値だけでなく、真に国民に寄り添い、国民生活を思い、国家の威信や国家の尊厳に勝るとも劣らぬ重要な国民生活への思い、民のかまどを憂う思いを、総理に求めたいと思います。

(参照:筆者による文字起こし)

 枝野幸男・立憲民主党代表は、2018年7月20日の内閣不信任案趣旨弁明において、民主主義とは単純な多数決とイコールではないことを指摘し、
「少数意見を納得させようという意思もない多数決は、多数決の濫用です」
と指摘した(ハーバー・ビジネス・オンライン編『枝野幸男、魂の3時間大演説 「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』扶桑社、2018年、p.76−)。

 異論を強権的に抑圧せずとも、異論は「美しい調和」を乱すものだと感じる雰囲気が広がっていけば、異論を唱える者、正当な批判を行う者の声が世の中に届かなくなる。

 人びとも耳をふさぐようになる。
 それは一見、平穏な世の中のようだが、権力者にとっては都合がよい状態であり、社会的弱者の声が抑圧された状態、社会の矛盾が可視化されないまま蓄積した状態だ。
 そして自分は社会的弱者ではないと思っている者に危険が迫っていても、それに気づけなくなる状態だ。

 そのことに私たちは警戒感を持っておかなければいけない。
 メディアにも強く問題意識を求めたい。

ハーバー・ビジネス・オンライン、2019.04.30

「美しい調和を乱すな」という暗黙のメッセージに潜む危険性。
メディアも問題意識を


(文/上西充子(うえにし みつこ)>
法政大学キャリアデザイン学部教授。共著に『就職活動から一人前の組織人まで』(同友館)、『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』(旬報社)など。働き方改革関連法案について活発な発言を行い、「国会パブリックビューイング」代表として、国会審議を可視化する活動を行っている。『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説 「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』の解説、脚注を執筆。間もなく、新刊『呪いの言葉の解きかた』(晶文社)が刊行される

https://hbol.jp/191369

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映画『主戦場』

ようこそ、「慰安婦問題」論争の渦中へ──。
そんな挑発的なキャッチコピーを携えて、先週公開されたばかりの映画『主戦場』。
日本のメディアではときにタブーのようにも扱われてきた旧日本軍の「従軍慰安婦」問題について、研究者やジャーナリスト、人権活動家、そして「慰安婦」問題の存在を否定する人たちなど、左右双方のさまざまな人たちにマイクを向け、その主張を語らせた異色のドキュメンタリーです。
公開前から大きな話題を呼んできたこの映画はどのように生まれたのか。日系アメリカ人のミキ・デザキ監督にお話をうかがいました。

なぜ「慰安婦」問題に関心をもったのか


─ 映画『主戦場』は、旧日本軍の「従軍慰安婦」問題をめぐる論争を、さまざまな角度から検証するドキュメンタリーです。監督がこのテーマに関心をもたれたきっかけは何だったのでしょうか。

デザキ 「慰安婦」問題については、アメリカのメディア報道などを通じてある程度の知識はもっていました。
 改めて関心を抱くようになったのは、かつて朝日新聞記者として「慰安婦」に関する記事を書いた植村隆さんが、いわゆる「ネトウヨ」と呼ばれるような人たちから激しいバッシングを受けているのを知ったのがきっかけです(※1)。
 私も以前、ある動画をユーチューブに投稿したことで、同じようなバッシングに遭ったことがあります。
 英語講師として日本に住んでいたときに感じた人種差別について語る内容の動画だったのですが、「日本には差別なんてない」と反発され、個人情報をネット上にさらされるなどの攻撃を受けたのです。
 そのときの苦しかった経験と植村さんの状況が重なって見え、気になって記事などを読んでいるうちに、日本のメディアでは「慰安婦」の問題が一種のタブーのようになっていることを知りました。
 興味を抱いてさらに調べてみる中で、日本のメディアも韓国のメディアも、非常に偏った情報しか発信していない、なすべき仕事をなしていないのではないかと考えるようになったのです。

(※1)1991年、朝日新聞記者だった植村隆さんは、元「慰安婦」韓国人女性(後に実名で名乗り出る金学順さん)の証言をまとめた記事を執筆した。2014年、この記事を「捏造」と断じた『週刊文春』の記事をきっかけに、ネット上などで植村さんへのバッシングが勃発。植村さんの勤務先や自宅にまで脅迫電話などが来るという事態になった。

─ どういうことですか。

デザキ どちらも、自分の国の立場からしかものを見ていなくて、相手国の観点を完全に欠いていると感じました。
 日本人や韓国人の友達とこの問題について話しているときも、やはり同じような印象を受けます。
 政府やメディアが、そうした偏ったメッセージばかりを発信しているからではないでしょうか。
 そういう状況にある二つの国が、互いの間にある「壁」を越える機会をつくりたい。
 それが、この映画をつくろうと思い立った理由です。
 この作品を通じて、日韓の人たちがもっと理解し合って、何らかの解決を見出し、よりよい関係をつくっていくきっかけが生まれてほしい。
 もちろん、とても難しいことだと分かってはいますが、そうした希望も託して制作をスタートさせたのです。

どんな言説にも、オープンに耳を傾けようと思った

─ 映画の中には、研究者からジャーナリスト、政治家、人権活動家まで実にさまざまな人たちが登場します。中には「慰安婦」の問題についてずっと研究されている人、元「慰安婦」の女性を支援する市民団体の人たちもいれば、タレントのケント・ギルバートさんや衆議院議員の杉田水脈さんのように、「彼女たちは売春婦に過ぎなかった」といった主張を展開する人たちもいますね。出演を依頼する際には、どのような交渉をされたのですか。

デザキ そのまま「私は大学院生で、慰安婦問題についての映画をつくっている。いろんな人たちの話を聞きたい、あなたたちに自分の意見を発表するプラットホームを提供したい」と伝えました。
 この問題について、私自身は何の結論も持っていない。
 映画の中で最終的には何らかの結論を出すつもりではいるけれど、現状では白紙だ。
 だからこそここにいるんだ、とも話しました。
 それは、自分の正直な思いを伝えたつもりです。
 この問題に興味を抱いてさまざまな本などを読みはじめたとき、心がけていたのは、
「どんな言い分に対してもオープンでいよう」
ということでした。
 もちろん、「慰安婦は性奴隷だった」と言われていること、強制連行があったとされていることなどは知っていましたが、それを否定するような言説に対しても、頭から拒否するのではなく、まずはオープンに耳を傾けようと。
 そうした考え方は、タイで僧侶になるための修行を経験したことから身に付いたものかもしれません。
 そこで教えられたのは、「確信を持つこと」の危険さ、常に「not sure(確信が持てない)」という姿勢でいろということでした。
 この映画を撮りながらも、常に自分に「not sure」と言い聞かせていたような気がします。
 本来は、何についても sure であったほうが人は安心できるし心地いい。
 特に映画をつくる上では、自分なりの結論を訴える必要があるわけですから、not sure で居続けようとするのは非常に難しいことではありましたが……。

─ それは、映画をつくり終えた今も、ですか?

デザキ もちろん、ある程度の結論は自分の中で出ています。
 特に、国際法的な観点から見た場合の結論は明らかだと思う。
 ただ、自分の考えに対してもどこか not sure という気持ちは持ち続けたいと思うし、最初から何らかの結論を持って映画をつくりはじめたわけではないということ、オープンな気持ちで撮影に挑んでいたということは、映画を見る人にも伝わればいいなと思っています。

正面から、噛み合った議論の場をつくりたかった

─ 映画では「強制連行」「人数」「性奴隷」といったいくつものテーマに沿って、左右双方の意見が次々に飛び交い、ぶつかり合っていきます。挟み込まれるニュース映像などとともにそれを見ているうちに、それぞれの意見の納得できるところ、おかしいところ、説得力の有無などがくっきりと浮かび上がってくる。ある映画評では、「言葉と論理の知的ボクシングを見ているよう」とありましたが、ああいった構成にしようというのは最初から考えていたのですか?

デザキ 早い時期から意識していました。
 というのは、それまでいろんな場で「慰安婦」問題に関する意見がやりとりされているのを見ていて、議論があまりに噛み合っていないと感じていたからです。
 その大きな原因は、左派のほうにあったように思います。
 「慰安婦」問題を否定しようとする人たちが「慰安婦の強制連行を証明する資料なんてないじゃないか」と言ったときに、左派の中には「元慰安婦の人たちの証言を聞けば、そんな問題ではないことが分かる」といった答え方をする人が少なくありません。
 実際には右派が求めているその「資料」がないわけではないのに、それを分かりやすく示そうとしないことが多いのです。
 もちろん、元「慰安婦」の女性たちの証言は重要だし、それを大事にしようとするのは理解できるのですが、それが、
「質問にちゃんと答えていないじゃないか」
という不満や、
「ごまかされている」
という右派の不信感を生むことにもなった。
 今の日本で歴史修正主義の言説が広がっているのも、それが一つの理由ではないでしょうか。
 ボクシングのたとえを使うならば、右派がボクシングのパンチを放っているのに、左派は柔道で対抗しようとしているようなものです。
 私はそこをきちんと向き合わせて、かみあった議論の場をつくりたかった。
 そうしない限り、右派は「アンフェアだ」と言い続け、不満を抱き続けるでしょう。
 
─ ボクシングなら、同じボクシングで対決する場を、ということですね。

デザキ だから、インタビューの際の質問もそのねらいに沿って組み立てていきました。
 右派・左派どちらの立場の人に対しても、「私はこう思うのですが…」ではなく、「反対派がこう言っていますが、この意見についてはどう思いますか」という聞き方をしていったんです。
 ただ、やはり左派の人たちは、研究者も活動家も、なかなか証言以外のことについて語ろうとしない傾向があって。
 繰り返し、
「この質問に対して、具体的に資料を示して答えてほしい」
と頼む必要がありました。
 そうした工夫の積み重ねで、両サイドの人たちが、スクリーンを通じて対話しているような感じを出すことができたのではないかと思っています。

どちらの立場に共感する人にも、違う意見に耳を傾けてもらいたい

─ 見ながら驚かされたのは、出てくる人たち、特にいわゆる右派の人たちが非常に率直に、饒舌に持論を語っていることです。「慰安婦問題は捏造だ」といった歴史修正主義の言説に加え、人種差別・女性差別的な発言もいくつも飛び出しますが、それをカメラの前で語ることへのためらいや警戒心は感じられなかったのでしょうか。

デザキ ほとんどなかったと思います。
 皆さん、私に対してもとても親切でフレンドリーで、こちらが戸惑うほどでしたね。
 それにはいくつか理由があると思うのですが、まずグレンデール市(※2)の人たちなどアメリカ在住者については、トランプ政権下で生まれた「空気」の影響もあるのではないでしょうか。
 トランプ大統領誕生以降のアメリカには「とにかく何を言ってもいいんだ」という雰囲気があるように思います。
 そしてもう一つ、これは日米を問わずですが、歴史修正主義を唱える人たちは、いつもは自分と同じ意見の人たちの間でだけ話をしていて、直接反論を受けることがほとんどない。
 だから、自分たちの言っていることがそれほど奇妙に聞こえるとは思っていないのかもしれません。
 また、私もインタビューに際しては、一貫して「意見を聞きたい」という姿勢で臨みました。
 誰の言うことに対しても反論したり、話を遮ったりすることは基本的にせず、自由に語ってもらった。
 それが「ここでなら話せる」という雰囲気をつくったのではないかと思います。

(※2)グレンデール市
アメリカ・カリフォルニア州、ロサンゼルス近郊の都市。2013年、市内の公園に日本軍「慰安婦」の姿をモチーフとした「平和の少女像」が建立された。『主戦場』の中では、その撤去などを求める在米日本人らの発言も紹介されている。

─ 映画の完成後、出演されている方たちからの、映画を見ての反応はありましたか。

デザキ 配給会社から全員にマスコミや関係者向け試写会の案内は出してもらっていて、ケント・ギルバートさんが見に来てくれたと聞きました。
 その場では、
「少なくとも私の発言がゆがめられたり、文脈を無視して一部を切り取られたりはしていない」
「勉強にはなるんじゃないか」
と言われていたそうです。
「後半部分は気に入らない」
とも言っていたそうですが、どの意見に対しても「フェアに扱った」ことは認めてくれたのではないかと思いました。
 左右どちらの立場に共感する人も、この映画を通じて何かを学んで、新しいことを知ってもらいたいと思っていたので、その意味で希望も感じました。

─ 予告編などを見て「どんな映画なんだろう?」と気になっている人は多いと思います。その方たちへのメッセージはありますか。

デザキ とにかく、まずは見てみてほしい。
 今は、自分と違う意見の人とはあまり触れあわない、自分の意見に賛同してくれる人とばかりつながるということが多い時代です。
 ソーシャルメディアはまさにそういうふうにデザインされていて、「いいね」や「シェア」を求めて記事を UP することはあっても、意見が分かれて議論になるような内容を載せることはみんな恐れますよね。
 でも、実際に話を聞いてみないと知ることができないことはたくさんあります。
 自分と同じ意見にばかり耳を傾けているのはたしかに心地いいけれど、その「居心地のいい場所」から一歩踏み出してみてほしい。
 それこそが「Come to the battleground」(主戦場へようこそ)です。


マガジン9、2019年4月24日
ミキ・デザキさんに聞いた:
「慰安婦問題」論争の渦中へ。
「いいね!」ばかりの心地いい場所から一歩を踏み出そう

(取材・構成/仲藤里美 取材写真/マガジン9)
https://maga9.jp/190424-4/

(※1への注)

日本会議のエネルギッシュな草の根運動!一方、護憲勢力の側は権力による奇襲攻撃への構えができていない!

 そういう状態の中、じゃ、野党は、知識人は、言論人は、市民グループは、皆さんどうしてるんですか?って考えてると、非常にのんびりされてるんです。
 緊急事態条項が、2012年の、自民党の改憲草案の文言は、非常にいかめしくて、非常にきっちり書いてあって、非常に怖い。
 だからポワーンとさせたもんにしたんですけど、このポワーンとさせたってことは、新たに発表した改定4項目の緊急事態条項の条文案は、何でもできるってことなんですね。
 なんでもできるような状態にして、皆を油断させて、そしてポーンとやってしまう。
 そういう可能性が一番高いんじゃないか。
 高いんじゃないかという話は、この間、高名な先生ともインタビューでいろいろ話をしたんですけど、皆さん方、
『もうね、どう考えてもね、残りの会期とかいろいろ考えると、もうないよ』
と。
『時間がないよ。今国会でやるしかないんだもん。この臨時国会でやるしかないんだもん』
『じゃあ、この臨時国会で、奇襲攻撃をかけられるかもしれないという前提で、動くべきなんじゃないですか?』
と、そう思うんです。
 ところが、その構えが全くなっていない。
 その一方でものすごくエネルギッシュにやってるんですよ、日本会議は。
 その草の根の日本会議の看板の広告塔の、『櫻井よしこ』なんですよ。
 だから彼女は『ジャーナリスト』ではないと、今回の判決では、もう、認定されたけれども、看板のプロパガンディストとしては別に傷ついてないわけじゃないですか。
 これは本当、大変問題だなぁと、大変なことになったなという風に思って、ちょっと心臓に悪いんですけれども。
 しかし、何が何でもこの危機って言いますかね、皆が油断してて、
『まぁ岩上、考え過ぎなんじゃないの?』
と言う。
 いや、それならそれで結構ですよ。私が臨時国会過ぎた時にですね、
『ほら、あんなの考え過ぎだったよ。全然発議なんかされなかったじゃないかよ』
ということになったら、いくらでもね、坊主になりますよ。
 もう既になってますけど。
 ですからね、考え過ぎだと思うかもしれないけれども、そして私の言ってることは杞憂かもしれませんけれども、でも、あっち側から見たらどうですか?
 油断してる時に一突きじゃないんですか?
 だって麻生さん言ったじゃないですか、『静かにやろうぜ』って。
『静かにやろうぜ』
『気が付かないうちにやろうぜ』
って言ったじゃないですか。
 あの人、有言実行ですよ。
『ナチスの手口に学べ』
と言ったじゃないですか。
 ナチスの全権委任法そのものですよ。
『これでいいんですか?』
っていうところに今、つながって来てるんだと思うんですね。
 いろんなかたちで今日お話しになった方が、いろいろな自分の問題意識につなげて、民主主義のあり方を考えるためにとか、いろいろとおっしゃられました。
 で、それは皆、尊い言葉だったと思います。
 で、私は極めて短期的な、目前の危機と、私はつながっている問題なんだということを、申し上げたということであります。
 また裁判の話に、そして植村さん個人の話に戻しますと、植村さんには私、3度ですかね、4度ですかね、インタビューをして来て、植村さんの問題をできるだけ多くの人に知ってもらう、ほんの一助になればということをして来ました。
 で、もう驚くべきほど、こんなにたくさんの方に支えられて、裁判活動を進められて来たということを今日知って。
 皆さんが支えて、植村さんが頑張り切れたっていうことが間違いなくあるだろうと思います。


日時 2018年11月9日(金)18:40頃〜
場所 かでる2.7(北海道立道民活動センター)(札幌市中央区)
主催 植村裁判を支える市民の会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/435398

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ミキ・デザキ

 旧日本軍の従軍慰安婦問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「主戦場」が現在、公開中だ。
 出演者は、弁護士のケント・ギルバートさん、政治家の杉田水脈(みお)さん、日本文学者のパク・ユハさん、歴史学者の吉見義明さんら総勢27人。
「強制連行の有無」、
「性奴隷か売春婦か」
など、慰安婦問題を語る上で争点となる項目について、対立する主張をカメラに収め、膨大なニュース映像や文献と共に検証・分析する。

「あらゆる年齢の韓国人と日本人に見てもらい、お互いが共有していないこの問題の文脈を知ってほしい」

 日系米国人で監督・脚本・撮影・編集を務めたミキ・デザキ監督(35)は語る。

◇ きっかけは植村隆さんへのバッシング

 デザキ監督が慰安婦問題に興味を持ったのは、慰安婦に関する記事を書いた元朝日新聞記者の植村隆さんがバッシングを受けていることを2014年ごろにニュースで知ったのがきっかけだ。
 調べていくうちに、日本と韓国でこの問題に対する知識や情報にギャップがあることに気づく。
 そこで、映画を作って双方の溝を埋めたいと思った。

 実は、デザキ監督自身も“ネトウヨ”(ネットで過激な発言をするナショナリスト)にバッシングを受けた経験がある。
 2013年に沖縄で英語教師をしていたとき、日本における人種差別をテーマに授業を行い、その内容について話す動画を YouTube にアップした。
 すると、
「こいつは韓国人か中国人に違いない」
「死ね」
などとコメント欄に書き込まれ、炎上した。
「日本には人種差別がないと反論しているのに矛盾していますよね」
と、監督は振り返る。

 当初、デザキ監督は多くのアメリカ人と同様、
「旧日本軍の性奴隷は20万人いた」と信じていた。
 しかし、
「慰安婦は存在しなかった」と主張する日本のナショナリストたちの主張を聞き、
「自分が信じていた情報は本当に正しいのだろうか」
と、取材しながら自らの認識を問い直すことになった。

◇ 言葉以上に冗舌な顔のアップを多用

 映画の前半では、対立する主張をカットバックで、あたかも互いに同じテーブルで議論しているような演出で見せる。
 両論併記のディベート形式で、デザキ監督が取材時に経験した思考のプロセスを観客も経験するような効果を狙った。
 設置したカメラ2台のうち1台は、常に出演者の顔をアップで撮影。
 持論を繰り広げる彼らの表情は、時に言葉以上に冗舌だ。

「言葉の情報がとても多い映画ですが、そこに映っていたものは、言葉以上の何かを伝える効果があったと思います」

 映画には、日本、韓国、米国のジャーナリスト、政治家、活動家など、慰安婦論争に関わるさまざまな立場の人が登場する。
 ただし歴史家は、慰安婦を集める際の旧日本軍の関与を認める吉見義明さんや林博史さんのみで、否定的な立場の人物は登場しない。
 バランスを欠いていることについて監督は、 
「(歴史家の)秦郁彦さんには絶対に出演していただきたいと思って最初にアプローチしましたが、何度か電話でやりとりした結果、断られました。
 西岡力(つとむ)さんは、後半に取材する予定でしたが、書籍で読んだ彼の主張はすでに取材をした他のナショナリストの方と重複する内容が多かったので必要ないと判断しました」
と説明する。
 他に、教育学者の高橋史朗さんと、元衆院議長の河野洋平さんにも取材を断られたという。

 また、ケント・ギルバートさんやジャーナリストの桜井よしこさんなどについて、
「歴史修正主義あるいは否定論者と呼ばれる」
と字幕で説明しており、中立的立場から外れているようにも思えるが、監督は、
「世界で一般的に認識されている歴史に疑問を呈する人たちが歴史修正主義で、否定論者と呼ぶのがふさわしいのではないでしょうか」
と話す。

◇ ナショナリストのアイデンティティーは国と同一化している

 映画で、日本文学者のパク・ユハさんと林さんは、従軍慰安婦問題を、
「朝鮮半島における家父長制、女性差別のもと、犠牲になった女性の人権問題でもある」
と発言。
 パクさんは、
「家族を養うために慰安婦として娘を差し出した、親にも責任がある」
とも訴える。
 デザキ監督は語る。

「女性が性被害について声を上げることが難しいのは、『#MeToo』運動が広がる現在においても変わりません。戦後、特に1950〜80年代の韓国において、慰安婦の女性たちが過去を証言するのがどれだけ大変なことだったか。現代における女性の地位や扱いについても、考えてみていただければと思います」

 一方、映画に登場する元ナショナリストで、今ではナショナリストの主張を疑うようになったというケネディ日砂恵さんは、
「ナショナリストは、日本が弾圧されることで、自分の名誉を傷つけられたと感じる。だから自尊心を守るために、日本を擁護する」
と指摘する。
 デザキ監督も、ナショナリストのアイデンティティーは国と同一化していると見る。

「日本が素晴らしければ自分も素晴らしい。日本人は悪いことはしないという物語を信じたい。そして、自分が気に入らないことには『反日』のレッテルを貼る」

 公開前には、SNS や YouTube で、ナショナリスト側からは
「反日映画だから見ない方がいい」、
逆に反対の立場からは、
「右派陣営がオンパレードだから見たくない」
などの投稿が目立った。

「自分側の陣営の話だけに耳を傾けたいという姿勢が多くの人に感じられます。慰安婦問題をめぐる論議の状況が両極端になってしまった要因の一つでしょう」

 デザキ監督は、映画を完成させるまで3年間のリサーチを経て自身の結論に至ったというが、
「それが真実だとは、口が裂けても言えません。今後、考えが変わる可能性もあります」
と語った。

「どちらの陣営も、物事を単純化して考える傾向があります。この映画を作った背景には、問題の複雑さを伝え、自分の持っている確信への挑戦状を突きつけられるべきだという思いがあります」
……………………………………………

ミキ・デザキ
1983年、米フロリダ州生まれの日系米国人2世。ミネソタ大ツイン・シティーズ校で医大予科生として生理学専攻で学位を取得後、2007年に来日し、外国人英語等教育補助員として5年間、山梨県と沖縄県の中高等学校で教壇に立つ。同時期から、YouTuber(ユーチューバ−)「Medama Sensei」として、コメディー映像や日本、米国の差別問題をテーマにした映像作品を数多く公開。タイで仏教僧となるための修行の後、2015年に再来日。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科修士課程を2018年に修了。本作が初映画監督作品。

【主戦場】上映情報
渋谷・シアター・イメージフォーラム、大阪・第七芸術劇場、京都シネマなどでロードショー、全国順次公開

公式ウェブサイト http://www.shusenjo.jp/


Yahoo! Japan News、2019/4/27(土) 9:00配信
従軍慰安婦問題は現在にもつながる女性の人権問題
ドキュメンタリー映画「主戦場」
日系米国人2世のミキ・デザキ監督に聞く

(毎日新聞、西田佐保子)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190427-00000000-maiall-soci

 慰安婦問題をめぐり、対立する意見が飛び交う映画「主戦場」が公開された。
 監督したミキ・デザキさんは、
「見る人にも当事者として議論の渦中へ入って欲しい」
と話す。
 制作に至る背景や制作中の葛藤を聞いた。

*  *  *

 杉田水脈、櫻井よしこ、ケント・ギルバート、植村隆……、元慰安婦の証言に疑問を呈する政治家や言論人、彼女たちを支援する弁護士や学者など総勢27人にインタビューしたドキュメンタリー映画「主戦場」が公開中だ。
 それぞれの主張をテンポよく対比させ、さまざまな論点を取り上げて検証を重ねていく。
 監督は日系米国人2世のミキ・デザキさん(35)。
 コメディービデオや、日本と米国の差別問題をテーマにした作品を制作するYouTuber(ユーチューバー)でもある。

 米国フロリダ州に生まれたデザキさんは、小学校に入学した初日から人種差別を受けた。

「両目を手でつり上げながら、『ヘイ! チャイニーズ』と。日系米国人の私は、同じマイノリティーである黒人やヒスパニックからも差別を受けるマイノリティー中のマイノリティーでした」

 当時、アジア人差別は他のマイノリティーへのそれと比べ、メディアにも十分に認知されていなかった。
 それはデザキさんにとって二重の苦しみとなったという。

「差別などないことになっていましたから、ひどい体験をしても人に言えないし、言ったとしても信じてもらえない。もしその頃、アジア人への差別の存在を認め、報じてくれるメディアがあったら、私自身もっと正面から差別に向き合えたのではないかと思うんです」

 2007年に外国人英語等教育補助員として来日、中学と高校で教壇に立った。
 そこでデザキさんは、生徒や同僚が日本に人種差別が存在することすら認識していないことに驚いた。
 この問題を広く取り上げたいと思い、2013年、「Racism in Japan 日本では人種差別がありますか?」を制作する。
 冒頭には、自身の授業で高校生たちに「日本にも人種差別があると思う人は手をあげて」と問いかけ、40人中2、3人しか手をあげなかった場面を使用した。
 デザキさんは動画のなかで「これは大きな問題だ」と指摘し、日本における差別の実態を明らかにしていく。

 この動画をYouTubeで発表すると、大きな反響が起こる。
 コメント欄には「嘘つき」などの批判やデザキさんの個人情報を暴く書き込みが並んだ。
 そこで「ネトウヨ」の存在を知ったデザキさんは、彼らが慰安婦やその支援者に対しても同様の攻撃をしていることを知る。
 慰安婦問題の論点を洗い出し、この問題を知るための「入り口」になるような映画を作ろうと決意、2016年から制作に着手した。

 さまざまな主張を聞く中で、デザキさんの立ち位置は何度も揺れ動いた。
 慰安婦を「売春婦」と明記した米国戦争情報局文書の存在、慰安婦の数とされる「20万人」の根拠……
 いったい何が正しいのか、わからなくなったという。

「自分がこんなに混乱してるのに、見る人にとって筋の通った映画にできるだろうかと、不安になりました」

 だがすべての取材が終わり、部屋に閉じこもって3ヶ月かけて編集作業をするなかで、デザキさんの立ち位置は揺るぎないものになる。

「正反対の主張を、項目ごとに並べ合わせて編集していく過程で、どちらの主張の論理が通っているか、はっきりしてきたんです」

 「主戦場」というタイトルには、映画を見る人にも、当事者として議論の渦中へ入ってほしい、という思いが込められている。

「人間はわかりやすい結論に飛びつきがちです。でもあえて迷って、深く考えて、『答え』にたどり着く第一歩にしてくれたら。とくに若い人に、そう伝えたいです」

※ AERA 2019年4月29日−2019年5月6日合併号


[写真-1]
MIKI DEZAKI
1983年、米フロリダ州生まれ。YouTuber「Medama Sensei」として映像を制作、公開している


[写真-2]
映画「主戦場」はシアター・イメージフォーラム(東京・渋谷)で公開中の他、全国で順次公開予定

AERA dot.、2019.4.25 17:00
日系アメリカ人監督が挑む慰安婦問題、きっかけは「ネトウヨ」からの批判
(編集部・小長光哲郎)
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2019年04月29日

新天皇即位式をスーパーボールにたとえた安倍首相の不敬

 この男はどこまで不敬なのだろう。
 それが言い過ぎでも、間違いなく不謹慎で不適当だ。

 きょう2019年4月29日の毎日新聞が一段の小さな記事で教えてくれた。
 これもまたトランプ大統領がばらしてくれた安倍首相の隠された言動だ。
 トランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦した時と同じ様な驚きの安倍首相だ。
 すなわち安倍首相はトランプ大統領に対して、「新天皇の即位式はスーパーボールより100倍ぐらい大事だ」と語ったというのだ。
 なぜ、安倍首相はそんなことを言ったのか。

 その発言が発せられた背景がまた安倍首相らしい。
 安倍首相はこと10月に予定されている新天皇の即位式にトランプ大統領が来日して出席して欲しいと頼み込んだ。
 その時、トランプ大統領は時期的にちょっと難しいと難色を示したらしい。
 それはそうだろう。
 もうその時は大統領選挙に向けた戦いは本格化している。
 訪日している余裕などないのだ。
 その時、トランプ大統領が安倍首相に聞いたらしい。
 新天皇の即位式というのは日本人にとってどれほど重要なのかと。

 それに対して安倍首相から出た言葉が、「日本人にとっては、米国人にとってのスーパーボールより100倍ぐらい大事だ」と言ったというのだ。
 それを聞いたトランプ大統領は「本当に素晴らしい。間違いなく行きますよ」と翻意したというのだ。

 いくら米国人にとってわかりやすいたとえであっても、そしていくら100倍という言でその重要性はスーパーボールとは比べ物にならないことを強調したとしても、娯楽であるフットボール観戦と厳粛な新天皇即位式を同一視するのは不適当だろう。

 それにしても、なぜ安倍首相はそこまでトランプ大統領の訪日と新天皇即位式への参加に固執するのか。

 ペンス副大統領などの代理出席では、米国が日本をそこまで重視していないということが内外にばれるからだろうか。

 かつてないほど緊密な日米同盟関係を自分とトランプ大統領の間で築いたという嘘がばれるからだろうか。

 いや。それよりも、なによりも、自分はトランプ大統領からそれほど敬愛されていないと思われるのが嫌なのか。

 どこまでも自分の都合優先の安倍首相だ。
 新天皇の即位式さえも自分の人気取りに使おうとしたということである。
 やはり不敬だろう


 しかし、この発言をメディアは大きく取り上げず、野党も、失言大臣の時のように追及する気配はない。
 安倍首相を甘やかすにもほどがある。


天木直人のブログ、2019-04-29
新天皇即位式をスーパーボールにたとえた安倍首相の不敬
http://kenpo9.com/archives/5891


 安倍夫妻、トランプ夫妻が立つレッドカーペットから弾かれたため、記者から「もうちょっと寄って」と促された安倍が近寄ると、トランプが「止まれ」と一喝。
 片足だけレッドカーペットに乗った状態が日米外交の全てだ、ムンジェイン大統領はトランプ大統領に同等の扱いを受けたとテレビで解説される。


0:27 - 2019年4月28日
https://twitter.com/beppanman/status/1122401986010157058

https://twitter.com/icamusu

 あれは、衝撃的な画像だった。

 安倍首相夫妻がホワイトハウスに到着し、その入口でトランプ大統領夫妻に出迎えられた時のこと。
 敷き詰められたレッドカーペットの中央にトランプ大統領、同じくレッドカーペットの右手にメラニア夫人が起立し、安倍首相夫妻を出迎えた。

 レッドカーペットからはみ出してしまった左手の安倍首相夫妻に、カメラを向けた記者が、もっとトランプ夫妻の方に寄るように声をかけた。

 安倍首相がトランプ大統領側に寄ろうとする。

 ところが、トランプ大統領は「Stop!」と、安倍首相に向かって言ったのだ。小声だったが、画像にははっきりそれが残っている。

 安倍首相夫妻は、レッドカーペットからはじき出されて、写真を撮影された。

 ネットでの情報では、マクロン大統領夫妻や、文大統領夫妻は、ちゃんとレッドカーペット上で出迎えられ、そこで写真撮影に収まっている(その画像がある)。

 トランプ大統領が安倍首相に向かって「Stop!」と声を出し、レッドカーペットに乗ることを制止したことがなければ、単なる偶然でそのような構図になったのかと思ったが、あの制止を命じるトランプ大統領の声は、明らかに安倍首相にレッドカーペットに乗るなと命じ、あたかも安倍首相が従属していることを安倍首相に思い知らせ世界に示す意図があったことを確信した。

 これが、日米関係の現実である。

 日米同盟は、対等な関係ではない。
 日本は米国に隷属させられている。
 日米地位協定、ガイドラインによって軍事的に支配され、これからすぐに締結に向かうというFTAでは、日本のインフラ・一次産業が大きな犠牲を被ることになる。


2019/04/29 04:56

Japanese Prime Minister Shinzo Abe arrives in Washington on Friday for a two-day summit with President Trump that includes meetings at the White House, a private birthday dinner for the first lady and 18 holes at Trump National Golf Club in Sterling.

Such ample face time has been viewed in Tokyo as a symbol of success in Abe’s diligent 2 1/2-year effort to fan the mercurial president’s ego. It also has left other foreign capitals, including Seoul, with a touch of envy in the contest to influence a foreign policy that often appears to be driven by Trump’s whims.

But beyond the pleasantries lies a more difficult reality for Abe and a test of his resilience at a time when Trump is demanding that Japan engage in negotiations for a bilateral free trade agreement that Tokyo has long resisted, and is ratcheting up threats to impose tariffs on Japanese automobiles.

Such an action “could be a turning point” in the relationship, one Japanese official said this week, before quickly adding that he does not believe it will happen.

That mounting tensions on trade threaten to overshadow the uncertainty for Japan over the fate of the Trump administration’s stalled nuclear negotiations with North Korea illustrates the complex and challenging path forward for Abe even as he reaffirms his charm offensive. His White House visit will mark the 40th time he has spoken or met with Trump since the president won office.

“There’s a certain amount of domestic dismay and criticism of Abe for what is perceived in many quarters in Japan as shameless pandering to Donald Trump,” said Daniel Russel, who served as assistant secretary of state for East Asia and the Pacific in the Obama administration. “I’ve certainly heard that from [legislative] Diet members in Abe’s own party. But my suspicion is that Abe feels justified based on the principle of, ‘whatever it takes’ − that Japan does not have the luxury of being cast adrift in this uncongenial geopolitical climate.”

Japanese officials emphasized that Abe’s visit is part of a multination tour that includes stops in France, Italy, Slovakia, Belgium and Canada − an itinerary aimed at shoring up the agenda for the Group of 20 summit in Osaka in June. Trump, who will make a three-day state visit to Tokyo to meet the new Japanese emperor in late May, is tentatively scheduled to attend the G-20, as well.

Yet analysts said that Abe also felt pressure to hastily secure an audience with Trump after the collapse of Trump’s summit with North Korean leader Kim Jong Un in Hanoi in February. South Korean President Moon Jae-in, who has staked his presidency on diplomatic outreach to the North, visited two weeks ago to urge the White House to consider moving off a hard line over sanctions relief in a bid to restart talks.

But Abe will attempt to reinforce the position of Trump administration hard-liners, such as national security adviser John Bolton, that the president should hold firm on sanctions until Pyongyang fully commits to denuclearize, Japanese officials said.

“Abe has talked to Trump about North Korea before every summit, and the Japanese side says they have the same discussion every time,” said Michael Green, an analyst at the Center for Strategic and International Studies who served on the National Security Council in the George W. Bush Administration.

“Trump’s view is that he knows how to negotiate and doesn’t need Abe’s advice. I’m told Trump told Abe that it’s bad to prepare too much because on big deals you have to go with your gut,” Green added. But Abe’s goal “is at least stopping the bad stuff.”

White House officials offered a three-minute summary of the agenda for the summit in a telephone briefing for reporters Thursday but declined to answer questions.

Unlike the leaders of European allies, such as Germany and Britain, and U.S. neighbors Canada and Mexico, which have occasionally bucked Trump and paid a price on Twitter, Abe has remained loyal and gone largely unscathed from personal attacks.

But Trump on occasion has embarrassed Abe, such as when he announced at a Rose Garden news conference that the Japanese leader had written a five-page letter nominating him for a Nobel Peace Prize for his efforts on North Korea. Abe did not deny it and was mocked by some conservatives in Tokyo.

A Japanese official, speaking on condition of anonymity to discuss private views in Tokyo, said Abe has not paid a significant political price for his efforts to woo Trump. Tokyo has been pleased with the administration’s tougher stance with Beijing on economic issues, and Abe believes Trump is listening on North Korea.

Yet the Japanese official acknowledged that Trump, embroiled in the fallout of the special counsel probe into Russian election interference, “faces a lot of challenges to get reelected. The president will do anything to get elected, so we have to be realistic.”

It is on trade where the Japanese are most circumspect. Burned once by Trump, who included Japan in a round of steel and aluminum tariffs early in his administration, the Japanese have engaged in a delicate dance of trying to demonstrate a willingness to negotiate while seeking to avoid the most challenging sticking points.

Toshimitsu Motegi, Japan’s economy minister, arrived in Washington on Thursday to resume trade talks with U.S. Trade Representative Robert E. Lighthizer. Their second meeting this month, the discussions are aimed at accelerating progress toward a limited deal involving agriculture and autos, with additional provisions on digital trade deferred to subsequent bargaining.

Trump wants to reduce the $67.6 billion annual merchandise trade deficit with Japan by getting Japanese automakers to produce more vehicles in the United States and by prying open Japan’s agricultural markets.

Abe insists he won’t give the U.S. any greater agricultural concessions than Japan agreed to in the Trans-Pacific Partnership, a 12-nation trade accord that was awaiting ratification before Trump ended U.S. participation during his first week in office.

The talks are shadowed by Trump’s threat to impose tariffs on imported vehicles on national security grounds, which would hit Japan and Germany especially hard. The president agreed last fall to hold off on tariffs while the talks continue.

Abe, whose Liberal Democratic Party faces challenging upper house elections in Japan’s parliament this summer, is eager to avoid a blowup with Trump. Yet he appears to have little leverage to force concessions from the United States on trade that could help him win ratification in Tokyo for any potential deal.

“My sense is that the Japanese are hanging on by their fingernails,” said a congressional aide, who spoke on the condition of anonymity to discuss private conversations.

The aide, who recently visited Tokyo, said one senior adviser to Abe told him of Trump: “If this goes on for another six years, we can’t survive.”


[Photo]
President Trump and Japanese Prime Minister Shinzo Abe at a joint news conference in the Rose Garden on June 7, 2018.

The Washington Post, April 25, 2019
‘Stopping the bad stuff’: Japan’s Abe visits White House in latest bid to soothe Trump’s ego − and avoid his ire
By David Nakamura
(David J. Lynch contributed to this report)
https://www.washingtonpost.com/politics/stopping-the-bad-stuff-japans-abe-visits-white-house-in-latest-bid-to-soothe-trumps-ego--and-avoid-his-ire/2019/04/25/9f0e1cf0-6766-11e9-a1b6-b29b90efa879_story.html

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4月28日は山歩クラブのお散歩会

 おやっ、ヤッホーくんより一斉報告メールが発信されたようです:

 10連休、いかが楽しまれていますか?

「浮浪の士と辺陬の書生に名と富と権力を与え、浪士をして華族とならしめた新日本の軍国は北米合衆国の飛行機に粉砕されてしまった」
と永井荷風が1954年嘆いたときから65年後、あったものをなくそうとせんばかりに我が国の姿形が、その新日本へと変貌していきつつあります、いま(注1)。

 今回(2019年4月28日)、12名の仲間と肩を組んで歩いたタウンウオーキングはヤッホーくんにそんな感慨を与えてくれたワンディトリップでした。

 区役所前の「憲法擁護・非核都市宣言の街」は劣化激しく、
 「陸軍中野学校跡」の碑は人目のつかない片隅にひっそりと立ち(そのまえにピースの煙草の空き箱にヤッホーくんは泣きました)、
 「中野刑務所跡」の案内説明板はどこ探したとてなく、
 「平和の森公園」の一万本超の樹々は伐られ、オリパラの練習場の工事が真っ盛り(注2)。

 おまけに「花の百名山」の田中澄江の旧居、「嫁菜の花美術館」は影も形もありませんでした(今年2019年3月31日の第17回爽快時に滔々とまくしたてたあの敷地!)。
 これじゃ、ビール祭りでミュンヘンビールのサルバトールを飲んで栄養補給しないと体も心ももちません。
 そしてなんとそれから、渋谷にも回って、5人組で映画「主戦場」(注3)を観て、再度打ち上げをしないことには涙が止まらない一日でございました。

 そう、そう、足腰を病んでおられる仲間の方々の、一刻も早い回復を最後の新井薬師でお祈りをしてきましたのでご安心ください。

田中澄江旧居跡 ☟

P1000108 (2).JPG

新井薬師 ☟
P1000113 (2).JPG

(注1)中野区公式サイト

 区は、1982(昭和57)年8月に「憲法擁護・非核都市」の宣言を行いました。
 この宣言は、区民の平和を希求する声を背景に、約12,000人の請願を区議会が採択したことによって生まれたもので、私たちのいのちと暮らしを守るために、核を持つすべての国に対して、核兵器をすてよと訴える区民の率直な願いと崇高な思いが込められています。
昭和57年8月15日
 まちには こどもの笑顔がある
 ひろばには 若者の歌がある
 ここには 私たちのくらしがある
 海を越えた かなたにも同じ人間の くらしがある
 いま 地球をおおう 核兵器は あらゆる いのちの営みを この しあわせを 奪い去る
 私たちの憲法はくらしを守り 自由を守り恒久の平和を誓う
 私たちは この憲法を大切にし 世界中の人びとと 手をつなぎ核をもつ すべての国に核兵器をすてよ と 訴える
 この区民の声を 憲法擁護・非核都市 中野区の宣言とする

 区は、1990(平成2)年4月に「中野区における平和行政の基本に関する条例」を施行し、「宣言」に基づく平和行政を区の政策目標として法的に位置づけ、その基本を明確にしました。
 宣言がなされて以降、区では区民とともにさまざまな非核・平和事業を展開してきましたが、この条例の制定により、宣言の精神を現実のものとしていくために、安定的・継続的な平和事業の確保を図りながら、平和への取り組みを着実にすすめていくことが求められています。


https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d005561.html

(注2)平和の森公園の「緑とひろばを守る」公約

 中野区議会議員選挙は2019年4月21日実施、翌日開票されました。
 定数42に対し60人が立候補。
 多数を占めていた区議会野党の自民党・公明党が改選前(欠員1)の合計21から17へ議席を減らし、過半数割れとなりました。
 区議会与党の立憲民主党・共産党は改選前の合計12から14に増加。
 投票率は40.46%。前回(2015年)より0.02ポイント増と、ほぼ横ばいでした。投票者数は10万9623人。

 自民党は改選前12人に対し現職11人新人6人の計17人を擁立、8人が落選(うち現職3人)。
 公明党は改選前9人に対し8人を立て全員当選。
 立憲民主党は改選前6人に対し8人が立候補し全員当選。
 共産は改選前6人に対し7人を立て1人(現職)落選。

 トップ当選の浦野さとみ氏(共産、元)の得票数 4000票超は、中野区議選(補選を除く)では1971年以来48年ぶり。
 なお1971年の投票者数は18万6741、投票率73.57%でした。
 平和の森公園の「緑とひろばを守る」公約を前面に訴えたことが奏功したとみられます。
 非常に大きな期待がかかっているわけですから、300メートル陸上トラックを作り運動場にするため既に1万2000本の木が切られ、掘り返して発泡スチロールが埋められ破壊されてしまった平和の森公園草地広場を、中野区に今後どうさせるのか、注視していきたいです。

 改選前後を見ると、女性議員の数が8人から11人に増加。
 平均年齢は52.0歳から48.2歳にやや若返り。
 中野区議会最高齢だった篠国昭氏(78歳、自民)落選の影響が大きいでしょう。
 初当選(1期目)の議員の数は12人から7人に減少。平均当選回数は2.9から3.3に。

 在特会との関係が指摘される吉田康一郎氏、NHKから国民を守る党の竹村あきひろ氏の当選は今後の要注意事項と言えます。


中野区非公式勝手にリポート
2019区議選で中野区議会は自公が過半数割れに
https://nakanocitizens.hatenablog.jp/entry/2019/04/22/193000

(注3)映画『主戦場』(2018)公式サイト
2019年4月20日公開
http://www.shusenjo.jp/
https://www.cinematoday.jp/movie/T0023943

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令和で民主主義は「消滅危機」、安倍様ファシズムの時代

 平成が終わり、令和を迎える。
 果たしてどんな時代になるのか。
 せめて、マトモな政治に期待したいが、絶望的な気分になってくる。
 平成という時代をひと言で振り返れば、最後の最後になって、民主主義が徹底的に破壊され尽くされた時代ではなかったか。
 選挙は行なわれるが、形だけ。
 実際は1党独裁、安倍様ファシズムの時代ではないか。
 ファシズム研究の第一人者、慶大教授の片山杜秀氏は2019年3月30日付の東京新聞、<考える広場 我が内なるファシズム>でこう書いていたほどだ。
 現実主義の自民党と理想主義の社会党が対立した五五年体制が崩壊し、現実主義の政党ばかりになった。似たような価値観の政党ばかり。その中では、経験豊富な自民党が選ばれやすい。
。。。
 「政治主導」の名の下に内閣人事局が設置され、内閣に官僚は抵抗できなくなった。今の内閣は各官庁の情報を吸い上げて力が肥大化し、戦前・戦中にはなかった強力なファシズム体制を実現させたと思います。

 似たような政党ばかりだから、「それならば、一日の長で自民党を選ぼう」となる。
 何度やっても安倍自民党が勝つものだから、人事権を押さえられている官僚も逆らえず、言いなりになる。
 内閣に不利な情報は隠蔽、改ざんされ、忖度が横行し、ますます1強政権がのさばる。
 片山氏が指摘する通り、安倍政権はすでに「強力なファシズム体制を実現させた」ということだ。
 しかも、それが「政党に差異がない以上、経験豊富な自民党」という選挙民の意思によるものなのだから、絶望的になってくる。
 元外務省国際情報局長の孫崎享氏も嘆くひとりだ。

「例えば、米国の民主党は世論調査をもとに国民目線に立った政策を訴え、共和党のトランプ政権を本気で倒そうとしている。しかし、日本の野党は国民が何を望み、どんな政策を訴えれば支持が得られるのかを勉強していない。ハッキリ言って努力不足なのです」

 日本では、米国のサンダースのような候補者がてんで出てこないのだから、どうしようもない。
 選挙民は選択肢のない絶望から、安倍ファシズムを選んでしまう。
 令和になってそれが変わるのか。
 ますます、こうした傾向が強まるのではないか。
 令和で民主主義は「消滅危機」と言ってもいいのである。

■ 現代の民主主義の死は「選挙」から始まる

 ともにハーバード大教授のスティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット両氏の共著「民主主義の死に方〜二極化する政治が招く独裁への道〜」(邦訳・新潮社)によると、かつての民主主義は革命やクーデターによって死んだが、現代の民主主義の死は「選挙」から始まる、という。

 「選挙」というプロセスを経た強権的なリーダーが、異論を唱える政敵やメディアを公然と批判して二極化を促す。
 そして、司法機関などを支配して対立相手を恣意的に罰し、選挙制度や憲法を変えて独裁体制を確立させるというのだ。
 この指摘には背中が寒くなるではないか。

 少数野党の意見に全く耳を貸さず、アリバイ的に審議時間だけを重ねて強行採決を繰り返す「アベ政治」。
 こんな政治が常態化したのも、選挙を経て衆院で3分の2超という圧倒的多数の議席を確保したからだ。
 安倍首相が特定メディアを名指しで批判している姿も同じ。
 そうやってケンカを仕掛け、二極化を促す。
 そういえば、イタリアのムソリーニやドイツのヒトラーも選挙の大勝によって、「ファシズム」を完成させた。
 「ファシズム」とは、ある日突然、ファシストが登場して、国民の権利を制限するのではなく、選挙民が強大な権力を与えた結果、暴走するものなのである。

 当時のイタリアもドイツも国民の間には経済的な不満が渦巻いていた。
 独裁者はそれを利用し、巧みなプロパガンダで民衆を洗脳した。
 当時と今はそっくりだし、問題は、この傾向が日本だけではないことだ。

■ 経済のグローバル化で格差拡大、右傾化が加速

 9日に投開票されたイスラエル総選挙では、ネタニヤフ首相率いる右派政党リクードが勝利。
 昨年は、ハンガリーで反移民政策を掲げたオルバン首相率いる右派フィデス・ハンガリー市民連盟が圧勝した。

 ロシアのプーチン大統領やトルコのエルドアン大統領ら、ファシズム化が懸念される政権を挙げればキリがない。

 これらの政権に共通しているのが、「危機」や「脅威」を訴えて自分の政権運営を正当化し、反対勢力を封じ込めて民主主義を「破壊」するやり方だ。
 例えば、エルドアン大統領は一部の国軍クーデター未遂を理由に世論不安を煽り、多数の兵士や公務員、記者を拘束した揚げ句、大統領に権限を集中させる憲法改正を実施。
 プーチン大統領も、チェチェン共和国の「独立派によるテロ」を口実に「垂直の権力」と呼ばれる体制を構築した。

 人権監視団体「フリーダムハウス」が2月に公表した「世界の自由度調査」によると、世界の自由度は13年連続で低下。
 今や世界中で「民主主義」は後退する一方だ。

■ 右派政治家は大衆の不満を煽って支持を集める

 埼玉学園大学経済学部教授の相沢幸悦氏は、
「巨大な資本主義による経済のグローバル化が世界中で富裕層と貧困層の格差拡大を招き、右傾化の動きを加速させた」
と言い、こう続けた。

「先進国、途上国に限らず、今やどの国でも人々の不満が高まっており、その怒りの矛先が外国人や移民に向けられつつあります。米国第一主義を掲げる米トランプ大統領が象徴的ですが、EU加盟国で起きている移民排斥の運動もその流れでしょう。日本を含む右派思想と呼ばれる政治家はその大衆の不満を煽り、支持を集めているのです。世界経済の減速が叫ばれる中、こうした動きはさらに強まるでしょう」

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は、
「選挙という民主的な手続きを経て権力を集中させた上で、やりたい放題を正当化するのが現代の『ファシズム』。選挙制度、主権者教育など、あらゆることを見直さないといけない」
と言った。

「令和」は戦前に逆戻りなのだろうか。


[写真]野党はだらしないが…

[写真]ヘイト拡大!

日刊ゲンダイ、2019/04/28 15:00
国民はファシストを望むのか
令和で民主主義は消滅の危機
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252958

 5月1日、元号が「令和」となります。
 この元号を最終決定したのは安倍首相ですが、その首相が繰り返し発言してきたことを、改元前のこの機会に、改めて思い返してみる必要があると思います。

 安倍首相が好んで使う言い回しに、
〈明治の日本人にできて、今の日本人にできないわけはない〉
というのがあります。
 「明治時代」とはすなわち「富国強兵」の時代です。
 そのために「殖産興業」を進める。
 その国家的努力に貢献した人々が「立身出世」を遂げることができる。
 そういう時代でした。
 あの頃と同じことが現代の日本人にだって「できる」と説いているのです。
 つまり、1億総活躍=1億総動員の国家を標榜して、「明治時代の日本人に負けないでください」と鼓舞しているわけで、そんな口車に決して乗ってはいけない。

 ですから、「明治」に生きた日本人のようになることを現代の日本人に求める首相が決めた新元号には、注意を要します。
 それが新時代に託された課題なのかもしれません。

〈ある時期の日本人にできて、今の日本人にできないわけはない〉
と言うのであれば、むしろ我々が意識すべき「その時期」は「大正時代」ではないでしょうか。
 「大正デモクラシー」や「大正ロマン」が大きく花開いた時期のことです。

 それはまさに、日本人が民主主義と人権意識を初めて本格的に自分たちの知性の中に取り込んだ時代であり、泉鏡花や菊池寛といった風変わりで破天荒な作家が活躍して、自由奔放で遊び心のある感性や心意気が息づいていた時代でもありました。
 大正時代は短期間でしたが、ひょっとすると日本人が最も独自性や独創性を発揮した時期だったかもしれません

■ 安倍首相が好む「明治」では断じてない

 こうした感性や心意気が、今の時代の我々には必要です。
 「1億総活躍」などと称してのしかかってくる政治的重圧を笑い飛ばしたり、蹴飛ばしたりする“知的感性”こそ、今、我々が必要としているものなのではないかと思うのです。
 今の我々が意識すべき特定の時代があるとすれば、安倍首相の思い描くようなイメージでの「明治」では断じてありません。

 平成には「グローバ ルスタンダード」がはやりましたが、今や「SNSスタンダード」でお互いを評価し、そして人からの評価が気になって仕方がない時代です。
 でも、個性的で独自性のあった大正時代の人は、自分の外にスタンダードを求めるのではなく「マイスタンダード」を高く掲げていたのではないでしょうか。
 そうした「マイスタンダード」同士が時としてぶつかり、時として融和し、お互いに創造的感性を引き出し合うことができていた。

 新時代に日本人が目を向けるべきは、大正
 それとは対照的な時代への回帰を振りかざしている首相の存在を警戒しつつ、大正時代の面白い日本人を目指したい。

 私自身も大正という時代を、改めてしっかり勉強してみたいと思っています。


[写真]口車に乗ってはいけない

日刊ゲンダイ、2019年4月29日 06:00
新時代に意識すべきは“知的感性”が息づいていた大正時代
浜矩子・同志社大学教授
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252959

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2019年04月28日

差別根絶へ、国立市で条例成立

東京都国立市議会が2014年9月19日、安倍晋三首相らに対して、民族差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)を禁止する法律をつくるよう求める意見書を、議長を除く20人の市議のうち19人の賛成多数で可決した。
全国市議会議長会への報告によると、同様の意見書の可決は全国で初めてだという。
意見書の提案をリードした上村和子市議(59)に聞いた。

― ジュネーブであった国連人種差別撤廃委員会は、8月29日に日本政府に対してヘイトスピーチを巡る問題について「毅然(きぜん)と対処」し法律で規制するよう勧告しました。国立市議会の意見書は、こうした流れを受けて可決されました。どういう内容ですか。

 意見書は、
「一刻も早く、国連人種差別撤廃委員会の31項目の勧告を誠実に受け止め、ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する新たな法整備がなされることを強く求める」
という内容で、安倍首相や法務大臣、衆参両院の議長にあてたものです。

― 市議4期目の上村さんは、政党には属さずに活動してきました。意見書を提案しようと思ったのはなぜですか。

 国立市の隣の立川市には朝鮮学校があります。
 私は、公的補助がどんどん減らされていく朝鮮学校を支援する運動をしてきて、親しい在日コリアンの友人もいます。
 また、国立市では2012年4月に、韓国出身で日本国籍を取得した妻と日本人の夫、少女がいる家の玄関と車に「朝鮮人は出て行け」などという差別をあおるビラが、夜中に貼られた事件が起きました。
 私は市議会でこの問題を取り上げ、佐藤一夫市長も事件を市報に掲載し、「国立市は差別を許しません」と積極的に動いてくれました。
 犯人は見つからないまま、家族は引っ越しました。
 京都の朝鮮学校が、2009年12月に排外主義的団体のひどいヘイトスピーチに襲われた後、在日コリアンの友だちや市民有志とお菓子をもって励ましに行ったこともあります。
 ほんの小さなお菓子を配ったら、お母さんたちがハンカチを握りしめて、涙をこらえていました。
 みんなの心がどれだけ傷ついたか、、、


[写真]
ヘイトスピーチに反対し2000人余りの市民が参加したデモ行進=東京・新宿、2014年11月2日

論座、2014年12月17日
ヘイトスピーチ禁止の法律を求める国立市議会
上村和子市議に聞く、「民主主義に逆行する動きに歯止めをかけたい」という意志

(桜井泉、朝日新聞国際発信部記者)
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2014121600009.html

 鎌倉市議会で人種差別的な発言を市議がした上、インターネット上の議事録で発言が公開され続けているとして、自治労県本部職員で在日コリアン2世の男性(57)=川崎市川崎区=が2018年12月21日、発言者の元市議と市に対し慰謝料や議事録からの削除を求める訴訟を横浜地裁に起こすことが分かった。
 12月20日に代理人弁護士が明らかにした。

 発言者は、2013年年5月から1期4年間、鎌倉市議を務めた上畠寛弘氏。
 2017年10月からは神戸市議を務めている。

 訴状によると、男性は2013年、市社会福祉協議会の不当労働行為を巡って自治労傘下労組の団交に参加した。
 上畠氏は2014年3月から2017年3月までの間、本会議や委員会で組合批判を行う中で、男性の名刺の裏に国会議員の名前が印刷されていることに「代紋をちらつかせたやくざと変わらない行為」と言及した。
 さらに男性の実名を挙げながら、
「日本の情勢に懸念を及ぼしかねないと思慮される行動で、朝鮮学校に対する補助金運動に携わっている」
「出身が出身なだけに本当に怖い」
などとも発言した。

 男性側は、一連の発言が人種差別に当たり、人格権が侵害されていると主張。
 議事録への掲載も「ネットで拡散され恐怖を覚えている」とし、精神的な苦痛を受けたとしている。

 代理人の西川治弁護士は、
「民族名を何度も示した上で暴力的存在と結びつけたヘイトスピーチ。言論の自由がとりわけ保障されている議会を差別に悪用するもので断じて許されない」
と話した。
 上畠氏はフェイスブックやツイッターで「一般的な日本人の名前ではない」「ヤクザもしないような代紋紛(まが)いの恐ろしい行為」などと投稿し、男性の名刺の画像も公開。
 訴訟で男性は上畠氏にも投稿の削除と謝罪文の掲載を求める。
。。。

神奈川新聞、2018年12月20日 17:00
〈時代の正体〉
「差別発言」元市議ら提訴へ
ネット議事録削除求め

(時代の正体取材班=石橋 学)
https://www.kanaloco.jp/article/entry-146723.html

 あらゆる差別を網羅的に禁止する条例が2018年12月21日、東京都国立市で成立した。
 差別を明確に禁じ、被害者の救済や審議会の設置など先駆的な内容が盛り込まれ、ヘイトスピーチの被害が続く川崎市をはじめとする他自治体の先例としても期待される。
 条例の評価を人権や人種差別の問題に詳しい青山学院大教授の申(シン)惠丰(ヘボン)国際人権法学会前理事長と師岡康子弁護士に聞いた。

禁止、救済に意義
国際人権法学会前理事長 申 惠丰 氏

 人種差別を含む幅広い差別禁止事由について「行なってはならない」と禁止を明示した点が重要だ。
 ヘイトスピーチ解消法は施行から2年半が経過したが、禁止規定がない理念法の限界は明らか。
「差別をしないようにしましょう」というアプローチが効く人ばかりではないからだ。

 「市は人権救済のために必要な措置を講じる」とした救済規定も評価できる。
 禁止している以上、違反行為には対処がなされなければならない。
 この条例に罰則はないが、諸外国では救済機関が加害者に謝罪や人権セミナーの受講を命じて再発防止を図る例がある。
 救済措置を答申する審議会にマイノリティー当事者や国際人権法の専門家が入ることで実効的な運用が期待できる。

 前文で、
「誰もが無意識的、間接的に人権侵害の当事者になる可能性を持つ」
と説くように、差別は確信的なものばかりではない。
 入店拒否という権利侵害も多数者に流され、「他の客への気遣い」といった無自覚さでなされることがある。
 差別への認識が低い現状にあって公的機関の禁止ルール自体が教育効果を持つ。

 諸外国には差別禁止法と救済機関が当たり前にある。
 日本では自治体が先んじた形だが、将来的には禁止法と、それに反する差別の申し立てを受理・救済する国内人権機関を国が作るのが望ましい。
 ヘイトスピーチなど極めて悪質な差別に罰則を科す国も多く、その悪質さに見合う法的対応を諸外国に学ぶべきだ。

自治体の動き加速
弁護士 師岡 康子 氏

 禁止規定を単なる理念にとどまらせず、禁止条項に違反した行為について救済のための具体的措置の実施を自らに課しており、差別をなくすという市の強い姿勢が表れている。

 現状では、差別を止めさせ、救済を受けるには被害者本人が民事訴訟か刑事告訴に踏み切るしかない。
 時間的・金銭的負担、加害者との直接対峙(たいじ)などによる二次被害から、ほとんどが泣き寝入りを強いられる。
 国や社会による差別の放任への絶望に苦しめられてきたマイノリティー市民は、この条項により行政による救済に期待をつなぐことができる。

 国立市の本気の姿勢は、市長の使命や市の義務的な条項だけでなく、基本方針と推進計画の策定、実態調査の実施の条文化にも表れており、差別撤廃に向けた具体的な施策の進展が期待される。

 理念法であるヘイトスピーチ解消法および部落差別解消推進法の実効化を初めて明文でうたった本条例は、自治体の反差別条例制定の動きを加速させ、その際に確保すべき水準として機能しよう。
 香川県観音寺市では公園でのヘイトスピーチを禁じ、違反者に行政罰を科す条例が昨年できている。
 各地で進む先進的な取り組みが、差別の根絶の条例づくりに取り組む人びとを勇気づけ、さらには、遅れている解消法の実効化や人種差別撤廃基本法の制定など国の新たな取り組みを促すことを期待したい。

◆ 国立市人権を尊重し多様性を認め合う平和なまちづくり基本条例

「何人も、人種、皮膚の色、民族、国籍、信条、性別、性的指向、性自認、しょうがい、疾病、職業、被差別部落出身その他経歴等を理由とした差別を行ってはならない」と示し、心身への暴力も禁じた。
 市の責務として「人権救済のため必要な措置を講じる」と明記し、市長の使命、市民と事業者の責務を規定。市長の諮問機関として設置する審議会が基本方針や推進計画、人権救済措置について調査・審議し、答申することも盛り込んだ。
 12月21日、市議会が全会一致で可決し、施行は来年2019年4月1日。


神奈川新聞、2018年12月25日 01:59
〈時代の正体〉
差別根絶へ、国立市で条例成立
先例として期待も

(時代の正体取材班=石橋 学)
https://www.kanaloco.jp/article/entry-146884.html

 差別的言動で人権侵害を繰り返す極右政治団体・日本第一党のヘイト街宣が2019年1月19日、JR川崎駅東口で行われ、多くの市民が抗議の声を上げた。
「またヘイトスピーチだって」
「まだやっているのか」
 政治活動を装った差別扇動活動は4回目。
 統一地方選を前に悪化をたどる事態に道行く人も一様に非難の目を向けた。

 これまで同様、抗議活動に取り組む市民が「差別主義者は帰れ」と声を上げ、市民団体が周知のアナウンスを響かせた。

「街宣を行っている日本第一党は、政治活動に名を借りてヘイトスピーチを繰り返す差別扇動団体です」

 事態を知り、通りすがりの人々も足を止めた。
 近くで居酒屋を営む女性(60)は、
「店にはいろんな国の人たちが来てくれる。そうして私たちの生活は成り立っている。差別を聞くのも聞かせるのも耐えられない」
と語気を強めた。

 県警が設置した鉄柵の中、「反日勢力による日本人差別と戦っています」の文字が横断幕で掲げられた。
 ヘイトスピーチの被害を訴える外国人市民を「敵」と示し、差別と排斥をあおるメッセージ。
 その横で今春の相模原、横浜市議選で立候補予定の公認候補者がマイクを握る。

 「子どもに説明がつかない」

 小1の息子の手を引く川崎市中原区の会社員男性(43)は「せめてもの救い」を抗議に集まった市民の姿に求めた。
 第一党は川崎市議選に無所属で立候補予定の佐久間吾一氏の支援を表明し、川崎区で街宣活動を始めているが、「差別が公に認められたものであるかのように発信されるのは防がれなければ」。
。。。


[写真]
プラカードを掲げ日本第一党に抗議する市民ら=JR川崎駅東口

神奈川新聞、19年01月20日 02:15
〈時代の正体〉
「政治装った差別」
日本第一党のヘイト街宣に市民ら抗議の声

(時代の正体取材班=石橋 学)
https://www.kanaloco.jp/article/entry-147952.html

※ 2019年4月の統一地方選の結果、国立市の上村和子は、市議当選。
※ 上畠寛弘は、25歳で鎌倉市議会議員に全国最年少で当選。2017年10月22日に行われた市議の死去に伴う神戸市議会議員補欠選挙において自由民主党より出馬し当選。任期は2019年6月10日まで。
※ 2019年4月の統一地方選の結果、川崎市の佐久間吾一は、市議落選。

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2019年04月27日

人権を尊重し多様性を認め合う平和なまちづくり

2018.12.16 山本太郎&上村和子!国立駅頭街宣&タウンミーティング

 此方は上村和子とあゆむ会主催により国立駅北口で行われた、山本太郎参議院議員様と上村和子国立市議会議員様のお二人による駅頭街宣とくにたち北市民プラザで行われた“生きる権利”タウンミーティングのノーカット記録動画です。

 前半20分が国立駅北口駅頭街宣、残りがタウンミーティングとなります。
 前者はトラメガの電池が切れてて、山本太郎様は殆ど生声で話されてました。
 喉を痛めなかったか心配です。
 只でさえ寒空の下、毎日の様に街中に立たれて街頭演説をされているので、申し訳ない気持ちで一杯になりました。
 失礼しました。

 置いといて、後者はまず上村和子国立市議による市政報告“〜ソーシャルインクルージョンのまちづくりとは?これまでとこれから〜”、続いて山本太郎参議院議員によるプロジェクター・スライド解説による国政報告、最後にクロストーク&質疑応答となります。
 今回は車椅子ご利用の障がい者の方も数人お見えになり、熱心にお二人のお話を聴いてました。

 山本太郎様はタウンミーティング終了後、直ぐに車椅子ご利用の障がい者の方のところへ駆け付け、片膝ついて熱心にお話しを聴いてました。
 素晴らしい方ですね。
 日本に無くてはならない庶民の味方です。
 山本太郎を総理大臣に!失礼しました。

 一人会派「こぶしの木」の上村和子様もヘイトスピーチ規制に尽力されてましたし、無党派で宇都宮けんじ様や山本太郎様が推薦、重度障がい者の寝たきり車椅子でも乗降出来る様に、国立駅のエレベーターを中央線で一番大きなエレベーターになる様に尽力された弱者の味方です。

 お二人ともこの国に無くてはならない存在であり、庶民の味方!
 そしてお二人とも来年は選挙の年!
 お二人を必ず!必ず!必ず!絶対に!絶対に!絶対に!当選させましょう!
 お二人を当選させる為に、拡散でも何でも自分に出来る事をやりましょう!
 どうか宜しくお願い致します!
 でわっ!皆さん、お疲れ様でした!ありがとうございました!また何時か、何処かの路上で!

追伸 : 街宣やる時は前日に新しい電池を予備と一緒に用意して、1時間前にはチェックしましょう!ゲストに対して大変失礼です。生意気言ってすみません!失礼しました!
https://www.youtube.com/watch?v=2RxXtT2tXeI

 4月20日、国立市議選最終日にも、山本太郎参院議員は応援に駆けつけてくれています。
 この上村和子、翌21日に投票日を迎えるわけですが、当選しましたよ、良かったです!
 6期目!ということは5期20年、議員をおやりになっております、いったいどんな信条?
 
 国立市議会議員、5期目。
 どの党派にも所属しない、ひとり会派「こぶしの木」です。

 「差別がなく、違いを認めあい、小さな声に耳をかたむけ、助けあって、共に、生きる」が信条です。

 年をとっても、お金がなくても、病気でも、安心して生きられる地域をつくっていきたいと思っています。

ツイッターTwitter、@kazukokobushin1 をご参照ください。

 ところでこの上村和子、がんばった成果のひとつに「人権条例」があるのをご存知でしょうか?

多様性・対話・共生が未来を開く 平和なまち「くにたち」

 "すべての人を社会的孤立や排除から守り、社会の一員として包み支え合い共に生きる"という「ソーシャル・インクルージョン」を理念とした、市のあらゆる施策の根幹となる基本条例をつくりました。
 本条例は2019年4月1日から施行されます。
 本条例に基づき、市のあらゆる分野における施策のさらなる推進を図るとともに、市、市民、事業者等が一体となったまちづくりの実現をめざします。
 また、地域のなかで、さまざまな人と人とがつながり支えあうための取組を進めていきます。

条例制定の経過

 市民の皆さまと共につくり上げた条例です

 本条例の制定過程において、条例骨子案についてパブリックコメントを募集(期間 2017年11月28日から12月18日まで)したところ、計139件のご意見をいただきました。
 また、条例の素案については、国立市長とのタウンミーティングを計4回実施し、パブリックコメントを募集(期間 2018年8月3日から8月23日まで、2018年9月5日から9月25日まで)し、計143件のご意見をいただきました。
 制定に至るまで、これまで市民等の皆様さまから大変多くのご意見をいただき、ありがとうございました。

条例の特徴

1 市の基本条例として位置づけます。

 市のあらゆる条例・計画等の考え方の根幹となる条例です。

2 条例の名称に「人権」「多様性」「平和」を謳っています。

 一人ひとりの人権を尊重するため、互いの多様性を認め合うことが平和なまちづくりにつながるとの考えから、条例の名称に「人権」「多様性」「平和」を謳っています。

3 ソーシャルインクルージョンを理念としています。

 "すべての人が社会の一員として包み支え合い共に生きる"という「ソーシャルインクルージョン」を理念としています。

4 不当な差別及び暴力を禁止しています(第3条)。
 「人権侵害を許さない」という市の姿勢を強く示しています。

5 市長の使命を規定しています(第4条)。

 市長は、市の施策を決定する際には、「ソーシャルインクルージョン」の理念の元、人権・平和のまちづくりの推進を基礎として判断します。

6 基本方針を策定します(第9条)。

 条例の理念を具現化するための「基本方針」を市民と共に定めます。
 基本方針を審議するなかで、人権救済のための仕組みについても検討を行ないます。

7 実態調査を実施します(第11条)。

 市民の人権・平和意識や不当な差別等の実態に関する調査を実施します。
 実態調査の結果は、市の施策に反映します。

8 審議会を設置します(第16条)。

 学識経験者、人権と平和に関する団体の代表者等、市民からなる審議会を設置します。

国立市人権を尊重し多様性を認め合う平和なまちづくり基本条例
http://www.city.kunitachi.tokyo.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/5/jinheiwa.pdf

人権、多様性、平和について

人権とは

人種、皮膚の色、民族、国籍、信条、性別、性的指向、性自認、しょうがい、疾病、職業、年齢、被差別部落出身、その他経歴等にかかわらず、一人ひとりがかけがえのない存在であると認められ、個人として尊重される権利です。

平和とは

 単に戦争や紛争がないということだけではなく、すべての人の基本的な権利が保障されていることです。
 貧困、飢餓、抑圧、搾取等の社会構造的な困難がなく、地域のなかに人権侵害を許さないという意識と、協力や対話といった行動が存在する状態を意味しています。

多様性とは

 人は、だれもが生まれながらにして一人ひとり異なる存在であることを意味しています。
 互いの違いを認め合い、それぞれの「自分らしさ」が尊重される、しなやかで強い地域社会をめざします。


国立市公式サイト、更新日:平成31年3月18日
「国立市人権を尊重し多様性を認め合う平和なまちづくり基本条例」を4月1日に施行します
http://www.city.kunitachi.tokyo.jp/shisei/unei/peace/heiwajinken/1552625420289.html

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溶けた年金

「できるかぎり速やかに、簡便な方法で支払う」──。

「毎月勤労統計」の不正調査問題を受けて、2019年1月28日の施政方針演説でそう述べた安倍首相。
 国にとって重要な基幹統計で不正調査がおこなわれ、約2000万人が雇用保険や労災保険などを560億円以上も過少給付されていたという重大問題に対し、「できるかぎり」という言葉はあまりにも無責任だ。
 だが、今週末にはさらに大きな問題が安倍政権を襲うことになりそうだ。
 というのも、2月1日に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が発表する予定である公的年金積立金の2018年10〜12月期の資産運用成績が、なんと14兆円を超える損失になるのではないかと指摘されているのだ。
 これは、5兆3000億円もの損失を出して問題となった2015年度を軽く超える大損失である。

 この背景には、昨年2018年12月の大幅な日経平均株価の下落がある。
 クリスマスには1年3ヶ月ぶりに2万円を割り込み、月間の下落幅もリーマン・ショック直後の2008年10月以来の大きさとなった。
 「しんぶん赤旗」1月5日付け記事によれば、こうした動きなどを勘案して独自試算したところ、2018年10〜12月期の資産運用は〈14兆円を超えるマイナスという結果〉になったという。
 また、「週刊ポスト」(小学館)2月1日号でも、資産運用評論家である近藤駿介氏が「評価損、実損を合わせて14兆円を超える損失となる可能性が高い」と述べている。

 実際に今週末に発表される数字が14兆円になるかどうかは不明だが、巨額の損失となる可能性は非常に高いと言っていいだろう。

 だとしたら、国民が老後のために捻出してきた年金を、安倍政権が一気に溶かしてしまったことになる。
 どうしてこんな危険な事態が起こるのか、あらためて整理しよう。

 GPIFは国民が積み立てた年金を資産運用し、その金額は130〜160兆円にものぼることから「世界最大の機関投資家」「クジラ」とも呼ばれる。だが、以前は国民の年金を減らしてしまう危険性を考え、株式などリスクのある投資を直接的にはほとんどしていなかった。

 しかし、第二次安倍政権になって株式への投資を全体の半分にまで増やした。
 ここにはGPIFに大量に株を買わせれば株価が上がり、景気が回復したという印象を与えることができるという安倍政権の計算があったと言われる。

 ようするに、国民の大事な年金を世論操作と政権維持に利用してきたのだ。

 その結果、前述したように2015年度には約5兆3000億円の運用損を出したのだが、このとき安倍首相は信じがたい行動に出た。
 例年、GPIFの前年度の運用成績は7月上旬に実施されていたが、2016年は7月10日に参院選があったため、巨額損失問題が投票に影響を及ぼすことを恐れた安倍政権は、公表を選挙後の7月29日まで遅らせるという姑息な手段を講じて事実を隠蔽したのだ。
 しかも、GPIFが5兆円の巨額損失を出しているという情報はすでに今年4月ごろから流れていたため、選挙戦のさなかに急に不安になったのか、安倍首相は自身の公式Facebookにこんな投稿をおこなったのである。

〈「株価下落により、年金積立金に5兆円の損失が発生しており、年金額が減る」といった、選挙目当てのデマが流されています。しかし、年金額が減るなどということは、ありえません〉
(2016年6月27日)

 5兆円を超える損失を出していたことは明確な事実であったのに、その公表を遅らせ、その上、明らかな事実を“選挙目当てのデマ”だなどと平気で嘘を強弁してごまかす──。
 まさに安倍“偽装・隠蔽・改ざん”政権らしいやり口
だ。

 しかも、安倍首相は5兆3000億円もの巨額損失を出したあと、2016年度に7兆9363億円、2017年度に10兆810億円の黒字に転じると、逆に成果を猛アピールしはじめた。

安倍首相が「想定の利益が出なかったら当然年金給付に影響してくる」発言

 こうした安倍首相の「いい話」とメディアの宣伝に多くの国民は騙されているが、けっして忘れてはいけないのは、失敗した場合のツケは国民が払う、ということだ。
 実際、安倍首相はこう明言しているのである。

「基本的に、年金につきましては、年金の積立金を運用しているわけでございますので、想定の利益が出ないということになってくればそれは当然支払いに影響してくる」
「給付にたえるという状況にない場合は当然給付において調整するしか道がないということ」
(2016年2月15日衆院予算委員会)

 そして、ここにきて、安倍政権のリスキーな投資が巨額の損失を生み出す可能性が高まってきた。
 黒字になれば自分の手柄にし、メディアも大々的にその成果を伝えるが、巨額の損失の穴を埋めるのは国民──。
 果たして、GPIFの2018年10〜12月期の資産運用成績が発表されたとき、安倍首相はどう言い繕うのか。
 そして、その言い訳に、国民は騙されてはいけない。


リテラ、2019.01.30 10:04
年金積立金の資産運用で14兆円の損失か!
株価上げるため国民の年金でリスキーな株投資をはじめた安倍政権の責任

https://lite-ra.com/2019/01/post-4518.html

 どう落とし前をつけるつもりなのか。

 公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が2019年2月1日、2018年10〜12月期の運用実績を公表。

 なんと14兆8039億円の赤字だった。

 利回りはマイナス9.06%。
 7兆8899億円の赤字を出して大問題になった2015年7〜9月期を大きく上回る過去最大の損失額だ。

 GPIFが抱える150兆円資産の約1割が、わずか四半期で消えてしまった。

「最大の要因は、アベノミクスの一環として、2014年10月にポートフォリオの見直しを行ったことです。国内株と外国株の比率をそれぞれ12%から25%に引き上げ、巨額資金を株式市場に振り向けた。それで株価は2万円台に上昇しましたが、GPIFの資産が市場の変動の影響をモロに受けるようになってしまった」
(経済評論家・斎藤満氏)

 2018年10〜12月期の赤字は国内株と外国株の巨額損失によるもので、国内債だけは4242億円の黒字。
 安倍首相の号令で株式の比率を上げなければ、15兆円もの損失は出ていなかったのだ。

 さらに問題なのは、損失の多くは時価評価で、利益確定したくてもできないジレンマに陥っていることだ。
 GPIFが保有する日本株は約36兆円。
 東京市場の1日の売買代金が2兆円前後だから、保有株を売却すれば、市場に与える影響は甚大だ。
 株価は大きく下がり、GPIFの保有資産も目減りしていく。
 しかし、下落局面で売り抜けなければ、さらに莫大な損失を抱えてしまう。

「どちらにしても、結局は国民に負担を課すことになる。今後のマーケット見通しも不安定で、株を高値づかみしているGPIFは、すでに含み損を抱えているような状況です」
(斎藤満氏)

 以前もGPIFの運用失敗を国会で追及された安倍は、
「想定の利益が出ないということになってくれば、当然支払いに影響してくる」
と答えていた。

 国民の資産を株式市場に勝手に突っ込み、儲かればアベノミクスの手柄、溶かした分は国民に年金減額を押し付けるのだ。

 “溶けた年金”批判を恐れる官邸は、
「15兆円の赤字を出しても累積収益額は56兆円のプラス」
と火消しに躍起だが、それは市場運用を始めた2001年からの累積で、安倍政権でポートフォリオを見直した後の累計収益は約15.4兆円だ。
 株価2万円割れが続けば、15兆円なんてあっという間に吹っ飛んでしまう。

 当然、通常国会で野党はこの問題を厳しく追及する。安倍首相が火だるまになるのは必至だ。




日刊ゲンダイ、2019/02/02 14:50
年金運用で過去最大損失 GPIFで14.8兆円が溶かされていた
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246794

 頼みの野党、この問題を激しく追及して、安倍首相が火だるまになったんだっけ。
 彼は、地球一周の空飛ぶ旅を楽しんでいます。
 このGPIFについて、ヤッホーくんのこのブログ、次の日付けの日記をぜひお読みください:

★ 2015年01月15日「この道しかない?」
★ 2015年01月16日「GPIF」
★ 2015年10月24日「公的年金」
★ 2016年02月16日「安倍ノー!1万人パレード」
★ 2016年07月01日「GPIF, World’s Biggest Pension Fund」
★ 2016年08月12日「6 mil have no pension coverage」
★ 2018年02月27日「憲法軽視を徹底批判」
★ 2019年01月15日「給料が上がったので(労働者は)発泡酒がビールになり、外で飲めるようになった」
★ 2019年02月14日「政治とニッポンの行方」

 この国には政治勢力で、現政権に抗する「OPPOSITION」っていったい、いるんだっけ。
 この国の主権者は納税者、有権者って意識は、いったいあったのかな、あるんだっけ。

 そんな難しい話は強い指導者、支配者にお任せし、黙って付き従って歩いていれば良い…
 「国民財産のアベ的私物化」って言われたってさ、それはほら「役得」ってなもんでさ…
 会社じゃしょっちゅうあんでしょ、あの「役得」!あのぉ〜、ニッポンはやっぱり会社?

 会計検査院が2019年4月24日、公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」のリスクの高い運用方法に対して異例の警鐘を鳴らした。

 GPIFは、アベノミクスの一環として2014年10月にポートフォリオの見直しを行い、国内株と外国株の比率をそれぞれ12%から25%に引き上げ、全体の50%にした。
 その結果、2018年10〜12月期に、四半期ベースで14兆8039億円もの赤字を記録。
 150兆円資産の約1割が吹っ飛んだ。

 会計検査院は2014年以降、株式運用の割合が増加してリスクが上昇していると指摘し、所轄する厚生労働省やGPIFに対し、
「国民への丁寧な説明が必要」
との所見を示した。
 検査院は、
年金は老後の生活設計の柱。積立金は国民から徴収した保険料の一部だ。国民の利益のため安全、効率的に運用し、将来にわたって公的年金制度の安定に資することが強く求められる
と指摘。
 また一部の投資手法について、手数料などが詳細に開示されていないとして、収益などの透明性を確保するように求めた。


日刊ゲンダイ、2019/04/25 14:50
GPIFが年金株運用で約15兆円の赤字 検査院が異例の警鐘
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252652

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父の性暴力

「今の生活も、これからの人生も、全部壊れちゃうのかな」

長年、実の父親から性的虐待を受けていた女性が、なぜ抵抗できなかったのか、その時の心情を語ってくれました。
取材に応じてくれたのは、先月、別の親子の事案で、裁判所が父親に無罪判決を言い渡したことに衝撃を受けたからです。

「ちょっと乱暴な判断」

女性はそう感じました。

親が嫌がる子どもに性的暴行をしても罪に問われない場合がある。実は、ずっと前から懸念の声が上がっていました。

父親に無罪判決

 先月2019年3月26日。
 名古屋地方裁判所岡崎支部は、当時19歳の実の娘に性的暴行をした罪に問われた父親に、無罪を言い渡しました。

 父親は、
「娘は行為に同意していたし、抵抗できない状態ではなかった」
と主張していました。裁判所は、2人の間のやり取りなどから、娘は同意していなかったと認定しました。

 一方で、
「強い支配による従属関係にあったとは言い難く、心理的に著しく抵抗できない状態だったとは認められない」
として無罪と判断したのです。

判決に大きな波紋

 この判決に、大きな波紋が広がっています。

 ツイッターには、「これが法律家とふつうの国民との『感覚のかい離』だ」などといった批判の声が相次いで投稿されています。

 一方で、「どんなに悪い事をしても証拠がなければ無罪」などと判決に理解を示す投稿もありました。

 判決から1か月がたった今も、投稿が後を絶ちません。

無罪の背景に“厳格な要件”

 なぜ、無罪という判断になったのでしょうか。

 日本の刑事裁判では、性行為を犯罪として処罰するには、「相手が同意していない」ということだけでなく、「暴行や脅迫を用いた」または「相手が抵抗できない状態になっていて、それにつけ込んだ」ことが立証されなければなりません。

 刑罰を科す対象が広がりすぎないように、要件を厳格に定め、特に悪質なケースを処罰するという趣旨です。

 一方で、被害者からは「他人から見れば抵抗できたように思える状況でも、実際は違う」という批判が上がっています。

“抵抗することはできなかった”

 今回のケースと同じように、長年にわたり父親から性的虐待を受けたという女性がNHKのインタビューに応じてくれました。

 愛知県に住む28歳の女性。
 小学生から高校生までのおよそ10年にわたって、実の父親から性的虐待を受けました。
 小学校低学年の頃、一緒に寝ていた父親が、自分の下着の中に手を入れてきたのが最初でした。

親からどうしてこういうことをされるんだろう

 強い違和感と嫌悪感があったといいます。
 その後、一緒に寝るのをやめましたが、父親は毎晩のように寝室に来たということです。

 勇気を出して母親に打ち明けましたが、それ以降も続きました。
 部屋の扉の前にバリケードのように棚を置き、自分なりの対策もしましたが、それでも止まらない行為に、次第に抵抗する気力を失っていったということです。
 諦めに似た絶望感とともに、父親の機嫌を損ねると進学などがかなわなくなるのではないかという葛藤。
 自分の将来のことを考えると、強く出ることはできませんでした。

親に抵抗すると学校に通えなくなるんじゃないのかって。そうなったら自分の人生はどうなってしまうんだろう。今の生活も、これからの人生も、全部壊れちゃうのかなと思うと、強く抵抗することはできなかったです

 葛藤は、そればかりではありませんでした。
 家族のことを考えると児童相談所に訴え出ることもできませんでした。

衣食住を失うんじゃないか。母親やきょうだいの人生はどうなるんだろう。お父さん、刑務所に入るんじゃないかなとか。そうなったら家族みんなが悲しむのかなと考え出したら、わからなくなってしまって

 女性は、“実際は逆らうことができない”という、親から性的虐待を受けた被害者特有の心理を明かしてくれました。

 虐待は、女性が高校生になり、父親と離れて暮らすようになるまで続きました。
 しかし、うつ病と、つらい記憶がフラッシュバックする症状に悩まされるようになり、「親から正しく愛されなかった自分は生きる価値がない」と数年前まで苦しみ続けてきたということです。

 女性は、今回の判決について、“抵抗できないわけではなかったから無罪”というのは、被害者の視点が抜け落ちていると訴えています。

性的虐待に及ぶ父親は、加害者であると同時に親でもあるんです。その関係を考えた時に、『頑張れば抵抗できたんじゃないの』みたいな判断を他人が下すのは、ちょっと乱暴じゃないのかなって思います。被害の実態をもっと知ってもらいたい

 今回の判決でも、娘が、父親に学費を負担させた負い目を感じていたことや、被害を訴え出ると弟たちに影響が及ぶと心配していたことは認定しています。
 家庭内での性的虐待をめぐる問題の難しさは、子どもが被害を言いだしにくい点にあります。
 このため、被害者がひとりで問題を抱え込むことになってしまうのです。

 児童相談所の所長を務めたこともあり、虐待を訴える子どもの支援を続けている名古屋市のNPO「CAPNA」の理事長、萬屋育子さんは、表面化している性的虐待の被害は氷山の一角にすぎないと指摘しています。

「傷やあざとなって現れる身体的虐待や、ごはんを食べさせないなどのネグレクトに比べ、性的虐待は外からではわからない。特に小さな子どもは性的虐待を受けていることに初めは気付かない。性的虐待は、家庭内で、しかも近親者との間で起こるので子どもは訴えにくく、表面化してこない被害の方が多い。勇気を持って訴えても、裁判の結果無罪になるのは、子どもにとっては二重三重の大人からの裏切りになるのではないか」

見送られた要件の見直し

 こうした指摘を受けて、おととし刑法が改正され、被害者が18歳未満の子どもであれば、親などの「監護者」がその影響力を行使して暴行した場合は処罰できるようになりました。
 しかし、要件そのものの見直しは行われませんでした。

 性的暴力の被害者を長年支援してきた村田智子弁護士は、数年前に見直しの機会があったにもかかわらず、議論が不十分だったと考えています。

 5年前、法務省は、有識者による検討会を設置し、刑法の性犯罪に関する規定の見直しについて議論を始めました。
 背景には、性犯罪が処罰されにくく、刑も軽すぎるという被害者の声がありました。
 この検討会では、性犯罪を罪に問うための要件を緩和するかどうかも議題になりました。
 2015(平成27)年2月。
 6回目の会合の会場でした。

 議事録によりますと委員のひとりで、女性への暴力に関する問題を扱ってきた弁護士から、「抵抗できない状態につけ込んだ」という要件が厳しすぎるために、本来なら処罰されるべきケースが無罪になっているという指摘が出ました。
 この委員は、要件の撤廃や緩和が必要だと訴えました。

 これに対して、ほかの委員からは、相次いで反対意見が出ました。

「(要件をなくせば)被害者の意思に反していると確信できないような事例まで有罪とすることになる」といった「えん罪を生みかねない」という意見。

「(要件が『同意の有無』だけになると)外形的な証拠がない場合に被害者の主観を証明するのはかなり難しい」「むしろ弊害があるのではないか」といった「有罪を立証するのが困難になる」という意見。

 さらに、「(裁判の運用上)要件はかなり緩和されている」といった「今の要件でも裁判官が適切に判断している」という意見。

 委員の多くは要件の見直しに反対し、次回以降、このテーマについてはほとんど議論が行われませんでした。
 法改正を具体化するための法制審議会の場でも、要件の見直しは論点になりませんでした。

 村田弁護士は「この時に議論が尽くされず、問題が放置された。今回の判決によって、当時の懸念がまた繰り返されている」と指摘しています。

判決から浮かび上がる課題

 今回の判決を読んだ伊藤和子弁護士は、無罪という結論は「裁判官が要件を厳格に適用した結果」だと見ています。

 名古屋地裁岡崎支部は、被害者が抵抗できない状態だったかどうかを判断するために、
▼ 精神的なショックで「強い離人状態(解離と呼ばれる状態)」にまで陥っていたかどうか、
▼「生命や身体などに危害を加えられるおそれがある」という恐怖心から抵抗することができなかったかどうか、
▼ 性交に応じるほかには選択肢が一切ないと思い込まされたかどうか、
という観点から検討していました。

そして今回のケースは、いずれにも当てはまらないという理由で、無罪としました。

 伊藤弁護士は「裁判官の判断には非常に幅があって、中には要件を緩やかに判断するケースもあるが、今のままでは『ばらつき』が出る余地があり、救われない被害者が出てしまう」と話しています。

海外の要件は?

 伊藤弁護士は、人権問題に取り組むNGO、「ヒューマンライツ・ナウ」の事務局長も務めています。
 この団体が行った調査では、韓国では、日本のように暴行や脅迫の要件はある一方で、相手が未成年者の場合などは、より程度の軽い「偽計」や「威力」を用いた場合にも罪に問えるという要件にしているということです。

 さらに、イギリスやカナダなど、同意がなければ罪に問える国もあるということです。
 日本と同じような要件があったドイツやスウェーデンでも2016年と2018年にそれぞれ法改正が行われ、同意がなければ罪に問えるようになったということです。

“改めて議論を”

 おととし2017年、日本で刑法が改正された際、「3年後に必要があれば見直しを検討する」ことも盛り込まれました。

 伊藤弁護士は、今回の判決に疑問の声が上がっていることを踏まえて、改めて要件の見直しも含めて議論すべきだと話しています。

「海外では『#MeToo運動』のような被害者の声の高まりを背景に法改正が行われている。外国のさまざまな制度も参考にしながら議論を進めていくべきではないか」

 1件の無罪判決に対して、これだけ大きな波紋が広がったケースは、あまり例がありません。
 その理由を考えると、社会の規範である法律が、本当に今の社会にふさわしいものになっているのか、改めて議論すべきなのではないでしょうか。

NHK News Web、2019年4月26日 14時32分
裁判官に知ってほしい
私が父の性暴力に抵抗できなかった理由

(名古屋放送局記者 白井綾乃/社会部記者 馬渕安代)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190426/k10011897421000.html

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2019年04月26日

政権浮揚戦略

 令和新時代スタートまで1週間を切る中、統一地方選を終えて欧米での首脳外交にいそしむ安倍晋三首相の表情には余裕と自信がにじんでいる。
 統一地方選の焦点となった大阪ダブル(府知事・市長)選と衆院2補選での手痛い敗北も「地域の特殊事情」と見切り、全体では自民党が堅調だったことから夏の参院選に手ごたえを感じているからだ。
 新元号決定や新紙幣の発表、10連休真っただ中の歴史的な皇位継承行事も、首相サイドが巧妙に設定した政権浮揚戦略の一環とみられている。
 列島全体での“令和フィーバー”も思惑通りといえそうだ。

自民党の補欠選挙連勝はストップした

 参院選の行方を占う統一地方選は、前半戦(4月7日)の焦点である大阪府知事・市長選で大阪維新の会が圧勝。
 さらに、後半戦(4月21日)の衆院大阪12区、同沖縄3区の両補欠選挙でも、それぞれ維新、野党系候補が勝利し、第2次安倍政権発足前から続いてきた自民党の衆参補選連勝もストップした。

 こうした選挙結果について、多くのメデイアは「政権に打撃」「参院選に暗雲」などと書き立て、安倍首相は22日午前、
「残念な結果になった。いま一度、身を引き締めなければならない」
と殊勝な表情で語った。
 菅義偉官房長官は同日昼の政府・与党協議会で、
「首相から指示もあったので、緊張感を持ってやっていく」
と述べ、選挙戦の司令塔だった二階俊博自民党幹事長も記者会見で、
「選挙結果を反省材料に次なる戦いに挑み、勝利で屈辱を晴らしたい」
と態勢立て直しへの決意を表明した。

 ただ、安倍首相は22日昼前には昭恵夫人を伴って新しい政府専用機でフランスに向けて飛び立った。

 搭乗時は黒いワンピース姿だった昭恵夫人はフランス到着時には明るいクリーム色のスーツに着替え、首相も空港に出迎えた要人たちと満面の笑みで握手するなど心機一転ぶりが際立った。

 統一地方選の最中には塚田一郎国土交通副大臣、桜田義孝五輪担当相が相次いで辞任に追い込まれ、首相の任命責任も厳しく問われた。
 にもかかわらず、新元号決定以来の内閣支持率は上昇傾向が続いている。
 安倍首相や政府与党幹部が「危機は一過性」(自民幹部)と余裕を見せるのは、夏までの「巧妙な政治日程づくり」(自民長老)が背景にあるとみられる。

 そもそも、歴史的な皇位継承行事を軸とする10連休を設定したのは安倍政権だ。
 4月30日の天皇退位、翌5月1日の新天皇即位と、令和への改元で国民の間に令和フィーバーを巻き起こし、それまでの政権不祥事などを一気に過去のものしようとの思惑は「今のところ図に当たっている」(自民幹部)のは間違いない。
 自民幹部も3月下旬に、
「もし、統一地方選が政権にとって厳しい結果になっても、祝賀ムードで内閣支持率も上がり、後半国会での与野党攻防も主導権を握れる」
と自信を示していた。

 皇位継承行事以降も、5月25日には新天皇が迎える初の国賓としてアメリカのトランプ大統領が来日する。
 4日間の滞在中、新天皇との会見や日米首脳会談、さらには大相撲観戦、安倍首相との3度目のゴルフ対決と盛りだくさんの外交行事が予定されている。

 6月28、29日には、日本初開催となる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を大阪で開かれる。
 G20にはトランプ大統領ら主要7カ国(G7)首脳に加え、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領も参加予定で、首相は首脳会議の前後に日米、日中、日ロという重要な首脳外交をこなして内外に安倍外交をアピールするとみられる。

かすむ与野党攻防、薄れる野党の存在感

 こうした政治・外交日程は、昨年から首相の意を受けて政府部内で組み立てられたもので、自民党総裁3選後の最大の関門となる参院選に向けて、政権として弾みをつける狙いは明らかだ。

 令和新時代の祝賀ムードと華やかな首脳外交で盛り上げれば、終盤国会での与野党攻防はかすみ、野党の存在感も薄れるのは確実だ。

 その一方で、衆院補選などを除けば統一選全体では自民党が優勢だったことで、政府与党幹部の間でも「これまでの亥年選挙の恐怖は薄れている」(自民選対)のが現状だ。
 統一選の結果を参院選に当てはめた一部メディアの試算では、自民党は改選過半数の63議席を超える可能性も指摘されており、首相サイドでも「12年前のような参院選惨敗はありえない」(細田派幹部)との安堵感が広がる。

 巧妙な日程設定のポイントとなった4月1日の新元号発表も、党内保守派の反発を押さえて首相が決断したとされる。
 首相サイドの期待通り、「令和」が発表されたとたん、列島は大騒ぎとなり、内閣支持率も上昇した。
 さらに、令和の額を掲げた菅義偉官房長官は「ポスト安倍の最有力候補」との声も上がるなど一躍、時の人となった。

 さらに、首相の盟友の麻生太郎副総理兼財務相が4月9日に発表した新紙幣発行とデザインのお披露目も国民的話題となった。
 5年後に1万円、5千円、千円の3種類のお札(日本銀行券)と500円硬貨を発行する計画で、紙幣の一新は2004年以来20年ぶりとなる。
 首相と麻生氏が極秘で進めてきたとされ、麻生氏は「たまたま新元号決定などと重なった」と説明したが、与党内でも「祝賀ムードをさらに盛り上げる材料になった」(閣僚経験者)との声が相次いだ。

 10日午後に国立劇場で開催された「天皇陛下即位30年奉祝感謝の集い」も祝賀ムード盛り上げに一役買った。
 超党派議員連盟と民間有志の共催となっているが、主導したのは首相に近い自民党の保守派議員とされる。
 映画監督の北野武さんら各界のスターが招かれる一方、野党各党幹部も参加し、「政権浮揚の企画の添え物にされた格好」(立憲民主幹部)だ。
 首相は祝辞で、
「国民に常に寄り添ってこられた両陛下のお姿を胸に刻みながら、誇りある日本の輝かしい未来をつくり上げていく」
と令和時代も引き続き政権を担う意欲を強調したが、野党からは、
「祝賀ムードに便乗して、祝賀のてんこ盛りみたいな雰囲気を醸し出そうとしている」
(国民民主党の玉木雄一郎代表)
など疑問の声が相次いだ。

 さらに、その週末の13日午前には、毎年恒例の首相主催「桜を見る会」が新宿御苑で開催された。
 平成最後となる同会には多数の有名芸能人ら約1万8200人が出席。
 満開となった八重桜の下であいさつした首相は「平成を 名残惜しむか 八重桜」「新しき 御代ことほぎて 八重桜」の2句を得意満面で披露したうえで、新元号の典拠となった「万葉集」の「梅花の歌」にも言及し、「皆さん一人ひとりがそれぞれの花を咲き誇らせることができる、そういう時代を一緒につくっていこう」と参加者に呼びかけた。

「やってる感」満載だが「やりすぎ」批判も

 ただ、こうした新元号決定以来の一連の行事設定については、政界でも「政権が得意とする『やってる感』満載だが内容は空疎」(首相経験者)との指摘がある。
 5月下旬以降の外交日程も含めて「なりふり構わない参院選前の政権浮揚戦略は異様」(自民長老)への批判も少なくない。
 与党内にも「余りやりすぎると国民の反感を買い、参院選での失速にもつながりかねない」(公明幹部)との懸念が広がる。

 首相は23日、最初の訪問国のフランスでマクロン大統領と会談した後、イタリア入りし、24日には日伊首脳会談を行うなど精力的に安倍外交を展開している。
 ただ、今回の欧米歴訪の最大の焦点は日米貿易摩擦がテーマとなる27日の日米首脳会談だ。
 首相はトランプ大統領との親密な関係を利用して自動車関税などのアメリカ側の要求を跳ね返したい考えだ。

 ただ、アメリカ側の厳しい要求に屈するようだと、「巧妙に組み立てた政治外交日程が最後で台無しになる」(自民幹部)との不安も残る。
 カナダ訪問を経て天皇退位前日の29日の帰国時に、首相が晴れやかな表情で「空飛ぶ官邸」と呼ばれる新専用機から降り立つことができるか、なお予断を許さない。


[写真]
欧米歴訪に出発する安倍晋三首相(中央)ら。29日までにフランス、イタリア、東欧4カ国、欧州連合、アメリカ、カナダの首脳らと相次いで会談する

東洋経済、2019/04/26 5:50
安倍首相、「祝賀てんこ盛り」で政権浮揚の思惑
夏の参院選は改選過半数の63議席超えも

(泉 宏、政治ジャーナリスト)
https://toyokeizai.net/articles/-/278695

【国民はバカにされているかも】
 アベは次々政策スローガンを打ち出してはやっている感キャンペ−ン。
 が、それも種切れ。
 新元号に新紙幣、天皇制の政治利用の疑いが出てしまう新天皇即位の「祝賀」で政権浮揚?
 10連休で統計改ざんもチャラ。
 G20で参院選を演出。
 見え見えだ。
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事故より安全性ばかり強調する印象操作

 文部科学省が全国の小中学校と高校に配布した昨年2018年10月改定の「放射線副読本」を、滋賀県野洲市教育委員会が回収していることが4月25日、分かった。
 東京電力福島第一原発事故の被災者への配慮がなされておらず、放射線が安全との印象を受ける記述が多いと判断したという。

 副読本は小学生、中高生向けの2種類ある。
 放射線がX線撮影に使われていることや、放射線の性質と人体への影響などを説明。
 福島第一原発事故と復興のあゆみを取り上げている。

「(福島第一原発)事故で放出された放射性物質の量はチェルノブイリ原発事故の約7分の1で、福島県が実施した検査結果によれば、全員が健康に影響を及ぼす数値ではなかった」
などの記載もある。

 3月の市議会の一般質問で、
「人工と自然界の放射性物質を同列のように扱い、(放射性物質が)安全であると印象を操作しようとしている」
などと指摘を受け、市教委が副読本の内容を精査。

▽ 放射線の安全性を強調するような印象を受ける記述が多い
▽ 被災者の生の声が少ない
▽ 小中学生にとって内容が高度
――と判断し、回収を決めた。

 副読本は市内の小学校で2113部、市内の中学校で314部を配布したが、これまでに小学校分282部、中学校分203部を回収した。
 市教委は、
「子どもたちに伝えるため、今後効果的な副読本の活用を検討したい」
としている。

 文科省教育課程課は、
「改訂版の副読本は避難者に対するいじめを防止する内容が拡充されている。有意義な内容となっており、各学校で判断して活用してもらいたい」
としている。

 山仲善彰市長は25日の定例会見で、
「丁寧な情報を若い世代に伝えることが大事。市教委の判断は適正」
などと語った。


Yahoo! Japan News、2019/4/25(木) 22:49配信
文科省の放射線副読本を回収
野洲市教委、記述を問題視

(朝日新聞、北川サイラ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190425-00000088-asahi-soci

 文部科学省が全国の小中学校と高校に昨年配布した「放射線副読本」の最新版について、滋賀県の野洲市教育委員会が、福島第1原発事故の被災者の心情に配慮せず、安全性を強調していることを問題視し、回収を進めていることが分かった。

 改訂前に比べ、原発事故の記述よりも日常生活で受ける放射線量などの説明を優先した内容に、福島県からの避難者が憤りを表しているほか、専門家も「放射線被ばくのリスクは大したことがないと思わせる印象操作だ」と批判している。

 副読本は小学生用と中高生用があり、前回改訂から約4年たったことから昨年2018年10月に改訂された。
 放射線について科学的な知識を身に付け、理解を深める目的で全国の小学校に約700万部、中学・高校に約750万部が配られた。

 第1章では、放射線の人体への影響や、自然環境や医療機器から受ける放射線量などを解説。
 第2章は、福島原発事故の被害や復興の現状、避難者へのいじめ事案などを取り上げている。
 改訂前は第1章で原発事故を説明し、第2章で日常的な放射線による影響などを記していたが、「正しい知識を身に付けることが先」(同省)と章立てを替えた。

 野洲市では3月8日、市議会の質問で、
「副読本は、自然界のものと事故による放射線を同一視し、安全だという結論に導こうとしている」
などと指摘を受け、市教委が内容を精査した上で同日中に回収を決めた。
 同11日付で保護者に、
「内容や取り扱いについて改めて協議した結果、記述された内容に課題があると判断しました」
との文書を送り、回収への協力を求めた。

 市教委は取材に対し、

▽ 被災者の声が書かれていない
▽ 廃炉作業など今後の課題を記述せず、安全性ばかり強調した内容になっている
▽ 内容が高度なところがある
−を理由に挙げる。

 既に市内の小学校に2113部、中学校に314部を配布したが、各校の対応は、

▽ 全生徒児童に配布
▽ 高学年児童にのみ配布
▽ 活用方法を検討中で配布せず
−に分かれていたという。

 市教委は現在も回収中で、西村健教育長は、
「原発事故で今も4万人以上の避難者がいるにもかかわらず、副読本にはその人々の思いが抜け落ちている。一度回収してから、資料を補うなどの活用方法を検討したい」
と話している。一方、文科省教育課程課は、
「副読本が全てではない。足りないことがあれば別の資料で補うなど各現場で工夫して使ってほしい」
とする。


京都新聞、2019年04月25日 09時33分
原発事故より「安全性ばかり強調」
国の放射線副読本を市教委回収

https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20190425000018

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の公判が2019年3月12日、東京地裁で結審した。
 弁護側は最終弁論で
「大津波の予見可能性は認められず、過失がないことは明らかだ」
として改めて無罪を主張。
 永渕健一裁判長は判決期日を9月19日に指定した。
 検察官役の指定弁護士は、それぞれに禁錮5年を求刑している。

 強制起訴された勝俣恒久元会長(78)、武黒(たけくろ)一郎元副社長(72)、武藤栄元副社長(68)の3人はそろって濃紺のスーツ姿で出廷。
 裁判長に意見を求められ、いずれも「付け加えることはございません」と話した。

 東電は国の地震予測「長期評価」に基づき、海抜10メートルの原発敷地を超える最大15.7メートルの津波が来るという試算を得ており、公判では3人が大津波を予測し、対策を取れたかどうかが争点になっている。

 弁護側は最終弁論で、3人に共通する主張として、
「東日本大震災規模の地震は学者も全く想定していなかった。対策を取っていても事故は防げなかった」
と強調。
「長期評価は具体的な根拠がなく、成熟性はない」
と試算にも信用性はないと訴えた。

 安全対策の実質的責任者だった武藤元副社長は2008年6月、部下から試算を伝えられたが、翌月7月に、
「対策の検討を外部機関に委ねるように」
と指示。
 指定弁護士は論告で
「問題の先送りだ」
と指摘していたが、弁護側は、
「専門家の意見を聞くのが適正な手順と判断した」
と反論した。

 武藤元副社長の上司だった武黒元副社長は、別の部下から2009年4月か5月、試算の報告を受けたが、弁護側は、
「外部機関に依頼中と説明を受け、当然の判断と受け止めた」
とした。

 勝俣元会長の弁護側は、2009年2月の会議で大津波の可能性が話題になったものの、
「懐疑的な話題として部下が持ち出しただけ。大津波を回避しなければならないとの思いに至るわけがない」
と述べた。

 起訴状によると、3人は2011年3月、大津波を予見できたのに対策を怠り、原発事故で避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされる。


東京新聞・朝刊、2019年3月13日
東電公判結審 9月判決
旧経営陣、改めて無罪主張

(池田悌一)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019031302000139.html

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の最終弁論に、福島県の被災者からは2019年3月12日、
「責任がないなんて認められない」
と怒りの声が上がった。

 避難区域が残る富岡町の無職阿部勝子さん(78)は、
「覚悟を持って『原発は安全だ』と説明してきたんじゃないのか」
と語気を強めた。
 9回の引っ越しを経て町の公営住宅に入ったが、以前のような近所付き合いはなく、
「8年間、何もいいことはなかった」
と振り返る。
 禁錮5年の求刑には、
「私たちは一生苦しまなきゃいけないのに軽すぎる」
と疑問を投げ掛けた。


京都新聞、2019年03月12日 19時11分
東電「責任ない」認められない
福島県の被災者から怒り

https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20190312000170

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復興アピールの裏で、被災者イジメ

 2019年3月28日、福島県は東雲の避難者にも明け渡しの通知を送りました。
 被害者支援団体との約束を破ってどうしてこういうひどいことをするのか、理解できません。

 今日4月1日のNHKニュースでは、何度も文在寅大統領の支持率がさらに下がった、一部のキャビネット人事がまだ決まらない、と伝えていました。
 日本で繰り返し伝える必要性はない内容です。
 どの局もレーザー照射問題や元徴用工の判決以来、韓国については、仕方のない低レベルの国だと言いたげに徹底してネガディブで…
 去年秋のスタディーツアーでお会いしたソウルの方々に申し訳ない。顔向けできません。
 沖縄のこともあるし、本当に悔しくて情けなく、涙が出そうです。

 今の日本は理解できないことばかりで、私も毎日やりきれません。

 原発事故の自己避難者の皆さんへの、福島県だけでなく国と東京都の対応は、その中でも特に。
 避難者の方々にとっては崖からつき落とされるような行為が続いています。
 そういうことが行える神経に驚くばかりですよね。
 時間がなくカンパなどの支援くらいしかできなさそうで、心底申し訳ないことです。


 福島原発事故の、いわゆる「自主避難者」のうち全国の国家公務員宿舎に居住する人が“強制退去”を迫られている。

 避難者支援団体の「原発事故被害者団体連絡会」(ひだんれん)が2019年4月25日、衆院議員会館で避難者の窮状を訴える緊急集会を開く。

 問題となっているのは、福島県が先月3月28日付で国家公務員宿舎に入居する自主避難者71世帯へ送った通知書。
 県は財務省の委託を受け避難者に国家公務員宿舎を貸しているが、契約終了となる3月31日までに退去しない場合、避難者に<損害金を請求する>と迫ったのだ。

 損害金は「2倍の家賃」
 公務員宿舎は一般の家賃相場より格安とはいえ、避難者の多くは不安定な収入で働いているのが実情だ。
 自身も避難者で「ひだんれん」の幹事を務める熊本美弥子氏がこう憤る。

「江東区の国家公務員宿舎『東雲住宅』には、高齢で単身の避難者や、非正規で働いている避難者が多く入居しています。2倍の家賃を払うとなると、単身世帯で約5万円、複数世帯で約12万円の負担です。ただでさえ厳しい生活を余儀なくされている避難者に『損害金』を科すのも許し難いですが、転居先が決まっていない人を追い出そうとする姿勢もおかしいです」

 公営住宅は倍率が高く、転居したくてもできない状況だという。

「福島県に、今後の避難者への支援をどうするのか聞いても『個別の相談には応じる』の一点張りです。このままでは、2年前に自主避難者への住宅の無償提供が打ち切られ、行き場を失った状態に戻ってしまいます」
(熊本美弥子氏)

 県は「通知内容に変更はない」(生活拠点課)とつれない答えだ。
 復興アピールの裏で、被災者イジメとは度し難い。


[写真]復興への道は遠い

日刊ゲンダイ、2019/04/24 14:50
無情の福島県
原発事故自主避難者に公務員宿舎“退去通告”

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252575

 福島原発事故の自主避難者のうち国家公務員宿舎に入居中の71世帯が、福島県から強制退去を迫られている問題。
 避難者支援団体の「原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)」は2019年4月25日、復興庁に撤回の申し入れを行なった。
 福島県は3月28日付で入居者に対し、契約満了となる3月末での退去、退去しない場合は2倍の家賃を請求する旨を通告している。

 この問題について対応を問われた復興庁の担当参事官は「県の判断を尊重する」とまるで他人事。
 「ひだんれん」幹事の熊本美弥子氏は、
「国策として原発を推進しておきながら、事故後の対応は県に押し付けている。何のための復興庁か」
と憤った。

 71世帯には、うつ病や障害などで健康面から引っ越しが困難だったり、低収入の非正規で、都営住宅にも落ちたため、民間の高い家賃を払えない人たちもいる。
 この日、衆院議員会館で開かれた緊急集会では、
「県や国は、退去できない実態を見ようともせず、契約を盾に退去を迫っている。加害者は国や東電。被害者である入居者には何の責任もないはずだ」
と怒りの声が上がった。

 集会後、前出の熊本氏は、
「復興五輪を掲げているため、国は2020年までには“復興”を成し遂げたことにしたい。問題が残っていてもフタをしようとしています。今回の杓子定規な対応はその表れだと感じています」
と語った。

 被災した福島県大熊町出身の40代女性はこう言った。

「私も、周りの避難者も、『復興五輪』と言われるとつらくなるんです。私は、テレビで五輪の話題になるとチャンネルを変えてしまいます。平成から令和へと盛り上がっていますが、平成を振り返って最大の出来事は、福島原発事故でしょう。だけど、誰も福島事故を挙げません。国中が復興五輪や令和など、新たな時代に切り替えようとしていますが、内実は今回の71世帯のように、被災者が切り捨てられているのです」

 これでは、復興見せかけ五輪だ。


[写真]復興相宛てに申し入れ(25日=復興庁)

日刊ゲンダイ、2019/04/26 14:50
公務員宿舎からの退去問題
被団連が緊急集会で怒りの声

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252764

 原発被災者に対してムチをあげて襲いかかるのが、この国の行政なのだろうか。
 福島県は、原発事故から避難して東京都や埼玉県などの国家公務員住宅に住む77世帯に対して、生活拠点課名で「3月末日の退去」を文書で通知した。退去しなければ「家賃を2倍請求する」とも添えられていた。文書は3月28日付けだ。
 2倍にされると単身者用住宅で4〜5万円、家族用で約12万円となる。生活拠点だった福島を追われてきた避難者に満足な稼ぎがあろうはずもない。別の公営住宅に入居するのは至難の業だ。
 福島県が追い出しにかかっているのは、国家公務員住宅に住む避難者ばかりではない。
 旧避難区域(南相馬市、浪江町、川俣町、葛尾村、飯舘村)から逃れてきた2,200世帯に対しても仮設住宅、借り上げ住宅の無償提供を打ち切ったのである。
 福島の自宅に帰ろうにも放射線の線量が高く、子どもの健康を考えれば、帰るわけにはいかない。自宅に帰らずに暮らすには、現在の収入に家賃分を上乗せした金額を稼がなければならない。ダブルで働けと言うのか。被曝とは別の健康被害に見舞われるだろう。
 「復興大臣は今すぐ避難者と会え」・・・福島からの避難者や支援者らが、きょう、復興庁前で抗議の声をあげた。
 安倍首相はハコモノを作ることしか頭にないようだ。

「東日本大震災からの復興は、内閣の最重要課題です(中略)東北の復興なくして、日本の再生なし。被災者の声を聴き、その声を復興につなげていく」
(3月8日、復興推進会議・原子力災害対策本部会議合同会合)

 安倍首相は口では「被災者の声を聴き」と言うが、実際の施策は真逆だ。


[写真-1]
復興庁前にムシロ旗が翻った。=25日、政府合同庁舎前

[写真-2]
復興庁への抗議に先立って集会が開かれ、原発事故避難者たちが現状を報告した。=25日、衆院会館

田中龍作ジャーナル、2019年4月25日 20:54
原発避難者に退去通告
さもなくば家賃倍額請求

http://tanakaryusaku.jp/2019/04/00020038

 ヤッホーくんのこのブログ、次の日付けの日記をぜひお読みください:

★ 2012年01月26日「ダヴォス会議」
★ 2014年10月17日「多様性にむかって」
★ 2016年03月26日「No Nukes Day」
★ 2016年04月25日「チェルノブイリ法」
★ 2017年04月06日「今村復興大臣の辞任を求め」
★ 2017年11月20日「人権大国・日本」
★ 2017年11月22日「民草の声」
★ 2018年02月24日「三浦瑠麗」
★ 2018年03月25日「深呼吸」
★ 2018年03月28日「どんどん動く国外、どんどん腐る国内」
★ 2018年12月04日「国会を抜け出して海外遊覧に出かけるとき、いつも手をつないで、寄り添う二人」
★ 2019年03月11日「安倍政権の罪、被災者切り捨て」 

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2019年04月25日

「日本の自殺」

 1年前ですかねぇ〜

 河合薫さんの『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83793-2
 なぜ無責任な人ほど出世するのか。
 職場の「暇な50代」をうまく生かすためには?
 研究結果と具体例を挙げて問題の本質と解説策を説く。


 出てくる「残念な」人たちの姿が、あまりにも残念なので、ちょっとだけ紹介しておきますね。
 まず軽く、プロローグに出てくる社長さん。
 講演にきた河合さんに対して、
 私はね、常々これからは女の時代だって、部下たちに言い聞かせているんです。
 女性の方が優秀だし、男たちはめっきり弱くなっちゃいましたからね。結婚式にいったって、新郎の方がわんわん泣くんだものね。困っちゃうよね。
 なんでうちの会社には女性の役員がいないのかね。私は、女性を積極的に登用しなさいって、さんざん言ってきたつもりだけどねえ

 ところが、その後講演会場に向かうエレベーターで、この社長さん曰く:
 一緒に乗り合わせた女性社員が先に降りたときに、こう言い放ったのです。
「あれはうちの社員か?女は3歩下がってついてくる、という言葉を知らんのかね」

 たぶん、自分では矛盾したことを言ってるつもりなんかけらもないんでしょうね、この社長さんは。
 も少し深刻な話は本の中盤に出てきます。
「責任感や几帳面さは、昇進にマイナスに作用する」「業績と昇進は関係ない」というだけでなく、「業績を上げたことが仇となり、飛ばされる」という意味不明も起こります。
「モリさん(仮名)は死んでいた部署を再生させた。僕たちもものすごくお世話になりました。多くの社員がモリさんのおかげで、仕事の面白さを知り、成功体験をさせてもらった。そのモリさんが外されるのはショックです。結果を出しているんだから評価されて当然なのに」

 なぜそういうことが起こるのか、そのあとに出てくるモリさんとの対話で、モリさん自身がこう絵解きをしてくれます。
・・・ただね、会社は部下を育てる上司も、チーム業績を上げた上司も評価しない。600万の黒字より、5億の赤字の方が評価されるんです。
・・・つまり、上の方針や考えていることをうまく汲み取って動いた人が評価される。うちの会社は、IT系に事業展開したかった。5億はその赤字だったのでお咎めなし。
・・・それができる人が上から認められる。逆に下ばかり見ていると、上を見る余裕がなくなって、上から嫌われてしまうんです。

 なるほど。


hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
河合薫『残念な職場』
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-838f.html

 この河合薫、今年になってから平成をこんなふうに回顧なさっています:

 今回は平成最後のコラムとなるので「平成の30年間を振り返る」という、コテコテのメディアチックなテーマにしようと思う。

 個人的には、私は昭和63年(1988)入社。
 かくして昭和の高度成長期に「当たり前」だった働き方が瓦解していく様を目の当たりにした世代でもある。
 “ピチピチ”で“イケイケ”だったあの頃、自分のキャリアを含め「こんな風になる」とは“1ミリ”も想像していなかった。

 もちろん元号が変わったからといって、今ある「流れ」が変わるわけではない。

 だが、平成を振り返ることは自分のキャリアの足跡をたどることであるとともに、フィールドワークのインタビューに協力してくださった約700名の人たちの「語り」に思いをはせる作業でもあり、これまで講演会やら取材やらでお邪魔した数えきれないほどの企業の人たちから伺った「わが社の問題点」を振り返ることでもある。
 で、そんないくつもの“データBOX”の蓋を開けてみると、
「悪化、劣化、衰退」
という、最悪な文字しか浮かばない。
 ふむ、何回振り返っても暗闇しか見えない。

 もちろん色々な制度や法律はできたし、セクハラやパワハラ、長時間労働など、やっと、本当にやっと平成終盤で関心が高まり、部分的にはかすかな“光”が見えてきた問題もある。

 しかしながら、どれもこれも抜け穴だらけで、全体を見渡すと“自滅”にむかっているとしか思えないのである。

 それは「グループ1984年」が1975(昭和50)年2月号の『文藝春秋』に投稿した論文、「日本の自殺」の中に予期されていたとおりであり、本論文が2012年に文春新書から出版されたときの巻末で文芸評論家の福田和也氏が記した言葉どおりのことが起こっているな、と。

「日本人が部分を見て全体をみることができなくなり、エゴと放縦と全体主義の蔓延のなかに自滅していく危機のなかに存するというべきなのである」
(by グループ一九八四年 『日本の自殺』P.57より)

「今の日本は『自殺』するだけの勢いもなく、衰えた末に『自然死』してしまうのではないか、と思わされる」
(by 福田和也氏 同P.189より)

 なんだかしょっぱなから陰鬱な文章になってしまったのだが、「全体をみることができなくなった」という言葉の重みを裏付ける調査から、まずは紹介しようと思う。

 この調査は私の大学院時代の恩師である山崎喜比古先生が中心になり、1991(平成3)年11月に「中壮年男性」を対象に実施したもので、日本の産業ストレス研究の原点といえる大規模調査のひとつだ。

 1970年代後半から、医学の現場では「過重労働による死」がいくつも報告され、遺族の無念の思いをなんとか研究課題として体系づけたいと考えた旧国立公衆衛生院の上畑鉄之丞名誉教授(うえはた・てつのじょう、2017年没)が、「過労死」という言葉を初めて使い、1978 年の日本産業衛生学会で「過労死に関する研究 第1報 職種の異なる17 ケースでの検討」を発表した。

 それをきっかけに翌年から「過労死」の事例報告が相次ぎ、やがて「過労死」という言葉は医師の世界から弁護士の世界に広まり、1988年6月、全国の弁護士・医師など職業病に詳しい専門家が中心となって「過労死110番」を設置。
 すると夫を突然亡くした妻たちから電話が殺到し、それをメディアが取り上げ「過労死」という言葉が一般社会に広まることになった。

 時期を同じくして多くの企業がOA化を進め、働く人たちの精神的ストレスも増加していた。
 そこで、欧米ではすでに1970年代から進められていた長時間労働の削減やワークライフバランスを「日本でもやらなきゃ!」と労働者を対象にした調査研究がスタートしたのである。

「長時間」働くことは“美徳”だった平成初期

 今回紹介する「中壮年男性の職業生活と疲労とストレス調査」は、民法、労働法を専門とし社会法の分野で多くの立法に参画した東京大学名誉教授(当時)の有泉亨先生はじめ、日本の労働経済学研究の第一人者である法政大学名誉教授(当時)小池和男先生らの助言を得て、山崎先生らが調査を実施し、報告書をまとめたものだ。

 当時は「長時間労働やストレスフルな働き方はあくまでも、労働者個人の問題要因」として説明される議論が主流だった。
 そこで山崎先生は「人の働き方は、企業の働かせ方で変わる!」と、至極まっとうな異議を唱えるべく、労働・職場環境の要因と合わせて分析した。
 俗っぽくいえば、山崎先生は“ブラック企業研究”のパイオニア的存在であり、この視点こそがこの研究の“ウリ”だった。
 調査対象は、東京都内や都心通勤圏に住む35〜54歳の男性労働者3000人。基本属性は、

・ 1000人以上規模の会社に勤める人が4割を占め、
・ 業種は「製造業」が30.6%と最も多く、「サービス業」20.5%、「建設業」11%と続き、
・ 雇用形態は「正社員」が95.6%

 月平均の残業時間は、中央値で「30時間以上〜40時間未満」。
 50時間以上が24%、70時間以上が11.5%。
 対象が異なるため単純比較はできないが、2013年に「Vorkers」が行った調査では、残業時間は50時間以上が4割。
 つまり、91年の山崎先生の調査では「今より短い結果」が得られていたのである。
 そして研究の“キモ”である長時間労働とその他の要因との関係性については、次のようなことがわかった。

・「仕事量が多い」「不規則勤務がある」「厳しいノルマがある」という職場ほど、残業時間が長い
・ 残業時間が多い人ほど「長時間労働を評価する雰囲気がある」とし、具体的には、月平均残業時間「50〜70時間未満」は53.3%、「70時間以上」は65.5%
・「成績に響くので、少しくらい体調が悪くても出社する」という労働者が36%に上ったのに対し、「仕事を休むと迷惑をかけるので、少しくらい体調が悪くても出社する」と77%が回答

 「好きな仕事ができなくとも高い地位に昇進したい」「ある程度昇進し、かつ嫌いな仕事でなければいい」という昇進志向の労働者は全体の51%で、「昇進よりも好きな仕事」との回答(37%)を大きく上回っていた
 上記の結果からは、「24時間働けますか?」という企業側の暗黙のオーダーを、働く人たちが「美徳」と捉え、世間もそういう働き方をする人たちを評価する風潮が、「長時間労働」の背後に存在していたと推察できる。
 と同時に、1990年代初頭のビジネスマンは、会社というヒエラルキー組織の中で絶対的な居場所を確保することを好む傾向が強かったこともわかる。

忙しかったけど納得のいく報酬と思いやりある職場があった

 次に、「職場の人間関係」に関する項目では、

・「仕事を任せられる部下や、サポートしてくれる人がいない」53.9%
・「上司の指導や助言が得られない」51.2%

で、これらを残業時間との関係でみると、

・月平均残業時間が50時間以上になると、それぞれ68.8%、68%にもおよび、50時間未満との格差が生じていることがわかった。

その一方で、

・「同僚や部下が忙しいと、すすんで手伝ったりカバーする」と、全体の8割の人が答えている。

また「報酬」に関しては、

・「現在、思い通りの地位についている」と60.3%、「仕事におもしろさや、やりがいを感じている」と69.6%が回答。

 しかしながら、残業時間との関係は認められず、一部でいわれるように、仕事が面白くてやりがいがあるからといって、残業が多くなることはないことがわかった。

 賃金については、仕事に見合った報酬を「十分に得ている」は42.7%、「十分ではない」が55.9%と上回った。
 報酬への満足感と残業の多さとの関係性はなかった。
 「自分の過労死を心配することがある」とした人は、月平均残業時間70時間以上では65%だった。
……さて、いかがだろうか。

 繰り返すが、調査が行われたのは平成3年(1991年)10月だ。
 この頃は「余裕があった時代」とイメージされがちだが、実際には「仕事量の多さ」や、「厳しいノルマ」に悲鳴をあげ、「賃金に不満」を感じている人も多く、既に過労死や過労自殺と背中合わせの時代に突入していたのだ。
 その半面、給料は上昇傾向に(ピークは1997年の467万3000円 by 国税庁「民間給与実態統計調査」)にあったことに加え、「会社員=正規雇用」で、「将来への不安」に押しつぶされそうになることはなかった。

 「サポートを得られない」「上司の助言が得られない」状況になりつつも、「同僚や部下が忙しいと、すすんで手伝ったりカバーする」と8割の人が答えられるだけの心理的余裕もあった。

 つまるところ「ストレスの雨」は職場に降り始めていたものの、それをしのぐだけの“傘”を企業が提供していたことで、ビジネスマンは「やりがい」と「他者への共感」というポジティブな感情を確保できていたのではないか。

 「正規雇用・長期雇用」という制度を企業が維持していたことで、労働者と企業の間でギブアンドテイクの関係がギリギリ保持できていたのである。

成果主義の名を借りたコスト削減が職場を荒廃させた

 ところが、“パチッ”“パチッ”とバブルがはじける音を聞きつけていた会社組織の“上階のお偉い人たち”は、その「全体」をみることなく「部分」、すなわち「年功制」のネガティブな側面だけを注視。

「アメリカの成果主義ってやつを輸入したらどうかな?」

「いいね。年功賃金に不満もってる新人類の若いやつらも喜ぶだろう」

「うん!能力主義だよ!」

「そうだ!自己実現だよ!」
 といった具合に、“コスト削減”という下心ありありの制度を、文化も労働体系も異なる米国から輸入

 それにまんまとひっかかったのが、「自分は“できる”」と妄信したエリートと「偉そうなオジさん」に不満を抱えていた若者だった。
年功序列崩壊だ! 成果を出せばいいんだ! 目指せ、1億円プレイヤーだ!」と大喜びしたのである。

「エゴと放縦と全体主義」に陥ってる“お偉い人たち”は、さらなる深みにハマり、「米国=世界→素晴らしい!」とばかりに「正規雇用」と「長期雇用」をなくすことを選択。
 1995年、日経連(現経団連)は、「新時代の『日本的経営』」なるものを打ち出し(下記の表)、山一証券の倒産以降は「ダムサイジング(愚かなサイズ合わせ)」に突っ走り、平成後期には政治の力を借り「生きる力の基盤」を確保できない労働者を量産した。

 ちなみに「ダムサイジング」とは、1996年の経営管理学界で、当時リンカーン・エレクトリックの最高経営者だったドナルド・ヘイスティングスが使ったお言葉である。
 人件費を削るなどの経費削減が、長期的には企業の競争力を低下させるとする研究者たちの研究結果を、自らの経験を交えて「ダムサイジング」と呼んだのだ。
 全体が見えない人たちの思考は常に短絡的。
 自分たちが“新しい”と信じている経営手法は、海の向こうで既に否定されていたのだ。
 しかしながら、もはや働く人たちを「人」として見られない経営者たちは「エゴに満ちた経営」をどこまでも追い求めた。

 すべては「投資家」を喜ばすための政策であり、そこに「働く人の健康」や「働く人の感情」はみじんも存在しない。

 やがて、現場の人たちは生々しい感情を抑え、利己的に生きないと自分が生き残れないことを経験的に学び、「同僚や部下が忙しいと、すすんで手伝ったりカバーする」という共感は消滅し、「自己責任」という言葉を多用する人たちを量産した。

平成に失われた共感や居場所を「令和」に取り戻すために

 つまるところ、平成の時代とは「人間の勝手さと愚かさ」を知らしめた30年だったのではないか。
 カネに換算できないこの無形の価値あるものをおろそかにし、目の前の「見えるもの」に心奪われたものは、自滅の道をたどるしかない。

 もし、1990年代初期に「過労死」というものを企業が真剣に受け止め、「大切な社員を死なせてはならない」と考えてくれれば「自滅の危機」は、免れたかもしれない。

 経営者が、高度成長期の立役者だった下村治氏の「オイルショックをもって高度成長は完全に終わった。これからはゼロ成長または低成長だ」という予言を真剣に受け入れていれば、「成長し続けるためのコスト削減」ではなく、「今いる人を大切にするための経営」に舵(かじ)をきることができたかもしれない。

 もし、バブル期の私たち世代が「自分たちは恵まれた時代に生まれただけ。運が良かっただけ」と全体を見ることができたら、もう少しだけ「共感」という感情を社会に残せたかもしれない。

 そして、平成が終わろうとしている「今」。
 日本中のアチコチに「居場所」を見いだせない人たちがいる。
 全体を見ず部分だけを見て批判することでしか、居場所を得られない人たちがいる。

 なんか書いていて悲しくなってしまったのだが、小さくてもいいから自分にできることをコツコツと考え実行し、「オカシイことはオカシイ」と言える自分の価値判断軸を失うことなく、残りの時間を過ごすしかないのだな、きっと。
 というわけで、元号変われど今までどおり精進いたしますゆえ、「令和」の時代にまたお会いしましょう。


日経ビジネス、2019年4月23日
平成初期の中年男の悲鳴が予言していた「日本の自殺」
河合 薫(健康社会学者 Ph.D.)
2019年4月23日

 ここでもうおひとかた、登壇していただきましょう、それは金子勝先生:

 自民党の萩生田光一幹事長代行が先週、6月の日銀短観次第で10月の消費増税を先送りし、「信を問う」解散・総選挙を示唆した。
 2016年の伊勢志摩サミットで、安倍首相は「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」と発言し、国際的な批判を浴びながら2度目の増税延期を決めた。
 萩生田発言の通りになれば、6月短観の発表は参院選直前で、アベノミクスの失敗批判をかわせるタイミングだ。
 どこか、「狼がきた」と始終嘘をつき、最後は狼に食べられてしまうイソップ物語に似ている。
 いま必要なのはアベノミクスの失敗を認めることだ。

 先週上梓した拙著「平成経済 衰退の本質」(岩波新書)でこの間の経済衰退の本質について分析したが、アベノミクスは「失われた30年」をもたらした失敗経済政策の集大成にすぎない。

 衰退の原因に戦後の無責任体制があるのは明らかだ。
 1990年代のバブル崩壊後、経営責任を曖昧にして抜本的な不良債権処理を怠った。
 財政拡大と金融緩和でごまかし続け、1997年の金融危機に帰結した。
 その後も財政赤字は拡大する一方だが、GDPは横ばい。
 平均所得や家計消費は低下し、非正規雇用が急増。生産年齢人口(15〜64歳)も1997年をピークに減少に転じた。
 原発事故でも同じ無責任が繰り返された。
 結局、日本は「失われた30年」になった。

 実際、スパコン、半導体、液晶、エネルギー、バイオ医薬品、太陽光発電、リチウムイオン電池……と、日本の産業衰退がひどくなっている。
 世界的な技術革新や産業の大転換期に、財政・金融政策でごまかすだけで、日本を「ゆでガエル」にしてしまったからだ。
 この根本的な間違いを正さない限り、消費増税を先送りしても財政赤字を拡大させるだけで、経済衰退は止まらない。

 自民党は戦争責任を免罪してくれた米国に頼れば何とかなるという思考停止に陥っている。
 その無責任体質は、不良債権問題でも原発事故でも責任を棚上げし、産業構造の転換を進めず、先端産業での置いてけぼりを招いた。
 だが、緩やかに滅んでいけるほど、世の中はのどかではない。
 やがて大きな痛みとショックに見舞われるのは必定だ。
 いち早い政策転換が必要である。


日刊ゲンダイ、2019/04/24 06:00
「失われた10年」を「30年」に拡大させた戦後の無責任体制
金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252507/

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安倍晋三の歴史認識

 ヤッホーくんのこのブログ、次の日付けの日記をご参照ください:
★ 2017年04月06日「宇野重昭、死去」
★ 2017年10月18日「国策企業・神戸製鋼と安倍首相」

「安倍寛(あべかん)」という政治家をご存じだろうか。
庶民目線の政治家として、道理を外した権力の専横にあらがい、戦時中に反戦を唱え、没後70年を経たいまも地元の人々に慕われ続けるこの人物こそ、安倍晋三首相の父方の祖父である。
その志を継ぎ、リベラル保守の政治家として外相も務めたのが、息子の安倍晋太郎。
優れたバランス感覚をもち、「オレのオヤジは大したやつで」が口癖だった晋太郎は、終生、寛の息子であることを誇りにしていた。

安倍首相は子供のころ、「晋太郎の息子」ではなく、「岸の孫」と自己紹介していたそうだが、母方の祖父・岸信介への敬愛の念をあらわにする一方、岸と同じく国会議員であった安倍寛については、ほとんど触れることがない。

語られることなき、安倍首相の父方の系譜をたどるルポルタージュ『安倍三代』(青木理著)がこの春、文庫化された。
著者が丹念に周辺取材を重ねるなかで浮かびあがってきたものとは――。
本書に寄せられた中島岳志(東京工業大学教授)の解説を公開したい。

*  *  *

 安倍晋三という政治家の特徴は、その右派イデオロギーにある。
 これまで度々、右派論壇に登場し、断罪口調の左翼批判や偏った歴史認識を展開してきた。
 第2次政権発足から1年後の2013年12月26日には、靖国神社を参拝し、「内閣総理大臣 安倍晋三」の名前で献花した。
 2015年2月19日の衆議院予算委員会では、民主党議員が質問している最中に、唐突に「日教組どうするの!」などと野次を飛ばし、批判を受けた。

 首相になっても露呈する右派イデオロギー。
 彼はいつから、このような思想を抱くようになったのか。
 そのきっかけや原因は何だったのか。

 実は、この問いに対して正確に答えることは難しい。
 国会議員になる前の発言や思想信条は、ほとんど文章として残っておらず、どのような考えを持っていたのかが判然としないのだ。

 本書はこの謎に、父子関係の問題から迫る。

 父・安倍晋太郎は、言わずと知れた自民党重鎮の政治家で、保守でありながらリベラルな姿勢を貫いた。
 その政治姿勢は地元の在日コリアンにも受け入れられ、幅広い信頼と共感を獲得した。
 著者の青木曰く、晋太郎には「息子・晋三とは明らかに異なる『異端者=マイノリティー』への配慮の眼差し」があり、「決して極端に偏らない政治的なバランス感覚」や「狭量や独善に陥らない懐の深さ」があった。

 平和憲法についても擁護する姿勢を示していた。
 晋太郎を慕って中央政界入りした武村正義は、「基本的にリベラルな方」で「正真正銘のハト派だった」と述べている。

 一方、政治活動に忙殺されていた晋太郎は、家を空けることが多く、子供との関わりが少なかった。
 1954年に次男として生まれた晋三は、「物心ついてから父に遊んでもらったという記憶がほとんどない」と回想している。
 小学校から大学まで成蹊学園に通った晋三は、家の近所に同世代の友人がほとんどおらず、兄や家庭教師、乳母役の女性と遊ぶことが多かった。

 そんな晋三を溺愛したのが、母方の祖父・岸信介だった。
 岸は戦前期に満州経営の最前線で活躍した官僚で、1941年東条英機内閣では商工大臣となった。
 戦後、A級戦犯容疑で逮捕されたが不起訴となり、政界に復帰。
 1957年に首相となると、反共の立場を鮮明にし、憲法改正の立場をとったが、1960年日米安全保障条約改定を強行して退陣した。

<強運と老獪(ろうかい)さでA級戦犯としての訴追を免れて権力の頂点にのぼりつめ、猛烈な批判を受けながらも日米安保条約を改定に導いた“昭和の妖怪”。しかし、息抜きに赴いた温泉宿や別荘ではひたすら孫に愛情を注ぎこむ優しい祖父だった。世間では極悪人かのように指弾されているが、本当はそんな人じゃないんだ――そう考えて岸を攻撃する者たちへの反発を幼心に刻んだとしても不思議ではなく、これがやはり晋三の原点といえば原点なのであろう>

 ここで一人の人物の不在に気づかされる。
 もう一人の祖父・安倍寛(晋太郎の父)である。
 晋三は岸について繰り返し語っているものの「寛についてほとんど語ろうとしない」。
 一体なぜか。

 寛は戦前・戦中に衆議院議員を務めた。
 平和主義者で反戦を貫き、東条内閣の方針に真っ向から刃向った。
 庶民目線で「富の偏在」に憤り、権力の専横に全力で抗う反骨者として地元から敬慕された。
 1942年の総選挙では、大政翼賛会に抗い、翼賛会の非推薦で出馬。
 特高警察などの厳しい弾圧と監視を受けながら、当選を勝ち取った。

 しかし、戦後すぐに51歳で病死する。
 そのあとを継いだのが息子の晋太郎だ。

 戦中、晋太郎は徴兵され海軍に入隊した。
 そこで「特攻」を志願し、死を覚悟する。
 1945年春、父親と面会すると、病床の寛は言った。

「この戦争は負けるだろう。だが、敗戦後の日本が心配だ。若い力がどうしても必要になる。無駄な死に方はするな」

 晋太郎は、命を落とすことなく、戦後を生きることとなった。
 毎日新聞社に入社し、岸信介の娘・洋子と結婚。
 1958年に衆議院議員となった。

 晋太郎がよく口にする言葉があった。

「オレは岸信介の女婿じゃない。安倍寛の息子なんだ」

 これは口癖のように、繰り返し語られたという。
 晋太郎は、戦争に反対した父を誇りにしていた。

 晋三が生まれた時には、すでに祖父・寛はこの世にいなかった。
 そして、父・晋太郎は家にほとんどいない。
 晋三を可愛がったのは母・洋子と祖父・岸信介。
 シンパシーは、必然的に母方の家系に傾斜していった。

 晋三は目立たない子どもだった。
 凡庸な「いい子」で、これといったエピソードが皆無に近い。

特に感性が研ぎ澄まされ、よかれ悪しかれ既存秩序への懐疑や反発なども強まる少年期から青年期にかけての逸話が、晋三にはほとんどない

 青木は、成蹊学園での同級生や先輩・後輩、教師らを訪ねて歩く。
 しかし、「返ってきた答えは判で押したように同じようなものばかりだった」。
 勉強ができたという印象もない。
 スポーツが際立っていたという印象もない。
 特別な印象が残っておらず、首相になる器とは思えなかった
 関係者はそう口を揃える。

 高校・大学時代の関係者にも取材をするが、やはりほとんどの人の印象に残っていない。
 どこを調べても若き日に自らの意志によって政治意識を育んだ形跡は見られない。
 ましてや現在のような政治スタンスは見られない。
 せいぜい垣間見えるのは、祖父・岸信介への敬慕のみ。

人間としての本質が空疎、空虚なものなのではないかという疑いすら生じさせる

 晋三は「政略」的に神戸製鋼所に入社し、無難に仕事をこなしていたが、兄が政界入りを拒んだため、晋三が父の秘書を務めることになった。

 青木は神戸製鋼所時代の上司に取材する。
 当時の晋三について、「右派的な雰囲気」があったかを尋ねると、次のように答えている。

<「ないない、まったくない。それ以前、という感じで、彼が筋金入りのライト(右派)だなんて、まったく感じませんでした。普通のいい子。あれは間違いなく後天的なものだと思います」>

 父の秘書官になった晋三は、懸命に父をサポートした。
 外務大臣だった父に寄り添って、海外出張にも出かけた。
 晋太郎は、首相目前という地位にいた。

 しかし、1991年に病死。
 代わって晋三が選挙区を受け継ぐことになり、1993年の総選挙に出馬した。

 この1993年は、激動の年だった。
 リクルート事件などによって政治改革の気運が高まる中、小選挙区制導入などに消極的な宮沢喜一首相に対して内閣不信任案が提出されると、自民党・竹下派から分裂した小沢・羽田グループ(改革フォーラム21)が賛成に回り可決。
 6月18日に衆議院が解散され総選挙に突入した。

 選挙の結果は自民党が過半数を大きく割り込む敗北で、8月9日に野党勢力が結集する細川内閣が成立した。
 その5日前には、慰安婦問題についての「河野談話」が出された。
 宮沢内閣の実質的な最後の仕事だった。

 総選挙は、自民党の敗北だった。
 自民党は野党に転じ、政権を失った。
 しかしこの選挙で、晋三は田中眞紀子、岸田文雄、塩崎恭久、野田聖子、山岡賢次、高市早苗らとともに、初当選を果たした。
 ここから晋三の右派イデオロギーへの急接近が始まる。

 本書では触れられていない部分を、以下補っておきたい。

 8月10日、細川首相は就任後はじめての記者会見を開いた。
 そこで、大東亜戦争について「私自身は侵略戦争であった、間違った戦争であったと認識している」と述べた。

 これに野党・自民党は反発し、8月23日に党内に「歴史・検討委員会」が設置され、10月15日、小堀桂一郎を講師とする第1回委員会が開催された。

 この委員会は、次のような「趣旨」を掲げた。

細川首相の「侵略戦争」発言や、連立政権の「戦争責任の謝罪表明」の意図等に見る如く、戦争に対する反省の名のもとに、一方的な、自虐的な史観の横行は看過できない。われわれは、公正な史実に基づく日本人自身の歴史観の確立が緊急の課題と確信する
(歴史・検討委員会編『大東亜戦争の総括』展転社、1995年)

 日本の歴史認識は「占領政策と左翼偏向に基づく教育」によって不当に歪められている。
 こんなことでは子供たちが自国の歴史に誇りを持つことができない。
 戦後の教育は「間違っていると言わなければならない」。

一方的に日本を断罪し、自虐的な歴史認識を押しつけるに至っては、犯罪的行為と言っても過言ではない

(「 」内は前掲書)。

 このような右派的歴史観を強調する委員会に、新人議員の安倍晋三は参加した。

 安倍晋三の歴史認識は、この野党時代に歴史・検討委員会に参加する過程で構成されていったと見ていいだろう。
 晋三の発言が記録されているのは、1994年4月21日に開催された第9回委員会のもので、天皇陛下が真珠湾攻撃の慰霊施設・アリゾナ記念館での献花を予定していることへの不満を述べている。
 そして天皇陛下の行動が、細川首相の「侵略発言」からの「一連の流れ」の中で位置づけられているのではないかと懸念を示している。
 彼が急速に右派的価値観に傾斜している様子がうかがえる。

 その後、1997年に中川昭一が代表を務める「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が発足し、晋三は事務局長に就任する。
 彼の右派的歴史認識は、決定的なものになっていった。

 本書は、安倍晋三のルーツを丹念に探り、関係者への取材を重ねることで、その思想の軽薄さを明示することに成功している。
 父の呪縛から解放された時、その存在に反発するようにして接近したのが右派イデオロギーだったことが明かされている。
 関係者の生の声が記録されている点を含め、本書の功績は大きい。

 しかし問題は、そんな「悲しいまでに凡庸」な人物が、長年にわたって日本政治の頂点に君臨し、この国の姿を変容させているという現実である。
 この逆説をどう解くかは、青木が世の中に投げかけた課題であろう。

 安倍晋三という政治家は、今後、さまざまな形で論じられ、歴史的に検証されていく。
 その際、本書は欠かすことのできない一冊として意味を持ち続けるに違いない。


[写真-1]
1937年の選挙で、安倍寛が掲げた“選挙マニフェクト”。貧富の格差を憤り、失業者対策の必要性を訴え、生活が不安定な勤労者や農家、中小企業経営者などに配慮を寄せる。一方、大資本や財閥特権階級には厳しい視線を向けた。

[写真-2]
1958年の総選挙で初当選した安倍晋太郎。妻・洋子と 

[写真-3]
外遊後、箱根の旅館で静養中の岸信介。孫の晋三(左)、寛信と一緒に(1957年)

[写真-4]
青木 理(1966年生まれ)『安倍三代』(朝日新聞出版、2017年、朝日文庫、2019年4月)

AERA dot.、2019.4.23 17:00
「悲しいまでに凡庸」だった青年が日本政治の頂点に君臨し、この国の姿を変容させるまで
安倍晋三氏のルーツを探る

(文 /中島岳志・東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授)
https://dot.asahi.com/dot/2019041600052.html

 この国を変容させた安倍晋三氏、こんなことも:

 ウソの理由をつけて問答無用。
 いかにも安倍政権らしい手法でパスポートを取り上げられたフリージャーナリストの常岡浩介氏が、外務大臣を相手取り、返納命令の取り消しを求める訴訟を、きょう東京地裁に起こした。 
 外務省は違法手段さえ用いて常岡氏の渡航を阻もうとしたようだ。
 常岡氏の航跡を振り返ってみる。

 内戦が続くイエメンを取材するため常岡氏はマスカット(オマーンの首都)経由でサナア(イエメンの首都)入りをめざした。
 イエメン、オマーンともビザを取得していた。
 ところが、マスカットに着くと入国を拒否された。
 入管では何の説明もなかった。
 1月14日のことだ。
 しばらくすると、旅行代理店から電話があり、
「オマーン入管に問い合わせたところ、入管の判断で(常岡氏の)入国を制限していない。常岡氏のパスポートは警察の手に渡っている。日本大使館が『オマーン警察に情報を提供した』と言っている」
ということだった。
 大使館が地元警察に手を回したのである。

 常岡氏は2日間、空港で足止めを食らい、17日発で、日本に戻された。
 19日、帰国。
 成田空港で常岡氏の手にパスポートが返された。

 2月2日。
 今度はハルツーム(スーダンの首都)経由でイエメン入りを目指した。
 スーダンのビザは取得していた。
 成田空港で自動読み取り機にパスポートをかざしたところ「この旅券(パスポート)は登録されていません」の表示が出てゲートを通過できなかった。

 入管職員に問い合わせると「パスポートが無効になっている」とのことだった。
 それから約45分後の23時15分、『パスポート返納命令書』がファックスで届いた。
 河野太郎外相名義だった。
 『返納期限』は23時20分、とされていた。
 通知されて5分後にパスポートをお上に返せというのである。
 外務省は行政手続法(第3章第3節)で規定されている聴聞もせず、弁明の機会も与えなかったことになる。

 もうひとつ重大な法律違反がある。
 常岡氏はオマーンのビザを取得しており、河野外相からの返納命令にあるような「入国を拒否されるような法律違反を犯している」わけではない。
 よって外務大臣の旅券返納権限を定めた「旅券法第13条第1項第1号」と「第19条第1項第2号」にあたらないのだ。
 外務省は虚偽の理由をつけ法律(行政手続き法、旅券法)違反まで犯して、常岡氏のパスポートを失効させたのである。

 常岡氏は、中東はおろか台湾にも行けない状態だ。
 憲法第22条が定めた移動の自由を奪うことになる。

 フリージャーナリストの手足を縛れば、残るは官邸がコントロールできるマスコミだけになる。

 紛争地域で何が起きているのかも、分からない。

 安倍首相はこれまで以上にウソをつきたい放題になる。


[写真-1]
フリージャーナリスト常岡浩介氏=2019年4月24日、日本外国特派員協会
[写真-2]
記者たちからは「フリーだから狙われたと思うか?」などとする質問が投げかけられた=24日、日本外国特派員協会

田中龍作ジャーナル、2019年4月24日 21:07
「パスポート返せ」
フリージャーナリストが河野外相を提訴

http://tanakaryusaku.jp/2019/04/00020031

posted by fom_club at 16:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

女性抑圧事例

 男女同数の候補者擁立を政党に求める候補者男女均等法(日本版パリテ法)が施行されて初めての統一地方選が終わった。
 女性の政治参加は着実に進んでいる一方で、統計で見ると「均等」には程遠い状況が見えてくる。
 各政党とも統一地方選前半の女性候補者割合は5割を切っており、与党自民党に至っては4.9%の女性候補者しか立てていない。

 法律ができても女性が立候補しにくいのは、現場に長時間労働を前提とする昔ながらの選挙スタイルが定着し、有権者に、
「政治は男性のもの」
「子育ては女性がするもの」
という性的役割分業の意識が強く残っているからだ〈1〉。
 女性候補者に対して一票の力を振りかざし、セクハラやモラハラを行う男性有権者からの「票ハラ」も大きな壁になっている。

 男性モデルが規範となっている社会では、女性の問題は周辺的で特殊な問題として片付けられてしまいがちと語るのは三浦まりだ〈2〉。
 女性議員の増加は、性暴力や家事・育児分担の不均衡など、国会で後回しにされてきた問題を普遍的な政治課題にする効果があるという。

* * *

 こうした構造的な問題を大学1年生にもわかる平易な言葉で問題提起したのが上野千鶴子だ(ヤッホーくん注1)。
 上野は東京大学の入学式で、女子学生のみ直面する環境的な性差別や、東大の男子学生5人が2016年に起こした強制わいせつ事件を例に挙げ、
「がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」
「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげ」
という祝辞を述べた〈3〉。
 パンチの利いたこの“祝いの言葉”は、瞬く間にネット上に広まり、地上波のワイドショーで取り上げられるまでの「現象」となった。

 上野のスピーチに多くの共感が集まったのは、現実の女性抑圧事例に呼応しているからだろう。
 アイドルグループNGT48のメンバーで、昨年2018年12月、自宅に押しかけた男性2人から暴行被害を受け、その裏側にある事情をネットで告発した山口真帆が4月21日、新潟市内の公演でグループからの“卒業”を表明した(ヤッホーくん注2)。
 被害者である山口が詰め腹を切らされた不条理な構図に多くの批判が集まっている。

 女性にとって不可解な性犯罪事件の無罪判決も相次いでいる〈4〉。
 女性の意思に反した性交だと裁判官が認定しているにもかかわらず、
「女性が許容していると男性が勘違い」
「抵抗が著しく困難だったとは言えない」
「被害者の供述が信用できない」
というのがその理由だ。

 専門家は、一見理不尽に見える判決が続いた背景に2017年の刑法性犯罪規定改定の議論があると見る〈5〉。
 警察や検察が刑法の改定に合わせた捜査・検挙・起訴を行なうようになった一方で、裁判官の意識が変化しておらず、そのギャップがこうした判決を生んでいるという。

* * *

 このギャップは、結果的に女性と法律家の溝も深めている。
 4月11日夜、東京駅近くの路上で一連の判決に抗議するスタンディング・デモが行われ、多くの女性が集まったが、ツイッター上ではこうした動きに対して弁護士たちから批判が寄せられた。
 無罪判決への過度な抗議や、裁判官への個人攻撃は司法の独立や、推定無罪の原則を否定し、冤罪(えんざい)事件の弁護を困難にする側面があるからだ。
 問題は弁護士による批判の一部に、デモ参加者に対する苛烈(かれつ)な中傷があることだ〈6〉。
 法律や運用に不備があり、道義的責任が明らかであるからこそ、デモに集まった女性たちは抗議しているのであって、彼女たちの目線の先は、こうした判決を生み出す構造そのものに向いている。
 男性弁護士から、
「法律の現場を知らない女性たちが深く考えずに怒っている」
と揶揄(やゆ)する意見が出るところに、この社会の根深いジェンダーバイアスが現れている。

 小宮友根は、近年企業CMやフィクションが描く女性像がSNS上で「ジェンダー問題」として炎上する現象について分析している〈7〉。
 小宮は、そもそも表象を現実の活動の一部とした上で、問題は画一的なジェンダー表現を見たことによる「影響の有無」ではなく、「累積的な問題としての経験」によって受け取る側の意味が変わることにある、とする。
 具体例を挙げよう。
 家事育児などの無償ケア労働を主に女性が担っているという意識のある人が見れば、ワンオペ育児を礼賛しているかのように見えるオムツのCMは、抑圧の上塗りあるいは再生産に見える。
 一方で、そのような「意味的つながりを感じない人」が見ると、彼らは単に「表現と現実は違う」「このCMの一体どこに問題が?」と感じてしまうということだ。

 上野千鶴子の祝辞は絶賛される一方で、多くの反発も呼んだ。
 性犯罪判決に抗議する女性と法律家の対立も、「累積的な問題としての経験」の有無がもたらす“ズレ”であると考えれば、問題の本質が見えてくる。

 「意味的つながりを感じない人」に真正面から問題を訴えかけても、理解される可能性は低い。
 彼らを責めても分断が加速するだけで、問題は解決しない。
 人びとの意識を急速に変えることは難しいが、構造が変われば人びとの意識も徐々に変わる。
「がんばったらそれが公正に報われる」社会をつくるには、意思決定の場に多様なマイノリティを増やすしかない。
 我々は「累積的な問題としての経験」を公共善に昇華し、構造を変えるアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を進める時期に来ている。
     *
〈1〉深澤友紀「法律だけじゃ何も変わらない」(AERA 4月15日号)
〈2〉三浦まり「女性議員『後進国』日本―『日本版パリテ法』で何が変わるのか」(nippon.com 4月3日)
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00481/
〈3〉上野千鶴子「平成31年度東京大学学部入学式 祝辞」(4月12日)
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html
〈4〉河原理子「性暴力 無罪判決続き疑問」(朝日新聞東京本社版4月17日朝刊)
〈5〉らめーん「テキーラで泥酔させられた女性と……性犯罪で不可解な無罪判決が相次ぐのはなぜか」(文春オンライン 4月4日)https://bunshun.jp/articles/-/11341
〈6〉「#準強姦無罪判決 について一般に『酷い発言をした弁護士は本当にいたのか?』 『弁護士の方々は皆丁寧に説明していただけでは?』事実はこうだった」
https://twitter.com/i/moments/1118366898821980161
〈7〉小宮友根「表象はなぜフェミニズムの問題になるのか」(世界 5月号)


朝日新聞・論壇時評、2019年4月25日05時00分
ジェンダー対立
意識の溝、構造から変えよ

ジャーナリスト・津田大介(つだ・だいすけ)
1973年生まれ。早稲田大学教授。著書に『情報戦争を生き抜く』など。8月開催の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督も務める。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13991606.html

(ヤッホーくん注1)
ヤッホーくんのこのブログ、2019年04月12日付け日記「東京大の入学式」をご参照ください。

(ヤッホーくん注2)

 NGT48のメンバー山口真帆が、2019年4月21日に卒業を発表したことが芸能界内外で大きな波紋を呼んでいる。山口は、「アイドルハンター集団」と呼ばれる一味の男から昨年12月に暴行被害を受けた。その男たちが、NGTの一部メンバーと“私的なつながり”があると指摘されていることが、騒動の最大の焦点だ。

 この件について、NGTを運営するAKSは第三者委員会を設置して調査を行った結果、メンバーの事件への関与はなかったとし、一部のファンと私的なつながりが疑われるメンバーについても不問とすると発表した。

 だが、この調査報告を発表する記者会見の最中に、その様子を見ていた山口がツイッターで「なぜ嘘ばかりつくんでしょうか」とつぶやき、運営側を批判したことから、騒動は拡大した。

 被害者である山口を守ろうとしないAKSに対し、世論やファンは厳しい目を向け、芸能界の内部からも批判の声が続出した。そうしたなかAKSは4月11日、NGTについて現行の2チーム体制を解体してひとつにまとめ、再出発すると発表した。だが、目先を変えるだけで問題の解決を図ったとはいえない決定に対し、かえって非難の声は高まった。

 このとき、『山口百恵→AKB48ア・イ・ド・ル論』(宝島社)などの著者でアイドル評論家の北川昌弘氏も、「運営側の意図がわからない」と首をかしげた。さらに、山口の処遇について「その山口さんを去らせるようなことがあれば、NGT48は危険な状況になります。運営側は、なんとしても山口さんに残ってもらう努力をしなければなりません。彼女をどう受け止めるかが問われています」と語り、卒業させてはならないとの見解を示していた。

 だが、北川氏の提言とは反対に、21日に行われた公演に姿を見せた山口は卒業を発表した。

 しかもその際、社長から暴行事件について
「不起訴になったので事件じゃない」
と説明され、さらに、
「会社を攻撃する加害者とまで言われています」
と明かし、運営サイドに対する不信を暴露。
 その結果、
何をしても不問なグループで、もうここには、私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました
と、卒業を余儀なくされた格好であることを示した。

 前出の北川氏は、AKBグループ終焉の危機だと警鐘を鳴らす。

「運営が事態の収拾に失敗したという印象で、最悪の事態に近いです。一旦、完全に解散して一から出直しのほうが、まだすっきりします。このままでは、地元の自治体やスポンサー企業も撤退するでしょう。
 これで新たなファンが獲得できるのか、さらには新メンバーを募集しても、まともなメンバーが集まるのかは疑問です。
 いちローカルアイドルとして地道に活動していくことは可能かもしれないが、悪影響がAKB48グループ全体に波及しかねないという恐れがあります。
 2009年から続いてきた『AKB48選抜総選挙』が今年は中止されたこともあり、CDの売上も落ちるでしょう。事件の影響かどうかはわかりませんが『AKB48 SHOW!』(NHK BSプレミアム)も3月で終了しています。年末の『NHK紅白歌合戦』への出場も、黄色信号から赤信号に変わったといえるかもしれません。
 平成の終わりとともにAKB48グループの時代も終わる印象です。もっとも、AKB48グループが廃れても、(ライバルグループの)“坂道グループ”の時代が続くのであれば、(総合プロデューサーの)秋元康さんとしては、問題ないのかもしれませんが……。
 本当は、指原莉乃がスキャンダルを起こしたときのような、ピンチをチャンスに変える“起死回生の一撃”を繰り出してほしかったです」

 多くのメンバーを抱え、それぞれに多くのファンがついているため、運営側は山口をひとり切り捨てたところで、グループ全体に大きな影響はないと判断した可能性もある。
 だが、ほとぼりが冷めれば人気が回復すると考えるのであれば、それは甘いかもしれない。


msn エンタメ、2019/04/24 19:10
NGT山口真帆“運営元パワハラ告発”卒業とAKBグループの終焉…アイドル評論家が分析
https://www.msn.com/ja-jp/entertainment/celebrity/ngt山口真帆“運営元パワハラ告発”卒業とakbグループの終焉…アイドル評論家が分析/

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2019年04月24日

政府への「疑問」を率直に質問できる記者会見に戻してください

 女性市議が初めて誕生することが決まった鹿児島県垂水(たるみず)市の市議選(14日告示、21日投開票)をめぐり、自民党の川越信男市議(66)が告示前、女性市議について「やりにくい。下手な言葉を言えば、セクハラ・パワハラと言われる恐れもある」と語っていたことがわかった。
 民放番組で22日夜、コメントとして放送され、批判が集まった。

 テレビ朝日の報道ステーションで同市議選を特集した際に放送された。
 川越氏は「期待はないね。かえってやりにくいと思う」とコメントしたうえで、セクハラ、パワハラと指摘を受ける可能性に言及した。

 川越氏によると、取材を受けたのは先月で、「女性市議が誕生したら」という趣旨の質問に答えたという。

 発言に対し、ツイッター上では「男尊女卑は未(いま)だ凄(すさ)まじい」「これでは女性が全部出て行って市が潰(つぶ)れても自業自得」といった批判が相次いだ。
 市役所にも苦情が複数寄せられたという。

 川越氏は23日、朝日新聞の取材に対し、「悪気はなかった。ちょこっと言ったことが大きくなっている。悪かったのであればおわびをします」と語った。
 党県連会長の森山裕衆院議員は番組を見てはいないとしながらも、「極めて遺憾。事実であれば厳重に注意する」とした。

 同市議選には定数14に女性2人を含む17人が立候補し、女性1人が当選した。
 川越氏も3選した。


[写真-1]
女性議員が一人もいない鹿児島県垂水市議会の本会議場。今回の市議選で初めて女性候補が当選した=2019年2月26日

朝日新聞、2019年4月23日19時48分
「下手なこと言うとセクハラ」
自民市議の発言に批判

(野崎智也)
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190423004092.html

 あちら側の顔色を窺い、こりゃまずいな、と思ったら「お詫び」の一言でも言っておけば、喝采を受ける。
 あちら側の顔色を窺い、責められてると思ったら、「真摯に受け止め」と、とりあえずは片づけておこう。
 そうか、こちら側に有利に働くように、情報宣伝の管理と操作、メディアの取込み、SNSの有効活用だね。

 安倍政権による“捏造”がまたも発覚した。
 今月4月11日、世界貿易機関(WTO)の上級委員会が、韓国による東京電力福島第一原発事故にともなう被災地などからの水産物を全面禁輸の措置を妥当とする判決を下したが、この日本が逆転敗訴した問題を受けて、安倍政権がフェイク丸出しの説明をおこなっていたことが朝日新聞の報道でわかったのだ。
 しかも、呆れたことに、安倍政権は訂正するどころか、明らかなゴマカシと嘘の上塗りを用いて、この問題を報道した朝日新聞に反論・抗議をおこなっている。

 誰が嘘をついているかをはっきりさせるために、一から経緯を説明しよう。

 そもそもこの紛争は、韓国が福島など8県の水産物の輸入を禁止していることに対して2015年に日本政府がWTOに提訴、2018年にはWTO紛争処理小委員会が日本の主張をおおむね認めて韓国に是正を勧告する第一審の報告書を公表していた。
 だが、前述したとおり、11日にWTO上級委員会は一転して第一審の判断を破棄し、日本は逆転敗訴となった。
 しかし、問題はここから。

 このWTOの判断について、翌12日におこなわれた定例記者会見で、菅義偉官房長官は、
「わが国の主張が認められなかったことは誠に遺憾だ。韓国に対し科学的根拠に基づき輸入規制の撤廃、緩和をするよう粘り強く働きかけていく」
と主張。そして、こう強調したのだ。
「(WTOの)同報告書においては『日本産食品は科学的に安全であり、韓国の安全基準を十分クリアするものである』との一審の事実認定は維持されております」
「したがって本件事案について我が国が敗訴したとのご指摘は当たらない」

 また、河野太郎外相も12日にTwitterでこう投稿した。

〈日本産食品は科学的に安全であり、韓国の安全基準を十分クリアしているとしたWTOパネルの事実認定が、上級委員会でも維持された〉

 WTOは「日本産食品は科学的に安全」だと認定している──。
 こうした安倍政権の主張にメディアも追随
 読売新聞は14日付けで「WTO逆転敗訴 安全性を科学的に訴え続けよ」というタイトルで社説を掲載、産経新聞も13日付け社説で〈日本が主張した科学的な安全性が覆ったわけではない〉とWTOの判断に疑義を呈した。
 無論、ネット上でも「科学的に安全だと認めているのにWTOの判断はおかしい」「韓国の言いがかり」などといった声があがっていた。

 ところが、だ。
 朝日新聞が昨日の朝刊一面で「WTO判決「日本産食品は安全」の記載なし 政府と乖離」と見出しを掲げ、こう伝えたのだ。

〈日本政府が第一審の判断を根拠に説明している「日本産食品の科学的安全性は認められた」との記載が第一審の判決文にあたる報告書にないことがわかった〉

 これが事実なら、菅官房長官や河野外相の「『日本産食品は科学的に安全』との一審の事実認定は維持された」という発言は、まったくの捏造ということになる。
 そもそも、日本が勝訴した一審でそんな事実認定がなされていなかったとすれば、逆転敗訴した上級審でその事実認定が維持されるはずがないからだ。
 本サイトもまさか、と思って、一審の報告書を一から確認したが、たしかに「日本産食品は科学的に安全」などという文言はまったく見つからなかった。

菅官房長官と河野外相の朝日への反論・抗議はゴマカシと嘘の上塗り

 ところが、冒頭でふれたように、安倍政権は、こうした問題を指摘した朝日の記事に対し反論・抗議をおこなった。
 菅官房長官は会見で「日本産の食品中の放射性セシウムの濃度が、日本および韓国の基準値を下回ることを第一審は認めている。上級委員会はこの事実認定を取り消していない」と述べた上、「自然な解釈だと思っている」と強弁した。
 また、河野外相も同様の主張を展開した上で「朝日新聞だったかが、やや正確性を欠く記事があって、日本産食品の安全性に疑念を抱かせかねないものがあった」と抗議した。

 しかし、これ、完全なゴマカシと嘘の上塗りだ。
 繰り返すが、朝日新聞が問題にしたのは、菅官房長官や河野外相の発言のうち、「科学的に安全と認められた」という部分が一審の判決文になかったことだ。
 ところが、菅官房長官も河野外相も、その「科学的に安全と認められた」という自分の発言を、一審の判決文で事実認定されている「日本産の食品中の放射性セシウムの濃度が韓国の基準値を下回っている」という話にすり替え、「上級審でもその認定が維持されている」などと強弁していのだ。

 しかし、「セシウム濃度の基準値クリア」を一審が認定していたことと「日本産食品が一審で科学的に安全と認められた」というのはまったく違う(しかもセシウム濃度の一審認定については朝日もきちんと記事にしていた)。

 しかも、菅官房長官はこの「セシウム濃度の基準値クリア」について、「上級審が取り消していない」などと言っていたが、これも明らかなまやかしだ。
 菅官房長官は「セシウム濃度の基準値クリアは維持されている」などと言い出したが、そもそも菅官房長官も河野外相も当初はセシウム濃度の話をしていたわけではなく「韓国の安全基準をクリアしている」と言っていたのだ。
 ところが、この「韓国の安全基準をクリアしている」というのは上級審ではくつがえされている。

 上級審は、韓国のALOP(衛生基準)が多面的な複数の要素で構成されているにもかかわらず、「食品中の放射性物質の量」だけをもって、ALOPを満たしているとしたパネル(1審にあたる小委員会)の議論は不十分であると指摘。
 そして、
〈日本の提案する代替措置が韓国のALOPを達成しているとの判断は誤りだった〉
と1審の判断を明確に否定し、
〈我々は、包括的な輸入禁止の適用など韓国の措置が、SPS協定5条6に反する「必要以上の貿易制限」だとするパネルの結論を破棄する〉
と結論づけている。

 また「恣意的又は不当な差別」を禁止するSPS2条3の適用においても、
〈食品汚染の可能性に影響を与え得る他の地域的条件などに関する調査結果を調整させることなく、食品の現在の汚染レベルのみに依拠している〉
などとして、1審の判断をくつがえしている。

 菅官房長官や河野外相は自分の発言の嘘をつかれたために、自分たちが設定した「食品中のセシウム濃度」というたったひとつの数値を持ち出して、話をすり替えているだけだろう。

日本政府は「日本産食品が科学的に安全」を立証しようとしていなかった

 ようするに、菅官房長官や河野外相は明らかな事実があるにもかかわらず、
「『日本産食品は科学的に安全であり、韓国の安全基準を十分クリアするものである』との一審の事実認定は維持されている」
という自分たちの嘘発言を「自然な解釈」だと言い張り、朝日新聞を「日本産食品の安全性に疑念を抱かせかねない」などと攻撃したのだ。

 まったく度し難い嘘つきぶりだが、しかし、連中がもっと悪質なのは、「日本の農産物の安全性アピール」や「韓国への対抗」というような目的だけで、このフェイクを流したわけではないことだ。
 菅官房長官、河野外相、外務省、農水省がわざわざ「科学的な安全が認められた」と強弁したのは、自分たちの政策ミスを糊塗するためだった可能性が非常に高い。

 じつはこのWTOへの提訴で、そもそも日本政府は「科学的に安全」であることを立証しようとしていなかったのだ。

 日本は韓国の輸入規制に対し、WTOのSPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)における「科学的な原則に基づいてとること」(SPS協定第2条2)では争わず、「恣意的又は不当な差別の禁止」(SPS協定第2条3)や「必要以上に貿易制限的でないことを確保する義務」(同協定第5条6)などの違反にあたるとして提訴しているのだ。

 一審の判決文に「日本産食品は科学的に安全」という記述がないのは当たり前で、日本政府のほうが「科学的に安全」を立証することから逃げていたのだ

 そして、この「科学的な安全」の立証の放棄が、上級審で日本の逆転敗訴を許した大きな原因になった。
 実際、上級審の判決文を読んでも、その科学的な安全の立証の不十分さが指摘されているし、朝日新聞も同日の記事で、この問題を指摘していた。

 WTOに詳しい中川淳司・中央学院大学教授は「日本が2条の2違反を主張しなかったのは、立証が難しいと考えたからだろう」と推測。
「日本が「王道」の議論を避けた時点で、この裁判は勝ち目が無かったと思う」と述べている。

 ようするに、「科学的に安全を立証」することを放棄した結果、逆転敗訴を招いたことを隠すために、官邸、外務省、農水省が一体になって「一審では『日本産食品は科学的に安全』と認められた」などと事実を“捏造”して国民に説明したのである

国連グテーレス事務総長の発言まで捏造した安倍政権

 自分たちの失態を隠すために、国際機関の報告書まで捏造して国民に虚偽の説明をおこなう──。
 公文書を改ざんしてしまう政権とはいえ、国際社会での事実についてまでよくも嘘を平気でつけるものかと驚くほかないだろう。

 しかも、こうした安倍政権の国際問題での捏造は、この件にかぎったものではない
 たとえば、共謀罪法案が審議されていた2017年には、安倍政権は共謀罪に懸念を示していた国連人権委員会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏の公式書簡を猛批判していたが、G7サミットにあわせて安倍首相がアントニオ・グテーレス国連事務総長と懇談をおこなうと、その内容について、外務省はこう公表した。

〈安倍総理から慰安婦問題に関する日韓合意につき、その実施の重要性を指摘したところ、先方は、同合意につき賛意を示すとともに、歓迎する旨述べました。
 さらに、安倍総理から、国際組織犯罪防止条約の締結に向けた日本の取組につき説明しました。
 この関連で、先方は,人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は、必ずしも国連の総意を反映するものではない旨述べました〉

 グテーレス事務総長が2015年末の日韓合意に賛意と歓迎を示し、ケナタッチ氏の件も「国連とは別の個人の資格で活動している」と明言した──。
 こうした政府説明を国内メディアもそのまま報じ、それによってネトウヨたちは「国連も日韓合意を歓迎」「国連の総意ではなく個人のスタンドプレーだったことが判明」などと騒ぎ立てた。

 しかし、このグテーレス事務総長の発言内容も、安倍政権の捏造だった。

 その後、国連のデュジャリック報道官は、
「慰安婦問題は日韓の合意により解決されるべき事案との点に同意した」
が、
「特定の合意の中身についての見解は示さなかった」
という談話を発表し、「(2015年末の)日韓合意に賛意」を示したという日本政府の説明を否定したのだ。
 しかも、特別報告者についても、安倍首相には「独立した専門家で、国連人権理事会に直接(調査結果などを)報告する」という内容を伝えたとした(朝日新聞2017年5月30日付)。
「国連とは別の個人の資格で活動している」という日本政府の説明と、「独立した専門家」では、まったく意味が違う。

 ようするに、安倍首相と政府は国連事務総長の発言を歪め、慰安婦問題の対応や共謀罪の正当化に利用したのである。

国際的な事実を次々歪曲、日本国民は英語ができないとバカにしているのか


 また、昨年も、安倍政権はアメリカとの交渉開始を合意した「新たな貿易協定」について、包括的なFTA(自由貿易協定)ではなく物品の関税引き下げに限った「TAG」(物品貿易協定)であると主張。
 だが、対するアメリカ側はTAGなどという略語は一切使用しておらず、その上、ペンス副大統領は来日時、Twitterに議論する中身について安倍首相に宛てて〈negotiations for a free-trade agreement〉、「FTA」だと宣言した。
 つまり、「TAG」なる言葉には何の実態もなく、「FTA」ではないと国民を騙すために言い換えただけの用語であることが露呈したのだった。

 国際機関であるWTOの報告書の内容や、国連事務総長の発言、貿易外交の中身まで……。
 安倍政権は不都合な事実をことごとくねじ曲げ、捏造して国民に伝えてきたのだ。

 もはや国民は英語ができないとバカにしているようにも見えるが、実際のところ安倍政権は、嘘だと後にバレても最初に大きく自分たちの主張が報道されればいいと考えているのだろう。
 実際、今回のWTO問題にしても、日本敗訴と「日本産食品の科学的安全性は認められている」という報道によって、韓国に対するバッシングがネット上で吹き荒れた。
 「韓国は反日」という空気を流すことに躍起になっている安倍政権にとっては、今回の件で国内の反韓感情を高めることに成功したといえるのだ。

 だが、国民を騙すための事実の捏造など、許されるはずがない。
 公文書改ざんや統計不正をはじめとして欺かれつづけてきたが、国民を馬鹿にする政権など、どうして是認できるだろうか。


リテラ、2019.04.24 06:59
韓国に敗訴WTO判決で安倍政権が嘘の説明!
「日本産食品の科学的安全」を立証しなかった自分たちのミスを隠蔽

https://lite-ra.com/2019/04/wto_5.html

発信者:日本マスコミ文化情報労組会議 MIC
宛先:安倍晋三内閣総理大臣、2人の別の宛先

あなたに答える必要はありません

 日本政府のスポークマンである菅義偉(よしひで)内閣官房長官が、記者会見で政府の姿勢を追及する記者に対してこんな言葉を浴びせています。

 事実に沿った質問にまで「事実誤認」と主張しており、「フェイクニュース」と言い放つトランプ大統領とそっくりです。

 首相官邸は、会見場に直接足を運ぶことができない国民・市民に代わって政府への疑問を問いただす記者にさまざまな嫌がらせを続けており、これは国民・市民の「知る権利」を奪う行為です。

 首相官邸が嫌がらせをしている対象は、次のような質問をした記者です。

● 加計学園の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」と書かれた文書を「怪文書のようなものだ」とごまかそうとした菅官房長官を追及

● 伊藤詩織さんへの性的暴行疑惑で、『総理』の著者で安倍首相に近いジャーナリストに対する逮捕状執行が止まった問題

● 沖縄・辺野古への米軍新基地建設をめぐる政府の説明の矛盾

● 首相官邸記者会見の質問制限問題

 政府には耳の痛い質問かも知れません。
 しかし、いずれも多くの皆さんが疑問に感じ、政府に聞きたいことではないでしょうか。
 それにもかかわらず、首相官邸は、

@ 質問の順番を後回しにし、質問数を1〜2問に制限
A 質問中に数秒おきに「簡潔にしてください」と妨害
B 質問内容を一方的に「事実誤認」と断定し、「問題行為」というレッテルを貼る
ーーといった嫌がらせを繰り返しています。

 政府にとって不都合な質問をする記者の質問回数を制限し、記者の質問内容にまで、政府見解の枠をはめ込もうとする首相官邸の行為は、「取材の自由」や国民・市民の「知る権利」を奪うものです。

 日本の中枢で現在行われている悪しき事例が、各地の自治体などで真似される恐れもあります。

 国際社会からも、
「政府高官は一般市民に奉仕するよう求められており、報道機関からの質問を選別する権利はない。
ましてや、質問の重要性を判断するなどもってのほかだ」
(国境なき記者団)
と批判が寄せられています。

 首相官邸は、質問制限を正当化する政府答弁書の閣議決定まで行ないました。
 このままでは、私たちの「知る権利」を奪う異常な状態が固定化されてしまいます。

 この状態を止めるには、皆さんの協力が必要です。

 安倍晋三内閣総理大臣、菅義偉内閣官房長官、上村秀紀総理大臣官邸広報室長に対し、このふたつを求めます。

● 昨年末に首相官邸が内閣記者会(官邸記者クラブ)に掲示し、記者を「事実誤認」などと中傷している申し入れ文の掲示を即刻、止めてください。
● 質問制限を正当化した政府答弁書の閣議決定を早急に撤回してください。

皆さんの力で、政府への「疑問」や税金の使い道を率直に質問できる記者会見を取り戻しましょう!

イラスト :今井ヨージ c️Yoji IMAI
出典 :『檻のなかのライオン』(楾 大樹/著、かもがわ出版/刊行)


3週間前、日本マスコミ文化情報労組会議 MICさんがこのキャンペーンを開始
10,820 人が賛同しました。もう少しで 15,000 人に到達します!
https://www.change.org/p/政府への「疑問」を率直に質問できる記者会見に戻してください

posted by fom_club at 21:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

選挙が終わっても選挙公報を消さないでください

宛先:総務大臣

選挙が終わっても選挙公報を消さないでください!

政治家が何を約束して選挙を戦ったかを忘れないために、選挙が終わっても選挙公報を消さないでください

 これが私たちの希望です。

 日本は代議制民主主義の国です。
 主権者である一人一人の国民は、自分の意見を代弁してくれる人物を選挙で選び、政治を任せます。

 選挙の際、候補者はどのような理念のもとに政治を動かすのかを有権者と約束します。
 しかし、その約束を選挙後に振り返る手段は限られています。

 候補者のSNSやWebサイトは、都合が悪くなれば削除してしまうことができます。
 そもそもインターネットで発信しないまま当選する候補も少なくありません。
 ビラなどの印刷物も、選挙後に保管している機関はなく、候補者が掲げた約束を有権者が振り返って見る機会はほとんどありません。

 ただし、公金を用いて発行される選挙公報は違います。
 選挙公報は選挙管理委員会の管理のもと、各候補者に同じ面積を割り当て、選挙期間中有権者に配布され、投票先を考える一助となっています。

 また、2011年の東日本大震災以降、多くの自治体が選挙公報をPDFファイルでインターネット上に公開しており、有権者の政治へのアクセスはより向上しています。

 しかし、今回の統一地方選挙前半(4月7日執行)に選挙が行われた41道府県の選挙管理委員会のうち、17の府県で投票終了後すぐに選挙公報がサーバーから削除されました。
 また、4月16日現在、その数は23府県に増えました。
 当選者が選挙の際に掲げていた「有権者との約束」が閲覧できない状態になってしまっています。

 選挙の際に有権者に何を訴えて当選したのか。あるいは、何を訴えた候補者は落選したのか。
 選挙公報は、政治家が自ら発した言葉に責任を持つと同時に、私たち有権者が選挙の際に何を選択したのか、についての責任を考える重要な道具となるはずです。

 したがって、私たちは下記の4項目を総務省ならびに選挙管理委員会に要望します。

 選挙期間中にアップロードした選挙公報は、少なくとも政治家の任期中は各選挙管理委員会のサーバーから削除しないでください。

 選挙公報を発行していてもインターネット上で公開していない自治体は、有権者の利便性向上のために公開に向けた取り組みを進めてください。

 無投票となった選挙でも、立候補時の意気込みや提言に責任をもった仕事をしてもらうため、選挙公報を公開してください。

 選挙公報を発行していない自治体は条例を制定して、次の選挙から選挙公報を発行するようにしてください。


選挙公報を活かす会

https://www.change.org/p/選挙が終わっても選挙公報を消さないでください

10,319 人が賛同しました。もう少しで 15,000 人に到達します!

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2019年04月23日

バンカ島虐殺事件

 第2次世界大戦中の1942年、オーストラリアの女性看護師の一団が、日本軍兵士たちによって殺害された「バンカ島虐殺事件」。
 いま、一人の歴史研究者が入手した証拠から、ある事象が浮かび上がりつつある。
 看護師たちは殺害前、日本兵たちに性的暴行を受け、オーストラリア当局がそれをひた隠しにしてきたというのだ。

「この真実を発掘し、ついに公表するには、複数の女性の力が必要だった」

 軍事史を研究するリネット・シルヴァーさんがこう言う「真実」とは、1942年2月にインドネシア・バンカ島で、海の中へ歩かされ、機関銃で銃撃されたオーストラリア人看護師22人の身に起きたことを指す。
 看護師たちは1人を除いて全員殺された。

「それだけでぞっとした。でも、殺害前に強姦されていたなんて、語るにはむご過ぎる真実だった」

 シルヴァーさんは、新著で詳しく書いた証言について、こう話す。

「オーストラリア軍の高官たちは、悲しみに暮れる遺族たちに、家族が強姦されていたという不名誉を与えたくなかった。恥ずべきことだと思われていたので。レイプは死よりもひどい運命と考えられ、ニュー・サウス・ウェールズ州では1955年まで(加害者が)絞首刑による極刑で処罰されていた」

 唯一の生存者看護師のヴィヴィアン・ブルウィンクルさんは、虐殺事件で体に銃弾を受けたが、死んだふりをして生き延びた。
 ジャングルに身を隠し、やがて戦争捕虜となり、のちにオーストラリアへ帰国した。

 第2次世界大戦後に開かれた東京裁判では、ブルウィンクルさんは強姦について「話すのを禁じられた」と、シルヴァーさんは言う。
 ブルウィンクルさんは2000年に死去したが、何があったのか、テレビキャスターに伝え残していた。
 シルヴァーさんが今回調べたのは、その内容だ。

「ヴィヴィアンは命令に従っていた」とシルヴァーさんは言う。

「(強姦被害について黙ったのは)タブーというのもあったし、オーストラリア政府には多少の罪悪感があったのだろう。政府高官は、1942年の香港侵攻の際、日本兵がイギリス人看護師たちをレイプし、殺害したのを知っていた。それなのに、オーストラリア人看護師をシンガポールからなかなか避難させなかった」

 オーストラリア政府によれば、虐殺の実行者は今も特定されず、「罪について何も処罰されていない」。

 オーストラリア国防軍の報道官は、この性的暴行の訴えについて新調査に着手するかは、政府の判断次第だが、関係者の家族が、こうした犯罪調査の担当部署に「歴史的な新証言を提供することはできる」と説明する。

 何が起きたのか調査シルヴァーさんのほかにも複数の女性が、看護師たちへの性的暴行の証拠を発掘した。
 テレビキャスターのテス・ローレンスさんと、伝記作家のバーバラ・エンジェルさんだ。

 エンジェルさんは、ブルウィンクルさんが着ていた看護師の制服に残された、色違いの糸と銃弾の穴について調べた。

 その結果、上半身のボタンがいったん引きちぎられ、後に(ブルウィンクルさんの死後、制服が展示された際に)、そこだけ違う色の糸で縫いつけられた様子がうかがわれた。

 さらに、制服の2カ所に残る銃弾の痕(銃弾が入った時の穴と出た時の穴)がぴったりそろうには、ブルウィンクルさんの制服は腰のあたりで開かれ、前の部分が下がっていたはずだということも浮かび上がった。

 ローレンスさんは2017年、ブルウィンクルさんから生前に打ち明けられたという話を報じた。
 それは、「ほとんどの」看護師が銃殺される前に「暴行された」という内容で、ブルウィンクルさんは、そのことを公表したかったができず、秘密はブルウィンクルさんを「苦しめた」と言っていたという。

 シルヴァーさんはこのほか、バンカ島でマラリアの手当てを受けていた日本兵の証言にも言及している。
 その兵士はオーストラリアの調査官に、当時、悲鳴を聞いたと話した。
 また、兵士たちが「海岸で楽しんでいるところで、次は隣の小隊の番だ」と聞かされたと証言していた。

 シルヴァーさんはさらに、看護師たちに起きたことの詳細を記録した文書から、重要な証言部分が抜き取られていたことも発見した。
 検閲があったとシルヴァーさんはみている。

 その証言はジーン・ウイリアムズさんによるもので、東京裁判の豪州戦争犯罪局のために夫のハロルド・ウイリアムズ少佐がどのような調査を実施したかという内容だった。

 豪ニュー・サウス・ウェールズ大学のピーター・スタンリー教授(軍事史)は、シルヴァーさんの主張は決して意外ではないと話す。

「この話が表に出るのをずっと待っていた。長年、うわさされていたし、ヴィヴィアンさんを知る元女性兵ちが私に話してくれたこともあった。第2次世界大戦中に香港やフィリピン、シンガポールで記録された、日本兵による性的暴行とも一貫性がある」

 軍の「人気者」シルヴァーさんによると、オーストラリア人看護師たちは、虐殺される前の1941年までシンガポールで「何の悩みもない、幸せな人生」を送っていた。

「看護師たちは軍の人気者で、食事や酒をごちそうしてもらっていた」とシルヴァーさんは言う。

「看護師たちは、平時の軍隊にありがちな、訓練中の事故や、自動車事故、マラリアといった問題に対応していた」

 1941年12月8日、日本軍は真珠湾攻撃の数時間前にシンガポールに侵攻した。
 それを機に、看護師たちの人生は一転したとシルヴァーさんは言う。

「看護師たちは、戦闘による負傷者の多さに圧倒された。シンガポールでは民家も病院として使われた」

 ブルウィンクルさんが1945年と1946年に話したいと思っていた「ありのままの真実」を伝えるのは、重要なことだとシルヴァーさんは言う。

「もし私がこの秘密を語らなければ、私自身も、沈黙の風潮と政府の圧力に加担して、加害者を守ることになってしまう」とシルヴァーさんは言う。「看護師たちの話を語る必要がある。それでやっと、彼女たちの正義が実現する」

 シルヴァーさんのもとには最近、看護師たちを個人的に知っているという人たちからメールが届くという。

「寝た子を起こすなと言われるのではないかと少し心配していたが、私をけなすような内容のメールは1通も受け取っていない」

 オーストラリア戦争記念館(AWM)には、すでに看護師たちの虐殺についての展示はある。
 しかしシルヴァーさんは、性的暴行の訴えがあることも展示に反映してもらうよう希望している。

 AWM館長のブレンダン・ネルソン博士はBBCの取材にこう述べた。

「私たちは訴えを否定も軽視もしない。実際、戦争ではレイプや性的暴行が武器として使われることは知られている。しかしながら、事件の唯一の生存者であるブルウィンクルさんは約20年前に亡くなっていて、何が起きたのかわからないし、今後も確実に知ることはできない」

#MeTooと比べて

 シルバー氏は性暴力被害への連帯を示す世界的な「#MeToo」の運動を意識しながら、次のように言う。

「問われている社会的道徳観は同じだ。女性は何か発言したくても、待つよう強いられていると感じてきたし、犠牲者として責任があると思わされてきた。#MeTooはヴィヴィアンに、ついに告発する自信を与えただろう」

「女性の歴史作家は一般的に、どれだけ銃が使われたかよりも、人間的な要素に興味を引かれる。女性は共感力がある」

 今回の証拠を発掘した3人の歴史研究者が3人とも女性だったことが、そのことをよく示しているとシルヴァーさんは言う。

「歴史(history)が『彼の話(his-story)』として語られるのをずっと聞いてきた。今回はその反対だ」

(英語記事 A WW2 massacre and revealing 'an awful secret')

[photo-1]
Vivian Bullwinkel was the sole survivor of the Bangka Island massacre

[photo-2]
Bangka Island lies off Sumatra in the Indonesian archipelago

[photo-3]
Nurses who were not on Bangka Island arrive back in Singapore after evacuation from Sumatra in 1942

[photo-4]
Bullet holes in Vivian Bullwinkel's nurse's uniform

[photo-5]
A passage of Jean Williams' historical account was removed

[photo-6]
Lynette Silver has won awards for her work as a "historical detective"

[map] Bangka Island

Yahoo! Japan News、4/22(月) 16:02配信
1942年に日本兵、豪の看護師21人を銃殺する前に何を
真実追求の動き

ギャリー・ナン、シドニー、BBC News Japan
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190422-47986990-bbc-int

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N国党と幸福党の“躍進”

 22日、東京都の3区長選と6区議選の開票を終え、当選者が出揃った統一地方選の後半戦。
 「スマイル〜!」の決めゼリフでおなじみの“泡沫候補”マック赤坂氏が14回目の挑戦となる港区議選で初当選するなど、驚きの結果が出たが、他にも注目すべき点がある。
 「NHKから国民を守る党」(N国党)と「幸福実現党」(幸福党)の“躍進”だ。

 N国党は、今回の統一地方選で新人47人のうち26人が当選。
 現職議員13人と合わせ、全国の地方議会で39議席を有するまでになった。
 一体、勝因は何だったのか。
 N国党代表の立花孝志葛飾区議がこう言う。

「ネットを使って、主に10代、20代の若者をターゲットに『NHKをぶっ壊す!』と訴え続けてきました。数字を見て勝てるところに候補者を擁立したことが奏功したと思います」

 どうやって「ぶっ壊す」のかはお手並み拝見だが、政界関係者をザワつかせたのが、幸福党の伸長だろう。
 支持母体はご存じ、宗教家・大川隆法氏が総裁を務める宗教団体「幸福の科学」。
 タレントの清水富美加が芸能事務所を脱退し、「千眼美子」の名で出家した団体としても有名だ。

 道府県議選など前半戦(7日投開票)の当選者は「ゼロ」だったが、後半戦は19人が当選し、所属議員は全国で35人になった。
 一部の地方都市では立憲民主などを上回っていて、ネット上では<不気味で気になる>との書き込みもチラホラ。
 議席を大幅に増やした背景はいったい何なのか。

「女性の社会進出を訴えてきたのに加え、講演会などで地域の『お困りごと』を聞く活動を続けてきました。(躍進は)いわゆる“地上戦”を積み上げてきた結果だと考えています」
(幸福党広報担当)

 政治ジャーナリスト・角谷浩一氏はこう言う。

「(N国党、幸福党の躍進は)有権者が既存政党への不信感を抱いているからでしょう。国政レベルの政策が、地方の実情に合致するとは限りませんから。近年の選挙の投票行動を分析すると、政党で判断する有権者が少なくなっている。そのため、知名度の低い政党でも、政策が個人のライフスタイルや価値観に合っていれば票が流れています」

 いよいよ混沌とした時代になってきた。


日刊ゲンダイ、2019/04/23 14:50
統一地方選で2ケタ議席「N国党」と「幸福党」大躍進のナゼ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252505

 ヤッホーくんがご尊敬申し上げているお医者さまのコメントです:

 統一地方選挙で、カルト・極右政党が議席を伸ばした。
 ポピュリズムに基づく社会の極右化が一層進んでいる。
 かのカルト宗教政党の綱領を見ると、極右思想と新自由主義経済が合わさったもの。
 国民にとって耳障りの悪いことは何もなし。
 むしろ、消費税減税等大盤振る舞いをすることが書かれている。
 日本の軍備を増強し、核武装をすべきだ、過去の歴史は無視し皇国史観に立つ、さらに法人税・相続税・所得税の減税を行なう、という政策になっていない項目の羅列である。
 政策実現の根拠・方策は何も記されていない。
 宗教と政治の分離を取り払い、緊急法令の施行権限を持つ大統領制にする、と記されている。

 しかし、少し立ち止まって考えると、現政権の主張とオーバーラップする。
 現政権の主張を極端に推し進めると、このカルト政党と同じになる。
 自民党は、米国をトップに据えた新たな国体を信奉する一種のカルトである。
 ポピュリズムと国民の政治無関心を梃に、さらに権力を拡大し、維持しようとしている。

 NHKを始めとするマスコミの権力へのすり寄りもすさまじい。
 天照大神が、皇室の「祖先」だ、と報じたNHKは buzzfeed からその真意について問い合わせを受けて、このように答えた(*)。

「一部、丁寧さを欠いた表現がありました。今後はより丁寧な表現での報道につとめていきます」

 丁寧さとは一体何なのか。
 一部だけが問題なのか。

 NHKは、皇国史観に舵を切った。

 社会の劣化が進む。


(*)
 退位を控えた天皇皇后両陛下は4月18日、伊勢神宮(三重県伊勢市)に参拝された。
 このニュースをめぐって、NHKが皇室の祖先は「天照大神」と報道。
 神話と史実を混同するような内容だとして、批判の声が出ている。

退位に伴う儀式をめぐる報道だった

 天皇皇后両陛下は18日、退位を報告するため伊勢神宮の「外宮」と「内宮」を参拝された。
 退位に伴う一連の儀式の一つで、両陛下にとっては在位中最後の地方訪問となった。

 この儀式について、NHKニュースは18日に「皇室の祖先の『天照大神』がまつられる伊勢神宮の内宮」と報道。
 その後に記事は更新され、「皇室の祖先をまつる伊勢神宮の内宮」と記されている。

 NHKは、同日夜の「ニュースウォッチ9」でも「伊勢神宮の内宮は皇室の祖先の天照大神がまつられています」とナレーションで紹介した。
 こうしたNHKの報じ方について、Twitterでは「NHKによる現人神宣言」「NHKは神話と現実を統合することにしたらしい」などと、批判や疑問の声があがっている。
 漫画プリニウスの公式Twitterは、「NHKのニュースが『皇室の祖先とされている』ではなくて『皇室の祖先のアマテラスオオミカミ』と言った…』と、戸惑った様子で報告している。

「皇室の祖先とされる」などの表記が通例

 皇室と天照大神の関係について説明する際、報道では「皇室の祖先とされる」「皇室の祖先神」などと表記し、天照大神はあくまで宗教上の存在であることを示すのが通例だ。
 こうした表記がされる背景には、神格化した天皇を中心に構築された戦前の国家体制への反省がある。

戦前は「現人神」とされた天皇

 戦前、天皇は「現御神(あきつかみ)」「現人神(あらひとがみ)」として神格化され、その存在は絶対的なものであった。
 大日本帝国憲法では「神聖ニシテ侵スヘカラス」とされ、国家神道の中心的な役割を担った。

 教育現場では建国神話は史実として教えられ、国家神道は軍国主義と結びつき、利用され、当時のマスコミもその一翼を担った。
 やがて「天皇」の名のもとに、日本は戦争へと至った。

 敗戦後、天皇の地位は大きく変わった。
 1946年1月1日、昭和天皇は詔書を発し、現人神であることを否定した。
 いわゆる「人間宣言」だ。

 戦後、日本を占領統治した連合国軍総司令部(GHQ)は、1945年12月に神道指令を発し、国家神道の解体と宗教・国家の分離を促した。
 日本国憲法で、天皇は「象徴」として定義された。
 政治と宗教の分離も明記された。

 今回の伊勢神宮への参拝は、国事行為ではなく皇室行事と位置づけられている。
 天皇陛下はモーニングコート、皇后陛下は参拝服で、馬車は使わない簡素なものとなった。
 これは天皇陛下の意向だという。
 儀式に参加する両陛下の交通費などは、私費である「内廷費」を充てる。

他社はどう報じた?
・朝日新聞「天照大神をまつる内宮」
・読売新聞「皇室の祖神とされる天照大神をまつる伊勢神宮」
・毎日新聞「天照大神を祭る内宮」
・産経新聞「皇祖神の天照大神を祭る内宮」
・日経新聞「皇祖神の天照大神がまつられている内宮(皇大神宮)」
・共同通信「皇室の祖神とされる天照大神を祭る伊勢神宮の内宮」
・時事通信「天照大神を祭る内宮」
・日本テレビ「皇室の祖先とされる天照大神をまつる伊勢神宮」
・TBS「皇室の祖先神である天照大御神を祀る伊勢神宮」
・フジテレビ(FNN)「天皇家の祖先とされる天照大神をまつった内宮」
・テレビ朝日(ANN)「皇室の祖とされる「天照大神」が祭られている内宮」
・テレビ東京「皇室の祖神とされる天照大神を祭る伊勢神宮」

NHK広報局「丁寧さを欠いた」

 NHK広報局は BuzzFeed News の取材に対し、「伊勢神宮の内宮についての説明で、一部、丁寧さを欠いた表現がありました。今後はより丁寧な表現での報道につとめていきます」と文書で回答した。


Buzzfeed News、2019/04/19 11:23
NHKが「皇室の祖先は天照大神」と報道→「現人神宣言か」と疑問の声
神話と史実を混同するような伝え方だとして、疑問の声が出ている。

吉川 慧 BuzzFeed News Reporter, Japan
https://www.buzzfeed.com/jp/keiyoshikawa/nhk

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マック赤坂さん初当選、港区議

 ヤッホーくんのこのブログ、次の日付の日記をぜひお読みください:
・ 2013年10月30日「秋は、映画館」
・ 2013年11月05日「立候補」
・ 2013年11月16日「JPタワー」
・ 2014年12月02日「マック赤坂」
・ 2016年04月12日「ホモルーデンス」
・ 2019年03月04日「栗城史多は、誰か。」

 54人で34議席を争った東京都港区議選で、これまで独特の選挙活動を展開してきた無所属新顔のマック赤坂氏(70)が30番目の得票で初当選を果たした。

 マック赤坂氏は「スマイル党」を立ち上げ、2016年の東京都知事選や国政選挙など、過去に10回以上立候補。
 政見放送に奇抜な服装で臨むなどして、ネット上で話題を呼んできた。

 今回の港区議選では、公約として「老人・介護施設を3倍増」「毎月8日をスマイルデーに」などと主張。
 選挙期間中にツイッターで「選挙人生、今回の港区議選をもって最後とすることにしました。その間多くのご批判を頂きましたが同時に本当に多くのご支援も頂きました」とつぶやいていた。


【動画】京大OBのマック赤坂さんが大学時代を振り返る

朝日新聞、2019年4月22日00時50分
マック赤坂氏、港区議選に初当選
奇抜な政見放送で話題

https://www.asahi.com/articles/ASM4Q049DM4PUTIL02Z.html

 東京都港区議選で、14回目の選挙挑戦となったマック赤坂(本名戸並誠)さん(70)が初当選した。
 港区の自宅で取材に応じ「年齢もあるし、これが最後の選挙という気持ちだった。信じられず、票の数え間違いではないか」と喜んだ。

 名古屋市出身で京都大卒業後、伊藤忠商事を経て、笑顔のつくり方とその効用を教えるサロンを開業。
 政治団体「スマイル党」の総裁となり、2007年の港区議選を皮切りに参院選や都議選に出馬してきた。
 ユニークな政見放送でも知られ、スーパーマンの衣装で登場したことも。
「初登庁はインパクトを与えたい。スーパーマンで行くとか」と笑った。


[写真]

東京新聞、2019年4月22日
マック赤坂さん初当選
港区議

https://www.tokyo-np.co.jp/article/senkyo/chihosen19/sogo/list/CK2019042202000154.html

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インド出身よぎさん、江戸川区議に

 統一地方選の東京都江戸川区議選(2019年4月21日投票、翌22日開票)で、立憲民主公認で立候補したインド出身のよぎ(本名プラニク・ヨゲンドラ)さん(41)が初当選した。
 6477票を得て、5番目で当選したよぎさんは22日、民族衣装をまとい、「日本人と外国人の架け橋になりたい」と抱負を語った。

 初来日は大学生だった1997年。

「清潔で、みんなが親切だった」

 2年後に日本に留学した。
 2001年には日本国内の企業にエンジニアとしてやってきた。

 銀行などに転職しつつ、日本社会に根付くきっかけとなったのが東日本大震災だった。
 江戸川区のインド人仲間と週末を利用して被災地を訪れた。
 カレーを作り、日本語で話しかけると笑顔がかえってきた。
「自分はもう日本の人になったんだな」と感じた。
 翌年、日本国籍を取得した。

 政治の道を目指したのは、大好きな日本の地域のために尽くしたいと思ったから。
 江戸川区には国内のインド人の1割以上に当たる約4300人が暮らす。
 中国人や韓国人らも多いが、子どもたちを中心に日本語が分からない人たちはコミュニティーから孤立しているようにみえた。

「日本での20年の経験を生かし、国籍、年齢、障害の有無も飛び越えて、みんなをつなげられる議員になりたい」


[写真-1]
東京都江戸川区議選で初当選した、よぎさん。支持者から花束を贈られた=2019年4月22日午後6時40分、東京都江戸川区東葛西6丁目

[写真-2]
東京都江戸川区議選で初当選した、よぎさん=2019年4月22日午後6時29分、東京都江戸川区東葛西6丁目

朝日新聞、2019年4月22日21時49分
2019統一地方選挙
「日本人との架け橋に」インド出身よぎさん、区議に
(清水大輔)
https://www.asahi.com/articles/ASM4Q5DCHM4QUTIL03F.html

 2019年4月22日開票の統一地方選・東京都江戸川区議選(定数44)で、愛称の「よぎ」で出馬したインド出身の男性が初当選した。
 国内の市区町村でインド人が最も多い同区で得た議席。
「地域と外国人コミュニティーの懸け橋になる」とよどみない日本語で抱負を語った。 

 江戸川区内では1990年代後半からインド出身者が増えた。
 多くがIT関連に勤め、今は約4千人が暮らす。
 インド人の両親をもつプラニク・ヨゲンドラさん(41)もその一人。
 日本文化を学ぶため1997年に来日し、2005年から江戸川区に住む。
「よぎ」は知人からの愛称だ。

 自治会活動にも積極的で、移り住んだインド人にごみの出し方など、日本のマナーを伝えてきた。
 2011年の東日本大震災では、自治会役員としてお年寄りの家を夜通し回り、倒れたたんすを起こした。
「インドよりも近所付き合いの密度が濃く、自分の支えになっている。このまま日本に住みたい」と感じ、翌2012年、日本国籍を取得した。

 長男が区立中学校に通っていた3年前、「授業が教科書に頼りすぎだ」と疑問をもった。
 しかし区教育委員会は取り合わない。
「議員になれば、変えられるのでは」と思い立った。

 区議選では立憲民主の公認を受け、選挙カーを準備した。
「演説の仕方は他の候補者をまねた」と照れ笑い。
 期日前投票をした人の「よぎに入れたよ」という言葉が支えになった。

 区内にインド出身の有権者はわずかしかいないが、6477票で5位当選。
 今や日本語で夢を見るというよぎさんは「インドのように、生徒が議論して答えを導くプロセスが大切。教育の質を高めたい」と演説でかれた声で誓った。


[写真]
江戸川区議選で当選を果たし、支持者に囲まれ笑顔を見せるプラニク・ヨゲンドラさん(左端)=22日、東京都江戸川区で

東京新聞、2019年4月23日
インド出身男性、江戸川区議当選
外国人社会と地域の懸け橋に

(加藤健太)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/senkyo/chihosen19/sogo/list/CK2019042302100004.html

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新党憲法9条の旗を掲げて市会議員選挙を戦った小林勇治候補が当選

 ヤッホーくんのこのブログ、2019年04月19日付け日記「矢板市の市議会議員候補者、小林ゆうじ」をぜひお読みください。
 投票結果が分かりました、当選です、おめでとうございます!

小林ゆうじ候補の応援演説
https://www.youtube.com/watch?v=-sFcJ1hwQuM

新党憲法9条の市議会議員が誕生しました
https://www.youtube.com/watch?v=-sFcJ1hwQuM

 応援していただいた皆様にうれしい報告をさせていただきます。
 4月21日投開票日の栃木県矢板市の市議会選挙で、新党憲法9条の旗を掲げて市会議員選挙を戦った小林勇治候補が当選しました。
 憲法9条の大切さを訴えて地方選挙に勝てるはずがない、という批判にもめげず、堂々とそのことを訴えた小林さんこそ私の同志第一号になりました。
 天皇陛下が退位される直前に何とか間に合いました。
 憲法9条を国是とすることを公約に掲げた新党憲法9条が実現したのです。
 これで私の役割は終わったと思えるほどうれしい日でした。
 みなさんの遠くからの応援が厳しい戦いを勝ちきった貴重な一票になったと確信しています。
 ありがとうございました。


天木直人のブログ、2019-04-22
新党憲法9条を掲げた市会議員が誕生しました
http://kenpo9.com/archives/5857

 多くの支持者から祝福のメールをいただきました。
 そのお礼をかねて当選の第一報が届いた昨晩の喜びの瞬間の動画を以下の通りお知らせします。
 写真でよかったのですが、写真の掲示方法がわからなかったので動画にしました。
 雑音が入ってお聞き苦しいと思いますがご容赦ください。
 すべては小林議員のおかげです。
 後ろに見える新党憲法9条の「のぼり」は彼が作成して選挙期間中、掲げてくれました。
 記念すべき「のぼり」になりました。

 https://www.youtube.com/watch?v=L0z2tGY1pB4

天木直人のブログ、2019-04-22
新党憲法9条の政治家が誕生した瞬間の動画です
http://kenpo9.com/archives/5859

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2019年04月22日

官尊民卑

 日本には世直ししなければならないテーマが山積している。

 安倍政治を終焉させて、日本の世直しを実現する政権を早期に樹立しなければならない。


 日本の世直しのテーマとは何か。

 この国のかたちに関わる問題と経済政策に分けて提示すると以下のとおりになる。

 この国のかたちに関わる問題として以下の五点を挙げることができる。

1.対米従属

2.情報空間

3.教育

4.官尊民卑

5.刑事司法

 この五つのテーマを解決することが必要だ。

 経済政策についても五つのテーマを挙げることができる。

1.所得分配

2.税制

3.民営化

4.TPPプラス

5.利権財政

 これらのテーマについて明確な解を求める。

 その解を実現する新しい政権を樹立しなければならない。

 これが日本の世直しである。

 ここでは、刑事司法と官尊民卑について取り上げておきたい。

 4月19日、池袋でトヨタ製乗用車プリウスが暴走し、自転車で横断歩道を渡ったいた松永真菜さんと、娘の莉子ちゃんを殺害する事件が発生した。

 加害者は87歳の男性である。

 事件を起こした車は左側面をガードパイプに接触した後、速度を上げて約70メートル先の交差点に進入して自転車で横断中の70代男性をはねた。

 さらにその先の交差点で松永さん親子をはねた。

 車は時速100キロを超すスピードで横断歩道に侵入したが、信号機はいずれも赤信号であったと見られている。

 通常、警察当局は、この種の事件の加害者を逮捕して取り調べを行う。

 ところが、今回の事件では加害者が逮捕されておらず、報道でも一部では敬称をつけて加害者の名前が公表されている。

 極めて奇怪な対応である。

 同様の奇怪な対応が示された重大事件があった。

 昨年2018年2月に東京都港区白金で発生した自動車による歩行者殺害事件である。

 トヨタの高級車「レクサス」を運転していた加害者が道路の路肩でいったん停車し、知人を乗せようとした際に急発進して暴走。

 歩道を歩いていた37歳の男性をはねて殺害し、さらに道路脇の金物店に突っ込んで建物の柱やシャッターなどをめちゃくちゃに壊したのである。

 実はこの重大事件でも加害者が逮捕されていない。

 極めて奇怪な対応である。

 二つの事件の加害者に共通する属性がある。

 4月19日の事件の加害者は無職の飯塚幸三氏であるが、飯塚氏は以下の経歴の持ち主である。

  東京大学卒
  経済産業省工業技術院長
  株式会社クボタ副社長
  2015年瑞宝重光章受章

 元キャリア官僚で、トヨタを所管する経済産業省出身者である。

 2018年の白金事件の加害者は石川達紘氏(79歳、事件当時78歳)である。

 石川氏の経歴は以下の通り。

  中央大学法学部卒
  東京地検特捜部長
  名古屋高検検事長
  2009年瑞宝重光章受章

 こちらも官僚出身で検察高官を務めた人物である。

 日本の刑事司法は完全に腐敗している。

 最大の問題は警察、検察に不正で不当な巨大裁量権が付与されていることだ。

 その裁量権とは、

1.犯罪が存在するのに無罪放免にする裁量権

2.犯罪が存在しないのに無実の人間を犯罪者に仕立て上げる裁量権

である。

 上記2名の加害者は1によって逮捕されず、私などは政治権力にとって危険な人物であることを理由に2によって犯罪者に仕立て上げられた。

 こうした日本の刑事司法の腐敗を是正する必要がある。

植草一秀の『知られざる真実』、2019年4月21日 (日)
人を轢き殺しても逮捕もされない人たち
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-61c84d.html

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新元号「令和」

メディア総動員で期待感を演出

 公文書の改竄(かいざん)に統計不正、閣僚の失言など、平成末の政治の深刻さを覆い隠すかのように、「改元」は社会に華やいだ雰囲気をもたらしているようだ。

 浮かれた空気は新元号の発表前からあった。
 新聞やテレビでは、通行人や女子高生に面白おかしく新元号を予想させるなど、新元号をネタにするニュースが溢れた。
 本番の「令和」の発表にあたっては、官邸が Instagram の予告機能を使ったほか、Twitter や YouTube といったSNSの首相官邸アカウントを通して、インターネットでライブ配信が行われた。
 もちろん伝統的なマスコミも「改元シフト」で手厚く報道した。

 かくして、新旧メディアが総動員で令和への期待感が賑々(にぎにぎ)しく演出されたのである。

政権、メディアにとって好影響

「成果」はどうだったか?

 2019年4月10日の読売新聞朝刊の「深読み視聴率 関東地区」欄は、
「多くの人びとがテレビを通し、新元号の発表を見守ったに違いない。1日の各局のニュースが軒並み高視聴率だった。新元号発表の瞬間を中継した午前11時からの『ニュース』(NHK)が19.3%で、新元号を報じたこの日の番組で最も高かった」
と書いている。

 元号を公表した菅義偉官房長官がネットで人気とも報じられている。
 ネット配信も行なわれたので、令和を掲げて見せた菅官房長官は、若い世代の間でも「令和おじさん」として認知されるようになったようだ。

 菅官房長官が得たのは新しい愛称だけではない。
 直後の世論調査では、「ポスト安倍」の候補として浮上したと産経新聞は報じている。

 また、令和公表直後に実施された各社の世論調査は、内閣支持率の大幅改善を伝えている。
 新元号の発表はメディアと政権の双方にとって好ましい影響を与えたといえそうだ。

「政治ショー」をどうとらえるか?

 「国民生活への影響を最小限度に」と天皇が望んでいたはずの改元だが、新紙幣の図柄の公表、日本で初めてのG20首脳会談開催など、幾つかの「政治ショー」が重なっている。
 こうした政治ショーをわれわれはどのようにとらえればいいのだろうか。

 「たまたま」なのか、意図的か。
 そもそも政治ショー化それ自体を批判する声もある。

 もちろん、ときの政権が、政策を分かりやすく示して周知をはかること、タイミングをみて施策を講じること自体は、非難されるべきものではない。
 また、政治ショー批判は道義的なものであり、もっと言えば、政治ショーかどうかも明確には割り切れない。

 だが、その一方で、現在の政治において、イベントとその日程、それに関する広報が専門性をもってデザインされているのも事実である。
 省庁再編とともに設置された政治任用の事務次官級ポストの内閣広報官と内閣広報室が中心となり、政府広報室も一体となった運用体制がつくられ、国際広報も含めて情報デザインは精緻(せいち)になる一方だ。

 現在の安倍晋三政権は選挙日程の管理と広報に明らかに長けている。
 この政権には、2000年代に小泉純一郎政権のもと、政府と党の広報に関する仕事を経験した人が、安倍首相を含めて多い。
 安倍首相は官房長官、官房副長官、自民党幹事長を歴任したが、小泉内閣が広報ツールとして導入した「官邸メールマガジン」の初代編集長は、当時の官房副長官だった安倍氏である。

 「たまたま」か否か(≒意図的かどうか)という問題に決着をつけるのは難しい。
 事実を列挙しながら、蓋然性を推測するしかない。
 ただ、政治ショーの背後に“プロ”の手が加わっている点は忘れるべきではない。

平成、令和の初めの共通点は夏の参院選

 昭和が終わったとき、平成の終わりに平成後の元号が、今のような空気感で公表されるとは、誰も想像しなかったであろう。

 思い返せば、バブル経済の渦中にありながら、昭和天皇の体調不良と崩御で自粛ムードが社会を覆っていた昭和の終わり(平成の始まり)と、平成の「失われた30年」の痕跡を色濃く残しながらも、東京五輪を翌年に控えて漠然とだが華やいだ雰囲気が漂う現在の経済や世相とは、対照的である。

 ただ、このふたつには共通点がある。
 いずれも夏に参院選が行われることだ。

 平成元年、つまり1989年は、第15回参院選が実施された年だった。
 この参院選で自民党は大敗を喫した。
 前年に発覚したリクルート事件で自民党の腐敗体質が問われたこと、やはり平成元年に導入された消費税に世間が厳しい目を向けたためだった。
 参議院で過半数割れに陥った自民党では、その後、政治改革をめぐり党内対立が激化、非自民連立政権の誕生と55年体制の終焉を迎える。

 令和元年の2019年夏には第25回参議院選挙が実施される。
 今年は、朝日新聞社の政治記者だった石川真澄が「亥年選挙」と名付けた、統一地方選挙と参院選が同時実施される年にあたる。
 相次ぐ選挙に組織が疲弊するため、組織への依存度が高い与党が議席を減らしがちだという経験的知見が、選挙の世界ではよく知られている。

 今年の参院選はどうか。
 統一地方選の結果や政党間の現状を見ると、野党は厳しい状況におかれている。
 地方組織の整備も進まないうえ、政党としての主張も明確ではなく、平成元年参院選の再来は容易ではなさそうだ。

 そうであるにもかかわらず、与党自民党では「安倍4選」がまことしやかに語られ、政権末期のレームダック化を避けるためか、与党は参院選に向けて引き締めを強めている。
 負の時代を繰り替えさないという政権の思惑が伺える。

明るいニュースが氾濫すると……

 そんな政治の動きや思惑を知ってか知らずか、メディアは改元や新通貨の図柄といった「明るい(しかし毒にも薬にもならない)ニュース」をしきりに流す。
 問題は、こうした「明るいニュース」はメディアの報道量を大きく消費することだ。

 とりわけ、演出力に長けるテレビ(その一方で、専門報道の体制は新聞に大きく劣る)は「ひとネタ」あるだけで、あっという間に視聴者が安心して楽しめる情報番組の企画をつくりあげる。
 そこに現れるのは、「女子高生が考えた改元案一覧」といったひと笑いはできる企画である(ちなみに筆者は今回、異なる放送局の複数の番組で似た企画を目にした)。

 テレビの企画力や演出は驚異的な職人技ではあるが、知性や理性の補完にはあまり貢献しない。
 そして、「毒にも薬にもならないが、ちょっと笑える企画」は、テレビから「その他のニュース」を報じるだけの時間(尺)を削っていく。

 よほど世間の関心を集める「重要ニュース」がなければ、多くの場合、コストの問題で報道番組の長さや紙面のベージ数は変わらない。
 つまり、各ニュースの報道量はそれぞれトレードオフに近い関係にある。
 紙幅の制約の大きい新聞、雑誌は言うまでもなく、忘れられがちだがネットニュースでさえ、多くの人が目を通すトップ画面の表示量には限界があるため、事実上の「紙幅による制約」は存在する。

 改元をめぐる報道や、その政治ショー化によって、メディアの一定量が消費される半面、何が報道されなかったのか。
 政治、とりわけ政権が、情報デザインに長けているだけに、そこに思いをはせる想像力が必要ではないか。

「熟慮のメディア」が新聞の役割

 政治は国民の理性を涵養(かんよう)すべきだという立場から、「政治ショー」を道義的に批判することはもちろん可能だ。
 しかし、民間でも広報戦略や手法の高度化が進んでおり、政治に「民間並み」を求める風潮もあるから、政治のショー化を止めることは現実には難しい。
 かといって、「メディア・リテラシー」の向上もなかなか期待できない。
 一般の視聴者や読者にとっての利得は少なく、政党や政治家ほど政治に対する、体感しやすい利害関係を持たないからだ。

 そのなかにあって、相対的に新聞は「政治ショー」批判に向かっている。
 これはある意味正しい。
 テキストが媒体の中心で速報性の面で優位性を失っていくなかで、「熟慮のメディア」としての地位を模索するべきであろう。

[写真-1]
新しい元号「令和」を伝える新聞各紙号外

[写真-2]
新元号「令和」を発表する菅義偉官房長官=2019年4月1日、首相官邸

[写真-3]
新しい日本銀行券について説明する麻生太郎財務相=2019年4月9日、東京・霞が関

[写真-4]
1989年参院選。自民党の大敗に厳しい表情を見せる自民党の橋本龍太郎幹事長(中央)。非改選議席と合わせても参院の過半数を大きく割り込み、与野党の議席が逆転した=1989年7月23日

論座、2019年04月21日
令和への期待を盛んに報じるメディアが陥った陥穽
とにかく「明るい」ニュースの氾濫で何が報じられていないか、に思いをいたそう

西田亮介、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019041800011.html

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2019年04月21日

誹謗中傷するサイトが拡散

 ヤッホーくんのこのブログ、2019年02月20日付け日記「完全なデマ !」をお読みください。
 なんか今日もまた こんなことを読んで、この国の今と未来に不安をかかえているようです。

自民党には「人の死について語るときは笑顔で」といった党是でもあるのだろうか。
https://twitter.com/shibuya1972/status/1119753872346578950

「吉本」の舞台から → (略)大阪の皆さんにご理解とご協力をお願いしました。 − 安倍晋三 ← アホとしか言えんわ!
http://mokuou.blogspot.com/2019/04/blog-post_20.html

 ネット上に大量拡散している野党や政権批判メディアを攻撃するデマやフェイク情報。
 そのかなりの部分が、官邸や自民党周辺の人脈から出ているのではないか、との観測が根強くあったが、ここにきて、それを裏付けるような話が浮上した。

 問題になっているのは「政治知新」なるネトウヨ向けサイトだ。
 沖縄県知事のさなか、玉城デニー沖縄県知事の大麻吸引というデマを流したのをはじめ、フェイクやデマを交えてしょっちゅう野党や政権批判者を攻撃している一部では有名なサイトだが、先日、その運営者が菅義偉官房長官の息のかかった自民党神奈川県議の弟であるとの疑惑が持ち上がったのである。
 しかも、その運営者とされる本人はなんと、4月13日に開催された安倍首相主催の「桜を見る会」に招待されていたという。

 この疑惑が浮上したのは、「政治知新」が11日に〈共産党の吉良よし子参議院議員に「地方の大学教授」との不倫疑惑が複数報じられる〉なるデマ記事を出したことがきっかけだった。

 記事では、くだんのタイトルのバックに吉良議員が男性とキスをしている写真を掲載、〈そんな中、彼女の不倫の噂を指摘するブログや報道があった〉などとし、「不倫相手は、大学の准教授だそうです」と無根拠に書いているブログと、「実話ナックルズ」のウェブ版「覚醒ナックルズ」(大洋図書)が“吉良議員と地方の大学教授のツーショット写真を週刊誌が撮っているとの情報がある”と報じた記事を「引用」。
 そのうえで、〈あれだけ安倍総理にモリカケという根拠のない事案で迫っていたのだから、ご本人も説明いただきたいものだ〉などと書いている。

 しかし、これは完全なデマだった。
 そもそも、掲載した吉良議員が男性とキスをしている写真は2014年3月に「週刊新潮」(新潮社)が報じたものだが、相手は吉良議員の結婚相手。
 不倫でもなんでもない。
 本文にはそのことをさりげなく書いているが、あたかも不倫写真のように印象操作していた。
 しかも、その不倫情報にしても、元ネタの「覚醒ナックルズ」は、記事の後半で〈その吉良議員の疑惑には政治的な思惑が垣間見える〉と続け、政治部記者による「ある政界関係者が噂の出処を探ったところ、内閣情報調査室だったのです」などのコメントを掲載しているのだが、「政治知新」はその部分をまったく引用していない。
 どう考えても恣意的であり、印象操作とデマで吉良議員をネガキャンしているのは明らかだろう。

 実際、「政治知新」の記事が配信された翌日12日、吉良議員はTwitterでこれを完全否定し、強い調子で抗議した。
 私のことを誹謗中傷するサイトが拡散されています。
 その内容は、すべて事実無根です。
 にもかかわらず、まるで事実であるかのように、拡散されていることは、重大な名誉毀損であり、絶対に許せません。
 こうした行為を厳につつしむよう、強く求めます。

 さらに、日本共産党公式Twitterも吉良議員に続いて、〈日本共産党として法的措置を検討します〉と投稿。
 こうした抗議を受けて「政治知新」は程なく記事を削除、自らデマを認める形になった。

 しかし、問題はこれでは終わらなかった。
 デマに対する抗議と同時進行するかたちで、ネット上では、この「政治知新」の運営者の正体を暴く動きが始まったのだ。

野党攻撃のネトウヨサイトと自民党の関係が次々明らかに

 まず、サイト「政治知新」のドメイン情報から、登録されている運営者名がT・Tなる人物であることが判明。
 その住所や携帯電話番号、Eメールアドレスなどが明らかになる。
 さらにこの人物のFacebookが見つかったのだが、そのなかにはこんな投稿がなされていた。

〈兄が出馬するので是非、ご支援の輪をお願いします。横浜市瀬谷区から神奈川県議会議員選挙に挑戦する「田村 ゆうすけ」34歳です。〉

 この「田村 ゆうすけ」というのは、今月7日の統一地方選で当選した神奈川の田村雄介県議(横浜市瀬谷区)。
 2回目の当選となった田村議員は、自民党神奈川県連遊説局次長などを歴任。
 地元の横浜市といえば菅義偉官房長官のお膝元で、田村議員のHPには、「推薦者」として菅官房長官の応援メッセージとツーショット写真が掲載されている。

 また、田村議員とT氏が同じ会社を経営していたことを指摘する声もあった。
 横浜に本社を置くT社(現在は破産)という会社の謄本がネット上にあげられたのである。
 本サイトも同社の登記簿をあらためて確認したが、それによると、まず田村議員が代表取締役に就任したあと、2014年にT氏が引き継ぐ形で代表取締役に就任していた。
 ちなみに、このT社の設立目的の欄には、「インターネットのホームページの企画制作」などに並んで、「無店舗型特殊風俗営業」という項目もあった。

 いずれにしても、こうした事実が次々にネット上にアップされたことで、吉良議員に悪質なデマ攻撃を加えていた「政治知新」に、自民党県議の田村議員の弟が関与していることが確定的になってしまったのだ。

 しかも、T氏のFacebookではもうひとつ驚愕の事実が明らかになった。
 3月15日、自らのFacebookに〈安倍総理の桜を見る会にご招待いただきました。ご案内いただいた関係者の方々には心より感謝です。〉の文言とともに、安倍首相主催の「桜を見る会」の招待状と、自分の名前が印字された封筒の画像をアップしていたのだ。
 T氏は自民党県議の弟というだけでなく、本人が「桜を見る会」の招待状をもらうほどに安倍政権と近い存在だったということなのだろうか。
 
疑惑のT氏が代表を務める会社の担当者は本サイトの取材に…

 しかし、このネット有志による調査が盛んになると、前述したように、まず、「政治知新」の吉良よしこ議員の記事が削除され、続いてT氏個人のFacebook投稿などが次々に消されていった。
 また、現在では「政治知新」のドメイン情報も書き換えられている。

 本サイトは、13日、当初のドメイン情報に記されていた携帯電話の番号にかけてみたが、すでに使用されていない状態になっていた。

 そこで15日、T氏に取材を申し込むため、現在、T氏が代表を務めるMという会社に連絡をした。
 登記簿によるとM社は2017年8月設立。
 目的には〈インターネットホームページの企画、立案、制作、管理、運営〉などとある。
 実は、このM社についてもネット有志の検証のなかで名前が浮上していたのだが、騒動のなかで、ホームページに記載されていた代表・T氏の名前がいつの間にか消されていた。

 しかし、T氏はやはりM社の代表だったようだ。
 「T氏は忙しい」との理由で取材はかなわなかったが、かわって「担当として一任されている」というM社の社員が取材に応じた。
 担当者は、T氏が田村議員の弟であるという事実を認めた。
 現在、ネット上でM社の存在が取りざたされているのは承知しているという。
 サイト「政治知新」やM社の事業内容について直撃すると、担当者はこのように回答した。

「私どもの会社はWEB制作会社ですから、具体的にお答えすることは差し控えます。事業内容につきましては、内部事情になりますのでお答えできません。他のクライアントへのご迷惑になりかねませんので、(「政治知新」について)知っているかどうかも含めてお答えできない。一般論として、WEB制作会社があるサイトのドメインを代理で取得することはあります」

 他にも、M社と自民党との関係などについても質したが、担当者は「自民党との関係は一切ない」「田村議員は弊社に関係していない」と繰り返すのみ。
 T氏と田村議員がともに代表取締役を務めたT社についても「過去の会社ですのでお答えすることはございません。M社との関連もありません」との回答だった。
 最後に、ネット上でM社の名前があげられていることにかんして、反論やコメントしたいことはあるかと尋ねたが、やはり「会社としてコメントすることはありません」の一点張りだった。

兄の自民党県議にも直撃! 経営していた会社の「特殊風俗営業」とは何か?の質問に…

 T 氏の兄である田村雄介県議にも事務所を通じて取材を申しこんだところ、15日午後に、田村議員から直接電話があった。

「弟がWEB関連の会社をしていて、政治家のサイトなどをやっているということは聞いていますが、『政治知新』というサイト自体、僕は今回初めて聞いたわけですから知りようがありませんよ。(ネット上で疑惑が浮上していることについては)僕はある意味、被害者だと思っています。だって『兄弟で共謀した』みたいに言われているわけでしょう。そんな事実はないわけですから。自民党の関与? 100パーセントないです」
(田村議員)

 サイト「政治知新」については「知らなかった」「関係ない」と断言した田村議員。
 弟のT氏に何らかの政治的な話を書いてくれ等の依頼をしたことも「ない」という。
 一方、かつて田村県議が代表取締役をしていたT社の登記簿の目的に「無店舗型風俗特殊営業」との記載があったことについて「何をやっていたのか」尋ねると、言葉を詰まらせながらこう言うのだった。

「あの、これは答える義務はないでしょう……。もう閉鎖された会社ですから」

政権批判者叩きのフェイクニュースと安倍政権、自民党との関係

 しかし、関係者が知らぬ存ぜぬを決め込んだとしても、T氏がデマ拡散のサイトに関与したという事実は隠しようがない。

 改めて説明しておくが、「政治知新」がデマ攻撃を仕掛けたのは今回の吉良議員だけではなかった。

 前述した玉城デニー知事や辻元清美議員などの野党系政治家、青木理氏、望月衣塑子氏、香山リカ氏、伊藤詩織氏などの政権批判的なジャーナリスト・言論人に対しても、デマを交えた攻撃を繰り返してきた。

 そして、高須クリニックの高須克弥院長や石平太郎氏など右派系のインフルエンサーをはじめ『報道ステーション』コメンテーターを務める野村修也氏までもこのサイトの情報をRTして拡散するということが繰り返されてきた。

 そして、この政権批判者叩きのサイトのドメイン情報に名前を連ねていた人物が、菅官房長官の覚えめでたい自民党県議の弟で、しかも、安倍首相の「桜を見る会」に招待されていたのだ。
 これでは、「政治知新」の活動にそもそも自民党の意向が強く働いていると疑われても仕方がないだろう。

 自民党と“ネトウヨ系サイト”や“野党バッシングデマのフェイクニュース”をめぐっては、これまでもただならぬ関係性が浮かび上がっていた。
 たとえば、自民党が下野時に組織したネット別働隊・J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ、通称ネトサポ)に関しては、会員を自称するTwitterアカウントやブログがヘイトデマを撒き散らしていたことが確認済みだ。
 田村議員の兄弟・T氏をめぐっては、この「政治知新」に加えて「主婦」などを名乗って、複数のブログを運営していたとの疑惑も浮上している。
 これもまた、野党へのネガキャンを書き連ねたものだ。

 先に触れた「覚醒ナックルズ」の記事も指摘していたように、内閣情報調査室(内調)の関与も疑うべきだろう。
 週刊誌に掲載される野党議員のスキャンダルには、内調のリークによるものが少なくないというのはもはや公然の秘密だ。

 そして、今回の「政治知新」に浮かび上がった自民党・安倍政権とのただならぬ接点。
 ネットに拡散し続ける政権批判者攻撃やリベラル叩きは、わたしたちが想像している以上に政権や自民党が深く関わっているのではないか。


リテラ、2019.04.15 06:21
野党議員をデマ攻撃するサイト「政治知新」に菅官房長官に近い自民党県議の弟が関与、安倍首相「桜を見る会」にも招待
https://lite-ra.com/2019/04/post-4661.html

 フェイスブックは2019年4月18日、サービス内で「憎悪を拡散している」として、イギリスの複数の極右団体や個人のアカウントを削除した。

 対象アカウントには、極右政党・イギリス国民党とニック・グリフィン元党首、イギリス国民戦線、極右政治団体のイングランド防衛同盟などが含まれる。

 また、すでにフェイスブック内で利用停止に追い込まれていた極右政党ブリテン・ファーストについては、同社が運営する全てのサービスの提供を中止した。

 フェイスブックは、これらの団体や個人が「暴力的・憎悪的な目標」を公然と掲げていたため、今回の措置に踏み切ったと説明した。
 同社は声明で、「フェイスブックには、その人が誰であるかを理由に憎悪を拡散したり、攻撃したり、排除を求めたりする個人や団体の居場所はない」と述べている。

 今回、利用停止となった団体や個人には以下が含まれる。

・ イギリス国民党と、元党首のニック・グリフィン氏
・ ブリテン・ファーストと、ポール・ゴールディング党首、ジェイダ・フランセン副党首
・ イングランド防衛同盟と、創設者のポール・レイ氏
・ 欧州からの難民排除を訴える宗教団体「国際テンプル騎士団」と、プロモーターのジョン・ドウソン氏
・ イギリス国民戦線と、トニー・マーティン党首
・ 労働党議員の殺人計画を企てていたネオナチのジャック・レンショウ氏

 フェイスブックの広報担当者によると、今回名前を挙げた団体や個人は今後一切、フェイスブックのサービスを利用できなくなる。

 また、サービス内で対象団体を支持・称賛したり、個人の名前を挙げることも禁止される。

 イギリス下院の内務委員会で委員長を務めるイヴェット・クーパー議員(労働党)は、この禁止令は「もっと早く出されるべきもの」だと指摘した。

「ソーシャルメディア企業は非常に長い間、オンライン上で過激派や憎悪的なコンテンツを助長し、こうした毒から利益を得ていた」

「特に極右の過激派については、イスラム過激派に対して行っていたような企業間の協力システムを作らず、対処に失敗している」

 その上でクーパー議員は、フェイスブックの今回の措置は「必要とされる第一段階」で、今後は独立組織による規定の作成や、有害コンテンツの削除を怠った企業への罰金などで対策を強化するべきだと述べた。

「憎悪的で暴力的な違法コンテンツのまん延を許せばどんな悲惨な結果が待ち受けているか、私たちはもう知っている」

 フェイスブックは昨年、ブリテン・ファーストの公式ページを削除していたが、今回の措置はそれよりも厳しいものだと説明している。

 同社は3月末、フェイスブックやインスタグラム上で「白人国家主義(white nationalism)や白人分離主義(white separatism)を賞賛・支持」する投稿を禁止すると発表していた。
(英語記事 Facebook bans far right groups and leaders)


[写真-1]
極右政党・イギリス国民党とニック・グリフィン元党首や、ブリテン・ファーストのジェイダ・フランセン副党首はフェイスブックの利用を禁じられた。

[写真-2]
削除される前のイギリス国民党のフェイスブックページ。

[写真-3]
削除される前のイングランド防衛同盟のフェイスブックページでは、ノートルダム大聖堂の火災でイスラム教への憎悪をあおる投稿がされていた。

BBC News Japan、2019年04月19日
フェイスブック、イギリスの極右政党の利用を停止
「憎悪を拡散している」と

https://www.bbc.com/japanese/47985957

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2019年04月20日

高橋美桜子、散る

「いじめを受けていた時に死んだわけじゃないんです。いじめられた時の記憶が、美桜子を自殺に追い込んだんです」

 こう涙ながらに話すのは、2006年8月18日に亡くなった、高橋美桜子さん(当時16)の母、典子(54)さんだ。
 美桜子さんは当時、愛知県豊田市の私立南山国際高校に通う2年生。
 過去のいじめの影響で突然パニック症状が現れるなどの障害が出て、治療中に自宅マンションの8階から飛び降りて自ら命を絶った。

 搬送された病院で美桜子さんの遺体と対面した後、自宅に戻った典子さんは、破かれたノートに書き残された『遺書』を居間のテーブルで見つけたという。
まま、大好きだよ。
みんな大好きだよ。
愛してる。
でもね、もうつかれたの。
みおこの最後のわがままきいてね。
こんなやつと友ダチでいてくれてありがとう。
本当にみんな愛してるよ。
でも、くるしいよ
(引用原文ママ)

 美桜子さんは、カナダ人の父親と典子さんとの間に生まれた。
 両親の離婚後、4歳の時にカナダから帰国し、その後は祖母のいる愛知県刈谷市で3人で暮らしていた。
 2002年、典子さんが英語科教員として勤務する市邨学園短期大学(現・名古屋経済大学短期大学部)の系列の、市邨中学に美桜子さんは入学する。
 ところが、1年の夏休み頃からいじめが始まり、同級生8人から
「うざい」
「きもい」
「死ね」
などの言葉を日常的に投げつけられるようになる。
 3学期にはスカートを切られる、靴の中に画鋲を貼り付けられるなど、いじめはさらにエスカレートしていった。
 当時の美桜子さんの様子を、典子さんが苦しそうに振り返る。

「いじめられている美桜子を見かねて、担任に何度も相談しましたが『分かりました』という生返事ばかりでいじめを放置され続けていました。1年の終業式の朝も嫌がらせを受け、美桜子は下校途中に泣きながら『我慢してきたけど、もう市邨だけは絶対嫌だ』と、私の携帯に電話をしてきました」

 2003年4月に岩倉市立岩倉中学に転校するが、授業を受けている最中に突然パニック状態に陥り「みんなが死ねって言ってる!」と叫ぶなど、異変が現れた。
 市邨中学時代のいじめの光景がフラッシュバックし、身体が動かなくなるなどの症状が美桜子さんを襲い始めたのだ。
 心療内科に通いPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されて薬を常用するようになったが、症状は安定せず2学期からは不登校になった。
 2004年2月には、外国籍や帰国子女だけを受け入れている中高一貫校である南山国際中学校へ転校。
 しかし、その後も多重人格が現れる解離性同一性障害を発症し、自殺未遂を繰り返す。
 そしてついに美桜子さんは、辛い過去の記憶に耐えかねて、2006年8月に、16年という短い生涯を終えてしまったのである。
市ムラのやつなんかにはまけないゾ。
◯◯◯◯(生徒名)、○○○○(生徒名)・・・・・・・・・・・・・
最後に××××(教師名)!! おぼえとけ! お前
なんかギタ×2にしてやる

 これは美桜子さんが中学2年の時に、テスト勉強のノートの表紙に書きつけた、いじめ加害者8人と担任への怒りの落書きだ。
 典子さんは娘の自殺後に、遺品を整理していてこのノートを見つけ、娘の自殺は市邨中学時代のいじめが原因と確信。
 娘の死の真相を究明しようとしたが、その道のりは決して平坦なものではなかったという。
 学校側の対応について、典子さんが怒りを露にして語る。

「いじめの実態を調査してほしいと市邨中学にお願いしたのですが、聞き入れてくれませんでした。学校はいじめを認めるどころか、『線香を上げに行けば学校がいじめを認めたことになる』と謝罪すらしないんです。話し合いは、平行線を辿ってしまいました」

 自殺の民事訴訟の時効が迫り切羽詰った典子さんは、時効直前の 2009年8月11日、市邨学園、理事長、校長、担任、そして加害生徒8名と保護者15名に対し、損害賠償を請求する民事訴訟を名古屋地裁に起こした。

 典子さんが起こした裁判は、いじめが4年も前に遡るため、事実認定が困難と思われた。
 だが裁判では、加害者の実名が記されたノートがあり、専門医による美桜子さんの診断書や証言、また、生前に典子さんが何度も担任や学校に相談している事実など、母が集めた数多くの証拠が功を奏した。

「2011年5月20日に裁判の結果が出て、名古屋地裁はいじめの事実と自殺の因果関係、さらには自殺予見可能性を認め、学校側の被告全員に責任があるという判決が下されました。いじめから4年も経った自殺に因果関係を認めるのは、『画期的な判決』だったと担当の弁護士の方も喜んでいました。判決を聞いた時は、本当に嬉しくて涙がこぼれました・・・・・・」
(典子さん)

 母の執念が勝ち取った勝訴だった。

 しかし、安心したのも束の間。
 判決はこれで確定とはならなかった。
 校長、担任を含む学校側は一審の判決を不服として即日、名古屋高等裁判所に控訴したのだ。
 加害生徒と保護者とは裁判の終盤で金銭による和解が成立していた。
 つまり、和解により加害生徒たちは実質いじめを認めたということにほかならないが、学校はその事実を正面から受け止めようとしなかったのだ。

見てみぬふりしないで

 市邨中学校を始め名古屋経済大学など幼稚園から大学院までを経営する、市邨学園グループの責任者・末岡熙章理事長は、本誌の取材に対し辟易したような顔でこう言い放った。

「(美桜子さんは)うちの生徒ではなくなっているし、(加害)生徒たちはいじめではないと証言していますから、謝罪と言われてもね。いじめというよりいたずらです。(一審)判決が(いじめを)認め敗訴しても私たちとしては(いじめは)なかったとしか言えない」

 あくまでも理事長は、いじめがあった事実を認めず、頑なに学校に非はないと繰り返した。

 南山国際高校1年の時美桜子さんは、中学時代に受けたいじめを振り返り『自分との戦い』と題する作文を書き残している。
 いじめを受けた人は、深い心の傷を負い、いじめを思い出しては、何年も苦しむのです。
(中略)
 何故、昨日まで仲良くしていた友達がそんな事をするのか・・・。
 裏切られた気持ちと自分の身に何が起こっているのかが分からない気持ちでいっぱいになりました。
 そして、いじめはどんどんエスカレートしていきました。

 この作文を書いた1年後に美桜子さんは自らの命を絶った。
 生きたいという強い思いが作文の最後にこうした文言で綴られている。
 いじめは人の心を殺します。
 絶対にあってはいけないものです。
 この世からいじめがなくなる事を私は一生願い続けます。
(中略)
 私達一人一人がいじめの悲惨さについて考え、いじめを絶対に許してはならないと強い気持ちで立ち向かうこと、それがまず第一歩だと思います。
 もしあなたがいじめに遭遇したら見てみぬふりをしないで下さい。

 控訴審の判決はまもなくだと思われるが、娘の書き残した『自分との戦い』を引き継ぎ、典子さんの母の戦い≠ヘまだまだ終わらない。

 文部科学省は2012年8月31日、いじめ対策総合推進事業を来年度から実施する方針を決めた。
 国や地方自治体が、いじめ問題について関心を高めるのは喜ばしいことだが、それだけではいじめは無くならない。
 加害者や学校側の「ただのいたずら」という安易な意識が拭われない限り、いじめの被害者は後を絶たないのだ。

「フライデー」2012年9月21日号より
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gendai.ismedia.jp、2012.09.16
子供たちの「遺書」
名古屋市高2女子飛び降り自殺
「もうつかれたの。最後のわがままきいてね」

(フライデー)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/33535

 ね、この国の言論統制はもうはじまっており、なんでもかんでも「カネ」「カネ」「カネ」
 「カネ」のない貧民、貯金もできない貧乏人は「情報」にアクセスできなくなっています。
 でもね怒らない、そんなもんかで済ませてどこに自分が立っているのか分からないのです。
 あ〜あ、無気力、無関心、無責任の三無主義か、責任感、正義感、倫理観の三感の欠如

「天然パーマ」
「毛が濃いんだよ」
 彼女の容姿に対して毎日言われたことば。
 黒板に書かれた彼女の似顔絵に投げつけられたスリッパ。
 その少女は、過去に体験した記憶から逃れることができず、心の傷は癒えることはありませんでした。

「いつまでたっても、普通の女の子には戻れない」

 そう訴えたひとりの女の子の記録です。(ネットワーク報道部記者 木下隆児)

カナダに残っていれば
 
 彼女はどこにでもいるような女の子で、あえて少し違うところがあるとすれば、それは彼女のルーツでした。

 高橋美桜子さん。
 カナダ人の父親と日本人の母親の間に1989年、カナダで生まれました。

 その後、両親は離婚。
 美桜子さんは4歳半から、母親の典子さんとともに日本で暮らしました。

 しかし典子さんは、日本に帰国したことを今も悔やんでいます

「カナダでは一人ひとりに自分の考えがあるということを幼い時から教えていました。自分の考えがあるということは、相手にも違う考えがある。みんな違って当たり前ということが自然と身についたんだと思います。だから、カナダに残っていれば…。今でもそう思っています」

「ハーフ」だから

 日本への帰国を決めた時、典子さんは、ある不安を感じました。
 娘は「ハーフ」だから、いじめられるかもしれない。
 だから美桜子さんには伝えておきました。

「みおちゃんは日本で『ハーフ』と呼ばれる。でも、みおちゃんはみおちゃんらしく胸を張っていこうね」

 確かに日本の小学校で、美桜子さんは同級生から「ガイジン」「カナダに帰れ」という心ないことばを投げかけられました。
 それでも美桜子さんは、小学校の時に書いた作文で、こうしたことばに対し「何にも悪い事してないのにと悲しくなるし、同じ人間なのに、なぜ差別するの」とつづり、むしろ彼女にとってそのルーツは誇るべきものでした。

 美桜子さんは、泣いている友だちがいれば、隣で優しく元気づけてあげる正義感の強い、自分の意見をしっかりと言える子どもに成長しました。

始まったいじめ

 しかし美桜子さんは、愛知県の私立中学校に進学するといじめを受けるようになりました。

 はっきりした理由はわかりません。
 同級生がいじめられているのを見て「やめなよ」と言って止めたこと。
 担任が男女差別的な発言をしたことに対して「そういうことを言うのは間違ってる」と意見したこと。
 「ハーフ」だから見た目が目立つこと。

 そういうことが積み重なって、美桜子さんへのいじめは突然始まりました。

似顔絵に投げつけられたスリッパ

 いじめは所属していたバトン部で夏ごろから始まり、部活を辞めるほかありませんでした。

 2学期に入ると教室でもいじめが行われるようになりました。

 仲間はずれにシカト。
「天然パーマ」
「毛が濃いんだよ」

 執ように吐き捨てられる容姿に関することば。

 教科書やノートには殴り書きされた「ウザい」「キモイ」「死ね」といった文字。
 自分のいすに座って下を見ると机の下にゴミが集められ、教室に戻ると美桜子さんの机が教室の外に出されていました。

 同級生は、黒板に美桜子さんの似顔絵を描いて、スリッパを投げつけていることもありました。

 美桜子さんは、体調不良を訴え学校に行くのを嫌がり、下校のたびに泣いて帰ってくるようになりました。

靴の中の画びょう

 中学1年の3月。
 げた箱に行くと、美桜子さんの目に飛び込んできたのは、自分の靴の中にびっしり貼り付けられた画びょう。
 美桜子さんは、画びょうが入ったままの靴を持って担任にいじめを訴えました。
 担任は画びょうを受け取っただけで、こう言ったといいます。

「俺のクラスにいじめなんかするやつはおらん。お前の思い過ごしだ」

 それから10日ほどあとの終了式の日。
 登校すると、同級生の1人が「汗が臭いから空気の入れ換えをしよ」と言うなり、教室の窓を開けました。

「もう無理。この中学校だけは絶対に嫌だ」

 帰宅途中の美桜子さんは、典子さんに電話で伝えました。
 限界でした。

いじめから逃げても

 中学2年、美桜子さんはいじめから逃れるため、別の中学に転校。
 その学校でいじめはありませんでした。

 しかし、美桜子さんに異変が起きました。

「またいじめにあうかもしれないと思うと、怖くて教室にいられない」

 受診していた医師の診断は、いじめられたことによるPTSD。
 いじめの体験、記憶。
 美桜子さんは、これらから逃れることができなかったのです。

普通の女の子に戻れない

 中学2年の2月深夜。
 美桜子さんは突然起きだし、典子さんに言いました。

「私は美桜子じゃありません。私は美桜子さんに、美桜子さんのことを教える人です」

 美桜子さんの中の「誰か」が話し続けました。

 美桜子さんがいくつかの人格にわかれていること、美桜子さんが自分自身のことを嫌いになったこと。

 その後も、「ランちゃん」「あやちゃん」と名乗る別の人格が表れては典子さんに美桜子さんの心の内を明かしていきました。

 そして、中学1年の時にいじめられた話になると、決まってしゃくり上げるように泣いてしまうのでした。
 どうしても逃れられない、いじめの記憶。
 「普通の女の子」に戻りたい。
 そんな当たり前のことすらかなわない現実がありました。

「何でこんなコトになっちゃったの?!!!いつになったら、治るの?!!!このまんまじゃいつまでたっても、ふつうの女の子には戻れないじゃない」

 美桜子さんから、はつらつさが失われ、幼なじみもその変化に驚きました。
 容姿も含め自分に自信を持っていた彼女。
 なのに、自分の顔を「かわいくない、ブスだよ」と言うようになり、自信を完全に失っていました。
 みずからのルーツは、もう彼女にとって誇りでもなんでもなくなっていました。

自分との戦い

 過呼吸を起こしたり、カッターナイフを取り出してリストカットをしようとしたり。
 不安定な状態が続いたものの、一時期フリースクールに通いながら治療を進めていた美桜子さんは、中学2年のとき、外国人と帰国子女の生徒が数多く通う中高一貫の私立の学校に転校。
 高校にも進学できました。

 そうした中、美桜子さんは高校1年の1学期、スピーチコンテストのために、いじめの経験をテーマに作文を書いています。

 「自分との戦い」とタイトルを付けられた原稿はこう始まります。
 今、私は自分自身と戦っています。その理由は今から三年前、中学一年生の時に受けた「いじめ」にあります。

 そして、美桜子さんが前を向いて歩み出していると感じられることばもありました。
 今まで自分のいじめについて言葉に書き表したことはありません。でも、勇気を出して今、ここに書き表そうと思います。

 美桜子さんはいじめの経験について、いじめた同級生のストレスの『ゴミ箱』にされたと表現し、何も考えられなくなり、心が麻痺し、自分の生きている意味を見失い、他人からみればたとえ短い期間であったとしてもいじめを受けている本人にはすごく長く感じた1年間だったと振り返っています。

 そのうえで、高校生活ではいじめの経験を理解してくれようとする大切な友だちも見つかり、そうした友だちと本気で笑い合える日が来ることを楽しみにできるようになったことを明かしています。
 その心境をこう表現しています。
私の長い長いトンネルは小さい小さい光の出口が見つかったのかもしれません。

愛してるよ。でも、くるしいよ

 しかし、高校2年の8月。
 母親が持病で検査入院をしていた日、一人きりになった美桜子さんは、知人にメールを送りました。
みんなが死ねって言ってる。苦しいから薬を飲んだ。

 異変を感じた知人は、すぐに美桜子さんの友人に彼女の自宅に急いで向かうよう連絡しました。
 友人たちは美桜子さんに電話をかけ、美桜子さんは電話に出ました。
 しかし、すでに意識がもうろうとした様子で、途中から美桜子さんの声は途切れました。
 8月18日未明。
 美桜子さんは16歳の短い人生をみずから閉じました。
 自宅マンションの8階から身を投げて。
 家のテーブルには赤いペンで書かれた遺書が残されていました。
 まま大好きだよ。
 みんな大好きだよ。
 愛してる。
 でもね、もうつかれたの。
 みおこの最後のわがままきいてね。
 こんなやつと友ダチでいてくれてありがとう。
 本当にみんな愛してるよ。でも、くるしいよ。

いじめの原因は

 美桜子さんの死後、典子さんは娘がなぜ死ななければならなかったのかを考えてきました。

 その理由を知りたくて学校側を相手に裁判を起こしました。

 1審では、いじめが自殺の原因だと認められました。
 しかし、2審では高校での友人とのあつれきなどによるストレスが自殺の原因だとして、いじめとの関係は認められませんでした。

 典子さんは「私の中では、美桜子のことはまだ終わってないんです」と話し、今でも美桜子さんの短い人生について考え続けています。

 典子さんは、美桜子さんがいじめられた原因のひとつに、彼女のルーツが関係していたのではないかと考えています。

美桜子はハーフで目立ち、はっきりものを言ううざいヤツ。だからいじめてもいいということになったと思っています。日本は、波風を立てない、何かあっても何もなかったようにやり過ごす、異なる意見は和を乱すから悪。そういうものに美桜子は苦しめられ続けた

 私たちは、外国にルーツを持つ子どもたちをめぐる「いじめ」を継続的に取材をしています。
(NHK NEWS WEBで3月7日公開の記事「いじめられる理由を教えてください」)
 実際の体験談やご意見を以下の特設サイトで募集しています。
「外国人“依存”ニッポン」
https://www.nhk.or.jp/d-navi/izon/form.html
 

NHK Web News、2019年4月19日 14時13分
日本に戻らなければよかった
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190419/k10011889021000.html

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猪俣公章生誕80周年記念ENKA III 〜偲歌〜

HIS LIVE
https://www.youtube.com/watch?v=-ylCArCC6nU&list=PLuSVXGAmR2Sq53GdHCWt44tkTEHu0uqH9

HIS 夜空の誓い
https://www.youtube.com/watch?v=o3uPWdOmJd8

HIS 幸せハッピー 2006
https://www.youtube.com/watch?v=0VH9ZBm47kQ

 メンバー3人の頭文字を並べた音楽ユニット「HIS」が誕生したのは1990年代初頭のことだ。
 YMOでテクノを究めた細野晴臣、RCサクセションでパンクロックのヒーローになった忌野清志郎、演歌の新星として現れた坂本冬美。
 異分野の3人が録音したアルバム「日本の人」(1991年7月発売)が高音質CDでよみがえった。

 収録曲の大半は清志郎が作詞作曲し、曲によって坂本と清志郎がボーカルを分け合っている。
 プロデューサーとして参加した細野はベースのほか、チャランゴやベンディールといった民族楽器、足踏みオルガンなども演奏している。

 清志郎がメレンゲ風のリズムに乗って「カモカモしれない ワシではないだろう」などと歌う「渡り鳥」、ビートルズの曲をアジア風に味つけして坂本が日本語でなまめかしく歌う「アンド・アイ・ラヴ・ハー」をはじめ、一癖も二癖もある曲が並んでいる。

 当時はワールドミュージックのブームで、本作にも様々な民族音楽が取り入れられ、多国籍あるいは無国籍音楽の趣がある。
 一方で強く「日本」を感じさせるのも確かだ。
 言葉は平易だが含蓄のある日本語詞を歯切れ良く歌う清志郎、コブシを回しながらも洋楽のリズムを外さずに歌う坂本。
 2つの才能を細野が巧みに操り、「新しい日本」ともいえる独特のムードを生み出している。
 湿り気のない、ドライな情緒というべきか。
 全編に創造的な空気があふれ、今も新鮮さを失わない名盤だ。


日本経済新聞・夕刊、2017/1/11付
HIS「日本の人」 多国籍音楽の中に日本の情緒
(俊)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO11493890Q7A110C1NZDP00/

 演歌歌手の坂本冬美(51)が2019年3月29日、都内でコンサートを開いた。
 坂本は昨年2018年12月、恩師で作曲家の故猪俣公章氏(享年55)の楽曲をカバーしたアルバム「ENKA III〜偲歌〜」をリリース。
 コンサートは、同アルバムを購入して当選した150人のファンを招いて行われた。
 坂本は「買わない方はご招待できない」と上機嫌にジョークを飛ばした。

 コンサートには、猪俣氏の妹弟子にあたるタレントのマルシア(50)が出演。
 坂本によれば、「東京に出てきて初めてできた友達」がマルシアだったそうで、30年来の付き合いという。
 マルシアは「いつまでも素晴らしい先輩でいてほしい」と笑顔を見せた。
 非常に仲が良く、報道陣の取材を受ける間、手をつなぎ合う姿が印象的だ。

 坂本は翌3月30日に52歳の誕生日を控えていたためマルシアに祝福された。
 坂本は「2人とも、においフェチ」と意外な趣向を口にし、「(マルシアは)香水をプレゼントしてくれた。今日はマルシアと同じにおい」と語る。
 びわの香りがする香水だそうで「女子力がアップした。その前までは吉幾三さんと同じにおいだった。(吉に)聞いて、同じ香水を使っていた」。
 これまでは男性用を愛用していたと明かした。


[写真]
坂本冬美(左)とマルシア

excite ニュース、2019年3月29日 19:35
坂本冬美
吉幾三と同じ男性用香水ようやく卒業「女子力アップした」

(東京スポーツ新聞社)
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_1327339/

 昨年大みそかに放送された第69回NHK紅白歌合戦で、紅組のトップバッターを務めた坂本冬美。
 30回目の出場で7度目の歌唱曲となる「夜桜お七」を歌い繋いだ。
 その紅白では紅組のトリを務めたのが石川さゆり。
 最初と最後を演歌歌手が担うことに特別の嬉しさがあった反面、プレッシャーにも感じていたという。

 その坂本は2018年12月5日に、演歌を現代のアレンジでリニューアルすることをコンセプトにした『ENKA』シリーズ第三弾となる『猪俣公章生誕80周年記念ENKA III 〜偲歌〜』をリリースした。

 本作は、25年前に55歳という若さで他界し、森進一の「おふくろさん」の作曲家としても知られ、坂本冬美の歌の師匠でもある猪俣公章さんの代表曲をアレンジを変えカバーした作品。
 名曲が装いも新たに坂本冬美の艷やかで憂いのある歌声で蘇った。

 歌や音楽は「体の一部」と語る坂本。
 「生活の中から生まれているものが多い」という演歌の魅力、そして紅白の舞台裏を聞いた。

魔物が住んでいる? 紅白の凄さ

― 『第69回NHK紅白歌合戦』では紅組トップバッターでしたが、今までの紅白とは違った感覚もありましたか。

 トリを務めさせて頂いたのが29歳の時。当時は若かったので出番を待っている間もすごく緊張していたと思いますが、緊張という意味ではトップでもトリでも順番はどこでも同じです。ただトップバッターはわりと初々しい方がやるようなイメージが皆さんもあると思います。ですから、まさか私がなるとは思っていなく、発表されたときは驚きました。

― 私もまさか冬美さんがトップバッターだとは思いもよりませんでした。

 演歌の私がトップバッターで、(石川)さゆりさんが紅組のトリを務められるということで、すごく嬉しかったです。なので、しっかりとトップバッターを務めなければいけないというプレッシャーはありました。普段「夜桜お七」を歌うときは、出だしでポーズを取って歌い始めるんですけど、今回は階段をおりながら歌うということで、そこが大変でした。ただでさえ歌詞を間違えないようにするということだけでも緊張しているのにね。

― その「歌詞を間違えない」という点ですが、ファンの方から歌詞カードをプレゼントされたとブログで書かれていましたね。

 そうなんです。私がいつも「歌詞、大丈夫かな…」と不安を綴っているものですから、ファンの皆さんが心配して下さって歌詞カードを作ってくれました。それを楽屋の鏡の前に置かせて頂いて、お守りのようにしてステージに上がらせていただきました。階段をおりながらの歌唱や歌詞など、いくつかの緊張が重なったんですけど、トップバッターの役割は果たせたかなと思っていて、今はホッとしています。

― 今回は紅白で「夜桜お七」が7回目の歌唱で、しかも使用するマイクに7番と言う番号が貼られていたみたいで、ラッキー7で縁起が良かったみたいですね。

 そうなんです。渡されたマイクに「7」のシールが貼ってありまして、上手く歌えるとかそういうことではなくて、これで失敗せずに歌えるかなと思えましたから(笑)。

― 失敗したことが過去にあったのでしょうか。

 それがあるんです(笑)。今年から数えたら7年前の紅白で「夜桜お七」を歌った時だったんですけど、1番を歌っている最中に途中で一瞬2番の歌詞を歌っていたことがありました。その時は自分のなかで何が起きているのかわからない状態で、過去にもそんな歌い方はしたことがなかったんですが…。何かが違うとは感じたんですけど、止まらずには歌えて、すぐに1番に戻れたんですけどね。

― 魔物が棲んでいたわけですね。

 それよく言いますけどね。思いもよらぬことがおきますので、油断できないです。

― 八代亜紀さんは慣れている曲だからと油断していたら、全然違う曲を歌っていたことがあると仰っていたのを思い出しました。

 確かに私も出だしの<置いてけ堀をけとばして>のところで“こぶし”を回すんですけど、そこがクリアできたあとの出来事だったんです。そこが上手くいったことでホッとしたんでしょうね。上手くいったと思った瞬間に2番にいってしまったので、ある意味油断なのかもしれないですね。

― でもそれ以降はハプニングもなく?

 それが、2年後も歌詞を間違えているんです(笑)。でも今回は、歌唱は完璧ではなかったんですけど、歌詞はノーミスで終えられました。低レベルな話ですみません(笑)。

― いえいえ、かなりの数を歌ってきている「夜桜お七」でもそうなってしまうというのは、ステージのプレッシャーが凄いということが伝わってきます。

 何万回も歌ってきている曲ですからね。それでも間違えてしまうことがあるというのは紅白の凄さなんでしょうね。やっぱり生放送ですし。

― 今回の紅白での舞台裏のエピソードはありますか。たとえば石川さゆりさんとのやりとりなどあればお聞きしたいなと思いました。

 まず私は、楽屋が地下でさゆりさんは1階でした。階が違うので基本的にお会いすることはないんです。12月30日のリハーサルのときにお会いしたんですけど、人が多いので空気の環境が悪いじゃないですか? さゆりさんはそれもあってマスクをしていらしたんです。私はハンカチで口元を押さえていたんですけど、さゆりさんが「ここまで来て今日風邪をひいてしまったら話にならないから」と私と天童よしみさんにマスクを下さいました。その場で付けさせて頂いて、3人でマスクを付けてオープニングリハにのぞみました。

― そのマスクは今も保存してありますか?

 さゆりさんに頂いたものなので取って置きたかったんですけど、一度使ったものには自分の菌が付着しているので、そこは心を鬼にして捨てました。たまに一回使用したマスクをもう一回使っている人がいますけど、それは衛生的にダメですよ(笑)。

“猪俣メロディ”を届けたい

― 昨年2018年12月5日に『ENKAIII 〜偲歌〜』がリリースされました。冬美さんの師匠である猪俣公章先生の生誕80年、没後25年ということで、今回のテーマが猪俣先生の楽曲をフィーチャーされているんですよね。

 そうなんです。ちょうど節目に当たるということもあって、この作品を作らせていただきました。

― 確かこの『ENKA』シリーズは「最低でも3作は続けたい」と過去に仰っていたので、まずは目標はクリアしましたね。このお話が持ち上がった時はどのような心境でしたか。

 ふふ(笑)。何とか3作目が出来て良かったです。このお話がきたときは素直に嬉しかったです。これで猪俣先生の歌を改めて知って下さる方もいらっしゃるでしょうし、忘れられるといったら変な話しですけど、作曲家の先生というのは歌手とは違って表には出ないじゃないですか? テロップでは出てもなかなかクローズアップされないので。こうやって作品を出すことで先生にも喜んで頂けると思いますし、先生を知らない世代の方にも知って頂けるということは、こんなに嬉しいことはないです。

― 若い世代の方にも届けたいという想いは強いですか。

 “猪俣メロディ”を届けたいという想いはやっぱり強いです。私のファンの中にも20代の方がいまして、私がカバーすることによって「曲を知った」と言ってくれる方も多いんです。おこがましいかもしれませんが、演歌というものを取っつきにくいと思われている方へのきっかけになってもらえたら嬉しいですし、そこからオリジナルを聴いて頂けたらなお嬉しいです。やっぱりオリジナルに勝るものはないですからね。

― 数多くある曲の中からの選曲はどのようなものだったのでしょうか。

 まず猪俣先生の代表曲は収録したいと思いました。以前にも猪俣先生のカバーアルバムはリリースさせて頂いていて、かぶる曲もあるのですが、どうしても外せなくて。でも、少しずつ変えたいという気持ちもありました。ローマ字で「ENKA」ということでそれに合ったアレンジにしたい、それによって新たな魅力を出せる曲もあると感じていました。そして、歌ってみてディレクターさんが「この曲が良いんじゃないか」と話しながら選曲させていただきました。

― その中で「火の国の女」はセルフカバーなのですが、ご自身の中で重要な曲に上げていたということもあり、外せない1曲ですよね。

 自分の作品から選曲するとなった時に、どの曲がこの『ENKA』シリーズには合うかなと思いました。これまでのパートI、パートIIでも、1曲だけロックアレンジにした曲を収録していたのですが、猪俣先生の曲はロックアレンジに合う曲はなかなかなくて、意外と難しいなと感じていました。でも、もしかしたら「火の国の女」だったら合うんじゃないかと思い選びました。

― この「火の国の女」は冬美さんがご自身の中で代表曲に選ぶほど、お気に入りの楽曲ですが、今回歌うに当たってどのようなところをこだわりましたか。

 あまり難しく考えなかったです。とはいえロックサウンドになったからといって、あまり跳ねたような歌い方というのは違和感が出てくると思います。他の曲はアレンジに寄り添った歌い方を考えて歌唱させていただきましたが、「火の国の女」は音を感じながら歌えばいいかなと思いました。この曲の本質はどんなアレンジになっても変わらない、変えようがないとでも言いましょうか。私のデビュー曲「あばれ太鼓」もそうなんですが、他の曲に比べると猪俣先生らしくない曲なんです。猪俣先生が頑張って演歌らしく作って下さった楽曲で、“ド演歌”と呼ばれるものに洋服を着せるというのは、とても難しいと思いました。

― この『ENKA』シリーズは洋服を着せてみるというのもコンセプトのひとつでしたけど、簡単なことではなかったんですね。その演歌というものは、冬美さんはどのように捉えてらっしゃいますか。

 よく聞かれる質問ではあるのですが、すごく答えるのが難しいんです。演歌は生活の中から生まれているものが多くて、身近に起きていることが歌になっているなと感じています。その中で応援歌もあり男歌、女歌もあり、義理人情を歌ったものもあります。

― その身近にあるものからできた曲を、歌手がその主人公を演じながら歌い上げる、それが演歌なのかも知れないですね。

 演じますね。石川さゆりさんの「天城越え」もそうですよね。もちろん、それらを経験されて歌う方もいらっしゃると思いますけど、演じることが出来る歌、演じやすい歌というのもあります。

― 「火の国の女」は女歌というものになるんですよね? 女歌は人生経験がすごく重要になるとお聞きしたことがあります。

 そうですね。女性目線で歌われた歌を女歌と言います。どんなに曲調にパンチがあったとしても、歌詞が女性目線で歌われていたら女歌なんです。確かに女歌は人生経験があった方が説得力はでますね。でも、若くして歌わなければならない時は、想像を膨らまして歌うこともあります。例えば不倫の歌を歌うということで不倫をした方が良いかといったら、それは想像でも良いと思います。経験した方が良い歌が歌えるかも知れませんが、逆に重くなり過ぎてしまう可能性もありますから。

― 一概に経験すれば良いというわけではないんですね。

 俯瞰(ふかん)して見なければいけないとよく言われます。演じてはいるし、どっぷりとその世界に入ってはいるけど、聴いてくださる方に届かなければ意味がないので、余白みたいなものを聴いてくださる方に埋めてもらう感覚なんです。

― 私は昨年、冬美さんの歌を聴かせて頂いて、演歌にものすごく興味が湧きまして、若い世代にも特に生で聴いてもらえたら嬉しいと感じているのですが、冬美さんは演歌を広げていくということについて、どのように考えていらっしゃいますか。

 ポップス系の方たちですと、ツアーというものがあって一定期間コンサートをやりますけど、演歌は様々で、貸切のコンサートもありますし、興行的にも宣伝する場所も違います。テレビに出て新曲が歌えるかといったら難しい部分もありますので。

― そうなるとキャンペーンでレコードショップなどインストアイベントとかが重要になりますね。

 キャンペーンは演歌歌手、とっては大切ですが、私は最近あまりやってなくて、昨年は「熊野路へ」で一回だけでしたね。なぜ、私がキャンペーンをあまりやらないかというと、正直コンサートの興行に影響が出ないようにという事もあるんです。キャンペーンをやりたくないわけではないんですよ(笑)。テレビで新曲を歌わせて頂けるのはNHKさんの『ごごウタ』や、あとはBSの番組ぐらいで。地上波で一回歌えたとしても、それで浸透させるのは難しいんです。

歌は体の一部

― やはり地道な活動が重要そうですね。地上波でも演歌、歌謡の番組が増えてくれたら嬉しいのですが。さて、猪俣先生のお話に戻りますが、猪俣先生はどのような方でしたか。

 先生は、賑やかな事が大好きで、いつもお酒を飲んでいるような方でしたね。

― 飲んでない時の方が少ない感じですか。

 お仕事中の昼間は飲んでいなかったと思いますけど、お酒はずっと手に持っていましたね(笑)。本当にいつ曲を書いているのかわからない感じでした。先生が作曲するにあたって仰っていたのは、「頭の中で鳴っている音をハミングして、それを譜面に起こして、そのあとにピアノに向かって作っていく」ということでした。

― いつ作っているのかわからないというのも含めてミステリアスな感じがしました。

 確かにミステリアスかも知れません。お酒を飲んで陽気な先生もいらっしゃいましたが、近寄りがたいオーラを放っている時もありました。静と動を持ち合わせた先生でしたね。

― 今作には冬美さんの妹弟子にあたるマルシアさんとデュエットもされていますが、マルシアさんと猪俣先生のお話をすることもあるのでしょうか。

 この間一緒になった時に話しました。その時に「先生が好きな曲は『君こそわが命』だよね」という話をマルシアにしました。というのも、六本木で先生が飲んでいらっしゃる時に2〜3回呼ばれて行った時には、必ずこの曲を歌っていました。ですから、きっとこの曲が先生の好きな曲だと思っていたら、マルシアは「そうだよ、先生はこの歌が一番好きなんだよ」と言うんです。

― マルシアさんは知っていらしたんですか。

 そうなんです。酔ってピアノにむかってこの曲を歌っている時に「俺はこの歌が一番好きなんだ」と言っていたのを、マルシアは聞いていたみたいなんです。

― 冬美さんの予想も当たっていましたね。

 当たっていましたね。それで、先生が喜んでくれると思って「大阪ラプソディ−」のデュエット相手にマルシアを誘いました。そうしたら快く引き受けてくれまして。

― 同じ門下ですが、一緒に歌うのはこれが初めてというのは意外でした。

 なかなか一緒になることがなかったんです。1回目はお互い探りながらのレコーディングだったんですが、2回目からはバッチリ息もあってね。

― 同じ先生のもとで育ったことが証明できたレコーディングだったんですね。猪俣先生に今メッセージを送るとしたら、何と伝えたいですか。

 まずは「ありがとう」ということを伝えたいです。そして、このアルバムを先生が聴いて下さって「私の歌はこれで良いのかしら」と、この歌唱で間違っていないかどうか返事を聞きたいですね。天国で喜んで下さっているとは思うんですけど。

― どんな返事がくると思いますか。

 一つは「あばれ太鼓」でデビューして、「この路線でここまで来たか」と驚くのか褒めて下さるのかわからないですけど、その一方「まだまだだな」と仰ってくれる気がしています。

― どちらかというと、厳しい先生だったのでしょうか。

 当時はあまり先生から歌唱指導はしていただいていなくて、ワンポイント指導みたいな感じでしたので、厳しいというイメージはないんです。レコーディングのときは「いいぞ!」と持ち上げてくれたり、「そうじゃない」とご指導頂いたり、本当に飴と鞭でした。そのワンポイントが今でも心に残っていて、それが“猪俣節”なのだと思いますし、マルシアもきっと同じだと思います。

― 最後に冬美さんにとって、歌や音楽とはどのような存在でしょうか。

 体の一部ですね。だって私から歌をとってしまったら何も残らないですもの。本当に他に何も取り柄がない女ですから(笑)。

― もし歌えないという状況になってしまったら、どうなされると思いますか。

 2002年にお休みした時は、自分の歌に自信がなくて、歌うことが怖かった時期もありましたからね…。でも、今はすごく歌が歌いたくてしょうがないという感じなので、そうなったらどうなるのか自分でも想像出来ないですね。

― 他の事を探すかも知れないですね。

 でも、歌より好きなものは見つからないと思います。後世に残るようなものをとか、そんな大層な事は考えていないんですけど、これからもヒット曲を出せるように歌って行きたい、「夜桜お七」や「また君に恋してる」も、時代が変わっても色んな人に歌ってもらえたら嬉しいですし、これからもそう言った曲が出せるように頑張っていきたいです。CDが売れない時代ですけど、「歌えなくなる」ことを考えるより、そういう前向きな事を考えてこれからも歌っていきたいですね。


Yahoo! Japan News、2019/2/11(月) 7:01配信
坂本冬美「歌は体の一部」
生活の中から生まれる演歌の魅力:インタビュー

(取材=村上順一/撮影=片山拓)
<MusicVoice(ミュージックヴォイス)>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190211-00010000-musicv-musi&p=1

 ではここでようやく春を迎えた喜びを、このこ歌声といっしょに味わってみましょう:

坂本冬美コンサート 〜恩師 猪俣公章を謳う〜
https://www.youtube.com/watch?v=nVO6uWJzwSA

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働き方改革?働かされ方改革?

 2019年4月13日午前7時55分、JR常磐線・柏駅で上野発取手行きの快速電車が、ホームを240mもオーバーランした。
 運転士は、JR東日本の事情聴取に対してオーバーランの原因を「睡魔に襲われた」と説明している。

 『田中龍作ジャーナル』は、オーバーラン経験者から事情を聞いた。
 ハンドルを握って20年のベテランだ。
 結論から先に言おう。
 最大の原因は、合理化に伴う労働強化で運転士が疲労困憊していたことだった。

 オーバーランを起こした運転士の前日(12日)と当日(13日)の勤務を振り返ってみる。
 12日の11時55分に出勤し、翌13日の8時49分に退勤した。
 拘束は20時間54分に及ぶ。
 当該の運転士に限らずほとんどの乗務員は「拘束時間が長い」ともらす。

 休憩時間は細切れだ。
 1回目は14時26分〜15時15分。
 2回目は16時56分〜17時36分。
 電車から降りて休憩場所に行って帰って来る時間を入れると、実質わずか30分以内に夕食を食べなければならない。

 21時28分〜翌朝3時15分まで仮眠を取り、始発電車に乗務する。
 電車から降りて仮眠室まで行って帰ってくる時間を入れると、仮眠時間は5時間を切る。
 寝る時間を惜しんで風呂にも入らない運転士が少なくない、という。

 上野駅と取手駅を往復するルーティンワークだったが、2本目の運転で、オーバーランをした。
 退勤予定時刻の直前だ。
 疲労が極限に達している頃でもある。

 運転士は起立してハンドルを握っていた。
 イスに座るとウトウトしてしまう恐れがあるからだ。
 それでも睡魔に襲われホームを240mも行き過ぎた。
 運転士は立ったまま、一瞬意識が途切れたのである。

 オーバーランに気付いた車掌が非常ブレーキのレバーを引いて電車を停止させた。
 車掌は10余年選手。ベテランの域に達する。

「若い車掌だったらレバーを引けなかった。そのまま隣の駅に行っていただろう。ベテランに助けられた」
 運転士は胸を撫でおろした。

 常磐線の勤務のキツさは乗務員仲間でも有名なようだ。
 3月16日のダイヤ改正後、一段と厳しさを増した。

 一例をとると、別の乗務員は、ダイヤ改正前は12時16分に出社していたが、改正後は10時49分に出社となった。
 1時間半近くも早くなったのである。

 退勤時刻はどうだろう。
 改正前は翌8時47分に退勤できていたのが、改正後は9時46分退勤となった。
 1時間遅くなったのである。

 早く出勤させられて遅くまで引っ張られる。
 拘束時間は2時間半増えた。

 JR東日本の東京支社だけでも人員削減は100人にのぼる。
 当然、労働者一人あたりの仕事量は増える。

 勤務時間が長くなり、走行距離も長くなれば、その分疲労は増す。
 「眠い」「疲れた」が乗務員たちの合言葉となっている。
 大事故の前兆であるオーバーランが、この先も繰り返されることは火を見るより明らかだ。

 JR東日本が来年4月から実施予定の「新たなジョブローテーション」では、同じ担務は10年以内とされている。
 運転士がオーバーランしても非常ブレーキのレバーを引く車掌はいなくなるのだ。


[写真-1]
快速電車の先頭車両はこの目印に停止するはずだった。15両編成の列車は最後尾から3両が残った。=17日、JR柏駅、撮影:田中龍作=

[写真-2]
乗務員の勤務シフトである「行路表」。以前と比べると過密な勤務となっていることが分かる。指が指しているのは、オーバーランが起きた駅と時刻。=17日、都内 撮影:田中龍作=

[写真-3]
JR東日本が社員に3月28日に提示した「新たなジョブローテーション」。熟練した運転士と車掌は姿を消す。非常ブレーキのレバーを引けるベテラン車掌がいなくなるのだ。公共輸送機関の効率化は危険だ。

田中龍作ジャーナル、2019年4月18日 16:06
[JR労働強化]
240mオーバーランの運転士、拘束時間20時間54分
「眠い」「疲れた」が合言葉

http://tanakaryusaku.jp/2019/04/00019995

 満開の桜のもと、ことしも霞が関の各省庁で入省式が開かれ、多くの新人官僚がキャリアをスタートさせました。
 一方、そんな季節に、若手官僚からこんな声も届きました。
 「霞が関、やめました」
 いったいなぜ?

私もかつて官僚でした…

 先月から「霞が関のリアル」として、霞が関や官僚の実情をお伝えしたところ、現役の方やその家族から多くの声を寄せて頂きました。

 そんななか、私たちは「元官僚」と名乗る人たちが多いことに気付きました。

(30代女性)「内閣府で働いていましたが、辞めました」
(30代男性)「農水省の元キャリア官僚です」
(30代)「外務省で働いていました」

 多くが20代、30代という若手たちです。
 これから霞が関を支えていく世代がどうして辞めたのでしょうか。

『憧れ』の仕事だったけど…

 メールをくれたひとりの元官僚を訪ねました。

 大久保絵里さん(仮名・20代)です。

 実は大久保さん、この春、霞が関を去る決断をしたばかりです。

「ものすごく悩みました。ずっとやりたかった仕事を手放していいのかと…。でもこれ以上この場所で働こうとは思えなくなってしまった」

 官僚は中学生の頃から憧れた仕事だったといいます。

 学生時代は、法律や制度を作る場で、多くの人の役に立ちたいと努力を重ね、難関の国家試験を突破。
 第一志望の官庁に入省したのは、わずか数年前のことでした。

「苦労して手にした官僚の職をどうして…」

 こう聞いたところ、彼女が最初に挙げた理由は「長時間勤務」でした。

終わりなき長時間労働

 大久保さんが担当したのは国会対応や法改正などの仕事。
 月の残業は多い時、200時間に及んだといいます。
 朝5時まで仕事をして一旦帰宅。
 そのまま午前9時半に出勤する日も。
 寝坊するのが怖くて、遠く離れた実家の両親にモーニングコールをお願いしたそうです。

 先月掲載した記事『眠らない官僚』でも言及しましたが、国家公務員の勤務は人事院規則による上限はありますが、法的な拘束力はないため、多くの官僚がそれを超えて働いているのが実態です。

 今回の取材で話を聞いた霞が関を去った「元官僚」の多くが、同じくこの長時間勤務を理由に挙げていました。
 働き方改革を主導する霞が関でこんな働き方が続いているのは、やはり違和感があります。

相次ぐ不祥事対応

 さらに、大久保さんが挙げたもう1つの理由が役所の不祥事対応でした。

 この数年、不祥事が相次ぐ霞が関。
 大久保さんがいた省庁もそのひとつでした。
 追及に荒れる国会の仕事に否応なく巻き込まれます。

「調査などの特命チームが省内に設けられました。不祥事に関係のない職員がたくさん駆り出され、全員が忙しさに耐えているのはとても辛かったです。幹部が国会で謝ったり答弁でなじられたりする姿を後ろから見ていて『将来こういう風にはなりたくない…』と思ってしまった」

 周りの先輩は「いつでも相談して」と気遣ってくれたといいますが、その疲弊しきった姿を見ると、声をかけることもはばかられました。

 結局、夢だった仕事に見切りをつけて、民間企業に転職を決めました。
 最後に「未練はありませんか?」と聞くと、大久保さんは少し間を置いてこう答えました。

「霞が関ほど世の中にインパクトを与えられる仕事ができる場はないかと。でもあれほど自分の身を削ってまでやりたいことかというと違うなと…」

毎年の異動が…国じゃなくてもできる!

 一方、大久保さんとは違う理由で辞めた人もいました。

 教育関係のベンチャー企業に勤めている谷詩織さん(仮名・38)。
 2年前まで総務省の官僚でした。

 辞めた理由を聞くと、谷さんは「外の方が社会貢献できると思ったから!」と明るく即答しました。

 情報分野で社会に貢献したいと思っていたという谷さん。

 ところが、担当する部署は一貫性なく関係ないところばかり。
 文書審査の担当になった時は、省内のあらゆる文書を、細かいルールに基づき審査する日々で、どうしてもやりがいを見いだせませんでした。

 しかも、毎年のように担当が変わり、専門性を高めることも難しかったといいます。

「人材育成を人事は考えてくれていると思っていたけど、そうでもなかった。人手不足の部署や、年次的にどのポストが妥当かを当てはめているように感じた。自分のキャリアアップが見通せなくて」

 関心があった情報系の部署に異動できたのは10年近くたってから。
 そこで、勉強に励み、新たに資格もとるなど刺激的な日々を送るようになると、次の異動でせっかく蓄えた知識が生かせなくなるのが惜しくなったといいます。

「だったら霞が関にこだわらなくても…」

 一念発起して霞が関を飛び出し、いまの会社に転職しました。
 子どもたちにプログラミング教育を提供したり、自治体でIT人材の育成を支援したりするのが仕事です。

 谷さんは、
「国は確かに法律や予算という大きなものを動かしていますがそこに暮らす人たちの反応が見えづらいんです。今は、子どもの成長を感じられたり、自治体から直接感謝されるので全然違います。正直給料は下がりましたし、仕事も官僚時代よりきついですけど、無力感がなく、つらくないですね」
ときっぱりいいました。

 霞が関の外にやりがいを見いだした谷さん。
 その声からは充実感が漂っていました。

昨年度、何人辞めたのか?

 実際、霞が関ではどのくらいの若手が辞めているのでしょうか?

 人事院に取材すると、そうしたデータはすぐには出せないといいます。
 どうしてなのか?

 「個別に公表する了解を各省庁から得ていないため」だからだそうです。

 だったら、各省庁ごとに聞くしかないと、まずは厚生労働省や総務省など7つの省庁に問い合わせてみました。

 その結果、昨年度、各省庁で辞めた30代以下の官僚(事務職)は:

▼ 総務省が14人(男8、女6)
▼ 厚生労働省が6人(男2、女4)
▼ 文部科学省が6人(男4、女2)
▼ 防衛省が2人(男1、女1)
▼ 国土交通省が8人(男3、女5)

 環境省と農林水産省は公表していないとして回答はありませんでした。
(未調査は財務省、経済産業省、内閣府、法務省、外務省)

 省庁の規模にもよりますが、毎年、総合職の事務職で入省する職員は20人から30人前後。
 それがこれだけ辞めてしまうのは痛手なのでは?
 ある省庁の幹部はこう答えました。

「痛手どころか国家として大きな損失。いずれも採用試験で、10倍以上の倍率をくぐり抜けた優秀な人材。流出が続けば、将来、危ういと思う。霞が関が変わらないと、離職に歯止めがかからないという危機感がある」

 また別の幹部はこうも話します。

「以前から辞める人は一定数いたけれど、その理由が変わってきている気がする。政策立案や議論する時間がなく官僚として働く魅力がないと感じている若手が多いのでは」

 専門家にも聞いてみました。
 霞が関や民間の働き方改革に詳しい慶應義塾大学大学院の岩本隆特任教授です。

 岩本特任教授によると、若手官僚の離職率はここ数年、増加傾向にあるといいます。

 そして、その背景について次のように指摘します。

「調整や資料作成業務などが多く長時間労働の割に業務内容がクリエーティブでない。さらに、今は転職も珍しくなくハードルも高くない。現状にやりがいが見いだせなければ外に出る選択をするのではないでしょうか」

皆さんの体験をお寄せください

 今の時代、転職自体は珍しくありません。
 でも、国の舵取りを担う霞が関で人材が流出しているとすれば事態は深刻だと感じます。

 取材すると、各省庁でも様々な対策を講じ始めていました。
 また、先日記事にしたように、民間から人材を求める動きも加速しています。

 皆さんの周りにも、霞が関を辞めた方はいますか?
 その具体的な理由は何でしょうか。
 もちろん今回取り上げたものとは違う理由もあると思います。
 さらに、一般職や専門職の方の話も知りたく思います。

 情報やご意見は、下記のサイトにお寄せください:
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kasumigaseki/


[写真-1]
大久保さんからのメール

[写真-2]
資料の修正のために赤ペンは必需品だった

NHK News Web、2019年4月19日 18時27分
この春、霞が関やめました
(霞が関のリアル取材班)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190419/k10011889471000.html

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2019年04月19日

美味しんぼ「鼻血問題」

 奇怪なことが私の身辺に起こったので、ご報告します。
 大変に長くなりますが、事の次第で仕方が無い。
 お読み頂ければ大変に幸せです。

 話しは2014年に遡ります。
 その年の4月末に発売された「ビッグコミック スピリッツ」誌の第22・23合併号に「美味しんぼ 福島の真実編」第22話が掲載されると、突然、新聞、テレビ、週刊誌、インターネットで私に対する非難が巻き起こり、しかも、国会議員、大臣、最後には総理大臣まで乗り出してきました。
 安倍晋三首相が「美味しんぼ」を風評被害を巻き起こすと非難するのがテレビで流されました。

 その回の「美味しんぼ」で、主人公の山岡が福島の取材から帰ってきた直後に食事中に鼻血を出す場面が描かれています。
 この、鼻血がいけないと言うのです。
 これでは、福島は放射線量が高くて危険なところであるように思われる。
 それは、福島に対する風評被害を生み出す、のだそうです。
 「風評」とは「デマ」「うわさ」のことです。
 しかし、この鼻血が出た問題は根拠のないことではありません。
 私自身が、福島の取材から帰って来た次の日の夕食時に突然たらたらと鼻血が出始めたのです。
 私はそれ以前に鼻血を出したことは中学生の時に友人たちとふざけていて、自分で自分の膝に鼻をぶつけたときに一回あるだけでした。
 それが、食事中に何もしないのにいきなりだらだらと出始めたので、驚き慌てました。
 慌てて、近くのソファに横になりましたが、鼻血は頭を高く上げていないといけないそうで、横になるのは間違いなんですね。
 さらに、その頃から、非常な疲労感を覚えるようになりました。
 最初は取材旅行が重なったからその疲労なんだろうと思っていましたが、日を重ねてもその疲労感は消えないどころか、ますますひどくなります。
 誰かが、私の背骨を摑んで地面に引きずり込もうとしているような感じです。
 鼻血は一回だけでなく、翌日また出ました。
 私は自分の体験をそのまま「美味しんぼ」に書いたのです。
 誰に聞いた物でもなく、噂を書いた物でもありません。
 実際に私が経験したことを書いたのです。

 私は取材の最後に、2013年4月に、埼玉県に避難していた福島第一原発事故の際の双葉町の町長井戸川克隆さんを訪ねました。
 たまたまその際に、偶然、岐阜環境医学研究所の所長の松井英介先生が同席されていました。
 松井先生が、「福島に取材に何度か行かれたそうですが、体調に変わりはありませんか」と私に尋ねられます。
 で、私が「理由が分からないのに突然鼻血が出まして」といったら、松井先生は「やはり」と仰言います。
 同時に、福島取材で色々と力を貸して下さった、斎藤博之さんが、驚いて、「えっ!雁屋さんもなの!僕もそうなんだよ。あれ以来何度か出るようになった。病院に行っても理由が分からないと言うんだ」
 すると、取材にずっと同行してくれていた安井敏雄カメラマンが、「僕もそうなんですよ」と言います。
 なんと、福島取材に行った我々取材班4人の中の3人が鼻血を出していたんです。
 ついでに私が耐え難い疲労感について言うと、斎藤博之さんも、安井敏雄さんも「ああ、私もそうですよ」「いや、ひどく疲れてたまらないんです」といいます。
 驚いたことに、それを聞いて井戸川前町長が、「私も鼻血が出ます。今度の町長選の立候補を取りやめたのは、疲労感が耐え難いまでになったからです」と仰言るではありませんか。
 さらに、「私が知るだけでも同じ症状の人が大勢いますよ。ただ、言わないだけです」と仰言る。
 すると松井英介先生が、「大坂で放射能に汚染されたがれきの焼却処理が行われた際、大阪の市民団体がインターネットで体調変化を訴える声を募ったところ、声を寄せた946人中、842人が、鼻血、目、喉や皮膚など空気に触れる部分の症状を訴えている」と仰言った。
 放射線だけの影響とは断定できないと松井先生は仰言ったが、それは大変なことではないでしょうか。
 松井先生の説明では、
「鼻の粘膜や、毛細血管細胞の70〜80パーセントは水で出来ている。水の分子H2Oは放射能で切断されて水酸基(-OH)のような、毒性の強いラジカルと呼ばれるものになる。しかも、ラジカル同士がくっつくとH2O2(過酸化水素)になる。過酸化水素はオキシフルとして消毒薬に用いられるくらい毒性が強い。放射能は直接粘膜や毛細血管の細胞・DNAを傷つけるが、同時に水の分子が切断されて細胞の中に出来るラジカルによる作用が大きい」
ということです。

 福島で人びとが受けている放射能被害は、福島第一原発から放出された放射性微粒子によるものです。

 放射性微粒子は呼吸によって肺から血管に入り体中に回ります。
 食べ物や水と一緒に取り込まれ、消化器から血管内にはいり込み、やはり体内に回ります。
 そのようにして体内に入った放射性微粒子は何処かの臓器に付着すると、その臓器の付着した部分に害を与える。
 微粒子一個はマイクロの単位で極めて小さいけれど、付着した臓器の微粒子の周辺の細胞は破壊される。しかも、その微粒子の数が極めて多い。結果的に臓器の被害は大きくなる。
 空間線量が1ミリ・シーベルトとすると、その空間に浮遊している微粒子の数はそれこそ無数。
 一呼吸だけで何千・何万の放射性微粒子が体内に入る。
 一個当たりの微粒子の害は小さくても、それが、何千・何万となると鼻血を出させたり、疲労感を感じさせる原因を作るのでしょう。


※ 斎藤博之さんは、私達の福島取材の前に、取材に適した場所を選ぶために何度も福島に通い、結果として私達の数倍被爆したことになります。
 その後、斎藤さんの体調は回復せず、歯茎からも血が出るようになり、2017年に脳梗塞で亡くなりました。
 死因が放射能によるものかどうかは明かではありませんが、私が「鉄の胃袋魔神」とあだ名をつけたほど、活発で食欲旺盛だった斎藤さんが、福島の取材を終えた後、鼻血、激しい疲労感、歯茎からの出血などで、衰弱したことは確かです。
 東北地方の民俗学的知識の豊富なことと言ったら歩く民俗学事典のような人で、おまけにマルクスの資本論は端から端まで頭の中に入っているという凄さでした。
 例えば、私が、マルクスが、ルイ15世の愛妾・マダム・ポンパドールの「我が亡き後に洪水は来たれ」という言葉を引用したのは何処だっけ、と尋ねたら、ちょっと待ってねと言って、3、4分後に、あれは第1部『資本の生産過程』第3篇『絶対的剰余価値の生産』第8章『労働日』に書かれているよ、と返事がありました。
 感性豊かで、明敏な頭脳。
 本当に惜しい人を亡くしました。
 私にとって真の友人であり、同志でした。
 斎藤さん本当に有り難うございました。
 ご冥福をお祈りします。
 斎藤博之さんについてはこのブログにも書きました。
http://kariyatetsu.com/blog/1902.php
 ご一読下されば幸せです。


 以上に述べたように、私が鼻血を出したことは、また私以外の多くの人間が福島第一原発の事故以後福島で鼻血を出していること、疲労感に苦しんでいることは、事実私が体験したことなのです。
 風評でもデモまでもない。
 私は、嘘を自分の作品に書くような破廉恥な人間ではありません。
 私は自分の書くものは全て第三者にも検証可能な事実しか書きません。
 自分で調査した資料は保存してあります。

 であるのに、安倍晋三首相を始め、テレビ、雑誌、インターネットでは私の言うことを風評だと決めつけ、私を風評被害を福島に与えると言って非難します。
 実に理不尽極まりないことで、私の心は煮えくりかえりました。

 ところが、「スピリッツ」誌の編集部は私よりもっと大変な目に遭っていました。
 担当の編集者から「朝から抗議の電話が鳴り止まずに、編集部全体が困っています」と聞かされたときには私は驚きました。
 読者には私の連絡先が分からないから、安倍晋三首相の言葉を真に受けた人たちが、「スピリッツ」誌に文句を言うために電話をかけてくるのだろうと思いました。
 そこで、私は、このブログに「私に文句のある人は、私のこのページ宛てに書いて貰いたい。編集部に電話をかけると、編集部が迷惑するから」と書きました。
 それで編集部に対する電話攻撃が収まったから思ったらその逆でした。
 「雁屋哲は自分のホームページにこんなことを書いているが、そんな奴の漫画を掲載している『スピリッツ』が悪い」と前より一層激しく電話がかかってくるようになったというのです。
 おかしなことに、私のこのページには一件も文句の書き込みはありません。
 安倍晋三首相の言葉に躍らされて私を風評被害引き起こす悪者扱いするような人たちは、ただ騒ぎたいだけで私に直接文句を言ってくる根性も勇気も無い人たちなのだと私は思いました。
 しかし、そんな単純なことではないことが後になって分かりました。

 鼻血問題が掲載されたのは福島編の第22話です。
 それから第24話まで2話残っていました。
 電話をかけ来た人たちは自分たちの抗議に「スピリッツ」誌は恐れをなして、次週から「美味しんぼ」の掲載をやめるだろうと思ったのでしょう。
 しかし、第22話が掲載された段階で、花咲アキラさんは第24話まで完成させていました。
 「スピリッツ」誌編集部も馬鹿げた脅迫電話に怯むような根性なしではありません。
 当然、第23話、第24話と最後まで掲載しました。
 それで、電話をかけてきた人たちは更にいきり立ったようです。
 第23話が掲載された直ぐ後、編集長が善後策を検討するためにシドニーまで来てくれました。
 その時編集長から詳しく聞いた話は私の想像を絶するものでした。
 編集部には電話が20回線引いてあります。
 その20回線の電話に朝10時の業務開始時間から夜7時、時には10時近くまで電話が鳴り止まないというのです。

 それもいきなり怒鳴る、喚く。
 電話を受けた編集者が返事をすると、その返事が気にいらないと喚く。
 返事をしないと、なぜ返事をしないと怒鳴る。
 それが、1時間にわたって続くのです。
 編集部員は相手をそれ以上刺激しないように応対するので、神経がくたくたになってしまいます。
 編集部員はその度に応対しなければならないし、電話回線は塞がれてしまい、作家との打ち合わせなども通常の時間に出来ない。
 そういうことが、毎晩続く。
 編集部員は疲れ切ってしまって、このままでは編集作業が出来ないから「スピリッツ」誌を休刊しなければならないかも知れないところまで、追い詰められていると言います。
 これには私は驚きました。
 こんなすさまじい話は聞いたことがない。

 私はこの電話攻撃は大変に不自然だと思います。
 私が最初に考えたような単純な問題では無い。
 電話をかけてくるのは最初に私が考えたような普通の市民ではない。
 特殊な人たちだと私には分かりました。
 普通の抗議電話とは違います。
 明らかに、「スピリッツ」誌の編集を妨害して、小学館を傷つけ、「鼻血問題」について謝罪させようという意図を持ったものだと思います。
 私個人に対してではなく、小学館を標的にした行為です。
 小学館に謝罪をさせた方が社会的に効果が大きいからです。
 これは、そのような意図を持った指導者が脅迫のプロたちに命じてさせたことだと思います。
 編集部員に対する脅迫の仕方が、あまりに手慣れている。
 普通の人間には出来ないことです。

 世の中には、様々な企業に難癖をつけるのを職業にしている人間がいます。
 企業を脅して、嫌がらせを続けて、企業にことを収めるために何らかの金品などを差し出させるのが目的です。
 その連中は、プロのクレーマーと呼ばれています。
 私は編集長に、そんなことをして来る人間はプロの集団だから相手にしなければ良いと言いましたが、編集長によれば出版社は読者と称して電話をかけてきた相手には丁寧に応対しなければならないのだそうです。
 しかも、卑怯なことに私がこのブログに何か書くたびにそれについての文句の電話が殺到するというのです。
 実に卑劣な連中です。
 私は編集部に迷惑をかけたくないので、しばらくは自分のブログの書き込みをやめました。
 小学館は私を守り、「美味しんぼ」福島編も最終回まで、きちんと掲載を続けました。
 あの卑劣な集団は目的を達することが出来なかったわけです。

 そして話しは2019年に飛びます。
 当時の編集長からメールが来ました。
 以下に、氏の承諾を得て、そのメールを書き写します。
 少し愉快なことがございましたので、ご報告させていただこうとメールをさせていただきました。
 昨年の12月に中国と日本の出版ビジネスを手がけている会社から、日中のデジタル・ゲーム関係のフォーラムに出席しませんかと声をかけられました。
 主催は中国の大きなエンタテインメント会社で、今をときめく成長企業でして、そちらの社内見学もできるということなので、喜んで出席させていただきますとお返事いたしました。
 ところがです。フォーラムの主催は中国の会社なのですが、日中のフォーラムということで、北京の日本大使館とJETRO(日本貿易振興機構)が共催に入っておりまして、仲介をしてくれた会社から「大使館からNGが出ました」という連絡がありました。
 最初「⁇ 中国大使館からNG?」かと思ったのですが、もちろん日本側からでした。
 おそらく僕の名前をネットで検索したところ、『美味しんぼ』関係でいろいろ出てきたので、経産省か大使館の人がそんなヤツは呼ぶな、となったのだと思います。
 僕も大物になったものです(笑)。
 僕ではなく他に小学館の人で出席できる人はいませんか?というので、さすがに日もないのでお断りいたしまして、「誰がいかなる理由で僕はダメと判断したのか」を教えてほしいとお伝えしたところ、今にいたるまでなんの回答もありません。
 お役所のビジネスマナーは楽でいいな〜と思いました。

 このような影響力のある作品に関わることができて、大変光栄だなと、この年末年始しみじみ考えておりました。
 本当にありがとうございます。

 さて、この後、この話を私のブログに書いて良いだろうかと、氏に問い合わせたところ次のようなメールを頂きました。
 この国は、いったいいつから、こんなつまらないことになってしまったのだろうと憤慨しております。
 「忖度」なんて、本当に卑屈な根性が言わしめる言葉だと思います。
 「小学館でほかにいい人いませんか?」というのも失礼な話です(笑)。
 あまりにマナーを欠いた話なので、「経緯を教えてほしい」と要望して、その返事を武士の情けと申しますか、少し気長に待ってあげようかとしているところです。

 いよいよ、これは本当に無視するつもりだなと思ったら、僕も「ちょっと聞いてくださいよ〜」とあたりに触れて回ろうかと思っていますので、ぜひブログにお書きいただければと存じます。
 権力のありようについて、『男組』で雁屋さんが示されていた社会や、登場人物たちのありようを今一度、みなで振り返る必要がありますね!

 さて、この元編集長の味わったと同じようなことを私が味わいました。
 それを以下に記します。

 それは、今年(2019年)の3月半ば過ぎのことです。
 あるテレビ局のディレクター氏からメールが入りました。
 そのディレクターの関わっている番組である食べ物を取り扱うことになったが、その食べ物は、かつて、「美味しんぼ」で取り上げられたことがある。
 そこで、番組の中で、「美味しんぼ」のその場面を取り上げたい。
 それについては小学館から承諾を得た。
 そこで、原作者の私にも承諾を得て、その上、その食べ物を取り上げた「美味しんぼ」のその回について、また、その食べ物について私の話を聞きたいので電話をかけたい

と言う内容でした。
 その番組の内容からして断る理由は私には全くありません。
 私は、承諾して、シドニーの自宅の電話番号も相手に知らせました。
 それが週半ばのことでした。
 ところが、その次の週の初めに、そのディレクター氏から、
実はあの後、上司からの進言で方針が番組の内容がガラっと変わってしまい、『美味しんぼ』のカットを使用するという演出自体がなくなってしまいました

 一体これはどう受取れば良いのでしょう。

 安倍晋三首相が私のことを「風評被害を流す人間」と非難するのがテレビで流れて以来、私はなんだかおかしな感じを懐くようになったのです。
 おかしな感じというのは、テレビ、雑誌、などのジャーナリズム関係の人が、妙に私に対して白々しい態度を取ることが気になり始めたのです。
 私は2015年に「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」という本を出版しました。
 これは、私の鼻血問題について「風評被害」だと非難した人びとに対する反論の本です。
 その本を、今話に出ているテレビ局とは別のテレビ局が取り上げて私に話を聞きたいと言ってきました。
 私は自分の本を多くの人に知ってもらう機会になるだろうと考え、番組に出演しました。
 私はあるジャーナリストと対談をする形になりました。
 そのジャーナリストは三十代か四十代前半という若い人で、売れっ子であるらしく、書くものを最近週刊誌のコラムで読むことがあります。
 そのジャーナリストは、私との対談をするのに開口一番「僕は雁屋さんに反対です」と言いました。
 私は、会うやいなやそんなことを言われて驚き、気をそがれました。
 何も話をしないうちに、対話の最初にいきなり「雁屋さんには反対で」とは何のことでしょう。
 私は私の何に対して反対なのですか、と聞こうと思ったのですが、そのジャーナリストは私に聞く暇を与えず、どんどん話を進めて行きます。
 私の何かの意見に反対なのではなく、私という人間の存在に反対だというのでしょう。
 その口調もなんだか、事件の被疑者を詰問するような調子で、私は大変に居心地の悪い思いをしました。
 いきなり冒頭で、「雁屋さんに反対です」と言ってしまっては、それからのそのジャーナリストは私に反対する立場から私に何か訊くという形になるので、全体の流れは当然私の意見をきちんと伝えることからはほど遠いものになりました。
 番組を見ている人たちは、私が懸命に何か弁解しているように思ったことでしょう。

 それは一つの例で、その後も何度か頼まれて幾つかの集まりに出席したのですが、そこに集まった人たちの態度が何かおかしい。
 私から、一歩引いて接する。よそよそしい。
 以前は「美味しんぼ」の原作者と言うことで、非常に好意的に親しく私の話を聞きたいと言う態度を取る人が圧倒的に多数でした。
 しかし、今は、私を見る目つきが違う。
 関わり合いになるまいとするように、用心深く私から引く。
 私の話しも、話半分程度に聞いている、という感じがするのです。
 これは決して、私のひがみ根性のせいではありません。
 以前と比べれば、自分がそれまでとは違った受取られ方をしていることは、どんな人間でも皮膚感覚みたいなもので感じ取ることが出来ます。

 こんなことがあったので、「美味しんぼ」を番組内で使いたいとテレビ局のディレクター氏が言ってきたときに、私は「大丈夫なのかな」と思ったのです。
 それが、「上司からの進言で番組の内容がガラッと変わってしまい」ということになったので、私は「スピリッツ」元編集長の受けた仕打ちや、鼻血問題以来私自身が受けている厭な感じの延長で、この件も受取りかけています。
 どうして上司は番組をガラッと変えるような進言をしたのか。
 私はそんなことでなければ良いがと思いますが、心の隅に、その上司は安倍晋三首相に「風評被害を流す人間」と名指しで非難された私と関わり合いになることは避けたい、と考えたのではないか、と言う思いが浮かんでくるのです。

 こんなことを言うのは、私の一方的な思いこみだと、言われるかも知れません。
 しかし、最近こんなことが続いているので、どうしてもそういう考えが浮かんでくるのです。

 私がブログにこんな内容のことを書く、と「スピリッツ」の元編集長にメールを送ったところ、元編集長からこんな返事が来ました。
 そのディレクター氏が仰有っているように、「同じような演出を考えるディレクター」がいて、次の企画はちゃんと通ることを願ってやみません!

 私もそう願っています。

 このテレビ局の話は別にして、私の鼻血問題を通じて言えることは、この国では真実を語ってはいけないと言うことです。
 反対に、安倍晋三首相とその取り巻きたちはどんな嘘を言っても誰もとがめません。


 安倍晋三首相は2013年9月7日にIOC総会で、オリンピックを東京に招致するための演説を行いましたが、福島第一原発について、
「福島の放射能は、福島第原発からの放射能に汚染された水は福島第一原発の港湾から0.3キロ平方メートル以内に完全にブロックした」
「福島の現状は完全にコントロールされている」
「福島第一原発はこれまでに東京にダメージを与えていないし、これからも与えない」
と言いました。
 私は、2013年10月3日付けのこのブログに、「Open letter to the IOC」と言う記事を書き、それが、全部嘘であることを指摘しました。
http://kariyatetsu.com/blog/1611.php
 外国人にも読んでもらえるように英文で書いてあります。
 私の書く英文だから、極めて平易です。
 ご一読下さい。

 そんな嘘を言った人間が、私が実際に体験した鼻血を風評だというのですから呆れるばかりです。
 また、その嘘を見逃すこの日本の社会にも呆れるばかりです。


 一つの国が滅びるときには必ずおなじことが起こります。

支配階級の腐敗と傲慢。
政治道徳の退廃。
社会全体の無気力。
社会全体の支配階級の不正をただす勇気の喪失。
同時に、不正と知りながら支配階級に対する社会全体の隷従、媚び、へつらい。
経済の破綻による社会全体の自信喪失。


 これは、今の日本にぴったりと当てはまります。
 私は社会は良い方向に進んでいくものだと思っていました。

 まさか、日本と言う国が駄目になっていくのを自分の目で見ることになるとは思いませんでした。
 一番悲しいのは、腐敗した支配者を糾弾することはせず、逆に支配者にとっては不都合な真実を語る人間を、つまはじきする日本の社会の姿です。


雁屋哲の今日もまた、2019-04-15
奇怪なこと
http://kariyatetsu.com/

〈私の鼻血問題を通じて言えることは、この国では真実を語ってはいけないと言うこと〉

〈一番悲しいのは、腐敗した支配者を糾弾することはせず、逆に支配者にとって不都合な真実を語る人間を、つまはじきにする日本の社会の姿です〉

 人気漫画「美味しんぼ」の原作者の雁屋哲氏がこう書きこんだブログが話題騒然だ。
 雁屋氏は「週刊ビッグコミックスピリッツ」(2014年4月28日発売号=小学館)に「美味しんぼ 福島の真実編」を掲載。
 東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが鼻血を出す描写を巡り、安倍首相から「政府としては、根拠のない風評を払拭をしていく」などと痛罵され、世論の批判にさらされた。

 「奇怪なこと」と題した今月4月15日付のブログには、騒動後の出来事が詳細につづられている。

 当時のスピリッツ編集部には抗議電話が殺到し、午前10時から午後10時近くまで電話が鳴りやまず、20回線が塞がって業務に支障をきたしていたという。
 2015年に著書『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を発売後、対談したジャーナリストからは開口一番、「僕は雁屋さんに反対です」と非難され、今年2019年3月中旬にテレビ番組のディレクターから「美味しんぼ」関連の出演依頼を受けて快諾するも、「上司からの進言で番組内容がガラッと変わった」などと告げられ、見送られたという。

 雁屋氏は安倍首相に「風評」扱いされて以降、〈おかしな感じ〉を抱くようになったという。

〈テレビ、雑誌、などのジャーナリズム関係の人が、妙に私に対して白々しい態度を取ることが気になり始めたのです〉

 メディアが政権を忖度し、雁屋氏の封じ込めに動いているのだとしたら、トンデモないことだ。


日刊ゲンダイ、2019/04/19 14:50
「美味しんぼ」原作者が鼻血問題の騒動後をブログで告発
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252274

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ジャパングリッシュ

 国際化が進んでいる世の中、日本語と英語の両方を話すバイリンガルは少なくありません。

 国際結婚の家庭や異国で暮らす人同士にもなると、日常的に英語と日本語が入り混じることになります。

 そんな人々の間で「ジャパングリッシュ」なる合成語が作られていて、ひそかな人気を呼んでいるのだとか。

 その中でも面白いものを紹介します。

 基本的に、似た意味の日本語と英語を合体させています。
● Konnichiwassup =「こんにちは」+「Wtha’s up」(Wassupとスラング的に発音する)

● Seeyanara =「さようなら」+「See you」(Seeyaと軽く言うことが多い)

● Chotto a minute =「ちょっと待って」+「Just a minuite」

● Arigathanks Gozaimuch =「ありがとうございます」+「Thanks very much」(正しくはThank you very much)

● Don’t itashimention it =「どういたしまして」+「Don’t mention it」

● Hisashi been awhile =「ひさしぶり」+「It’s been a while

● Tadai’m home =「ただいま」+「I’m home」

● Daijouokay? =「大丈夫」+「OK」

● Yamete Kudastop =「やめてください」+「Stop」

● Urushut up =「うるさい」+「Shut up」

● Subaramazing =「すばらしい」+「Amazing」

● Dareka help me =「誰か助けて」+「Help me」

● Hontrue desu ka? =「本当ですか」+「Is it true?」

● Everything is daijoufine =「大丈夫」+「Everything is fine」

● Eatdakimasu =「いただきます」+「eat」

● Oyasleepnasay =「おやすみなさい」+「Sleep」

● Sore ha chigawrong =「それはちがう」+「Wrong」

● Dousite is this happening? =どうしてですか」+「Why is this happening?」

 さすが両方を使いこなす人々が考えただけあって、そこを繋げるかと感心するものばかり。

 ほとんどの人には通じない言語ではありますが、両国語を学びたい人にとっても意味的にセットになっているので役に立つかもしれません。

 さぁ、あなたもジャパングリッシュにチャレンジしてみましょう。


らばQ、2019年04月02日 22:21
バイリンガルの間で大ウケしている「ジャパングリッシュ」とは
http://labaq.com/archives/51907311.html

 日本のみなさん、日本人の英語が「JAPANGLISH(ジャパングリッシュ)」と呼ばれているのを知ってますか?

 日本の「ジャパン」と英語の「イングリッシュ」を合わせた造語「ジャパングリッシュ」

 日本人特有の英語発音

「マクドナルド」「グーグル」「スターバックス」

 このあたりは普通に言いますよね。立派なジャパングリッシュです。

 ビールもジャパングリッシュなので、英語として通じない…。
 いや、ビールはビールだろ、ほんと。

 カタカナ発音ってやつですね。
 これが”kawaii”と海外でいじられているんです。

 そこに目を付けたのが、マレーシア人アーティスト「Namewee(ネームウィー)」

 「Tokyo Bon 東京盆踊り2020」という曲でジャパングリッシュの可愛さを表現しています。

 マレーシアでは大変ヒットしているらしい。

 マレーシア旅行で現地の人にこの曲を教えてもらったんですが、初めて聴いたときから脳内が洗脳されました。
 PVもかわいいです。

 ジャパングリッシュの盆踊り。
 聴いてみてください!

Tokyo Bon 東京盆踊り2020 (Makudonarudo) Namewee 黃明志 ft.Cool Japan TV @亞洲通吃2018專輯 All Eat Asia ☟

https://www.youtube.com/watch?time_continue=234&v=zhGnuWwpNxI

https://www.youtube.com/watch?v=pZxL9Q4KiS0


生きてる間は暇つぶし、2018-05-13
ジャパングリッシュ?
マレーシアのアーティストNameweeが歌う「Tokyo Bon 東京盆踊り2020」がクセになる

https://www.imuruta.com/entry/2018/05/13/ジャパングリッシュ%EF%BC%9FマレーシアのアーティストNamewee

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矢板市の市議会議員候補者、小林ゆうじ

 新党憲法9条構想を支持していただいている皆様へ、近況報告をさせていただきます。

 2019年4月21日に投開票日を迎える栃木県矢板市の市議会議員選挙に、小林ゆうじという議員が新党憲法9条から立候補したということはかつてお知らせした通りです。
 その後いろいろあって、最終的には新党憲法9条の公認候補ではなく、新党憲法9条推薦の無所属候補として立候補することになりましたが、それでも、もし小林ゆうじ候補が晴れて当選すれば、新党憲法9条を掲げた政治家がはじめて誕生することになります。

 そのため私は選挙公示日の4月14日以来、栃木に戻り、連日、那須塩原市から矢板市まで十数キロを車を飛ばして往復し、応援演説をくり返して来ました。
 最近動画の撮影と配信が途絶えている理由は、選挙活動で忙しくしているからです。
 毎朝、ブログを書いた後で矢板まで車を飛ばして応援に行っています。
 後でわかったことですが、3期目に挑戦する小林候補は厳しい選挙情勢に置かれていて、その上に憲法9条などを地方選挙で訴えるようでは危ないと周りから見られている候補者でした。
 それを知った私は、当初小林候補に、今回はこれまで通り皆の意見を優先し地元密着の選挙に専念した方がいいと説得したのですが、本人の意思は固く、憲法9条を訴えて選挙に勝ってこそ意味があるといって今度の選挙に臨むことになりました。

 ここまで言われては、私も覚悟を固めざるを得ませんでした。
 ここで小林候補を負けさせるようでは、私が応援する候補者はいつも負けると言うことになって新党憲法9条は終わることになります。
 しかし、もし小林候補が勝てば、初めて新党憲法9条の政治家が誕生します。
 これは小林候補にとってはもちろん、私にとっても負けられない選挙になりました。
 そういう思いで私は小林候補と一緒になって矢板市を回っています。
 毎朝メルマガを書いた後で矢板市に出掛けて選挙カーに乗って走り回っています。
 本当はその状況を動画で取って皆様にお伝えしたいのですが、自分で取るわけにもいかず、頼む者も見つからず、こうしてブログでお知らせしている次第です。

 矢板の今度の選挙で実感したのは、都会の選挙と違って、通行人がいない場所がほとんどだということです。
 今度の選挙から地方選挙もチラシを配ることが出きるようになったらしいのですが、チラシを配りたくて手渡す人がいないのです。
 矢板は特にそうなのかもしれませんが、走り回るところはほとんど人のいない田畑や雑木林です。
 そんなところで平和を訴えることはさすがに雲をつかむような話です。

 それでも少しずつ手ごたえが出て来て、なんとか先が見えて来たと皆が言い出しました。

 きょうと明日、残り2日間です。

 いま全国では安倍自民党と野党共闘の戦いに関心がありますが、私にとっては新党憲法9条が終るか、実現するかの戦いです。
 21日の夜には吉報を皆様にお届けできることを願って、あと二日応援にでかけます。
 以上、近況報告でした。


天木直人のブログ、2019-04-19
新党憲法9条支持者に皆さんへ(近況報告)
http://kenpo9.com/archives/5850

 私が新党憲法9条から立候補したいと名乗り出た栃木県矢板市の現職の市会議員と会ったのは2019年1月15日だった。
 そして、話し合った結果、彼こそ本物だと喜び、興奮してメルマガで報告したのは16日のメルマガ第32号だった。
 ところがそのメルマガを配信した後で、候補者から電話がかかって来た。
 その候補者が真っ先に電話口で語ったことは次のようなことだった。

 周囲の者から反対された。
 なぜ新党から出るのか、憲法9条と言ったとたんに票は逃げる、平和の重要性を訴えたいなら議員を辞めてからにしろ、地方議員は国政に関与すべきではない、などなど。
 このままおとなしく3選を果たせば、副議長間違いないのに愚かだ、とまで言われたと。

 それを聞いたとたん、私は彼が話し終えるのを待たずにこう伝えた。
 やはりそうですか。
 皆の反対はもっともだと思います。
 今回は皆の言う事を聞いて無所属で出てくださいと。

 そう言いながらまたはやとちりをしたと思った。
 ところが、今度はむこうが私の話をさえぎってこういうのだった。

 いや、天木さん、そうではありません。
 私の決意は変わりません。
 私は彼らを説得して、いまでは新党憲法9条から立候補することに賛成してくれましたと。

 新党憲法9条から立候補したいという第一報を受けた時も驚いたが、今度の電話には更に驚かされた。
 私以上に強い決意を持った人が現れたのだ。
 私が励まされているのだ。
 かくなる上は、何があっても当選していただかねばならない。
 3選できる人が新党憲法9条から立候補して落選したとなれば、その人に申し訳無い。
 しかし、それだけではなく、新党憲法9条で立候補したら当選できないという評価が固まってしまう。
 そうなれば新党憲法9条そのものが終る。
 まず、何としてでも、最下位でもいいから当選してもらうしかない。
 そして、それが見えて来たら欲を出して最高得票で当選する事を目指す。
 かくてその候補者と一緒になって3選に向けての戦略を練る事にした。

 彼と一緒になってつくった最初の成果物が次のような立候補宣言(出馬表明)と私の推薦分だ。
 これを冊子に書き込んで配布することから始まる。
 もはや後戻りできなくなった:

小林ゆうじの決意表明
矢板市議会議員
小林勇治

 この度矢板市会議員の3選に向けて立候補を決意した小林勇治です。
 私は矢板と矢板市民のためにより良い矢板市の行政の実現に向けて過去二期、8年間頑張ってきました。
 皆様が判断されることですが、それなりの実績を残したと自負しています。
 そして引き続きそのための努力を続けたいと思って3選を決意しました。
 しかし、私が3選を目指すことにしたのはそれだけではありません。
 いま日本を取り巻く国際情勢は、行き過ぎた金儲け主義の結果、どの国も国民格差が広がり、分断と対立が進み、どんどんと右傾化しています。
 そして戦争の危険がますます高まっています。
 日本もその例外ではありません。
 それでいいのでしょうか。
 それは国会議員が考えることで、地方議員の仕事ではないと言う意見があることは知っています。

 しかし国政は、すなわち我々の暮らしに跳ね返ってきます。
 そして国政はいま与党も野党も我々の生活を守ることが出来ない混乱した状況です。
 いまこそ地方が声を上げるべき時であり、地方の政治が国政をより良いものに変えていく時です。

 その時に、一番重要な政治哲学は平和であり、皆が仲良く、手を取り合って生きていく共生の考えだと思います。
 もちろん我々は自然を大切にして自然とともに生きていかなければいけません。
 この矢板にも守るべき素晴らしい自然がたくさんあります。

 そう思っていたところ、私は元外交官でイラク戦争に反対して辞職を迫られた天木直人さんが新党憲法9条という新しい政党をつくって、日本は平和外交で世界をリードしていくべきだと主張されていることを知り感銘を受けました。

 その主張はまさしく時代が生み出した素晴らしい政治哲学で、平和を願い、弱者に寄り添われた今上天皇の願いと一致するものです。
 私はこの矢板を新党憲法9条の訴えに呼応した町にしたいと思っています。
 おそらく、そのように考えている地方は、日本の全国でたくさんあると思います。
 真っ先に声を上げるのです。

 矢板を日本一平和で暮らしやすい町にして、矢板から日本を変えるのです。
 そして平和な日本が、戦争の危険の高まっている世界を平和な世界に変えていくのです。
 その夢を、矢板の皆さまと一緒に実現して行きたいと思って3選を決意しました。

 一人では何も出来ませんが、思いを同じくする人たちが集まればできます。
 この大きな政治目的は、矢板だけではできませんが、矢板の後に続く地方がどんどん出て来て、力を合わせば、国政を動かし、そして世界を動かすことが出来るかも知れません。
 平成が終わり、あらたな時代を迎えようとしている最後の4月に行なわれる矢板の市議会議員選挙で、私と一緒に夢に向かって歩き出しましょう。
 私はあなたであり、あなたは私です。

推薦文 小林ゆうじ候補を応援します
新党憲法9条代表
元駐レバノン大使 天木直人

 世界の政治はいま歴史的な転換期にあります。
 行き過ぎた金儲け主義の結果、どの国も格差が広がり、国民は分裂、対立し、政府はそれを解決する方策を見いだせないまま戦争の危険性すら高まっています。
 そんな時こそ平和憲法を持つ日本の出番です。
 その思いで、私は新党憲法9条をこの国の政治の中に実現しようと立ち上がりました。
 その私の思いに心を震わせて共鳴してくれる地方議員が矢板に現れました。
 その人こそ小林ゆうじさんです。
 地方の政治家といえば、まず地方の暮らしを良くすることに専念するのが当たり前です。
 小林さんも、もちろん矢板の為に尽力し、当選を重ねて来られました。
 しかし小林さんは、その上で、日本の国を良くしようという情熱があります。
 地方議員でも国政に参加すべきだという高い志があります。
 こんな市会議員を私は見たことがありません。
 私が小林さんを応援するのは、まさしくここにあります。
 小林さんと一緒に、平成が終る直前に行われる今度の矢板の市議会議員選挙で、矢板を、皆が平和で、豊かに暮らせる、人と自然が共存する希望の町にしましょう。
 小林さんと一緒に、矢板を日本一の平和な町にしましょう。
 そして矢板の名前を日本中にとどろかせましょう。
 小林さんと一緒に、矢板から歴史をつくりましょう。

天木直人(あまきなおと)
1947年山口県下関市生
1969年外交官試験合格
米国研修の後、スイス、サウジアラビア、マレーシア、カナダ、豪州などに勤務。
在レバノン大使の時、イラク戦争に反対する意見を小泉首相に直訴して辞職を迫られる。
2016年に政治団体「新党憲法9条」を設立し、平和外交の重要性を訴え続けている。


天木直人のブログ、2019-01-20
4月21日にいよいよ新党憲法9条が実現する!(続報)
http://kenpo9.com/archives/5161

 栃木県北部にある矢板市。
 行政上は同県塩谷地区の中心となる、人口3万3千人ほどの市だ。
 この矢板市で、市議会議員として地元に仕える一人のクリスチャンがいる。
 今期で市議2期目となる小林勇治さんだ。
 今年60歳となる小林さんは、1男3女の父親であり、この地で足かけ35年にわたって牧会する牧師でもある。
 温和な口調で話す小林さんからは、政治家特有の「立て板に水」のごとき雰囲気は感じられない。
 しかし、「自分に与えられたものに素直に感謝して楽しく生きられる人びとを育てたい」と、市議として、また地域に長く根付いて牧会する牧師としての思いを語る。

 矢板市は、標高約1800メートルの高原山の南麓に広がり、山岳や森林、里山に囲まれた自然豊かな街だ。
 米作と共に、高級食材として東京の料亭などで珍重される「幸岡ねぎ」や、寒冷な気候を利用してリンゴなどが盛んに栽培されている。
 また近年では市内各所で温泉が掘削され、市民はもとより観光客にも憩いの場となっている。

 こののどかな田園地域も、4月末に行われた統一地方選挙はかつてないほどの激戦だったと、小林さんは振り返る。
 有権者数約2万7千人、投票率61.75パーセントで、現職4人が落選する選挙戦だった。
 小林さんは、ダビデがペリシテの巨人ゴリアテと戦ったときに放った言葉「この戦いは主のものだ」を胸に戦い、見事当選を果たした。

 小林さんがクリスチャンになったのは、高校卒業を控えた18歳の頃。
 千葉県で生まれ育った小林さんは、当時調理師を目指していたが、創価学会の活動を熱心にする姉の勧めもあり、また商売人はみな神をまつっている、ということで宗教に関心を持ったという。
 そんなある日、近所の教会で行われる映画上映会のチラシを目にした。
 「キリスト教か、仏教よりはカッコいいと思った」と、当時を振り返る。
 しかし、実際教会へ行ってみると、受付の女性の顔がどことなく輝いているように見え、「何かが違う」と感じた。

 高校卒業後は、調理師を目指し、大阪の調理師学校へ入学。
 大阪に出てくる際、将来のために祈った時、「私はあなたを祝福する。だから、私が遣わすところで貧しい人がいたら、手を差し伸べなければならない」という、神からの約束の御言葉を頂いた。
 調理師学校卒業後、和食料理人として有名な神田川俊郎さんに弟子入り。
 毎日、割烹の修行に明け暮れた。
 しかし、そんな小林さんに転機が訪れる。
 「クリスチャンの生き方の特徴は、祈って、そこで得た知恵を生活に応用すること」と言う小林さんが、ある日疲れて電車の中で祈っていると、「これは主がわたしに油を注いで、貧しい者に福音を宣べ伝えることをゆだね」(イザヤ61:1)という言葉が頭をよぎったのだ。

 その後も忙しい見習い生活は続いたが、どうしてもこの言葉が頭から離れず、その意味を考え、祈った。
 当時、教会へ通いながらも将来への漠然とした不安もあったという小林さん。
 「貧しさというのは、お金がない貧しさではない、神の言葉を聞けない貧しさだ」という思いが与えられ、神の言葉を伝える牧師としての道へ進むことを決断した。
 経済的な支援もなく苦学したが、神学校卒業後、25歳で矢板市にある教会に派遣された。
 その2年後には新しい教会の開拓を開始。
 35年にわたって牧会している。

 「最初は、隙間風の吹くお寺の跡地にあった建物が私たちの教会でした。だから、私には『こうしなければならない』というスタイルはなかった」と語る小林さん。
 都市部の教会とは違い、多くの人が集まってくるようなことはなく、経済的な試練もあったが、妻の実家の稲作と運送業も兼業し地域に出ていった。
 そんな小林さんが政治の世界に飛び込んだのは、4年前の56歳の時。
 子どもたちが通っていた学校ではPTA会長なども務め、常に地元に根付いた活動を行ってきた小林さんは、マニフェストにも「地元に根付く」を掲げている。
 小林さんはまた、「人は神にデザインされた姿、与えられた環境があります。そして、神から与えられたアイデンティティーを、過去の戦争の過ちなどで全て否定しなくてよい、と私は考えています」とも言う。
 「この地域はもちろん、今の日本人全ての人に『ありのままに自信を持ってよい』と伝えたい。都市部には都市部の、この地域にはここだからこそできることがある。それを喜んで受け入れられるよう、教育の分野に力を注ぎたい」と、その思いを語った。


クリスチャントゥデイ、2015年6月18日11時34分
「素直に感謝し、楽しく生きられる人育てたい」
矢板市議の小林勇治さん

インタビュアー : 竹村恭一
https://www.christiantoday.co.jp/articles/16234/20150618/kobayashi-yuji.htm

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2019年04月18日

安倍首相の長期国会逃亡

 とにかく、世界の注目スポットに顔を出したいようだ。
 4月22日から29日にかけて、フランスなど欧米6ヶ国を歴訪する安倍首相。
 フランス訪問の際、大規模火災で損傷したパリのノートルダム大聖堂に足を運ぶ案が浮上している。

 大聖堂再建に向けて国際社会から寄付などの支援の動きが広がっており、日本としても存在感を示す狙いだ。
 安倍首相は日仏首脳会談で直接、マクロン大統領に協力方針を伝え、フランス国民との連帯を示すため、大聖堂を視察。
 国際社会に“いい人”をアピールするつもりのようだが、ハタ迷惑もいいところだ。

 大聖堂の修復に向けたプロジェクトが早速、始動する中、曲がりなりにも一国のトップが視察に訪れれば、仏政府も受け入れ態勢を整えざるを得ない。
 火災現場で安倍首相にケガでもされたら、一大事。
 仏政府のスタッフも当然、安全確保の準備に駆り出される。
 修復に向け必死に対応している立場からすれば「この非常時にノコノコやって来て邪魔すんな!」というのが本音だろう。

 そもそも6月末のG20サミットに向けた地ならしが目的というが、国会開会中に1週間以上も外遊にかまけ、帰国したら新天皇の即位を控える。
 安倍首相の長期国会逃亡には批判の声もあるだけに、大聖堂火災のお見舞いは外遊正当化の絶好の口実と思っているのではないか。

 平成最後の外遊で今月から運航する新たな政府専用機がデビュー。
 安倍首相夫妻も搭乗を楽しみにしているそうだが、血税から気前良くマクロンに見舞金を弾みそうで心配になってくる。


[写真]
焼け落ちた大聖堂

日刊ゲンダイ、2019/04/18 14:50
いい人アピール安倍首相“大聖堂お見舞い”プランのハタ迷惑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252157

与党の審議拒否がニュースになった

 2019年4月12日、衆院と参院の予算委員会に所属する野党議員は、予算委員会の開会を要求しました。
 それは、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会、無所属を含む、文字通り一致しての要求でした。
 立憲民主党国会情報ツイッターによると、次のように書かれています。
 2019年4月12日、衆院と参院の予算委員会に所属する野党議員は、予算委員会の開会を要求しました。それは、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会、無所属を含む、文字通り一致しての要求でした。立憲民主党国会情報ツイッターによると、次のように書かれています。
予算委員会開会要求
 安倍政権内において、不適切な発言と辞任が相次いでいる。
 塚田一郎元国土交通副大臣は、安倍総理と麻生副総理の地元を結ぶ道路整備をめぐって「私が忖度した」などと発言。
 櫻田義孝前五輪担当大臣は、安倍内閣が最重要課題に掲げている東日本大震災からの復興以上に、衆議院議員が大事であると発言。
 いずれも事実上の更迭であり、安倍内閣の驕りと緩みから生じたものと言わざるを得ない。
 このような事態を招いた安倍総理の責任は重大であり、改めて、安倍内閣の政治姿勢について問いたださなければならない。
 よって、緊急に予算委員会の開会を要求する。
 以上についての回答を4月16日正午までに求める。

 これに対し、回答期限の16日、野田聖子衆院予算委員長(自民)と金子原二郎参院予算委員長(自民)は、与党の開催合意が得られないとして、事実上の開会拒否を回答しました。
 立憲民主党の蓮舫参院幹事長の会見によると、仮に委員長の職権で予算委員会を開いたとしても自民党が出席をしない姿勢を示したためとのことです。

 この出来事について、野党からは「与党による審議拒否」との声が上がり、次のように報じられました。

〈不祥事巡る予算委、与党が開催拒否 野党「審議拒否だ」〉「朝日新聞」19年4月16日

〈集中審議 与党が開催拒否…桜田氏辞任 首相追及へ野党要求〉「読売新聞」19年4月16日

〈衆院予算委開催、与党が拒否 五輪相辞任受け野党要求〉「毎日新聞」19年4月16日

 昨年(18年)の通常国会で、野党が審議拒否したときには「国会サボり」などと、厳しい批判が浴びせられました。
 必ずしも「サボり」でないとの筆者の解説記事〈野党の「審議拒否」は「サボり」なのか?〉に対しても、多くの批判が寄せられました。

(※2018.04.28 田中信一郎「野党の「審議拒否」は「サボり」なのか?」https://hbol.jp/164739

 そこで、今回の与党による「審議拒否」について、国会の制度や規定から解説します。

国会法・衆参規則では矛盾が生じうる

 今回の野党による予算委員会の開会要求は、次の衆院規則と参院規則に基づきます。

”衆院規則第67条2項 委員の3分の1以上から要求があつたときは、委員長は、委員会を開かなければならない。”
”参院規則第38条2項 委員の3分の1以上から要求があつたときは、委員長は、委員会を開かなければならない。”

 一方、今回の与党の審議拒否は、国会法に基づきます。

”国会法第49条 委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。”

 つまり、衆参規則に基づき、野党(国会少数派)が委員会開会を要求し、委員長が開会しても、与党(国会多数派)の欠席により、半数以上の出席がないため、委員会が流会(中止)になってしまうのです。
 それが明白なために、委員長は開会を実質的に拒否したわけです。

 これは、それぞれ別の根拠に基づき、法が優越し、規則が劣後するという単純な問題でありません。
 衆参の規則は、国会法第48条「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する」の細則で、国会法の第48条と第49条のせめぎ合いだからです。

 この要因は、国会法や衆参規則がこうした矛盾を想定していないことにあります。
 委員長が48条に基づき委員会の日時を決めた場合、少なくとも与党(国会多数派)の意思と矛盾しないと想定されているわけです。

 一方、衆参規則で野党(国会少数派)の開会要求があった場合、委員長の権威でもって与党議員を従わせ、与党も委員長の決定に従うことを想定しています。

 要するに、衆参規則に基づく開会要求があれば、委員長は開会を前提に与党理事と日程調整し、与党議員を出席させることが、国会法や衆参規則の求める委員長のあり方なのです。

 ならば、なぜそれを国会法や衆参規則に規定しないのでしょうか。
 実は、議決(決定)のときはさておき、議事(審議)のときの定足数については、もっと緩和できないか、これまでも議論になっています。
 ただ、与党と野党それぞれ、緩和によるマイナス面があるため、これまで実現していません。
 与党とすれば、野党による内閣批判の機会を増やすことになってしまいますし、野党とすれば、与党による強引な議案審議を可能にしてしまうからです。

 それを解決するには、内閣・議案のチェックという国会の最大の役割の発揮について、与野党双方が共通認識とし、それにふさわしい行動を取ることが大前提になります。
 国会法や衆参規則は、国民の代表たる国会議員が、与野党を超えて国会の役割を尊重する前提でつくられています。


 そうすれば、今回のような矛盾は生じません。
 国会制度の想定外というわけです。

 ちなみに、与党の審議拒否(委員会の開会拒否)をめぐっては、かつても悶着があったと記録されています。
 1961年10月18日の衆議院議院運営委員会小委員会の議事録には、柳田秀一衆議院議員(日本社会党)の発言として、次のようにあります。
一人の委員長が雲隠れをしたら、委員会が開けない。野党ばかり責められますけれども、自民党も同じことをやっております。決算委員会の委員長もずっと雲隠れして―自分に都合の悪いことを野党が議題に上せたときに、決算委員長は、理事と打ち合わせて、はるかに熱海まで行っておったというようなことがあるんです。
(衆議院事務局編『逐条国会法第3巻』463頁)

口頭質問制度の不在が問題を複雑化

 今回の予算委員会の開会要求は、櫻田オリンピック大臣や塚田国土交通副大臣の辞任を受けてのものです。
 いずれも、個人的事情による辞任でなく、大臣の資質や政策決定過程への疑念がつのった結果の辞任です。
 安倍晋三首相は、二人の辞任について、責任が自らにあることを表明しています。
 つまり、内閣としての問題です。

 内閣の問題をチェックするのは、国会の重要な役割です。
 大臣・副大臣の発言の原因を解明し、安倍首相の任命責任を問うことがなければ、再発防止はかないませんし、内閣の国民に対する説明責任も果たされません。

 ただ、このことに同意する人々であっても、なぜそれを「予算委員会」で行うのかについては、疑問に思う人も多いでしょう。
 実際、他の議院内閣制の国々では、このようなときに予算委員会を開きません。

 それでは、他国の議会はどうするのでしょうか。
 ほとんどの場合、日本のように、与野党の合意で委員会を開催する必要がありません。
 もちろん、同様の問題が起きれば、日本以上に厳しくチェックされます。

 実は、首相を含む各大臣に対して「口頭質問」の機会が、政局と無関係に定期的に開催され、そこで行われます。
 例えば、イギリス議会では、開会中の月〜木曜日、決まった時間に本会議場で「口頭質問」を実施しています。
 大臣が日替わりで登場し、議員の質問に答弁します。
 毎週水曜日は、首相答弁の日で、慣例で野党党首が質問に立ちます。
 フランスとドイツは週1回、開催しています。

 残念ながら、口頭質問制度は、日本の国会では廃れてしまいました。
 国会法と衆参規則では、口頭質問の規定がまだ残されているため、与党(国会多数派)さえやる気になれば、明日にでも可能です。
 けれども、実際のところは、口頭質問制度を知っている国会議員はいませんし、与党が実施する気になるかは疑問です。
 その気になるくらいならば、今回の予算委員会も開会に応じているはずだからです。

 口頭質問が廃れてしまった国会では、衆参の予算委員会が実質的な代わりを担っています。
 野党が予算審議を「人質」に取り、開会を要求してきた経緯があります。
 予算委員会は、首相を含めて全大臣を出席要求することも可能です。

 予算委員会の最大の問題は、定期的な開会が約束されず、与党の同意が必要なことです。
 それでは、与党を基盤に成立している内閣のチェックという国会の役割を果たすことが十分にできません

 それでは、今回、衆参の予算委員長はどうすべきだったのでしょうか。

与党は国会軽視の行動をやめろ

 予算委員長は、衆参規則を無視せずに、予算委員会の開会日程を決めるべきでした。
 開会当日、与党委員が委員会室に現れなければ、定足数を満たさないため、そこで流会(中止)となります。
 結果としては同じに思えますが、誰も衆参規則に反することになりません。

 なぜ、委員長は規則に基づいて開会し、結果として流会させず、規則を無視して開会を拒否したのでしょうか。
 それは、与党の審議拒否を「可視化」させないためだったと考えられます。
 野党の審議拒否が「諸刃の剣」となり得るリスクある行為であると同様に、与党の審議拒否もリスクがあります。
 ただ、野党の審議拒否は自ずと「可視化」されるのに対し、与党の審議拒否はあらかじめ委員会を開会しないことで「可視化」しにくいのです。
 委員長が衆参規則を踏みにじってまでも、それを避けたかったということです。
 それは、国会を軽視する行動に他なりません。

 それでは、野党にはどのような対抗手段があるのでしょうか。

 一つは、衆院決算行政監視委員会の開会について、同じ規則に基づいて開会要求することです。
 委員長は野党なので、委員長の職権で開会期日を決めることが可能です。
 もちろん、開会しても定足数に満たないため、委員会は流会となります。
 けれども、与党による審議拒否を「可視化」することは可能です。
 委員会室がガラガラの状態で、開会を待つシーンは、審議拒否をするときの野党にとってキツイ場面です。
 それが与党の責任になるのです。

 もう一つは、野党合同ヒアリングを開催し、櫻田大臣や塚田副大臣に随行した官僚、部下の官僚からヒアリングすることです。
 直接的ではありませんが、問題の解明にはつながります。
 以前、筆者の解説「野党は国会を見据えて行動を。野党もできる実のある国会改革」で論じたように、野党合同ヒアリングは、国会改革の可能性を秘めています。

(※2018.11.03 田中信一郎「野党は国会を見据えて行動を。野党もできる実のある国会改革」https://hbol.jp/177915

 繰り返しますが、野党の「審議拒否」が多くの有権者の目に見えやすいのに対し、与党の「審議拒否」は有権者の目から見えにくい状態にあります。
 与党も、さまざまなかたちで「審議拒否」していることが多くの有権者に伝わり、それが国会の役割を損なう問題であると知られることは「熟議の国会」をつくる最初の一歩になります。


ハーバービジネスオンライン、2019.04.18
与党の審議拒否は、国会制度の想定を超えた蛮行。
これこそが「サボり」である。

(田中信一郎)
https://hbol.jp/190511/

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井上ひさし『ボローニャ紀行』

井上ひさしさんの「ボローニャ紀行」
 イタリア半島は、長靴をはいた脚そっくりに見えるが、ではその長靴をはいているのは男か女か

 井上ひさしさんは今年2010年4月9日に、肺がんで亡くなられた。
 享年75歳。
 早いものでもう8ヶ月も経っている。
 私は決して熱心な読者ではなかったが、井上さんと同じ山形県出身、そして井上さんは高校時代を仙台で過ごしたことなどもあり、身近に感じる作家であった。
 もちろん、井上さんの代表作の一つであるNHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」(1964-69年に放送)は、リアルタイムに楽しんだ。
 もっとも当時は、作者が井上さんだとは全く知らなかったのだが。

 また、井上さんの長編小説『吉里吉里人』(新潮社、1981年、834ページ)は出版直後に読んでいた。
 説明するまでもなく、吉里吉里(きりきり)は地名で、岩手県の大槌町の北にある集落である。
 そのあたり一帯が、日本から独立する話であるが、国とは何なのかを考えさせる話であった。

 そう、大槌町には、海洋学をやっている私たちになじみのある東京大学海洋研究所の大槌臨海研究センター(現在の東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター)がある。
 この敷地内の海側(大槌湾)へ突き出た突堤の先に、小さな、本当に小さな、幅も長さも10mに満たない蓬莱島(ほうらいじま)がある。
 この島が「ひょっこりひょうたん島」のモデルと言われている。

 閑話休題。
 さて、2010年10月のある日、東京出張の折に仙台駅の本屋で見つけたのが『ボローニャ紀行』(文春文庫、2010年3月、253ページ)であった。
 出張には、いつもカバンに1-2冊の本を入れて出るのだが、その日はすっかり忘れたのであった。
 最近、こういうことが頻繁に起こる、困ったものです。

 さて、ボローニャと聞くと大学人は、西暦1088年に、ヨーロッパ初の大学(ボローニャ大学)が創設された街であることを思い出す。
 そのようなこともあり、この本を手に取った。
 ページをめくると、冒頭に引用した文が、この本の最初の文章であった。

 さて、この本、「紀行」と題しているので旅行記のような印象であるのだが、もちろんその要素も入っているが、ボローニャの歴史や現在進められている都市再生への努力が紹介されている。
 むしろ、井上さんは「ボローニャ方式」と呼ばれ、世界中から注目されているこの都市再生の、理念や住民の努力を紹介したかったのではなかろうか。
 そう、優れたルポルタージュの本なのである.

 井上さんのボローニャへの入れ込み、そしてこだわりは、次の文章からうかがえる。
 2003年12月初旬、30年間の机上の勉強でいまでは恋人よりも慕わしい存在となったそのボローニャへいそいそと、恋する街へ敬意を表わすためにボローニャの名産品、秘蔵のテストニーニのカバンを肩にかけて颯爽と、わたしは成田を発ちました(略)
(「テストーニの鞄」pp.10-11)

 すなわち、そのきっかけは何であったのかは分からないが、井上さんはボローニャを長年にわたり調べていたのである。

 さて、全く知らなかったのだが、ボローニャは製品を包装する精密機械製造の一大拠点なのだそうだ。
 ティーバッグを作る器械のほぼすべてがここで作られている。
 以前はティーバッグの袋と糸をホチキスで留めていたのだが、日本茶のティーバッグを注文されたとき、ホチキスでは金気(かなけ)臭いというクレームがあり、糸で結んだのだそうだ。
 今では世界中でこの仕様となっているらしい(「街の動力」pp.63-74)。

 また、ドイツ・ナチス軍とイタリアのムッソリーニ率いるファッショ軍双方に対して、レジスタンス運動を行ない、大きな犠牲を払いつつも最終的には勝利しているのも、ここボローニャの地であったという(「そのとき、坊やは、背後から射たれた」pp.156-166)。

 この本を読んで,ボローニャの人たちがうらやましくなった。
 まず、実に前向きなのである。
 そして、確かな理念のもとに、新しいことにチャレンジしているのである。
 一言で言えば、過去の歴史が人々にそうさせているのかもしれない。

 ボローニャの街は赤レンガの建物で埋め尽くされているらしい。
 機会があったら、この本を手に、訪問したいものである。
 この本、皆さんにお薦めの一冊である。

 さて、冒頭の問題に戻る。
 あなたの答えは、男、女、どっちだったろうか。
 答えは、そう、男なのである。
 その理由を知りたいですって。
 知りたい方は、どうぞこの本を読んでください。
 井上さんが記している理由をここに書くのはねー、ためらいますので。
花輪公雄(東北大学大学院理学研究科、名誉教授)
2010年12月15日記

http://www.pol.gp.tohoku.ac.jp/~hanawa/ori/contents/066.html

 井上ひさしさんの「ボローニャ紀行」、これに触発されたのが東京都議、池川友一(1985年生まれ)。
 ツイッターにこんなつぶやきが:

 日本共産党都議会議員(町田市選出)。
 4人の子どもに育てられ中。
 井上ひさしさんの『ボローニャ紀行』にある
自分はここで生まれてよかった、ここで恋をし、ここで子どもを育て、ここで死ぬことができて幸せだった。そう思えるような街をみんなで作りあげること。それが自治なのではないか
が原点。


 へえ〜、この若き都議、2018年春、加古里子にも触発されております。

「大人に流されず、自分自身で考える力を子どもに養ってほしい」

 2018年5月2日に92歳で死去した加古里子(かこ・さとし)さんは昨年2017年10月、「だるまちゃんシリーズ」の発行50年を機に神奈川県藤沢市の自宅で取材した際、作品への思いをこう語った。

 19歳で終戦を迎えるまで、飛行機乗りに憧れた軍国少年。
 戦後、大人が敗戦の責任をなすり付け合う姿に失望して「子どもの未来のために生きる」と決意した。
 1950年代、仕事の傍ら川崎市の工業地帯に通い、子どもらに手作りの紙芝居を見せる活動に加わったのもその一環だった。
 本人の思いをよそに、子どもたちは紙芝居がつまらないとその場を離れていった。

「トンボやザリガニを捕りに行ったりするのが、子ども本来の姿だと思った」

 懐かしそうに振り返っていたのが印象に残っている。
 その経験が絵本作家としての原点になった。
 「だるまちゃんシリーズ」の登場人物には、生き生きとした子どもたちの姿を映し出した。
 友だち思いの「だるまちゃん」、いたずらをして回る「とらのこちゃん」、筋骨隆々のライバル「におうちゃん」。
「少しぐらい変わっていても、個性があっていい」
との考えからだったという。

 作品では、社会問題をたびたび取り上げた。
 1983年に書かれ、一昨年2016年復刻した「こどものとうひょう おとなのせんきょ」では民主主義の大切さを訴えた。
 今年2018年1月には、だるまちゃんシリーズ最後の3冊を発行。
 沖縄や東北の伝承に出てくる妖怪をキャラクターにし、米軍基地問題や、東日本大震災と原発事故に苦しむ人たちへの思いを、子どもたちに託した。

「嫌なこと、つらいことは全部庶民、一番弱いところにいくから」
と、作品に込めた思いを語った加古さんはこうも話していた。

「子どもたちには戦前の私のような過ちはしてくれるなと訴えたい」

 その言葉を胸に刻みたい。
 

東京新聞・<評伝>、2018年5月8日 朝刊
加古里子さん死去
「子どもに生きる力を」 戦争体験で決意

(布施谷航)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201805/CK2018050802000139.html

 この若き都議、こんな言葉をブログにしたためております。

改めて、かこさんの残した思いを受け止め、引き継いで行きたいと思います。
よりうつくしくあれ
よりたくましくあれ
よりすこやかであれ
2016 かこさとし


 この若き都議、今年2019年お正月のブログです:

 あけましておめでとうございます。
「都民の声と運動で都政を動かすことができるし、実際に動かしている」
──これが都議会に送っていただいての実感です。
「災害レベル」の猛暑だった昨年2018年の夏。
 学校の体育館にエアコンを設置するために、都政の役割が重要だと条例提案や論戦を行ってきました。
 こうした中で、都立高校は3年間で設置すること、町田市でも新設した都の補助を活用して全小中学校の体育館に設置する方向で動き出しています。
 他にも、避難所の改善など防災対策、医療的ケアが必要な子どもの通学保障、年金で入れる特養ホームの増設など少しずつ前に動き始めています。
 同時に、膨れ上がっている東京2020大会の経費削減と透明化、食の安心・安全を置き去りにした築地市場の豊洲移転問題、横田基地へのオスプレイ配備など都政を厳しくチェックする論戦も行ない、徹底的に追及してきました。

「暮らしに役立つ都政に変える」
──都議選で掲げた小学校と同じ中学校給食の実現、シルバーパスの負担軽減と都県境を越えての利用など公約実現のために力をつくしていきます。
 これからも、地道に、大胆に、市民と都政をつなぐ架け橋として役割を発揮していきます。


「都政への架け橋」、2019-01-03
「武相新聞」に年頭所感が掲載されました
https://blog.goo.ne.jp/u1_ikegawa/e/68ec50d6a564b05409a824daf0db689c

 そしてこの若き都議、現在の政治活動をこんなふうに綴っています:

「日本共産党が伸びれば、必ず政治は変わります。変える力は、みなさま方お一人お一人です」
──統一地方選挙で、私はこうした角度からお話をさせていただいています。

 変えてきたものは、いろいろとありますが、共産党都議団の先輩たちが市民のみなさんと力を合わせて努力を重ねてきたことで開いたのが、待機児童の解消、保育園の増設です。

 かつて都議会では、自民党や公明党から認可保育園ではなく、認証保育園を増やせばいいという意見がありました。
 それを、都民の運動と結んで、基準のしっかりした認可保育園を増やすべきだと求めてきたのが共産党都議団です。

 舛添知事が「土地がない」と言えば、都有地を足を運んで探し出し、「ここにも土地がある」と揺るがぬ事実を持って迫ってきたのです。

 また、保育園で働く保育士さんの処遇改善を求めて奮闘する中で、東京都は保育士への加算を始めました。

 そういう中で、8議席(2009年度)だった時には149億円だった保育関連予算が、18議席に増えた2019年度予算では、なんと約10倍の1450億円まで増えたのです。

 これは都政だけの問題ではなく、区市町村議会で共産党議員団が「認可保育園の増設を」と求め続け、各区市町村で保育園整備が進み始めたことと一体不可分です。

 都政と区市町村政の連携プレーがどうしても必要なのです。
 先の定例会での代表質問では次のようなやりとりがありました。

(共産党・清水都議)
 知事は、2019年度末までに待機児童ゼロを実現する目標を掲げています。
 残り1年ですが、新年度予算案で実現の展望は示されていません。
 知事、あと1年で待機児童ゼロをどのようにして実現するのですか。
 公立保育園を含め、認可保育園の増設を中心に、量の確保と質の向上の両方を同時に進めることが重要です。
 知事の認識を伺います。

(小池知事)
 保育サービスの拡充についてでございますが、保育サービスは、保育の実施主体であります区市町村が、公立、私立の認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。
 都は、今後とも待機児童解消に向けまして、認可保育所を初めとする多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。

 「公立を含め、認可保育園の増設を中心に」という質問に「公立、私立の認可保育所」ということから答弁しているのは極めて重要です。

 待機児童問題は、区市町村ごとに違いはありますが依然として深刻です。
 この区市町村議選挙で、共産党を伸ばし、待機児ゼロに道を開きましょう。


「都政への架け橋」、2019-04-15
「日本共産党が伸びれば必ず政治は変わります」
──都議会では共産党の議席増で、保育関連予算が10倍に

https://blog.goo.ne.jp/u1_ikegawa

 この若き都議に触発されたヤッホーくん、へえ〜政治ってやっぱり重要、生活の一部だよねえ、
 暮らしが悪くならないよう、今度こそ区議会議員選挙に行って、投票してこなくっちゃ!って。

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初国賓を「傍若無人の不動産王」にした安倍首相

「2月24日、東京都内で天皇陛下の在位30年を祝う記念式典が開かれました。
 当日は、午前中に皇太子ご夫妻などの皇族方が即位30年の祝賀をお伝えに皇居へ。
 午後7時ごろからは、お祝いのための夕食会に、黒田清子さんご夫妻らを含めたご家族らが参加されました」

 そう話すのは、ある皇室担当記者。記念式典では、こんな“ハプニング”も。

「式典内では、陛下が声を震わせながら、30年の歩みを振り返り、国民への感謝の思いを約8分半にわたってスピーチされました。
 そのさなか、陛下は読む原稿を1枚分飛ばしてしまう場面がありましたが、皇后さまがすぐさま近づかれ正しい順番をお伝えして事なきを得たのです」
(同・皇室担当記者)

 ご高齢の陛下を常にお支えになっている美智子さまの“ファインプレー”に、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんは、次のような感想を抱いたという。

「テレビ中継された式典内で、天皇陛下がおことばを読み違えた際に、すかさず、そして優しく美智子さまがフォローされたお姿には、涙が出るほど感動しました。
 マイクから漏れ聞こえたおふたりのやりとりは、夫婦として“阿吽(あうん)の呼吸”だったので、本当に仲がよろしいのだと感じましたね。
 天皇陛下は、美智子さまに対して感謝の気持ちがあふれているからこそ、おことばの中で美智子さまの和歌も紹介されたのだと思います」

 渡邉さんがそう話すように、陛下はおことばの中で、美智子さまが以前、詠まれた和歌を紹介されたのだ。

《ともどもに平(たひ)らけき代(よ)を築かむと諸人(もろひと)のことば国うちに充(み)つ》

 この和歌について、皇室の新年行事『歌会始』で選者を務めている、京都産業大学の永田和宏教授に話を聞いた。

「天皇陛下が式典で紹介された皇后陛下の和歌は、おふたりが新しい時代を引き継いだときに“安らかで平和な時代を築いていきたい”という決意の思いがありつつ、それに呼応した国民の声が国内に満ちあふれているという喜びが表現されています。
 それが、たのもしくも感じられるし、そういった時代になってほしいという期待も込められた前向きな歌だと思います。
 昨年12月のお誕生日の際のおことばでも、陛下は声を詰まらせながら皇后さまのことを語っておられました。
 皇后陛下のことを、とても信頼されていて“同志”だと思っておられるのではないでしょうか」

 そんな感動的な式典の翌日と翌々日の2日間で、合わせて3回、式典のお礼として『宮中茶会』が催され、各界の功労者などが招待された。

 しかし、次の皇后である雅子さまは、1度も姿をお見せになることはなかった─。

「25日は安倍晋三首相ら三権の長や国会議員、26日には元フィギュアスケート選手の浅田真央さんや、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隈良典(おおすみ よりのり)さんなどが出席しました。
 茶会には、両陛下や皇太子さま、秋篠宮ご夫妻などの宮家の方々も参加されていたのですが、ご病気の影響なのか、雅子さまのお姿はありませんでしたね」
(宮内庁関係者)

 '04年から『適応障害』の療養中である雅子さま。
 お代替わりまで、2か月を切る中で、周囲からは心配の声も。

「2月8日の『青少年読書感想文全国コンクール表彰式』以降、公務にお出ましになっておられませんでした。
 実は、皇太子ご夫妻の長女である愛子さまも、2月初旬から腹痛などの症状を理由に学校を休まれがちだったのです。
 愛子さまへの不安が、お仕事に影響していなければいいのですが……」
(東宮職関係者)

 ある皇室ジャーナリストは、そんな不安の声を吹き飛ばすようにこう語る。

「2月23日は皇太子さまの59歳のお誕生日でした。
 この日は、両陛下や秋篠宮ご夫妻などを招いた夕食会が東宮御所で開かれ、そのホスト役は雅子さまが務めるのが慣例になっています。
 当日、雅子さまは料理やお飲み物など細かい気配りをされなければなりませんし、両陛下がいらっしゃるプレッシャーも当然あるでしょう。
 さらに、翌日の記念式典にまつわる行事には参加される予定だったので、療養中の雅子さまはご体調を考慮して茶会を欠席されたのだと思います」

 前出の渡邉さんは、茶会のご欠席は“美智子さまのご配慮”があったのではと話す。

「重要な行事が連続した関係で、雅子さまは茶会を欠席されたのだと思いますよ。
 茶会には、1回につき約500人の招待者がいましたが、その中で注目される皇族方はとてもお疲れになるでしょう。
 いちばん大切な行事であるお代替わりまで2か月を切っていますし、療養中の雅子さまには大事をとっていただくように、美智子さまや皇太子さまが配慮されたのかもしれませんね」

 あくまで、お代替わりを見据えたうえでのご欠席だったようだ。

 一方で、前出の宮内庁関係者は、お代替わりのあと、雅子さまが意欲を燃やされている“挑戦”があると話す。

海外経験が豊富で、独身時代は外務省にお勤めになっていたこともあり“皇室外交”に挑戦されると思います。
 今年は即位関連の儀式が続き、両陛下から公務を引き継がれるので外遊は難しいですが、来年以降は海外訪問の機会が増えていくでしょう。
 今年でいうと、5月にアメリカのトランプ大統領が国賓として訪日する予定です。
 さらに中国の要人も、6月に大阪で開かれる国際会議『G20サミット』に合わせて、新たな両陛下と接見する可能性があるそうです


 まずは日本国内での外交をこなされつつ、いずれは海外訪問に挑戦しながら“飛躍”されていくのだろう。

「もともと、雅子さまは国際親善を志していたこともあり、皇后になられてからは海外訪問など、国際的な活動に取り組まれると思います。
 ご本人が希望されているジャンルの取り組みができることで、ご病気もよい方向に進む可能性があるでしょう」
(渡邉さん)

 “皇室外交”を通じて「新皇后」の活躍を見られる日が待ち遠しい─。


[写真]
2月24日の午前中、陛下の即位30年をお祝いするため皇居へ向かわれた雅子さま

週刊女性PRIME、2019/03/06 11:00
雅子さま、お代替わり早々トランプ大統領と懇談へ!
悲願の「国際親善」へ飛躍する日

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/雅子さま、お代替わり早々トランプ大統領と懇談へ%EF%BC%81悲願の「国際親善」へ飛躍する日/

 5月に訪日を予定しているトランプ米大統領が、同26日にある大相撲夏場所の千秋楽を観戦し、優勝力士に安倍晋三首相と共に「内閣総理大臣杯」を授与する案が浮上した。
 両首脳による「そろい踏み」で、緊密な日米関係を国内外にアピールする狙いがありそうだ。

 トランプ氏は5月26〜28日に国賓での訪日を予定。
 26日に大相撲を土俵最前列の「砂かぶり」や升席で観戦する調整が進む中で、表彰式での「授与案」が浮かんだという。

 内閣総理大臣杯は、首相本人や代理の正副官房長官らが優勝力士に授与しており、外国首脳が授与した例はないとみられる。
 相撲好きで知られるシラク元仏大統領がかつて「フランス共和国大統領杯」を創設したこともあり、今回も「総理大臣杯」ではなく、米国が新たに「特別表彰」を設けてトランプ氏が授与する案も出ている。

 トランプ氏は、皇太子さまが5月1日に新天皇に即位された後、初めて会見する国賓となる見通し。
 日本政府は、北朝鮮の核・ミサイル問題や中国の台頭などをにらみ、日米連携強化を印象づけたい考えだ。


毎日新聞、4/12(金) 19:33配信
トランプ氏が総理大臣杯授与?
大相撲夏場所で調整

(光田宗義)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190412-00000067-mai-pol

 令和の命名から始まって、退位、即位の政治利用、そして「桜を見る会」の招待客の露骨な公私混同など、最近の安倍首相を見ていると、自らの権力維持のためには何でもありの強引さが目に余る。
 こんな卑しい首相がかつていただろうか。

 そう思っていたら、今日発売の週刊新潮(4月25日号)が痛烈な安倍批判をした。
 それは、初国賓が傍若無人の不動産王でいいのか、という特集記事だ。
 もちろん、トランプ大統領のことだ。

 そこに書かれている内容はまさしく日本国民に問いかける内容だ。
 それを読むと誰が見ても不敬だと思う内容ばかりだ。

 一昨年2017年11月に、トランプ大統領が初来日した時は、実務賓客だった。
 その理由は不明だが、やはり今上天皇の国賓にはそぐわないという判断が宮内庁や天皇陛下御自身にあったのではないか。
 今上天皇との確執が取りざたされている中で、さすがの安倍首相も今上天皇の気持ちを無視できなかったのではないか。
 私はそう推測している。

 しかし、新天皇になれば思うように出来る。
 実際のところ、安倍首相は何度も即位前の皇太子を訪れている。
 新元号「令和」を事前通報をしたことは間違いないが、週刊新潮のその記事は、トランプ大統領の国賓についても話したと見られると書いている。
 間違いなくそうだろう。
 国賓ともなればその儀典も最大の行事が盛り込まれる。

 新天皇、皇后の新たな公務の仕事はじめが、傍若無人を絵にかいたような「あの男」でいいのか。

 週刊新潮ははっきりそう書いた。
 安倍首相は怒るだろうが、しかし同時に自らの不敬を恥じることになる。
 あの英国でさえ、エリザベス女王にトランプを会わせるなと言う声が上がり、トランプ大統領の訪英が引き延ばされたことがあった。

 日本国と日本国民の統合の象徴である天皇を、その出発の時点から米国の下に置くような安倍首相は、自らの不敬を恥じるべきだ。
 それが自分の保身のためというのなら、令和の時代を、そのはじめから冒涜することになるだろう。


 それにしてもこんな特集記事を掲載した週刊新潮の勇気は見事だ。
 大手新聞こそ書くべき記事である。


天木直人のブログ、2019-04-18
初国賓を「傍若無人の不動産王」にした安倍首相の不敬
http://kenpo9.com/archives/5842

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2019年04月17日

議会の半分に女性を!

 「政治分野における男女共同参画推進法案」成立に大きな役割を果たした市民団体「Qの会」(代表・赤松良子元文相)が、2019年1月30日午後、「議会の半分に女性を!!」と題した院内集会を開催し、立憲民主党からは、長妻昭代表代行、大河原雅子ジェンダー平等推進本部事務局長はじめ、辻元清美国会対策委員長、岡本あき子、亀井亜紀子両衆院議員、宮沢由佳参院議員が出席しました。

 主催者代表あいさつを行った赤松代表は、
「『政治分野における男女共同参画推進法』が成立した意義は、各政党がどれだけ結果を出すかにかかっている」
と、各政党による活用を力強く促しました。

 立憲民主党を代表して、党の方針を説明した長妻代表代行は、
「立憲民主党は『政治分野における男女共同参画推進法』を重視し、4割の女性候補擁立を目指している。今のところ統一地方選挙での東京の公認候補予定者は女性が4割に迫っており、地域によっては半分くらいのところもある。今後、議員の産休・育休制度を整えていくなど、きめ細やかなサポートをし、政治文化を変えていきたい」
と、意気込みを語りました。

 その後、赤松政経塾、パリテ・アカデミー、女性のための政治スクールなど、女性候補擁立を目的とした講座を経て立候補を決意した女性たちや、各政党から立候補予定の女性が登壇し、決意を述べました。

 赤松政経塾出身で、埼玉県加須市議選に立憲民主党公認で立候補予定の池田ゆみこ氏は、
「学生時代、恩師から政治領域に進むように言われたが、37年後の今、ついに立候補することになった」
とあいさつ。

 同じく赤松政経塾出身で、埼玉県大宮区から立憲民主党公認で県議立候補予定の山田千良子氏は、働きながら子育てをしている経験を通し、女性が活躍しやすい社会をつくるために、保育所不足を含む社会の仕組みを変えていきたいと、思いを語りました。

 会場に集まった約200名の参加者は、さまざまな立場から女性政治家を増やしていこうと、熱気にあふれていました。


立憲民主党、2019年1月30日
「議会の半分に女性を!!」
クオータ制を推進する会の院内集会

https://cdp-japan.jp/news/20190130_1280

 選挙戦が折り返しを迎えた2019年4月2日、JR大宮駅東口の商店街に、自民党現職の藤井健志(たけし)(43)が店舗を一軒一軒回る姿があった。
 付き合いのある店主が多く「先日はどうも」から話が弾む。
 戦況について問われると「厳しいです」と答えて続けた。

「この地域は立憲民主党がすごく強くて」

 南5区(さいたま市大宮区)は、藤井と立民新人の山田千良子(ちよこ)(33)の一騎打ち。
 一見単純な構図は、この地ではより重要な意味を持つ。
 大宮が、立民の枝野幸男党代表の地元だからだ。

 立民の結党直後だった2017年10月の衆院選では、枝野が大宮を含む小選挙区(埼玉5区)で自民候補を大差で破り、9選を果たした。
 県内でも立民支持者が多い地域とされる。

 「枝野さんと戦っているような実感」と藤井。
 国政と絡めた周囲の見方を打ち消すように、こう訴える。
「地方選挙は政党間対立ではない」

 藤井は、自民県議が政務活動費の不正受給で辞職したことに伴う2017年8月の県議補選で初当選。
 枝野がバックアップした民進党新人を破ったが、当時は「オール大宮」を掲げて政党の公認は受けなかった。
「この選挙区は政党の看板を掲げることは不利になる」
との認識が陣営にはある。

 それでも、藤井は昨年末、無所属から自民会派入りを選んだ。
「政策の実行には数の力が必要だ」
 一部の支援者から批判も受けたが、理解を求めた。

 実現したいのは、まちづくりの推進だ。
「人や企業に選ばれるまちをつくる。そうすれば財源を確保でき、医療や福祉など身近な政策が実行できる」
 自民の国会議員や市議候補とも連携しながら「大宮のさらなる発展」を訴える。

 対する立民の山田は、元会社員。
 8歳と3歳の子どもを育てる母親で、女性議員の増加を目指す党にとっては「立民らしい候補」(県連幹部)だ。

「決心した時、私には何もなかった。手伝ってくれる人も、お金も、地域での知名度も」

 告示日の出陣式ではそう語った。
 公認決定が2月末と出遅れた中で、急ピッチで準備を進めてきた。
 仕事と子育ての両立で苦労した自身の経験から、子どもを育てやすい環境づくりを掲げる。
 あえて小さい公園を回って子育て世代に声を掛けることも。
 街頭では、
「県議会は女性がたったの一割。声は届いているでしょうか」
と呼び掛ける。
 4月2日は、大宮駅東口に立った。
 それも朝から夜までずっと。
 人通りの多い場所で、なるべく多くの人に名前を覚えてもらう狙いだ。
 藤井陣営とは対照的に、政党名も前面に出す。
 「枝野票」をどれだけ自身の票に結び付けられるかが一つの鍵となる。
 とは言え、党代表として全国を飛び回る枝野は、選挙期間中は地元にはほとんど入れない。
 代わりに2日夕にマイクを握ったのは、知名度の高い辻元清美党国対委員長。
「枝野幸男を生み出した埼玉の皆さんに、立憲民主党を強くしてもらいたい」
と声を張り上げた。
 投開票日の7日まで残り2日。
 国政の影響も織り込みながらの選挙戦は佳境に入っている。

(定数1−候補2)
藤井健志(43)  NPO法人理事 自現<1>=公
山田千良子(33)(元)会社員  立新


東京新聞・埼玉、2019年4月5日
<統一地方選>
注目区を歩く(4) 南5区(さいたま市大宮区)
立民「お膝元」で一騎打ち

(井上峻輔)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201904/CK2019040502000157.html
 埼玉県議選南5区さいたま市大宮区(定員1、有権者数 95,709)
 投票率39.10%
 藤井 健志 20,103票
 山田千良子 16,387票

 男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に求める候補者男女均等法の施行後、初めて行われた統一地方選の道府県議選。
 2人の子育てをしながら埼玉県議選南5区(さいたま市大宮区、定数1)に初挑戦した山田千良子さん(33)は、選挙の後処理に追われていた。

 敗北から2日後の4月9日朝。
 山田さんはハローワークにいた。
 仕事探しと失業保険の手続きのためだ。

 2月末で10年間勤めた大手企業を退社した。
「もっと早く来れば、失業保険を早く受給できたけれど、選挙準備に忙しくて」

 年収数百万円を失った。

「企業が、落選しても復職できる仕組みを整えたら、議員のなり手はもっと増えるのでは」

「今後、選挙に出ようと思う人のために」
と、あえて現時点で整理した収支を明かしてくれた。

 支出は立候補の準備に150万円。
 選挙活動に166万円。
 うちポスター代や選挙カー、運動員の人件費の一部などは公費でまかなわれるが、活動中のベビーシッター代20万円などの出費もあった。

 収入は立憲民主党から公認料が150万円のほか、女性政治塾から立候補した人への助成金20万円、寄付金や陣中見舞金が13万円。
 選挙後、党から、「貸した支援金を返さなくてよい」と言われたため、選挙費用の自己負担分はほとんどない。

 ただ、「無所属だと200万〜300万円は自己負担しなくてはいけないだろうなあ」と思う。
 申請の順番を待つ間も、携帯電話には支援者から「よくがんばった」と電話はかかってくる。
 落選後も朝から連日駅頭に立ち、支援してくれた人を回って感謝とおわびのあいさつをしている。
「4年後も挑戦してほしい」と言われるが、収入を得る手段を考えるのが先で、今後のことは白紙だ。

「格差社会や、子育てをしている人が働きづらい社会を変えたいという気持ちは変わらない。そのために政治家を目指すのか、社会運動など別の道をめざすのか、まだわからない」

 落選が決まって自宅に戻ると、長男は悔しがって泣いていた。
 翌朝から仕事だった夫は、開票結果を見守ることなく単身赴任先に戻ったが、
「初挑戦にしては上出来。気持ちが乗ってるなら次もやっていいんじゃないか」
とメッセージをくれた。

「理解のある家庭に恵まれたなあ。家族の反対などで立候補を断念せざるを得ない人もいるのに」

 立候補するか、しないか――。
 悩んでいた山田さんの背中を強く押したのは、候補者男女均等法ができたことだった。

「戦後、女性が参政権を得て、赤松良子さん(元文相)らが中核になって男女雇用機会均等法ができた。そのバトンを受け継がねばと思った」

 「選挙に出てほしい」と思った女性は周囲に何人もいた。
 そうした人たちが出なかったので自分が出た。

「ハードルは高いが越えられないことはない。女性の側も『政治は男の仕事』という意識を変えなければならない」と強く思う。

選挙費用の収支と主な項目
【支出】 316万円
(主な内訳)
・ ポスター・ビラなど作成・印刷費147万円*
・ ポスティング代 46万円
・ 街宣車リース、装飾代 42万円*
・ 運転手・同乗運動員日当 11万円*
・ 選挙事務所の家賃や備品代 36万円
・ 看板代 10万円
・ 拡声機・マイクのレンタル代 9万円

【収入】 283万円
(内訳)
・ 党の公認料 150万円
・ 党からの借入金(返済免除) 100万円
・ 女性候補支援団体から助成金 20万円
・ 個人・団体からの寄付    13万円
(金額は概数。*印は一部が公費でまかなわれる)


[写真]
ハローワークで求人情報を見た。「介護や運送関係が多いですね」=2019年4月9日、さいたま市大宮区

朝日新聞、2019年4月15日11時41分
敗北2日後、ハローワークへ
落選候補、後処理の日々

(東野真和)
https://digital.asahi.com/articles/ASM4B73YPM4BULZU024.html

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2019年04月16日

蝦夷の英雄アテルイ

 アテルイ?日高見国?
 いつぞや石巻市に旅した時以来、ヤッホーくんには懐かしい土地の名です。
 ヤッホーくんのこのブログ、2014年06月21日付け日記「貞観噴火」をぜひお読みください。
 日記の一番下、最後尾に注記があります。

 関西アテルイ・モレの会
http://www.iwate-kansai.com/aterui/

 斉藤利男先生のお話をお聞きするうちに、どうしても今日中にそのお話をしておかなくっちゃ、とヤッホーくん:

アテルイの碑、京都に建立20年 岩手と交流広がる      

関西アテルイ・モレの会前会長 松坂定徳(まつざかさだのり)


 京都市の清水寺に平安時代の蝦夷の英雄を顕彰する『阿弖流為と母禮の碑』が建っている。
 私が会長を務める「関西アテルイ・モレの会」が、アテルイと戦った坂上田村麻呂ゆかりの清水寺に打診し、協力を得て1994年に建てたものだ。

長年歴史の脇役に

 建立20周年を迎えた昨年2014年11月、会員やアテルイの故郷である岩手県の関係者など約150人が集まり、記念法要を開いた。
 清水寺の森清範貫主の読経のほか、京都の有志による岩手の伝統芸能「鬼剣舞」や奥州市の無形文化財「鹿踊り」も奉納し、盛大な式典となった。

 蝦夷の首領だったアテルイは、朝廷から派遣された征夷大将軍の田村麻呂との戦いに敗れ、指導者だったモレと一緒に都に連れてこられた。
 助命を請う田村麻呂の嘆願は聞き入れられず、二人は河内国で処刑されたという。
 それから長い間、アテルイは歴史から忘れ去られた。
 あるいは朝敵や国賊として語り継がれるだけの存在だった。

 私は岩手県の出身だが、アテルイのことを知ったのは転勤で関西に引っ越してからだ。
 1962年に知人の勧めで関西岩手県人会に入った私は、そこで後に関西アテルイ・モレの会の初代会長となる故・高橋敏男氏に会った。

 岩手県出身の高橋氏はアテルイと田村麻呂の戦いを書いた澤田ふじ子氏の小説『陸奥甲冑記』をきっかけに、アテルイに興味を持ったようだ。
 岩手にある田村麻呂ゆかりの黒石寺の住職と親交があり、アテルイの首塚が大阪府枚方市にあると聞くと現地を調査しに行くなど行動的な方だった。

 高橋氏と交流を深めるうち、私も田村麻呂が一目置いたアテルイに関心を持つようになった。
 次第にアテルイと蝦夷の歴史に光を当てたいとの気持ちが強まり、中央政府との戦いに敗れた敗軍の将としてだけはなく、郷土を守ろうとした一面を伝えたいとアテルイを顕彰する活動を始めた。

関西でゆかりの地探す

 最初に取り組んだのは、首塚があるとされた枚方市にアテルイに関する掲示板を設置することだった。
 1989年に枚方市に申請したが、「歴史的根拠がない」と却下された。

 それでも諦めきれない。
 関西にアテルイの足跡をたどれる地はないかと探しているうちに、岩手県出身で当時、京都市議だった穀田恵二議員の紹介で、清水寺の勧学長だった故・福岡精道氏に慰霊碑の建立を打診する機会を得た。

 もともと清水寺は観音信仰にあつい田村麻呂が敵味方にこだわらず御霊を供養したのが始まりだったという。
 田村麻呂にとって敵だったアテルイの慰霊碑にも理解を示してくださり、平安建都1200年の機に顕彰碑を建てることができた。

 毎年、碑を建立した11月に法要を開いているが、20年という歳月が流れたことは実に灌漑深い。
 碑ができた頃は無名に近かったアテルイだが、今では小説や研究が数多く、舞台やテレビドラマで演じられる機会も多い。
 清水寺を訪れた観光客で碑に足を運んで下さる方も増えている。

岩手の伝統、京都に

 顕彰碑の建立をきっかけに、京都と岩手の交流も広がっている。
 20周年の法要で鬼剣舞を奉納した人たちは、もともと岩手県の鬼剣舞を見て自らも踊ってみたいと「京都鬼剣舞」を立ち上げた京都の人たちだ。
 岩手の伝統芸能が遠く離れた京都でも伝承されているのは不思議な気持ちだ。

 清水寺は新たに制作した大日如来坐像に、東日本大震災で流出した岩手県の高田松原の松を使って下さった。
 被災地の復興を後押ししようとする心遣いに感謝している。

 京都だけではない。
 2007年には枚方市にアテルイとモレの塚が建てられ、ふたりの足跡をたどることができるようになった。
 さらに、関西アテルイ・モレの会には九州の熊襲研究者や、田村麻呂の伝承が残る福島県田村市などからの訪問者が絶えない。
 アテルイをきっかけに東西の交流が深まり、各地方の歴史が見直される契機となっているのがうれしい限りだ。

 今後も年1回の法要を続けるとともに、これからの時代を担う子どもたちがアテルイやモレが活躍した時代について興味を持ってもらえるような広報活動に力を注ぎたい(完)。

・・・この記事は日本経済新聞2015年4月28日号に掲載されたものです・・・


関西アテルイ・モレの会、研究員便り、2019年01月20日 15時48分31秒
蝦夷の英雄 結ぶ絆
https://blog.goo.ne.jp/ateruimore-research

奥地に進む城柵

 大和朝廷の東北支配作戦は神代の時代からあったようです。
 四道将軍の派遣とか日本武尊の遠征とかがそれをうかがわせます。
 四道将軍の話では、大彦命が北東の北陸方面、その子の武淳川別が東海の太平洋側を進み、両者が合体した地点を会津と呼んだといわれています。
 大彦命の子孫が阿部比羅夫です。
 文献でみる限り、阿部比羅夫の遠征が東北支配作戦の本格化の始まりのようです。

 646(大化2)年、大化改新の詔書が出ました。
 新しい国造りが始まったのです。
 蝦夷対策でも柵を設けて東北開発を進めるという動きが始まりました。
 翌647年に淳足柵が、翌々年の648年に磐舟柵が設けられました。
 そして658年、阿部比羅夫が180艘の水軍を率いて日本海沿いに蝦夷遠征に出発します。

 阿部比羅夫は大彦命の子孫だけあって、越の国守として北陸地方に強固な地盤を持っていたようです。
 遠征は3年に及びました。
 最後は渡嶋(北海道南部)まで行き、蝦夷の要請を受けて粛慎を討ちました。
 粛慎というのは樺太から南下して来ていたギリヤーク人だったようです。

 阿部比羅夫の遠征は蝦夷を討伐することよりも、現地の実情を把握し、仲良くして交易することだったようです。
 蝦夷の人たちを招いて饗応し、朝貢を勧めました。
 その後、大和朝廷は柵の他に重要地点には多賀城や秋田城を設けました。
 これらの城柵は時と共に奥地へと進みました。
 しかし、大和朝廷の基本政策は、蝦夷を国民として同化させることにありました。
 だから、蝦夷の有力者には位階を授け、官僚や武人として遇しました。
 敵対して歯向かってこない限り、戦にはしないで済まそうとしたのです。

 797(延暦16)年、坂上田村麻呂が征夷大将軍になりましたが、彼もまた同じ基本的な戦略を取りました。
 したがって、投降してきた蝦夷の英雄アテルイは助けるつもりでした。
 だが、京都に居座っている公家たちは、アテルイの実力を恐れて斬首にしてしまったのです。
 田村麻呂にとっては痛恨事でした。

源氏軍との死闘

 878(元慶2)年に秋田城下で起きた俘囚による元慶の乱を最後に、以来250年もの間、平和な時代が続きました。
 その間に蝦夷の中から東北を代表する富裕な豪族が生まれてきました。
 その代表者が安倍一族でした。
 安倍は阿部比羅夫の阿部に通じます。
 阿部の子孫であるとして密かに誇ったのでしょう。
 頭領は安倍頼良でした。
 彼は後、敵対することになった源頼義と名前が同音だというので、名を頼時と改めています。

 安倍頼時が名前を変えるほど遠慮した相手でしたが、源頼義は手加減しませんでした。
 1056(天喜4)年、前九年の役が始まりました。
 続いて頼義の子、八幡太郎義家による後三年の役がありました。
 源氏軍と蝦夷軍との長い戦いの始まりです。
 途中、藤原氏三代の平泉時代という平和時代がありましたが、最終戦が待っていました。
 それは1189(文治5)年の源頼朝による蝦夷征伐です。

 同じ征夷大将軍でも坂上田村麻呂と源頼朝ではやり方が違います。
 頼朝は平泉を滅ぼすと共に、東北全体に御家人を配置しました。
 東北全体を武力支配下に置いたのです。
 しかも、頼朝は征夷大将軍に正式に任じられる前に、平泉討伐に出掛けたのでした。
 坂上田村麻呂は公家社会の武将でした。
 源頼朝は武家政権の創始者でした。
 軍事行動の政治的な意味合いが違いました。
 頼朝は平泉に逃げ込んだ弟義経を捕らえるというのは口実で、実は武家による全国統一を図ろうとしたのです。
 征夷大将軍の肩書は後でもよかったのです。
 名実共に全国を支配して鎌倉幕府を創立したのです。

 源氏は東北から軍馬を調達しました。
 義経はその軍馬を率いて史上稀にみる機動作戦を展開して平家を滅ぼしました。
 そして皮肉にも平泉で藤原氏と共に滅亡したのです。
 奥州の軍勢を温存していた藤原秀衡には別の戦略があったのかも知れません。
 だが、時が許しませんでした。
 今なお東北には義経伝説が残っています。
 渡海してモンゴルへ行き、ジンギスカンになったというのです。


2015年08月12日
蝦夷という名のフロンティア
吉村久夫
(企業家倶楽部、2015年8月号、歴史は挑戦の記録 vol.9)
http://kigyoka.com/news/magazine/magazine_20150812.html

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軍荼利明王、そして平泉 

 結論的に言えば、ちょっと過激なものの言いようですが、「北緯39度以北には、日本国の神々の体系が浸透しなかった」。

 日本国の神々の体系をここに持ち込んだのは、奥州藤原氏滅亡後の鎌倉幕府です。

 平泉時代までの北奥の宗教とは基本的に、エミシの神々の体系、そして仏教、この2つだった。

 それはどういうことかというと、日本国の神社の体系、神々の体系は、大体11世紀末〜12世紀の時期に出来上がります。
 その中心となるのが王城鎮守二十二社という体系で、王城鎮守、都である京都を守る、そして日本国の王権、そして支配層全体、これを守る神社と神々です。
 この二十二社、トップは言わずと知れた天皇家の神、伊勢神宮、
 第2位が軍神である石清水八幡宮、
 第3位が賀茂社、京都守護の神です。
 また、順位は7位なんですが、実質的に第4位を占めたのが春日社、藤原氏の氏神でした。

 実はこの4社は平泉にない。

 それ以外の中央系の神社は、いくつかあるんですが、この4社だけは ありません。
 ないどころか奥州藤原氏は断固これを拒否します。
 考えてごらんなさい。
 初代清衡は、源氏のために自分のお父さん(藤原経清)が殺されるという目に遭ったんです。だれが八幡宮をもってきますか、って言いたくなる。
 実は奥州藤原氏支配下の北奥羽でも、藤原氏が撤去しなかった八幡宮がありました。これを撤去すると、やはり日本国中央政府と問題を起こします。
 胆沢城鎮守府八幡宮、今でもありますね。
 平泉以前に勧請されたもので、これが残ったんです。
 しかしそれ以外には確認できない。

 もう一つだいじなのは春日社です。
 藤原清衡は、お母さんが安倍頼時の女、そして義理のお父さんは清原武貞で、当初清原清衡と名乗っていました。
 そして清原氏の遺領である奥六郡・山北三郡を受け継ぎ、北奥羽全域の支配者となった後、藤原と改姓します。
 それならば、氏神の春日社も持ってきてよさそうなんですが、持ってきませんでした。

 私はこの話をよく、いろんなところで言うんです。
 それは清衡は、藤原と改姓したけど、これは対中央政治交渉のために有利とみたから改姓したんだ。
 自分が藤原の一族だとはさらさら思っていなかったに違いない。
 恐らく清原か安倍だと思っていたのだろう、と。

 じゃあ、 平泉にどういう神様を呼んだのか。

 それは一言でいうならば、京都において異端派であったか、あるいは傍流であった神々を平泉に勧請したということです。

 まず北野天神=天満宮。
 いわずと知れた藤原氏に圧迫された菅原道真を祀る。
 次に祇園、それから稲荷社。

 この三社はいずれも御霊社と言いまして、中央の権力争いに負けたりして、非業の死を遂げた人たちを、民衆が祀った神で、これを持ってくる。
 そして、それ以外では、 縁の深い延暦寺との関係で日吉社と白山社、そして熊野社、それに金峯山社。
 これらは京都ではもちろん大きい勢力をもっていますが、天皇家を中心とする日本の神々の体系の中からいえば傍流なんです。

 注目したいのはこのことなんですね。
 そして、こういう日本国中央の神々の侵入を拒み、かわりに、宗教政策として何を持ってくるのか。

 それが仏教なんです。
 しかし、これは入間田先生が最初に言ったことですが、当時の京都の仏教界で大きな力を持っていた真言密教ではない。

 例えば毛越寺です。
 一般に毛越寺は白河天皇が創建した京都白河の法勝寺をまねたと言われます。
 しかしこの法勝寺の本尊は、真言密教の主尊大日如来でした。
 しかし毛越寺の本尊は薬師如来です。
 また法勝寺には阿弥陀堂もあるのですが、もう一つ重要な堂宇として五大堂があります。

 五大堂、松島が有名ですね。
 これは五大明王を安置している。
 五大明王というのは、不動明王を中心に、大威徳明王・降三世明王・金剛夜叉明王・軍荼利夜叉明王、この5つの明王からなる。
 京都の東寺の講堂にある五大明王像は有名です。
 これはいったいどういう性格の仏様なのか。
 明王というのは大日如来を守る密教の仏なんですが、この五大明王というのは、実は夷狄征伐の仏様なんです。

 のちの鎌倉幕府の記録を見ると非常に面白いことに気が付きます。
 この五大明王の前でやる密教の修法を「五壇護摩法」といいます。
 これを鎌倉幕府は、鶴岡八幡宮で2回やった。
 第1回は弘安の役。
 第2回目は、私の住んでいる青森県で鎌倉時代末期に起こった安藤氏の乱という事件です。この安藤氏の乱は鎌倉ではエゾ蜂起と言われていた。つまりエゾ調伏のための修法だったわけです。

 こんなものを奥州藤原氏が入れるわけないんですね。
 つまり京都の当時の主流であった神や仏、この系統のものは入れない。
 入れるものは何か。
 さっき から菅野さんが盛んに言っていた天台宗の根本経典である法華経ですね。
 そして、これはわが師匠の 入間田先生が強調していることですが、東アジア世界ではこれこそが仏教の主流中の主流、「東アジ ア世界のグローバルスタンダード」といえるものだった。
 しかもこの法華経というのは、もちろん限界はありますよ、限界はあるんだけれども、経典の下では万人が平等、女性でも往生でき、そして、エミシの地も和人も対等である。
 こういう主張をもっているのです。
 これが平泉が導入した仏教の教えです。

 ですから平泉仏教というものは、京都仏教とは大きく違う。
 ようやくそのことを、多くの研究者が気付くようになりました。
 そして日本国の主流の神々ではない、傍流の神々を入れ、「東アジ アグローバルスタンダード」の大陸直系の仏教を柱とする。
 これによってもとからのエミシの信仰が根強く勢力を張っているこの北奥羽の世界、エゾ俘囚の世界を統合する。

 因みにこういった国家統合のあり方というのは、渤海王朝によく似ております。
 渤海王朝っていうのは、粟末靺鞨部の有力な部族の首領大祚栄(テジョヨン)が高句麗族の遺民や靺鞨族を集めてつくった国で、靺鞨族の従来の社会をほぼそのまま受け継ぎ、そこに唐からさまざまの文化を入れ、とくに仏教を柱に導入して、これで諸部族を統合した国でした。

 こういう点でも平泉政権と共通している。

 つまり南の日本社会とは違う社会、違う政治、違う文化、これが平泉にあったんだ。

 そして日本の都、京都のさらにおおもとの本場=中国のものを直輸入する。

 だからあれだけの素晴らしいものができた。

 そして中央政府に対して決して屈しない、自主独立の立場を取る。これが平泉政権と奥州藤原氏の権力の特徴で、この二つが連関して北奥羽の独立性を維持し、奥州藤原氏の独立性を支えていたのだと考えるのであります。

。。。

 私たちはなかなか「日本国全体の中での一地方」という視点から抜け出せない。
 でもいまこそそこから一歩踏み出すことが求められている。
 琉球が日本列島の中のただの「一地方」ではなかったように、わが奥羽も少なくともアテルイの時代までは、日本国の「一地方」ではありませんでした。
 そしてその歴史は奥州藤原氏の時代まで引きずっております。
 平泉は「日本国」や「日本国中央」の歴史から、地域の歴史、地方の歴史を本当の意味で解放する役割を果たすんじゃないか。
 で、そこまで行ったときに、平泉研究というのは、単なる東北の歴史ではなく、都市平泉の歴史でもなく、日本史のそういった可能性を切り開くテーマなんではないか、という思いを強く持つに至っ たところです。
 以上、現在、平泉に絡んで自分が考えているところを述べさせて頂きました。
 どうも長時間有難う ございました。(拍手)

講演
平泉藤原氏と北奥武士の統合
―平泉型「安全保障」体制の成立―
斉藤利男、弘前大学教育学部教授

・・・岩手大学リポジトリ・・・

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財政再生団体

 ヤッホーくんのこのブログ、次の日付の日記をぜひともお読みください。
 このまま走っていったら、なんかこの国が壊れていく怖い感じがします。

★ 2017年03月03日「国家戦略特区」
★ 2017年10月14日「前川喜平」

 今日は、千葉県銚子市:

「これは違法じゃない。けど、異常だ」
 地元でこう囁かれる疑惑の土地。
 主役は長年、安倍総理が親しくしてきた名門のトップ。
 今度は「あの人はしつこいんだ」と言って、切り捨てるわけにもいかない。

総理がサポートする教育ビジネス

〈どんなときでも心の奥で繋がっている(中略)30年来の友人である私と加計さんはまさに腹心の友であると私は思っています。そのスタートは振り返れば、アメリカでの留学時代でありました。共に学生という自由な身分で、共に遊び、そして語り合いました〉
(銚子市の地元紙・大衆日報より)

 安倍総理は、2014年5月24日、銚子に建つ千葉科学大学の開学10周年記念式典でこう語った。

 同大学を運営する学校法人加計学園は、岡山県を本拠地とし、全国に5つの大学を構え、2万人以上の学生を抱える加計学園グループの中核。
 そのトップが、安倍総理の親友、加計孝太郎氏だ。
 加計氏は2001年に父で創業者の故・勉氏の跡を継ぎ、理事長に就任。
 名家の跡継ぎという同じ重責を担い、歳も近い。
 若き日の安倍総理が心を許したのも自然なことだろう。

「現在、安倍総理と加計氏は、年に数回ゴルフをしたり、昭恵夫人もまじえて会食していることが新聞の首相動静に載っていますが、その3倍は秘密裏に会っていると聞きます」
(全国紙政治部デスク)

 この加計グループにいま、注目が集まっている。
 同グループは近年、各地で広大な土地の無償貸与・譲渡を受け、自治体から巨額の補助金を受け取り、学校を次々に建設している。
 さながら、スケールの大きな森友学園だ。

 本誌は3月25日・4月1日合併号で、加計氏の姉が理事長を務める、学校法人順正学園の土地取得の経緯を報じた。
 淡路島にある「吉備国際大学南あわじ志知キャンパス」だ。
 記事を受け、順正学園は本誌を提訴したと発表している。

〈岡山市の学校法人・順正学園(加計美也子理事長)が24日、発行元の講談社に2000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした〉
(3月25日、毎日新聞朝刊)

 しかし、新聞記事掲載から5日が過ぎた3月30日時点で、週刊現代編集部に訴状は届いていない。
 マスコミに提訴をリークし、一方的に言い分を述べるとは、学校法人にしては奇妙な対応だ。

 加計氏の父・勉氏は、生前こう公言していた。
「僕は教育者ではない。教育実業家だ」

 「腹心の友」の教育ビジネスを、総理が政界からサポートする――詳しくは後述するが、加計グループに対する行政の優遇ぶりを見れば、こう思われても仕方ない面がある。

「官邸が意向を示し、霞が関が動き、行政は財源も担保せず学校を作らせる。森友のような忖度があるのではないか。加計さんは昭恵夫人ではなく、安倍総理自身の交友関係だからシラを切ることもできない。総理はこの話に本気で触れてほしくないんです」
(自民党ベテラン議員)

 加計学園の役員には、内閣官房参与、木曽功氏がいる。
 順正学園は官邸とも情報共有のうえ、本誌を提訴すると決めたようだ。
 本誌は順正・加計の両学園に取材を申し込んだが、
「係争中なので回答できません」
と答えるのみだった。

総理からの「ご指示」

 本誌が報じた、順正学園の土地取得の経緯はこうだ。
 閉校した県立高校の跡地と建物を、民間企業が購入の意志を示していたにもかかわらず、順正学園が入手、2013年春に大学の新学部を開設した。
 土地は広さ約5.5ha、建物と合わせて評価額約30億円、市の補助金額は最大13億3300万円だった。
 このうちの土地が、順正学園に貸与されている。
 そして、加計学園が絡むもう一つの土地問題が、愛媛県今治市「いこいの丘」で進行中の、岡山理科大学獣医学部の建設用地である。
 広さ16.8ha、評価額36億7500万円の広大な土地を加計学園に譲渡し、さらに県と市が最大96億円という破格の補助金を支払うことが、この3月に市議会で決まったばかりだ。

 これら二つの大学建設で加計グループが手に入れるであろう土地の評価額と補助金は、淡路島が不動産30億円+補助金13億3300万円、今治が土地37億円+補助金96億円で、計176億円。
 財源は、もちろん血税だ。
 しかも、今治の用地で工事を主に担当している業者「SID創研」は、加計学園グループ企業で、加計氏の親族が役員を務める。
 学校建設費に充てられる補助金が、結局はグループ企業に還流するわけだ。
 ある今治市議が明かす。

「もともとあの土地には、県が運動公園やドームを作るつもりだったそうですが、資金不足で頓挫していたんです。それがここ何ヵ月かで、急に大学用地にあてるという話になった。あまりにも早すぎる展開に驚きました」

 急速に事が動き始めたのは、昨年2016年11月9日に行われた政府の国家戦略特区諮問会議からである。
 安倍議長のもと、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官など、政権最高幹部が顔を揃える、特区関連の最高意思決定機関だ。

 今治はこの時点で、すでに総理が最終決裁権をもつ「国家戦略特区」に指定されていた。
 この会議の中で、山本幸三地方創生相がこう述べている。

〈(今治の獣医学部設置を含む)重点課題につきましては、法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきました〉

 今治は総理案件だから、審議抜きですぐやるぞ――ここで総理の決裁を得て、今治市は加計学園に対する土地無償譲渡に邁進を始めたのだ。
 まず今治市は、11月18日から1ヵ月間、獣医学部開設に関するパブリックコメントを募った。
 だが奇妙なことに、寄せられた意見の75%が「反対」だったにもかかわらず、市は「目的が実現されるよう、取り組んでまいります」と、これを黙殺してしまう。
 その後、12月27日の市議会で37億円の補正予算決議があり、市はその日のうちに用地を今治市土地開発公社から購入。
 こうして土地をいったん市の所有としたうえで、年明けの公募の後、加計学園に無償譲渡するという手筈を整えたわけである。

「前々から契約書の下書きはできていて、決議の瞬間、ハンコが押せる状態になっていたんでしょう」
(前出・今治市議)

 市民はほとんどが反対している。
 それなのに、市は手続きをどんどん進めてゆく――不可解な状況の中、10月2日と12月24日の2回、加計氏は安倍総理と昭恵夫人同席で会食している。
 加計氏と総理が今治の件について、このときまったく話さなかったということはあり得ないだろう。

 ところが年明け以降、今治市議会で異論が噴出し始める。
 市の企画課長が、議員たちの質問攻めに遭ったのだ。
。。。

週刊現代、2017.4.11
安倍首相の「本当のお友達」に、こうして血税176億円が流れた
森友よりも問題なのは、こっちでしょ!

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51382

 安倍晋三首相の“お友だち”が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)。
 自治体から巨額の補助金を受け学校を拡大する“手法”は、愛媛県今治市での獣医学部計画に始まったことではありません。
 2004年に同学園の千葉科学大学を誘致した千葉県銚子市は大きな傷跡に苦しんでいます。

 JR銚子駅前。
 関東平野の最東端、海風が吹くこの町で「生まれ育った」という女性(63)は、複雑な心境を打ち明けます。

 「若い人がくるのはうれしいけど、経済効果は感じないね。元市長の広げた大風呂敷を信じてしまった」

地元に恩恵なく

 千葉科学大学は駅からバスで約10分、太平洋を望む岬にあります。
 学生・教職員合わせて約2000人。
 危機管理学部や薬学部などがあります。

 市は加計学園に92億円の補助金を提供し、市有地9.8ヘクタールを無償貸与。
 年間約240億円の市の財政規模から考えると破格の大盤振る舞いです。

 同大学に通う女性(19)は、
「先生が親身です。ただ卒業生のほとんどは東京などで就職し、銚子には残らない」
と語ります。
 巨額の市税投入は、
「報道で知った。おかしいと思う」
とも。

 大学誘致と補助金を主導したのは元市長の野平匡邦氏です。
 同氏は岡山県の元副知事。
 2002年からは加計学園の岡山理科大学で客員教授を務めていました。 

 野平氏は2002年の市長選で大学誘致を公約し当選。
 市議会で大学誘致に反対してきた日本共産党の三浦真清元市議は言います。

「市長になった最大の理由を、銚子市に大学をつくりたいという相談を加計学園から受けたことだと市議会で答弁した」

開学式に安倍氏

 野平氏は当選翌日に加計孝太郎理事長とともに記者会見し、構想を表明しました。
 2年後には、異例の早さで開学。
 開学式には、自民党の幹事長代理だった安倍首相、片山虎之助参院幹事長(現、日本維新の会共同代表)らが参列しました。

 元市監査委員で加計理事長とも面識がある信田臣一さん(73)=水産加工会社元社長=は忠告します。

「銚子市は加計学園に完全に利用された。今治市は銚子市とまったく同じ構図です。銚子の失敗を今治は教訓とすべきです」


[写真]
JR銚子駅前の看板。観光名所とともに「銚子市と共に歩む大学千葉科学大学」の文字が並びます=千葉県銚子市

[地図]

しんぶん赤旗、2017年9月22日(金)
加計疑惑 銚子ルポ (上)
系列の千葉科学大誘致
補助金92億円 今治と同じ

(芦川章子)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-22/2017092215_01_1.html

 銚子市が「何の対策も講じなければ2022年度に財政再生団体に転落する」との見通しを示し、難局を乗り越えるための緊急財政対策をとりまとめた。
 市民の暮らしに影響することから、市は2018年12月25日午後6時半から、保健福祉センターすこやかなまなびの城で、対策についての市民説明会を開く。
 対策は、
▽ 青少年文化会館や地区コミュニティセンターといった公共施設の休止
▽ 市立病院運営経費の圧縮
▽ 夜間小児急病診療所の休止
▽ ごみ収集の委託料削減
▽ 市単独の障害者への医療費給付の休止
▽ 道路占用料とごみ袋料金の値上げ
▽ 職員給与の見直し
−など七十項目。
 来年度2019年度から5年間で44億4900万円の効果を見込んでいる。

 開会中の市議会一般質問では大部分の議員がこの問題を取り上げた。
「なぜ急にこうなったのか」
「市民が市の将来に不安を抱いている」
などと詳細な説明を求めたほか、
「社会福祉関連の休止は再考を」との要望や、
「危機意識が甘かった。議員報酬も視野に入れるべきだ」
と反省する声も上がった。

 越川信一市長は、
「弱い立場の方々に痛みを負わせる内容が含まれ断腸の思いだが、まず財政の立て直しが必要」
「市民の安全、子育て支援、教育の充実に関する事業は見直しを最小限に抑える」
と理解を求める一方、
「もっと早く着手するべきだったが、決断できなかった」
とも語った。
 市によると、今回の事態の直接の引き金は、普通交付税や臨時財政対策債、市税収入、地方消費税交付金が予想以上に落ち込む見通しとなったこと。
 本年度2018年度は6億3000万円の収支不足となるが、貯金に相当する財政調整基金では補えない。
 さらに来年度以降は7億〜8億円の単年度赤字が蓄積すると推計している。
 昨年2017年2月に策定した第7次行財政改革大綱は、2021年度までの5ヶ年の実質収支をゼロにする計画だったが、早くも頓挫した。
 ふるさと納税の寄付額の目標未達、事業仕分けで「不要・凍結」とされた事業の一部継続、公共施設の統廃合の遅れなど、進行管理の甘さが露呈した。
 自治体の財政破たんを意味する財政再生団体になると、国の管理下に置かれ、市民サービスの大幅な見直しを迫られる。


東京新聞、2018年12月17日
銚子市「対策講じなければ財政再生団体に転落」
緊急対策 25日に市民説明会

(小沢伸介)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201812/CK2018121702000120.html

 下々の者は困ってしまうけど、上の者はなんだって平気の平左。
 市民の声には背を向け、国に忖度(そんたく)し、「自治を棚上げ」して財政再生団体の市長から知事にあがる前例もありますし、
 銚子市の千葉科学大学から今治市の岡山理科大獣医学部の学部長に登ることもできるし、
 銚子市の千葉科学大学から噂の東京福祉大学の特任教授に昇ることもできるわけです。
 やっぱりイマだけ、オレだけ、カネだけのいかれぽんちが跋扈するとんでもハップンになっちゃったのかなぁ 
 そんなのいやだよって、やっぱり投票所に足を運んで一票を投じるってのが「民主主義」なんじゃないかなぁ

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2019年04月15日

高山不動尊

 埼玉県飯能(はんのう)市の関八州見晴台を2019年1月25日、訪れた。
 夕暮れになり、約60キロ離れた東京スカイツリーと超高層ビル群がくっきりと望めた。
 乾燥して北風が強い冬ならではの光景だ。
 ビルと街明かりがともり始めると関東平野がイルミネーションの帯のように輝きだした。
 宝石をちりばめたように美しく、「百万ドルの夜景」をほうふつさせる。
 緑の回廊などの暗い部分は都心に近づくほど減った。
 厳冬の夜の絶景に魅せられた。

 関八州見晴台は、奥武蔵の標高771メートルにある高台だ。
 高山不動尊の奥の院が鎮座する。
 その名は関東八州が見渡せることに由来する。
 八州とは江戸時代の安房(あわ)と下総(しもうさ)、上総(かずさ)、相模、武蔵、常陸(ひたち)、下野(しもつけ)、上野(こうずけ)の8ヶ国の呼び名。
 現在の1都6県に当たる。

 この日は東京スカイツリーの奥に東京湾が細い川のように見えた。
 京葉工業地帯の煙突や横浜ベイブリッジ、ランドマークタワーなども。
 富士山と丹沢山、筑波山、男体山など関東平野を取り囲む山々も美しい。

 夜明け前、黒山三滝から男性のハイカーが登ってきた。
「2時間かかったが、山頂で見る日の出は自分へのごほうびだ」
と笑顔。
 人気のハイキングコースの一つだ。

 昼間は見晴台近くの高山不動尊を参拝した。
 成田不動、高幡不動とともに「関東三不動」とされる真言宗の寺院は、654(白雉5)年創建で1360年以上の歴史を誇る。
 冬の山深い静かな境内を歩くと心が癒やされた。
 本堂付近から振り返ると正面に富士山の山頂付近だけ見られた。
 少しだけだが、実に神々しい。
 新緑のころ、東京スカイツリーと富士山を見に再び訪れたいと思った。 
[写真]
撮影データ
ニコンD850  ニッコール80〜400ミリf3.5〜5.6G 15秒 絞りF11 ISO400

◆ 交通アクセス
 車は国道299号の「吾野(あがの)トンネル(西)」交差点から県道61号へ。顔振(こうぶり)峠経由で林道奥武蔵線を走り約30分。登山道入口に「関八州見晴台」の大きな石柱が立ち、近くに駐車スペースがある。ここから急坂を徒歩7分。高山不動尊経由のルートは近道だが、道幅が狭く急坂のため、やめた方がいい。

 徒歩なら西武池袋線西吾野駅から高山不動尊を経由し、見晴台まで往復すると約5時間。
 人気の日帰り登山ルートだ。


東京新聞、2019年1月30日
関八州見晴台(埼玉県飯能市)

寒夜、暁を待つ静寂

(堀内洋助)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/photoservice/zekkei/list/CK2019013002100005.html

<堀内洋助(ほりうち・ようすけ)>
東京新聞カメラマン。「富士異彩」と「渡良瀬有情」取材班で新聞協会賞を受賞。本紙に写真企画「探鳥」を連載して23年目に。

<現地案内板より>
常楽院(高山不動)の文化財
飯能市大字高山346

木造軍茶利明王立像 一躯
国指定重要文化財 
昭和24年2月18日指定

 本像は、檜材を用いた一木造で内刻はなく、像高は226.8cmをはかる。
 髪を逆立てた怒りの表情、頬骨高く鼻の大きな神秘的な風貌、長くたくましい脚など、その独特な作風は、地方仏師の手によって造立されたことを物語っている。
 県内の平安仏の中でも最古に属するものであり、当時、盛んに作られた五大明王(不動、降世、軍茶利、大威徳、金剛夜叉)の遺例として貴重である。(*)

絹本着色不動明王画像 一幅
県指定有形文化財 
昭和33年3月20日指定

 この画像は、素絹三枚を縫い合わせた絹布(248×112.7cm)に描かれ、着色されている。
 画面中央には、不動明王が火焔光背をつけて岩上に立ち、左脇侍として明王を仰ぎ見る姿で矜謁羅童子、右脇侍として正面を向いた制咤迦童子がそれぞれ描かれている。
 構図、着色などから室町時代の制作と推定される。
 以前、毎年七夕に開帳されたので「七夕不動」とも呼ばれている。

高山不動の大イチョウ 一本
県指定天然記念物 
昭和22年3月25日指定

 樹齢約800年といわれ、目通り10m、根回り12m、樹高は37mに達する。
 露出した根には乳と呼ばれる気根が垂れさがっている。
 土地の人は古くから「子育てイチョウ」として信仰しているという。

常楽院ムゲンの鐘 一口
市指定工芸品 
昭和37年5月1日指定
昭和57年1月
埼玉県教育委員会・飯能市教育委員会・高貴山常楽院


(*)木造軍荼利明王立像 (国指定)

 木造軍荼利明王立像(もくぞうぐんだりみょうおうりゅうぞう)は、真言宗の寺院で「高山不動」として知られる高貴山常楽院(じょうらくいん)にあります。

 軍荼利とは甘露(かんろ)=不死の意味で、強い力で外敵を除く五大明王の一つです。

 一面二眼八臂(はっぴ)で檜(ひのき)の一木造(いちぼくづく)りであるこの像は、高さが228.8cmあり、右手には三鈷杵(さんこしょ)をもち、拳印(けんいん)・施無畏印(せむいいん)を結び、左手には鉾(ほこ)や宝輪(ほうりん)をもち二手は胸の前で交差する大瞋印(だいしんいん)を結んでいます。

 特徴は、両手足に赤い蛇がまきついていることで、異教の諸神の呪いを打ち払う意味を示しています。

 独特の姿や彫法などのため造立年代を決めるのは難しいですが、ほぼ11世紀を下らない作とされています。
(この像は普段は公開されていません)


[写真]
https://www.city.hanno.lg.jp/article/detail/606

posted by fom_club at 22:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人文系“ワープア博士”

 あれは4月10日のヤッホーくんのこのブログ?「ポスドク?高等遊民?」お読みくださいませ。
 そして、ヤッホーくんのこのブログ、2018年09月18日付け日記「九大箱崎キャンパス火災」も:

 最近、ネットで大きな話題になったのが、2016年に逝去した若手の日本思想史研究者・西村玲(りょう)さんについて報じた『朝日新聞』の記事だ(2019年4月10日付け)。

 西村さんは2004年に東北大学で文学博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員(SPD)に選ばれ、さらに2008年に出版した著書『近世仏教思想の独創─僧侶普寂の思想と実践─』は日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞を受賞するという、輝かしい業績を持っていた。

20以上の大学に応募するもポストがなく……

 私自身、修士課程までとはいえ、かつて文系の大学院で学んでいた経験がある。
 なので、上記の彼女のプロフィールには「すごい」「羨ましい」という称賛の言葉しか見つからない。
 よくわからない人のために(不正確を承知で)野球で例えるならば、甲子園出場校のエースから、プロ入り後に月間MVPと新人王に選出された若手選手……ぐらいの優秀なプレーヤーである。

 だが、西村さんはそれだけの業績にもかかわらず、20以上の大学に応募したが常勤のポストに就くことができなかった。
 日本思想史という、昨今の大学では好まれない「役に立たない学問」を専門にしていたとはいえ、あまりにもひどい話だ。

 もっとも『朝日新聞』報道では詳しい事情が曖昧に書かれていたが、西村さんの著書の版元出版社の元経営者でもある中嶋廣氏が自身のブログ上で紹介した本人の遺稿集(元編集者であった両親が作成)などによれば、彼女の逝去には他の事情もあったようだ。

 すなわち、先行きが見えない生活と将来への不安のなかで、ネットで知り合った10歳以上年上の医師の男性から猛烈なアプローチを受けた。
 熱意に押されて結婚したところ、夫と夫側親族が彼の重い精神疾患とそれによる休職を隠していたことが判明。
 加えて家庭内で夫から攻撃的な言動を繰り返し受け続け、彼女本人も精神的に病んでしまっていた――とされる。

 なので、彼女の逝去のみについて言えば、『朝日新聞』が報じるように若手研究者の就職難が第一義的な理由だったのかは一考の余地がある。
 メディアを通じて問題に一石を投じる選択をされたご遺族の心情を尊重するいっぽうで、将来への不安にあえぐ人文系の大学院生やポスドクたちが、報道を契機に過剰に自分を追い詰めることがないよう、心から願いたい。

◎ SNS相談リンク(厚生労働省提供) 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199724.html 
◎ 国際ビフレンダーズ東京自殺防止センター 
https://www.befrienders-jpn.org/ 相談電話番号:03-5286-9090

非常勤講師は5年で「雇い止め」が多い

 とはいえ、(広い意味では過去の私も含めた)わが国における人文系の大学院出身者の就職難や生活の困窮という問題は非常に深刻だ。
 非常勤講師の職業は5年勤務すると自動的に「雇い止め」に遭うことが多く、助教などのポストに就くことができても、その多くは任期制である。

 昨年9月に九州大学で、同大学院研究科の博士課程単位取得退学者の男性が非常勤講師の雇い止めに遭った末に経済的に困窮し、研究室に放火して死亡した事件も記憶に新しい(こちらは法学の分野だが)。

 加えて言えば、不器用なタイプの人はいっそう追い詰められやすい。
 知識は豊富だがアウトプットが下手だったり、「コミュ障」だったり外見の清潔感がなかったりと、一昔前ならある程度までは笑って許されていた変わり者の知識人タイプの人が、いよいよもって「詰む」ようになっている。

 所属先がなくなってしまうと学会に出席するときの肩書を書けず、また大学図書館の利用も難しくなるので、過去に在学した大学院に「研究生」という名目で籍だけ置かせてもらうような人も少なくない。
(余談ながら、筆者が過去に在籍した研究室のHPを修了から10年後くらいにのぞいてみたところ、10年前に博士課程や研究生だった先輩数人がまだ研究生のままで籍を置いており、ゾッとする気持ちを味わったことがある。これは自分自身の未来だったかもしれないからだ)。

大学院在学者は91年から2.5倍に

 大学院出身者の就職難は、日本国家が研究力の強化を図る“つもり”でおこなった、1990〜2000年代における大学院の拡充や大学教育現場への競争原理の導入、また新自由主義的な風潮のもとで各大学が進めていった「役に立つ学問」への偏重といった、国家政策やそれに準ずる大学側の姿勢の“改革”によりもたらされた面が多い。

 文部科学省のデータによると、平成初期の1991年(平成3年度)の大学院在学者数が9万8650人(うち博士課程は2万9911人)だったのと比べて、2016年(平成28年度)の在学者数は24万9588人(うち博士課程は7万3851人)と、ほぼ2.5倍に増加している。

 門戸が広がれば、以前ならば大学院を目指さなかった水準の学生も研究者を夢見て進学してくる。
 だが、学生をドカドカと入学させたにもかかわらず、少子化する日本においてその後の就職先のポストは限定的だ。
 しかも、博士課程まで進んでから研究者を目指さなかった場合のキャリアプランも、ほとんど示されてこなかった。

進路「死亡・不詳」が2割弱の衝撃

 もちろん、大学教授を目指すにせよ、歌手や漫画家を目指すにせよ、普通にサラリーマンとして生きるのと比べれば人生のバクチ度がはるかに大きい進路選択だ。
 実力主義の残酷な世界であり、能力が足りない人が「食えない」のは、国の政策だけが悪いのではなく、自己責任として甘受するべき部分もある。
 自分の能力を客観視して夢を諦める勇気もときには必要だ。

 だが、歌手志望者や漫画家志望者(の大部分)と、大学教授を夢見た若手研究者との最大の違いは、後者は曲がりなりにも最高水準の教育を受けていることだ。
 彼らは修士号や博士号を授与されたハイレベル人材であり、たとえ研究者としてのポストを得られなくても、本来ならば社会に対してなんらかの知的貢献ができる能力を持っている。

 ――だが、現実ではその能力は社会に還元されていない。
 本人がなんらかの資格を取っているか、実家が資産家でもない限り、人文系の大学院出身者は実学系や理系以上にツブシが効かないからだ。

 今回の『朝日新聞』記事でも、特に人文系の場合、博士号取得者で進学も就職もできなかった人が3割近く、進路が「死亡・不詳」とされた人も2割弱という、恐るべきデータが示されていた。
 博士号を取らずに大学院を離れた人の進路状況はより厳しいだろう。

「博士課程単位取得」のあと「ビルの清掃作業員」に

 筆者の身近にもそういう社会問題を体現している人物が2人いる。
 多少は話をぼかして紹介するが、いずれも年齢的には私と同年代の30代後半で、博士課程単位取得退学者(学位は修士)だ。

 例えばA君はもともと古代中国の学術史を研究しており、私が原稿を書くときに漢文の書き下し文をアルバイト的にチェックしてもらうこともある(例えば前回寄稿した「新元号『令和』、中国人はどう捉えた?」でもお手伝いいただいた https://bunshun.jp/articles/-/11357)。
 ただ、そんな彼の現在の職業はビルの清掃作業員だ。
 もちろん非正規労働者である。

 A君の年収は200万円くらいだ。
 対して毎月、大学院時代に借りた奨学金の返済で4万円(総額500万円程度)、家賃4.5万円プラス光熱費、国民健康保険料が飛んでいく。
 先日、年金の支払いを滞納していたところ給料を差し押さえられてしまい、極度に困窮したと聞いた。

 見かねた私が、生活苦を理由に奨学金返済を猶予してもらえばどうかと提案したが「好きな勉強をさせてもらったのだから払うのは義務」と言って聞かない(この手の妙な律儀さというか融通の効かなさは、高学歴ワーキングプアの人に多く見られる特徴だ)。

「雇い止め」され、大型スーパーの「ガードマン」に

 対してB君は、近代の日本占領時代の某国の宗教問題を研究している。
 彼はすさまじい博覧強記の人であり、例えばウェーバーでもマルクスでも孟子でも思想の概要を説明できる。
 インド人民党やアラブのバアス党の性質や、中央アジアのタンヌ・トゥヴァがソ連に併合された経緯について前フリ抜きでいきなり尋ねても、簡単な解説ならできてしまう。

 言語能力的な面でも、B君は英語と現代中国語と漢文のほかに、タイ語・シャン語・ビルマ語・クメール語の読み書きができて、ベトナム語とフランス語もすこし読める(※本人特定を避けるために個々の言語名はフェイクとする)。
 私は彼にこれらの国のニュースを調べてもらったり、現地の過激派組織が出した声明文を訳してもらうこともある。

 だが、そんなB君の年収は150万円ぐらいだ。
 昨年度、非常勤講師として勤務していた某大学で雇い止めに遭い、現在の職業は大型スーパーのガードマンである。

人文系の知識は「役に立つ」はずなのに……

 A君とB君に共通する特徴は、ぶっちゃけて言えば「知識はあるが論文が書けない」ことと、現代資本主義社会の基準で評価して「どんくさい」ことだ。
 適当な水準で妥協して論文を量産することができず、加えて自分の研究内容を俗っぽくアレンジしてメディアに売り込むことも、手練手管を使ってコネを広げてアカデミックな就職先を探すことも得意ではない。
 はっきり言って、研究以外に大量の雑務をこなさなくてはならない大学教員としての適性は高くないタイプである。

 だが、私はA君やB君について、現在の彼らの年収や職業が妥当な処遇であるとも思えない。
 なにより、彼らの知識や能力が世間でまったく無用なものだとも思えない。
 事実として、私は原稿を執筆する際に彼らの助言や手伝いを必要とすることが多々あり(そういうときは自腹なり出版社の経費なりで、然るべき対価を払うようにしている)、はっきり言って彼らの知識は「役に立って」いるのだ。

 先日、新元号の「令和」が決まった際、メディアでは古文・漢文についての不正確な説明や、言葉足らずな指摘が続出した。
 例えば「令和」の令について、「命令の令」だからダメだという浅薄な批判はあったが、令を使役の助動詞として漢文読みしたときに「和せしむ」と解釈できることへの違和感を示した報道は、私見ではほとんどなかったように思う(「和せしむ」の主語が国家であれ天皇であれ、あまり民主主義的な意味には取れないのだが)。

 ほかにも、社会における人文系の知識の必要性を感じる局面は多々ある。
 インバウンドによって外国人観光客が増加するなかで、中国の春節やイスラム教のハラールフード(イスラム法のうえで食べてよい食物)についてのメディアの説明は非常にいい加減だし、地方自治体が国際交流イベントなどの際に出す当該国の説明文が間違いだらけである例も多い。
 一部の歴史番組や歴史関連書籍が、デマを流している自覚なくメチャクチャな情報を発信する例も枚挙にいとまがない。

 これらはいずれも、街でコンビニ店員やガードマンとして働いている人文系の大学院出身者に2万円を支払い、1時間ほどでザッとチェックしてもらって意見出しをしてもらうだけで、大幅なクオリティの改善が期待できる分野だ。
 しかし、実際はそのようなことはなされないのである。

 現在の日本で「役に立たない学問」を研究する行為は、人生を棒に振ることと同義になってはいないか?
 考えれば考えるほど暗澹たる気持ちになってしまう。


[写真]
昨年2018年9月元院生の男性が死亡した九州大箱崎キャンパス。移転に伴う明け渡し期限日に出火

文春オンライン、2019/04/14
「役に立たない学問」を学んでしまった人文系“ワープア博士”を救うには……?

非常勤講師「雇い止め」で「ガードマン」に

安田 峰俊(*)
https://bunshun.jp/articles/-/11484

(*)やすだ みねとし
1982年生まれ、滋賀県出身。中国ルポライター、立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。立命館大学文学部卒業後、広島大学大学院文学研究科修了。著書に『和僑』『境界の民』(KADOKAWA)、『さいはての中国』(小学館)、編訳書に『「暗黒・中国」からの脱出』(文藝春秋)など。2018年、六四天安門事件に取材した『八九六四』(KADOKAWA)が第5回城山三郎賞を受賞。

〜終りの方では人文系は十分「役に立つ」と書いているのに、このタイトルはミスリーディング。タイトルしか読まない人も多いことに注意〜
19:38 - 2019年4月14日

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関八州見晴台 7711 m

 う〜ん、あれは「子の権現」640mにお参り行ったときだから、2月10日のお山歩会?その下見?

 駅でいただいた「訪ねる道」にも載っていた「関八州見晴台」770m、そして吾野駅にやってきた「休暇村奥武蔵」送迎バス、仲間からも「推薦できる山歩き」とのおすすめもいただいていたし、歩いてみたかったのです。

 その後コース研究に没頭して「かわらばん」4月号でようやく企画でき案内することができました。

 ところがその時襲った思わぬ大敵、天敵、仇敵、風邪!
 仲間からは無理しなくっていいから下見はいいよ、ぶっつけ本番でいきましょう、それが山歩クラブ!というありがたいお言葉をいただいて、下見なしで、今日4月第二日曜日4月14日、6人(おふたり急遽欠席になりましたので実際にエントリーしてくださった仲間は、8人でしたね)でようやく実現したのです。

 山は桜梅桃李、多彩な色どりを見せておりました。
 桜が満開、梅もまだ見ごろ。
 赤い山ツツジに、紫の東国三つ葉ツツジ。
 レンギョウに山吹。
 山路にはいろいろスミレ。
 耳をすますとウグイスの初音。
 山が笑い、ヤッホーくんも日ごろの忙しさから解放され、気が晴れ晴れ。
 山は良いですね、見晴台からは富士山はガスってましたが、武甲山がくっきり、と言いますか、360度の山並み!

 帰りの立ち寄り湯で湯ったり、まったり、皆で打ち上げしたときのくつろぎのひととき。
 皆さん、次にお会いするときまで、風邪などひかずに暖かくして、ご自愛のうえ元気でお過ごしください!

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この国は粉飾決算の3代目バカ社長がサラ金通いで宴会状態

 今のギスギスした社会を改善するためには、労働者寄りの政権を打ち立てる他にありません。

 自民党は大企業よりの政権です。

 私たち労働者から搾取をすることばかりしている。
 そして、それが競争上必要な事なんだとマスコミを抱き込んで嘘を振りまいている。
 その嘘が大規模だからこそ、みんな騙される。

 労働者の権利を認め大企業を優遇するのをやめて再分配をすれば、この国は、もっと豊かになります。

 今の貧しさは、その逆をやっているからなのです。

 実際、1980年代の日本は、そういう経済でした。
 でも、1989年の消費税によって、それが180度変わったのです。

 そこから日本は貧しくなりました。

日本経済停滞の原因.png

 消費税と同時に所得税と法人税が減税されました。

 それによって潤ったのは、富裕層と大企業でした。

 彼らが貯蓄を増やす度に、日本経済は成長機会を失って行きました。

 それが如実に分かるのは、この間の各国との賃金水準の上昇率の違いです。

各国の雇用者報酬.png

 各国との賃金上昇率のグラフを見ると、日本だけが下がり、他の国は上昇しているのが分かります。

 それは、日本が再分配とは逆行した税制を行っているからです。
 このグラフが日本の異質性を物語っています。

 異常な格差拡大政策をやる政権が、なぜか選挙で常に勝つ状態が問題なのです。

 この矛盾について説明するのは、日本の経済報道の異常性にあるのです。

 つまり、労働者から搾取することが、経済を良くするんだという完全なる嘘をまことしやかに報道するテレビを見れば分かります。
 そんなことをしたら需要が萎縮してしまい、不景気になるのは目に見えており、実際にそうなっているのですが…

 多くの日本人は、そんな大きな嘘を言う筈がないと思って、テレビ報道を信じ続けているのです。

 ですが、これは経済の原則から言って、完全に間違った考え方です。
 その逆こそ、本来やらなければいけないことなのです。

 つまり、日本人は誤った経済報道を信じ続けることによって貧しくなっているのです。

 日本人が豊かになるためには、このような虚報を報道するテレビを信じるのを辞めることです。

 そして、労働者寄りの政党(立憲、共産、自由、社民)に投票することなのです。


Sky Note、2019-4-14
労働者への搾取が国を貧しくさせる
http://skymouse.hatenablog.com/

 国交副大臣の「忖度」発言問題が追及された4日の参院決算委員会で、安倍首相の取り巻きのひとり、西田昌司議員の質問があった。

 右派である西田議員が MMT(現代金融理論)を引きながら、
「自国通貨でお金をどんどん出していけば、日本政府は絶対破綻することはない」
と財政支出の拡大を求めた。
 MMTは米国の民主党左派が金融緩和による財政拡大の根拠とする理論で、日本でも一部の「左派」が消費増税に反対するために使っている。

 答弁に立った安倍は、
「MMTの論理を実行しているわけではない」
と言いつつも、我が意を得たりとばかりに、「大胆な金融緩和」について主張した時に「国債は暴落し、円も暴落すると言われた。実際は、国債の金利は下がり、円が暴落したわけではない」
とアベノミクスの異次元緩和を正当化した。
 実はMMTもアベノミクスを影から支える「理論」のひとつなのだ。

 アベノミクスの冷静な検証が必要だ。

 国債金利の下落は日銀による約470兆円もの国債買い入れ、マイナス金利まで導入したからだ。
 その弊害で銀行収益が猛烈に圧迫されている。
 2018年4〜12月期決算で地銀の8割超が減益に苦しみ、3行は赤字だ。

 東京五輪前に不動産バブルが崩れる危険性があり、米中貿易戦争や英国の合意なきEU離脱などのバブル崩壊要因もある。
 その場合、リーマン・ショックとは異なり、地銀が引き受け手のない形で次々に倒れる戦前のような金融危機が想定される。
 政府は慌てて同一県内の地銀合併を認める独禁法見直しを打ち出したが、株価が暴落すれば24兆円超のETFを抱える日銀自体も債務超過に陥りかねない。
 日銀は政策金利誘導も量的緩和も預金準備率操作も使い果たしている。

 さらに産業衰退が著しい上、貿易赤字が定着化している。

 少子高齢化とともに貯蓄率も下がり、産業競争力も衰えていけば、海外投資の収益もやがて減少する。中長期的な日本経済の破綻経路も浮かび上がる。

 要するに、3代目のバカボンボン社長が、忖度する取り巻きで周囲を固め、公文書や統計の改ざんによる粉飾決算でデタラメ経営をゴマカし、サラ金通いで宴会を続けているような状態なのだ。
 まさに潰れる会社の典型的パターンだ。


[写真]
忖度する取り巻きで周囲を固め…

日刊ゲンダイ、2019/04/10 06:00
この国は粉飾決算の3代目バカ社長がサラ金通いで宴会状態
金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/251499

 また今年も安倍首相が主催する「桜を見る会」が開催された。
 今年は、カズレーザーや小峠英二、ミッツ・マングローブ、IKKO、五木ひろし、石坂浩二、デヴィ夫人、市川猿之助などといった芸能人を含む約1万8200人が参加。
 7日に放送された『Abema的ニュースショー』(AbemaTV)で千原ジュニアが「桜を見る会」に誘われながら辞退したことを明かし「知らんおっさんと見たないわと思って断った」と話したことが話題となったが、一方、ジュニアの兄で安倍応援団芸人として知られる千原せいじはしっかり出席。
 そして、安倍首相は今年も、ももいろクローバーZとともに浮かれてポーズをとったり、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーと撮った写真をさっそくInstagramにアップするはしゃっぎっぷり。新元号に触れた上で「きょう咲き誇っているこの花のように、みなさんひとりひとりがそれぞれの花を咲き誇らせることができる、そういう時代を一緒につくっていこう」と挨拶。新元号の私物化をきょうも見せつけた。
。。。


リテラ、2019.04.13 08:50
安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』ご一行を堂々招待!
百田尚樹、有本香、ケントらネトウヨ文化人に囲まれご満悦
https://lite-ra.com/2019/04/post-4658.html

 3千2百万円!
 2時間の #桜を見る会 のため、内閣府官房の事務処理費として予算計上されていた金額である。
 官邸制作のビデオを見て頂くと分かるように、現在の桜を見る会は、安倍首相のPR色が非常に強い。
 このために、首相が招待した人しか参加できない花見に多額の税金が使われるのは問題ではないか?

 安倍氏PRのため、2時間の #桜を見る会 に3千万円以上の税金が費やされる一方、貧困者は増え続けている

@ 年収300万円以下の人が4割
A 国民の6分の1が平均所得半分以下の貧困層
B 貧困率は世界第4位

「そんな金あったら、子供食堂に使え」と言っていた人がいた。その通りだ。

2018年4月23日

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2019年04月14日

公文書クライシス

 安倍晋三首相と省庁幹部らとの面談で使われた説明資料や議事録などの記録約1年分を毎日新聞が首相官邸に情報公開請求したところ、全て「不存在」と回答された。
 官邸が記録の保存期間を裁量で廃棄できる1年未満に設定していることも判明した。
 官邸の担当者は、
「記録は政策を担当する省庁の責任で管理すべきだ」
と説明したが、重要とみられる16件を抽出して府省側に同様の請求をしたところ、10件については説明資料の保有を認めたものの、どの府省も議事録の保有を認めなかった。
 識者は首相の政策判断の検証に必要だとして、記録を残すルール作りを求めている。

 政府は2017年12月、森友・加計学園問題などを受けて公文書ガイドラインを改定。
 官邸を含む府省庁に、政策や事業方針に影響を及ぼす打ち合わせ記録の作成を義務づけた。
 面談内容は未公表のため、ガイドライン改定後から今年1月末までの面談について、首相や秘書官らが受け取った説明資料と、議事録などやりとりが分かる記録を情報公開法に基づき請求した。

 首相の動静を伝える毎日新聞の「首相日々」に掲載された面談は請求期間で約1000件に上るが、官邸の文書管理を担当する内閣総務官はいずれの記録も「存在しない」と回答。
 議事録を作成したかどうかは不明だが、説明資料については、保存期間を国立公文書館の審査を経ずいつでも廃棄できる1年未満に設定し、面談後に廃棄していると明かした。
 内閣総務官室は取材に。
「官邸側が受け取った資料はコピーに過ぎず、原本は省庁にある」と説明した。

 一方、毎日新聞が「首相日々」から、全12府省の幹部に関わる16件の面談を抽出して府省側に開示請求したところ、全府省が議事録を残していないとしたり、存否すら明かせないと回答したりした。
 説明資料は、16件のうち6件が
「存在しない」
とされた。
 このうち、総務省は18年12月に総務相らと首相の面談で取り上げたテーマについて、面談記録がないことを理由に
「答えられない」
 と回答。
 法務省も同月の事務次官と首相の面談のテーマは、
「記録がないため確認できない」
と答えた。

 残り10件の説明資料は保管されていた。
 開示された資料などから、中央省庁の障害者雇用水増し問題や外遊準備などの案件だったことが判明したが、議事録未作成の理由について厚生労働省や外務省は、
「政策や事業方針に影響を及ぼす打ち合わせではなかったため」
などと説明した。
 匿名で取材に応じた複数の省の幹部職員は、
「官邸は情報漏えいを警戒して面談に記録要員を入れさせない」
「面談後に記録を作っても、あえて公文書扱いにはしていない」
と証言した。

政権に都合のよい歴史が創作されかねない

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長の話

 首相面談の記録が省庁側にしか残されていないと、首相は自身に責任が生じる場面でも
「聞いていない」
などと言い逃れできる。

 省庁が面談の議事録を残していないのも問題で、政権に都合のよい歴史が創作されかねない。
 首相面談は官僚同士の打ち合わせとは別次元のもので、首相が見た資料や発言したことを可能な限り記録するルールが必要だ。
 それは、首相の政治責任を全うさせることにもつながる。

記録残すためのルールや仕組み必要

政府の公文書管理委員会の初代委員長を務めた御厨貴・東京大客員教授(日本政治史)の話

 首相の意思決定に関わる記録は、それがメモであっても最重要文書として後世に残さなければならない。
 ところが、官邸は記録を残さなくてもいい「聖域」となっている。

 近年は首脳外交が増えるなど首相自らが判断する案件も多く、将来の検証に堪える記録を残す必要性は高まっている。
 首相の記録を残すためのルールや仕組みを作ることは時代の要請だ。

情報提供のお願い

 公文書管理や情報公開に関する情報をお寄せください。


[写真]
各府省の行政文書不開示決定通知書。中央は総務省の通知書。首相との面会に関する文書は「不存在」と記されている=東京都千代田区で2019年4月10日撮影

毎日新聞、最終更新 4月13日 23時42分
公文書クライシス
首相と省庁幹部の面談記録「不存在」
官邸1年未満で廃棄

(大場弘行、松本惇、片平知宏)
https://mainichi.jp/articles/20190413/k00/00m/010/162000c

 安倍晋三首相と省庁幹部らとの面談で使われた説明資料や議事録などの記録約1年分を毎日新聞が首相官邸に情報公開請求したところ、全て「不存在」と回答されました。
 官邸が記録の保存期間を裁量で廃棄できる1年未満に設定していることも判明しました。


4:37 - 2019年4月13日  

 公文書改ざん・隠蔽問題を契機に、公文書ガイドラインを改定、官邸を含む府省庁に、政策や事業方針に影響を及ぼす打ち合わせ記録の作成を義務づけた。
 が、首相との面談の際に、記録要員を同席させない、記録をしても、その記録の保存期間をごく短くする等の手段で、面談の記録を公開するのを避けている。

 安倍首相が「真摯に反省する」ということの内容が、典型的にこのやり方に現れている。

 安倍首相は、第二次政権についてから、記者会見の回数を極端に減らした。
 また、国会審議時間も減らしている。
 その秘密主義は、権威主義に通じる。
 情報の公開は、民主主義の基本であり、さらに政権の責任を明確にすることにつながる。

 これでは、安倍首相が、「真摯に反省する」と述べた時は、「今度はばれないように上手くやる」と考えていると取らざるを得ない。
 国民に対して、そして歴史に対して、自らの責任を放棄している。


4:13 - 2019年4月14日

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2019年04月13日

前橋公園

 ヤッホーくんのこのブログ、2019年4月11日付け日記「上州路、発知の二本の桜」をご参照ください。
 雪解けの上州路でしたが、ヤッホーくん、前橋公園で桜にであうことができ、ずはホッとしています。
 ところでこの前橋公園ってなに?

 楽歩堂前橋公園は、1905(明治38)年、日露戦役の記念を兼ねて建設された市内最初の公園で、とうとうと流れる利根川を眼下にし、榛名山・浅間山・妙義山の山並みを望む絶景の場所にあります。
 園内には1959(昭和34)年、皇太子殿下のご成婚を記念して鶴舞う形の群馬県をかたどった「さちの池」をはじめ、芝生広場・中央児童遊園(るなぱあく)などがあり、市民の憩いの場として多くの方々に親しまれています。
 また、さちの池西側河川敷を活用し、「親水・水上ステージゾーン」として、県の河川事業と一体で整備を行い、2008(平成20)年3月29日から6月8日まで開催された、都市緑化フェアでは総合会場として使用され、みどりの散策エリア(旧競輪場跡地)、日本庭園が公園としてオープンしました。

https://www.city.maebashi.gunma.jp/kurashi_tetsuzuki/4/1/12/1/13832.html

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☝ 忠魂碑

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☝ さちの池

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☝ 広瀬川の両脇の桜並木。ソメイヨシノが満開、こぼれるように咲いています。

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☝ これなにを記念するもの?って悩んでおりましたが、分かりました、これ! ☟
 
ㅤNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で脚光を浴びた初代県令・楫取素彦(かとりもとひこ、*)を顕彰する銅像「楫取素彦と松陰の短刀」が完成し、2016年8月21日、群馬県前橋市の前橋公園芝生広場で除幕式が行われた。
 式典では、銅像で表現した吉田松陰の短刀が市に寄託されることも明らかになり、関係者約120人が後世に歴史を引き継ぐことを誓った。

【ゆかりの松陰短刀も登場】

ㅤ銅像建立委員会の会長を務める山本龍市長は、
「多くの善意で、歴史の一歩をこの地に記すことができた」
とあいさつ。
 楫取の子孫にあたる楫取能彦さんや小田村初男さんらが除幕した。

ㅤ銅像は、生糸を直輸出するために渡米する現在の桐生市の実業家、新井領一郎に、楫取の最初の妻・寿(ひさ)が、渡米の夢がかなわなかった兄、吉田松陰の形見の短刀を託す場面を表したもの。
 2人と楫取、新井の兄で製糸家の星野長太郎の計4人が、高さ約170センチの等身大で作られた。

ㅤ制作した前橋市在住の彫刻家、三谷慎さんは、
「彫刻として存在感を持たせるために立像にした。寿は松陰の思いを短刀に込めて差し出している」
と作品に込めた思いを語った。

ㅤ新井の子孫で、米・カリフォルニア在住のティム新井さんは、
「先祖は日本の製品に対する海外の信頼を勝ち取った。短刀だけでなく、松陰の精神も受け継いだ」
とたたえた。
 松陰のものと見られる短刀の拵(こしら)え部分をサプライズで持参し、能彦さんに手渡した。
「家にしまっておくのはもったいない。魂の入った短刀を見て、若い人に何か学んでほしい」
と市に寄託して公開する考えを明らかにした。

ㅤ銅像建立を巡っては、実行委員会が昨年2015年5月から募金活動を開始。
 一時は目標額の2500万円に届かず、市が補正予算で穴埋めをすることになっていたが、受け入れ期間を延長したところ、計350の個人、法人から目標を超える2618万6657円が寄せられた。


【写真】
新井さんから松陰の短刀を受け取った楫取さん(左)

きたかんナビ
楫取の銅像完成
前橋公園で除幕式

(上毛新聞、2016年8月24日)
http://kitakan-navi.jp/archives/13007

(*)楫取素彦という人物【松陰との絆】

 初代群馬県令をつとめた楫取素彦(かとりもとひこ)は、1829(文政12)年、長州(山口県)萩の藩医である松島家の次男として生まれ、12歳で藩校明倫館の儒者・小田村吉平の養子となりました。
 通称は伊之助で、長州の藩校明倫館で教えるとともに、吉田松陰とは互いに尊敬しあう間柄で、松陰が安政の大獄で江戸に送られた際、松下村塾のすべてを任され「松門の柱石・小田村伊之助」と讃えられました。
  尊皇攘夷運動などへの幕府からの追求を逃れるため、藩命により1867(慶応3)年に「楫取」と改名しました。
 「楫(かじ)を取る」としたのは、先祖が水軍であったことに因みます。
 また、一説には「お前は国の楫を取る人間になれ」との長州藩主・毛利敬親の意思も含まれていたといわれています。
 こうして楫取は、幕末維新の国事に藩主・毛利敬親の懐刀として東奔西走しました。

http://taigamap.jp/hanamoyu/knwldg/motohiko01.html

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2019年04月12日

F35墜落

 ひっくり返すと見える本当の意図、考え……ですので「日本を取り戻す」のでなく、「日本を売り渡す」んです。
 そんなのが、ギゾウ、ネツゾウ、シンゾウのいまの政権。おう、やだ、やだとヤッホーくんアタマを抱えています。
 「平和」という名でいつ「戦争」に巻き込まれてしまうか、そしたら山歩きとか街歩きとかできなくなってしまいます

 航空自衛隊が導入を始めたステルス戦闘機「F35A」が9日、青森県沖で訓練中に墜落した。同型の戦闘機の墜落は世界初だ。防衛省は操縦士の捜索を続けるとともに「フライトレコーダー(飛行記録)」の回収を図り、事故原因の調査に着手する。
 事故機の操縦士は「訓練中止」との無線通信から間もなく消息を絶っており、機体に何らかの不具合が発生した可能性がある。
 墜落したのは三菱重工業小牧南工場で組み立てられた1号機。ただし、最終検査は日本人関係者を締め出した別棟で米側だけで行われており、米政府による秘密保持の姿勢が、今後の事故原因解明の妨げとなるおそれが浮上している。

「操縦ミス」「体調不良」の可能性は低い
 F35Aは夜間の対戦闘機戦闘訓練をするため、9日午後7時ごろ4機編隊で三沢基地を離陸。30分後に同基地の東約135km付近の太平洋上に墜落した。
 操縦していた細見彰里3等空佐(41)は、三沢基地のレーダーから機影が消える直前、無線通信で「ノック・イット・オフ(訓練中止)」と伝え、間もなく消息を絶った。
 防衛省関係者は「F35Aは、AI(人工知能)を含め、最新の電子機器を搭載し、人的ミスを防ぐよう作られている。操縦士が誤った操作をしても機械が修正してくれるほどだ。操縦ミスは、あまり考えられない」と話す。
 操縦士が体調不良から「訓練中止」を求めることもあるが、その場合、墜落につながる可能性は極めて低いとみられる。
 操縦士が緊急脱出した場合に自動的に発信される緊急信号は、確認されていない。緊急脱出の暇もなく墜落した理由はどこにあるのか。
 同関係者は「個人的な見解だが、機体が突然コントロール不能になる、エンジンが爆発するなどの深刻な事態が発生したのではないか」と推測する。
 F35Aは、米空軍でも2016年に部隊配備されたばかりの最新鋭機だ。すでに300機以上が生産され、米国のほか、日本、イスラエルなどで採用されている。

 米政府は、F35Aの製造元であるロッキード・マーチン社以外の最終組立工場を日本とイタリアに置くことを認め、日本では三菱重工業小牧南工場が指定された。米国と共同生産国がつくった主翼や胴体、エンジン、電子機器が同工場に持ち込まれ、最終組立が行われている。
 ただしF35Aの場合、ライセンス料を支払って、国産部品を生産し組み立てるライセンス生産と異なり、海外から集められた部品を組み立てるにとどまる。当初はIHIで米メーカーの開発したエンジンを、三菱電機で同じく米メーカーの電子機器をつくり、小牧南工場で組み込むはずだったが、計画通りには進んでいない。

三菱はロッキード・マーチンの「下請け」
 組み立てが終わった機体は別棟の検査工場に移され、日本側を排除した中で米軍幹部、ロッキード・マーチン社の技術者など米側だけで最終検査が行われる。最終検査には、F35Aの最大の特徴であるステルス性のチェックが含まれる。
 事故機は小牧南工場で生産された1号機にあたり、米側による最終検査を受けた後、米国に運ばれ、ロッキード・マーチン社でも検査を受けた。「日本の製造技術を高く評価する米側の技術者もいた」と話す防衛省幹部もいる。
 だが「最終組立」の言葉からわかる通り、小牧南工場で行われているのは、米側の指示通りに組み立てること。部品の大半はブラックボックス化され、その部品の持つ意味も製造技術も日本側には開示されていない。
 F35Aをめぐる日米の関係について、防衛省幹部は「三菱重工がロッキード・マ−チン社の『下請け』に入ったと考えれば分かりやすい」と解説する。
 つまり今回、米側の指示通りに日本側が組み立て、最終検査を米側が行った機体が墜落したのだ。
 機体の不具合が墜落の原因であると仮定すれば、その責任は日米双方にあるようにみえるが、日本以外で生産した約300機の機体はこれまで1機も墜落していない。米側が日本側に責任を押しつける条件は揃っている。

事故の真相がわからない懸念
 三沢基地に配備された13機のF35Aのうち、4機は米国で製造され、残り9機は日本で組み立てられた。米国製の4機は、米国で航空自衛隊の操縦士の訓練に充てられており、非公表ながら飛行時間は数百時間から1000時間程度とみられる。
  一方、国内で組み立てられた事故機の飛行時間は280時間にすぎなかった。
新品同様の機体に不具合があったとすれば、製造上の問題が最初に疑われる。また設計上の問題が、たまたま当該機に現れた可能性も否定できない。
 防衛省は墜落した機体とともにフライトレコーダーを海底から回収し、事故原因を調べるが、そもそもブラックボックスの固まりのようなF35Aの事故原因を分析する能力は日本側にはなく、米側と共同する必要がある。
 仮に米側のみが分析を行うことになった場合、機体の秘匿性から、結果だけを日本側に伝えてくる可能性さえある。その場合、事故調査は一方的なものになりかねず、真相にどこまで迫ったのか、日本側が知る術はないことになる。
 このような問題が浮上するのは、日本が米政府のさだめた「対外有償軍事援助(FMS)」でF35Aを調達しているからだ。
 小牧南工場で最終組立が行われた機体は帳簿上、いったん米政府に移管され、米政府の言い値で防衛省が購入する。形式的には米政府の「好意」で売ってもらっている以上、日本政府は価格はもちろん、米政府が求める生産方式を唯々諾々と受け入れるほかない。
 この理不尽なFMSの仕組みが、事故の真相解明の妨げとなるおそれはないだろうか。

このまま導入を進めていいのか
 もうひとつ懸念されるのは、「現代ビジネス」でも以前指摘した通り、F35Aが「未完成の機体」ということである(2017年10月5日、「自衛隊の次期戦闘機・F35 、実は『重要ソフト』が未完成だった」)
 米会計検査院(GAO) は昨年1月、F35に未解決の欠陥が966件あると発表した。このうち少なくとも180件は、国防総省の計画によれば、フル生産前に解決されない見通しとなっている。
 966件の欠陥のうち、111件は「安全性や重要な性能を危険にさらす問題」とされ、残りは「任務遂行に支障を及ぼす問題」だった。
 一昨年6月には、ルーク空軍基地に所属するF35Aで操縦士が酸素不足に陥る事例が5件も発生。いずれも低酸素症のような症状を示したものの、予備の酸素を使って機体を安全に着陸させた。「息ができない戦闘機」が事故を起こさなかったのは奇跡である。
 そもそもF35は開発が大幅に遅れ、すでに開発を始めてから20年近く経過している。米軍は試験運用を続けながら改修し、完成に近づける「スパイラル開発」と呼ばれる手法をとっている。つまり、未完成のまま使い続けているのだ。
 米軍は開発終了を急ぐあまり、肝心な安全性の確認を疎かにしてはいないだろうか。また、それはステルス機を渇望し、ライバル機との飛行テストを排除して、カタログ性能だけでF35Aを選択した航空自衛隊にも共通の問題ではないか。
 航空自衛隊はこのF35Aを42機導入するが、昨年12月の閣議了解と合わせれば今後63機を追加導入し、105機まで増強される。さらに、空母化される護衛艦「いずも」に搭載するため、垂直離着陸ができるF35Bも42機導入することになっている。
 このF35Bにはすでに墜落の前例があり、昨年9月、米サウスカロライナ州で米海兵隊機が墜落している。幸い死者はなかったが、エンジン燃料 管の不具合が原因とみられ、米軍はF35B全機を一時飛行停止とした。
 F35Aの追加、そしてF35Bの導入を提言したのは航空自衛隊ではなく、自民党国防族だった。これを丸飲みして導入を決めたのは、安倍政権である。勇み足だったのではないだろうか。
 次々にF35を導入したとしても、FMSという理不尽なしくみが、今回の事故原因の調査にまで影響を及ぼす可能性もある。事故の原因が明らかになるまでF35の導入は当面、見合せるべきだろう。F35にこだわるのをやめ、戦闘機の選定をやり直すのもひとつの方法ではある。


現代ビジネス、2019.04.11
F35墜落、原因究明を阻む「日米間のブラックボックス」の実態
日本に責任が押し付けられる可能性も…

半田 滋
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64088

返品はできません
 しかも調達方法は、「現代ビジネス」で何度も指摘している通り、悪名高い有償対外軍事援助(FMS)方式である。

 FMSとは、米国の武器輸出管理法に基づき、
(1)契約価格、納期は見積もりであり、米政府はこれらに拘束されない、
(2)代金は前払い、
(3)米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる、
という不公平な条件を提示し、受け入れる国にのみ武器を提供するというものだ。

 買い手に不利な一方的な商売だが、米国製の武器が欲しい防衛省はFMS方式による導入を甘んじて受け入れる。ただでさえ、防衛省のFMSによる調達額は近年極端に増えており、2016年度の米政府への支払い額は過去最高の4881億円に達した。

 当然ながら、問題も噴出している。日本の会計検査院は10月26日、防衛省がFMS取り引きを精査できず、米国の言いなりになってカネを支払っているのではないかと指摘した。
 防衛省が2012年度から16年度までにFMSで購入した武器類の不具合は734件(91億9118万余円)ある。このうち12件(3194万円)は、防衛省の担当者と武器を受け取った部隊との間の確認作業などに時間がかかり、米政府が期限とした1年以内を越えて是正要求したところ、米政府から門前払いされた。日本側の大損である。
 例えば、海上自衛隊の要求にもとづき、防衛省がFMSで購入した151億3000万円にのぼるC130R輸送機(6機)と整備器材一式は、最初から整備器材が損傷していた。米政府に問い合わせている間に時間が経過し、修理を求めたにもかかわらず、米政府から「1年が経過している」として却下された。
 防衛装備庁によると、米側に問い合わせても回答すらない場合があり、何度もやり取りするのに時間がかかるという。最初から契約通りの武器類が米政府から送付されていれば、起こり得ない問題ではないだろうか。
 どれほど米政府の理不尽ぶりに腹が立とうとも、国内の防衛産業で同種の武器を製造すれば、開発、生産に膨大な時間とコストがかかる。限られた防衛費をやり繰りする防衛省としては唯々諾々として米政府に従うほかない。とはいえ、必要以上に米国から武器を買う必要がないことは言うまでもない。
 ところが、安倍首相は共同会見の「武器トーク」の中で「米国からさらに購入していくことになる」と述べた。これが事実上の対米公約となり、米政府からの売り込みが加速するおそれがある。
 すでに防衛省はFMSで購入したイージス・システムを組み込んだイージス艦2隻を追加建造しているほか、12月には同システムを地上に置いた「イージス・アショア」もFMSでの購入を決める。
 米国にとって日本は「カネの成る木」に見えているに違いない。


現代ビジネス、2017.11.11
「ポンコツ戦闘機」F35、こんなに買っちゃって本当に大丈夫?
やっぱり日本はアメリカの金ヅルか

半田 滋
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53473?page=3

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東京大の入学式

 「社会にはあからさまな性差別が横行している。東京大も残念ながら、例外ではない」――。

 2019年4月12日にあった東京大の入学式で祝辞を述べた社会学者の上野千鶴子・同大名誉教授はこう語り、
「世の中には、頑張っても報われない人や頑張ろうにも頑張れない人、頑張りすぎて心と体を壊した人たちがいる。恵まれた環境と能力を、自分が勝ち抜くためだけに使わず、恵まれない人々を助けるために使ってほしい」
と新入生に訴えた。

 上野氏は祝辞の冒頭、昨年に東京医科大の医学部入試で女子差別などが明らかになったことや、他の私大医学部でも男子の合格率が高いことを紹介。
 東京大でも長年にわたって入学者における女子の割合がなかなか「2割の壁」を超えないことや、4年制大学への進学率の男女差などを列挙した。
 さらに、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行している」と指摘。

 東京大の場合は教授に占める女性の割合は7.8%、女性の学部長や大学院の研究科長は15人のうち1人にとどまり、歴代総長に女性がいないことを挙げ、
「東京大も、残念ながら、例外ではない」
と述べた。

 上野氏はそのうえで、新入生に向かって、
「頑張っても公正に報われない社会が待っている。頑張ったら報われると思えることが、恵まれた環境のおかげだったことを忘れないでほしい」
と呼びかけた。
 自身に入学式の祝辞を担当させたことを例に、「東京大は変化と多様性にひらかれた大学」とも紹介し、
「これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください」
と、学外を含めて幅広く体験を積むことを求めた。

 祝辞を聞いた、金沢市出身で文科T類で学ぶ林腰(はやしこし)杏優さん(18)は、
「弱い立場の人のために能力を使うように求められた言葉が心に刺さった。子どもたちが物質的にも精神的にも幸せになれるような取り組みをしたいので、どんなアプローチができるか大学でしっかり勉強して考えたい」
と話した。
 理科T類に入った静岡県出身の伊藤黎さん(19)も、
「入試では自分だけのために力を使ってきたが、東大で学べる環境を生かして、弱い立場の人や発展途上国に寄与できるような知識を身につけていきたい」
と述べた。
 文科U類で学ぶ東京都目黒区の女子学生(18)は、東京大の女子学生が堂々と「東大生」と名乗れない雰囲気が、女性差別の一つの現象であるという言葉が心に残ったという。
「勉強だけでなく、それ以外のことにもしっかり取り組み、堂々と『東大生です』と名乗れるようになりたい」
と話した。

東大総長は「今まさに大学の出番」

 東京大の入学式が12日、日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。
 約3100人の新入生に向かって、五神(ごのかみ)真総長は「社会変革を駆動する大学の主役になってほしい」と激励した。
 式には新入生のほかに、保護者ら約5700人が出席。
 五神氏は式辞で、最近の政治や行政、産業界について、
「短期的な利害に強く振り回され、長期的な視野からのビジョンがないと心配になるような判断がしばしばある」
と指摘。
「今まさに大学の出番だ。過去や未来を行き来して考え、自然や人間の本質を追求しながら、何が大事かを考えてほしい」
と呼びかけた。


朝日新聞、2019年4月12日12時02分
「性差別、東大も例外ではない」
上野千鶴子氏、入学式で

(増谷文生)
https://digital.asahi.com/articles/ASM4D3JLQM4DUTIL00L.html

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html

■ 同居していた19歳の娘と性交 
 3月28日、名古屋地裁岡崎支部は、娘に中学2年の頃から性虐待を続け、19歳になった娘と性交した父親に対する準強制性交等罪の事件で、父親に無罪判決を言い渡しました。
 地裁岡崎支部は、性交については、娘の同意はなかったと認定。一方、性交の際に娘が抵抗できない状態だったかどうかについては「被告が長年にわたる性的虐待などで、被害者(娘)を精神的な支配下に置いていたといえる」としたが、「被害者の人格を完全に支配し、強い従属関係にあったとまでは認めがたい」と指摘。「抗拒不能の状態にまで至っていたと断定するには、なお合理的な疑いが残る」とした。
出典:朝日新聞
 
 実の娘と性交をしても無罪放免という結論には多くの疑問が表明され、「これで無罪なら、どんなケースが性犯罪となりうるのか」と、司法に対する強い不信感が表明されています。 
 このたび、この事件の判決文に接することができましたので、判決の問題点、判決からうかがえる問題点を述べたいと思います。

■ 判決は、性虐待、父親から娘への暴行を認めている。
 まず判決は、以下のような事実を認めています(以下、女性はA、父親は被告人とされています)。
  被告人はAが中学2年生であった頃から、Aが寝ているときに、Aの陰部や胸をさわったり、口腔性交を行ったりするようになり、その年の冬頃から性交を行うようになった。
 被告人による性交はその頃からAが高校を卒業するまでの間、週に1、2度程度の頻度で行われていた。Aは上記の行為の際、体をよじったり、服を脱がされないように押さえたり、「やめて」と声を出したりするなどして抵抗していたが、いずれも被告人の行為を制止するには至らなかった。
 被告人はAが高校を卒業して(略)専門学校に入学した後も、Aに対して性交を行うことを継続しており、その頻度は専門学校入学前から増加して週に3、4回程度となっていた。
出典:判決文

 なんとひどいことでしょうか。
 これに対し、被告人である父親は、性交には娘の同意があったと主張していました。しかし判決文は、
 本件各性交を含めて被告人との間の性的行為につき自分が同意した事実はない旨のAの供述は信用でき、本件各性交以前に行われた性交を含め、被告人との性交はいずれもAの意に反するものであったと認められる。
出典:判決文

と判断したのです。
 父親は中学二年の時から娘を性虐待し続け、父親が未成年の娘の意に反する性行為をした、判決はそのことを認めているのです。

■ 女性が性行為に抵抗できなかった状況
 本件で起訴された事案は、2017年8月と9月にこの女性が父親から車に乗せられて、それぞれ閉鎖的な空間に連れていかれて性交をされたという件です。これらの件では、女性は物理的な抵抗が認定されていません。
 この性交の直前(7月後半から、8月の性交の前日までの間)の出来事として、判決文は以下のように、父親からの強い暴行があったことを認定しています。
 抵抗したところ、被告人からこめかみのあたりを数回拳で殴られ、太ももやふくらはぎを蹴られた上、背中の中心付近を足の裏で2、3回踏みつけられたことがあった
出典:判決文

 判決は、この暴力により、女性のふくらはぎなどに大きなアザができたとしています。
 また、裁判では、精神科医が女性の心理状態について鑑定意見を提出しています。判決によれば、鑑定人は
被告人による性的虐待等が積み重なった結果、Aにおいて被告人には抵抗ができないのではないか、抵抗しても無理ではないかという気持ちになっていき、被告人に対して心理的に抵抗できない状況が作出された

と証言しているとのことであり、裁判所はこの鑑定について「高い信用性が認められる。」と認めています。
 さらに、まだ19歳の女性は経済的に実父に依存して生活しており、NOとは言いにくい状況に置かれていたとされています。
 判決は以下のように認定しているのです。
 Aが専門学校入学後、自身の学費ばかりか生活費についてまで、被告人から多額の借り入れをする形をとらされ、その返済を求められたことで、被告人に対する経済的な負い目を感じていたことからすれば、前記性的虐待がこの間も継続していたことと相まって、本件各性交当時、被告人のAに対する支配状態は以前よりも強まっていたと解される。
出典:判決文

 こうした事情があるのに、なぜ、判決は無罪を言い渡したのでしょうか。

「抗拒不能」の高いハードル
 判決は、以下のように説明します。
 刑法178条2項は意に反する性交の全てを準強制性交等罪として処罰しているものではなく、相手方が心神喪失または抗拒不能の状態にあることに乗じて性交をした場合など、暴行または脅迫を手段とする場合と同程度に相手方の性的事由を侵害した場合にかぎって同罪の成立を認めているところである。そして、同項の定める抗拒不能には身体的抗拒不能と心理的抗拒不能とがあるところ、このうち心理的抗拒不能とは、行為者と相手方との関係性や性交の際の状況などを総合的に考慮し、相手方において、性交を拒否するなど、性交を承諾・認容する以外の行為を期待することが著しく困難な心理状態にあると認められる場合を指すものと解される。
出典:判決文

 確かに日本の刑法178条の2項、準強制性交等罪は
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

という条文で、「心神喪失」または「抗拒不能」がないと成立しません。
 抗拒不能、というのは抵抗が困難、という意味です。判決はこの条文を本件にどうあてはめたのでしょうか。まず、直前にあった暴行の影響はどうでしょうか。
 Aが執拗に性交しようと試みる被告人の行為に抵抗した結果受けた本件暴行における暴力はAのふくらはぎ付近に大きなあざを生じるなど、相応の強度をもって行われたものもあったものの、この行為をもって、その後も実の父親との性交という通常耐えがたい行為を受忍しつづけざるをえないほど強度の恐怖心を抱かせるような強度の暴行であったとは言いがたい。
出典:判決文

 次に、精神科医から、女性は抗拒不能な心理状態だった、という鑑定意見が出ていることについてはどうでしょうか。判決は
 Aが抗拒不能の状態にあったかどうかは、法律判断であり、裁判所がその専権において判断すべき事項
出典:判決文

として、鑑定意見などによって裁判所の判断は左右されないんだぞ、という姿勢を示したうえで、
Aが態の裏付けとなるほどの強い離人状態(解離状態)にまで陥っていたものとは判断できない
出典:判決文

と判断しました。
 さらに、女性が被告人に依存していた関係についてはどう判断したでしょうか。
 確かに被告人はAに対して長年にわたり性的虐待を行ってきたものの、前記のとおり、これによりAが被告人に服従・盲従するような強い支配従属関係が形成されていたものとは認めがたく、Aは被告人の性的虐待による心理的影響を受けつつも一定程度自己の意思に基づき日常生活を送っていたことが認められる。
出典:判決文

としています。
 そして最後のまとめとして、判決は以下のようにダメ押しをして、無罪としたのです。
 本件各性交当時におけるAの心理状態はたとえば性交に応じなければ生命・身体等に重大な危害を加えられるおそれがあるという恐怖心から抵抗することができなかったような場合や、相手方の言葉を全面的に信じこれに盲従する状況にあったことから性交に応じるほかには選択肢が一切ないと思い込まされていたような場合などの心理的抗拒不能の場合とは異なり、抗拒不能の状態にまで至っていたと断定するにはなお合理的な疑いが残るというべきである。
出典:判決文

 つまり、女性が被告人に対して抵抗しがたい心理状態にあったとしてもそれだけでは十分でない、
●「解離」という精神状態に至った
● 生命・身体などに重大な危害を加えられる恐れがあった
● 性交に応じるほかには選択肢が一切ないと思い込まされていた場合
という極めて高いハードルを課して、これをクリアしない限り、いかに性虐待があっても、親から無理やり性交されても、レイプにはならない、父親は何らの刑事責任を問われない、というのがこの判決の結論なのです。

■ 諸外国では「不同意性交は犯罪」が趨勢になりつつある。  
 このような判断、日本でも愕然とする方が多いことでしょうが、国際的にも仰天されることは間違いないでしょう。
 いま、諸外国では同意なき性行為は犯罪、という法改正が進んでいるのです。
 最近実施した10か国の性犯罪に関する法制度の比較調査の結果、例えば、スウェーデン、イギリス、カナダ、ドイツ、米国の一部の州(ニューヨーク州等)では、既に同意なき性行為をすべて犯罪とする法制度が実現していることが明らかになりました(ヒューマンライツ・ナウ調査報告)。  
 #MeTooの影響もあり、この流れはどんどん進んでおり、さらに法改正を進める国も増えていくでしょう。
 また、不同意以外の何らかの要件を課す国の中でも、日本のように、暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能、というほどの厳しい要件を課すのでなく、もう少し緩やかな要件で性暴力を認めています。
 日本は性犯罪が成立しにくい法規定となっているのです。
 もし、この女性と父親がスウェーデン、イギリス、カナダ、ドイツ等に住んでいたなら、同じ事実認定のもとで無罪など到底ありえなかったでしょう。
 欧米だけではありません。隣の韓国にも
未成年者又は心神微弱者に対し、偽計又は威力により、姦淫又はわいせつな行為をした者は、5年以下の懲役に処する

という条文があり、未成年は19歳以下とされています。
 台湾にも
 性交するために、家族、後見人、家庭教師、教育者、指導者、後援者、公務員、職業的関係、その他同種の性質の関係にあることが理由で、自身の監督、支援、保護の対象になっている者に対する権威を利用した者は、6ヶ月以上5年以下の有期懲役刑に処する。

という規定各があるのです。
 この女性と父親が韓国や台湾に住んでいたとしても、同じ事実認定のもとで無罪にはならなかったと考えられます。
 日本は改めて性暴力に寛大な国、性暴力のうち広範な範囲が犯罪と認められないことが法律で定められている国、として、他国とはかなり異質になりつつあるといえるでしょう。

■ 2017年改正-なぜ抗拒不能の要件は残されたのか
 日本も何も変わっていないわけではなく、2017年に日本では、110年ぶりの刑法・性犯罪規定の改正がありました。
 その際にもこの「抗拒不能」という要件は「暴行脅迫」要件とともに問題にされ、『不同意性交はすべて犯罪』にしてほしいとの被害者の切なる意見が届けられました。
 しかし、これに先立つ法務省・法制審議会の議論では、この論点は見送りにされました。
 法務省の法制審議会の議論にあたって法務省が委員のために配布した資料のなかに、抗拒不能に関する裁判例の紹介があります。
 この裁判例をみると、かなり緩やかに抗拒不能を認定している事例が少なくありません。
 テレビ局への就職を志望する女子学生が、局の人事担当者と名乗る者から性的成功関係を迫られ、「断ればここには就職できない」と認識した場合等も「抗拒不能」と認定されている、などの例が紹介されています。
 このような判例のみをピックアップされて見ていると、「ま、実務でも常識的な判断をしているのだから、このままでよいのではないでしょうか」という意見に傾くのも理解できます。事実、法制審議会ではそうだったのです。
 ところが、このような判例に励まされて、被害者の代理人として刑事裁判に臨むと、現実に横行しているのは、あまりにも高い壁です。
 今回の岡崎支部の判例はあまりに極端だと思いますが、それでもしばしば同様の高いハードルが課されているのです。
 そこで、2017年法改正に際しては、衆議院で以下のような付帯決議が採択されました。
刑法第百七十六条及び第百七十七条における「暴行又は脅迫」並びに刑法第百七十八条における「抗拒不能」の認定について、被害者と相手方との関係性や被害者の心理をより一層適切に踏まえてなされる必要があるとの指摘がなされていることに鑑み、これらに関連する心理学的・精神 医学的知見等について調査研究を推進するとともに、司法警察職員、検察官及び裁時に判官に対して、性犯罪に直面した被害者の心理等についてこれらの知見を踏まえた研修を行うこと。
出典:衆議院付帯決議

 参議院でも同様な付帯決議が採択されています。
 ところが、今回、精神科医の鑑定になど左右されない、裁判官の専権事項として抗拒不能を決めてよい、という判決が出されたのです。
 裁判官・裁判所は付帯決議など全く意に介していないのではないか、と疑われます。

■ 翻弄される被害者・不平等な正義
 今回の判決を受けて検察庁は控訴をしました。
 これだけ疑問がある中、控訴審が原審の判断を維持するのか、注目されます。
 しかし、もし逆転判決が出ればそれで一件落着なのでしょうか。
 ここで問題にしたいこととして、法制審議会に提出された判例上の「抗拒不能」の判断と、岡崎支部の判決の「抗拒不能」の判断であまりにも「抗拒不能」の範囲に違いがありすぎる、ということがあります。
 これだけ裁判官によって解釈に幅があり、こちらでは被害者が絶望の淵に落とされ、あちらでは行為者が有罪になる、ということで、果たして日本は法治国家として適正に平等に正義を実現しているといえるのか、犯罪と非犯罪の境界線が明確にされているのか、予測可能性があるのか、という点で、深刻な疑問があります。
 そしてひとたびこのように、著しく「抗拒不能」を限定する判決が出てしまうと、その影響は大きく、検察官は起訴するか否かの判断に慎重になり、多くの性犯罪事例で不起訴が相次ぐという効果に跳ね返ります。判決であればこうやって検討することもできますが、検察官が不起訴にしてしまうとまさにブラックボックス、どんなに不当でも社会ではほとんど問題視すらされません。
 私は性暴力にあったのに加害者が起訴されずに悔し涙を飲んでいる女性たちをたくさん見て、相談に乗ってきました。もうこれ以上苦しむ女性は見たくないのですが、現行法がこのままの運用で放置されれば、そうした女性は今後とも後を絶たないでしょう。
 性虐待を今も受けて苦しんでいる女性たち、少女たちが日本国内にはどれだけいることでしょう。彼女たち、彼らにとって、この判決やそれを可能としている法制度は絶望しかもたらさないのではないでしょうか。

■ 今こそ、刑法の再改正を真剣に検討すべき
 2017年の刑法改正から2年もたたないうちに、本件に限らず、多くの人が驚くような性犯罪の無罪事例が立て続けに報道されています。
 今回は判決文が入手でき、コメントができましたが、他の事例も、裁判官の解釈への疑問から、そのような解釈を可能としている現行法制度の問題が浮き彫りになってくるような事案かもしれません。
 法務省では性犯罪被害の実態調査を実施するとのことですが、あわせて判例や不起訴事例なども参考にして、不同意性交なのに処罰されない事例としてどのような事例があるのか、それが実体的正義に合致するのか否かについて真剣な検討を進めるべきです。
 そして、暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能の要件を改正することを焦点とする、刑法の再改正について速やかに、真剣に検討を進めるべきだと考えます。(了)

後注:
 2017年の日本の刑法改正の際に『監護者性交等罪』という犯罪が新たに導入され、この法改正後は18歳未満の者に対して、親などの監護者がその影響力に乗じて性交等をする行為は処罰の対象となりました。
 しかし、今回のように19歳の女性が被害者の場合は適用されません。
 また、判決によれば女性は中学2年生の時から性虐待を受けていましたが、日本の性交同意年齢は13歳とされ、14歳以上で繰り返し性交されていたとしても、「抗拒不能」「暴行脅迫」が証拠により立証されなければ、罪に問えなかったものと考えられます。ちなみに、性交同意年齢は諸外国に比較して極めて低年齢に設定され、この点も広く疑問視されています。

追記について:
 性交の直前の暴力について、「直前とは?」とのご質問をいただきましたので、本文に追記しました。


Yahoo! Japan News、2019/4/11(木) 0:23
19歳の娘に対する父親の性行為はなぜ無罪放免になったのか。
判決文から見える刑法・性犯罪規定の問題

伊藤和子、弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
https://news.yahoo.co.jp/byline/itokazuko/20190411-00121721/

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F35戦闘機の大量取得

 西が議員を辞してまで、本気の野党共闘に取り組む宮本たけしならば、どうしてもヤッホーくん、東のミヤモトも紹介しておかねば、と思ったんだそうです。
 それは、宮本徹衆議院議員(東村山、清瀬、東久留米、東大和、武蔵村山/東京、1972年生まれ)。
 どちらのミヤモトも、これ以上日本が壊れないように、壊さないようにと、本気でがんばっておりますのでヤッホーくん、心惹かれるものがあります

 米国からの兵器の大量購入を決めた安倍政権が、105機の追加取得を行うF35ステルス戦闘機について、岩屋毅防衛相は2019年2月15日の衆院予算委員会で、米政府監査院(GAO)が報告で示したF35の未解決の欠陥966件(2018年1月時点)の「リストは保有していない」と述べ、同機の欠陥を把握していないことを認めました。
 日本共産党の宮本徹議員への答弁。
 宮本氏は、F35のコスト急増問題に加え、「どういう欠陥があるかもわからないまま105機も爆買いするのか」と批判しました。

 宮本氏は、米国防総省や監査院の報告書によれば、2017年にF35のパイロットの酸素欠乏が6回も起きるなど、呼吸調節装置が頻繁に故障し、墜落の危険もあると強調。
 原因究明はされたのかとただすと、岩屋氏は「米国防総省が原因の調査を行っている」と述べ、改善されていないことを認めました。

 さらに宮本氏は、国防総省の年次報告によると、F35A搭載の機関砲の正確さが契約仕様を満たしていないと指摘。
 岩屋氏は「米国政府がいかなる契約仕様としているか承知していない」とする一方、「わが国の仕様は満たしている」と強弁しました。

 政府が「有力な候補機の一つ」とするのがF35B。
 宮本氏は、同機のタイヤに耐久性がなく、着陸回数10回未満だとした監査院の報告を挙げ、タイヤの価格やF35Bの維持費はいくらかとただしました。

 岩屋氏は、
「ロッキード・マーティン社が新しいタイヤの開発を行っている」
「タイヤ一組の価格や、維持費について公表された情報は承知していない」
と答えられませんでした。

 宮本氏は、
「F35の実態は未完の戦闘機だ。車でいえば新車を毎年リコールし続けるようなもの」
と痛烈に批判し、大軍拡・爆買いをやめ、国民生活にまわすべきだと主張しました。


しんぶん赤旗、2019年2月16日(土)
安倍政権の“浪費的爆買い”
F35戦闘機 欠陥把握せず
衆院予算委 宮本徹議員に防衛相答弁

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2019-02-16/2019021601_01_1.html

 今日、3月12日、衆院本会議で、「武器爆買い法案」と呼ぶ方もいる、防衛調達特措法改正案の採決がおこなわれました。
 質疑時間の関係で、取り上げられなかった問題があります。
 それは、安倍総理の答弁のファクトチェックです。

 1月31日、志位委員長が代表質問について、F35戦闘機の大量取得について「浪費的爆買い」と指摘したのに対して、安倍首相は次のように答弁しました。

「今般、追加取得を決定したF35については、老朽化した現有のF15を代替するものでありま す。
 老朽化するに任せ、放置することは、国民の命を守る責任を持つ我々としては、無責任な姿勢と言わざるを得ないわけであります。
 我が国の防衛に万全を期すため、我が国の主体的な判断のもと、その取得を決定したものであり、浪費的爆買いとは、全く的外れな間違いであります 」

 私が、防衛省担当者から直接聞いている話はまとめると以下です。

Q F35戦闘機の追加取得105機の根拠は?
A 現在保有しているF15戦闘機のうち、近代化改修に適さない99機をおきかえる。

Q F15より古い機種であるF4がまだ飛んでいるが、近代化改修に適さないF15の耐用年数はあとどれだけなのか。退役の時期も決まっているのか。
A F15については耐用年数はあとどれだけとは決まっていない。

Q F15はアメリカ側に下取りしてもらい、アメリカが第3国に売るという報道があるが。
A 具体的な話は承知していない

Q F35を105機を追加取得して、いくつ飛行隊をつくるのか?
A 空自は、おおむね20機で1飛行隊を編成している。F35の追加取得105機で、5飛行隊をつくる

Q 現在、近代化改修に適さないF15は、いくつの飛行隊に配備されているのか
A 近代化改修に適さないF15で編成されている飛行隊は3つ。残りの近代化改修に適さないF15は教育用などに使っている。

Q 追加取得で編成するF35の飛行隊の数と、現に近代化改修に適さないF15で編成する飛行隊の数が合わないではないか。
A 近代化改修に適するF15の飛行隊のうち1飛行隊もF35におきかえる。

 以上、防衛省担当者の話のポイントを記しました。
 安倍首相の答弁と随分違います。
 退役が決まっているF4戦闘機(民主党政権の2011年にF4FJ改が約80機あったものを、F35の42機におきかえることを閣議了解している)とは違い、F15についてはまだ耐用年数はあと何年と決まっている段階でもなく、したがって退役時期が迫っていたわけでもありません。
 まだまだ使えるということだから新聞報道にあるように、アメリカ経由で第三国への売却も検討しているということなのでしょう。
 安倍首相の主張する「老朽化」とは異なります。

 さらに、近代化改修に適さないF15で編成している飛行隊はすでに3飛行隊しかないのですから、安倍首相のいう、「老朽化したF15の代替」ならば、F35の取得数は、論理的にいえば、3飛行隊分、つまり最大60機でしょう。
 実際は、近代化改修に適した比較的新しいF15で編成された飛行隊もF35で代替する計画になっています。
 これも安倍首相の答弁と違います。

 今国会で、幾人もの方がF35の大量購入をただしていますが、私が防衛省の担当者から聞いたような答弁をする大臣は一人もいません。
 安倍首相や防衛大臣にはどこまで話がいっているのか、わかりませんが、ファクトチェックに耐えられない答弁だったと言わなければなりません。

 さて、F35はF35Aで1機116億円。F35Bならば約150億円。
 米国の報道では維持管理費は、F15の1.6倍かかります。
 米軍はすでに開発費、取得費、維持費の高さから、はじめの取得計画数から減らしています。
 さらに減らす可能性もあります。
 こういう中で、トランプ政権に求められて、日本が補って取得するという構図です。

 
宮本徹 いま言いたい、2019-03-12 23:02:40
ファクトチェック
https://ameblo.jp/miyamototooru/entry-12446307246.html

 航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが訓練中に墜落した。
 不明隊員の無事を祈りつつも、多額の税金をつぎ込む次期主力戦闘機だ。
 機体に問題はないのか、事故原因の究明を急ぐべきである。

 F35Aはレーダーで捉えにくいステルス性に優れた最新鋭の「第五世代」戦闘機だ。
 米ロッキード・マーチン社が主体となり米英伊など9ヶ国が国際共同開発した。
 日本企業は開発には参加していないが、製造には加わり、事故機は愛知県の三菱重工業小牧南工場で組み立てた機体だった。

 操縦士の40代の男性三佐は訓練を中止すると無線で伝えた後、消息を絶った。
 何らかの異変を認識していた可能性があるという。

 2018年9月、米国で海兵隊仕様のF35Bの墜落例はあるが、F35Aの墜落は初めてだ。
 空自の航空事故調査委員会が調査を始めた。
 機体に原因があったのか、操縦に問題があったのか。
 事故原因の究明を急ぐべきは当然だ。

 F35Aは老朽化したF4戦闘機の後継機として、昨年2018年1月、青森県三沢市の空自三沢基地に配備され、今年2019年3月、12機、80人態勢で飛行隊が発足したばかりだ。

 岩屋毅防衛相はすでに同型機の飛行見合わせを表明し、三沢市の種市一正市長との面会では、
「地元の皆さまに大変ご不安を与えてしまい申し訳ない」
と陳謝した。
 基地周辺住民の不安を考えれば、原因が究明され、対応策が完了するまで飛行を再開すべきではない。

 政府はF35を次期主力戦闘機と位置付け、F35Aと、短距離での離陸と垂直着陸が可能なF35Bを合わせて147機まで調達する計画だ。
 仮に機体トラブルが墜落の原因なら、調達計画の妥当性も問われなければならない。

 大量調達にはトランプ大統領が求める米国製装備品の購入拡大に応える安倍晋三首相の狙いもあった。
 とはいえ、米国に配慮するあまり、事故原因究明の目が曇ってはならない。
 最新鋭戦闘機は米軍の軍事機密の固まりとされるが、可能な限り究明し、国民への説明を尽くすべきだ。

 F35A一機当たりの調達価格は2018年度の契約ベースで約116億円。
 多額の税金投入だ。
 F35Bのヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」上での運用には、憲法が禁じる空母保有に当たるとの批判がある。

 安全保障政策は、国民の理解がなければ成り立たない。
 事故原因の究明と国民への丁寧な説明がその前提であることを、安倍政権は肝に銘じるべきである。


東京新聞・社説、2019年4月11日
空自F35墜落
国民が分かる究明に

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019041102000182.html

 きょう2019年4月10日の日経新聞が、ついに日本の防衛費が対GNP比で1.3%になると言う記事を掲載した。
 岩屋防衛相がきのう4月9日の衆院安保委員会で、我が国の防衛費は北大西洋条約機構(NATO)の算出基準で試算すると対国内総生産(GNP)比で1.3%になるとの認識を示したというのだ。
 この岩屋防衛相の国会答弁は極めて深刻な意味を持つ。
 まず統計技術上のごまかしがある。
 統計疑惑問題で明らかになったように、統計のごまかしは、単なる数字のごまかしだけではない。
 統計基準の変更を含めた統計手法の作為的操作で、いくらでも結論がごまかせるところが統計疑惑の本当の問題なのだ。

 今度の対GNP比1.3%も、まさしく「NATO基準」で換算し直せば1.3%だと言っている。
 これまでの日本の基準である対GNP比1%以内に抑えるという方針は守っていると言わんばかりだ。

 NATO基準に変えて計算し直したのは、あくまでもトランプ大統領の不当な要求をかわすためのごまかしであり、むしろ日本にとって都合のいいごまかしであると言わんばかりだ。
 その限りでは問題はない。

 しかし、一旦1.3%という数字が公言されれば、その数字は独り歩きする。
 そして、国内的には、NATO基準ではなく、従来の統計基準に従って、対GNP比1.3%に戻せばいいのだ。
 その時こそ、我が国の防衛費が3割増になる時だ。
 年間5兆円強の国防予算が、あっという間に6.5兆円になる勘定だ。

 トランプ大統領が米国の大統領として二期8年やれば、どうしてもそれぐらいは必要になっていく。
 いや、トランプ大統領が再選されなくても、米国の日本に対する防衛予算増額圧力は、強まりこそすれ弱くなることはない。
 まさしく日本の防衛予算はいくら増えても足りなくなる。

 岩屋防衛相がきのう4月9日の安保委員会で、わが国の防衛予算が対GNP比で、「今後5年間に1.1〜1.3%になる」とはじめて言及した事の深刻性は、まさにそこにある。
 この岩屋発言が大問題にならないところが、今の日本政治の大問題なのである。


天木直人のブログ、2019-04-10
防衛費GDP比1.3%の深刻さ
http://kenpo9.com/archives/5823

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